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ォレフィン系樹脂およびそれを用いた電子写真用トナー 発明が関連する技術分野
本発明は、低温定着性に必要な低融点を維持しながら、相溶性の向上およ び樹脂強度が向上したォレフィン系樹脂およびその樹脂を使用した電子写真 用トナーに関し、特に熱ロール定着を採用している複写機またはプリンター用電 子写真用トナーに関するものである。 背景技術
近年、プリンターまたは複写機が普及するにつれて、プリンター又は複写機に は、家庭への普及および多機能化を主な目的とした低エネルギー化(消費電 力の削減)、印刷機と複写機との境界に位置するいわゆるグレイエリアへの普及 を目的とした高速化、あるいは機械コストを下げるべく定着ロールを簡素化する ための低ロール圧力化が望まれている。また、複写機の高級化に伴い両面コピ 一機能や原稿き動送り装置の搭載された複写機が広く普及されてきた。このた め、複写機またはプリンターに使用される電子写真用トナーには、定着温度が 低く、耐オフセット性に優れ、かつ両面コピー時の汚れや、コピーしたものを原 稿とする際に、原稿自動送り装置における汚れの発生を防止するため転写紙 への定着強度の優れた電子写真用トナ一が要求されている。
一般的に、低分子量ポリオレフイン系の樹脂は、耐寒性、耐熱性、耐薬品性、 耐磨耗性等に優れるため、ゴム、プラスチック等の加工における加工性向上剤、 印刷インキや塗料の顔料分散剤、耐磨耗性 '耐ブロッキング性向上剤、つや出 し剤、離型剤、電気絶縁材料、防鲭剤等に使用されている。
電子写真分野においては、これらの諸用途の中でも、特に離型剤としての用 途が注目されており、複写機又はプリンタ一等に使用されるトナーのオフセット 現象を防止するために広く使用されている。
し力 し、ポリオレフイン系の樹脂は、一般的に、溶融時の粘度が低粘度であり 取り扱い性が良好な反面、他の樹脂との相溶性に乏しく溶剤にも溶解しにくい ため、この点の改良が要求されている。
具体的には、ォレフィン系樹脂をトナーの主成分である結着樹脂として使用 することは、トナーのオフセット防止と定着性との両立が困難となるため、不可能 であった。このため、ォレフィン系樹脂は、例えば、スチレン一アクリル共重合体 やポリエステル樹脂等を結着樹脂として使用した場合には、離型剤として、それ らに対して 1〜1 0 %程度の割合で分散して使用している。し力 し、結着樹脂との 相溶性が悪く、不均一に分散し問題があった。
この問題を解決すベ ォレフィンモノマーと極性モノマーとの共重合、ポリオ レフインの酸化分解、各種化学変性等による極性基の導入等の手法により、他 樹脂との相溶性の向上を図ることが提案されている。
しかしながら、ポリオレフインへの極性基の導入だけでは、ある程度は相溶性 および分散性を向上させることはできるが、樹脂の種類によってはその効果がほ とんど得られないものがあり、不充分なものであった。 技術的課題
本発明の目的は上述したような従来技術のォレフィン系樹脂に改良を加え、 低融点、低粘度であることを損なわずに、樹脂との相溶性が良好である新規樹 脂を提供することにある。 .
また、該樹脂を電子写真用トナーの結着樹脂として使用することによって、従 来の電子写真用トナーにおける問題点を改良し、保存性を損なうことなく低温 で定着することができ、オフセット現象等の問題を発生せず、転写紙への定着 強度の優れた電子写真用トナーを提供することにある。 発明の詳細な説明
- -本発明は、 α—ォレフインと、無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選 択される少なくとも 1成分との共重合体において、該無水マレイン酸およびマレ イン酸エステルから選択される少なくとも 1成分が架橋されていることを特徴とす るォレフイン系樹脂に関するものである。
より詳しくは、本願第 1の実施形態は、 α—ォレフインと、無水マレイン酸およ びマ,レイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分との共重合体において、
該無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分の 一部または全部が、 2価以上のエポキシ化合物により架橋されていることを特徴 とするォレフィン系樹脂およびそれを用いた電子写真用トナーに関するものであ る。
本願第 2の実施形態は、 ひ—ォレフインと、無水マレイン酸およびマレイン酸 エステルから選択される少なくとも 1成分との共重合体において、該無水マレイ ン酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分の一部または全 部が、ジオール成分および 3価以上のポリオール成分から選択される少なくとも 1成分により架橋されていることを特徴とするォレフィン系樹脂およびそれを用い た電子写真用トナーに関するものである。
本願第 3の実施形態は、 ひーォレフインと、無水マレイン酸およびマレイン酸ェ ステルから選択される少なくとも 1成分との共重合体において、該無水マレイン 酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分の一部または全部 に、ァミノ化合物がアミド化反応により付加および/または架橋されていることを 特徴とするォレフィン系樹脂およびそれを用いた電子写真用トナーに関するも のである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願第 1のォレフイン系樹脂においては、架橋反応によって、前記共重合体 にエステル結合が導入され、この結果、低融点を維持したままで、従来の技術 では相溶することが困難であった樹脂との相溶性を改善することができる。
また、電子写真用トナーとしては、低融点の性質を維持しながら、かつ結着樹 脂の性質である脆さを改善し、トナー特性として、低温定着性、耐オフセット性、 および保存性を全て満足することができる。
上記共重合体のモノマー成分である α—ォレフインとしては、炭素数 22以下 のひーォレフィンを使用することが好ましく、例えばエチレン、 プロピレン、 1ーブ テン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 1一ヘプテン、 1ーォクテン、 1—ノネン、 1ーデ セン、 1一ゥンデセン、 1ードデセン、 1一トリデセン、 1ーテトラデセン、 1一へキサ デセン、 1—ォクタデセン、 1一エイコセン、 1—ドコセン等が挙げられる。
ま,た、マレイン酔エステルとしては、後述の式(3 )で示す、炭素数が 20以下の
アルキルエステルを適宜使用することができる。
例えば、マレイン酸ジメチル、 マレイン酸ジェチル、 マレイン酸ジブチル等の低 エポキシ化合物としては、分子中に 2個以上のエポキシ基を有するものであり、 例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、 1, 4一ブタンジ オールジグリシジノレエーテル、 1, 6—へキサンジォーノレジグリシジルエーテノレ、 1 , 8—オクタンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジ グリシジルフタレート、メタクリル酸グリシジルエステル、ジグリシジルヒダントイン、 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ ルエーテル、グリセ口一ルポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルェ 一テル、アルキルフエノールジグリシジルエーテル、 1, 2—シクロへキサンジカノレ ボン酸ジグリシジルエステル、グリシジルァミン系エポキシド、ビスフエノール A型 エポキシ樹脂、水添ビスフヱノール A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフエノール型 エポキシ樹脂、フエノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ一ルノボラック型ェポ キシ樹脂、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフ:^ノール F型エポキシ樹脂、 テトラメチルビフエニル型エポキシ樹脂、ビスフエノール S型エポキシ樹脂、およ び脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記エポキシ化合物の中でも、脂肪族ジグリシジルエーテルおよび脂肪族ポリ グリコール系グリシジルエーテルが好ましレ、。特に、脂肪族ジグリシジルエーテル であって、ジグリシジルエーテル基以外のアルキレン鎖の炭素数が 2〜 10のもの が好ましレ、。また、グリコール単位の繰り返しが 1〜100程度の脂肪族ポリグリコ 一ル系グリシジノレエーテルが好ましい。
また、 2価以上のエポキシ化合物としてエポキシ樹脂を使用する場合は、前述 の中でもビスフエノール A型エポキシ樹脂、水添ビフユノール A型エポキシ樹脂、 フエノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ一ルノボラック型エポキシ樹脂が好 ましレ、。特に、エポキシ当量が 1200g/eq以下であるビスフエノール A型ェポキ シ樹脂および水添ビスフエノール A型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ当量が 1 200を越えるとェ'ポキシ樹脂中の水酸基価が高くなり、架橋後のォ 1
樹脂中にも水酸基が多く残存し、樹脂が吸湿しやすくなるため電子写真用トナ 一として使 o用した場合に、帯電特性の環境依存性が大きくなるため好ましくない。 フエノール一一ノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾ一ルノボラック型エポキシ樹
CRCII
脂では、エポキシ当量が 250以下である樹脂が好ましい。エポキシ当量が 250g /eqを越えると、エポ CRCIIキ一一 ,シ基が多いため架橋密度が高くなりすぎて、架橋後のォ レフイン樹脂の融点が高く οなり電子写真用トナーに使用した場合、低温定着性 に不向きである。
本発明における共重合体は、上述のモノマー成分、すなわち α—ォレフインと 無水マレイン酸、 a—ォレフインとマレイン酸エステル、 または α—ォレフインと無 水マレイン酸とマレイン酸エステルとを共重合したものである。
本発明においては、上記モノマーからなる共重合体であれば特に限定される ものではないが、該共重合体として下記式(1)で示される構造単位 Αと、
R
I
—— CH— CH2
(式中の Rは水素原子または炭素数 '20のアルキル基:
下記式(2)
(2)
(3)
(式中の R'は炭素数 1〜20のアルコキシル基)
で示される構造単位 Bとからなるものが好ましい。
さちに、該構造単位の割合が A:B = 20:80〜80:20である共重合体が、特
に低融点で他樹脂との相溶性に優れ、また電子写真用トナーに使用した場合、 低温定着性、耐オフセット性、保存性等に優れた特性が達成されることから好 適 C、ある。
ーォレフインと無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少な くとも 1成分との共重合体は、示差走査熱量計(D S C :セイコー電子工業社製 DS C - 120 )で 1 0°Cから 200°Cまでの測定範囲において測定した結果、最初 に現れる吸熱ピーク温度が 60〜120°Cが好ましい。さらに好ましくは、 70〜1 0 0°Cである。吸熱ピーク温度が 60°C未満の場合は、電子写真用トナーにした時 に保存性が悪化することになり、逆に 120°Cをこえてしまうと、低温定着向きには 適さない。
また、本発明に使用する共重合体の重合度は、 GP Cで測定した分子量と、 共重合体を構成する α—ォレフインと無水マレイン酸およびマレイン酸エステノレ から選択される少なくとも 1成分の構造単位と、その配合の割合から算出し求め ること力 Sでさる。
この場合、共重合体の重合度は 20〜150の範囲であることが好ましい。共重 合体の重合度が 20より小さいと、樹脂強度が極端に小さくなり、架橋を行っても 充分な樹脂強度が得られず、また、電子写真用トナーの結着樹脂として使用し た時、保存性が損なわれる。逆に、共重合体の重合度が 150より大きいと、低 融点、低粘度の特性が得られなくなり、また、電子写真用トナーの結着樹脂とし て使用した時、低温定着性が損なわれる。
'また、低融点および低溶融粘度を有し、良好な樹脂強度を得るためには、無 水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分の 5〜80 モル0 /0を架橋することが好ましい。
上記共重合体を得るに当たって、反応は特に限定されるものではないが、溶 媒中で行い、触媒として、例えば塩化チタン、トリェチルアンモニゥム等の存在 下で行うことが好ましい。 α—ォレフインが気体の場合は、反応系内を一定の圧 力に保持しながら反応させることが好ましい。
本願第 1のォレフイン系樹脂は、前述共重合体と、 2価以上のエポキシ化合 物とを混合し、無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくと
も 1成分と、 2価以上のエポキシ化合物のエポキシ基との反応により架撟体を形 成させて製造することができる。
2価以上のエポキシ化合物の含有率は、無水マレイン酸単位およびマレイン 酸エステル単位に対し、 5〜 100モル0 /oであることが好ましレ、。さらに好ましくは、 1 0〜 80モル0 /。である。 5モル0んより少ないとエステル結合の導入が不充分であ り相溶性を向上させる効果がなぐトナーとしては架橋が不充分であり、トナーと しての耐久性および耐オフセット性を充分に付与することができないおそれがあ る。
該ォレフイン系樹脂の反応においては、無触媒下では ioo°c以上の温度条 件と、比較的長時間の反応時間が必要であるが、エポキシ化合物の組成や所 望の架橋度等に応じて、例えば、ベンジルジメチルァミン、ラウリルアルコール等 の触媒の添加によって反応温度の低下および反応時間の短縮等ができる。 本願第 2のォレフイン系樹脂では、上述したように、上記共重合体において無 水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分力;、ジォ ール成分および 3価以上のポリオール成分から選択される少なくとも 1成分で架 橋されている。
このように架橋反応をさせることによって、前記共重合体にエステル結合が導 入され、低融点を維持したままで、従来の技術では相溶することが困難であった 樹脂との相溶性を改善することができる。
また、電子写真用トナーとしては、低融点の性質を維持しながら、かつ結着樹 脂の性質である脆さを改善し、同時に優れた低温定着性、耐オフセット性、およ び保存性を得ることができる。
共重合体のモノマー成分であるひーォレフイン、無水マレイン酸、およびマレイ ン酸エステルとしては、上記第 1のォレフイン系樹脂において使用したものと同 様のものを使用することができ、これらモノマ一からなる共重合体も上記第 1のォ レフイン系樹脂において使用した共重合体を使用することができる。
ジオール成分としては、ジエタノールァミン、エチレングリコール、ジエチレングリ コーノレ、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ォク -ーノレ、 2 , 2—ジェチノレ一 1, 3—プロパンジオール、スピログリコール、ネ
ォペンチノレグリコーノレ、 1 , 3—ブタンジォーノレ、 1 , 4一ブタンジォーノレ、 2—ブチ ノレ一 2—ェチノレー 1 , 3—プロパンジオール、 1 , 6—へキサンジオール、へキシレ ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ ングリコール、 1 , 2—ドデカンジオール、 1 , 1 2—ドデカンジオール、 1 , 1 6—へ キサデカンジオール、 1 , 5—ペンタンジオール、 3—メチノレ一 1 , 5—ペンタンジォ ール シクロへキサンジオール、 ビス( β —ヒドロキシェチノレ)テレフタレート、 ビス (ヒドロキシブチル)テレフタレート、ポリオキシエチレン化ビスフエノール Α、ポリオ キシプロピレン化ビスフエノール Α、ポリオキシエチレン化ビフエノール、ポリオキ シプロピレン化ビフエノール等を挙げることができる。
上記ジオール成分の中でも、長鎖の脂肪族ジオールが特に好ましい。ここで レ、う長鎖とは、炭素数が 12〜50のものであり、最も好ましくは炭素数が 12〜30 のものである。炭素数が 12より小さいと、低温定着性が充分に得られないおそ れがあり、逆に炭素数が 50を越えると、トナー用樹脂に使用した場合、トナーと して保存安定性が損なわれるおそれがある。
また、 3価以上のポリオール成分としては、ソルビトール、 1 , 2 , 3 , 6—へキサン テトローノレ、 1 , 4ーソノレビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、 トリ ペンタエリスリトーノレ、 1 , 2 , 4—ブタントリオ一ノレ、 1 , 2 , 5—ペンタントリオール、 3—メチノレー 1, 3, 5—ペンタントリオール、グリセロール、 ジグリセロール、 2—メ チルプロパントリオール、 2—メチルー 1 , 2 , 4—ブタントリオール、 トリメチローノレ ェタン、トリメチローノレプロノ ン、 1 , 3 , 5—トリヒドロキシベンゼン、ポリビニノレアノレ コール、およびポリエチレンビュルアルコール等を挙げることができる。
ポリオキシァノレキレングリコーノレについては、分子量 200〜: 10000のもの力 子 ましレヽ。特に好ましくは、分子量 400〜2000である。分子量力 S200より/ Jヽさレヽと、 同様に低温定着性が充分に得られないおそれがあり、逆に分子量が 10000を 越えると、やはりトナーとしての保存安定性が損なわれるおそれがある。
芳香族ジオールにあっては、前述の中でも、ポリオキシアルキレン化ビスフエノ ール Aが好ましい。
本願第 2のォレフイン系樹脂は、前述共重合体と、ジオール成分および 3価以 上のポリオール成分から選択される少なくとも 1成分とを混合し、通常のエステル
化反応と同様の反応操作により、無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから 選択される少なくとも 1成分とジオール成分および 3価以上のポリオール成分か ら選択される少なくとも 1成分の水酸基とのエステル化および/またはエステル 交換反応によって、架橋を形成させて製造することができる。
上記ジオール成分および 3価以上のポリオール成分から選択される少なくとも 1成分の含有率は、無水マレイン酸単位およびマレイン酸エステル単位に対し、 5〜100モル0んであることが好ましレ、。さらに好ましくは、 1 0〜80モル0んである。 5モル。 /0より少ないとエステル結合の導入が不充分であり相溶性を向上させる 効果がなく、トナーとしては架橋が不充分であり、トナーとしての耐久性および耐 オフセット性を充分に付与することができないおそれがある。
本願第 3のォレフイン系樹脂は、上述したように、上記共重合体において、了 ミノ化合物が、前記無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少 なくとも 1成分とアミド化反応することにより付加および Zまたは架橋していること を特徵とするものである。このような反応をさせることによって、前記共重合体に アミド結合が導入され、低融点の特性を維持しながら、アミド結合由来の水素結 合によって樹脂の脆さを改善することができた。
また、このォレフィン系樹脂を結着樹脂として使用することにより、優れた低温 定着性、耐オフセット性、および保存性を備えた電子写真用トナーを提供する ことができる。
本願第 3のォレフイン系樹脂は、下記式(4 )、 (5 )、 (6 )および(7 )で示される 構造式の 1種または 2種以上の構造を有している。
01
I06Z0/86df/XDd 6ひ 00/66 OAV
(式中、 Xおよび Yはァミノ化合物のアミノ基以外の構造単位)
上記共重合体のモノマー成分である α—ォレフイン、無水マレイン酸、および マレイン酸エステルとしては、上記第 1のォレフイン系樹脂において使用したもの と同様のものを使用することができ、これらモノマーからなる共重合体も上記第 1 のォレフイン系樹脂において使用した共重合体を使用することができる。
ァミノ化合物としては、例えば、脂肪族ァミノ化合物としては、 1ーァミノプロパ ン、 1一アミノブタン、 2—アミノー 2—ブチルプロパン、 3—(ジメチルァミノ)プロピ ルァミン、 3—メトキシプロピルァミン、 1ーァミノペンタン、 1—ァミノへキサン、 1— ァミノヘプタン、 1—ァミノオクタン、 1—ァミノデカン、 1—アミノドデカン、 1ーァミノ へキサデカン、 2—ェチルへキシルァミン、ステアリルァミン、ラウリノレアミン、 3— アミノー 1一プロパノール、 4ーァミノ一 1ーブタノール、 6—アミノー 1一へキサノー ル、エチレンジァミン、 1, 2—ジァミノプロパン、 1, 3—ジァミノー 2, 2—ジメチノレ プロパン、 1, 4ージアミノブタン、 1, 3—ジァミノペンタン、 1, 5—ジァミノペンタン、 1, 6—ジァミノへキサン、 1, 7—ジァミノヘプタン、 1, 8—ジァミノオクタン、 1, 8 ージァミノ一 3, 6—ジォキサオクタン、 1, 9ージアミノノナン、 1, 10—ジアミノデ カン、 1, 11—ジアミノウンデカン、 1, 12—ジアミノドデカン、ポリエチレンジァミン、 ポリプロピレンジァミン、ジエチレンテトラミン、プロピレンジァミン、ジプロピレントリ ァミン、ジエチレントリァミン、テトラエチレンペンタミン、 m—へキサメチレン一トリ ァミン、へキサメチレンテトラミン、ビス一ァミノプロピノレビペラジン、ポリオキシェチ レンジァミン、ポリオキシプロピレンジァミン等を挙げることができる。
また、芳香族ァミノ化合物としては、ァニリン、 p—アミノアセトァ二リド、 P—ァミノ 安息香酸、 p—ァミノ安息香酸ェチル、 o—ァミノフエノール、 m—ァミノフエノー ノレ、 p—ァミノフエノール、 p—ァミノべンズアルデヒド、 o—フエ二レンジァミン、 m 一フエ二レンジァミン、 p—フエ二レンジァミン、 1, 2—ジァミノアントラキノン、 1, 4 ージァミノアントラキノン、 1, 5—ジァミノアントラキノン、 3, 4—ジァミノ安息香酸、 3, 5—ジァミノ安息香酸、 3, 3'—ジァミノべンゾフエノン、 3, 4—ジァミノべンゾ フエノン、 4, 4'ージァミノべンゾフエノン、 2, 2 ' —エチレンジァニリン、 4, 4'ーェ チレンジァニリン、 4, 4'ージアミノー 2, 2'一ビス(トリフルォロメチル)ビフエニル、 3, 6—ジァミノカルバゾーノレ、 2, 4—ジァミノクロ口ベンゼン、 2, 5—ジァミノクロ口
ベンゼン、 3, 5—ジァミノクロ口ベンゼン、 2, 4—ジァミノベンゼン、 2, 5—ジアミ ノ— 4—クロ口トルエン、 2, 4—ジァミノ一 6—クロ口ピリミジン、 2, 4—ジァミノー 6 —クロ口一 1, 3, 5—卜リアジン、 4, 4'—ジァミノー 3, 3'—ジクロロジフエ二ノレメタ ン、 4, 4'ージアミノー 3, 3'—ジメチルジフエニルメタン、 3, 3'—ジァミノ一 4, 4'—ジヒドロキシビフエニル、 4, 4'ージァミノ一 3, 3'—ジヒドロキシビフエニル、 4, 4'—ジアミノー 3, 3'一ジェチルー 5, 5'—ジメチルジフエニルメタン、 4, 4' ージアミノー 2, 2'一ジメチルビベンジル、 2, 4—ジアミノジフエ二ルァミン、 4, 4' —ジアミノー 1, 2—ジフエニルェタン、 4, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 3, 4'—ジアミノジフエニルエーテル、 3, 4'—ジアミノジフエニルメタン、 2, 7—ジァ ミノフルオレン、 1, 5—ジァミノナフタレン、 1, 8—ジァミノナフタレン、 1, 2—ジァ ミノー 4一二トロベンゼン、 1, 3—ジアミノキシレン、ジアミノジフエニルスルホン、 3, 3'—ジァミノべンジジン、 2, 4'—ジアミノー 6—ジメチルァミノ _ 1, 3, 5—トリア ジン等が挙げられる。
また、脂環式ァミノ化合物としては、 1, 2—シクロへキサンジァミン、 1, 3—シク 口へキサンジァミン、 1, 4ーシクロへキサンジァミン、 4, 4'—ジアミノジシクロへキ シルメタン、 1, 4—ジアミノメチルシクロへキサン、イソホロンジァミン等が挙げられ る。
なお、上述の脂肪族ァミン化合物、芳香族ァミン化合物、脂環式ァミン化合 物の各変性化合物等も使用することができる。
さらに、ポリアミド樹脂をァミノ化合物として使用することもでき、具体的には 、ジァミンとジカルボン酸との縮重合により得られる少なくとも片末端がァミノ基で あるアミン末端型を用いることができ、ナイロン 66、ナイロン 610、ナイロン 612、 8—タイプナイロン、ポリエチレンォキシ化ナイロン、非結晶性ナイロン(透明ナイ ロン)、アルコール可溶性ポリアミド樹脂、重合脂肪酸ポリアミド樹脂、液状ポリア ミド樹脂、変性脂肪族ポリアミド樹脂、ァミノポリアミド樹脂、ダイマー酸(2量体 脂肪酸)と脂肪族ポリアミンの縮合物であるポリアミドアミン等の脂肪族ポリアミド 樹脂が挙げられる。
上記の如きアミノ化合物の中でも 2官能以上のァミノ化合物を用いると架橋構 造が形成されて、より優れた樹脂強度の向上が達成されることから好ましい。
中でも脂肪族ァミノ化合物を使用した場合は、ォレフィン系樹脂の特徴である 低融点および低溶融粘度を損なわずに、架橋できるため特に良好な特性を得 ることができる。
また、脂肪族ァミノ化合物として、脂肪族ポリアミド樹脂を使用することもできる。 この場合、使用する脂肪族ポリアミド樹脂のアミン価力 20〜500mgKOHの範 15であることが好ましレ、。アミン価カ S 20より小さレ、と、反応点である末端アミノ基 が少ないため、 α—ォレフインと無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選 択される少なくとも 1成分との共重合体との反応性が低下し、架橋により樹脂強 度を向上する効果が得られない。逆に、アミン価カ S 500より大きレ、と、架橋反応 の制御が困難になり架橋が進行しすぎるため、架橋後のォレフィン系樹脂の溶 融開始温度および溶融粘度も高くなり、ォレフィン系樹脂の特徴である低融点 および低溶融粘度等の特性が損なわれやはり目的とする特性が得られないた め好ましくない。
本願第 3のォレフイン系樹脂は、前述共重合体と、ァミノ化合物とを混合し、 無水マレイン酸およびマレイン酸エステルから選択される少なくとも 1成分と、アミ ノ化合物のァミノ基との反応によって、アミド結合を形成させて製造することがで さる。
ァミノ化合物の含有率は、無水マレイン酸単位およびマレイン酸エステル単位 に対し、 5〜80モル0 /0であることが好ましレ、。さらに好ましくは、 10〜50モル%で ある。 5モル0 /οより少ないとアミド結合の導入が不充分であり、トナーとして用いた 場合は耐久性および耐オフセット性を充分に付与することができないおそれが ある。逆に、 80モノレ。 /0より多いと、アミド結合による水素結合性が強くなりすぎて 樹脂が強靭化し、粉砕性の悪化、溶融開始温度の上昇および溶融粘度上昇 等の問題が発生し、ポリオレフイン樹脂の特徴が損なわれ、溶融時の取り扱い 性およびトナーとしての低温定着性が得られなくなるおそれがある。
なお、本願明細書では、吸熱ピーク温度は、 ASTM D— 341 8— 82に準拠 し算出する。具体的にはサンプルを 10〜1 5mg採取し窒素雰囲気下で室温か ら 200°Cまで昇温温度 10°C/minで加熱し、 200°Cに 10分間保持した後、急 冷する前処理を行った後、再び 1 0°Cに 1 0分間保持し、 10°C Z minの昇温速
度で 200°Cまで加熱し測定する。そのときに最初に現れるピークを吸熱ピーク温 度と定義する。
また、共重合体の分子量は、ゲルパーミエ一シヨンクロマトグラフィー(以下 G P Cとレ、う)によって測定した値である。
GPCの測定は、温度 25°Cにおいて溶媒(クロ口ホルム)を毎分 1 mlの流速で 流し、濃度 0 . 4 grZdlのクロ口ホルム試料溶液を試料重量として 8mg注入し測 定する。また、試料の分子量測定にあたっては、該試料の有する分子量分布が、 数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の分子量の対数と、 カウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。また、本測 定にあたり、測定の信頼性は上述の測定条件で行った NB S 706ポリスチレン標 準試料 (Mw = 28. 8 X 104、 Mn = 1 3 . 7 X 10\ Mw/ n = 2. 1 1 )の MwZ Mnが 2. 1 1 ± 0 , 10となることにより確認し得る。
次に、本発明の電子写真用トナーについて説明する。
本発明の電子写真用トナーは、前述の第 1〜3のォレフイン系樹脂を結着剤と して使用するものである。
ここで、前述のォレフィン系樹脂の好ましい組成および特性に加えて、該ォレ フィン系樹脂の溶融開始温度が、 60〜120°Cであることが好ましレ、。さらに好ま しくは、 70〜: 00°Cである。溶融開始温度が 60°C未満では保存性が損なわれ、 逆に 120°Cをこえると低温定着性が損なわれる問題を生じやすくなる。かかる範 囲にォレフィン系樹脂の溶融開始温度をコントロールするためには、樹脂組成 や、架橋反応の条件を適宜調整すれば良い。
本発明の樹脂の溶融開始温度については、高架式フローテスター(島津製作 所社製: CFT— 500)を使用し、下記の測定条件により求めた。
測定条件;
プランジャー: 1 cm
ダイの直径 :1mm
ダイの長さ :1mm
荷重 : 20kgF
牛熱温度 :50〜80°C
予熱時間 :300sec
昇温速度 :6°C Z mi n
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも以上説明したォレフィン系樹脂と着 色剤を含有するもので、必要に応じて他の樹脂、磁性体、電荷制御剤、及びそ の他の添加剤を使用することができ、これらの原材料を混合し、熱溶融混練、 粉砕、分級することにより製造できる。混合には例えば、スーパーミキサー等、熱 溶融混練には 1軸押出混練機、 2軸押出混練機、ェクストルーダー、ローラーミ キサ一、バンバリ一ミキサー、加圧ニーダ一等が使用され、粉砕にはジェットミル、 分級には乾式気流分級機等を適宜使用することができる。
電子写真用トナーの結着樹脂としては、上記ォレフィン系樹脂とともに、必要 に応じて他の樹脂、例えば、スチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリ エステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリ アミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂を配合しても良い。上記ォレフィン系 樹脂以外の樹脂を使用する場合、その配合量は、ォレフィン系樹脂によるトナ 一としての低温定着性、耐オフセット性、保存性等を損なわないために、 50重 量%以下であることが好ましい。
本発明に使用する着色剤としては、カーボンブラック、ァニリンブルー、フタ口 シァニンブルー、キノリンイェロー、マラカイトグリーン、ランプブラック、ローダミン 一 B、キナクリドン等が挙げられる。着色剤の添加量は結着樹脂に対して、 1〜2 0重量%である。電荷制御剤としては、正帯電トナー用としてニグ口シン染料、ァ ンモニゥム塩、ピリジニゥム塩、アジン等を結着樹脂に対して、 0. 1〜10重量% 添加する。負帯電トナー用電荷制御剤としては、クロム錯体及び鉄錯体等を使 用する。また、負帯電性が強すぎる時には、上記正帯電性電荷制御剤を添加 して、中和制御することも可能である。
電子写真用トナーに使用するォレフイン系樹脂は、それ自身が良好な離型性 を有するため、特にワックス等の離型剤を添加する必要性はなレ、が、添加するこ とは可能である。
本発明の電子写真用トナーに用いられる磁性体としては、フェライト、マグネタ イトをはじめとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属もしくは合金
901
1 6 またはこれらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱 処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン—銅ーァ ノレミニゥム、マンガン—銅一錫等のマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれ る種類の合金、または二酸化クロム、その他を挙げることができる。これらの磁性 体は平均粒径 0. 1〜 1ミクロンの微粉末の形で結着樹脂中に均一に分散され る。そして、その含有量は、トナー 100重量部当たり 20〜70重量部、好ましくは 40〜70重量部である。
本発明の電子写真用トナーは、フェライト粉や鉄粉などよりなるキャリアーと混 合されて二成分系現像剤とされる。また磁性体が含有される時は、キャリアーと 混合しないでそのまま一成分系現像剤として静電荷像の現像剤に使用される 力 、あるいは、キャリアーと混合されて二成分系現像剤として使用しても良レ、。さ らには、非磁性一成分の現像方法にも適用可能である。
また、本発明のォレフィン系樹脂を電子写真用トナーに使用する場合は、前 記トナー製造時に使用する溶融混練装置を反応器として、トナー製造時の混 練温度と混練時間をコントロールすることで架橋反応させることが可能となり、リ アクティブプロセッシングで本発明のォレフィン系樹脂の製造と同時に電子写真 用トナーを製造することもできる。 実施例
以下、本発明のォレフィン系樹脂およびそれを用いた電子写真用トナーを合 成例、比較合成例、実施例、および比較実施例に基づき、より詳細に説明する 力 本発明はこの例にのみ限定されるものではない。なお、 実施例において 「部」とは「重量部」を示す。
〈合成例 1〉
1ードデセンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 10000, 吸熱ピーク温度 73。C, ケン化価 42 1 . 9mgKOHZg)と、ビスフエノール A型ェ ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製, 商品名;ェピコート 1055 ,エポキシ当量 850gZeq) 200g (無水マレイン酸に対して 6 , 3モル0 /0相当)とを温度計、攪拌 装置、コンデンサー、窒素導入管を取り付けたガラス製 2リットルの 4口フラスコに
入れ、マントルヒーターで加熱し 160°Cの反応温度で、 1時間窒素気流下で加 熱攪拌した後、溶融状態で取り出し、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 A)を 得た。この樹脂の溶融開始温度は、 75°Cであった。
-〈合成例 2〉
1—エイコセンと無水マレイン酸のモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 1200 0, 吸熱ピーク温度 78。C, ケン化価 170. 5mgKOHZg)と、水添型ビスフエノ ール A型エポキシ樹脂(東都化成社製, 商品名;ェポトート ST— 5100, ェポキ シ当量 lOOOgZeq) 150g (無水マレイン酸に対して 19 · 7モル0 /0相当)とをガラ ス製 2リットルの 4口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、本合成例 のォレフイン系樹脂(樹脂 B)を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 80°Cであつ た。
〈合成例 3〉
1一へキサデセンとマレイン酸ジメチルの 1: 1の共重合体 500g (分子量 9500, 吸熱ピーク温度 72。C,エステル価 304.9mgK〇H/g)と、ポリエチレングリコー ノレジグリシジノレエーテノレ 100g (分子量 1000, マレイン酸ジメチルに対して 7.4 モル0 /0)をガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、 本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 C)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 73°Cであった。
〈合成例 4〉
1ーォクタデセンとマレイン酸ジェチルのモル比 1:2. 5の共重合体 500g (分 子量 9800, 吸熱ピーク温度 70oC,エステノレ ffi407. 8mgKOH/g)と、 1, 8— オクタンジオールジグリシジルエーテル 64. 5g(0. 25モノレ, マレイン酸ジェチノレ に対して 13. 8モル0 /。)をガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 1と同様 の操作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 D)を得た。この樹脂の溶 融開始温度は、 74°Cであった。
〈合成例 5〉
1ーブテンと無水マレイン酸のモル比 3: 1の共重合体 500g (分子量 6500, 吸 熱ピーク温度 80°C,ケン化価 421.9mgKOHZg)と、クレゾ一ルノボラック型ェ ポキシ樹脂(東都化成社製, 商品名;ェポトート YDCN702, エポキシ当量 210 gZeq)42g (無水マレイン酸に対して 5. 3モル0 /。相当)とをガラス製 2リットル 4 口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、本合成例のォレフィン系樹 脂(樹脂 E)を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 83°Cであった。
〈合成例 6〉
1—へキサデセンと無水マレイン酸とマレイン酸ジォクチルのモル比 4: 1: 1の 共重合体 500g (分子量 9800, 吸熱ピーク温度 72°C,ケン化価 168.2mgKO HZg)と、水添型ビスフエノール A型エポキシ樹脂(東都化成社製,ェポトート S T一 3000, エポキシ当量 230gZeq)46g (無水マレイン酸およびマレイン酸ジ ォクチルに対して 13. 3モル0 /0相当)とをガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、 合成例 1と同様の操作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 F)を得た。 この樹脂の溶融開始温度は 76°Cであった。
〈合成例 7〉
1一エイコセンとマレイン酸ジメチルのモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 1 0000, P及熱ピーク温度 73。C, エステノレ価 159.4mgK〇H/g)と、フエノーノレノ ポラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製, 商品名;ェピクロン N— 8 65,エポキシ当量 200g_ eq)40g (マレイン酸ジメチルに対して 14. 1モル%相 当)とをガラス製 4口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、本合成例 のォレフイン系樹脂(樹脂 G)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 73°Cであつ た。
〈合成例 8〉
1—ドデセンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 1 000 0, 吸熱ピーク温度 73°C,ケンィ匕価 421. 9mgKOHZg)と、 1, 16—へキサデ
カンジオール 73. 5g (0. 285モノレ, 無水マレイン酸に対して 15. 2モル0 /0 )を温 度計、攪拌装置、コンデンサー、窒素導入管を取り付けたガラス製 2リットルの 4 口フラスコに入れ、マントルヒーターで加熱し、 1 80°Cの反応温度で、 3時間窒 素気流下で加熱攪拌した後、 1時間かけて 200°Cに昇温し、さらに 2時間のカロ '熱撹拌後、溶融状態で取り出し、室温で冷却し本合成例のォレフィン系樹脂 (樹脂 H)を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 74°Cであった。
〈合成例 9〉
1一エイコセンと無水マレイン酸のモル比 2 : 1の共重合体 500g (分子量 120〇 0, 吸熱ピーク温度 78。C,ケンィ匕価 170. SmgKOHZg)と、ポリエチレングリコ 一ノレ 380g (分子量 1000,水酸基価 1 12. 2mgKOH/g, 無水マレイン酸に対 して 50モル%)をガラス製 2リットルの 4口フラスコに入れ、合成例 8と同様の操 作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 I)を得た。この樹脂の溶融開 始温度は、 78°Cであった。
〈合成例 10〉
1—へキサデセンとマレイン酸ジメチルの 1 : 1の共重合体 500g (分子量 9500 , 吸熱ピーク温度 72。C, エステル価 304. 9mgKOHZg)と、ポリテトラメチレング リコーノレ 183g (分子量 625,水酸基価 180mgKOHZg, マレイン酸ジメチルに 対して 21. 6モル%)をガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 8と同様の 操作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 J)を得た。この樹脂の溶融 開始温度は 73°Cであった。
〈合成例 11〉
1—ォクタデセンとマレイン酸ジェチルのモル比 1 : 2. 5の共重合体 500g (分 子量 9800 , 吸熱ピーク温度 70°C , エステル価 4 1 1. 4mgK〇HZg)と、ビスフ ェノール Aエチレンサイド 6モル付加物 101 g (0. 25モノレ, マレイン酸ジェチルに 対して 13. 6モル%)をガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 8と同様の 操作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 K)を得た。この樹脂の溶融
開始温度は、 71°Cであった。 〈合成例 12〉
1ーブテンと無水マレイン酸のモル比 3: 1の共重合体 500g (分子量 6500, 吸熱ピーク温度 80°C,ケンィ匕価 421. 9mgKOHZg)と、 トリメチロールプロパン 53. 7g(0. 4モノレ, 無水マレイン酸に対して 31. 9モノレ0 /0)を力-ラス製 2リットノレ 4 口フラスコに入れ、合成例 8と同様の操作によって、本合成例のォレフィン系樹 脂(樹脂 L)を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 81°Cであった。
〈合成例 13〉
1—へキサデセンと無水マレイン酸とマレイン酸ジォクチルのモル比 4: 1: 1の 共重合体 500g (分子量 9800, 吸熱ピーク温度 72°C, ケン化価 168.2mgKO H/g)と、ビスフエノール Aエチレンオキサイド 2モル付加物 95g(0. 3モル,無 水マレイン酸およびマレイン酸ジォクチルの合計量に対して 40モル0 /。)をガラス 製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 8と同様の操作によって、本合成例のォ レフイン系樹脂(樹脂 M)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 72°Cであった。
〈合成例 14〉
1—エイコセンとマレイン酸ジメチルのモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 1 0000, 吸熱ピーク温度 73°C,エステノレ価 159mgKOH/g)と、ポリテトラメチレ ングリコーノレ 25g (分子量 1000,水酸基価 112.2mgKOH/g,マレイン酸ジ メチルに対して 3. 5モル0 /0)をガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 8と 同様の操作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 N)を得た。この樹脂 の溶融開始温度は 73°Cであった。
〈合成例 15〉
1ードデセンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 1 000 0, 吸熱ピーク温度 73°C, ケンィ匕価 421. 9mgKOH/g)と、 1, 12—ジァミノ ドデカン 57. lg(0. 285モノレ,無水マレイン酸に対して 15.2モル%)を温度計、
攪拌装置、コンデンサー、窒素導入管を取り付けたガラス製 2リットルの 4ロフラ スコに入れ、マントルヒーターで加熱し 160°Cの反応温度で、 1時間窒素気流下 で加熱攪拌した後、溶融状態で取り出し、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 O)を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 79°Cであった。
〈合成例 16〉
1—エイコセンと無水マレイン酸のモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 1200 0, 吸熱ピーク温度 78°C,ケンィ匕価 170. 5mgKOH/g)と、 1, 4ージアミノブタ ン 15. 8g(0. 18モノレ, 無水マレイン酸に対して 23. 7モル。/0)をガラス製 2リット ルの 4口フラスコに入れ、合成例 15と同様の操作によって、本合成例のォレフィ ン系樹脂(樹脂 P)を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 80°Cであった。
〈合成例 17〉
1—へキサデセンとマレイン酸ジメチルの 1: 1の共重合体 500g (分子量 9500, 吸熱ピーク温度 72。C,エステノレ価 304.9mgK〇HZg)と、 p—フエ二レンジアミ ン 23.4g(0. 225モノレ,マレイン酸ジメチルに対して 16. 6モル0 /。)をガラス製 2 リットル 4口フラスコに入れ、合成例 15と同様の操作によって、本合成例のォレ フィン系樹脂(樹脂 Q)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 73°Cであった。
〈合成例 18〉
1ーォクタデセンとマレイン酸ジェチルのモル比 1:2. 5の共重合体 500g (分 子量 9800, 吸熱ピーク温度 70°C, エステノレ価 407. 8mgKOH/g)と、 4, 4' —ジアミノジシクロへキシルメタン 52. 6g(0.25モノレ, マレイン酸ジェチルに対し て 13. 8モル0 /。)をガラス製 2リットル 4口フラスコに入れ、合成例 15と同様の操 作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 R)を得た。この樹脂の溶融開 始温度は、 74°Cであった。
〈合成例 19〉
1ーブテンと無水マレイン酸のモル比 3: 1の共重合体 500g (分子量 6500,
吸熱ピーク温度 80°C, ケン化価 421. 9mgKOHZg)と、脂肪族.ポリアミド樹脂 (ヘンケル白水社製、商品名;バーサミド 125, アミン価 350mgKOHZg) 90g (無水マレイン酸に対して 14. 9モル0 /0相当)をガラス製 2リットル 4口フラスコに 入れ、合成例 15と同様の操作によって、本合成例のォレフィン系樹脂(樹脂 S) を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 83°Cであった。
〈合成例 20〉
1ードデセンとマレイン酸ジェチルのモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 10 000, 吸熱ピーク温度 75。C, エステノレ価 330. lmgKOH/g)と、 1一ァミノへキ サデカン 241. 5g(lモノレ,マレイン酸ジェチルに対して 34モル0 /0)をガラス製 2リ ットルの 4口フラスコに入れ、合成例 15と同様の操作によって、ォレフィン系樹 脂(樹脂 T)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 70°Cであった。
〈比較合成例 1〉
スチレンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 5000,ケン 化価 555. 5mgKOH/g,ガラス転移温度 65°C)と、ビスフエノール A型ェポキ シ樹脂(油化シェルエポキシ社製, 商品名;ェピコート 1004,エポキシ当量 925 gZeq)240g (無水マレイン酸に対して 5.2モル0 /0相当)とをガラス製 2リットノレ の 4口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、比較用の樹脂(樹脂 a) を得た。この樹脂の溶融開始温度は、 135°Cであった。
〈比較合成例 2〉
1—へキサデセンとアクリル酸のモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 7000, 吸熱ピーク温度 78。C,酸価 107.9mgKOHZg)と、 1, 8—オクタンジオールジ グリシジルエーテル 62g(0.24モル, アクリル酸に対して 50モル0 /0)をガラス製 4 口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、比較用の樹脂(樹脂 b)を 得た。この樹脂の溶融開始温度は、 79°Cであった。
〈比較合成例 3〉
1ードデセンとマレイン酸ジェチルのモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 10 000, 吸熱ピーク温度 75°C, エステル価 mg330. IKOHZg)と、 2—ェチルへ キシルグリシジルエーテル 186. 3g(lモノレ, マレイン酸ジェチルに対して 34モ ル%)をガラス製 2リットルの 4口フラスコに入れ、合成例 1と同様の操作によって、 比較用のォレフィン系樹脂(樹脂 c)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 70°C であった。
〈比較合成例 4〉
スチレンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 5000, ケン 化価 555. 5mgKOH/g, ガラス転移温度 65°C)と、 1, 12—ドデカンジオール 101g(0.5モル,無水マレイン酸に対して 20. 2モル0 /0)をガラス製 2リットルの 4 口フラスコに入れ、合成例 8と同様の操作によって、比較用の樹脂(樹脂 d)を 得た。この樹脂の溶融開始温度は、 125°Cであった。
〈比較合成例 5〉
1一へキサデセンとアクリル酸のモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 7000, 吸熱ピーク温度 78。C,酸価 107.9mgKOH/g)と、オクタンジォーノレ 35. lg (0.24モノレ, アクリル酸に対して 50モル0 /0)をガラス製 4口フラスコに入れ、合成 例 8と同様の操作によって、比較用の樹脂(樹脂 e)を得た。この樹脂の溶融開 始温度は、 79°Cであった。
〈比較合成例 6〉
1—ドデセンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 10000, 吸熱ピーク温度 73°C,ケンィ匕価 421. 9mgKOH/g)と、ラウリノレアノレコーノレ 21 1.8g(l. 13モノレ,無水マレイン酸に対して 30. 1モル0 /0)をガラス製 2リットルの 4口フラスコに入れ、合成例 8と同様の操作によって、比較用のォレフィン系樹 脂(樹脂 f)を得た。この樹脂の溶融開始温度は 70°Cであった。
〈比較合成例 7〉
Z-4 スチレンと無水マレイン酸のモル比 1: 1の共重合体 500g (分子量 5000, ケン 化価 555. 5mgKOH/g, ガラス転移温度 65°C)と、 1, 12—ジアミノドデカン 8 0. lg(0.4モル, 無水マレイン酸に対して 16. 2モル%)をガラス製 2リットルの 4 口フラスコに入れ、合成例 15と同様の操作によって、比較用の樹脂(樹脂 g)を 得た。この樹脂の溶融開始温度は、 135°Cであった。
〈比較合成例 8〉
1—へキサデセンとアクリル酸のモル比 2: 1の共重合体 500g (分子量 7000, 吸熱ピーク温度 78°C, 酸価 107. SmgKOHZg)と、 1, 8—ジァミノオクタン 34. 6g(0. 24モノレ, アクリル酸に対して 50モル0 /。)をガラス製 4口フラスコに入れ、 合成例 15と同様の操作によって、比較用の樹脂(樹脂 h)を得た。この樹脂の 溶融開始温度は、 79°Cであった。 次に、前記各合成例及び比較合成例で得た樹脂を他の原料と下記のような 配合比にてスーパーミキサーで混合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子 径が 11 μ mの粒子を得た後、該粒子 100部に対し、疎水性シリカ(日本ァエロ ジル社製 商品名; R— 972)0. 3部をヘンシェルミキサーによって、該粒子に 付着させ負帯電性の電子写真用トナーを得た。
〈実施例 1〉
樹脂 A 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 2〉
樹脂 B 100部
, カー 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 600)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈実施例 3〉
樹脂 C 1 00U カーボンフラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 100)
鉄系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 T一 77)
〈実施例 4〉
樹脂 D 100咅 [5 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 600)
クロム系錯塩染料 2部 (オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈実施例 5〉
樹脂 E 100部 カーボンブラック 6. 5部 (三菱化学社製 MA - 100)
クロム系錯塩染料 2部 (保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 6〉
樹脂 F 100部 カーボンブラック 6. 5部 , (三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34 )
〈実施例 7〉
樹脂 G 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 600)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 8〉
樹脂 H 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 9〉
樹脂 I 100部 カーボンブラック 6. 5部 (三菱化学社製 MA— 600)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈実施例 10〉
樹脂 J 100部 カ 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
. 鉄系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 T一 77 )
〈実施例 1 1〉
樹脂 K 100部 カーボンフ"ラック 6 . 5部
(三菱化学社製 MA— 600)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
2
7
〈実施例 12〉
樹脂 L 1 00部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 13〉
樹脂 M 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 100)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈実施例 14〉
樹脂 N 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 600)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 1 5〉
樹脂 O 1 00咅 [5 力、 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 100)
クロム系錯塩染料 2部 (保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 16〉
樹脂 P 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 600)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈実施例 17〉
樹脂 Q 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
鉄系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 T一 77)
〈実施例 18〉
樹脂 R 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 600)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S 34)
〈実施例 19〉
樹脂 S 1 00部 力一ボンブラック 6 . 5部
(三菱化学社製 MA - 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈実施例 20〉
樹脂 T 100部 カーボンブラック 6 . 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈比較例 1〉
樹脂 a 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈比較例 2〉
樹脂 b 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 600)
鉄系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 T一 77)
〈比較例 3〉
樹脂 c 100部 力- 6. 5部
(三菱化学社製 MA - 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈比較例 4〉
合成例 1で使用した 1一ドデセンと無水マ 酸の共重合体 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈比較例 5〉
ポリエステル樹脂 100部
(日本カーバイト工業社製 D— 001)
カーボンブラック 6. 5部 (三菱化学社製, MA-600)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈比較例 6〉
樹脂 d 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈比較例 7〉
樹脂 e 100部 カーボンフラック 6 . 5部
(三菱化学社製 MA— 600)
鉄系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 T一 77)
〈比較例 8〉
樹脂 f 1 00部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 TRH)
〈比較例 9〉
樹脂 g 100部 カーボンブラック 6. 5部
(三菱化学社製 MA— 100)
クロム系錯塩染料 2部
(オリエント化学社製 ボントロン S— 34)
〈比較例 10〉
樹脂 h 100部 カーボンブラック 6. 5咅 (5
(三菱化学社製 MA— 600)
鉄系錯塩染料 2部
(保土谷化学工業社製 T一 77) 上記実施例及び比較例で作製した電子写真用トナーについて、下記の評 価を行った。
( 1 )定着温度幅
前記実施例及び比較例で得た、電子写真用トナー 4部と樹脂被覆を施して いないフェライトキャリア(パウダーテック社製 商品名; FL— 1020) 96部とを混 合して、二成分系現像剤を作製した。次に該現像剤を使用して、市販の複写 機(三洋電機社製;商品名: Z— 1 33 )により A4の転写紙に縦 2 cm、横 5 cmの 帯状の未定着画像を複数作製した。 ついで、表層がテフロンで形成された熱 定着ロールと、表層がシリコーンゴムで形成された圧力定着ロールが対になって 回転する定着機を、ロール圧力が l kg/cm 、及びロールスピードが 200m m Z s e cになるように調節し、該熱定着ロールの表面温度を段階的に 5°Cずつ昇 温させて、各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のトナー画像 の定着を行った。このときトナー画像の定着の有無と余白部分にオフセットによ るトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、トナー画像の定着が充分でかつ余 白部分に汚れが生じない温度領域の最大値と最小値の幅を、定着温度幅とし た。
なお、定着機が最大 230°Cの設定のため、 230°Cで良好な時は 230°C以上 と評価した。
(2)定着強度
前記定着機の熱定着ロールの表面温度を 1 30°Cに設定し、前記未定着画 像が形成された転写紙のトナー像の定着を行った。そして、形成された定着画 像の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製 RD— 9 14)を使用して測定した後、 該定着画像に対し、堅牢度試験機で綿パッドによる摺擦(荷重 300gZ cm2 , 5往復)を施し、ついで同様にして摺擦部分の画像濃度を測定した。得られた 測定値から、下記式によって定着強度を算出し、低温定着トナーの指標とした。 定着強度(%)
= (摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦前の画像濃度) X 100 上記評価結果を表 1〜 3に示す。
なお、表 1〜3においては、実施例とそれに対応する比較例とを対比し易いよ うに、測定結果を表示した。
表 1:本願第 1のォレフイン系樹月旨を用いたトナー
使用した樹脂 溶融開始温度 定着温度幅(°c) 定着強度
(°C) (%) 実施例 1 樹脂 A 75 100— 220 88 実施例 2 樹脂 B 80 110〜230以上 81 実施例 3 樹脂 C 73 110〜230以上 90 実施例 4 樹脂 D 74 110〜230以上 88 実施例 5 樹脂 E 83 120— 215 80 実施例 6 樹脂 F 76 105〜230以上 83 実施例 7 樹脂 G 78 100〜230以上 82 比較例 1 135 175〜230以上
比較例 2 樹脂 b 79 全域オフセット ― 比較例 3 樹脂 c 70 全域オフセット
比較例 4 1—ドデセン一無 73 全域オフセット
水マレイン酸共重
合体
比較例 5 ポリエステル樹脂 93 全域オフセット
表 2 :本願第 2のォレフイン系樹脂を用いたトナー 使用した樹脂 溶融開始 定着温度幅(°c) 定着強 温度(°c) 度(%) 実施例 8 樹脂 H 74 1〇0〜230以上 90 実施例 9 樹脂 I 78 1 1 0〜230以上 88 実施例 10 樹脂 J 73 100〜230以上 92 実施例 1 1 樹脂 7 1 100〜23〇以上 95 実施例 12 樹脂し 80 120〜230以上 82 実施例 13 樹脂 M 72 105〜230以上 8 1 実施例 14 樹脂 N 73 100— 200 96 比較例 6 樹脂 d 125 170〜230以上 一 比較例 7 樹脂 e 74 全域オフセット
比較例 8 樹脂 f 70 全域オフセット
比較例 4 1ードデセン一無水マ 73 全域オフセット
レイン酸共重合体
比較例 5 ポリエステル樹脂 93 全域オフセット
表 3 :本願第 3のォレフイン系樹脂を用いたトナー
表 1〜3の結果から明らかなように、本合成例のォレフィン系樹脂を用いた電 子写真用トナーの定着温度幅は、 100°C以上の幅を有し、低温度側では 100 〜120°Cで定着し、高温度までオフセット発生もなく、優れた耐オフセット性を有 していることが確認された。また、 130°Cの定着温度における定着強度が、 80% 以上であり実用上十分な定着強度を有することから、低温定着性に優れている ことが確認された。さらに、現像された画像の画像濃度も十分であり、非画像部 分のかぶり等もなく実用上十分なものであった。
—方、比較例の電子写真用トナーは、耐オフセット性に劣り定着温度幅が得 られないか、定着温度幅が得られても低温定着性に劣り、 1 30°Cではオフセット の発生あるいは、未定着のため定着強度は評価不能であった。
また、前項(1 )の定着温度幅を評価する際に作製した実施例の電子写真用ト ナーを用いた各現像剤および複写機を使用して、 10000枚までの連続コピー 試験を行った。その結果、全ての実施例において、ブローオフ摩擦帯電量測定
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37 装置(東芝ケミカル社製)による、摩擦帯電量が初期から 10000枚までの間、 -25 cZg〜一 29μ c/gの値で推移し、画像濃度も初期から 10000枚まで の連続コピーの過程で、 1.4以上を維持し、かつ色差計(日本電色社製 Z— 1001DP)で測定した非画像部の地かぶりも 0. 6以下であり、実用上問題のな いことが確認された。
また、各実施例の電子写真用トナーを、 50°Cに 2日間放置しても、ブロッキン グ、ケーキングの発生は認められず、良好な保存性を有するものであった。