明 細 書 押ボタンスィツチ及びこれを用いた操作装置並びに教示ペンダント 技術分野
この発明は、 押ボタンスィッチに関し、 詳細には、 押ボタンの押込量が増加す るにつれて、 初期の第 1の O F F状態から O N状態となり、 さらに第 2の O F F 状態に移行する押ボタンスィツチに関する。 背景技術
例えば、 ロボッ ト等の N C制御の機械に対して手動操作を行う際、 操作者は危 険区域内に入って作業を行う場合が多く、 このような場合に、 機械との接触によ る作業中の事故を未然に回避するため、 いわゆるィネーブルスィッチ (あるいは デッ ドマンスイッチ) と呼ばれる押ボタンスィッチを備えたペンダントが用いら れている。
このペンダントは、 制御装置に接続することにより、 ロボッ トにプログラムを 教示したり、 あるいはロボッ トを作動させたりすることのできる携帯用ュニッ ト であって、 第 8 0図に示すように、 ペンダント 5 0 0は、 主面側に配置された入 力用キーボード 5 0 1 と、 一側面に配置された押ボタンスィッチ (イネ一プルス イッチ) 5 0 2とを有している。 なお、 押ボタンスィッチ 5 0 2はペンダント 5 0 0の裏面側に配置される場合もある。 またペンダント 5 0 0は、 図示しない制 御装置に接続される信号用ケーブル 5 0 3を有している。
従来の押ボタンスィッチ 5 0 2は、 第 7 7図に示すように、 押ボタン 5 0 5と、 これに対向配置されたマイクロスィツチ 5 0 6とを有している。 押ボタン 5 0 5 の下面には、 下方に延びる板ばね 5 0 7が設けられており、 マイクロスィッチ 5 0 6の上面には、 ばね性を有する押圧板 5 0 8及びァクチユエ一タ 5 0 9が設け られている。 板ばね 5 0 7の先端には、 折曲げ部 5 0 7 aが形成されている。 押ボタンスィッチ 5 0 2を使用する際には、 まず、 押ボタンスィッチ 5 0 2が 組み込まれたペンダント 5 0 0を、 手動操作すべき機械の制御盤に信号用ケ一ブ
5 0 3を介して接続する。 このとき、 押ボタンスィッチ 5 0 2が O F F状態に あれば、 ペンダント 5 0 0のキーボード 5 0 1を操作してもキー入力されること はない。
次に、 押ボタン 5 0 5を押し込むと、 第 7 8図に示すように、 押ボタン 5 0 5 とともに移動する板ばね 5 0 7の折曲げ部 5 0 7 aがマイクロスイッチ 5 0 6の 押圧板 5 0 8と係合するとともに、 押圧板 5 0 8が下方に弾性変形してァクチュ タ 5 0 9を押圧する。 これにより、 ァクチ タ 5 0 9が下方に移動して、 マイクロスィッチ 5 0 6に内設された接点が接触し、 これにより、 マイクロスィ ツチ 5 0 6が O N状態になる。
操作者は、 この O N状態が保持されるように押ボタン 5 0 5を押し込んだまま、 ペンダント 5 0 0のキ一ボード 5 0 1からキー入力を行う。 このとき、 手動操作 される機械の可動部との接触の危険を感じたとき、 操作者が押ボタン 5 0 5から 指を離すと、 押ボタン 5 0 5が第 7 7図に示す状態に戻ってマイクロスィツチ 5 0 6が O F Fとなり、 機械が停止する。
また、 操作者が身の危険を感したときにパニックに陥って押ボタン 5 0 5をさ らに押し込んでしまった場合には、 第 7 9図に示すように、 板ばね 5 0 7の折曲 げ部 5 0 7 aが押圧板 5 0 8を摺接してこの折曲げ部 5 0 7 aと押圧板 5 0 8と の係合が外れ、 押圧板 5 0 8がその復元力により元の位置に戻る。 これにより、 マイクロスィッチ 5 0 6が O F F状態となって、 機械が停止する。
このように、 押ボタンスィッチ 5 0 2では、 マイクロスィッチ 5 0 6が O N状 態のときにのみ、 ペンダント 5 0 0のキ一ボ一ド 5 0 1からのキー入力が可能、 即ちイネ一ブル状態となって手動操作を行えるようになるので、 手動操作時の操 作者の意思を明確にでき、 操作者の安全を確保することができる。
しかしながら、 前記従来の押ボタンスィッチでは、 板ばね同士の係合により O N状態が維持されるとともに、 各板ばねの弾性変形量が増えて板ばね同士の係合 が外れることにより O F F状態に移行するようになっているので、 O N状態から O F F状態への移行のタイミングが各板ばねの精度に大きく左右される。
このため、 板ばねのばらつきによっては、 O N状態から O F F状態にすぐに移 行したり或いはなかなか移行しなかったり して、 動作が安定せず、 スイッチング
精度があまり高くない。
本発明は、 このような従来の実情に鑑みてなされたもので、 動作を安定させる ことができる押ボタンスィツチを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、 接点同士が溶着を起こした場合であっても接点を強制的 に開離させて O F F状態に移行させることができ、 これにより動作を一層安定さ せることができる押ボタンスィツチを提供することにある。
また、 本発明は、 産業用マ-ピユレ一ティングロボットにおける教示ペンダン トのィネーブルスィツチとして用いた場合に、 操作性の良好でかつ非常時に確実 に O F Fが可能な押ボタンスィツチを提供することを目的とする。 発明の開示
上記した目的を達成するために、 本発明は、 押ボタンの押込量が増加するにつ れて、 スィッチの O N、 O F Fの状態が変化する押ボタンスィッチにおいて、 押 ボタンと、 前記押ボタンを押し込み可能に支持するケースと、 前記ケース内に設 けられた第 1の接点と、 前記ケース内の前記第 1の接点と対向する位置に配置さ れた第 2の接点とを備え、 前記押ボタンの押し込みに伴い、 前記第 1、 第 2の接 点が離反した第 1の O F F状態から前記第 1、 第 2の接点が接触した O N状態と なり、 その後再び前記第 1、 第 2の接点が離反した第 2の O F F状態に移行する ことを特徴としている。
このようにすると、 押ボタンの押込量が増加するにつれて第 1の O F F状態、 O N状態、 第 2の O F F状態と順次に変化し、 しかもこのようなスィッチの状態 の変化が確実に生じるため、 安定した動作が可能な押ボタンスィツチを得ること ができる。
また、 本発明は、 一端が前記押ボタンに形成された中空内に挿入され他端が前 記ケース内に延びたスィツチング機構と、 前記スィツチング機構の一端に前記押 ボタンの押込方向と交差する方向にスライ ド可能に設けられたスライドブロック と、 前記押ボタンの中空内部に形成された一方の傾斜面と、 前記スライ ドブロッ クに形成され前記一方の傾斜面と係合し得る他方の傾斜面と、 前記ケース内に設 けられ前記スィッチング機構の他端を押ボタン側に付勢する復帰ばねとを備え、
前記第 2の接点は、 前記スィツチング機構に連動して移動自在に前記ケース内に 設けられ、 前記一方及び他方の傾斜面が係合する間、 前記スイッチング機構は前 記押ボタンの押し込みに連動して移動し、 前記スライ ドブロックのスライ ドによ つて前記一方及び他方の傾斜面の係合が外れたときには、 前記スィツチング機構 の前記押ボタンの押し込みとの連動状態が解除され、 前記スィツチング機構は前 記復帰ばねの付勢力により前記押ポタンの中空内を移動することを特徴としてい る。
このような構成によれば、 初期の第 1の O F F状態においては、 スライ ドプロ ックの傾斜面が押ボタンの中空内部の傾斜面と係合しており、 この状態から押ボ タンを押し込むと、 スライ ドブロックを介してスィツチング機構が押ボタンとと もに移動し、 スィツチング機構の第 2の接点がケース側の第 1の接点と接触して O N状態になる。
この O N状態からさらに押ボタンを押し込むと、 スィツチング機構の他端がケ ース底面に当接し、 この状態からさらに押ボタンが押し込まれると、 押ボタン中 空內部の傾斜面からスライ ドブロックの傾斜面に作用する押圧力が大きくなり、 この押圧力によって、 スライ ドブロックがスライ ドする。 その結果、 押ボタン中 空内部の傾斜面とスライ ドブロックの傾斜面との係合が外れる。
一方、 このときケース内の復帰ばねが縮んでおり、 スイッチング機構の他端に は、 復帰ばねによる付勢力が作用しているため、 押ボタンの中空内部とスライ ド ブロックとの係合が外れることで、 復帰ばねによる付勢力により、 スイッチング 機構の他端が押ボタン側に移動し、 スィツチング機構とともに移動する第 2の接 点が第 1の接点から離れて第 2の O F F状態になる。
また、 本発明は、 前記第 1の接点は、 前記第 2の接点の方向に付勢して設けら れ、 前記第 2の O F F状態のときに強制的に前記第 1の接点を前記第 2の接点か ら離反する方向に移動させる強制開離手段が設けられていることを特徴している。 こうすると、 強制開離手段により、 第 1の接点を第 2の接点から強制的に離反 して第 2の O F F状態に移行する。 そのため、 接点同士が溶着を起こした場合で あっても接点を強制的に開離させて O F F状態に移行させることができ、 これに より動作を一層安定させることができる押ボタンスィツチが得られる。
また、 本発明は、 一端が前記押ボタンに形成された中空内に挿入され他端が前 記ケース内に延びたスィツチング機構と、 前記スィツチング機構の一端に前記押 ボタンの押込方向と交差する方向にスライ ド可能に設けられたスライ ドブロック と、 前記押ボタンの中空内部に形成された一方の傾斜面と、 前記スライ ドブロッ クに形成され前記一方の傾斜面と係合し得る他方の傾斜面とを備え、 前記一方及 び他方の傾斜面が係合する間、 前記スィツチング機構は前記押ボタンの押し込み に連動して移動し、 前記スライ ドブロックのスライ ドによって前記一方及び他方 の傾斜面の係合が外れたときには、 前記スィツチング機構の前記押ボタンの押し 込みとの連動状態が解除されて前記スィッチング機構は前記中空内を移動可能に なり、 前記第 1の接点は、 前記ケース内に固定して設けられ、 前記ケ一ス内には、 常時はその端部が前記第 1の接点から離反した位置にあり、 前記スィツチング機 構の他端の当接により中央部が押圧されることで前記端部が前記第 1の接点に接 近する方向に変位する反転機構が設けられ、 前記反転機構の前記端部に前記第 2 の接点が取り付けられていることを特徴としている。
この場合、 両端が変位する反転機構を設け、 その両端に第 2の接点を設けたた め、 スィ ッチの O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行われ、 これ によりスィツチ動作を安定させることができる。
また、 本発明では、 前記押ボタンには、 前記第 2の O F F状態のときに前記反 転機構の前記端部を押圧して強制的に前記第 2の接点を前記第 1の接点から離反 させる強制開離手段が設けられていることを特徴としている。
こうすると、 第 1、 第 2の接点が仮に溶着しているような場合であっても、 こ れを強制的に開離することが可能になり、 信頼性の向上につながる。
また、 本発明は、 前記押ボタンを押し込み前の状態に付勢する付勢手段と、 前 記押ボタンに設けられ前記押ボタンが押し込み前の状態に復帰する際に前記スィ ツチング機構に係合して前記スィツチング機構の復帰を補助する係合体とを備え ていることを特徴としている。
このようにすると、 係合体により押ボタンの復帰にスィツチング機構を連動さ せることができるため、 スィツチング機構の復帰ばねが損傷しているような場合 であっても、 スィツチング機構を初期位置まで確実に復帰させることが可能にな
る。
また、 本発明は、 前記押ボタンの押し込みに連動して前記第 1の O F F状態か ら前記 O N状態となるべく移動し、 その後の前記押ボタンの押し込みに対して回 転すべく設けられたスイッチング機構を備え、 前記第 1の接点は、 前記ケース内 に固定して設けられ、 前記スイッチング機構の回転により、 前記 O N状態から前 記第 2の O F F状態に移行することを特徴としている。
こうすれば、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行われ、 これ によりスィツチ動作を安定させることができるのは勿論のこと、 スィツチング機 構の回転により第 1、 第 2の接点を強制的に離反させることが可能であるため、 強制開離手段を特に設ける必要はなく、 構成を簡素化することができる。
また、 本発明は、 前記ケース内に設けられ前記押ボタン方向に付勢力が働く先 端部に前記第 1の接点が取り付けられた導電性の第 1部材と、 前記押ボタンと前 記第 1の接点との間に設けられ前記押ボタン方向に付勢力が働く先端部に前記第 2の接点が前記第 1の接点に対向して取り付けられた導電性の第 2部材と、 —端 側が前記押ボタンに取り付けられ他端側が前記第 2部材の前記先端部に近接して 配設された板ばねと、 前記板ばねの前記他端側の先端部分が折曲されて形成され 前記第 2部材の前記先端部に係合する折曲部と、 先端が前記第 1部材の前記先端 部に当接自在に前記押ボタンに取り付けられた強制開離用の作動部材とを備え、 前記押ボタンの押し込みにより前記折曲部が前記第 2部材の前記先端部に係合し て前記第 1の O F F状態から前記 O N状態に移行すベく前記第 2部材の付勢力に 抗して前記第 2部材の前記先端部を押圧し、 その後の前記押ボタンの押し込みに より前記折曲部が前記第 2部材の前記先端部を摺接して前記第 2部材との係合を 解除するとともに、 前記作動部材が前記第 1部材の付勢力に杭して前記第 1部材 の前記先端部を押圧し、 前記 O N状態から前記第 2の O F F状態に移行すること を特徴としている。
この場合、 スイッチング機構を設けることなく、 板ばねによって O N状態から 第 2の O F F状態への移行を安定して行うことが可能になり、 簡単な構成により スィツチ動作を安定させることができる。
また、 板ばねのばね力の低下により第 2の O F F状態への移行が円滑に行えな
い場合や接点が溶着している場合であっても、 作動部材によって強制開離を行う ことができる。
また、 本発明は、 断面コ字状を成し互いに広がる方向に付勢されたばね性を有 する両先端部が前記押ボタンに形成された中空に対して出没自在に前記中空内に 設けられた導電性の可動部材を備え、 前記第 2の接点が、 前記可動部材の少なく とも一方の前記先端部に設けられ、 前記可動部材がその両先端部を前記中空外に 突出した状態で前記押ボタンの押し込みに連動して前記第 1の O F F状態から前 記 O N状態に移行し、 その後の前記押ボタンの押し込みにより前記可動部材の前 記両先端部が前記中空内に没入するとともに、 前記押ボタンの一部が前記第 1の 接点と第 2の接点との間に介揷して前記 O N状態から前記第 2の O F F状態に移 行することを特徴としている。
こうすると、 スイッチング機構を設けることなく、 O N状態から第 2の O F F 状態への移行を安定して行うことが可能になり、 簡単な構成によりスィツチ動作 を安定させることができる。
また、 この場合には、 接触した状態の第 1、 第 2の接点間に押ボタンの一部が 介揷して両接点が電気的に遮断されるため、 強制開離手段として特別な手段を設 けることなく、 第 1、 第 2の接点の強制開離を行うことが可能である。
また、 本発明は、 前記押ボタンの外周面に形成された突部と、 前記ケースの内 周面に形成された突部とから成り、 前記第 1の O F F状態から前記 O N状態に移 行する際に前記押ボタンの前記突部が前記ケースの前記突部に摺接してクリック 感を発生するクリック感発生機構を備えていることを特徴としている。
このようにすれば、 操作者はスィツチが第 1の O F F状態から O N状態に移行 したときにクリック感を得ることができるため、 第 1の O F F状態から O N状態 への移行を明確に把握できる。
また、 本発明は、 前記第 1の接点及び前記第 2の接点相互の接触に連動して接 触または離反し、 前記第 1の接点及び前記第 2の接点相互の離反に連動して離反 または接触する一対の補助接点を前記ケース内に備えていることを特徴としてい る。
このような構成によれば、 一対の補助接点を設けることで、 一^ 3のスィッチで
第 1、 第 2の接点による回路のスイッチングのほかに、 他の回路のスイッチング を実現することができる。
また、 本発明は、 前記押ボタンの押し込みにより、 前記第 1の O F F状態時に 互いに接触し、 前記第 2の O F F状態時に離反する第 3及び第 4の接点を前記ケ ース内に設けたことを特徴としている。
このようにすれば、 第 3及び第 4の接点の O N、 O F Fの状態により押ボタン スィツチが第 1の O F F状態、 第 2の O F F状態のいずれに状態にあるのかを容 易に把握することが可能になり、 押ボタンスィツチの状態に応じた種々の制御を 行うことができる。
また、 本発明は、 前記第 2の O F F状態のときに前記押ボタンを押込状態に保 持し解除操作によって前記押込状態の保持を解除するロック リセッ ト機構を備 えていることを特徴としている。
こうすると、 ロック リセッ ト機構を設けることで、 スィッチを第 2の O F F 状態に保持できるため、 スィッチの操作者は、 押ボタンの状態から第 2の O F F 状態に保持されていることを容易に認識することが可能になる。
また、 ロック リセッ ト機構により、 スィッチが第 2の O F F状態に保持され た状態から、 スィツチを初期の第 1の O F F状態に簡単に復帰させることができ る。
また、 本発明は、 前記押ボタンを含む操作部と、 前記操作部に着脱自在に取り 付けられるコンタク ト部とを備え、 前記コンタク ト部の前記操作部への装着時に 互いに接触するように前記第 1、 第 2の接点が前記コンタク ト部内に配置され、 前記コンタク ト部の前記操作部からの分離時に前記第 1、 第 2の接点の少なく と も一方が他方から離反して前記第 1の O F F状態となり、 前記操作部の操作によ る前記押ボタンの押し込みにより前記 O N状態から前記第 2の O F F状態に移行 することを特徴としている。
この場合、 コンタク ト部が操作部に装着された状態では、 コンタク ト部内の第 1, 第 2の接点が互いに接触した状態で配置され、 押ボタンスィッチが初期の O N状態におかれる。 そして、 この状態から押ボタンを押し込むと、 第 2の O F F 状態に移行する。
次に、 コンタク ト部が操作部から分離された場合には、 第 1, 第 2の接点の少 なくともいずれか一方が他方から離反する。 これにより、 コンタク ト部内の接点 を確実に第 1の O F F状態にすることができる。
また、 本発明は、 前記第 1の接点が前記コンタク ト部に固定された固定接点で あり、 前記第 2の接点が前記第 1の接点に対して接近 ·離反可能に配置された可 動接点であって、 前記第 2の接点を前記第 1の接点から離反させる方向に付勢力 が作用していることを特徴としている。
こうすれば、 可動接点である第 2の接点を固定接点である第 1の接点から離反 させる方向に付勢力が作用しているので、 コンタク ト部が操作部から分離された 場合には、 この付勢力により、 第 2の接点を第 1の接点から離反させることがで き、 この結果、 コンタク ト部内の接点を確実に第 1の O F F状態に移行させるこ とができる。
また、 本発明は、 前記操作部内には、 前記押ボタンに連動して移動する操作軸 が設けられ、 前記コンタク ト部内には、 前記操作軸に連動する可動接点ユニット が設けられており、 前記可動接点ユニットは、 前記操作軸もしくはこれと連動す る操作部材に当接する当接部と、 押ボタンスィツチが前記 O N状態から前記第 2 の O F F状態に移行する際に、 前記当接部と連動して前記第 1の接点を前記第 2 の接点から離反させる離反部とを有していることを特徴としている。
この場合、 コンタクト部が操作部に装着されて各接点が接触状態におかれた初 期の O N状態から押ボタンが押し込まれると、 押ボタンと連動して操作軸が移動 するとともに、 操作軸もしくはこれと連動する操作部材に当接する当接部と連動 して、 離反部が第 1の接点を第 2の接点から離反させ、 これにより、 押ボタンス ィツチが確実に第 2の O F F状態に移行する。
また、 本発明は、 前記操作部内には、 前記押ボタンと連動して移動する操作軸 と、 前記操作軸に形成された傾斜面と係合する傾斜面を有し、 前記操作軸の移動 方向と交差する方向にスライ ド可能なロック部材とが設けられており、 前記コン タク ト部内には、 前記操作軸と連動する可動接点ユニットと、 弾性を有する接点 付固定端子とが設けられるとともに、 前記可動接点ユニットは、 前記固定端子の 接点と接触した状態で配置された可動端子の接点と、 前記可動端子の接点を前記
固定端子の接点から離反させる方向に付勢する付勢部材と、 前記操作軸もしくは これと連動する操作部材と当接する当接部と、 前記押ボタンの操作時に前記当接 部と連動して前記固定端子の接点を前記可動端子の接点から離反させる離反部と を有していることを特徴としている。
このようにすると、 コンタク ト部が操作部に装着された状態では、 コンタク ト 部の可動接点ュニット内の可動端子の接点及び固定端子の接点が互いに接触して おり、 接点が O N状態におかれている。 また、 このとき、 操作部内の操作軸及び 口ック部材が各々の傾斜面を介して互いに係合している。
この状態から、 押ボタンが軽く押された場合、 操作軸にはロック部材が係合し ているため、 操作軸は押ボタンの動きに連動してすぐには移動しない。
次に、 押ボタンが強く押された場合には、 押ボタンと連動して移動しようとす る操作軸の傾斜面から口ック部材の傾斜面に作用する押圧力が大きくなり、 この 押圧力がある一定限度を超えると、 口ック部材か操作軸の移動方向と交差する方 向に移動して、 操作軸の傾斜面と口ック部材の傾斜面との係合が外れる。
すると、 操作軸が移動して、 該操作軸もしくはこれと連動する操作部材と当接 する当接部が操作軸とともに移動する。 これにより、 当接部と連動する離反部が、 固定端子の接点を可動端子の接点から離反させ、 その結果、 接点が確実に第 2の O F F状態に移行する。
一方、 付勢部材による付勢力が、 可動端子の接点を固定端子の接点から離反さ せる方向に作用しているので、 コンタク ト部を操作部から分離した場合には、 こ の付勢部材の付勢力によって、 可動端子の接点が固定端子の接点から離反する。 これにより、 コンタク ト部内の接点を確実に第 1の O F F状態に移行させること ができる。
また、 本発明は、 押ボタンスィッチを備えている操作装置において、 手で把持 される装置本体の把持部に前記押ボタンスィツチが複数配列して設けられ、 前記 各押ボタンスィツチの前記各押ボタンに当接する当接部材が前記装置本体に回動 自在に取り付けられ、 前記当接部材を押圧することで前記当接部材により前記各 押ボタンが同時に押し込まれて前記各押ボタンスィツチが同時に前記 O N状態と なることを特徴としている。
このような構成によれば、 当接部材により、 各押ボタンスィッチの押ボタンを 同時に押し込むことが可能なり、 簡易な構成でしかも簡単な操作により各押ボタ ンスィ ツチの同時操作が可能になる。
また、 本発明は、 前記操作装置が、 産業用マニピユレ一ティングロボッ トにお ける教示ペンダントであることを特徴としている。
この場合、 当接部材により各押ボタンスィツチの押ボタンを同時に押し込むこ とができるため、 例えば押ボタンスィツチをペンダン卜のイネ一ブルスィツチと して使用する場合に、 簡易な構成でしかも簡単な操作によりペンダン卜をイネ一 ブル状態に設定できるとともに、 非常時にはスィツチを容易に第 2の O F F状態 にしてペンダントの機能を非常停止することができる。
また、 本発明は、 押ボタンスィッチを備えている教示ペンダントにおいて、 手 で把持されるペンダント本体の把持部に前記押ボタンスィツチが設けられ、 前記 押ボタンスィツチの前記押ボタンに当接する操作レバーが前記ペンダント本体に 回動自在に設けられ、 前記操作レバーを把持することで前記押ボタンが押し込ま れ、 前記押ボタンスィツチが前記 O N状態となって教示可能な状態に設定される ことを特徴としている。
このような構成によれば、 操作レバーの回動により押ボタンスィツチの押ボタ ンを同時に押し込みことができるため、 簡易な構成でしかも簡単な操作によりべ ンダントを教示可能なィネーブル状態に設定できるとともに、 非常時にはスィッ チを容易に第 2の O F F状態にしてペンダン卜の機能を非常停止することができ る。
また、 本発明は、 押ボタンスィッチを備えている教示ペンダントにおいて、 手 で把持されるペンダント本体の把持部に前記押ボタンスィツチが設けられ、 前記 押ボタンスィツチの前記押ボタンを操作するためのァクチユエータ軸がその先端 を突出して設けられ、 前記ァクチユエータ軸に当接する操作レバ一が前記ベンダ ント本体に回転自在に設けられ、 前記操作レバーを把持することで前記ァクチュ ェ一タ軸及ぴ前記押ボタンが押し込まれ、 前記押ボタンスィツチが前記 O N状態 となつて教示可能な状態に設定され、 前記操作レバーを把持したときに前記押ボ タンスィツチの操作感を発生する操作感発生機構が設けられていることを特徴と
している。
このようにすると、 操作感発生機構を設けたため、 ィネーブルスィッチとして の押ボタンスィツチが O N状態となったときに、 教示ペンダントの操作者に対し て押ボタンスィツチを操作したという感触を与えることが可能になる。
また、 本発明は、 前記操作感発生機構が、 前記操作レバー側に形成されたばね 性を有するばね部と、 前記ペンダント本体に設けられたカム状の突起とにより構 成され、 前記操作レバ一を把持したときに前記ばね部の先端が前記突起の周面を 摺接することで前記操作感を発生することを特徴としている。
こうすれば、 操作レバー側のばね部とペンダント本体側のカム状の突起とによ り、 簡単な構成により操作感を発生することができる。
また、 本発明は、 押ボタンスィッチを備えている教示ペンダントにおいて、 前 記操作部が、 手で把持されるペンダント本体の操作面に配置され、 前記操作部の 操作による前記押ボタンの押し込みにより非常停止のために前記押ボタンスィッ チを第 2の O F F状態にすることを特徴としている。
こうすると、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行われるため、 確実に非常停止することが可能になり、 信頼性の向上を図ることができる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。
第 2図は、 第 1図の I I— I I線における切断平面図である。
第 3図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図で あ 。
第 4図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図で ある。
第 5図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図で ある。
第 6図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図で ある。
第 7図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図で
ある。
第 8図は、 第 1実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図で ある。
第 9図は、 第 1実施例における押ボタンの操作荷重と操作ストロークとの関係 を示す概略図である。
第 1 0図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの切断正面図である。 第 1 1図は、 第 1 0図の XI— XI線における切断平面図である。
第 1 2図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 1 3図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 1 4図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 1 5図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 1 6図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 1 7図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 1 8図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチ内の固定端子のある状態の 拡大図である。
第 1 9図は、 第 2実施例における押ボタンスィッチ內の固定端子の異なる状態 の拡大図である。
第 2 0図は、 第 3実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。 第 2 1図は、 第 3実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 2 2図は、 第 3実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図 である。
第 2 3図は、 第 3実施例における押ボタンスィッチの一部の斜視図である。
第 2 4図は、 第 3実施例における押ボタンスィツチの一部の平面図である。 第 2 5図は、 第 4実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。
第 2 6図は、 第 4実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図 である。
第 2 7図は、 第 4実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断正面図 である。
第 2 8図は、 第 4実施例における押ボタンスィツチの一部の斜視図である。 第 2 9図は、 第 4実施例における押ボタンスィッチの他の一部の変形例の斜視 図である。
第 3 0図は、 第 4実施例における押ボタンスィツチの他の一部の変形例の断面 図である。
第 3 1図は、 第 5実施例における押ボタンスィッチの切断正面図である。
第 3 2図は、 第 6実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。
第 3 3図は、 第 6実施例における押ボタンスィツチの一部の斜視図である。 第 3 4図は、 第 6実施例における動作説明用の斜視図である。
第 3 5図は、 第 6実施例における動作説明用の斜視図である。
第 3 6図は、 第 6実施例における動作説明用の斜視図である。
第 3 7図は、 第 7実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。
第 3 8図は、 第 7実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図 である。
第 3 9図は、 第 7実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図 である。
第 4 0図は、 第 7実施例における押ボタンスィツチの一部の分解斜視図である。 第 4 1図は、 第 7実施例における押ボタンスィッチの一部の変形例の分解斜視 図である。
第 4 2図は、 第 8実施例における押ボタンスィッチの切断側面図である。
第 4 3図は、 第 8実施例における押ボタンスィッチの動作説明用の切断側面図 である。
第 4 4図は、 第 8実施例における押ボタンスィツチの動作説明用の切断側面図
である。
第 4 5図は、 第 9実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。
第 4 6図は、 第 9実施例における押ボタンスィツチの一部の斜視図である。 第 4 7図は、 第 9実施例における押ボタンスィツチの一部の拡大断面図である。 第 4 8図は、 第 1 0実施例における押ボタンスィツチの一部のある状態の切断 側面図である。
第 4 9図は、 第 1 0実施例における押ボタンスィッチの一部の異なる状態の切 断側面図である。
第 5 0図は、 第 1 1実施例における押ボタンスィッチの概略構成を示す切断側 面図である。
第 5 1図は、 第 1 1実施例における押ボタンスィッチの切断背面図である。 第 5 2図は、 第 1 2実施例における押ボタンスィッチの切断背面図である。 第 5 3図は、 第 1 3実施例における押ボタンスィッチの切断側面図である。 第 5 4図は、 第 1 3実施例における押ボタンスィッチの一部の概略説明図であ る。
第 5 5図は、 第 1 4実施例における押ボタンスィツチの切断正面図である。 第 5 6図は、 第 1 4実施例における押ボタンスィツチの切断平面図である。 第 5 7図は、 第 1 5実施例における非常停止スィッチの切断正面図である。 第 5 8図は、 第 5 7図の Y— Y線における切断正面図である。
第 5 9図は、 第 1 5実施例における非常停止スィッチの動作説明用の切断正面 図である。
第 6 0図は、 第 1 5実施例の作用効果の説明図である。
第 6 1図は、 第 1 6実施例における非常停止スィッチの切断正面図である。 第 6 2図は、 第 1 6実施例における非常停止スィッチの動作説明用の切断正面 図である。
第 6 3図は、 第 1 6実施例における非常停止スィッチの作用効果の説明図であ る。
第 6 4図は、 第 1 6実施例における非常停止スィッチ内の固定端子のある状態 の拡大図である。
第 6 5図は、 第 1 6実施例における非常停止スィッチ内の固定端子の異なる状 態の拡大図である。
第 6 6図は、 第 1 7実施例における教示ペンダントの正面図である。
第 6 7図は、 第 1 7実施例における教示ペンダントを背面側から見た時の斜視 図である。
第 6 8図は、 第 1 7実施例における教示ペンダントの一部の背面図である。 第 6 9図は、 第 1 7実施例における教示ペンダントの一部の平面図である。 第 7 0図は、 第 1 8実施例における教示ペンダントを背面側から見た時のある 状態における斜視図である。
第 7 1図は、 第 1 8実施例における教示ペンダントを背面側から見た時の異な る状態における斜視図である。
第 7 2図は、 第 1 8実施例における教示ペンダントの右半分の一部を切断した 状態の平面図である。
第 7 3図は、 第 1 8実施例における一部の斜視図である。
第 7 4図は、 第 1 9実施例における教示ペンダントの一部の斜視図である。 第 7 5図は、 第 1 9実施例における教示ペンダントの他の一部の斜視図である。 第 7 6図は、 第 1 9実施例における教示ペンダント動作説明図である。
第 7 7図は、 従来の押ボタンスィツチの機略構成図である。
第 7 8図は、 従来の押ボタンスィツチの動作説明図である。
第 7 9図は、 従来の押ボタンスィツチの動作説明図である。
第 8 0図は、 従来の押ボタンスィツチを備えたペンダントの斜視図である。 発明を実施するための最良の形態
(第 1実施例)
本発明の第 1実施例について、 第 1図ないし第 9図を参照して説明する。
第 1図は第 1実施例における押ボタンスィツチの切断正面図、 第 2図は第 1図 の Π _ Π線における切断平面図、 第 3図ないし第 8図は押ボタンスィツチの動作 説明用の切断正面図、 第 9図は押ボタンの操作荷重と操作ストロークとの関係を 示す概略図である。
第 1図に示すように、 押ボタンスィッチ 1は、 ほぼ直方体状の中空の押ボタン 2と、 押ボタン 2を支持するケース 3と、 ケース 3の底部 3 1に固定された導電 性の固定端子 4と、 固定端子 4の上方に配置された導電性の可動端子 5を有する スィツチング機構 6とを備えている。
押ボタン 2には、 中空となるべく凹状の穴 2 aが下面に形成され、 この穴 2 a の左側及び右側はほぼ中央で段付形状に形成されている。 さらに、 この穴 2 aの 両段付部分には各々傾斜面 2 b、 2 bが形成されている。 また押ボタン 2の下部 には、 下方に突出する複数の支軸部 2 1が設けられており、 各支軸部 2 1には支 軸部 2 1よりも長尺のコイルスプリング 7がそれぞれ卷装されている。 各コイル スプリング 7の上端は押ボタン 2の下面 2 cに、 下端は底部 3 1の底面 3 1 aに それぞれ係止されている。 これら各コイルスプリング 7のばね力により、 押ボタ ン 2は常時上方に付勢されている。
固定端子 4は、 ケース 3内において略 U字状に折り曲げられた平面視略 T字状 の部材であって (第 2図参照)、 この折曲部分 4 aは上下方向の弾性即ちばね性を 有している。 折曲部分 4 aの先端には、 第 1の接点 4 1が設けられている。 スイッチング機構 6の上部は、 押ボタン 2の穴 2 a内に挿入されており、 この 挿入部 6 1には、 押ボタン 2の押込方向と交差する左右方向に延びる左右一対の 穴 6 1 a、 6 1 aが形成されている。
両穴 6 1 a、 6 1 a内には、 各々スライ ドブロック 8が左右方向にスライ ド自 在に挿入されている。 両スライ ドブロック 8、 8には、 押ボタン 2の穴 2 aの両 傾斜面 2 bとそれぞれ係合し得る傾斜面 8 a、 8 aが形成されている。 また両穴 6 1 a、 6 1 a内には、 スライ ドブロック 8を穴 6 1 aから突出させる方向に付 勢するコイルスプリング 9、 9が各々揷入されている。
スイッチング機構 6の下部には、 下方に延びる軸部 6 2が設けられている。 可 動端子 5は、 軸部 6 2の上端部に上下方向スライ ド自在に支持され、 この可動端 子 5の両端下面には第 2の接点 5 1が設けられている。 また可動端子 5の上部に は、 円錐台状を成すコイルスプリング 1 0のばね力が下向きに作用している。 こ のコイルスプリング 1 0は、 可動端子 5の第 2の接点 5 1が固定端子 4の第 1の 接点 4 1 と接触したときの接触圧を確保するために設けられている。
軸部 6 2の下部は、 ケース 3の底部 3 1に形成された穴 3 1 b内に挿入されて いる。 この穴 3 1 b内には復帰ばねとしてのコイルスプリング 1 2が配設され、 このコイルスプリング丄 2の上部は軸部 6 2の下部に小径に形成されたボス状部 に卷装されるようにして装着されている。 そして、 このコイルスプリング 1 2の ばね力により、 軸部 6 2は常時上方に付勢されている。 また、 穴 3 l b内には、 軸部 6 2のボス状部の根元である段付部 6 2 aが当接し得るス トッパ面 3 1 c 形成されている。
また、 押ボタン 2の下部の前後には、 下方に突出して一対ずつの突起部 2 2が 設けられている。 これら各突起部 2 2は強制開離手段に相当し、 特に第 2図に示 されるように、 各突起部 2 2は、 可動端子 5を間に挟み、 可動端子 5には接触す ることなく固定端子 4の端部に当接可能な位置に配置されている。
第 1図に示すような押ボタン 2を押し込んでいない初期状態である第 1の O F F状態では、 押ボタン 2が各コイルスプリング 7のばね力により初期位置に配置 されており、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1は離反して両者間には隙間が設けられ ている。 また、 両スライ ドブロック 8、 8の傾斜面 8 aが押ボタン 2の穴 2 aの 傾斜面 2 bに係合しており、 この係合によって押ボタン 2の押し込みにスィツチ ング機構 6が連動する状態になっている。
次に、 本実施例における押ボタンスィツチ 1の動作について第 3図ないし第 8 図を用いて説明する。
いま、 第 1図に示す第 1の O F F状態から押ボタン 2を押し込むと、 第 3図に 示すように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 bとの係 合により、 スイッチング機構 6が押ボタン 2と一緒に下方に移動し、 スィッチン グ機構 6の可動端子 5の第 2の接点 5 1がケース 3側の固定端子 4の第 1の接点 4 1 と接触して O N状態になる。
この O N状態では、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aには、 押ボタン 2の穴 2 aの傾斜面 2 bからスライ ドブロック 8を内方に没入させようとする押付力が作 用するが、 この押付力よりも、 スライ ドブロック 8を外部に突出させようとする コイルスプリング 9のばね力の方が強いので、 スライ ドブロック 8が穴 6 1 a内 に没入することはない。
またこのとき、 ケース 3の底部 3 1の穴 3 1 b内において、 スイッチング機構 6の軸部 6 2の段付部 6 2 aとス トッパ面 3 1 cとの間には、 隙間 tが形成され た状態となっている。
そして、 第 3図に示す O N状態から押ポタン 2をさらに押し込むと、 第 4図に 示すように、 可動端子 5の第 2の接点 5 1が固定端子 4の第 1の接点 4 1 と接触 した状態のまま、 スィツチング機構 6の軸部 6 2の段付部 6 2 aがケース底部 3 1側のス トッパ面 3 1 cに当接して、 隙間 tが 0になる。 このとき、 第 4図中に 破線で示すように、 押ボタン 2の下部の突起部 2 2が可動端子 5と紙面垂直方向 にオーバラップしている。
この状態からさらに押ボタン 2が押し込まれると、 押ボタン 2からスライ ドブ ロック 8の傾斜面 8 aに作用する押付力が、 コイルスプリング 9のばね力に打ち 勝つようになり、 第 5図に示すように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aが押ボ タン 2の傾斜面 2 bを摺接し始めてスライ ドブロック 8が穴 6 1 aの内方にスラ ィ ドを始める。 やがて、 スライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に完全に没入し、 これ によって押ボタン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜面 8 a との係合が 外れ、 スィツチング機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a內を上下方向に移動でき る状態となり、 スィツチング機構 6が押ボタン 2の押し込みに連動しなくなる。 一方このとき、 ケース底部 3 1の穴 3 1 b内のコイルスプリング 1 2は圧縮さ れており、 軸部 6 2の段付部 6 2 aには、 軸部 6 2を上方に押し上げようとする コイルスプリング 1 2のばね力が作用している。 そのため、 上記したように押ボ タン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜面 8 aとの係合が外れると、 第 6図に示すように、 コイルスプリング 1 2のばね力によって、 スイッチング機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上方に移動するとともに、 スィツチング機構 6全体が上方へ移動し、 これにより可動端子 5の第 2の接点 5 1が固定端子 4の 第 1の接点 4 1から離反して第 2の O F F状態になる。
このように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の穴 2 aの傾斜面 2 bとの係合状態が外れることにより、 O N状態から第 2の O F F状態へ移行す るようになっているので、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行 われ、 これによりスィツチ動作を安定させることができる。
次に、 第 6図に示す第 2の O F F状態からさらに押ボタン 2が押し込まれると、 第 7図に示すように、 押ボタン 2の下部の突起部 2 2が固定端子 4の折曲部分 4 aに当接して第 1の接点 4 1が押し下げられるため、 第 1の接点 4 1が第 2の接 点 5 1から強制的に開離される。 これにより、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1同士 が仮に溶着を起こしていた場合であっても、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1を強制 的に離反させることができ、 これによつて O N状態から第 2の O F F状態への移 行が一層確実に行われるようになる。
なお、 押ボタン 2の下部に突起部 2 2を設けずに、 押ボタン 2の下端全体で固 定端子 4の第 1の接点 4 1を押し下げるようにしてもよく、 あるいは、 固定端子 4の折曲部分 4 a側に突起部を設けるようにしてもよい。
一方、 第 5図に示す状態から、 仮にコイルスプリング 1 2が破損し、 コイルス プリング 1 2によるばね力がスィツチング機構 6の軸部 6 2に作用しない場合で あっても、 押ボタン 2が押し込まれることによって、 押ボタン 2の下部の突起部 2 2が固定端子 4の第 1の接点 4 1を強制的に下方に押し下げることになるので、 O N状態から第 2の O F F状態に確実に移行することができる (第 8図参照)。 次に、 押ボタンスィツチ 1を操作する際に押ボタン 2に作用させる操作荷重と 操作ストロークとの関係について第 9図を用いて説明する。 なお、 同図中の丸数 字はそれぞれ図番号に対応させている。
第 1図に示す初期の第 1の O F F状態 (①) から O N状態を超えて第 4図に示 す状態 (④) に移行するまでは、 操作ス トロークの増加とともに操作荷重が徐々 に増加している。 次に、 第 4図に示す状態 (④) から第 5図に示す状態 (⑤) に 移行するとき、 操作ストロークははとんど増加せず、 操作荷重が急激に増加する。 これは、 スライ ドブロック 8を内方に没入させるのに大きな荷重を必要とするか らである。
次に、 第 5図に示す状態 (⑤) から第 6図に示す状態 (⑥) に移行するとき、 操作荷重が急激に小さくなる。 これは、 押ボタン 2とスライ ドブロック 8との係 合が外れたためである。 O N状態での操作時に操作者かパニックに陥って押ボタ ン 2を強く押し込んだときには押ボタン 2か軽くなった方が好ましいので、 この ように操作荷重を小さく設定することにより、 O N状態から第 2の O F F状態に
スムーズに移行することができるようになる。 またこのとき、 操作者はクリック 感 (操作感) を得ることかできる。
次に、 第 6図に示す状態 (⑥) から第 7図に示す状態 (⑦) に移行するまでは、 操作ストロークの増加とともに操作荷重が徐々に増加している。 このとき、 押ボ タン 2の突起部 2 2が固定端子 4の接点 4 1を徐々に押し下げている。
このように第 1実施例によれば、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 bとの係合が外れることにより、 O N状態から第 2の O F F状態に 移行するようになっているので、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定 して行われ、 これによりスィッチ動作が安定する。
また、 O N状態から第 2の O F F状態への移行の際には、 スイッチング機構 6 の上方への移動により可動端子 5の第 2の接点 5 1が固定端子 4の第 1の接点 4 1から離反するとともに、 押ボタン 2の突起部 2 2が接点 4 1を押し下げること により第 1の接点 4 1が第 2の接点 5 1から強制的に離反される。 これにより、 接点同士が仮に溶着を起こしていた場合であっても第 1、 第 2の接点 4 1 、 5 1 が確実に離反できるようになつている。 このようにして、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が確実に行われ、 スィツチ動作が一層安定する。
さらに、 第 1実施例においては、 固定端子 4が単一の帯板状部材から構成され ているので、 部品点数を削減でき、 構造を簡略化できる。
なお、 前記第 1実施例では、 強制開離手段としての突起部 2 2を押ボタン 2に —体に形成した場合について説明したが、 特に一体形成する必要はなく、 押ボタ ン 2と別個に形成した突起部 2 2などの強制開離手段を押ボタンに取り付けるよ うにしてもよいのは勿論である。
(第 2実施例)
次に、 本発明の第 2実施例を第 1 0図ないし第 1 9図を用いて説明する。
第 1 0図は第 2実施例における押ボタンスィッチの切断正面図、 第 1 1図は第 1 0図の XI— XI線における切断平面図、 第 1 2図ないし第 1 7図は押ボタンスィ ツチの動作説明用の切断正面図、 第 i 8図及び第 1 9図は押ボタンスィッチ内の 固定端子の拡大図である。 第 1 0図ないし第 1 7図は前記第 1実施例の第 1図な いし第 8図にそれぞれ対応している。 なお、 各図中、 前記第 1実施例と同一符号
は同一または相当部分を示している。
この第 2実施例においては、 固定端子の横造のみが前記第 1実施例と異なって いるので、 ここでは、 固定端子の部分についてのみ説明し、 その他の部分につい ての詳細な説明は省略する。
第 1 0図ないし第 1 7図中、 ケース 3の底部 3 1側に配置された固定端子 4 0 は、 底部 3 1に固定された固定金具 4 2と、 固定金具 4 2に回動自在に支持され た可動金具 4 3とから主として構成されている。
固定金具 4 2の一端には、 上方に延びる立板部 4 2 aが設けられており、 立板 部 4 2 aの下端に可動金具 4 3の一端部 4 3 aが係合している。 この構成により、 可動金具 4 3は、 立板部 4 2 aの下端を支点として上下方向に回動自在になって いる。
立板部 4 2 aの両端には、 第 1 1図及び第 1 8図に示すように、 可動金具 4 3 の上方への回動を規制するための規制板部 4 2 bが設けられている。 なお、 第 1 0図、 第 1 2図ないし第 1 7図では、 図示の便宜上、 この規制板部 4 2 bを省略 したものが示されている。
また、 立板部 4 2 a及び可動金具 4 3間にはコイルスプリング 4 4が配設され ている。 コイルスプリング 4 4の一端は、 立板部 4 2 aに係止され、 他端は可動 金具 4 3の略中央部に係止されている。 このコイルスプリング 4 4のばね力によ り、 可動金具 4 3は常時上方に回動する方向に付勢されている。
可動金具 4 3は、 第 1 1図に示すように、 平面視略 T字状の部材であって、 そ の先端には、 第 1の接点 4 1が設けられている。
第 1 0図に示すような押ボタン 2を押し込んでいない初期状態である第 1の O F F状態においては、 押ボタン 2が各コイルスプリング 7のばね力により初期位 置に配置されており、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1は離反して両者間には隙間が 形成されている。 また、 両スライ ドブロック 8、 8の傾斜面 8 aが押ボタン 2の 穴 2 aの傾斜面 2 bと係合しており、 この係合によって押ボタン 2の押し込みに スィツチング機構 6が連動する状態になっている。
そして、 第 1 0図に示す第 1の O F F状態から押ボタン 2を押し込むと、 第 1 2図に示すように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 b
との係合により、 スイッチング機構 6が押ボタン 2と一緒に下方に移動し、 スィ ツチング機構 6の可動端子 5の第 2の接点 5 1がケース 3側の固定端子 4 0の第 1の接点 4 1 と接触して O N状態になる。
このとき、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aには、 押ボタン 2側の傾斜面 2 b から内方への押付力が作用しているか、 この押付力よりも、 スイッチング機構 6 内のコイルスプリング 9のばね力の方が強いので、 スライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に没入することはない。
また、 このとき、 ケース底部 3 1の穴 3 1 b内において、 軸部 6 2の段付部 6 2 a とス トッパ面 3 1 cとの間には、 隙間 tが形成されている。
そして、 第 1 2図に示す O N状態から押ボタン 2をさらに押し込むと、 第 1 3 図に示すように、 可動端子 5の第 2の接点 5 1が固定端子 4 0の第 1の接点 4 1 と接触した状態のまま、 スィツチング機構 6の軸部 6 2の段付部 6 2 aがケース 底部 3 1側のス トッパ面 3 1 cに当接して、 隙間 tが 0になる。 このとき、 第 1 3図中に破線で示すように、 押ボタン 2下部の突起部 2 2が可動端子 5と紙面垂 直方向にォ一バラップしている。
この状態からさらに押ボタン 2が押し込まれると、 押ボタン 2からスライ ドブ ロック 8の傾斜面 8 aに作用する押付力が、 コイルスプリング 9のばね力に打ち 勝つようになり、 第 1 4図に示すように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aが押 ボタン 2の傾斜面 2 bを摺接し始めてスライ ドブロック 8が穴 6 1 aの内方にス ライ ドを始める。 やがて、 スライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に完全に没入し、 こ れによって押ボタン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜面 8 a との係合 が外れ、 スィツチング機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上下方向に移動で きる状態となり、 スィツチング機構 6が押ボタン 2の押し込みに連動しなくなる。 一方このとき、 ケース底部 3 1の穴 3 1 b内のコイルスプリング 1 2は圧縮さ れており、 軸部 6 2の段付部 6 2 aには、 軸部 6 2を上方に押し上げようとする コイルスプリング 1 2のばね力が作用している。 そのため、 上記したように押ボ タン 2の傾斜面 2 b とスライ ドブロック 8の傾斜面 8 a との係合が外れると、 第
1 5図に示すように、 コイルスプリング 1 2のばね力によって、 スイッチング機 構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上方に移動するとともに、 スィツチング機
構 6全体が押ボタン 2側に移動し、 これにより可動端子 5の接点 5 1が固定端子 4 0の第 1の接点 4 1から離反して第 2の O F F状態になる
このように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 a と押ボタン 2の穴 2 aの傾斜面 2 bとの係合状態が外れることにより、 O N状態から第 2の O F F状態へ移行す るようになっているので、 前記第 1実施例の場合と同様に、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行われ、 これによりスィツチ動作を安定させるこ とかできる。
次に、 第 1 5図に示す第 2の O F F状態からさらに押ボタン 2が押し込まれる と、 第 1 6図に示すように、 押ボタン 2の下部の突起部 2 2が固定端子 4 0の可 動金具 4 3に当接して第 1の接点 4 1を押し下げることにより (第 1 9図参照)、 第 1の接点 4 1が可動端子 5の第 2の接点 5 1から強制的に開離される。 これに より、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1同士が仮に溶着を起こしていた場合であって も、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1を強制的に離反させることができ、 これによつ て O N状態から第 2の O F F状態への移行が一層確実に行われるようになる。 なお、 この場合においても、 押ボタン 2の下部に突起部 2 2を設けずに、 押ボ タン 2の下端全体で固定端子 4 0の接点 4 1を押し下げるようにしてもよく、 あ るいは、 固定端子 4 0の可動金具 4 3側に突起部を設けるようにしてもよい。
—方、 第 1 4図に示す状態から、 仮にコイルスプリング 1 2が破損し、 コイル スプリング 1 2によるばね力がスィツチング機構 6の軸部 6 2に作用しない場合 であっても、 押ボタン 2が押し込まれることによって、 押ボタン 2下部の突起部 2 2が固定端子 4 0の接点 4 1を強制的に下方に押し下げることになるので、 O N状態から第 2の O F F状態に確実に移行することができる (第 1 7図参照)。 また、 この場合においても、 押ボタンスィッチ 1を操作する際に押ボタン 2に 作用させる操作荷重と操作ストロークとの関係は、 前記第 1実施例の第 9図に示 すものと同様になる。
このように、 第 2実施例によれば、 前記第 1実施例の場合と同様に、 スライ ド ブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 bとの係合か外れることにより、 O N状態から第 2の O F F状態に移行するようになつているので、 O N状態から 第 2の O F F状態への移行が安定して行われ、 これによりスィツチ動作が安定す
る。
また、 前記第 1実施例の場合と同様に、 O N状態から第 2の O F F状態への移 行の際には、 スィツチング機構 6の押ボタン 2側への移動により可動端子 5の接 点 5 1が固定端子 4 0の第 1の接点 4 1から離れるとともに、 押ボタン 2の突起 部 2 2が第 1の接点 4 1を押し下げることにより第 1の接点 4 1が第 2の接点 5 1から強制的に離反される。 これにより、 接点同士が仮に溶着を起こしていた場 合であっても第 1、 第 2接点 4 1、 5 1が確実に離反できるようになつている。 このようにして、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が確実に行われ、 動作 がー層安定する。
さらに、 前記第 1実施例では、 固定端子 4が帯鋼を略 U字状に折り曲げること により構成されているため、 帯鋼の材質、 板厚等のばらつきによっては固定端子 4の折曲部分 4 aにおける屈曲度のばらつきが大きくなり、 固定端子 4の品質及 び性能を所望の範囲内におさめるのが容易ではない。 これに対して、 第 2実施例 では、 固定端子 4 0全体のばね性がコイルスプリング 4 4により左右されるため、 固定端子 4 0の品質及び性能を所望の範囲内におさめるのが比較的容易である。 (第 3実施例)
次に、 本発明の第 3実施例を第 2 0図ないし第 2 4図を用いて説明する。
第 2 0図は第 3実施例における押ボタンスィツチの切断正面図、 第 2 1図及び 第 2 2図は押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図、 第 2 3図及び第 2 4図 は押ボタンスィッチの一部の斜視図及び平面図である。 なお、 各図中、 前記第 1 実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第 3実施例においては、 固定端子及び可動端子の構造と、 スイッチング機 構の構造が前記第 1実施例と異なっているので、 ここでは、 これらの相異点につ いて説明し、 その他の部分についての詳細な説明は省略する。
第 2 0図ないし第 2 2図に示すように、本実施例における固定端子は L字状の 一対の固定金具 4 6、 4 6により構成され、 両固定金具 4 6がケース 3の底部 3 1を貫通してケース 3内に対向配置されており、 両固定金具 4 6の上端部の下面 側に第 1の接点 4 1が取り付けられている。
—方、 一対の可動端子 5 0、 5 0が反転機構 9 0を介してスイッチング機構 6
を構成する軸部 6 4に取り付けられており、 両可動端子 5 0の両端は第 1の O F F状態において底部 3 1の穴 3 1 bの周縁に上方に膨出して一体形成された台座 部 3 1 dの上面に当接するように配設されている。
このスィツチング機構 6は、 前記第 1実施例におけるスィツチング機構とほぼ 同様の構造を有するが、 次のような点が主に相異している。 即ち、 スイッチング 機構 6の下部における軸部 6 4の中心部にはこの軸部 6 4を上下に貫通する貫通 孔 6 5が形成され、 この貫通孔 6 5には、 ケース 3の底部 3 1の穴 3 1 bの中央 に植設されたボス 3 1 eが揷通されている。 また、 軸部 6 4の上端からほぼ中央 にかけて、 第 2 3図及び第 2 4図に示すような割り溝 6 6が形成されている。 また、 一対の可動端子 5 0、 5 0は、 その一端が軸部 6 4に回動自在に支持さ れて軸部 6 4に翼状に取り付けられ、 両可動端子 5 0の他端の上面には第 2の接 点 5 1が設けられている。 そして、 割り溝 6 6を通して一対のコイルスプリング 1 1 , 1 1の一端がボス 3 1 eにそれぞれ係止され、 両コイルスプリング 1 1、 1 1の他端がそれぞれ両可動端子 5 0の中央部に係止されている。 ここで、 例え ば図 2 4に示すように、 軸部 6 4の支持部分に切欠部を形成しておき、 この切欠 部に可動端子 5 0の一端を挿入し、 可動端子 5 0の一端及び軸部 6 4の切欠部に 形成した凹凸の嵌め合わせによって、 可動端子 5 0の一端を軸部 6 4に回動自在 に支持することができる。
そのため、 例えば軸部 6 4が初期位置つまり最上位置にあるときには、 第 2 0 図に示すように、 両コイルスプリング 1 1、 1 1のばね力により両可動端子 5 0 の他端側は下向きに付勢されて、 両可動端子 5 0の他端がケース 3側の台座部 3 1 dの上面に当接した状態にあり、 押ボタン 2の押し込みに伴いスイッチング機 構 6が下方に移動して軸部 6 4が下方に移動すると、 軸部 6 4と一緒に両可動端 子 5 0の一端側が下方に移動しょうとする。 そして、 両可動端子 5 0の一端側が ある程度まで下方に移動すると、 先程とは逆に、 両可動端子 5 0の他端側に作用 する両コイルスプリング 1 1、 1 1のばね力の向きが反転し、 両可動端子 5 0の 他端側が上向きに付勢されるようになる。 このように両可動端子 5 0に働く両コ ィルスプリング 1 1、 1 1のばね力の向きが変わることで、 両可動端子 5 0の両 端は変位する。
このように、 両可動端子 5 0、 5 0、 両コイルスプリング 1 1、 1 1及びケ一 ス 3側の台座部 3 1 dにより反転機構 9 0が構成されている。
次に、 動作について簡単に説明する。 いま、 第 2 0図に示す第 1の O F F状態 から押ボタン 2を押し込むと、 前記第 1実施例の場合と同様の動作により、 第 2 1図に示すように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 b との係合により、 スイッチング機構 6が押ボタン 2と一緒に下方に移動する。 そ して、 上記したように、 スイッチング機構 6の軸部 6 4が下動して反転機構 9 0 の両可動端子 5 0の両端が上方に変位し、 可動端子 5 0の第 2の接点 5 1が第 1 の接点 4 1 と接触して O N状態になる。
この O N状態では、 前記第 1実施例の場合と同様、 スライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に没入することはない。
そして、 第 2 1図に示す O N状態から押ボタン 2をさらに押し込むと、 前記第 1実施例の場合と同様、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aが押ボタン 2の傾斜面 2 bを摺接し始めてスライ ドブロック 8が穴 6 1 aの內方にスライ ドを始め、 や がてスライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に完全に没入し、 これによつて押ボタン 2 の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜面 8 aとの係合が外れ、 スイッチング 機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上下方向に移動できる状態となり、 スィ ッチング機構 6が押ボタン 2の押し込みに連動しなくなる。
一方このとき、 ケース底部 3 1の穴 3 1 b内のコイルスプリング 1 2は圧縮さ れており、 上記したように押ボタン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜 面 8 aとの係合が外れると、 第 2 2図に示すように、 コイルスプリング 1 2のば ね力によって、 スィツチング機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上方に移動 するとともに、 スィツチング機構 6全体が上方へ移動する。
これにより、 反転機構 9 0の両可動端子 5 0の両端が下方に変位し、 可動端子 5 0の第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1から離反して第 2の O F F状態になる。 このように、 第 3実施例によれば、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 a と押ボタ ン 2の穴 2 aの傾斜面 2 bとの係合状態が外れることにより反転機構 9 0が変位 し、 スィツチが O N状態から第 2の O F F状態へ移行するようになつているので、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行われ、 これによりスィツチ
動作を安定させることができる。
ところで、 押ボタン 2の下面に強制開離手段として、 前記第 1実施例における 突起部 2 2と同様の突起部を設け、 O N状態から第 2の O F F状態に移行した後 にさらに押ボタン 2を押し込んだときに、 この突起部により両可動端子 5 0の端 部を押圧し、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1が仮に溶着していてもこれを強制的に 開離するようにしてもよいのは勿論である。
このとき、 強制開離手段は、 特に突起部に限定されるものではなく、 上記した ように O N状態から第 2の O F F状態に移行した後にさらに押ボタン 2を押し込 んだときに、 この突起部により両可動端子 5 0の端部を押圧可能な構成のもので あればよレ、。
(第 4実施例)
次に、 本発明の第 4実施例を第 2 5図ないし第 3 0図を用いて説明する。 第 2 5図は第 4実施例における押ボタンスィツチの切断正面図、 第 2 6図及び 第 2 7図は押ボタンスィツチの動作説明用の切断正面図、 第 2 8図は押ボタンス ィツチの一部の斜視図、 第 2 9図及び第 3 0図は押ボタンスィツチの他の一部の 変形例の斜視図及び断面図である。 なお、 各図中、 前記第 3実施例と同一符号は 同一または相当部分を示している。
この第 4実施例においては、 特に可動端子の横造と、 スイッチング機構の構造 が前記第 3実施例と異なっているので、 ここでは、 これらの相異点について説明 し、 その他の部分についての詳細な説明は省略する。
第 2 5図ないし第 2 7図に示すように、 本実施例における可動端子は、 中央部 に対して両端部が下方に湾曲した形状を有する導電性のばね材 5 3により構成さ れ、 スイッチング機構 6の下部における軸部 6 7のほぼ中央部にはコ字状の切欠 凹部 6 7 aが形成され、 この切欠凹部 6 7 a内にばね材 5 3の中央部が収納され るとともに、 ばね材 5 3の両端が第 1の O F F状態において台座部 3 1 dの上面 に当接するように配設されている。
そして、 ばね材 5 3の両端が下向きに湾曲し、 その両端が台座部 3 1 dの上面 に当接している状態で、 軸部 6 7の移動によって切欠凹部 6 7 aの上面がばね材 5 3の中央部を押し下げると、 ばね材 5 3の両端部に作用するばね力の向きが上
向きに変化する。 一方、 ばね材 5 3の両端が上向きに湾曲し、 その両端が第 2の 接点 5 1を介して第 1の接点 4 1に係合している状態で、 軸部 6 7の移動によつ て切欠凹部 6 7 aの下面がばね材 5 3の中央部を押し上げると、 ばね材 5 3の両 端部に作用するばね力の向きが下向きに変化する。
このばね材 5 3の両端部上面であって第 1の接点 4 1に対向する位置に第 2の 接点 5 1を設けておくことで、 ばね材 5 3の両端部が変位することにより、 第 2 の接点 5 1を第 1接点 4 1に接触或いは離反させることが可能になる。
このように、 可動端子であるばね材 5 3、 軸部 6 7の切欠凹部 6 7 a及びケー ス 3側の台座部 3 1 dにより、 反転機構 9 1が構成されている。
次に、 動作について簡単に説明する。 いま、 第 2 5図に示す第 1の O F F状態 から押ボタン 2を押し込むと、 前記第 3実施例の場合と同様の動作により、 第 2 6図に示すように、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 b との係合により、 スイッチング機構 6が押ボタン 2と一緒に下方に移動する。 そ して、 上記したように、 スイッチング機構 6の軸部 6 7が下動して切欠凹部 6 7 aの上面がばね材 5 3の中央部に当接してこれを押し下げ、 ばね材 5 3の両端が 第 1の接点 4 1の方向である上方に変位し、 ばね材 5 3の第 2の接点 5 1が第 1 の接点 4 1 と接触して O N状態になる。
この O N状態では、 前記第 3実施例の場合と同様、 スライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に没入することはない。
そして、 第 2 6図に示す O N状態から押ボタン 2をさらに押し込むと、 前記第 3実施例の場合と同様、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aが押ボタン 2の傾斜面 2 bを摺接し始めてスライ ドブロック 8が穴 6 1 aの內方にスライ ドを始め、 や がてスライ ドブロック 8が穴 6 1 a内に完全に没入し、 これによつて押ボタン 2 の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜面 8 a との係合が外れ、 スイッチング 機構 6の揷入部 6 1が押ボタン 2の穴 2 a内を上下方向に移動できる状態となり、 スィツチング機構 6が押ボタン 2の押し込みに連動しなくなる。
一方このとき、 ケース底部 3 1の穴 3 1 b内のコイルスプリング 1 2は圧縮さ れており、 上記したように押ボタン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜 面 8 a との係合が外れると、 第 2 7図に示すように、 コイルスプリング 1 2のば
ね力によって、 スィツチング機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上方に移動 するとともに、 スイッチング機構 6全体が上方へ移動する。
これにより、 軸部 6 7の切欠凹部 6 7 aの下面がばね材 5 3の中央部に当接し てこれを押し上げるため、 ばね材 5 3の両端が第 1の接点 4 1とは反対方向であ る下方に変位し、 ばね材 5 3の第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1から離反して第 2の O F F状態になる。
このように、 第 4実施例によれば、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタ ン 2の穴 2 aの傾斜面 2 bとの係合状態が外れることにより、 反転機構 9 1を構 成するばね材 5 3の両端が変位し、 スィツチが O N状態から第 2の O F F状態へ 移行するようになっているので、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定 して行われ、 これによりスィツチ動作を安定させることができる。
なお、 押ボタン 2の下面に強制開離手段として、 前記第 1実施例における突起 部 2 2と同様の突起部を設け、 O N状態から第 2の O F F状態に移行した後にさ らに押ボタン 2を押し込んだときに、 この突起部によりばね材 5 3の両端を押し 下げ、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1が仮に溶着していてもこれを強制的に開離す るようにしてもよいのは勿論である。
このとき、 強制開離手段は、 特に突起部に限定されるものではなく、 上記した ように O N状態から第 2の O F F状態に移行した後にさらに押ボタン 2を押し込 んだときに、 この突起部によりばね材 5 3の両端を押圧可能な構成のものであれ ばよい。
また、 ばね材の変形例として、 第 2 9図及び第 3 0図に示すように、 中央に軸 部 6 7の径よりも小径の透孔 5 4 aが形成されたドーム状のばね材 5 4を用いて もよく、 この場合スィツチング機構 6の軸部 6 7のほぼ中央部分にこのドーム状 ばね材 5 4の透孔ょりも小径となる小径部 6 7 bを形成し、 この小径部をドーム 状ばね材 5 4の透孔に挿通するような構成にし、 小径部 6 7 bの両端部が軸部 6 7の移動によつてドーム状ばね材 5 4の中央部分を押し上げ或いは押し下げるよ うにすればよい。
この場合にも、 ドーム状ばね材 5 4の端部を強制的に押し下げる強制開離手段 を設けることが望ましい。
(第 5実施例)
次に、 本発明の第 5実施例を第 3 1図を用いて説明する。 なお、 第 3 1図は第 5実施例における押ボタンスィツチの切断正面図であり、 同図中において前記第 1実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第 5実施例においては、 特に押ボタン 2の構成が前記第 1実施例と若干異 なっているので、 ここではその相異点について説明し、 その他の部分についての 詳細な説明は省略する。
第 3 1図に示すように、 押ボタン 2の中空部に相当する穴 2 aの下端に係合体 2 dを一体に設け、 付勢手段としての各コイルスプリング 7のばね力により、 押 ボタン 2が押し込み前の状態に復帰する際に、 穴 2 a内に配置されているスィッ チング機構 6の揷入部 6 1 aの下面にこの係合体 2 dを係合させるようにしてい る。
これにより、 係合体 2 dのスィツチング機構 6の挿入部 6 1 aとの係合によつ て押ボタン 2と一緒にスィツチング機構 6を初期位置まで確実に復帰させること ができる。
従って、 第 5実施例によれば、 押ボタン 2の復帰にスイッチング機構 6を連動 させることができるため、 スィツチング機構 6の復帰ばねであるコイルスプリン グ 1 2が損傷しているような場合であっても、 スイッチング機構 6を初期位置ま で確実に復帰させることが可能になる。
なお、 係合体 2 dは押ボタン 2に必ずしも一体に設ける必要はなく、 別個の係 合体を押ボタン 2に取り付けるようにしてもよい。
また、 係合体 2 dはスライ ドブロック 8に係合する位置に配設されていてもよ レ、。
さらに、 このような係合体は、 前記第 2ないし第 4実施例における押ボタン 2 に設けてもよいのは勿論である。
(第 6実施例)
次に、 本発明の第 6実施例を第 3 2図ないし第 3 6図を用いて説明する。 第 3 2図は第 6実施例における押ボタンスィツチの切断正面図、 第 3 3図は一 部の斜視図、 第 3 4図ないし第 3 6図は動作説明用の斜視図である。 なお、 同図
中において前記第 1実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第 6実施例においては、 特に可動端子とその支持構造が前記第 1実施例と 異つているため、 ここではその相異点について説明し、 その他の部分についての 詳細な説明は省略する。
第 3 2図及び第 3 3図に示すように、 本実施例では、 スイッチング機構 6の上 部の揷入部 6 1 aに対してその下部である軸部 6 8が、 凹凸の嵌め合わせによつ て回転自在に結合され、 この軸部 6 8の上端部に一対の可動端子 5 5、 5 5が取 り付けられ、 両可動端子 5 5の端部下面に第 2の接点 5 1が設けられている。 さらに、 ケース 3の底部 3 1の穴 3 1 b内に配置された軸部 6 8の下端部周面 の対向する位置には、 特に第 3 3図に示されるようなカム溝 6 8 aが形成されて、 このようなカム溝 6 8 aに、 穴 3 1 bの周面に設けられた突起 3 1 f が嵌挿して いる。
このカム溝 6 8 aは、 軸部 6 8の下端部の周面に形成された上下方向の第 1溝 S 1と、 この第 1溝 S 1の上端から連続的に斜め上方向に形成された第 2溝 S 2 と、 この第 2溝 S 2の端から下方に形成された第 3溝 S 3と、 この第 3溝 S 3の 下端から連続的に斜め下方向に形成されて第 1溝 S 1の下端付近に連なった第 4 溝 S 4とにより構成されている。
また、 スイッチング機構 6の軸部 6 8の下面には凹部 6 8 bが形成され、 この 凹部 6 8 bにはボス 6 8 cが軸部 6 8に一体形成されており、 このボス 6 8 cに 復帰ばねとしてのコイルスプリング 1 2が卷装されている。
次に、 動作について簡単に説明する。 いま、 第 3 2図及び第 3 4図に示す第 1 の O F F状態から押ボタン 2を押し込むと、 前記第 1実施例の場合と同様の動作 により、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aと押ボタン 2の傾斜面 2 bとの係合に より、 スィツチング機構 6が押ボタン 2と一緒に下方に移動する。
このとき、 スイッチング機構 6の下方への移動により、 カム溝 3 8 aの上下方 向の第 1溝 S 1内を突起 3 1 f が相対的に移動するため、 突起 3 1 f が第 1溝 S 1內を移動する間、 突起 3 1 f によって軸部 6 8の回転が阻止されることとなる。 また、 押ボタン 2が押し込まれてスイッチング機構 6が下方に移動し、 突起 3 1 f がカム溝 6 8 aの第 1溝 S 1の上端に到達するときに丁度第 1、 第 2の接点
4 1、 5 1が接触してスィッチが O N状態となるように第 1溝 S 1の長さを設定 しておけば、 押ボタン 2の押し込みにより、 スイッチング機構 6がカム溝 6 8 a の第 1溝 S 1の長さに相当する量だけ下方に移動したときに、 第 3 5図に示すよ うにスィツチが第 1の O F F状態から O N状態に移行する。
続いて、 O N状態から押ボタン 2をさらに押し込むと、 前記第 3実施例の場合 と同様、 スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aが押ボタン 2の傾斜面 2 bを摺接し始 めてスライ ドブロック 8が穴 6 1 aの內方にスライ ドを始め、 やがてスライ ドブ ロック 8が穴 6 1 a内に完全に没入し、 これによつて押ボタン 2の傾斜面 2 bと スライ ドブロック 8の傾斜面 8 aとの係合が外れ、 スイッチング機構 6の揷入部 6 1が押ボタン 2の穴 2 a内を上下方向に移動できる状態となり、 スィツチング 機構 6が押ボタン 2の押し込みに連動しなくなる。
—方このとき、 ケース底部 3 1の穴 3 1 b內のコイルスプリング 1 2は圧縮さ れており、 上記したように押ボタン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜 面 8 a との係合が外れると、 コイルスプリング 1 2のばね力によって、 スィッチ ング機構 6の上部が押ボタン 2の穴 2 a内を上方に移動するとともに、 スィッチ ング機構 6全体が上方へ移動する。
このとき、 突起 3 1 f は突起 3 1 f がカム溝 3 8 aの第 2溝 S 2、 第 3溝 S 3 内を相対的に移動するが、 突起 3 1 ίがカム溝 3 8 aの第 2溝 S 2内を移動する 間、 突起 3 1 f に対して軸部 6 8が回転することになる。 ここで、 突起 3 1 ίが 第 2溝 S 2の端部に到達するときに、 丁度軸部 6 8がほぼ 9 0 ° 回転し、 かつ押 ボタン 2の傾斜面 2 bとスライ ドブロック 8の傾斜面 8 aとの係合が外れるよう に第 2溝 S 2の長さを設定しておけば、 押ボタン 2を O N状態から押し込んだと きに、 突起 3 1 f が第 2溝 S 2を移動する間に、 第 3 6図に示すようにスィツチ が O N状態から第 2の O F F状態に移行する。
その後、 上記したように、 コイルスプリング 1 2のばね力によってスィッチン グ機構 6が上方へ移動する間、 突起 3 1 f はカム溝 6 8 aの第 3溝 S 3、 第 4溝 S 4内を移動し、 突起 3 1 f が第 4溝 S 4内を移動する間に、 軸部 6 8は先程と は逆方向のほぼ 9 0 ° 回転して初期の第 1の O F F状態 (第 3 4図参照) に復帰 する。
このように、 カム溝 6 8 aと突起 3 1 f との組み合わせにより、 押ボタン 2の 押し込みにつれてスィツチを第 1の O F F状態から O N状態に移行させ、 さらに は軸部 6 8の 9 0 ° の回転によって O N状態から第 2の O F F状態に確実に移行 させることができる。
従って、 第 6実施例にによれば、 前記第 1の実施例におけるスイ ッチング機構 を設けることなく、 O N状態から第 2の O F F状態への移行が安定して行われ、 これによりスィツチ動作を安定させることができる。
また、 この場合には、 軸部 6 8が回転する構造であるため、 第 1、 第 2の接点 4 1 , 5 1が仮に溶着していても軸部 6 8の回転により第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1を強制的に離反させることが可能であるため、 強制開離手段を特に設ける必 要はない
(第 7実施例)
次に、 本発明の第 7実施例を第 3 7図ないし第 4 1図を用いて説明する。
第 3 7図は第 7実施例における押ボタンスィツチの切断正面図、 第 3 8及び第 3 9図は動作説明用の切断正面図、 第 4 0図は一部の分解斜視図、 第 4 1図は一 部の変形例の分解斜視図である。
第 3 7図に示すように、 押ボタンスィッチ 1 0 0は、 ほぼ直方体状の押ボタン 1 0 2と、 押ボタン 1 0 2を支持するケース 1 0 3と、 ケ一ス 1 0 3の底部 1 1 3に固定された導電性の第 1部材としての固定端子 1 0 4と、 固定端子 1 0 4の 上方に配置された導電性の第 2部材としての可動端子 1 0 5と、 押ボタン 1 0 2 の下面に取り付けられた板ばね 1 0 6と、 押ボタン 1 0 2の下面に取り付けられ た強制開離用の作動部材 1 0 7とを備えている。
押ボタン 1 0 2の下面端部には、 下方に突出する複数の支軸部 1 1 2が設けら れており、 各支軸部 1 1 2には支持軸 1 1 2よりも長尺のコイルスプリング 1 0 8がそれぞれ卷装され、 各コイルスプリング 1 0 8の上端は押ボタン 1 0 2の下 面 1 0 2 aに、 下端は底部 1 1 3にそれぞれ係止されている。 これら各コイルス プリング 1 0 8のばね力により、 押ボタン 1 0 2は常時上方に付勢されている。 固定端子 1 0 4は、 根元部分がケース 1 0 3の底部 1 1 3を貫通して支持され、 ケース 1 0 3內において略 U字状に折り曲げられた部材により構成され、 この折
曲部分 1 0 4 aは上下方向の弾性即ちばね性を有している。 折曲部分 1 0 4 aの 先端の上面側には第 1の接点 4 1が設けられている。
可動端子 1 0 5も、 固定端子 1 0 4とほぼ同様に、 根元部分がケース 1 0 3の 底部 1 1 3を貫通して支持され、 ケース 1 0 3内において略 U字状に折り曲げら れた部材により構成され、 この折曲部分 1 0 5 aは上下方向の弾性即ちばね性を 有している。 この可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aは、 押ボタン 1 0 2と固定 端子 1 0 4の折曲部分 1 0 4 aとの間に配設されるとともに、 折曲部分 1 0 5 a の先端の下面側には、 第 1の接点 4 1と対向するように第 2の接点 5 1が設けら れている。
板ばね 1 0 6は、 その上端側が押ボタン 1 0 2に取り付けられ、 下端側の先端 部分が可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aの先端部に近接して配設されている。 この板ばね 1 0 6の下端側には左方へのばね力が作用している。
そして、 この板ばね 1 0 6の下端側の先端部分が、 可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aの先端から逃げる方向に折曲され、 これによつて板ばね 1 0 6の下端側 に折曲部 1 0 6 aが形成され、 この折曲部 1 0 6 a力 押ボタン 1 0 2の押し込 みに伴って可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aの先端部に係合する。
ところで、 第 4 0図に示すように、 可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aのほぼ 中央には、 矩形の透孔 1 0 5 bが形成され、 押ボタン 1 0 2の押し込みに伴って 作動部材 1 0 7がこの透孔 1 0 5 bを遊通し、 作動部材 1 0 7の下端が固定端子 1 0 4の折曲部分 1 0 4 aの先端を押し下げるようになつている。
次に、 動作について簡単に説明する。 いま、 第 3 7図に示す第 1の O F F状態 から押ボタン 1 0 2を押し込むと、 押ボタン 1 0 2の押し込みに連動して板ばね 1 0 6が下動し、 折曲部 1 0 6 aが可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aの先端部 に当接して係合する。
このとき、 押ボタン 1 0 2の押し込みの初期の段階では板ばね 1 0 6のばね力 の作用により、 折曲部 1 0 6 aが可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aの先端部に 係合した状態のまま、 可動端子 1 0 5の折曲部分 1 0 5 aが折曲部 1 0 6 aによ り押し下げられ、 やがて第 3 8図に示すように、 第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1に接触して O N状態に移行する。
その後、 押ボタン 1 02の押込量がさらに増加すると、 折曲部 1 06 aが板ば ね 1 06のばね力に杭して可動端子 1 0 5の折曲部分 1 05 aの先端から逃げる 方向 (右方向) に移動し始め、 折曲部 1 06 aが可動端子 1 05の折曲部分 1 0 5 aの先端を摺接して折曲部 1 06 aの可動端子 1 05の折曲部分 1 05 aの先 端との係合状態が解除される。 すると、 可動端子 1 05の折曲部分 1 05 aの先 端部分がそのばね力により元の上方位置に復帰し、 第 3 9図に示すように、 第 2 の接点 5 1が第 1の接点 4 1から離反し ON状態から第 2の OF F状態に移行す る。
一方、 この第 2の OF F状態から押ボタン 1 0 2をさらに押し込むと、 作動部 材 1 0 7の下端が固定端子 1 04の折曲部分 1 04 aの先端に当接してこれを押 し下げるため、 仮に第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1が溶着していても、 作動部材 1 0 7による固定端子 1 04の折曲部分 1 04 aの押し下げによって強制的に開離 されることになる。
従って、 第 7実施例によれば、 前記第 1の実施例におけるスイッチング機構を 設けることなく、 板ばね 1 06によって ON状態から第 2の OF F状態への移行 を安定して行うことが可能になり、 簡単な構成によりスィツチ動作を安定させる ことができる。
また、 板ばね 1 06のばね力の低下により第 2の OF F状態への移行が円滑に 行えない場合や接点が溶着している場合であっても、 作動部材 1 0 7により強制 開離を行うことができる。
なお、 作動部材の変形例として、 第 4 1図に示すように、 上端が押ボタン 1 0 2の下面に固着された棒状の固定部材 1 07 aの下端部に、 コ字状部材 1 07 b を設け、 これら固定部材 1 0 Ί a及びコ字状部材 1 07 bにより作動部材 1 07 を構成し、 固定端子 1 04の折曲部分 1 04 aの先端の前後には、 各々前方及び 後方に延出した延出片 1 04 bを形成し、 コ字状部材 1 07 bが跨ぐようにして 可動端子 1 05の折曲部分 1 05 aを回避しつつ延出片 1 04 bに当接するよう にしてもよレ、。
(第 8実施例)
次に、 本発明の第 8実施例を第 4 2図ないし第 44図を用いて説明する。
第 4 2図は第 8実施例における押ボタンスィツチの切断側面図、 第 4 3及び第 4 4図は動作説明用の切断側面図である。
各図に示すように、 樹脂などの絶縁材から成る押ボタンスィッチ 1 2 0は、 ほ ぼ直方体状の中空の押ボタン 1 2 2と、 押ボタン 1 2 2を支持するケース 1 2 3 と、 ケ一ス 1 2 3の底部 1 3 0に固定された導電性の固定端子 1 2 4と、 押ボタ ン 1 2 2の中空内に下端部が中空より下方に出没自在に収容された導電性の可動 端子 1 2 5とを備えている。
そして、 固定端子 1 2 4は、 第 4 4図ないし第 4 6図に示すように一対の導電 性の板状部材 1 2 4 a、 1 2 4 aがケース 1 2 3の底部 1 3 0に前後に並行して 貫設されており、 ケース 1 2 3内に配設された両板状部材 1 2 4 a、 1 2 4 aの 上端部には各々外側に向かって折曲して形成された第 1の接点 1 2 7、 1 2 7が 一体的に形成されている。 このとき、 両板状部材 1 2 4 a、 1 2 4 aの上端部に は、 両板状部材 1 2 4 a、 1 2 4 aの上端部間を押し広げようとする外力が働い たときに、 両板状部材 1 2 4 a、 1 2 4 aの上端部間の間隔を縮める方向にばね 力が作用している。
また、 押ボタン 1 2 2には、 中空となるべく凹状の穴 1 2 2 aが下面に形成さ れ、 この穴 1 2 2 a内に可動端子 1 2 5が収容されている。 この可動端子 1 2 5 は断面コ字状を有し、 可動端子 1 2 5の両側下端には、 それぞれ外側に膨らんだ 断面円弧状の第 2の接点 1 2 6、 1 2 6がー体的に設けられており、 可動端子 1 2 5の両側下端には、 互いに広がる方向へのばね力が作用している。 そのため、 可動端子 1 2 5の下端の第 2の接点 1 2 6が押ボタン 1 2 2の穴 1 2 2 a内に没 入し、 穴 1 2 2 aから突出可能になっている。 なお、 第 2の接点 1 2 6が摺接す る押ボタン 1 2 2の下端部付近は、 第 2の接点 1 2 6の出没が円滑に行われるよ うテーパ状に加工されている。
ところで、 ケース 1 2 3内にはコイルスプリング 1 2 8が設けられ、 コイルス プリング 1 2 8の両端はそれぞれケース 1 2 3の底部 1 3 0及び可動端子 1 2 5 に係止されて可動端子 1 2 5が上方に付勢されている。 一方、 図示はされていな いが、 ケース 1 2 3內には、 前記第 1の実施例と同様のコイルスプリングも設け られており、 このコイルスプリングにばね力により、 押ボタン 1 2 2の押し込み
を解除したときに押ボタン 1 2 2が初期の位置に復帰されるようになっている。 そして、 押ボタン 1 2 2が押し込まれて押ボタン 1 2 2の穴 1 2 2 a内に可動 端子 1 2 5が没入した状態から初期の状態に復帰する際、 押ボタン 1 2 2の復帰 用のコイルスプリングにばね力によって押ボタン 1 2 2が上動し、 コイルスプリ ング 1 2 8のばね力によって可動端子 1 2 5が上動する。
これら押ボタン 1 2 2及び可動端子 1 2 5の上動はほぼ連動して行われるが、 可動端子 1 2 5は、 図示されていない係止体の係止によってそれ以上の上動が阻 止されるようになつているため、 可動端子 1 2 5の上動は初期位置に相当する位 置で停止するのに対し、 押ポタン 1 2 2はさらに上動を続ける。
そのため、 可動端子 1 2 5の下端の第 2の接点 1 2 6が押ボタン 1 2 2の穴 1 2 2 aから再び突出し、 押し込み前の初期の状態に復帰することになる。
次に、 動作について簡単に説明する。 いま、 第 4 2図に示す第 1の O F F状態 から押ボタン 1 2 2を押し込むと、 このときには可動端子 1 2 5の下端の第 2の 接点 1 2 6が押ボタン 1 2 2の穴 1 2 2 aから突出した状態にあり、 この突出状 態を維持しつつ、 押ボタン 1 2 2の押し込みに連動して第 2の接点 1 2 6が下動 し、 やがて第 4 3図に示すように、 第 2の接点 1 2 6が第 1の接点 1 2 7に接触 し、 第 1の O F F状態から O N状態に移行する。
その後、 押ボタン 1 2 2の押込量がさらに増加すると、 コイルスプリング 1 2 8のばね力及び第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6の当接力の作用により、 第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6が接触した位置に可動端子 1 2 5が留まろうとするの に対し、 押ボタン 1 2 2が押し込みによってさらに可動を続けるため、 押ボタン 1 2 5によって、 可動端子 1 2 5の下部両端の間隔がそのばね力に杭して縮めら れ、 第 4 4図に示すように、 可動端子 1 2 5が押ボタン 1 2 2に対して穴 1 2 2 a內を相対的に上動し、 第 2の接点 1 2 6が押ボタン 1 2 2内に没入するととも に、 第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6間に押ボタン 1 2 2の下端部が介揷されて 第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6間が電気的に遮断され、 スィッチは O N状態か ら第 2の O F F状態に移行する。
そして、 第 2の O F F状態に至った後に、 押ボタン 1 2 2の押し込みが解除さ れると、 上記したように、 コイルスプリング 1 2 8などのばね力によって押ボタ
ン 1 2 2の穴 1 2 2 a內に可動端子 1 2 5が没入した状態のまま押ボタン 1 2 2 及び可動端子 1 2 5が一緒に上動する。 可動端子 1 2 5が押し込み前の初期位置 まで上動すると、 上記した係止体の係止によって可動端子 1 2 5の上動が阻止さ れる一方、 押ボタン 1 2 2は復帰用のコイルスプリングのばね力によってさらに 上動を続けるため、 可動端子 1 2 5の下端の第 2の接点 1 2 6が押ボタン 1 2 2 の穴 1 2 2 aから突出し、 やがて押ボタン 1 2 2は第 4 2図に示すような初期位 置まで上動を続け、 スィツチは初期の第 1の O F F状態に復帰する。
従って、 第 8実施例によれば、 前記第 1の実施例におけるスイッチング機構を 設けることなく、 O N状態から第 2の O F F状態への移行を安定して行うことが 可能になり、 簡単な構成によりスィツチ動作を安定させることができる。
また、 この場合には、 接触した状態の第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6間に押 ボタン 1 2 2の下端が介挿して第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6が電気的に遮断 される構造であるため、 第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6が仮に溶着していても 第 1、 第 2の接点 1 2 7、 1 2 6の強制開離を行うことが可能であるため、 強制 開離手段として特別な手段を設ける必要はない。
(第 9実施例)
次に、 本発明の第 9実施例を第 4 5図及び第 4 7図を用いて説明する。 なお、 第 4 5図は第 9実施例における押ボタンスィツチの切断正面図、 第 4 6図及び第 4 7図は一部の斜視図及び他の一部の拡大断面図であり、 各図中において前記第 1実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第 9実施例においては、 特に押ボタン 2の構成が前記第 1実施例と若千異 なっているので、 ここではその相異点について説明し、 その他の部分についての 詳細な説明は省略する。
第 4 5図ないし第 4 7図に示すように、 押ボタン 2の左右の下端に下方の延び る延出片 2 f 、 2 f を一体的に形成し、 これら両延出片 2 f 、 2 ίの外周面に突 部 2 g、 2 gをそれぞれ形成するとともに、 ケース 3の左右の內周面に、 押ボタ ン 2側の突部 2 g、 2 gがそれぞれ摺接する突部 3 a、 3 aを形成し、 これら各 突部 2 g、 3 aにより、 スィッチが第 1のオフ状態から O N状態に移行する際に クリック感を発生するクリック感発生機構 1 3 5を構成している。
このとき、 押ボタン 2側の突部 2 g、 2 g及びケース 3側の突部 3 a、 3 aは、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1が接触する直前に突部 2 gが突部 3 aを摺接して乗 り越えるような位置関係に形成しておく。
このように、 クリック感発生機構 1 3 5を設けることで、 スィッチが第 1の O F F状態から O N状態に移行する際、 突部 2 gが突部 3 aを摺接して乗り越える ときに抵抗力が発生するため、 この抵抗力が操作者に対する明確なクリック感と なる。
従って、 第 9実施例によれば、 操作者はスィッチが第 1の O F F状態から O N 状態に移行したときにクリック感を得ることができるため、 第 1の O F F状態か ら O N状態への移行を明確に把握することが可能になる。
なお、 クリック感発生機構は上記したような構成に限定されるものではなく、 要するに、 スィツチが第 1の O F F状態から O N状態に移行する際にクリック感 を発生し得るものであればよい。 例えば押ボタン 2の外側面或いはケース 3の內 側面に凹部を形成し、 この凹部内にボール及びこのボールを外部に付勢するばね を収納するとともに、 ボールが凹部から抜け出ることなく且つボールの一部がそ の凹部から突出するように保持しておき、 このボールが摺接する突起をケース 3 の内側面或いは押ボタン 2の外側面の凹部に対向する位置に形成してもよく、 こ の場合、 ボールが突起を乗り越えるときにクリック感が得られる。
また、 上記したようなクリ ック感発生機構を、 前記第 2ないし第 8実施例にお ける押ボタンスィツチにも適用してよいのは勿論である。
(第 1 0実施例)
次に、 本発明の第 1 0実施例を第 4 8図及び第 4 9図を用いて説明する。 なお、 第 4 8図及び第 4 9図は第 1 0実施例における押ボタンスィツチの一部のそれぞ れ異なる状態における切断側面図であり、 各図中において前記第 1実施例と同一 符号は同一または相当部分を示している。
この第 1 0実施例においては、 特に前記第 1実施例と相異する点についてのみ 説明し、 その他の部分についての詳細な説明は省略する。
第 4 8図及び第 4 9図に示すように、 ケース 3内であって固定端子 4の折曲部 分 4 aの先端部下方に、 一対の補助接点である補助固定接点 1 3 7及び補助可動
接点 1 3 8を配設し、 固定端子 4の折曲部分 4 aに装着樹脂等の絶縁材から成る 操作体 1 3 9により、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1が接触したときに補助可動接 点 1 3 8を下方の押し下げて補助固定接点 1 3 7及び補助可動接点 1 3 8を接触 させるようにしている。
このとき、 L字状の取付部材 1 3 7 a及び 1 3 8 aをケース 3の底部 3 1に貫 設し、 ケース 3內において取付部材 1 3 7 a及び 1 3 8 aの先端部分を上下に対 向して配置し、 取付部材 1 3 7 aの先端部分の上面側に補助固定接点 1 3 7を設 けるとともに、 取付部材 1 3 8 aの先端部分の上面側に補助可動接点 1 3 8を設 ける。
また、 押ボタン 2の突起部 2 2により固定端子 4の折曲部分 4 aの先端を押し 下げて強制開離されることに連動して、 補助固定接点 1 3 7及び補助可動接点 1
3 8が離反するよう、 例えば突起部 2 2に相当する他の突起部を押ボタン 2の下 端に設け、 この他の突起部により補助固定接点 1 3 7側の取付部材 1 3 7 aの先 端を押し下げるようにしておく。
なお、 押ボタン 2を押し込んで O N状態に移行したときには固定端子 4の折曲 部分 4 aの先端が少し下動し、 さらに強制開離する際には固定端子 4の折曲部分
4 aの先端の下動量は大きくなるが、 このような固定端子 4の折曲部分 4 aの先 端の下動に対して干渉することがないように、 補助固定接点 1 3 7及び補助可動 接点 1 3 8は配置されている。
このような捕助固定接点 1 3 7及び補助可動接点 1 3 8を第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1に併設しておくことで、 一つのスィッチで第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1 による回路のスイッチングのほかに、 捕助固定接点 1 3 7及び補助可動接点 1 3 8による他の回路のスィツチングを実現することが可能になる。
従って、 第 1 0実施例によれば、 補助固定接点 1 3 7及び補助可動接点 1 3 8 をケース 3内に設けたため、 一つのスィッチで第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1によ る回路のスィツチングのほかに、 他の回路のスィツチングを実現することができ る。
なお、 一対の補助接点の構成や配置は上記したものに限定されるものでないの はいうまでもなく、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1相互の接触時に両補助接点が接
触或いは離反し、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1の離反時に両補助接点が離反或い は接触するような構成であればよい。
また、 このような一対の補助接点をケース 3内に複数組設けてもよい。
さらに、 上記したような一対の補助接点を、 前記第 2ないし第 8実施例におけ る押ボタンスィツチにも設けてもよレ、。
(第 1 1実施例)
次に、 本発明の第 1 1実施例を第 5 0図及び第 5 1図を用いて説明する。 なお、 第 5 0図は第 1 1実施例における押ボタンスィッチの概略構成を示す切断側面図、 第 5 1図は切断背面図であり、 各図中において前記第 1実施例と同一符号は同一 または相当部分を示している。
本実施例では、 前記第 1実施例における押ボタンスィッチ 1に対して、 第 5 0 図に示すように、 絶縁用の仕切部材を介して押ボタン 2及びケース 3を兼用した 構成の常閉スィツチ 1 5 0を並設している。
この常閉スィツチ 1 5 0は、 第 5 1図に示すように、 押ボタンスィツチ 1を構 成する押ボタン 2及びケース 3と、 ケース 3の底部 3 1に固定された導電性の固 定端子 1 5 4と、 固定端子 1 5 4の上方に配置された導電性の可動端子 1 5 5を 有するスィツチング機構 1 5 6とを備えている。
押ボタン 2及びケース 3は、 押ボタンスィッチ 1及び常閉スィッチ 1 5 0の各 主要構成部分が収容されるように、 いずれも前記第 1実施例の場合の少なく とも 2倍の大きさに形成されている。 そして、 押ボタン 2の常閉スィッチ 1 5 0の収 容側の下面にも凹状の穴 2 aが形成され、 この穴 2 aの左側及び右側はほぼ中央 で段付形状に形成されている。 さらに、 この穴 2 aの両段付部分にも各々傾斜面 2 b、 2 bが形成されている。 また押ボタン 2の下部には、 下方に突出する複数 の支軸部 2 1が押ボタンスィツチ 1側と同じように設けられており、 各支軸部 2 1には支軸部 2 1よりも長尺のコイルスプリング 7がそれぞれ卷装されている。 各コイルスプリング 7の上端は押ボタン 2の下面 2 cに、 下端は底部 3 1の底面 3 1 aにそれぞれ係止され、 これらのコイルスプリング 7のばね力により、 押ボ タン 2は常時上方に付勢されている。
固定端子 1 5 4は、 ケース 3の底部 3 1に貫設された一対の L字状の取付部材
1 5 4 aから成り、 ケース 3内に配設された取付部材 1 5 4 aの上端部の下面に 第 1の接点 4 1が設けられている。
スィツチング機構 1 5 6の上部の揷入部 1 5 6 aは、 押ボタン 2の穴 2 a内に 挿入されており、 この揷入部 1 5 6 aには、 押ボタン 2の傾斜面 2 bに係合する 傾斜面 1 5 6 bが形成され、 これらの傾斜面 2 b、 1 5 6 bの係合によって、 押 ボタン 2の押し込みに連動してスィツチング機構 1 5 6が下動するようになって いる。
スィツチング機構 1 5 6の下部には、 下方に延びる軸部 1 5 6 cが設けられ、 この軸部 1 5 6 cのほぼ中央部にコ字状の切欠凹部 1 5 6 dが形成され、 この切 欠凹部 1 5 6 d内に可動端子 1 5 5の中央部が配設されている。 この可動端子 1 5 5の両端上面には第 2の接点 5 1が設けられており、 押ボタン 2を押し込んで いない状態ではこの第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1に接触するように可動端子 1 5 5は配設されている。
このとき、 切欠凹部 1 5 6 d内であって可動端子 1 5 5の上側及び下側にはコ ィルスプリング 1 5 7、 1 5 7が配設され、 両コイルスプリング 1 5 7、 1 5 7 のばね力によって可動端子 1 5 5が切欠凹部 1 5 6 d内に留まるよう保持される とともに、 両コイルスプリ ング 1 5 7、 1 5 7により、 第 1の接点 4 1と第 2の 接点 5 1とが接触するときの接触圧が確保されるようになっている。
軸部 1 5 6 cの下部は、 ケース 3の底部 3 1に形成された穴 3 1 b内に挿入さ れている。 この穴 3 l b內には、 押ボタンスィッチ 1側と同様、 復帰ばねとして のコイルスプリング 1 2が配設され、 このコイルスプリング 1 2の上部は軸部 1 5 6 cの下部に小径に形成されたボス状部に巻装されるようにして装着されてい る。 そして、 このコイルスプリング 1 2のばね力により、 軸部 1 5 6 cは常時上 方に付勢されている。
次に、 このような構成の常閉スィツチ 1 5 0の動作について簡単に説明すると、 押ボタン 2を押し込んでいない状態、 つまり押ボタンスィツチ 1が第 1の O F F 状態にあるときには、 第 5 1図に示すように、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1は接 触しており、 常閉スィッチ 1 5 0は O N状態にある。
そして、 この O N状態から押ボタン 2が押し込まれると、 前記第 1実施例にお
いて説明したように、 押ボタンスィッチ 1は、 第 1の OF F状態から ON状態に 移行する。 一方、 常閉スィッチ 1 50では、 押ボタン 2の押し込みに連動してス ィツチング機構 1 56が下動するため、 スィツチング機構 1 56の下動によって 可動端子 1 5 5も下動して第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1から離反し、 常閉ス イッチ 1 50は ON状態から OF F状態に移行する。
続いて、 押ボタンスィツチ 1の ON状態から押ボタン 2をさらに押し込むと、 前記第 1実施例において説明したように、 押ボタンスィッチ 1は、 ON状態から 第 2の OF F状態に移行する。 これに対し、 常閉スィッチ 1 50では押ボタン 2 の押込量が増加しても押ボタン 2に連動してスィツチング機構 1 5 6がさらに下 動するだけで、 第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1から離反した状態に変化はなく、 常閉スィッチ 1 50は OF F状態を維持する。
このように、 押ボタンスィッチ 1は OF F状態として、 上記したような押ボタ ン 2を押し込む前の初期における第 1の OF F状態と、 押ボタン 2を押し込んだ 第 2の OF F状態とがあるが、 押ボタンスィツチ 1によりスィツチングが行われ る回路では回路が遮断された OF F状態が、 押ボタンスィツチ 1の第 1の OF F 状態或いは第 2の OF F状態のいずれによって実現されているのか把握すること はできない。
そこで、 上記したように押ボタンスィツチ 1の第 1の OF F状態のときに ON 状態となり、 押ボタンスィッチ 1の第 2の OF F状態のときに OF F状態となる 常閉スィツチ 1 50によりスィツチングされる回路を用いれば、 常閉スィツチ 1 50の ON、 OF Fにより押ボタンスィッチ 1が第 1の OF F状態、 第 2の OF F状態のいずれに状態にあるのかを容易に把握することが可能になる。
従って、 第 1 1実施例によれば、 常閉スィツチ 1 50の ON、 OF Fにより押 ボタンスィツチ 1が第 1の OF F状態、 第 2の OF F状態のいずれに状態にある のかを容易に把握することができ、 押ボタンスィツチ 1の状態に応じて種々の制 御を行う場合に非常に都合がよい。
なお、 常閉スィッチの構成は、 上記したものに限定されるものでないのはいう までもない。
(第 1 2実施例)
次に、 本発明の第 1 2実施例を第 5 2図を用いて説明する。 なお、 第 5 2図は 第 1 2実施例における押ボタンスィッチの切断背面図であり、 各図中において前 記第 1 1実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第 1 2実施例においては、 特に前記第 1 1実施例と相異する点についての み説明し、 その他の部分についての詳細な説明は省略する。
第 5 2図に示すように、 常閉スィッチ 1 5 0側の、 押ボタン 2の穴 2 aにおけ る傾斜面 2 bの形成位置を、 第 1 1実施例の場合 (第 5 1図参照) よりも上方に し、 押ボタン 2を押し込んでいない状態のときに、 押ボタン 2の傾斜面 2 bとス ィツチング機構 1 5 6の揷入部 1 5 6 aの傾斜面 1 5 6 bとの間に隙間 1 5 8力 生じるようにしている。
次に、 動作について簡単に説明すると、 押ボタン 2を押し込んでいない状態、 つまり押ボタンスィツチ 1が第 1の O F F状態にあるときには、 第 5 2図に示す ように、 第 1、 第 2の接点 4 1 、 5 1は接触しており、 常閉スィツチ 1 5 0は O N状態にある。
そして、 この O N状態から押ボタン 2が押し込まれると、 前記第 1実施例にお いて説明したように、 押ボタンスィッチ 1は、 第 1の O F F状態から O N状態に 移行する。 このとき、 このように押ボタンスィッチ 1が第 1の O F F状態から◦ N状態に移行するまでの間、 押ボタン 2の傾斜面 2 bとスィツチング機構 1 5 6 の傾斜面 1 5 6 bとが係合せず、 押ボタンスィッチ 1が O N時にこれら傾斜面 2 b、 1 5 6 bが係合するように隙間 1 5 8を調整しておけば、 押ボタンスィッチ 1が O N状態となり、 常閉スィツチ 1 5 0も O N状態となる。
そのため、 押ボタンスィッチ 1が O N状態になったときには常閉スィッチ 1 5 0は O N状態となり、 この点前記第 1 1実施例と相異している。
続いて、 押ボタンスィツチ 1の O N状態から押ボタン 2をさらに押し込むと、 前記第 1 1実施例の場合と同様に、 押ボタンスィッチ 1は、 O N状態から第 2の O F F状態に移行するのに対し、 常閉スィッチ 1 5 0では、 押ボタン 2に連動し てスィツチング機構 1 5 6が下動し、 スィツチング機構 1 5 6の下動によって可 動端子 1 5 5も下動して第 2の接点 5 1が第 1の接点 4 1から離反し、 常閉スィ ツチ 1 5 0が O N状態から O F F状態に移行する。
このように、 隙間 1 5 8を設けることで、 押ボタンスィッチ 1の第 1の O F F 状態、 O N状態、 第 2の O F F状態に各々対応して本実施例における常閉スイツ チ 1 5 0は O N状態、 O N状態、 O F F状態となるが、 押ボタンスィツチ 1の第 1の O F F状態及び第 2の O F F状態のときの常閉スィツチ 1 5 0の状態を見れ ばそれぞれ O N状態、 O F F状態となる。
従って、 第 1 2実施例によれば、 前記第 1 1実施例と同等の効果を得ることが できる。
なお、 前記第 1 1実施例或いは上記した第 1 2実施例における常閉スィッチを、 前記第 2ないし第 8実施例における押ボタンスィッチにも並設してもよいのは勿 論である。
また、 前記第 1 1、 第 1 2実施例では常閉スィッチについて説明したが、 この ような常閉スィツチに代えて常開スィツチを押ボタンスィツチ 1に並設してもよ く、 この場合も前記第 1 1第 1 2実施例と同等の効果を得ることができる。 この とき、 前記第 1 1、 第 1 2実施例における第 1の接点 4 1を取付部材 1 5 4 aの 上端部の上面側に設け、 可動端子 1 5 5を第 1 1、 第 1 2実施例の場合と上下反 転させて第 1の接点 4 1の上方に配置するとともに、 初期の状態において第 2の 接点 5 1が第 1の接点 4 1に接触しないように可動端子 1 5 5を配設することで、 常開スィツチを実現することができる。
(第 1 3実施例)
次に、 本発明の第 1 3実施例を第 5 3図及び第 5 4図を用いて説明する。 なお、 第 5 3図は第 1 3実施例における押ボタンスィッチの切断側面図、 第 5 4図は一 部の概略説明図であり、 各図中において前記第 1実施例と同一符号は同一または 相当部分を示している。
この第 1 3実施例においては、 特に前記第 1実施例と相異する点についてのみ 説明し、 その他の部分についての詳細な説明は省略する。
第 5 3図に示すように、 押ボタン 2の前面或いは背面に、 第 5 4図に示すよう なハート型の左右ほぼ対称形のカム溝 1 6 0を形成し、 押ボタン 2の押し込みに よって先端がカム溝 1 6 0内を相対的に移動するピン 1 6 1の根元をケース 3の カム溝 1 6 0に対向する内側面に回動自在に取り付けている。 これらカム溝 1 6
0及びピン 1 6 1によりロック リセット機構であるオルタネィ ト機構が構成さ れている。
このハート型のカム溝 1 60は、 第 54図に示すように、 斜め方向の長尺の第 1溝部 1 60 aと、 水平方向の第 2溝部 1 60 bと、 第 2溝部 1 60 bよりやや 下方位置から左上がりの第 3溝部 1 60 cと、 第 3溝部 1 60 cの端部から垂直 方向に下る第 4溝部 1 60 dと、 第 1溝部 1 6 0 aとは逆の斜め方向の長尺の第 5溝部 1 60 eとにより構成される。
次に、 動作について簡単に説明すると、 押ボタン 2を押し込んでいない状態、 つまり押ボタンスィツチ 1が第 1の OF F状態にあるときには、 ピン 1 6 1の先 端はカム溝 1 6 0の下端にある。 そして、 押ボタン 2が押し込まれてスィッチが 第 1の OF F状態から ON状態に移行すると、 ピン 1 6 1の先端はカム溝 1 60 の第 1溝部 1 6 0 a內を第 54図中の矢印に沿って相対的に上動し、 スィツチが 第 2の OF F状態に移行したときに、 ピン 1 6 1の先端は第 1溝部 1 60 aの上 端に達してその上面に当接する。
このように、 ピン 1 6 1の先端が第 1溝部 1 60 aの上面に当接したときには、 スィツチング機構 6を押し上げるためのコイルスプリング 1 2が圧縮された状態 となり、 それ以上押ボタン 2を押し下げることが不可能になる。
その後、 押ボタン 2の押し下げが解除されると、 押ボタン 2はコイルスプリン グ 1 2のばね力によって上動しようとするため、 ピン 1 6 1の先端は、 第 54図 に示すように、 カム溝 1 60の第 2溝部 1 60 bを経て第 3溝部 1 60 cに移動 する。 このとき、 ピン 1 6 1の先端が第 3溝部 1 60 cの下面に当接して押ボタ ン 2の押し上げが規制されることになり、 押ボタンスィツチ 1は第 2の OF F状 態に保持される。 従って、 押ボタン 2は押し込んだ状態のままとなるため、 スィ ツチの操作者は、 押ボタン 2が初期状態に復帰しないことから、 第 2の OF F状 態に保持されていることを容易に認識することができる。
続いて、 押ボタンスィツチ 1は第 2の OF F状態に保持された状態を解除する ために押ボタン 2をもう一度押し込むと、 ピン 1 6 1の先端が第 3溝部 1 60 c から第 4溝部 1 6 0 dを経て第 5溝部 1 60 eの上端に移行する。 そのときに押 ボタン 2の押し込みを解除すれば、 ピン 1 6 1により押ボタン 2の押し上げが規
制されることもないため、 押ボタン 2に対するコイルスプリング 1 2のばね力に よって、 押ボタン 2が上動するとともにピン 1 6 1は第 5溝部 1 6 0 e内を相対 的の下動し、 押ボタン 2及びピン 1 6 1の先端は初期の状態に復帰する。
このように、 第 1 3実施例によれば、 カム溝 1 6 0及びこれに嵌揷するピン 1 6 1から成るオルタネィ ト機構を設けることで、 スィッチを第 2の O F F状態に 保持できるため、 スィッチの操作者は、 押ボタン 2の状態から第 2の O F F状態 に保持されていることを容易に認識することが可能になる。
また、 この保持状態から押ボタン 2を再度押し込むことで、 スィッチを初期の 第 1の O F F状態に簡単に復帰させることができる。
なお、 このようなオルタネィ ト機構を前記第 2ないし第 8実施例における押ボ タンスィツチにも並設してもよい。
(第 1 4実施例)
次に、 本発明の第 1 4実施例を第 5 5図及び第 5 6図を用いて説明する。 なお、 第 5 5図は第 1 4実施例における押ポタンスィツチの切断正面図、 第 5 6図は切 断平面図であり、 各図中において前記第 1実施例と同一符号は同一または相当部 分を示している。
第 5 5図に示すように、 本実施例では、 特にケース 3の左右の側面の肉厚を厚 く しており、 このケース 3の左右の側面の口ック /リセッ ト機構を構成する作動 部材を収容する空間である収容部 1 6 5を形成し、 この収容部 1 6 5内に四角形 の枠状の作動部材 1 6 6を左右方向に移動自在に収容する。 このとき、 作動部材 1 6 6の左辺の内側の一部がケース 3內に突出して配設されている。 また、 作動 部材 1 6 6の中央の空間を押ボタン 2が移動する。
この作動部材 1 6 6の左辺の左側面には凹部 1 6 6 aを形成し、 この凹部 1 6 6 a内にコイルスプリング 1 6 7の右端部を配設し、 コイルスプリング 1 6 7の 左端は収容部 1 6 5の左側面に係止しておき、 コイルスプリング 1 6 7のばね力 により作動部材 1 6 6を右方向に付勢する。
作動部材 1 6 6の右辺の中央部には、 その先端がケース 3の外部に導出された 操作バ一 1 6 6 bを一体に設け、 ケース 3の外部に導出された操作バー 1 6 6 b の先端を押し込むことで、 コイルスプリング 1 6 7のばね力に杭して作動部材 1
6 6が左方へ移動する。
また、 押ボタン 2の左側面のほぼ中央にはロック用突起 1 6 8を一体に形成し、 この突起 1 6 8の下面には傾斜面 1 6 9を形成するとともに、 作動部材 1 6 6の 左辺のケース 3内に突出した箇所の上面には、 押ボタン 2側の傾斜面 1 6 9に係 合する傾斜面 1 7 0を形成する。
このように、 収容部 1 6 5、 作動部材 1 6 6、 コイルスプリング 1 6 7、 突起 1 6 8、 傾斜面 1 6 9、 1 7 0及び操作バー 1 6 6 bによりロック/リセット機 構が構成されている。
次に、 動作について簡単に説明すると、 第 1の O F Fの状態から押ボタン 2を 押し下げると、 押ボタン 2が下動して傾斜面 1 6 9と傾斜面 1 7 0とが当接して 係合する。 このとき、 第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1が接触してスィッチが第 1の O F F状態から O N状態に移行する。
さらに、 この O N状態から押ボタン 2を押し込むと、 押ボタン 2側の傾斜面 1 6 9が作動部材 1 6 6の傾斜面 1 7 0を摺接し、 作動部材 1 6 6が押ボタン 2の 押し込みにつれて左方へ移動し、 やがて作動部材 1 6 6の左辺が収容部 1 6 5内 に完全に没入した状態となり、 押ボタン 2は作動部材 1 6 6に邪魔されることな く押し込むことが可能になる。 このとき第 1、 第 2の接点 4 1、 5 1は離反して スィッチは O N状態から第 2の O F F状態に移行する。 また、 作動部材 1 6 6が コイルスプリング 1 6 7のばね力により、 その左辺が収容部 1 6 5内に没入した 状態から右動して、 作動部材 1 6 6の左辺の一部が再び収容部 1 6 5からケース 3内に突出した状態となる。
その後、 押ボタン 2の押し込みを解除すると、 押ボタン 2がコイルスプリング 7のばね力により上動しようとするが、 突起 1 6 8の上面がケース 3内に突出し た作動部材 1 6 6の左辺の下面に当接して口ック状態となり、 押ボタン 2の上動 が規制される。 従って、 スィッチは第 2の O F F状態に保持され、 押ボタン 2は 押し込んだ状態のままとなるため、 スィッチの操作者は、 押ボタン 2が初期状態 に復帰しないことから、 第 2の O F F状態に保持されていることを容易に認識す ることができる。
続いて、 この保持状態を解除するために、 ケース 3から突出した作動部材 1 6
6の操作バー 1 6 6 bを押し込むと、 作動部材 1 6 6が左動してその左辺が再び 収容部 1 6 5内に完全に没入しロック解除状態となり、 作動部材 1 6 6による押 ボタン 2の上動の規制が外れて、 押ボタン 2がコィルスプリング 7のばね力によ り初期の位置まで上動するとともに、 作動部材 1 6 6がコイルスプリング 1 6 7 のばね力により右方に移動して初期の状態 (リセット状態) に復帰する。
このように、 第 1 4実施例によれば、 前記第 1 3実施例と同等の効果を得るこ とができ、 即ちロックノリセット機構を設けることで、 スィッチの操作者は、 押 ボタン 2の状態から第 2の O F F状態に保持されていることを容易に認識するこ とが可能になる。
なお、 このようなロック リセット機構を前記第 2ないし第 8実施例における 押ボタンスィツチにも並設してもよレ、。
また、 このようなロック Zリセット機構のうちケース 3に形成或いは収容する 部材など、 具体的には収容部 1 6 5、 作動部材 1 6 6、 コイルスプリング 1 6 7 はケース 3とは別体の部材に設けておき、 この別部材を押ボタン 2に装着するな どして押ボタン 2側の突起 1 6 8と別部材側の作動部材 1 6 6とが係合可能なよ うに構成してもよレ、。
さらに、 ロック リセット機構は、 押ボタン 2を押し込むための別体の操作ボ タンを押ボタン 2に着脱自在に装着し、 この操作ボタンを介して押ボタン 2を押 し込むことで、 スィッチを第 1の O F F状態、 O N状態を経て第 2の O F F状態 に移行させ、 このときに操作ボタンがケース 3などに設けられた係止部材に係止 してスィツチを第 2の O F F状態に保持するようにし、 操作ボタンを所定方向に 回転させることによって、 この保持状態を解除するような構成にしてもよい。 (第 1 5実施例)
次に、 本発明の押ボタンスィッチを非常停止スィッチとして用いた第 1 5実施 例を第 5 7図ないし第 6 0図を用いて説明する。
第 5 7図は第 1 5実施例における非常停止スィッチの切断正面図、 第 5 8図は 第 5 7図の Y— Y線における切断正面図、 第 5 9図は非常停止スィツチの動作説 明用の切断正面図、 第 6 0図は本実施例の作用効果の説明図である。
第 5 7図及び第 5 8図に示すように、 非常停止スィッチ 2 0 1は、 操作ブロッ
ク (操作部) 2 0 2と、 これに着脱自在に取り付けられるコンタクトブロック (コ ンタク ト部) 2 0 3とから主として構成されている。
操作ブロック 2 0 2は、 押ボタンに相当する非常停止ボタン 2 2 0と、 これを 支持する支持プロック 2 2 1とを有している。 支持プロック 2 2 1内には、 押し 込まれた非常停止ボタン 2 2 0を元の位置に戻すための復帰ばね 2 2 2が設けら れている。
また支持プロック 2 2 1内には、 操作軸 2 2 3が軸方向にスライ ド自在に設け られている。 操作軸 2 2 3にはフランジ部 2 2 3 aが設けられている。
操作軸 2 2 3の下部側方には、 操作プレート 2 2 4、 2 2 4が操作軸 2 2 3を 挟んで対向配置されている。 各操作プレート 2 2 4、 2 2 4の上端は、 操作軸 2 2 3のフランジ部 2 2 3 aに当接している。
支持ブロック 2 2 1の下部には、 ロック部材 2 2 5が設けられている。 ロック 部材 2 2 5に形成された傾斜面 2 2 5 aは、 操作軸 2 2 3の下部に形成された傾 斜面 2 2 3 bと係合している。 また、 支持ブロック 2 2 1の下部には、 ロック部 材 2 2 5を操作軸 2 2 3側に突出させるようばね力を作用させるばね 2 2 6が設 けられている。 また、 操作軸 2 2 3上において傾斜面 2 2 3 bの上方には、 傾斜 面 2 2 3 bと同様の傾斜面 2 2 3 cが形成されている。
コンタク トブロック 2 0 3の底部には、 固定端子 2 3 1が固定されている。 固 定端子 2 3 1は略 U字状に折り曲げられており、 その折曲げ部分 2 3 1 aは、 上 下方向の弾性を有している。 折曲げ部分 2 3 1 aの先端には、 第 1の接点に相当 する固定接点 2 3 2が設けられている。
またコンタク トブロック 2 0 3内には、 操作軸 2 2 3と連動する可動接点ュニ ット 2 3 0が設けられている。 可動接点ュニット 2 3 0は、 操作プレ一ト 2 2 4 の先端 2 2 4 aに当接する当接部 2 3 3を有している。 当接部 2 3 3は、 コンタ ク トブロック 2 0 3の底部から上方に延びる支軸部 2 3 4により上下方向にスラ イ ド自在に支持されている。 また、 当接部 2 3 3には、 コンタク トブロック 2 0 3の底部に配置されたばね 2 3 5によるばね力が上方に作用している。
当接部 2 3 3内には、 接点ホルダ 2 3 6が配置されている。 この接点ホルダ 2 3 6の上端にはばね 2 3 7によるばね力が下方に作用し、 下端にはばね (付勢部
W
52
材) 2 3 8によるばね力が上方に作用している。 接点ホルダ 2 3 6の略中央部に は、 該接点ホルダ 2 3 6を軸方向と直交する方向に貫通する窓孔 2 3 6 aが形成 されている。
窓孔 2 3 6 a内には、 可動端子 2 3 9が揷入されている。 可動端子 2 3 9の先 端には第 2の接点に相当する可動接点 2 4 0が設けられ、 この可動接点 2 4 0は 固定端子 2 3 1の固定接点 2 3 2に接触しており、 各接点 2 3 2、 2 4 0は O N 状態におかれている。 また窓孔 2 3 6 a内において、 可動端子 2 3 9にはばね 2 4 1によるばね力が下方に作用しており、 これにより、 各接点 2 3 2、 2 4 0の 接触時に接触圧が得られるようになっている。
また当接部 2 3 3の下部 2 3 3 aは、 固定端子 2 3 1の折曲げ部分 2 3 1 aに 上方から当接し得るようになつている。 この下部 2 3 3 aは、 非常停止ボタン 2 2 0の操作時に固定端子 2 3 1の固定接点 2 3 2を可動端子 2 3 9の可動接点 2 4 0から離反させる離反部として作用する。
このように構成される非常停止スィツチ 2 0 1においては、 コンタク トブロッ ク 2 0 3を操作ブロック 2 0 2に装着した状態では、 上述したように、 操作プレ 一卜 2 2 4の先端 2 2 4 aがコンタク トブロック 2 0 3内の当接部 2 3 3に当接 しており、 これにより、 当接部 2 3 3とともに接点ホルダ 2 3 6が下方に若干量 移動して、 接点ホルダ 2 3 6の下端 2 3 6 bがコンタク トブロック 2 0 3の底部 に当接している (第 5 7図及び第 5 8図参照)。
この状態から、 非常停止ボタン 2 2 0が軽く押された場合には、 復帰ばね 2 2 2によるばね力が操作軸 2 2 3に対して下方に作用するが、 操作軸 2 2 3下部の 傾斜面 2 2 3 bに口ック部材 2 2 5が係合しているため、 操作軸 2 2 3は非常停 止ボタン 2 2 0の動きに連動してすぐには移動しない。
次に、 非常停止ボタン 2 2 0が強く押されて、 非常停止ボタン 2 2 0の下端部 2 2 0 aが操作軸 2 2 3のフランジ部 2 2 3 aに当接し、 操作軸 2 2 3の傾斜面 2 2 3 bからロック部材 2 2 5の傾斜面 2 2 5 aに作用する押圧力がある一定限 度を超えた場合には、 ロック部材 2 2 5が操作軸 2 2 3から離れる方向に移動し、 操作軸 2 2 3の傾斜面 2 2 3 bとロック部材 2 2 5の傾斜面 2 2 5 aとの係合が 外れる。
その結果、 第 5 9図に示すように、 操作軸 2 2 3及び操作プレート 2 2 4が下 方に移動し、 操作プレート 2 2 4の先端 2 2 4 aに当接する当接部 2 3 3が同様 に下方に移動する。 すると、 当接部 2 3 3の下部 2 3 3 aが固定端子 2 3 1の折 曲げ部分 2 3 1 aを下方に押し下げ、 これにより、 固定端子 2 3 1の固定接点 2 3 2が可動端子 2 3 9の可動接点 2 4 0から離反する。 このようにして、 各接点 2 3 2、 2 4 0が離反されてスィッチが O F F状態 (第 2の O F F状態) に移行 する。
—方、 操作軸 2 2 3が下方に移動したことにより、 ロック部材 2 2 5は、 操作 軸 2 2 3の下部において傾斜面 2 2 3 bの上方に形成された傾斜面 2 2 3 cと係 合するとともに、 操作軸 2 2 3下部の段付面 2 2 3 dと係合する。 これにより、 操作軸 2 2 3が下方に移動した状態が保持される。 なお、 段付面 2 2 3 dは、 操 作軸 2 2 3の全周に形成されているのではなく、 操作軸 2 2 3の円周上の一部に 形成されている。
次に、 第 5 9図に示される非常停止状態を解除するには、 まず、 操作者が非常 停止ボタン 2 2 0を中心軸回りに所定角度だけ回転させる。 すると、 非常停止ボ タン 2 2 0とともに操作軸 2 2 3も回転して、 操作軸 2 2 3の段付面 2 2 3 dと ロック部材 2 2 5との係合が外れる。 その結果、 ばね 2 3 5、 2 3 7の反発力に より、 当接部 2 3 3及び操作プレ一ト 2 2 4を介して、 操作軸 2 2 3が上方に移 動して元の位置に戻る (第 5 7図参照)。
次に、 コンタク トブロック 2 0 3が操作ブロック 2 0 2から分離した場合には、 第 6 0図に示すように、 ばね 2 3 8の反発力により、 接点ホルダ 2 3 6が上方に 移動して、 接点ホルダ 2 3 6の下端 2 3 6 bがコンタクトブロック 2 0 3の底部 から離れる。 このとき、 接点ホルダ 2 3 6とともに可動端子 2 3 9も上方に移動 するため、 可動端子 2 3 9の可動接点 2 4 0が固定端子 2 3 1の固定接点 2 3 2 から離れ、 各接点 2 3 2、 2 4 0が離反されてスィッチが O F F状態 (第 1の O F F状態) にされる。
このように可動端子 2 3 9には、 固定端子 2 3 1から離反する方向に付勢する ばね 2 3 8のばね力が接点ホルダ 2 3 6を介して常時作用しているので、 コンタ ク トブロック 2 0 3を操作ブロック 2 0 2から分離した場合には、 このばね力に
より、 可動接点 2 4 0を固定接点 2 3 2から分離させることができる。
従って、 第 1 5実施例によれば、 コンタク トブロック 2 0 3を操作ブロック 2 0 2に装着したときに O N状態となり、 非常停止ボタン 2 2 0を押し込んだとき に O F F状態 (第 2の O F F状態) となるため、 O N状態から O F F状態 (第 2 の O F F状態) への移行が安定して行われ、 これによりスィッチ動作を安定させ ることができ、 工作機械等の機器の動作を確実に非常停止させることが可能にな る。
また、 コンタク トブロック 2 0 3を操作プロック 2 0 2から分離したときにコ ンタク トブロック 2 0 3内の各接点 2 3 2、 2 4 0を確実に離反させてスィツチ を O F F状態 (第 1の O F F状態) に移行することができることから、 これらを 分離した状態においても、 工作機械等の機器を停止状態に保持することができる。 (第 1 6実施例)
次に、 本発明の押ボタンスィツチを非常停止スィツチとして用いた第 1 6実施 例を第 6 1図ないし第 6 5図を用いて説明する。
第 6 1図は第 1 6実施例における非常停止スィツチの切断正面図、 第 6 2図は 非常停止スィッチの動作説明用の切断正面図、 第 6 3図は本実施例の作用効果の 説明図、 第 6 4図及び第 6 5図は非常停止スィツチ内の固定端子の異なる状態の 拡大図である。 第 6 1図ないし第 6 3図は前記第 1 5実施例の第 5 7図ないし第 5 9図それぞれに対応している。 なお、 各図中、 前記第 1 5実施例と同一符号は 同一または相当部分を示している。
この第 1 6実施例においては、 固定端子の構造のみが前記第 1 5実施例と異な つているので、 ここでは、 固定端子の部分についてのみ説明し、 その他の部分に ついての詳細な説明は省略する。
第 6 1図ないし第 6 5図中、 コンタク トブロック 2 0 3の底部側に配置された 固定端子 2 5 0は、 底部 2 0 3 aに固定された固定金具 2 5 2と、 固定金具 2 5 2に回動自在に支持された可動金具 2 5 3とから主として構成されている。
固定金具 2 5 2の一端には、 第 6 4図に示すように、 上方に延びる立板部 2 5 2 aが設けられており、 立板部 2 5 2 aの下端に可動金具 2 5 3の一端部 2 5 3 aが係合している。 この構成により、 可動金具 2 5 3は、 立板部 2 5 2 aの下端
を支点として上下方向回動自在になっている (第 6 5図参照)。
立板部 2 5 2 aには、 可動金具 2 5 3の上方への回動を規制するための規制板 部 2 5 2 bが設けられている。 なお、 第 6 1図ないし第 6 3図では、 図示の便宜 上、 この規制板部 2 5 2 bを省略したものが示されている。
また、 立板部 2 5 2 a及び可動金具 2 5 3間にはばね 2 5 4が配設されている。 ばね 2 5 4の一端は、 立板部 2 5 2 aに係止され、 他端は可動金具 2 5 3の略中 央部に係止されている。 このばね 2 5 4のばね力により、 可動金具 2 5 3は常時 上方に回動する方向に付勢されている。 可動金具 2 5 3の先端には、 第 1の接点 に相当する固定接点 2 5 1が設けられている。
このように構成される非常停止スィツチ 2 0 1においては、 コンタクトブロッ ク 2 0 3を操作プロック 2 0 2に装着した状態では、 前記第 1 5実施例の場合と 同様に、 操作プレート 2 2 4の先端 2 2 4 aがコンタク トブロック 2 0 3内の当 接部 2 3 3に当接しており、 接点ホルダ 2 3 6の下端 2 3 6 bがコンタク トブロ ック 2 0 3の底部 2 0 3 aに当接している (第 6 1図参照)。
この状態から、 非常停止ボタン 2 2 0が強く押されて、 非常停止ボタン 2 2 0 の下端部 2 2 0 aが操作軸 2 2 3のフランジ部 2 2 3 aに当接し、 操作軸 2 2 3 の傾斜面 2 2 3 bからロック部材 2 2 5の傾斜面 2 2 5 aに作用する押圧力があ る一定限度を超えた場合には、 操作軸 2 2 3の傾斜面 2 2 3 bと口ック部材 2 2 5の傾斜面 2 2 5 aとの係合が外れて、 口ック部材 2 2 5が操作軸 2 2 3力ゝら離 れる方向に移動する。
その結果、 第 6 2図に示すように、 操作軸 2 2 3及び操作プレート 2 2 4が下 方に移動し、 操作プレート 2 2 4の先端 2 2 4 aに当接する当接部 2 3 3が同様 に下方に移動する。 すると、 当接部 2 3 3の下部 2 3 3 aが固定端子 2 5 0の可 動金具 2 5 3を下方に回動させ(第 6 5図参照)、 これにより、 固定端子 2 5 0の 固定接点 2 5 1が可動端子 2 3 9の可動接点 2 4 0から離反する。 このようにし て、 各接点 2 4 0、 2 5 1が離反されてスィッチが O N状態から O F F状態 (第 2の O F F状態) に移行する。
次に、 コンタク トブロック 2 0 3が操作プロック 2 0 2から分離した場合には、 第 6 3図に示すように、 ばね 2 3 8の反発力により、 接点ホルダ 2 3 6が上方に
移動して、 接点ホルダ 2 3 6の下端 2 3 6 bがコンタク トブロック 2 0 3の底部 2 0 3 aから離れる。 このとき、 接点ホルダ 2 3 6とともに可動端子 2 3 9も上 方に移動するため、 可動端子 2 3 9の可動接点 2 4 0が固定端子 2 5 0の固定接 点 2 5 1から離れ、各接点 2 4 0 , 2 5 1が離反されてスィツチが O F F状態(第 1の O F F状態) に移行する。
このように、 可動端子 2 3 9には、 固定端子 2 5 0から離反する方向に付勢す るばね 2 3 8のばね力が接点ホルダ 2 3 6を介して常時作用しているので、 コン タク トブロック 2 0 3を操作ブロック 2 0 2から分離した場合には、 このばね力 により、 可動接点 2 4 0を固定接点 2 5 1から分離させることができる。 これに より、 コンタク トブロック 2 0 3内の各接点 2 4 0、 2 5 1を確実に離反させて スィッチを O F F状態 (第 1の O F F状態) に移行することができる。
従って、 第 1 6実施例によれば、 前記第 1 5実施例と同等の効果を得ることが できる。
また、 前記第 1 5実施例では、 固定端子 2 3 1が帯鋼を略 U字状に折り曲げる ことにより構成されており、 帯鋼の材質、 板厚等のばらつきによっては固定端子 2 3 1の折曲げ部分 2 3 1 aにおける屈曲度のばらつきが大きくなり、 固定端子 2 3 1の品質及び性能を所望の範囲内におさめるのが容易ではない。 これに対し て、 第 1 6実施例では、 固定端子 2 5 0全体のばね性がコイルばね 2 5 4により 左右されるため、 固定端子 2 5 0の品質及び性能を所望の範囲内におさめるのが 比較的容易である。
(第 1 7実施例)
次に、 本発明の押ボタンスィッチを、 操作装置である産業用マニピユレ一ティ ングロボッ トにおける教示ペンダン卜のイネ一ブルスィツチに適用した第 1 7実 施例について、 第 6 6図ないし第 6 9図を用いて説明する。
第 6 6図は第 1 7実施例における教示ペンダントの正面図、 第 6 7図はこの教 示ペンダントを背面側から見た時の斜視図、 第 6 8図及び第 6 9図は一部の背面 図及び平面図である。 なお、 各図中、 前記第 1実施例と同一符号は同一または相 当部分を示している。
操作装置である産業用マ-ピュレーティングロボッ 卜における教示ペンダント
はロボットの制御装置に接続される携帯用ュニットであり、 例えば第 6 6図に示 すように構成される。
教示ペンダント 3 0 0は、 第 6 6図に示すように、 ペンダント本体 3 0 1の両 端部が把持部 3 0 2として両手で把持されるようになっており、 ペンダント本体 3 0 1の中央部には、 液晶ディスプレイ (以下、 L C Dと称する) 3 0 3が配設 され、 操作者はこの L C D 3 0 3の表示画面を見ながら、 ペンダント本体 3 0 1 の L C D 3 0 3の両側に複数個ずつ配列された操作キ一 3 0 4やその他の操作キ — 3 0 5を両手の親指などで適宜操作することで、 ロボッ卜に対してプログラム を教示したり、 或いはロボットを作動させることが可能になる。
このとき、 単に操作キ一 3 0 4、 3 0 5を操作すればロボットに対する教示等 が可能になるのではなく、 第 6 7図に示すように、 ペンダント本体 3 0 1のいず れか一方の把持部 3 0 2の裏面側に配設されたイネ一ブルスィツチの操作部 3 0 7を操作し、 ィネーブルスィッチを O N状態にした上で操作キ一 3 0 4、 3 0 5 を操作しなければ、 ロボットに対するプログラムの教示や、 ロボットの作動を行 うことができないようになっている。
この操作部 3 0 7には、 第 6 8図に示すように、 ィネーブルスィッチとして前 記第 1実施例における押ボタンスィツチ 1が 2個並んで配設され、 押ボタン 2が 外部に露出されている。 両押ボタンスィツチ 1は電気的には直列に接続されてお り、 このように 2個の押ボタンスィッチ 1を直列に設けることで、 一方の押ボタ ンスィツチ 1が接点溶着を起こした場合であっても、 他方の押ボタンスィツチ 1 によりィネーブル状態である O N状態及び非常時における第 2の O F F状態を実 現し、 ロボット制御の信頼性を確保することが可能になる。
そして、 第 6 8図、 第 6 9図に示すように、 操作部 3 0 7には両押ボタンスィ ツチ 1の押ボタン 2を同時に押し込むために、 両押ボタン 2に当接するコ字状の 当接部材 3 1 0がその両端を回動自在に操作部 3 0 7に取り付けられており、 こ の当接部材 3 1 0を可撓性を有するカバ一 3 1 1で被覆し、 把持部 3 0 2を把持 したときに、 カバー 3 1 1を介して当接部材 3 1 0を握ることで、 当接部材 3 1 0が回動して両押ボタン 2が確実に押し込まれる。
このとき、 カバー 3 1 1をゴム等により形成すれば、 操作部 3 0 7の防水を行
うことができる。
従って、 第 1 7実施例によれば、 当接部材 3 1 0により、 両押ボタンスィッチ 1の押ボタン 2を同時に押し込むことが可能なり、 簡易な構成でしかも簡単な操 作により両押ボタンスィツチ 1の同時操作が可能になる。
なお、 押ボタンスィッチ 1は 3個以上設けられていてもよく、 カバ一 3 1 1は 特に設けなくてもよい。
また、 当接部材の構成は上記したものに限らず、 ペンダント本体 3 0 1に回動 自在に取り付けられて各押ボタン 2に同時に当接し得るものであればよい。
さらに、 ィネーブルスィツチとして用いる押ボタンスィツチは前記第 2ないし 第 1 4実施例における押ボタンスィツチであってもよいのは勿論である。
(第 1 8実施例)
次に、 本発明の押ボタンスィ ッチを、 操作装置である産業用マニピユレ一ティ ングロボッ卜における教示ペンダントのィネーブルスィッチに適用した第 1 8実 施例について、 第 7 0図ないし第 7 3図を用いて説明する。
第 7 0図及び第 7 1図は第 1 8実施例における教示ペンダントを背面側から見 た時の異なる状態における斜視図、 第 7 2図は右半分の一部を切断した状態の平 面図、 第 7 3図は一部の斜視図である。 なお、 各図中、 前記第 1 7実施例と同一 符号は同一または相当部分を示している。
本実施例では、 第 7 2図に示すように、 ペンダント本体 3 0 1の一方の把持部 3 0 2の裏面における操作部 3 0 7に 2個の押ボタンスィツチ 1を埋設し、 第 7 1図に示すように、 各押ボタンスィツチ 1の押ボタン 2をそれぞれ押し込むため の軸状のァクチユエ一タ軸 3 1 5を各押ボタンスィツチ 1に対応して操作部 3 0 7に出没自在に配設し、 第 7 0図に示すように、 各ァクチユエータ軸 3 1 5を同 時に操作するための樹脂等から成る操作レバー 3 1 7を回動自在に操作部 3 0 7 に設ける。
このとき、 操作レバー 3 1 7は例えば第 7 3図に示すような断面 L字状を成し、 両側端部が支軸によって回動自在に操作部 3 0 7におけるペンダント本体 3 0 1 部分に支持されるようになっている。 このような操作レバ一 3 1 7を設けること で、 把持部 3 0 2を把持したときに、 操作レバー 3 1 7が第 7 2図中の A矢印方
向に回動して各押ボタン 2が確実に押し込まれる。
従って、 第 1 8実施例によれば、 前記第 1 7実施例と同等の効果を得ることが できる。
なお、 操作レバー 3 1 7の構成は上記したものに限らず、 ペンダント本体 3 0 1に回動自在に取り付けられて各押ボタン 2を同時に押し込める構成のものであ ればよい。
またこの場合も、 ィネーブルスィツチとして用いる押ボタンスィツチ 1は 2個 以上であってもよく、 前記第 2ないし第 1 4実施例における押ボタンスィツチを ィネーブルスィツチとして用いてもよい。
(第 1 9実施例)
次に、 本発明の押ボタンスィッチを、 操作装置である産業用マニピユ レ一ティ ングロボットにおける教示ペンダントのィネーブルスィツチに適用した第 1 9実 施例について、 第 7 4図ないし第 7 6図を用いて説明する。
第 7 4図は第 1 9実施例における教示ペンダントの一部の斜視図、 第 7 5図は 他の一部の概略構成を表す斜視図、 第 7 6図は動作説明図である。 なお、 各図中、 前記第 1 8実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
本実施例では、 前記第 1 8実施例における操作レバ一 3 1 7を操作して回動さ せたときに、 押ボタンスィツチ 1の操作感を発生する操作感発生機構を設けてい る。
具体的には、 操作レバ一 3 1 7の後壁の中央部分に切れ込みを形成することで、 第 7 4図に示すような弾性を有するばね部 3 2 0を形成し、 このばね部 3 2 0の 先端には、 後方への突起 3 2 1を一体的に形成する。 一方、 ペンダント本体 3 0 1側には、 第 7 5図に示すように、 突起 3 2 1が当接するカム状突起 3 2 3を形 成し、 操作レバ一 3 1 7の回動時に、 操作レバ一 3 1 7側の突起 3 2 1がカム状 突起 3 2 3に当接して周面を摺接し、 突起 3 2 1がカム状突起 3 2 3の周面を摺 接し終えることで、 操作者に対して押ボタンスィツチ 1を操作したという感触を 与えることができるようにしている。 そのために、 操作レバ一 3 1 7の回動によ り、 突起 3 2 1がカム状突起 3 2 3の周面をほぼ摺接し終えたときに、 押ボタン スィツチ 1が O N状態になるように、 操作レバー 3 1 7の回動量とァクチユエ一
タ軸 3 1 5及び押ボタン 2の押込量を調整しておく。
次に、 動作について第 7 6図を用いて簡単に説明すると、 操作レバー 3 1 7が 回動されない状態つまり押ボタンスィツチ 1が第 1の O F F状態にあるときには、 第 7 6図 (a ) に示すように、 ばね部 3 2 0の突起 3 2 1はカム状突起 3 2 3に 当接しない。 この状態から、 把持部 3 0 2が把持されて操作レバ一 3 1 7が回動 されると、これに伴ってばね部 3 2 0がカム状突起 3 2 3に接近し、第 7 6 11 ( b ) に示すように、 突起 3 2 1がカム状突起 3 2 3の一側の周面に当接する。
そして、 ばね部 3 2 0の突起 3 2 1がカム状突起 3 2 3の一側の周面を摺接し、 第 7 6図 (c ) に示すように、 突起 3 2 1がカム状突起 3 2 3の一側の周面を摺 接し終えると、 押ボタン 2の押込量が增加して押ボタンスィツチ 1が O N状態に 移行するとともに、 突起 3 2 1のカム状突起 3 2 3との当接状態が解除されるこ とによる操作感が操作者に与えられる。 このときには、 押ボタンスィッチ 1の O Nによってペンダント 3 0 0はィネーブル状態となる。
その後、 さらに操作レバ一 3 1 7が回動されると、 第 7 6図 (d ) に示すよう に、 ばね部 3 2 0の突起 3 2 1はカム状突起 3 2 3から遠ざかり、 押ボタン 2の 押込量も多くなって阻止ボタンスィツチ 1は第 2の O F F状態となる。 このよう な状態は、 何らかの異常事態が生じた場合であって、 操作者が異常事態に反応し て把持部 3 0 2を強く把持し、 操作レバー 3 1 7の回動量が非常に多くなったこ とに起因するものである。
このような異常事態が回避されて、 把持部 3 0 2の把持力が軽減されると、 押 ボタンスィッチ 1の復帰ばねによる押ボタン 2の復帰に伴って操作レバー 3 1 7 が元の状態に復帰しようと し、 第 7 6図 (e ) に示すように、 操作レバー 3 1 7 の復帰に連れてばね部 3 2 0の突起 3 2 1がカム状突起 3 2 3の他側の周面を摺 接し、 やがて第 7 6図 ( f ) に示すように、 ばね部 3 2 0の突起 3 2 1はカム状 突起 3 2 3から離れ、 初期の状態に戻る。
従って、 第 1 9実施例によれば、 ばね部 3 2 0、 突起 3 2 1及びカム状突起 3 2 3から成る操作感発生機構を設けたため、 ィネーブルスィッチとしての押ボタ ンスィツチ 1が O N状態となったときに、 教示ペンダント 3 0 0の操作者に対し て押ボタンスィツチ 1を操作したという感触を与えることが可能になる。
また、 カム状突起 3 2 3から発生する操作感と、 イネ一ブルスィッチがオン状 態から第 2の O F F状態へ移行する際の操作感とを異ならせておけば、 O N状態 への操作感であるか第 2の O F F状態への操作感であるのかを区別することがで き、 このような操作感の違いから誤操作を防止することが可能になる。
なお、 操作レバ一 3 1 7側にカム状突起を、 ペンダント本体 3 0 1側にばね部 及び突起を設けてもよいのは勿論である。
また、 操作感発生機構は、 上記した構成のものに限定されるものでないのはい うまでもない。
さらに、 第 1 9実施例における押ボタンスィッチとして、 前記第 2ないし第 1 4実施例における押ボタンスィツチを用いてもよい。
ところで、 前記第 1 7ないし第 1 9実施例では、 操作装置を産業用マニピユレ —ティングロボッ 卜における教示ペンダントとして説明しているが、 第 1の O F F状態、 O N状態、 第 2の O F F状態の 3つの状態を取り得る押ボタンスィッチ 1を適用すべき操作装置はこのような教示ペンダン卜に限られるものではなく、 その他の操作装置であってもよいのは勿論である。
また、 前記第 1 5及び第 1 6実施例における非常停止スィッチを、 前記第 1 7 ないし第 1 9実施例における教示ペンダント 3 0 0に設けてもよい。 産業上の利用可能性
以上のように、 本発明にかかる押ボタンスィッチは、 操作装置、 特に産業用マ ニピュレ一ティングロボッ 卜における教示ペンダントのィネーブルスィツチとし て用いた場合に好適であり、 操作性の良好でかつ非常時に確実に O F Fが可能な イネ一ブルスィツチ用の押ボタンスィツチを提供することができる。