JPH09120177A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH09120177A
JPH09120177A JP27887695A JP27887695A JPH09120177A JP H09120177 A JPH09120177 A JP H09120177A JP 27887695 A JP27887695 A JP 27887695A JP 27887695 A JP27887695 A JP 27887695A JP H09120177 A JPH09120177 A JP H09120177A
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JP
Japan
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toner
temperature
weight
parts
binder resin
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Application number
JP27887695A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Kawase
広光 川瀬
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着ローラーにシリコーンオイルを塗布しな
い状態でもホットオフセットが発生する事なく、微量の
帯電制御剤で安定したトナー帯電能を有し、経時で良好
な画像を形成できる電子写真用トナーを提供する。 【解決手段】 結着樹脂と着色剤を主成分とする電子写
真用トナーにおいて、結着樹脂中にα−オレフィンと無
水マレイン酸の共重合体、α−オレフィンと無水マレイ
ン酸の共重合体のアルコールによるエステル化物(モノ
あるいはジエステル化物、加水化物、又はこれらの混合
物)及びα−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体の
アルコールによる部分エステル化物から選ばれる1種以
上の樹脂成分を含有することを特徴とする電子写真用ト
ナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を現
像するための電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真法、または静電記録法等
においては、光導電性感光体または誘電体等によりなる
潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために、
静電スリーブ等トナー供給ローラ上でブレード等によっ
て薄層化され、かつ適度に帯電され微粉末化されたトナ
ーを用いて、現像し必要に応じて紙等の転写材にトナー
画像を転写した後、加熱圧力、溶剤蒸気等によって定着
し、複写物を得るものである。トナーの定着方法には種
々あるが、熱効率が高いこと及び高速定着が可能である
ことから、紙に転写されたトナー像を熱ロール間に通し
て定着を行う、熱ロール定着方法が広く採用されてい
る。しかし、この方法ではロール表面にトナーが移行す
る、いわゆるホットオフセット現象が発生し易いという
問題がある。
【0003】オフセット現象を防止するため、熱ロール
表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布したり、
あるいはトナー中に低分子量ポリプロピレン、キャンデ
リラワックス、モンタンワックス、ライスワックス、カ
ルナウバワックス等の天然ワックス等の離型剤を含有さ
せる方法がとられている。前者の方法では、オフセット
することなく良好に画像形成を行うことができる反面、
定着装置にオイル塗布装置を設けるためコストアップや
複写機の大型化およびメンテナンスが必要であるという
不具合を生じる。又、後者の方法では、トナーに離型剤
を効率よく含有させることが困難であるためトナーの流
動性が低下し、転写率が悪くなるという不具合を持ち、
トナーにシリコーンオイルの機能を付加することは困難
である。例えば、特開昭49−65231号公報ではト
ナーのホットオフセットを防止する方法として低分子量
ポリオレフィンワックス等の離型剤をトナー結着樹脂中
に混合する方法が提案されている。これら離型剤はトナ
ー中に5〜10wt%混合する必要があるが、これら離
型剤はトナー結着樹脂との相溶性が悪く、多量の離型剤
を混練することは困難であるため、事実上定着ローラー
にシリコーンオイルがないとオフセットが発生してしま
う。又、オフセット防止に寄与する離型剤はトナー表面
近傍にあることが好ましいため、例えば特開昭63−4
1861号、同63−244053号、同63−300
245号公報に見られるよう、ワックスまたはそのエマ
ルジョンをトナー表層に導入する方法が提案されてい
る。トナー表層にワックスを存在させることでオフセッ
トは防止することは可能であるが、定着ローラーに塗布
してあるシリコーンオイルと同等の定着特性を付与する
ためにはトナー表面に多量のワックスを必要とするた
め、キャリアへのスペントや転写率の低下という大きな
副作用を生ずるため実用的ではない。
【0004】そのため特開昭63−128357号、同
63−128358、同63−128359、63−1
28360号、同63−128361、同63−128
362、特開平1−257853号、特開平1−105
261号公報にある様ワックスを所定量含有するトナー
の表層を樹脂微粒子でカプセル化する方法が提案されて
いる。これらの方法はエマルジョン微粒子をスプレード
ライ法あるいはハイブリダイザーを用いトナー表層に固
着させるものである。しかし、トナー表層のワックスを
完全に被覆するには実際には困難であり、工程も複雑で
ある。又、近年、加熱ローラー定着方式において低消費
電力化、高速定着化が望まれており、これに対してトナ
ー結着樹脂の低Tg化及び低溶融粘性化が有効であると
いわれている。しかしながら、トナーの低Tg化及び低
溶融粘性化はトナーの流動性の低下の原因及び、オフセ
ット現象をより顕著にしてしまうという問題がある。
【0005】これらの課題に対し、特開平2−5071
号、特開平6−194877号公報にある様アクリル酸
ステアリル、メタクリル酸ステアリルのようなモノマー
を構成単位として含有する結晶性アクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステルのオリゴマーをトナー中に添
加することが提案されている。この方法により得られる
トナーは、定着ローラーにシリコーンオイルを塗布しな
くても初期的には良好な画像を得ることが出来るが、画
像出しを続けて行うと徐々にオフセットが発生してい
く。これは定着下限温度(定着可能な最も低い温度)と
オフセット温度(オフセットが発生する温度)の間の定
着可能温度範囲が狭いことに起因する。以上の様に定着
ローラーのシリコーンオイルの機能をトナーに付与さ
せ、他の副作用を併発しないトナーを得ることは困難な
状況にある。
【0006】一方、電子写真用トナーに摩擦帯電性を付
与する方法は、一般にモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロ
フミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカル
ボン酸のCo,Cr,Fe等の金属錯体、スルホン化し
た銅フタロシアニン染料、ニトロ基、ハロゲンを導入し
たスチレンオリゴマー、塩素化パラフィン、メラミン樹
脂等の帯電制御を熱可塑性樹脂、着色剤中に添加し溶融
混練、粉砕、分級して得られる。このようにして作製さ
れるトナーは粒子中に帯電制御剤が均一に分散されてい
るが、摩擦帯電は粉体の表面近傍のみが関与して決定さ
れたことから、トナー表面に帯電制御剤層を設けること
により、より少ない添加量で効率よく帯電制御を行う試
みが行われている。例えば、特開昭62−209541
号、特開昭63−138358号公報にはトナー表面に
帯電制御粒子を機械的衝撃力により付着させる方法が提
案されている。この方法は乾式で処理するため簡単加方
法であるが、トナー表面に均一に付着させ遊離した帯電
制御粒子のない状態にするためには帯電制御剤の粒子
径、トナーと帯電制御剤粒子の粒子径比に限界があり、
処理方法を厳密に管理する必要がある。この様にトナー
の帯電特性は帯電制御剤に依存しているが、良好な帯電
特性を得るための使用量はかなり多いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、定着
ローラーのシリコーンオイルを塗布しない状態でもホッ
トオフセットが発生することなく、微量の帯電制御剤で
安定したトナー帯電能を有し、経時で良好な画像を形成
できる電子写真用トナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、結着樹脂中にα−オレフィンと無水マレイン酸の
共重合体又はその誘導体を含有させることによって上記
課題が解決されることを見出し本発明に至った。即ち、
本発明は以下の(1)〜(3)である。 (1)結着樹脂と着色剤を主成分とする電子写真用トナ
ーにおいて、結着樹脂中に下記一般式(1)で表される
α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体、一般式
(2)で表わされるα−オレフィンと無水マレイン酸の
共重合体のアルコールによるエステル化物(モノあるい
はジエステル化物、加水化物、又はこれらの混合物)及
びα−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体のアルコ
ールによる部分エステル化物から選ばれる1種以上の樹
脂成分を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、Rは炭素数1〜45のアルキル基
を表わし、R’は同一又は異なってもよいH又はOCx
2x+1を表わし(ここで、xは1〜18の整数であ
り)、mは100〜900000の整数を表わす。〕 (2)着色剤が酸性カーボンであることを特徴とする前
記(1)記載の電子写真用トナー。 (3)降下式フローテスター測定によるトナーの軟化温
度(Ts)及び流出開始温度(Tf)が下記式(3)で
表わされる関係を有することを特徴とする前記(1)記
載の電子写真用トナー。 Tf−Ts>30(℃) (3) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】トナーの結着樹脂としては公知の熱可塑性
樹脂から選択することができる。例えばポリエステル樹
脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ロジン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレ
タン樹脂等を挙げることができる。又、これらの樹脂は
単独又は2種以上併用して用いることができる。又、本
発明の結着樹脂はビニル系単量体を重合して得ることも
できる。そのようなビニル系単量体としては例えば次の
ような化合物が挙げられる。
【0012】スチレン、o−スチレン、m−スチレン、
p−スチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、
3,4−ジクロルスチレン等のスチレン類、アクリル酸
メチル、アクリル酸エステル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェ
ニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル等のα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステ
ル類、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリ
ルアミドなどのアクリル酸もしくは、メタクリル酸誘導
体、フッ化ビニル、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類
等が挙げられ、単独または混合して使用される。
【0013】この他、ビニル単量体を重合してなる結着
樹脂の分子量を制御するために連鎖移動剤あるいは多官
能性モノマーを用いることもできる。連鎖移動剤として
は従来使用されている物が使用可能であり、例えば、四
塩化炭素、メルカプタン類等が挙げられる。又、多官能
性モノマーとしては従来使用されている架橋剤等が使用
可能であり、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及
びその誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリ
レート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等の
ジエチレン性カルボン酸エステル、ジビニルエーテル等
全てのジビニル化合物及び三個以上のビニル基を持つ化
合物が挙げられる。特開平4−306664号、同6−
222617号、同6−230608号公報に記載され
ているよう、一般にビニル系単量体に連鎖移動剤及び多
官能性モノマーを併用して重合した結着樹脂を含有する
トナーの場合、シリコーンオイル塗布ローラーでの定着
下限温度(定着可能な最も低い温度)、オフセット発生
温度(オフセットが発生する温度)及び定着可能温度領
域(定着下限温度からオフセット発止温度までの温度
差)を制御することができる。
【0014】例えばトナーを構成する結着樹脂作成時に
連鎖移動反応を利用して生成する熱可塑性樹脂(ポリマ
ー)の分子量を短くすることにより低温定着化は可能に
なる。しかし、連鎖移動反応のみを利用した熱可塑性樹
脂中にはゲル分が存在しないため、この方法ではオフセ
ット温度も低くなり、定着温度領域が狭くなってしまう
という副作用を生じる。そこで、連鎖移動反応と多官能
性モノマーから生成する架橋点のバランスを調節するこ
とにより、低温定着性を維持したまま定着温度領域を広
くすることが可能になる。ところが、定着ローラーに塗
布してあるシリコーンオイルを取り除くと、定着ローラ
ーにシリコーンオイルを塗布した場合の定着温度では良
好な定着性を示さなくなり、紙づまり、オフセットが発
生してしまう。このように、定着ローラーにシリコーン
オイルを塗布する場合と塗布しない場合ではトナーの定
着機構が異なる。又、先に述べたようシリコーンオイル
の機能をトナーに付与するにはトナー表層にワックス成
分を導入することにより、良好に定着されるものの転写
率が悪くなるという副作用を生じる。
【0015】ところが、本発明に使用される下記一般式
(1)で表されるα−オレフィンと無水マレイン酸の共
重合体、一般式(2)で表わされるα−オレフィンと無
水マレイン酸の共重合体のアルコールによるエステル化
物(モノあるいはジエステル化物、加水化物、又はこれ
らの混合物)及びα−オレフィンと無水マレイン酸の共
重合体のアルコールによる部分エステル化物から選ばれ
る1種以上の樹脂成分を含有することを特徴とする電子
写真用トナーの場合、
【0016】
【化3】
【0017】〔式中、Rは炭素数1〜45のアルキル基
を表わし、R’は同一又は異なってもよいH又はOCx
2x+1を表わし(ここで、xは1〜18の整数であ
り)、mは100〜900000の整数を表わす。〕 シリコーンオイルを塗布していない定着性ローラーにお
いても良好な定着性を示し、かつ、転写性を阻害しな
い。
【0018】その理由としては、これら共重合体又はそ
の誘導体中の、α−オレフィンから派生するRで表わさ
れるアルキル部位が、熱特性面ではワックス成分と同等
の特性を持ち、付着力がワックス成分より少ないために
転写性を阻害しないためであると考えられる。本発明に
使用される好ましい化合物は一般式(1)又は(2)中
のRの炭素数が12〜45であり、より好ましくは16
〜45、更に好ましくは19〜45である。一般式
(1)で表わされる本発明の化合物はα−オレフィンと
無水マレイン酸の共重合体であり、一般式(2)は無水
マレイン酸部位をアルコールでエステル化(モノあるい
はジエステル体)した化合物である。一般式(1)及び
一般式(2)で表わされる化合物はそれぞれPAシリー
ズ及びPAPシリーズとして三菱化成株式会社から入手
することもできる。又、本発明のトナーに使用されるこ
れら化合物の好ましい使用量は、トナーを構成する熱可
塑性樹脂に対して5wt%以上であり、より好ましくは
10wt%以上である。10wt%以上含有させること
により、定着ローラーにシリコーンオイルを塗布しなく
てもオフセットすることなく良好な画像を得ることがで
きる。
【0019】この時、定着可能温度領域、即ち定着下限
温度(定着可能な最も低い温度)とオフセット発生温度
(オフセットが発生する温度)の温度幅を広くすること
が望まれる。そのためのトナー熱特性は降下式フローテ
スターの流出開始温度(Tf)と軟化温度(Ts)の差
が30℃より大きいと定着可能領域温度が広くなる。好
ましいTs温度は70±5℃、Tf温度は120±5℃
である。この様な熱特性を持つトナーの場合、定着ロー
ラのニップ圧、せんそくに殆ど影響受けることなくロー
ラ温度110℃〜230℃の範囲で良好な画像を得るこ
とができる。この様な定着可能温度領域を得るためのT
sとTfの温度幅はTsの温度にも依存するため明確に
定義することはできないが、30℃〜70℃であること
が望ましい。70℃以上になると定着下限温度が上昇
し、30℃以下になるとオフセット発生温度が低下し、
何れの場合も定着可能温度領域が狭くなる。最も好まし
いTsとTfの温度幅は40℃〜60℃である。なお、
本発明のTsとTfの測定は、島津製作所製フローテス
ターCFG−500Cを用い、昇温法でサンプルが軟化
温度及び流出開始温度に到達する変極点温度を用いた。
ここで測定条件はダイス穴0.5mm、ダイ長さ1m
m、昇温条件3℃/minで行った。
【0020】本発明のトナーに用いられる着色剤として
は染料及び顔料を用いることが可能であり、その具体例
としては、例えばカーボンブラック、酸性カーボン、ニ
グロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、
クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイ
ルイエロー、キノリンイエロー、アゾオイルブラック、
ランプブラック等が挙げられる2種以上を併用して用い
ることもできる。本発明の酸性カーボンは安全性、黒色
度、色調、帯電性、分散性に優れPHが3.5以下にな
るよう表面を酸化処理してある。この様なカーボンとし
ては、例えば三菱化成社製MA−100S、MA77等
が挙げられるが、カーボンのPHが3.5以下であれば
これらに限定されるものではない。トナーに添加される
帯電制御剤としてはモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフ
ミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボ
ン酸のCo,Cr,Zn,Fe等の金属錯体、スルホン
化した銅フタロシアニン染料等の帯電制御剤の場合、結
着樹脂100重量部に対して3〜6重量部必要なのに対
し、先に述べた本発明の酸性カーボンを着色剤として用
いた場合、帯電制御剤量が1重量部以下でも十分帯電制
御効果を発揮する。好ましい添加量は樹脂100重量部
に対して0.3〜1重量部である。1重量部以上添加し
ても帯電制御効果には影響しないが、0.05重量部以
下になると帯電制御効果能が低下する。
【0021】この他、磁性トナーにする場合の磁性体と
しては、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属
の粉体、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の金
属化合物の粉体が挙げられる。これら磁性体は着色剤と
しても機能するため、単独で用いてもよいが、前記した
着色剤と併用することもできる。これら着色剤及び磁性
体粉はそのまま用いても良いが、適切な表面処理を施す
ことにより、トナー中に均一に取り込むことが出来る。
該着色剤及び又は磁性体粉の添加量は使用する着色剤及
び又は磁性体粉の種類や得ようとするトナーの種類に応
じて広い範囲とすることができるが、好ましくはトナー
組成中に1〜50wt%より好ましくは1〜70wt%
である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下実施例と比較例で更に詳しく
本発明について説明する。 結着樹脂合成例1 恒温水槽中で密閉可能な500mlの四つ口セパラブル
フラスコに次のものを仕込んだ。 メタノール 100重量部 メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(BAS F社製AN−119) 2.5重量部 65度の恒温水槽中100rpmの回転数で撹拌し完全
に溶解させて分散安定剤とした。この高分子分散安定剤
を溶解したメタノール溶液250重量部を恒温水槽中密
閉で可能な500mlの四つ口セパラブルフラスコに移
した後次のものを仕込んだ。
【0023】 スチレン 60重量部 アクリル酸メチル 40重量部 ドデシルメルカプタン 0.2重量部 ビスコート335(大阪有機社製CH2=CHCO− (CH2CH2O)4COCH=CH2) 1.6重量部 容器内を撹拌させることにより混合させながら、容器内
にN2ガスを吹き込むことにより酸素を追い出し(溶存
酸素濃度0.1%以下になるまで)、その後、水槽を6
5度に保ち、毎分100回転で撹拌しながら重合を行っ
た。この時、開始剤としては、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.25重量部を
用い重合を開始した。重合開始から1時間後ドデシルメ
ルカプタン0.75重量部をメタノール20重量部に希
釈して重合系に添加して重合を続けて8時間後に以下の
モノマー組成物を添加した。添加し終えてから、上記重
合開始剤2.5重量部を添加しさらに24時間重合を続
け分散重合粒子を作成した。
【0024】 スチレン 20重量部 メタノール 50重量部 イオン交換水 4重量部 その後分散液を室温まで冷却し遠心沈降し、上澄みを除
きメタノール200重量部、イオン交換水200重量部
の混合溶媒に再分散する洗浄操作を3回行った。これを
濾別後風乾し、6時間減圧乾燥して結着樹脂粒子Aを作
成した。 結着樹脂合成例2 結着樹脂粒子1を作成する際に用いたビスコート330
(二官能性モノマー)を使用しないで、以下合成例1と
同様の方法で結着樹脂粒子Bを作成した。
【0025】実施例1 結着樹脂粒子A 80重量部 式(1)の化合物〔R=26(三菱化成社製PA30L)〕 20重量部 カーボンブラック(三菱化成社製#C44) 10重量部 4級アンモニウム塩(オリエント社製ボントロンP51) 2重量部 上記材料をミキサーで混合後2本ロールミルで溶融混練
した。混練物を圧延冷却後粉砕分級を行い平均粒子径7
μmのトナーを作成した。
【0026】実施例2 実施例1で用いた式(1)の化合物〔R=26(三菱化
成社製PA30L)〕の代わりに式(2)の化合物(三
菱化成社製PAR30)を用い、以下同様にしてトナー
を作成した。 比較例1 実施例1で用いた式(1)の化合物の代わりにカルナウ
バワックス(セラリカ野田ワックス社製)を20重量部
用いる以外は実施例1と同様の方法でトナーを作成し
た。
【0027】実施例3 実施例1で用いたカーボンブラックを三菱化成社製#C
44から三菱化成社製MA−100Aに換え、さらに4
級アンモニウム塩(オリエント社製ボントロンP51)
2重量部を0.2重量部に減らし、以下同様にしてトナ
ーを作成した。 実施例4 実施例3で用いたカーボンブラックを三菱化成社製MA
−100Aから三菱化成社製MA77に換え、以下同様
にしてトナーを作成した。 比較例2 実施例1で用いた4級アンモニウム塩(オリエント社製
ボントロンP51)2重量部を0.2重量部に減らし、
以下同様にしてトナーを作成した。
【0028】実施例5 実施例3で用いた結着樹脂粒子A、80重量部を以下の
組成に変える以外は以下同様にして実施例3と同様の方
法でトナーを作成した。 結着樹脂粒子A 50重量部 結着樹脂粒子B 30重量部 実施例6 実施例3で用いた結着樹脂粒子A、80重量部を以下の
組成に変える以外は以下同様にして実施例3と同様の方
法でトナーを作成した。
【0029】 結着樹脂粒子A 40重量部 結着樹脂粒子B 40重量部 比較例3 実施例3で用いた結着樹脂粒子A、80重量部を以下の
組成に変える以外は以下同様にして実施例3と同様の方
法でトナーを作成した。 結着樹脂粒子A 10重量部 結着樹脂粒子B 70重量部 実施例1〜6及び比較例1〜3で作成したトナーのフロ
ーテスターで測定した軟化温度(Ts)と流出開始温度
(Tf)の測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜6及び比較例1〜3で作成した
トナー100重量部にシリカ微粉末を0.5wt%混合
したトナー20重量部にシリコーンコートキャリア78
0重量部を混合し現像剤を作成した。これをリコー社製
イマジオ420(登録商標)に装着し画像だしを行った
結果を表1に示す。この時、イマジオ420の定着装置
からシリコーン塗布機を取外し評価し表2に示した。表
2中の数値は、下記の説明により示されるものである。 転写率:上記複写機においてA3ベタ画像(全面黒)を
転写する際、途中で複写機の電源を落とし、感光体上に
トナー潜像(現像されたトナー)が存在する部分(転写
前)と既に転写した部分(転写残トナー)を形成させ
る。そして、現像されたトナー及び転写残トナーを両面
テープにより採取し、転写率を以下の式に基づき算出し
た。
【0032】転写率(%)=〔(現像されたトナー)−
(残トナー)〕/(現像されたトナー) 定着下限温度:ローラー温度を上げていった時に、完全
に定着する一番低い温度(低い方が省エネトナーとして
使用できる) ホットオフセット発生温度:ローラー温度を上げていっ
た時に、ホットオフセットが発生する温度(高い方がオ
フセットに余裕がある) 画像評価:○;オフセットなし、△;初期はオフセット
発生しないがランニング途中から発生する場合、×;初
期からオフセットが発生する。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明に係わるトナーは定着ローラーに
シリコーンオイルを塗布しない場合でも永続的に安定な
画像を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と着色剤を主成分とする電子写
    真用トナーにおいて、結着樹脂中に下記一般式(1)で
    表されるα−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体、
    一般式(2)で表わされるα−オレフィンと無水マレイ
    ン酸の共重合体のアルコールによるエステル化物(モノ
    あるいはジエステル化物、加水化物、又はこれらの混合
    物)及びα−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体の
    アルコールによる部分エステル化物から選ばれる1種以
    上の樹脂成分を含有することを特徴とする電子写真用ト
    ナー。 【化1】 〔式中、Rは炭素数1〜45のアルキル基を表わし、
    R’は同一又は異なってもよいH又はOCx2x+1を表
    わし(ここで、xは1〜18の整数であり)、mは10
    0〜900000の整数を表わす。〕
  2. 【請求項2】 着色剤が酸性カーボンであることを特徴
    とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 降下式フローテスター測定によるトナー
    の軟化温度(Ts)及び流出開始温度(Tf)が下記式
    (3)で表わされる関係を有することを特徴とする請求
    項1記載の電子写真用トナー。 Tf−Ts>30(℃) (3)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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