WO2000007455A1 - Procede de production d'aliment compose presentant un motif et systeme de production utilise pour mettre en oeuvre ledit procede - Google Patents

Description

明細書

模様付複合食品の製造方法及びその方法に用いる製造システム 技術分野

本発明は、 内部に外側部分の食品とは少なくとも味が異なる食品を充填した、 表面に色模様を有する複合食品の製造方法及びその方法に用いる製造システムに 関する。

従来の技術

1つの食品において複数の味覚が楽しめる複合食品としては、 例えば、 外側部 分がチョコレートで覆われ、 内側部分として、 酒、 ジャム、 外側部分のチョコレ 一トとは異なる味のチヨコレート等の流動性フィリング材料が充填されたチヨコ レートが知られている。

このような充填物入りチヨコレートの製造方法としては、 図 9又は図 1 0に示 される方法が知られている。

図 9に示される方法は、 まず、 凹部を有する予め固化した 2つのチョコレート 部材（2 2， 2 2 ' )を、 凹部を内側にして加熱接合し、 開口部 2 3を有するボト ル状チョコレートを作製する（図 9 (a)参照)。 次いで、 充填装置又は注入装置 2 7 のノズル 2 8力 ら、リキュール又はブランデー等を内部に充填又は注入する（図 9 ( )参照)。 最後に、 開口部 2 3をチョコレートで閉塞する (図 9 (c)参照)。

この方法では、 予め固化したチョコレート部材（2 2 , 2 2 ' )を接合するため、 接合した際の継ぎ目が製品外観に現われる。 このような継ぎ目は、 特に、 表面に 模様を施し、 例えば、 クリスマス商品又はバレンタイン商品等の装飾性にも重点 が置かれた商品においては、 装飾性に関わる商品価値を著しく低下させる。

一方、 図 1 0に示される方法は、 まず、 モールドのキヤビティ内にチョコレー トの原料溶融物を充填して振動させた後、 モールドを反転させることによって、 キヤビティ内壁面に付着せずに落下する原料溶融物を落下回収する。 次いで、 モ 一ルドを元の位置に戻してから、 キヤビティ内に付着したチヨコレ一ト原料を冷 却し、 充填物となる別の流動性フィリング材料をキヤビティ内の中程まで充填し て冷却する。 さらにチョコレー卜の原料溶融物を充填してスクレープしてから全 体を冷却 ·固化して充填物入りチヨコレートを製造し、 モールドより取り出す方 法である。

この方法では、 チヨコレートの原料溶融物の一部を回収する工程を行なう必要 があるため製法が煩雑で、 その管理も複雑である。 加えて、 回収した原料溶融物 は、 通常、 再使用されるためその管理も煩雑となる。

特に、 色彩の異なる 2種以上のチョコレートの原料溶融物を用いて、 色彩によ る一定模様が施された製品を製造する場合、 得られる各製品の模様を略一定化す るために、 色彩の異なる 2種以上の原料溶融物が完全に混ざらないようにキヤビ ティ内に充填する必要がある。 しかし、 この方法では、 色彩の異なる 2種以上の 原料溶融物を回収する際に、 原料溶融物同士が完全に混ざり合ってしまい、 回収 した原料溶融物を再使用に供することができないという問題がある。

そこで、 装飾性を損なう継ぎ目が外観に現れず、 しかも上記図 1 0に示される ようなチョコレートの原料溶融物の回収や、 それに伴う再使用を必要としない、 少なくとも外観に色模様が施された、 充填物入りチョコレートの製造方法が提案 されている。

この方法は、 まず、 色彩の異なる 2種以上のチョコレートの原料溶融物を、 そ れぞれ混合しないように、 ノズルからモールドのキヤビティ内に同時に所定量だ け吐出充填する。 次いで、 充填物となる流動性フィリング材料をキヤビティ内の 中心部に吐出すると共に、 色彩の異なる 2種以上の前記原料溶融物を、 該充填物 の周辺部に、 所定量だけ吐出充填する。 最後に、 その上に再度、 色彩の異なる 2 種以上の前記原料溶融物のみを吐出充填する方法である。

この方法の場合は、 先にキヤビティ内に充填しておいた原料溶融物上に、 充填 物と、 原料溶融物とを同時に、 別々のノズルからの吐出によって充填するため、 それぞれが混合してしまう頻度が多くなり、 従って、 得られる製品中に充填物を 内在させるための制御が困難で、 不良品発生の頻度が高いという問題がある。 発明の開示

本発明の目的は、 外側部分に色模様を有し、 外側部分を形成する食材とは異な る味の食材を内在させた、 表面に継ぎ目のない美しい外観を有する模様付複合食 品を簡便な制御により得ることが可能な模様付複合食品の製造方法及びその方法 に使用する製造システムを提供することにある。

本発明の別の目的は、 内側部分に充填する流動性フィリング材料を内在させる 制御が容易であり、 不良品発生の頻度を抑えて製造することができる模様付複合 食品の製造方法及びその方法に用いる製造システムを提供することにある。 本発明の他の目的は、 得られる複合食品同士の外観の色模様をそれぞれ略同一 に制御することが容易であり、 かつ 1つの製品で異なる味を楽しむことができる 模様付複合食品の製造方法及びその方法に用いる製造システムを提供することに ある。

本発明によれば、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料によって施さ れた模様を有する外側部分と、 外側部分とは味が異なる流動性フィリング材料か ら形成される内側部分とを備える模様付複合食品の製造方法であって、

外側部分を形成するための、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料を モールドのキヤビティ内に所定量充填し、 該キヤビティ形状に保持された実質的 に流動的な予備成形物を得る工程 (A)と、予備成形物中に、 ノズルを挿入する工程 (B)と、 予備成形物中に、 ノズルを通して、 内側部分を形成するための流動性フィ リング材料を所定量注入する工程 (C)と、 予備成形物中からノズルを引抜く工程 (D)と、 工程 (D)の後、 キヤビティ内の少なくとも流動性食品材料を固化させるェ 程 (E)とを含む模様付複合食品の製造方法が提供される。

また本発明によれば、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料によって 施された模様を有する外側部分と、 外側部分とは味が異なる流動性フィ リング材 料から形成される内側部分とを備える模様付複合食品を製造するための上記製造 方法に使用するシステムであって、

色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料をモールドのキヤビティ内に所 定量充填する充填装置と、 垂直移動可能なノズルを有し、 該ノズルから所定量の 流動性フィリング材料を注入する注入装置と、 キヤビティ内に充填された少なく とも流動性食品材料を固化させる固化装置と、 充填装置、 注入装置及び固化装置 の順にモールドを移動させる移動装置とを備える模様付複合食品の製造システム が提供される。

図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の製造システムの一態様を示す概略斜視図である。

図 2 ( a )〜（c )は、本発明の製造システムの充填装置に取付けられるノズル組立 体の一態様を示す分解斜視図であり、 （d )は、 複数のキヤビティを備えるモール ドのー態様を示す斜視図である。

図 3は、 本発明の製造システムの注入装置に取付けられる垂直移動可能なノズ ルを用いて流動性フィリング材料を注入する状態を説明するための説明図である。 図 4は、 図 2に示されるノズル組立体及び図 3に示される垂直移動可能なノズ ルを用いた製造システムにより製造された複合食品の一部破断斜視図である。 図 5 ( a )〜（ c )及び（ f )は、 本発明の製造システムの充填装置に取付けられるノ ズル組立体の他の態様を示す分解斜視図であり、（d )は、 図 2 ( d )と同様な複数の キヤビティを備えるモールドのー態様を示す斜視図である。

図 6は、 図 5に示されるノズル組立体及び図 3に示される垂直移動可能なノズ ルを用いた製造システムにより製造された暈し模様を有する複合食品の一部破断 斜視図である。

図 7は、図 4に示す複合食品にレリーフ模様を付加した一部破断斜視図である。 図 8は、図 6に示す複合食品にレリーフ模様を付加した一部破断斜視図である。 図 9 ( a )〜（ c )は、 従来の複合食品の製造方法を示す説明図である。

図 1 0は、 従来における別の複合食品の製造方法を示す説明図である。

発明の好ましい実施の態様

本発明の製造方法により得られる模様付複合食品は、 外側部分と内側部分とに より構成されており、 外側部分と内側部分とを構成する食材の味が異なり、 かつ 外側部分には、 色彩による模様が施された食品である。 従って、 1つの食品にお いて異なる味覚を楽しむことができると共に、 外観に色模様を有するので、 クリ スマス商品、 バレンタイン商品等の装飾性が必要とされる商品に最適である。 本発明の製造方法では、 まず、 外側部分を形成するための、 色彩が異なる少な くとも 2種の流動性食品材料をモールドのキヤビティ内に所定量充填し、 該キヤ ビティ形状に保持された実質的に流動的な予備成形物を得る工程 (A)を行なう。 この工程 (A)に用いる流動性食品材料は、 ある程度の粘性を有し、加熱等により 流動性を示し、 また、 冷却又は加熱等により固化する食品材料であれば良い。 例 えば、 チョコレート材料；かまぼこ等の練り製品材料；ゼリー材料；チーズ；焼 き菓子材料、 ようかん、 アイスクリームが挙げられる。 キヤビティ内に充填する 際の流動性食品材料の粘度は、 その種類、 後述する流動性フィ リング材料の種類 及び比重等に応じて適宜選択することができる。 色彩が異なる少なくとも 2種の 流動性食品材料の粘度は、所望の模様を得るために同程度にすることが望ましい。 尚、 本発明において色彩には、 白及び黒を含む。 色彩は天然色であっても合成色 であっても良く、 また、 色彩が異なるとは、 同系の色の濃淡のみが異なる場合も 含む。

本発明に用いるモールドは、 公知の種々の形状を備えたキヤビティを 1又は 2 以上有する。キヤビティの形状は特に限定されず、その内壁面は平坦であっても、 また底部に星型等の凹部又は凸部を有していても良い。

キヤビティ内に前記色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料を充填する には、 キヤビティ内に凹部が設けられている場合、 最初に該凹部にある種の流動 性食品材料を充填し、 次いで、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料を 充填することができる。 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料の工程 (A)における充填量は、 後述する流動性フィ リング材料を注入した際に、 それぞ れの材料によりキヤビティ内が満たされる力 \ 若干少ない量となるように所定量 を設定して充填する必要がある。 この所定量は、 得られる食品の種類、 食品を構 成する外側部分と内側部分の割合等に応じて適宜決定することができる。

キヤビティ内に充填する少なくとも 2種の流動性食品材料は、 それぞれが完全 に混じり、 得られる食品の外観に色模様が得られないことがなければ、 充填時に ある程度混合されていても良い。 この場合、 得られる色模様の制御が困難である ため、 得られる個々の製品の色模様を同一にすることは通常できない。

一方、 得られる個々の製品の色模様を略同一なものとし、 商品価値を更に高め るには、 例えば、 後述する充填装置 (A)に備えられるノズル組立体を用いて、 ノ ズル内で各流動性食品材料を別個に分岐させ、 キヤビティ内に略同時に連続的に 充填する方法が挙げられる。

更に詳細には、 例えば、 計量器付きのデポジッターで所定量に計量された各流 動性食品材料を、 少なくとも 2つの離隔された通路を有するノズル組立体の上方 に位置する前記各通路に連通する各領域に略同時に別々に供給し、 ノズル組立体 内において各流動性食品材料を実質的に水平方向に移動させると共に、 各流動性 食品材料の流れを分岐させてノズル組立体の下方から略同時に別々に送出させ、 キャビティ内に所定量充填する。

このようなノズル組立体を用いることによって、 流動性食品材料は、 ノズル組 立体の上方から供給され、 ノズル組立体内で合流せずに、 水平移動しながら分岐 し、 ノズル組立体の下方から送出され、 キヤビティ内で合流する。 従って、 ノズ ル組立体における各流動性食品材料の流れの数及びその配置を適宜選択すること により、 得られる食品の模様を多種多様に設計できる。 この際、 合流とは、 異な る色彩の流動性食品材料が混合して別の色彩を示すことではなく、 異なる色彩の 状態を実質的に維持して互いに接触することである。

また、 各流動性食品材料を、 キヤビティ内で合流させる代わりに、 各流動性食 品材料の流れを前記ノズル組立体内で分岐させた後、 キヤビティ内に充填する直 前において合流させてノズル組立体の下方から送出させることもできる。 このよ うにキヤビティ内に充填する直前において流動性食品材料を合流させることによ り、 波形等の更に複雑模様にすることができる他、 異なる色彩の食品材料が合流 した境界を暈し模様とすることもできる。 この際、 暈し模様は前記境界部分だけ であって、 得られる食品は、 色彩が 2種以上に分離した模様を示す。

以上のように、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料をキヤビティ内 に所定量充填することによって、 キヤビティ形状に保持された実質的に流動的な 予備成形物が得られる。 この予備成形物が実質的に流動的なとは、 充填する流動 性食品材料と略同じ流動性を有する状態であっても良いし、 また、 キヤビティ底 面付近、 側面付近が一部固化した状態であっても良い。 要するに、 予備成形物の 上面の少なくとも一部、 並びに、 後述する流動性フィリング材料を注入する内部 の大部分が流動状態であれば良い。 このような状態とするには、 流動性食品材料 の種類に応じて、 キヤビティ壁面の温度及び環境温度等を調節することにより実 施することができる。

本発明の製造方法では、 次に、 前記予備成形物中に、 ノズルを挿入する工程 (B) と、 予備成形物中に、 ノズルを通して、 内側部分を形成するための流動性フイリ ング材料を所定量注入する工程 )と、 予備成形物中からノズルを引抜く工程 (D) とを行なう。

前記流動性フィリング材料としては、 例えば、 流動性食品材料としてのチョコ レート材料とは味が異なるチヨコレート材料；ガナッシュ、 ジヤンドゥーャ等の クリーム ；イチゴジャム、 マーマレード等のジャム類；あんこが挙げられる。 こ れらの流動性フィリング材料には、 流動性があり、 且つノズルから送出可能であ れば、 例えば、 ナッツ等を砕いた固形物を含んでいても良い。

この流動性フィリング材料は、 実質的に流動的な予備成形物に注入した際にキ ャビティ底面に沈降しないようにする必要がある。 また、 流動性食品材料中に流 動性フィリング材料を留める必要がある。 このような沈降を防止したり、 流動性 フィリング材料を流動性食品材料中に留めるためには、 例えば、 流動性フィリン グ材料として、 使用される流動性食品材料よりも粘度が高いもの、 若しくは比重 が流動性食品材料と同程度のものを選択することが好ましい。 また、 予備成形物 の底面を、 予め、 ある程度固化若しくは粘度を上げた状態としておけば、 流動性 フイリング材料の種類に限定されず沈降を防止することができる。

前記工程 (B)〜(D)を実施することにより、 内側部分を形成するための流動性フ ィリング材料を、 予備成形物中の内部に収める制御が容易になる。 要するに、 予 備成形物を構成する流動性食品材料の種類と、 流動性フィリング材料の種類とに 応じて、 挿入するノズルの径及び流動性フィリング材料の注入量と注入圧等を調 節することにより流動性フィリング材料を予備成形物中の内部に収めることがで きる。 この際、 ノズルが予備成形物の流動状態の部分に挿入され、 流動性フイリ ング材料が注入されるに従って、 予備成形物を構成する流動性食品材料の界面が キャビティ壁面等に沿つて上昇する。 流動性フィリング材料の注入量は、 予備成形物中に収まる量であって、 かつ注 入によって、 予備成形物を構成する流動性食品材料の界面がキャビティの容量を 越えない量であれば特に限定されない。

工程 (D)により、 ノズルを予備成形物中から引抜くことにより、通常はノズルの 引き抜き孔は、 予備成形物を構成する流動性食品材料によって塞がれる。 流動性 食品材料の粘度が高く、 この引抜き孔が完全に塞がれない場合等には、 次の工程 (E)を行なう前に、 工程 (A)で充填した流動性食品材料と同様な流動性食品材料等 を用いて孔を塞ぐことも可能である。

本発明の製造方法では、前記工程 (D)の後、モールド内の少なくとも流動性食品 材料を固化させる工程 (E)を行なうことにより、模様付複合食品を得ることができ る。

工程 (E)における固化は、流動性食品材料の種類に応じて、冷却若しくは加熱に より行なうことができ、 その条件も適宜選択できる。 この際、 充填された流動性 フィリング材料の種類によっては、 この流動性フィリング材料も固化させる条件 を設定しても良い。

本発明の製造方法により得られる模様付複合食品は、 例えば、 モールドを販売 容器とする場合には、 そのまま製品化することができる。 また、 通常の取り出し 装置により、 キヤビティ内から取出して製品化することもできる。

上記製造方法に使用する本発明の製造システムは、 特定の充填装置と、 特定の 注入装置と、 固化装置と、 特定の移動装置とを備え、 その配置、 並びに注入装置 を設けたところに特徴を有する。

以下に図 1を参照しながら、 本発明の製造システムの概略を説明するがこれに 限定されるものではない。

図 1において、 1は、 本発明の製造システムの一態様であって、 2は充填装置 を、 3は注入装置を、 4は固化装置を、 5は移動装置をそれぞれ示す。

充填装置 2は、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料をモールド 6の 複数のキヤビティ内に所定量づっ加圧充填する装置であって、 流動性食品材料を 収容する容器（2 _a， 2 b )と、 各流動性食品材料を送出するためのシリンダ (図示 せず）と、 後述する図 2又は図 5に示されるノズル組立体を備える。

このノズル組立体の好ましい態様としては、 例えば、 ノズル取付基板と、 該基 板に取付ける 1以上のノズルプレー卜とを備える組立体が挙げられる。 ノズル取 付基板及びノズルプレ一卜は、各々少なく とも 2つの離隔された通路を具備する。 工業的には、 ノズル取付基板の下面に、 ノズルプレートを並列に複数備えた態様 が好ましい。 ここでプレートとは、 鉛直方向に延長したノズル及び従来のチョコ レート材料等を予め混合するための貯留タンクのように鉛直方向に長いものでは なく、 なるべく薄い板状のものを意味する。 このように、 各ノズルをプレートに することによって、 スペース効率を向上させ、 更に、 ノズルへ供給する際の流動 性食品材料の粘度及び供給圧が同一であれば、 従来の鉛直方向に長いノズルを用 いるよりも短時間で成形型に各流動性食品材料を供給することができ、 製造効率 を向上させることができる。

ノズル取付基板の各通路は、 前記流動性食品材料の 1種を実質的に水平方向に 誘導する通路である。 また、 ノズル取付基板の各通路は、 ノズルプレートの通路 のうちの対応する 1つの通路に連通する連通孔を少なくとも 1つずつ備える。 従 つて、 ノズル取付基板の通路からの各流動性食品材料の流れは、 合流することな く下方のノズルプレートの通路に供給される。 ノズルプレートの各通路は、 前記 流動性食品材料の 1種を 1つのキヤビティ内に送出する送出孔を少なく とも 1つ ずつ備え、 且つ通路の少なくとも 1つが前記流動性食品材料の 1種を実質的に水 平方向に誘導する水平誘導通路である。 また、 各水平誘導通路に連通するノズル 取付基板の 1つの通路に設けられた連通孔の数よりこの水平誘導通路に具備され る送出孔の数が多い構成となっている。

従って、 ノズル取付基板の通路へ供給した各流動性食品材料の流れの数より、 下方のノズルプレートの水平誘導通路を通過した流動性食品材料の流れの数が多 くなる。 即ち、 少ない供給流れを水平方向に誘導することによって、 ノズルの鉛 直方向の長さに関係なく、流動性食品材料の流れを容易に分岐させることができ、 ノズル取付基板と、 少なくとも 1つのノズルプレートとを種々組合わせることに より、 多種多様な模様の設計の拡張が容易となる。 このような、 多種多様な模様は、 複数のノズルプレートを鉛直方向に互いに接 して設けること、 並びにノズルプレートから独立して送出されてくる色調が異な る流動性食品材料を合流させて送出させる合流ノズルを更に設けることによって、 より拡大させることができる。 この合流ノズルは、 前述の製造方法における、 異 なる色彩の流動性食品材料が合流した境界を暈し模様とするのにも好適である。 上述のノズル組立体を用いることにより、 各キヤビティ内で製造される複合食 品の外観に形成される色模様を、 略同一模様とすることができる。

注入装置 3は、 所定量の流動性フィ リング材料を注入する装置であって、 流動 性フィリング材料を収容する容器 3 aと、 流動性フィリング材料を送出するため のシリンダ (図示せず）と、 後述する図 3に示される垂直移動可能なノズルを備え る。

注入装置 3に具備されるノズルは、 流動性フィリング材料を上記キヤビティ内 に所定量充填された流動性食品材料内に収容するように注入するため、 その径を 適宜選択する必要がある。 例えば、 流動性食品材料がチョコレートの場合には、 通常、 内径が 3〜9 m/m、 好ましくは 6 mZm程度のノズルを用いることがで きる。

このノズルを引抜いた後に、ノズル引抜き孔が残る場合には、注入装置 3の後、 固化装置 4の前に、 上記充填装置 2と同様な装置を更に設置して、 該孔を塞ぐた めの流動性食品材料を再度充填することもできる。

固化装置 4は、 キヤビティ内に充填された少なくとも流動性食品材料を固化さ せる装置であって、 ク一リングトンネル等の冷却装置あるいは加熱室を用いるこ とができる。

移動装置 5は、 通常、 間欠運動するコンベアにより構成され、 コンベア上に載 置される、 複数のキヤビティを備えるモールドを、 充填装置 2、 注入装置 3及ぴ 固化装置 4の順で移動させる装置である。

実施例

以下に、 この発明の好ましい実施例を流動性食品材料として、 チョコレート材 料を用いた例により説明するが、本発明は他の食材によっても達成できる。また、 各実施例を図面に基づき説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例 1

図 1に示される製造システム 1によりチョコレートの複合食品を製造する。 まず、 充填装置 2の容器（2 a、 2 b)に連設するノズル組立体として、 図 2 (a) 〜（c)に示されるノズル組立体を用レ、、図 2(d)に示されるモールド 14のキヤビ ティ 14'内に、白と褐色 (チヨコレ一ト色)の 2種のチヨコレート流体材料 (A， B) が同時充填される。 この充填により、 縞模様が施され、 外形としては図 4に示さ れる装飾模様のチョコレート製品 1 6となる。

このノズル組立体は、 ノズル取付基板 1 1と、 その下部に補助板 (図示せず)を 介してビスで取り付けた二枚のノズルプレート（1 2， 1 3)とからなる。

詳細には、 このノズル取付部 1 1には、 図 1に示す容器（2 a， 2 b)からのチ ョコレート流体原料 (A， B)を水平方向に各別に案内するための第 1の通路（1 1 a, 1 1 b)と、 これらの通路にそれぞれ 1個づっ穿設された上孔（1 1 a'， 1 1 b')を備える。 また、 ノズルプレート 1 2は、 上記上孔（1 1 a 1 1 b')から送 出されたチョコレート流体原料 (A， B)を受け容れ、 水平方向に案内する同心円 状に区割りされた第 2の通路（1 2 a， 1 2 b)と、 これらの通路にそれぞれ穿設 された下孔（1 2 a'， 1 2 b')とを備える。 さらにノズノレプレート 1 3には、 上記 下孔 1 2 a'の直下に穿設し、 同孔から送出されるチヨコレート流体原料 Aを通す 8個の下孔 1 3 aと、上記下孔 12 b'から送出されるチヨコレート流体原料 Bを 受けて水平放射線方向に拡散する第 3の通路 1 3 bと、 その外周先部に穿設した 8個の下孔 1 3 b'とを有する。

第 1〜第 3の通路（1 1 a， l i b, 12 a, 1 2 b, 1 3 b)は、 チョコレー ト流体原料 (A， B)を水平方向に個別に案内するための区画室としてそれぞれが 機能し、 上孔（1 1 a '， 1 1 b')と下孔（1 2 a'， 1 2 b '， 1 3 a, 1 3 b ')は、 上 記通路から下方へ送り出す機能を有する。 これらの孔（1 2 a '， 12 b', 1 3 a, 13 b')を交互に配設することで縞模様あるいは千鳥模様を、 また配置次第では 例えば、 褐色のバックに白色のデザィン模様を作ることもできる。

ノズルプレート 1 3の直ぐ下方には、 複数の円錐台型のキヤビティを設けた多 数のモールドを配置する。 このモールドは、 図 1に示す移動装置 5の無端状自動 コンベアで間欠的に移動する。 なお、 図 2(d)に示す Aと Bは、 縞模様を得るた めに装飾チヨコレートとして予め想定したキヤビティ 14'内へ交互に配したチ ョコレート流体原料 (A， B)の区分領域である。

次に、 上記装置を用いて、 模様付チョコレートの複合食品の製造方法を説明す る。

図 1に示す充填装置 2に 2個設置された容器（2 a, 2 b)からシリンダにより、 チョコレート流体原料 (A， B)が、 所定量づっ各別に、 図 2(a)〜（c)に示される ノズル組立体に送られる。 流体原料 (A， B)は、 まず、 ノズル取付基板 1 1の第 1の通路（1 1 a, 11 b)に至る。 流体原料 (A， B)は、 それぞれ各 1個宛有する 上孔（1 1 a'， 1 1 b')から下部のノズルプレート 12に送り出される。 続いて、 上孔 11 a'からノズルプレート 12上へ送られた流体原料 Aは、外側の第 2の通 路 12 aにおいて押し出された圧力で通路内を弧状に水平方向に拡張し、 等間隔 に配した 8個の下孔 12 a'力ゝら、隙間なく密着している下部のノズルプレート 1 3の同位置に対応した 8個の下孔 1 3 aを通ってキヤビティ 14'内へと送出さ れる。

一方、 上孔 1 1 b'からノズルプレート 12上へ送られた流体原料 Bは、 内側の 第 2の通路 12 bにおいて水平移動し、 2個の下孔 12 b'から下部のノズルプレ ート 13における第 3の通路 13 bに送出される。 流体原料 Bは通路 13 bを水 平移動し、 8個の孔 13 b'よりキヤビティ 14'内へと送出される。

従って、 キヤビティ 14'内に落下する流体原料は、 白色及び褐色の各 8本の計 16本である。 これらの落下する各流体原料は、 互いに同様な粘度のペース トで あり、 かつ同量同時にキヤビティ内に落下するため、 白と褐色の 2色の流体原料 は混ざることなく、 図 4に示すような条状模様を呈するようにキヤビティ内に収 容される。 この際、 後述する流動性フィリング材料を注入するための領域を確保 するために、 キヤビティ内に充填されるチョコレート流体原料の充填量は、 キヤ ビティ容量より少ない所定量とする必要がある。 充填された流体原料は、 キヤビ ティの内壁に囲'まれ、 実質的に流動的な予備成形物となる。 次いで、 得られた予備成形物中に、 注入装置 3に具備される、 図 3に示す筒状 ノズル 1 5を挿入し、 該ノズル 1 5から、 流動性食品材料とは味が異なる、 粘度 が同程度のチョコレート溶融物、 ガナッシュ等の流動性フィリング材料 Cを注入 する。 この注入により、 予備成形物の界面がキヤビティ側面に沿って上昇する。 流動性フィ リング材料 Cを所定量注入後、 図 1に示す移動装置 5のコンベアに よりモールドを固化装置 4に供給し、 各キヤビティ内のチョコレート流体原料を 冷却固化する。

固化した複合食品は、モールドのキヤビティ 14'の開口部を下にして軽く叩い て落下させ回収する。

このようにして図 4に示される模様付チョコレート複合食品 1 6が得られる。 実施例 2

以下に、図 6に示す模様付チョコレート複合食品 1 6 'を製造する装置及び方法 を、 図 5に基づき説明する。

図 5に示すノズル組立体 (（a )〜（ f ))は、 実施例 1に用いた図 2に示すノズル組 立体 (（_a)〜（c))に、 更に図 5(f )に示すホッパー 1 5を追加したものである。 従 つて、 図 2と同様な部材についての説明は省略する。

ホッパー 1 5には、周囲に 16個の送出孔 1 5 a'を有する有孔板 1 5'が配置さ れている。 この送出孔 1 5 a 'の径は、 図 5(c)に示される下孔（1 3 a , 1 3 b') の径よりやや小さい。

実施例 1と同様な方法により、 図 5(c)に示される下孔（1 3 a， 1 3 b')から 白色と褐色のチョコレート流体原料 (A， B)を、 互い違いに送出させる。 送出さ れた流体原料 (A， B)は、 ホッパー 1 5内の対応する送出孔 1 5 a'に供給される。 供給された流体原料 (A， B)のほとんどは、 有孔板 1 5'の送出孔 1 5 a'を通過す るが、 送出孔 1 5 a'の径が、 下孔（1 3 a， 1 3 b ')の径よりやや小さいので、 送 出孔 1 5 a'をスムーズに通過しない原料が発生する。 このスムーズに通過しない 流体原料 (A， B)は、 有孔板 1 5'上で混合されてから送出孔 1 5 a'を通過し、 キ ャビティ 14'内に送出される。

その後は、 実施例 1と同様に行なって、 図 6に示す複合食品を得ることができ る。

このように、送出孔 1 5 a 'を有する有孔板 1 5 'を備えたホッパー 1 5を、 キヤ ビティ 1 4 'の直上に設けることにより、得られるチヨコレート複合食品の模様は、 図 6に示されるように 2色の境目に暈し模様が形成される。 なお、 上記送出孔 1 5 a 'の孔の配置、 大きさ及び孔数によって暈し模様を異ならせることもできる。 以上の実施例 1及び 2は、 色彩の異なる 2種のチヨコレート流体原料を用いた 例であるが、 3種以上のチョコレート流体原料を用いた場合でも、 ノズルプレー トの孔の配置及び組合せ等により種々の模様のチヨコレートの複合食品を得るこ とができる。

また、 各実施例における模様としては、 交互の縞模様を説明したが、 これらの 模様のパターンを変えることもノズルプレートの孔の配置及ぴ組合せ等により容 易に行なうことができる。

実施例 3

図 7及ぴ図 8に示される模様付チョコレ一卜の複合食品は、 それぞれ図 4及び 図 6に示される模様付チョコレートの複合食品（1 6 , 1 6 に、 星型のホワイ ト チョコレートを一体成形したものである。

このような複合食品を製造するには、 上記実施例 1及び 2の前工程として、 キ ャビティ 1 4 'の底部に星形の凹部を刻設しておき、 この凹部に、 最初にホワイ ト チョコレート材料を充填してから、 実施例 1及び 2と同様な操作を行なうことに より得ることができる。

Claims

請求の範囲

1)色彩が異なる少なく とも 2種の流動性食品材料によって施された模様を有す る外側部分と、 外側部分とは味が異なる流動性フィリング材料から形成される内 側部分とを備える模様付複合食品の製造方法であって、

外側部分を形成するための、 色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料を モールドのキヤビティ内に所定量充填し、 該キヤビティ形状に保持された実質的 に流動的な予備成形物を得る工程 (A)と、

予備成形物中に、 ノズルを挿入する工程 (B)と、

予備成形物中に、 ノズルを通して、 内側部分を形成するための流動性フィリン グ材料を所定量注入する工程 (C)と、

予備成形物中からノズノレを引抜く工程 (D)と、

工程 (D)の後、 キヤビティ内の少なくとも流動性食品材料を固化させる工程 (E) とを含む模様付複合食品の製造方法。

2)流動性食品材料が、チヨコレ一ト溶融物である請求の範囲 1に記載の製造方法。

3)色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料をモールドのキヤビティ内に 所定量充填する際の各流動性食品材料を、 略同時に連続的にキヤビティ内に充填 することを特徴とする請求の範囲 1に記載の製造方法。

4)色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料によって施された模様を有す る外側部分と、 外側部分とは味が異なる流動性フィ リング材料から形成される內 側部分とを備える模様付複合食品を製造するための請求の範囲 1に記載の製造方 法に使用するシステムであって、

色彩が異なる少なくとも 2種の流動性食品材料をモールドのキヤビティ内に所 定量充填する充填装置と、

垂直移動可能なノズルを有し、 該ノズルから所定量の流動性フィリング材料を 注入する注入装置と、

キヤビティ内に充填された少なくとも流動性食品材料を固化させる固化装置と、 前記充填装置、 注入装置及び固化装置の順にモールドを移動させる移動装置と を備える模様付複合食品の製造システム。 5)充填装置がノズル組立体を備え、該ノズル組立体が、流動性食品材料を水平方 向に案内する少なく とも 2つの通路を有するノズル取付部と、 該ノズル取付部の 下方に接して設ける少なくとも 1つのノズルプレ一トとを備え、 ノズルプレート は、 少なくとも 2つの離隔された通路を具備し、

ノズル取付部の各通路は、 ノズルプレートの通路のうちの対応する 1つの通路 に連通する連通孔を少なくとも 1つずつ備え、

ノズルプレートの各通路は、 流動性食品材料を水平方向に案内する通路であり、 各通路には、 流動性食品材料を送出する送出孔が少なくとも 1つずつ設けられ、 ノズル取付部に設けられた連通孔の数よりノズルプレートに設けられた送出孔の 数が多いことを特徴とする請求の範囲 4に記載の製造システム。

6)ノズル組立体が、 前記ノズル取付部に、 複数のノズルプレートを鉛直方向に 互いに接して取付けた組立体である請求の範囲 5に記載の製造システム。

7)前記注入装置と前記固化装置との間に、 色彩が異なる少なく とも 2種の流動 性食品材料をモールドのキヤビティ内に所定量充填する充填装置を更に設け、 前 記移動装置を、 前記充填装置、 注入装置、 充填装置及び固化装置の順にモールド を移動させる移動装置とした請求の範囲 4に記載の製造システム。