JP3920677B2 - 静電荷像現像トナー用荷電制御剤、トナーバインダー組成物及び静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像トナー用荷電制御剤、トナーバインダー組成物及び静電荷像現像用トナー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は荷電制御剤、これを含有してなるトナーバインダー組成物、及び静電荷像現像用トナーに関する。更に詳しくは負帯電性荷電制御剤、これを含有してなるトナーバインダー組成物、及び静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる静電荷像現像用トナーの電荷をコントロールするために、荷電制御剤を添加することが行われている。今日知られている荷電制御剤のうち負帯電用の荷電制御剤としては、アゾ染料系化合物、サリチル酸金属錯体などがある。しかし、これらの化合物は、元来有色であること(例えば、アゾ染料系化合物)、更にクロム、コバルト、亜鉛などの重金属が含まれている点が近年、安全性の面から問題となりつつある。また、これらの化合物は低分子の結晶であるため、トナー中への微分散が困難であり、トナーとした場合帯電量分布が広くなる問題がある。
【0003】
上記問題点を改善するものとして、▲1▼スチレン/ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム共重合体(特開昭63−88564号公報)、▲2▼パーフルオロアルキルエチルアクリレート重合体とスチレン/アクリル酸メチル/t−ブチルアクリルアミドスルホン酸共重合体の併用(特開平6−230609号公報)、▲3▼メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブロック共重合体(USP4,925,765号明細書)などの高分子化合物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし▲1▼〜▲3▼に開示されている高分子化合物は着色、安全性の面は改善されているものの、帯電量及び帯電の立ち上がりが不十分であるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、実質的に無色で重金属を含まず、少量の添加で十分な帯電量、帯電の立ち上がりが得られ、かつ環境安定性にも優れる荷電制御剤を開発すべく鋭意検討し本発明に到達した。すなわち、本発明は、スルホ基含有芳香族化合物(a1)を構成単位として含有するポリエステル(A)からなり、(A)の構成単位として(A)の重量に基づいて、(a1)を0.1〜20重量%含有し、更に炭素数24〜1000の炭化水素基を有する化合物(a2)を0.05〜20重量%含有することを特徴とする静電荷像現像トナー用荷電制御剤、該荷電制御剤を含有するトナーバインダー組成物、並びにトナーバインダー、着色材料及び本発明の荷電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーである。
【0006】
【発明の実施の形態】
ポリエステル(A)としては、スルホ基含有芳香族化合物(a1)、ポリオール及びポリカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。
スルホ基含有芳香族化合物(a1)としては、スルホン酸基含有芳香族化合物(a1−1)及びスルホン酸塩基含有芳香族化合物(a1−2)が挙げられる。
(a1−1)としては、スルホテレフタル酸、スルホテレフタル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル及びスルホテレフタル酸ω−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)エステル;スルホイソフタル酸、スルホイソフタル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル及びスルホイソフタル酸ω−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)エステル;スルホフタル酸、スルホフタル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル及びスルホフタル酸ω−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)エステルなどが挙げられる。
【0007】
(a1−2)としては、(a1−1)のアルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウムなど)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム及びバリウムなど)塩、アミン(トリエチルアミン、トリブチルアミン及びジメチルベンジルアミンなど)塩及び4級アンモニウム塩(トリブチルベンジルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラブチルアンモニウム塩など)などが挙げられる。
これらの(a1)のうち好ましいものは、(a1−2)であり、更に好ましいものは、スルホテレフタル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル、スルホテレフタル酸ω−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)エステル、スルホイソフタル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル及びスルホイソフタル酸ω−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)エステルのアルカリ金属塩又はアミン塩である。
【0008】
ポリオールとしては、ジオール(b)及び3価〜8価又はそれ以上のポリオール(c)が挙げられる。
ジオール(b)としては、水酸基価180〜1900mgKOH/gのジオール、具体的には、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等);上記脂環式ジオール及びビスフェノール類のAO[エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)及びブチレンオキサイド(BO)等]付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
上記及び以下においてAOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを示す。
【0009】
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜30)及びこれらの併用であり、更に好ましいものは、素数2〜12のアルキレングリコールとビスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜30)の併用である。
【0010】
3価〜8価又はそれ以上のポリオール(c)としては、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリオール、具体的には、3価〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等);上記脂肪族多価アルコールのAO付加物(付加モル数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等);上記トリスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜30);上記ノボラック樹脂のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
【0011】
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物(付加モル数2〜30)であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物(付加モル数2〜30)である。
【0012】
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(d)及び3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(e)が挙げられる。
ジカルボン酸(d)としては、酸価180〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的には、炭素数4〜36のアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデセニルコハク酸等);炭素数4〜36のアルケニレンジカルボン酸(マレイン酸及びフマル酸等);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
【0013】
3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(e)としては、酸価150〜1250mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合物[スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン/アクリル酸共重合物、α−オレフィン/マレイン酸共重合物及びスチレン/フマル酸共重合物等]等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、更に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリット酸である。
尚、(d)又は(e)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。
【0014】
更に、ポリエステル(A)の構成成分として、炭素数24〜1000の炭化水素基を有する化合物(a2)を用いることができる。
(a2)としては、末端官能基型ポリジエン類[末端アルコール型ポリブタジエン及びその水添化物、末端アルコール型ポリイソプレン及びその水添加物など]、無水マレイン酸変性ポリオレフィン類[無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリα−オレフィン(炭素数3〜8)、無水マレイン酸変性エチレン・α−オレフィン(炭素数3〜8)共重合体など]が挙げられる。
【0015】
(a2)の炭素数は、通常24〜1000、好ましくは45〜800、更に好ましくは100〜300である。炭素数が24〜1000の範囲で更に良好な環境安定性が得られる。
(a2)の官能基度はポリエステル合成の観点から2以上が好ましく、更に好ましくは2〜6である。
末端官能基型ポリジエンは、ジエンモノマーをアニオン重合し、末端官能基修飾するなど公知の方法で得ることができ、更にこれを水素添加すれば、不飽和結合のない水添型のポリジエンが得られる。無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、チーグラー型触媒やカミンスキー型触媒など公知のオレフィン重合触媒を用いて重合したポリオレフィンや高圧下にエチレンを重合した低密度ポリエチレン更にはこれらを熱分解して得られるオリゴマー型ポリオレフィンに、無水マレイン酸を反応させるなど公知の方法で得ることができる。
【0016】
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.8/1〜1/1.8、特に1.5/1〜1/1.5である。
【0017】
ポリエステル(A)中の各構成単位の割合を述べると、(A)の重量に基づいて、(a1)は通常0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、(a2)は通常0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは、0.5〜12重量%である。(a1)の割合を0.1〜20重量%とすることで更に安定した帯電性を与えることができ、(a2)の割合を0.1〜20重量%とすることで更に好ましい環境安定性が得られる。
【0018】
(A)が、酸成分の60モル%以上が(a1)からなるポリエステルのブロックと、酸成分の60モル%未満が(a1)からなるポリエステルのブロックからなる構造をとることにより、(A)の中でスルホ基濃度が高い部分があることになり、なお一層帯電性が安定することから、(A)はこのような構造をとることがより好ましい。
(A)を上記構造とする方法としては、例えば(a1)を酸成分の60モル%以上に調節してポリエステルを製造し、このポリエステルに更に酸成分の60モル%未満の(a1)を含有する酸成分及びアルコール成分を加えて重縮合する方法が挙げられる。
【0019】
ポリエステル(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常1000〜500000であり、好ましくは2000〜200000である。1000未満ではトナーバインダーに相溶し帯電量不足となるとともに、トナーの流動性に悪影響を与える。また、500000を超えるとトナー中に分散させるのが困難となる。
【0020】
上記及び下記においてMw及び後述の最大ピーク分子量(Mp)は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分についてGPCを用いて以下の条件で測定される。
装置 : 東ソー製 HLC−8120
カラム : TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量: 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : ポリスチレン
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量を最大ピーク分子量(Mp)と称する。
尚、THF可溶分は以下の方法で得られる。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。このろ液をTHF可溶分として使用する。
【0021】
(A)は、(a1)、ポリオール、ポリカルボン酸及び必要により(a2)を公知のエステル化触媒(例えばジブチルチンオキサイド)の存在下、150〜280℃に加熱し、脱水縮合することで得られる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
【0022】
本発明の荷電制御剤は、トナーとする前にトナーバインダーとあらかじめ混合し、荷電制御能をもつトナーバインダー組成物として用いることができる。
トナーバインダーとしてはスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの混合物などトナーバインダーとして公知のものが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレンの重合体及びスチレンとその他のビニルモノマーとの共重合体等が使用できる。
重合反応には、公知の重合反応触媒等が使用できる。
【0023】
その他のビニルモノーとしては、以下の▲1▼〜▲7▼のモノマー及びこれらの併用が挙げられる。
▲1▼カルボキシル基若しくはカルボン酸エステル基含有ビニル系モノマー:
▲1▼−1)炭素数3〜20の不飽和モノカルボン酸:(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等;
▲1▼−2)炭素数4〜30の不飽和ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体[酸無水物及びモノ若しくはジアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル]:マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの無水物並びにこれらのモノ若しくはジアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)等;
▲1▼−3)炭素数3〜30の不飽和カルボン酸アルキル(炭素数1〜24)エステル:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレート等;
【0024】
▲1▼−4)炭素数3〜30の不飽和カルボン酸多価(2〜3)アルコールエステル:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及び1,6ヘキサンジオールジアクリレート等;
▲1▼−5)不飽和アルコール[ビニル、イソプロペニル等]と炭素数1〜12のモノ若しくはポリカルボン酸とのエステル:酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル及び酪酸ビニル等。
【0025】
▲2▼ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー:
▲2▼−1)炭素数5〜16のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;
▲2▼−2)炭素数2〜12のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、1−ブテン−3−オール及び2−ブテン−1−オール;
▲2▼−3)炭素数4〜12のアルケンジオール、例えば2−ブテン−1,4−ジオール;
▲2▼−4)炭素数3〜30のアルケニルエーテル、例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び蔗糖アリルエーテル等。
【0026】
▲3▼ビニル系炭化水素:
▲3▼−1)スチレン以外の芳香族ビニル系炭化水素(炭素数8〜20):スチレンのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン;並びにビニルナフタレン。
▲3▼−2)脂肪族ビニル系炭化水素:炭素数2〜20のアルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び前記以外のα−オレフィン等;炭素数4〜20のアルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン;
▲3▼−3)脂環式ビニル系炭化水素:モノ及びジシクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えばピネン、リモネン及びインデン。
【0027】
▲4▼エポキシ基含有ビニル系モノマー:グリシジル(メタ)アクリレート等。
▲5▼ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル等。
▲6▼イソシアネート基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロイルイソシアネート等。
▲7▼アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、クロチルアミン及びビニルイミダゾール等。
【0028】
スチレン系樹脂のうち好ましいものは、スチレンの単独重合体;スチレンと、炭素数3〜30の不飽和カルボン酸アルキル(炭素数1〜24)エステル、炭素数5〜16のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エポキシ基含有ビニル系モノマー及び/又はイソシアネート基含有ビニルモノマーの共重合体;スチレンとニトリル基含有ビニル系モノマーの共重合体;スチレンと炭素数4〜20のアルカジエン類の共重合体及びこれらと少量の他の共重合可能な単量体との共重合体である。
【0029】
スチレン系樹脂のMwはトナーの定着性の観点から、好ましくは6000〜5000000、更に好ましくは6500〜2000000である。
スチレン系樹脂のガラス転移点(Tg)はトナーの保存性の観点から、好ましくは42〜85℃、更に好ましくは45〜80℃である。
尚、上記及び以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
【0030】
ポリエステル樹脂としては、ポリオール[(b)及び(c)等]ポリカルボン酸[(d)及び(e)等]の重縮合物が挙げられる。ポリエステル樹脂は2種類以上を併用して用いることもできる。
【0031】
ポリエステル樹脂は、THF不溶分を0〜70%含有していることが好ましく、更に好ましくは0〜60%、特に0〜50%である。THF不溶分が70%以下で良好な低温定着性が得られる。
尚、THF不溶分は以下の方法で得られる。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。THF不溶分の重量%は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。
【0032】
ポリエステル樹脂のMpは、好ましくは1000〜30000、更に好ましくは1500〜25000、特に1800〜20000である。Mpが1000以上で、耐熱保存安定性及び粉体流動性が良好となり、30000以下でトナーの粉砕性が向上し、生産性が良好となる。
【0033】
ポリエステル樹脂のTgは、好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃、特に55〜75℃である。Tgが40℃〜90℃の範囲では耐熱保存安定性と低温定着性が良好である。
【0034】
ポリエステル樹脂は、ポリオールとポリカルボン酸を公知のエステル化触媒、例えばテトラブトキシチタネート又はジブチルチンオキサイドの存在下、150〜280℃に加熱し、脱水縮合することで得られる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
【0035】
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシドと(b)又は(c)との重付加物及びポリエポキシドと(d)又は(e)の酸無水物との硬化物等が使用できる。
重付加反応及び硬化反応には、公知の触媒等が使用できる。
ポリエポキシドとしては、芳香族ポリエポキシド、複素環含有ポリエポキシド、脂環族ポリエポキシド及び脂肪族ポリエポキシド等が用いられる。
【0036】
芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノールグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル及びビスフェノールSジグリシジルエーテル);芳香族多価カルボン酸グリシジルエステル(例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル及びテレフタル酸ジグリシジルエステル);グリシジル芳香族ポリアミン(例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン)等が挙げられる。
【0037】
複素環ポリエポキシドとしては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。
脂環族ポリエポキシドとしては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド及びビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルが挙げられる。
【0038】
脂肪族ポリエポキシドとしては、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル及びテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル);多価脂肪酸のポリグリシジルエステル(例えば、ジグリシジルオキサレート及びジグリシジルマレート);グリシジル脂肪族アミン(例えばN,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン)等が挙げられる。
【0039】
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートと水酸基含有化合物[例えば(b)、(c)、(b)と(d)の重縮合により得られるポリエステルジオール及び炭素数6〜12のカプロラクトンの開環重合体]との重付加物などが使用できる。
重付加反応には、公知の重付加反応触媒等が使用できる。
【0040】
ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が用いられる。
【0041】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び粗製MDIが挙げられる。
【0042】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びドデカメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0043】
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート及びメチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等が挙げられる。
【0044】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。
【0045】
ウレタン樹脂のMpはトナーの定着性の観点から、好ましくは1500〜100000、更に好ましくは2000〜50000である。
ウレタン樹脂のTgはトナーの保存性の観点から、好ましくは40〜85℃、更に好ましくは42〜80℃である。
【0046】
本発明のトナーバインダー組成物には、更に低温定着性や耐ホットオフセット性を向上させるために離型剤を併用することができる。
離型剤としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0047】
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
【0048】
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックスが挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
【0049】
トナーバインダー組成物における本発明の荷電制御剤の含有量は、トナーバインダー組成物の重量に基づいて、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜10重量%である。荷電制御剤の重量割合が0.1重量%未満であるとトナーとした際の帯電量が低く、20重量%を超えるとトナーとした際の環境安定性が悪くなる。
トナーバインダー組成物における離型剤の含有量は、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、トナーバインダー組成物の重量に基づいて、通常0〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0050】
本発明のトナーバインダー組成物の製法に特に制限はないが、通常トナーバインダー、該荷電制御剤及び必要により離型剤を熱溶融し混合する方法が用いられる。
【0051】
本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明の荷電制御剤、トナーバインダー及び着色材料からなり、それぞれの成分を混合して製造することもでるし、前記トナーバインダー組成物と着色材料を混合して製造することもできる。
トナーバインダーとしては、前記のものと同様なものが挙げられる。
着色材料としては公知の顔料、染料を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOPなどが挙げられる。
【0052】
本発明の静電荷像現像用トナーの組成比は、トナー重量に基き、前記荷電制御剤が通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは0.8〜7.5重量%;トナーバインダーが通常30〜97重量%、好ましくは43〜95重量%、更に好ましくは45〜92重量%;着色材料が通常0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.1〜6重量%であり;必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末若しくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの化合物)を着色材料としての機能を兼ねて60重量%以下含有していてもよい。トナーの組成比が上記の範囲にあることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
【0053】
更に種々の添加剤として、離型剤(前記離型剤と同様のものが挙げられ、使用に際して前記離型剤と同じでも異なっていてもよい)や他の荷電制御剤(含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩など)などを含有させることができる。また、トナーの流動性改良のために疎水性コロイダルシリカ微粉末等を用いることもできる。これら添加剤の量はトナー重量に基き通常10重量%以下である。
【0054】
本発明の静電荷像現像用トナーを得る方法は特に制限はないが、以下の方法などで得ることができる。
▲1▼混練・粉砕法
トナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェット粉砕機などを用いて微粒化する。更に分級して粒径(D50)が通常5〜20ミクロンの微粒としてトナーが得られる。
▲2▼外添法
トナーバインダー、着色材料並びに必要により滑剤及び磁性粉からなる粒径5〜20ミクロンの粒子に本発明の荷電制御剤を乾式ブレンドした後、必要により加熱しながらミキサーにて混合することで本発明の荷電制御剤を外添したトナーが得られる。
【0055】
本発明の静電荷像現像用トナーは必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、及び樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)により表面をコーティングしたフェライトなどのキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。
また、キャリア粒子のかわりに帯電ブレードなどの部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明の静電荷像現像トナーは複写機、プリンターなどにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法などが適用できる。
なお、本発明の荷電制御剤は湿式トナー、粉体塗料などに用いることもできる。
【0056】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
なお、実施例1および3、トナーバインダー組成物製造例(表1)中、(J−1)、(J−3)、(J−4)、(J−6)、(J−7)、および(J−9)、評価例(表2・表3)中、(T−1)、(T−3)、(T−4)、(T−6)、(T−7)、(T−9)、(T−10)、(T−12)、(T−13)、および(T−14)は参考例である。
試験方法は以下の通りである。
(1)現像剤の調整
トナー30部とフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)800部を均一混合し二成分現像剤とした。
【0057】
(2)飽和帯電量の測定及び帯電量の立ち上がりの評価
上記現像剤を23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×1,3,7,20,60及び120分間摩擦攪拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。帯電量の増加がなくなった摩擦時間の帯電量をもって飽和帯電量とした。
帯電量の立ち上がりの評価基準としては、上記帯電量測定結果を基に以下の基準で評価した。
A:飽和帯電量の80%の帯電量に到達する摩擦時間が7分未満のもの
B:飽和帯電量の80%の帯電量に到達する摩擦時間が7〜20分のもの
C:飽和帯電量の80%の帯電量に到達する摩擦時間が20〜60分のもの
D:飽和帯電量の80%の帯電量に到達する摩擦時間が60分を超えるもの
【0058】
(3)環境依存性の測定
上記現像剤を、高温高湿条件(35℃、85%R.H.)及び低温低湿条件(10℃、40%R.H.)で8時間以上調温調湿したものの帯電量を測定した。
評価基準
A:低温低湿条件と高温高湿条件で帯電量の変化が小さいもの
B:低温低湿条件と高温高湿条件で帯電量の変化が中程度のもの
C:低温低湿条件と高温高湿条件で帯電量の変化が大きいもの
【0059】
(4)帯電量分布の測定
上記現像剤を23℃、50%R.H.で8時間以上調温調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間摩擦攪拌し、粒子帯電量分布測定装置[EST−1、ホソカワミクロン(株)製]を用いて帯電量分布を測定した。
評価基準
A:帯電量分布が狭いもの
B:帯電量分布が中程度のもの
C:帯電量分布が広いもの
【0060】
(5)連続複写試験
上記現像剤を用いて、市販複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販フルカラー複写機[LBP−2160、キヤノン(株)製]の定着ユニットを用いてプロセススピード80mm/secで定着した。
評価基準
A:5000枚連続複写後も画像良好のもの
B:5000枚連続複写後、画質低下がややみられるもの
C:5000枚連続複写後、画質低下が明らかにみられるもの
D:複写初期から画像不良のもの
【0061】
実施例1
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物7123部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩1013部、テレフタル酸266部及びジブチルスズオキサイド15部を入れ、窒素気流下225℃で脱水及び脱メタノールにより縮合反応を進めた。留出物が出なくなった時点で減圧とし、酸価が1となるまで更に反応を進め、荷電制御剤(A1)を得た。
(A1)のMwは5200、酸価は1mgKOH/g、水酸基価は28mgKOH/g、Tgは67℃、THF不溶分は0%であった。
【0062】
製造例1
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、三洋化成(株)製ビスコールHTP(熱減成ポリプロピレン:Mn2300、Mw7700,炭素数約164、溶融粘度70mPa・s/at160℃、環球式軟化点148℃)100部、キシレン400部及び無水マレイン酸3部を入れ、加圧窒素雰囲気下173℃にてターシャリーブチルパーオキシド0.25部とキシレン5部の混合溶液を滴下し、反応熟成後系内を減圧にして溶媒と未反応の無水マレイン酸を留去して、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(f)を得た。(f)の酸価は14であった。
【0063】
実施例2
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物7123部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩1013部、テレフタル酸265部、(f)4部及びジブチルスズオキサイド15部を入れ、窒素気流下225℃で脱水及び脱メタノールにより縮合反応を進めた。留出物が出なくなった時点で減圧とし、酸価が2となるまで更に反応を進め、荷電制御剤(A2)を得た。
(A2)のMwは4900、酸価は2mgKOH/g、水酸基価は28mgKOH/g、Tgは65℃、THF不溶分は1%であった。
【0064】
実施例3
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物1400部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩1013部及びジブチルスズオキサイド15部を入れ、窒素気流下225℃で脱メタノールにより縮合反応を進めた。常圧で留出物が出なくなった時点で減圧とし、更に留出物が出なくなるまで反応を進め、ポリエステル(B)を得た。(B)は5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩ユニットが全酸成分の100%を占める。
これに更にビスフェノールAのEO2モル付加物5722部、テレフタル酸266部部及びジブチルスズオキサイド8部を入れ、窒素気流下225℃で脱水により縮合反応を進めた。留出物が出なくなった時点で減圧とし、酸価が2となるまで更に反応を進め、荷電制御剤(A3)を得た。
(A3)のMwは5000、酸価は2mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、Tgは66℃、THF不溶分は0%であった。
【0065】
製造例2
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物6053部、ビスフェノールAのEO2モル付加物1896部、テレフタル酸668部、無水トリメリット酸356部及びジブチルスズオキサイド15部を入れ、窒素気流下225℃で脱水エステル化を行った。留出水が出なくなった時点で減圧とし、酸価が1.0となるまでエステル化を進めた。その後、温度を180℃とし、無水マレイン酸1558部、ハイドロキノン20部、ジブチルスズオキサイド15部を入れ、窒素気流下で脱水エステル化を行った。留出水が出なくなった時点で減圧とし、フローテスタによる溶融粘度を測定し、反応を追跡した。フローテスタによる溶融粘度が111℃で1000Pa・sとなった時点で反応槽から取り出し、トナーバインダー(G1)を得た。
(G1)のMpは8800、酸価は15mgKOH/g、水酸基価は20mgKOH/g、Tgは61℃、THF不溶分は0%であった。
【0066】
製造例3
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、、ビスフェノールAのPO2モル付加物714部、ビスフェノールAのEO2モル付加物663部、イソオクテニルコハク酸70部、イソフタル酸518部、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80部及びジブチルスズオキサイド2部を入れ、窒素気流下210℃で脱水エステル化を行った。酸価が18mgKOH/gとなった時点で反応槽から取り出し、トナーバインダー(G2)を得た。
(G2)のTgは65℃、THF不溶分は22%、Mp4600であった。
【0067】
比較製造例1
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、DMF400部、スチレン920部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸80部を、アクリル酸ブチル218部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート8.5部及びキシレン120部の混合溶液を160℃で2時間で滴下して重合し、更に1時間保持した。次いで脱溶剤を行い、比較荷電制御剤(H)を得た。
【0068】
トナーバインダー組成物製造例
表1に記載の配合処方に基づき、トナーバインダー、荷電制御剤及び離型剤をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、150℃に温度設定した二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混練して、実施例のトナーバインダー組成物(J−1)〜(J−9)及び比較例のトナーバインダー組成物(K−1)〜(K−2)を得た。
尚、表1におけるハイマーUNI−3000は三洋化成工業(株)製スチレン系トナーバインダー、ビスコール550Pは三洋化成工業(株)製熱減成型ポリオレフィンである。
【0069】
【表1】
Figure 0003920677
【0070】
評価例1〜7、比較評価例1〜3
表2に記載の配合処方に基づき、各成分をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、80℃に温度設定した二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕し、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が約9μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子108部と流動化剤[日本アエロジル(株)製 アエロジルR972]0.7部とを混合(外添)して、実施例のトナー(T−1)〜(T−14)及び比較例のトナー(CT−1)〜(CT−4)を得た。
尚、表2におけるシアニンブルーKROは山陽色素(株)製の顔料、MA−100は三菱化学(株)製のカーボンブラックである。
【0071】
【表2】
Figure 0003920677
【0072】
表2に記載のトナーを用いて、飽和帯電量、帯電の立ち上がり、環境依存性及び帯電量分布を測定するとともに連続複写試験を実施した。結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
Figure 0003920677
【0074】
【発明の効果】
本発明の荷電制御剤、トナーバインダー組成物及び静電荷像現像用トナーは以下の効果を奏する。
1.重金属を含有しないので、安全性に優れる。
2.荷電制御剤が淡色であるので、カラートナーとした場合の色調に優れる。
3.トナーの透明性が高く、カラートナーとした場合の色調に優れる。
4.荷電制御剤の分散性が高く、帯電量分布がシャープなトナーが得られる。
5.荷電制御剤の帯電量が高く、少量の荷電制御剤の使用量で適正な帯電量のトナーが得られる。
6.帯電の立ち上がりに優れ、短時間の摩擦で一定の帯電量に到達するトナーが得られる。
7.環境依存性に優れ、種々の環境下においても帯電量の変化が少ないトナーが得られる。
8.長時間の連続複写を重ねてもかぶりの少ない、鮮明な画像を安定に保持するトナーが得られる。
9.粉体塗料に用いた場合も上記2〜7のトナーの場合と同様に、帯電性に優れ、かつ色調に優れた塗料が得られる。
以上のことから、電子写真、静電記録及び静電印刷等に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. スルホ基含有芳香族化合物(a1)を構成単位として含有するポリエステル(A)からなり、(A)の構成単位として(A)の重量に基づいて、(a1)を0.1〜20重量%含有し、更に炭素数24〜1000の炭化水素基を有する化合物(a2)を0.05〜20重量%含有することを特徴とする静電荷像現像トナー用荷電制御剤。
  2. トナーバインダーと請求項1記載の静電荷像現像トナー用荷電制御剤とを含有することを特徴とするトナーバインダー組成物。
  3. トナーバインダーがスチレン系樹脂である請求項2記載のトナーバインダー組成物。
  4. トナーバインダー、着色材料及び荷電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、請求項1記載の静電荷像現像トナー用荷電制御剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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