明 細 書
スィッチ装置
技術分野
[0001] この発明は、中間停止位置を挟んで非操作位置と最大操作位置との間を往復移動 する操作部材が、非操作位置から最大操作位置に向う往動時の中間停止位置に位 置している時にのみ、他の位置と異なる接点状態にする 3ポジションのスィッチ装置 に関し、特に、取付作業が容易で小型に構成することができるスィッチ装置に関する
背景技術
[0002] 従来より、手指による押圧操作方向において操作部材を非操作位置、中間停止位 置及び最大操作位置に順に停止させるようにし、操作部材が操作されていない非操 作位置にある時に接点機構をオフ状態にし、操作部材が中間停止位置まで操作さ れた時に接点機構をオン状態にするとともに、操作部材がさらに最大操作位置まで 操作された時に接点機構を再びオフ状態に切り換えるようにした 3ポジションのスイツ チ装置が商品化されている。このスィッチ装置は、例えば、産業用ロボットの教示用 等に用いられる可搬型操作盤において、操作者の安全性を確保するために設けら れている。
[0003] 即ち、ロボットの動作を制御する制御装置に接続された可搬型操作盤では、ロボッ トの各種の動作のそれぞれに対応した操作信号を出力する操作スィッチ等とともに 本スィッチ装置が設けられており、スィッチ装置の操作部材が中間停止位置まで操 作されてスィッチ装置の接点機構がオン状態である場合に、各操作スィッチ等の操 作信号が有効にされる。一方、スィッチ装置の操作部材が非操作位置又は最大操作 位置にある状態、つまり、スィッチ装置の接点機構がオフ状態では、各操作スィッチ 等の操作信号が無効にされる。
[0004] これによつて、操作者がスィッチ装置の操作部材を中間停止位置まで操作しつつ 他の操作スィッチ等を操作してロボットを動作させている間に、操作スィッチ等の誤操 作等によってロボットが操作者の意図しない動作を行った場合に、操作者がスィッチ
装置の操作部材から手指を放すか、又は、これを中間停止位置から最大操作位置ま で更に強く押圧操作することにより、スィッチ装置の接点機構をオフ状態にし、操作ス イッチ等の操作状態に関わらず直ちにロボットの動作を停止させることができる。
[0005] このようなスィッチ装置として、従来より、出願人は種々の構成を提案している(例え ば、特許文献 1一 3参照。)。
[0006] し力、しながら、特許文献 1に開示したスィッチ装置は、単一の接点のみを備えた構 成であるため、接点不良発生時に直ちに操作不能になることを防止すべく信号の多 重化に対応させようとすると、可搬型操作盤内にスィッチ装置を複数個配置すること になって大きなスペースが必要になるとともに、これら複数個のスィッチ装置の各操 作部材を同時に操作させるための複雑な構成が必要になる問題がある。
[0007] また、特許文献 2に開示したスィッチ装置は、 4本の手指で操作されることを前提に した大型の操作部材を備えたものであり、大きな取付スペースが必要になるとともに、 可搬型操作盤の筐体に特殊な形状の取付孔を形成しなければならない問題がある
[0008] さらに、特許文献 3に開示したスィッチ装置では、ヒンジ動作によって 2接点を同時 に操作するようにしたものであり、一般的な円形の取付孔を使用することができるもの の、可搬型操作盤の筐体の外部に比較的大きな取付スペースが必要になるとともに 、操作部材の操作位置によって操作力が変化するため、一定の操作感を与えること ができない問題がある。
[0009] したがって、特許文献 1一 3に開示したスィッチ装置は、何れも、小型の可搬型操作 盤に適用することが困難であった。
特許文献 1:特開 2001-035300公報
特許文献 2:特開 2002— 042606公報
特許文献 3 :国際公開第 02/061779号パンフレット
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] この発明が解決しょうとする課題は、可搬型操作盤の内部及び外部に大きな取付 スペースを必要とすることがなぐ加工の容易な形状の取付孔を介して取り付けること
ができ、小型の可搬型操作盤に容易に取り付けることができるとともに、一定の操作 感を与えることができるスィッチ装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0011] 第 1の課題を解決するための手段は、本体と、下面において開放した中空形状を 呈し、前記本体の上端力 一部が外部に露出するとともに非操作位置と最大操作位 置との間におレ、て本体の軸方向に往復移動自在にされた操作部材と、前記本体の 下端部に設けられ、オンあるいはオフする接点機構と、前記本体内に設けられ、操作 部材を非操作位置側に付勢する付勢部材と、前記操作部材内に設けられ、前記操 作部材が非操作位置から最大操作位置へ動く間に、前記軸方向と異なる方向へ移 動する移動部材と、前記操作部材内に設けられ、前記移動部材を前記異なる方向と は逆方向へ付勢する別の付勢部材とを備え、前記接点機構は前記移動部材の動き に連動して、オンあるいはオフを繰り返す。
[0012] 第 2の課題を解決するための手段は、前記操作部材の動きに連動して、オンあるい はオフする別の接点機構をさらに備える。
[0013] 第 3の課題を解決するための手段は、前記別の接点機構はスィッチ装置から着脱 自在である。
発明の効果
[0014] 第 1の効果は、移動部材は操作部材ともに軸方向に移動し、操作部材内を軸方向 とは異なる方向へも動く。よって、操作部材の軸方向の移動に加え、移動部材の軸 方向とは異なる方向への動きにより、接点機構を複雑に操作してオンあるいはオフを 繰り返すことができるとともに、操作部材内の軸方向とは異なる方向の空間を有効に 活用して構成要素を操作部材内に配置することができ、小型化ができる。これにより 、可搬型操作盤の内部及び外部に大きな取付スペースを必要とすることがなぐ加工 の容易な形状の取付孔を介して取り付けるも可能である。また、特許文献 3のヒンジ 動作のスィッチ装置と異なり、操作部材は軸方向に動くため操作力が変化せず、一 定の操作感を与えることが可能である。
[0015] 第 2の効果は、操作部材の動きをモニタすることができる。
[0016] 第 3の効果は、必要に応じて別の接点機構を取り外すことができる。
発明を実施するための最良の形態
[0017] (実施形態 1)
図 1 (A) (C)は、この発明の実施形態に係るスィッチ装置の構成を示す平面断 面図、正面断面図及び側面断面図であり、操作部材が非操作位置にある状態を示 している。この発明の実施形態に係るスィッチ装置 10は、略円筒形状を呈する本体 1 内に、操作部材 2、伝達部材 3、当接部材 4、従動部材 5、ガイド部材 6、第 1のコィノレ バネ 7、第 2のコイルバネ 8、第 3のコイルバネ 9及びマイクロスィッチ(この発明の接点 機構に相当する。) 11 , 12を収納して構成されている。
[0018] 操作部材 2は、下面において開放した中空形状を呈し、本体 1の上端から一部が外 部に露出するとともに中間停止位置を挟んで非操作位置と最大操作位置との間にお いて本体 1の軸方向に往復移動自在にされている。マイクロスィッチ 11 , 12は、本体 1の下端部において本体 1の半径方向に並設されている。マイクロスィッチ 11 , 12は 、第 1固定接点 !^ !^及び第?固定接点:^ に選択的に当接する可動接 点 11a (12a)を備えている。可動接点 11a (12a)は、レバー l ie (12e)を介して復帰 パネ l ld (12d)の弾性力によって本体 1の軸方向における上方向である第 1固定接 点 l lb (12b)に当接する方向に付勢されている。
[0019] 従動部材 5は、下端がマイクロスィッチ 11 , 12の可動接点 l la (12a)にレバー l ie
( 12e)を介して係止されており、本体 1の内部におレ、て本体 1の軸方向に移動自在 にされている。第 1のコイルバネ 7及び第 2のコイルバネ 8は、本体 1内において本体 1 の軸方向に沿って略同軸上に、伝達部材 3を挟んで上下に配置されている。伝達部 材 3の上側に位置する第 2のコイルパネ 8は、上端部が操作部材 2の内側面に保持さ れており、下端部が伝達部材 3に保持されている。伝達部材 3の下側に位置する第 1 のコイルパネ 7は、上端部が伝達部材 3に保持されており、下端部が本体 1内に位置 決めされている。
[0020] 当接部材 4は、操作部材 2の内部において、上面を常時操作部材 2に当接させた 状態で、本体 1の半径方向に初期位置と退避位置との間に移動自在にされていると ともに、第 3のコイルバネ 9の弾性力によって初期位置側に向けて付勢されている。 当接部材 4の下端部は、従動部材 5の上端及び伝達部材 3の上面に選択的に当接
する。即ち、当接部材 4は初期位置に位置している状態(図 1 (B)に示す状態)では、 下端部が従動部材 5の上端及び伝達部材 3の上面に当接し、退避位置に位置して いる状態では下端部が従動部材 5の上端及び伝達部材 3の上面に当接しなくなる。 伝達部材 3及び当接部材 4の互いの当接面、並びに、従動部材 5の上端は、当接部 材 4の初期位置から退避位置に向って下方に傾斜した傾斜面によって構成されてい る。なお、操作部材 2に押圧力が作用していない状態では、当接部材 4の下面と従動 部材 5の上端との間には間隙が与えられている。
[0021] ガイド部材 6は操作部材 2に連動し、上端において操作部材 2に固定されており、 本体 1内に軸方向に形成されたガイド孔 laに嵌入する軸部(この発明のガイド部材 の一部に相当する。)を備えている。ガイド部材 6の軸部は、本体 1の軸方向に沿って ガイド孔 laに摺動自在にされている。また、本体 1の内周面における周方向の 4箇所 には半径方向に突出するリブ Idが形成されており、操作部材 2の外周面における周 方向の 4箇所には半径方向に凹んだ溝部 2aが形成されている。各リブ Idは、各溝部 2aに嵌入している。各リブ Id及び溝部 2aの長手方向は、本体 1の軸方向に一致し、 リブ Id及び溝部 2aは軸方向に互いに嵌合している。これら、ガイド孔 laに対するガ イド部材 6の軸部の嵌入、及び、各溝部 2aに対する各リブ Idの嵌入により、操作部材 2の移動方向が本体 1の軸方向に一致するように案内され、操作部材 2の移動方向 に傾きを生じることがなぐ操作部材 2を安定した状態で操作することができる。特に、 リブ Idと溝部 2aとについては、操作部材 2の押し込み量が増加するに従って両者の 嵌合量が増し、操作部材 2の傾きを防止する効果が大きくなる。
[0022] 図 1 (A)に示すように、第 3のコイルバネ 9は、操作部材 2の内部において第 2のコィ ルバネ 8を本体 1の単一の直径方向に挟む 2箇所において、長手方向(伸縮方向)を この直径に直交させて配置されている。このため、 2個の第 3のコイルバネ 9から当接 部材 4が安定した状態で移動できるように、当接部材 4に弾性力を作用させることが できる。
[0023] なお、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9は、操作部材 2によって上面側を 被覆されており、本体 1から操作部材 2を取り外すと、第 2のコイルパネ 8及び第 3のコ ィルバネ 9の上面が外部に露出する。したがって、本体 1から操作部材 2を取り外すこ
とにより、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9を本体 1の内部から着脱すること ができる。
[0024] 第 2のコイルバネ 8は、中心軸を一致させた状態で 2個設けられており、 1個又は 3 個以上設けることもできる。また、第 3のコイルパネ 9も、 1個又は複数個設けることが できる。このように、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9を、それぞれ 1個ずつ 1 個以上、容易に着脱できる状態に備えることにより、操作部材 2を中間停止位置から 最大操作位置まで移動させる際の操作力を操作者の好みに合せた状態に簡単に調 整すること力 Sできる。
[0025] 例えば、操作部材 2の操作力は、 1個の第 2のコイルバネ 8及び 1個の第 3のコイル パネ 9を備えた状態で操作部材 2の位置に応じて図 5 (A)に示すように変化する場合 、第 2のコイルパネ 8のみを追加すると図 5 (B)に示すように中間停止位置から最大操 作位置までの間で強くすることができ、第 3のコイルバネ 9のみを追加すると図 5 (C) に示すように中間停止位置から最大操作位置へ移動する時のクリック感のみを際立 たせることができる。また、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9の両方を追加す ると、図 5 (D)に示すように操作部材 2の操作力が変化する。
[0026] 図 2は、上記スィッチ装置において操作部材が非操作位置から中間停止位置を経 て最大操作位置まで移動する間の各位置における内部状態を示す図である。操作 部材 2に押圧操作力が作用していない状態では、図 2 (A) , (B)に示すように、伝達 部材 3は第 1のコイルバネ 7の弾性力によって本体 1の軸方向の移動範囲における最 上部に位置しており、当接部材 4は少なくとも伝達部材 3の上端に当接する初期位置 に位置している。これによつて、操作部材 2は、本体 1の上端から最も外部に露出した 非操作位置に位置している。
[0027] このとき、従動部材 5も本体 1の軸方向の移動範囲における最上部に位置しており 、 レノ 一 l ie, 12eを下方に押圧していないため、マイクロスィッチ 11, 12において、 可動接点 l la, 12aは、第 1固定接点 l ib, 12bに当接している。
[0028] 図 2 (A), (B)に示す状態から、操作部材 2が下方に押圧操作されると、第 1のコィ ルバネ 7が弾性変形し、操作部材 2、伝達部材 3、当接部材 4、ガイド部材 6及び第 2 コイルパネ 8は一体的に、本体 1内を下方に移動していく。このとき、従動部材 5も、そ
の上端に当接部材 4の下端部が当接した後に、操作部材 2、伝達部材 3、当接部材 4 、ガイド部材 6及び第 2コイルパネ 8と一体的に本体 1内を下方に移動していき、マイ クロスイッチ 11 , 12において従動部材 5の下端部が係合するレバー l ie, 12eが、復 帰パネ l ld, 12dの弾性力に抗して下方に押し下げられる。これによつて、可動接点 11a, 12aが第 1固定接点 l ib, 12bから下方に離間する。
[0029] 操作部材 2、伝達部材 3、当接部材 4、従動部材 5、ガイド部材 6及び第 2コイルパネ 8の下方への移動が継続し、図 2 (C), (D)に示すように、伝達部材 3が本体における 軸方向 1の中間部に固定されたストツバ 13に当接し、操作部材 2が中間停止位置に 達した時点では、マイクロスィッチ 11, 12において、可動接点 l la, 12aが第 2固定 接点 l lc, 12cに当接している。このように、操作部材 2を非操作位置から中間停止 位置まで移動させるためには、第 1のコイルバネ 7の弾性力、復帰バネ l idの弾性力 及び復帰パネ 12dの弾性力の合計よりも大きい押圧力を操作部材 2に作用させる必 要がある。
[0030] なお、レバー l ie及び 12eを介して従動部材 5を上方へ付勢する復帰バネ l id及 び 12dは、従動部材 5の移動にともなって回動するため、操作部材 2が非操作位置か ら中間停止位置まで移動する間に復帰パネ 1 1 d及び 12dから作用する弾性力は直 線的には増加しない。一方、第 1のコイルパネ 7は、操作部材 2が非操作位置から中 間停止位置まで移動する間に収縮方向に直線的に変形する。したがって、第 1のコ ィルバネ 7の弾性力を復帰バネ 1 Id及び 12dの弾性力に比較して十分に強くしてお くことにより、非操作位置から中間停止位置まで移動させるために操作部材 2に加え るべき押圧力を略直線的に増加させることができ、操作者に良好な操作感を与えるこ とができる。
[0031] 図 2 (C) , (D)に示す状態から、操作部材 2に第 1のコイルパネ 7の弾性力及び復 帰バネ l id及び 12dの弾性力に抗する押圧力に加えて、さらに第 2のコイルバネ 8の 弾性力及び第 3のコイルパネ 9の弾性力に抗する押圧力が作用すると、第 2のコイル パネ 8が収縮して操作部材 2が下方に移動するとともに、第 3のコイルパネ 9が収縮し て当接部材 4が退避位置に向って図中右方向に移動する。
[0032] 図 2 (E) , (F)に示すように、操作部材 2が最も下方の最大操作位置まで移動し、当
接部材 4が退避位置に達すると、当接部材 4は従動部材 5の上端に当接しなくなり、 従動部材 5は復帰バネ l id及び 12dの弾性力によって上方に移動する。このとき、マ イクロスイッチ 11 , 12において、可動接点 11a, 12aが第 2固定接点 11c, 12cから離 間して第 1固定接点 l ib, 12bに当接する。
[0033] 図 3は、上記スィッチ装置において操作部材が最大操作位置から中間停止位置を 経て非操作位置まで移動する間の各位置における内部状態を示す図である。図 3 ( A) , (B)に示すように、操作部材 2が最大操作位置まで移動している状態から、操作 部材 2に対する押圧操作力が解除されると、先ず、第 2のコイルパネ 8の弾性力によ つて操作部材 2は、伝達部材 3から上方に離間していき、図 3 (C) , (D)に示す中間 停止位置に達する。
[0034] さらに、操作部材 2が図 3 (C) , (D)に示す中間停止位置に達した後は、第 1のコィ ルバネ 7の弾性力により、操作部材 2、伝達部材 3、当接部材 4、ガイド部材 6及び第 2のコイルパネ 8がー体的に上方に移動する。これによつて、当接部材 4の下端が従 動部材 5の上端よりも上方に達すると、第 3のコイルパネ 9の弾性力により、当接部材 4が初期位置に向けて図中左方向に移動し、図 3 (E) , (F)に示すように、操作部材 2が非操作位置に位置する状態に復帰する。
[0035] 操作部材 2が最大操作位置から中間停止位置を経由して非操作位置に復帰する 間には、従動部材 5は常に移動範囲における最も上方に位置しており、マイクロスィ ツチ 11 , 12において可動接点 11a, 12aは第 1固定接点 l ib, 12bに当接したまま にされる。したがって、操作部材 2が最大操作位置から中間停止位置を経由して非 操作位置に復帰する間には、マイクロスィッチ 11、 12の出力信号が反転することが ない。
[0036] 以上のようにして、操作部材 2を非操作位置から最大操作位置に向けて押圧操作 する際には、操作部材 2の変位を当接部材 4及び従動部材 5を介してマイクロスイツ チ 11 , 12に伝達し、操作部材 2が中間停止位置に達した時にマイクロスィッチ 11 , 1 2の出力信号を反転させ、さらに、操作部材 2が最大操作位置に達すると、従動部材 5に対する当接部材 4の当接を解除してマイクロスィッチ 11 , 12の出力信号を非操作 時の状態に復帰させる。一方、操作部材 2の押圧操作力を解除して最大操作位置か
ら非操作位置に復帰させる際には、当接部材 4と従動部材 5との非当接状態を維持 し続け、マイクロスィッチ 1 1 , 12の出力信号を非操作時の状態のままにしておく。
[0037] これにより、スィッチ装置 10が可搬型操作盤に取り付けられた際に、操作者がスィ ツチ装置 10の操作部材 2を中間停止位置まで操作した状態で、可搬型操作盤に備 えられてレ、る他の操作スィッチ等の操作信号を有効にし、操作者が操作部材 2を最 大操作位置まで操作した際には、操作部材 2が次に非操作位置に復帰するまでの 間において、可搬型操作盤に備えられている他の操作スィッチ等の操作信号を無効 にすることができる。
[0038] また、スィッチ装置 10は、操作部材 2の操作状態に応じて互いに同様に動作する 2 個のマイクロスィッチ 11 , 12を備えているため、マイクロスィッチ 11 , 12の何れか一 方に故障を生じた場合にも、操作部材 2の操作状態に応じた信号を出力することが できる。このため、単一のスィッチ装置 10のみによって、信号の多重化に対応するこ とができる。
[0039] さらに、伝達部材 3及び当接部材 4の互いの当接面力 当接部材 4の初期位置から 退避位置に向って下方に傾斜した傾斜面によって構成されているため、伝達部材 3 に対する操作部材 2の変位にともなって当接部材 4を初期位置と退避位置との間に 正確に移動させることができる。
[0040] 図 4は、この発明の実施形態 1の変形例に係るスィッチ装置の構成を示す正面断 面図である。図 4 (A)に示すスィッチ装置 20は、本体 1の下端部にマイクロスィッチ 1 1 , 12に加えてモニタ用スィッチ 14 (この発明のモニタ用接点機構、別の接点機構に 相当する。)を備え、ガイド部材 6の下方に、モニタ用スィッチ 14の可動接点 14aに下 端を係止したモニタ用従動部材 15を本体 1の軸方向に移動自在に配置したものであ る。ガイド部材 6は、操作部材 2が中間停止位置まで下降した時にモニタ用従動部材 15を下方に押圧し、モニタ用スィッチ 14において可動接点 14aを固定接点 14bから 離間させる。
[0041] スィッチ装置 20においては、操作部材 2が非操作位置から中間停止位置に達する までの間に位置してレ、る状態でオンし、操作部材 2が中間停止位置から最大操作位 置までの間に位置している状態でオフするモニタ用信号が出力される。
[0042] 図 4 (B)に示すスィッチ装置 30は、本体 1の下端部にマイクロスィッチ 11 , 12に加 えてモニタ用スィッチ 14 (この発明のモニタ用接点機構、別の接点機構に相当する。 )を備え、ガイド部材 6の下方に、モニタ用スィッチ 14の可動接点 14aに下端を係止 したモニタ用従動部材 16を本体 1の軸方向に移動自在に配置したものである。ガイ ド部材 6は、操作部材 2が最大操作位置まで下降した時にモニタ用従動部材 16を下 方に押圧し、モニタ用スィッチ 14において可動接点 14aを固定接点 14bから離間さ せる。
[0043] スィッチ装置 30においては、操作部材 2が非操作位置から最大操作位置に達する までの間に位置している状態でオンし、操作部材 2が最大操作位置に位置している 状態でオフするモニタ用信号が出力される。
[0044] 上記の構成により、スィッチ装置 20及び 30により、操作部材 2が下降中の中間停 止位置にある時にのみ、反転したィネーブル信号を出力することができるとともに、操 作部材 2の操作位置を特定するモニタ用信号を出力することができる。
[0045] なお、本体 1の外周部に形成された段部 lbと取付ネジ lcとの間に、筐体における 取付孔の周縁部 50とともに袋状の防水カバー 40における開口部の周縁部 41を挟 持することにより、スィッチ装置 20, 30を容易に防水構造とすることができる。これは 、スィッチ装置 10においても同様である。
[0046] 以上のように、実施形態 1では、本体と、下面において開放した中空形状を呈し、 本体の上端から一部が外部に露出するとともに非操作位置と最大操作位置との間に おいて本体の軸方向に往復移動自在にされた操作部材と、本体の下端部に設けら れ、オンあるいはオフする接点機構と、本体内に設けられ、操作部材を非操作位置 側に付勢する付勢部材 (コイルパネに相当)と、操作部材内に設けられ、操作部材が 非操作位置から最大操作位置へ動く間に、軸方向と異なる方向へ移動する移動部 材(当接部材に相当)と、操作部材内に設けられ、移動部材を異なる方向とは逆方向 へ付勢する別の付勢部材 (コイルパネに相当)とを備え、接点機構は移動部材の動 きに連動して、オンあるいはオフを繰り返す。
[0047] この構成においては、移動部材は操作部材ともに軸方向に移動し、操作部材内を 軸方向とは異なる方向へも動く。よって、操作部材の軸方向の移動に加え、移動部
材の軸方向とは異なる方向への動きにより、接点機構を複雑に操作してオンあるい はオフを繰り返すことができるとともに、操作部材内の軸方向とは異なる方向の空間 を有効に活用して構成要素を操作部材内に配置することができ、小型化ができる。こ れにより、可搬型操作盤の内部及び外部に大きな取付スペースを必要とすることがな ぐ加工の容易な形状の取付孔を介して取り付けるも可能である。また、特許文献 3 のヒンジ動作のスィッチ装置と異なり、操作部材は軸方向に動くため操作力が変化せ ず、一定の操作感を与えることが可能である。
[0048] また、さらに実施形態 1を説明すると、略円筒形状の本体と、下面において開放し た中空形状を呈する操作部材であって本体の上端から一部を外部に露出させて中 間停止位置を挟んで非操作位置と最大操作位置との間において本体の軸方向に往 復移動自在に支持された操作部材と、本体の下端部に並設された複数の接点機構 と、下端が複数の接点機構のそれぞれの可動接点に係止されるとともに本体内部に おいて本体の軸方向に移動自在にされた従動部材と、本体内に本体の軸方向に沿 つて略同軸上に配置されるとともに操作部材を非操作位置側に付勢する第 1及び第 2のコイルパネと、本体の軸方向において第 1のコイルパネと第 2のコイルパネとの間 に配置された伝達部材と、操作部材内で上端が常時操作部材に当接した状態で本 体の半径方向に移動自在にされるとともに下端が従動部材の上端及び伝達部材の 上面に選択的に当接する当接部材と、操作部材内に配置されるとともに当接部材を 従動部材の上端及び伝達部材の上面に当接する方向に付勢する第 3のコイルパネ と、を備え、当接部材は、操作部材が非操作位置から中間停止位置まで移動する間 において下端が従動部材の上端及び伝達部材の上面に当接する初期位置にあり、 操作部材が最大操作位置力 中間停止位置を経て非操作位置まで移動する間にお レ、て下端が従動部材の上端及び伝達部材の上面に当接しない退避位置に移動す る。
[0049] この構成においては、操作部材内で本体の半径方向に移動自在にされた当接部 材が初期位置において従動部材の上端及び伝達部材の上面に当接し、伝達部材を 上下に挟んで第 1及び第 2のコイルスプリングが配置され、当接部材を初期位置側に 付勢する第 3のコイルパネが操作部材内に配置される。このため、非操作位置にある
操作部材が中間停止位置まで移動した時にのみ複数の接点機構の各可動接点を 移動させ、操作部材が中間停止位置から最大操作位置に達した後に中間停止位置 を経由して非操作位置に復帰するまでの間において複数の接点機構の各可動接点 を移動させるために必要な部材の全て力 本体の軸方向に直交する平面において 操作部材内に配置される。したがって、スィッチ装置が小型に構成されるとともに、筐 体に形成された丸孔に略一致する範囲に取り付けられる。
[0050] また、操作部材が非操作位置から中間停止位置まで移動する間においては、操作 部材に上端が当接した当接部材の下端が従動部材の上端及び伝達部材の上面に 当接しているため、第 1又は第 2のコイルパネのうち伝達部材の上側に位置する第 2 のコイルパネは変形せず、伝達部材の下側に位置する第 1のコイルパネが操作部材 の移動方向である本体の軸方向に変形する。一方、操作部材が中間停止位置から 最大操作位置まで移動する間においては、当接部材の下端が従動部材の上端及び 伝達部材の上面に当接しなくなる退避位置に移動するため、伝達部材の上側に位 置する第 2のコイルパネが操作部材の操作方向に変形するとともに、第 3のコイルバ ネが操作部材の移動方向に直交する方向である本体の半径方向に変形する。した がって、操作部材を非操作位置から中間停止位置まで移動させる間、及び、中間停 止位置から最大操作位置まで移動させる間のそれぞれにおいて、操作部材に作用 する弾性力が略直線的に増加する。
[0051] 以上により、非操作位置にある操作部材が中間停止位置まで移動した時にのみ複 数の接点機構の各可動接点を下方に移動させ、操作部材が中間停止位置から最大 操作位置に達した後に中間停止位置を経由して非操作位置に復帰するまでの間に おいて複数の接点機構の各可動接点を上方に移動させるために必要な部材の全て を、本体の軸方向に直交する平面において操作部材内に配置することができる。こ れによって、スィッチ装置を小型に構成することができるとともに、筐体に形成された 丸孔に略一致する範囲に取り付けることができ、小型の可搬型操作盤に適用するこ とができる。
[0052] また、操作部材を非操作位置から中間停止位置まで移動させる間、及び、中間停 止位置から最大操作位置まで移動させる間のそれぞれにおいて、操作部材に作用
する弾性力を略直線的に増加させることができ、操作者に一定の操作感を与えること ができる。
[0053] (実施形態 2)
次に実施形態 2について説明する。スィッチ装置では、例えば、操作部材の操作位 置の検出信号を出力させ、接点機構の出力信号の状態との関係力 操作部材の操 作位置を検出するためのモニタ用接点機構等の補助接点機構が選択的に備えられ る場合がある。このような場合を考慮して、実施形態 1で説明したスィッチ装置(図 1) 及びこの変形例(図 4)のように、接点機構としての機能が同一のスィッチ装置につい て、補助接点機構を備えたものと補助接点機構を備えていなレ、ものとの 2種類のタイ プを準備する必要があり、在庫管理が煩雑になる問題がある。また、補助接点機構の ないタイプのスィッチ装置を制御盤に取り付けた後に補助接点機構が必要になった 場合には、スィッチ装置全体を取り換える必要があり、先に取り付けられたスィッチ装 置が無駄になって設備コストが高騰する問題がある。
[0054] そこで実施形態 2では、スィッチ本体に対して補助接点機構を着脱自在に備え、接 点機構としての機能が同一であって補助接点機構を備えたものと補助接点機構を備 えていないものとの 2種類のタイプを準備する必要をなくし、在庫管理を簡略化するこ とができるとともに、操作盤への取付後における補助接点機構の必要性の変化に容 易に対応することができるスィッチ装置、並びに、このスィッチ装置を構成するスイツ チ本体及び補助接点ユニット (別の接点機構)を提供することにある。
[0055] 図 6 (A)一 (C)は、この発明の実施形態に係るスィッチ装置の構成を示す正面断 面図、側面断面図及び底面図である。この発明の実施形態に係るスィッチ装置 10は 、スィッチ本体 110と補助接点ユニット 120とからなる。スィッチ本体 110は、主たる構 成が実施形態 1と同様であり、下端部が開放した略円筒形状を呈する本体 1内に、操 作部材 2、伝達部材 3、当接部材 4、従動部材 5、ガイド部材 6、第 1のコイルパネ 7、 第 2のコイルバネ 8、第 3のコイルバネ 9及びマイクロスィッチ(この発明の接点機構に 相当する。) 11 , 12を収納して構成されている。
[0056] 操作部材 2は、下面において開放した中空形状を呈し、本体 1の上端から一部が外 部に露出するとともに中間停止位置を挟んで非操作位置と最大操作位置との間にお
いて本体 1の軸方向に往復移動自在にされている。マイクロスィッチ 11 , 12は、本体 1の下端部において本体 1の半径方向に並設されている。マイクロスィッチ 11 , 12は 、第 1固定接点 !^ !^及び第?固定接点:^ に選択的に当接する可動接 点 11a (12a)を備えている。可動接点 11a (12a)は、レバー l ie (12e)を介して復帰 バネ l ld (12d)の弾性力によって本体 1の軸方向における上方向である第 1固定接 点 l lb (12b)に当接する方向に付勢されている。
[0057] 従動部材 5は、下端がマイクロスィッチ 11 , 12の可動接点 l la (12a)にレバー l ie
( 12e)を介して係止されており、本体 1の内部におレ、て本体 1の軸方向に移動自在 にされている。第 1のコイルバネ 7及び第 2のコイルバネ 8は、本体 1内において本体 1 の軸方向に沿って略同軸上に、伝達部材 3を挟んで上下に配置されている。伝達部 材 3の上側に位置する第 2のコイルパネ 8は、上端部が操作部材 2の内側面に保持さ れており、下端部が伝達部材 3に保持されている。伝達部材 3の下側に位置する第 1 のコイルパネ 7は、上端部が伝達部材 3に保持されており、下端部が本体 1内に位置 決めされている。
[0058] 当接部材 4は、操作部材 2の内部において、上面を常時操作部材 2に当接させた 状態で、本体 1の半径方向に初期位置と退避位置との間に移動自在にされていると ともに、第 3のコイルバネ 9の弾性力によって初期位置側に向けて付勢されている。 当接部材 4の下端部は、従動部材 5の上端及び伝達部材 3の上面に選択的に当接 する。即ち、当接部材 4は初期位置に位置している状態(図 6 (B)に示す状態)では、 下端部が従動部材 5の上端及び伝達部材 3の上面に当接し、退避位置に位置して いる状態では下端部が従動部材 5の上端及び伝達部材 3の上面に当接しなくなる。 伝達部材 3及び当接部材 4の互いの当接面、並びに、従動部材 5の上端は、当接部 材 4の初期位置から退避位置に向って下方に傾斜した傾斜面によって構成されてい る。なお、操作部材 2に押圧力が作用していない状態では、当接部材 4の下面と従動 部材 5の上端との間には間隙が与えられている。
[0059] ガイド部材 6は、上端において操作部材 2に固定されており、本体 1内に軸方向に 形成されたガイド孔 laに嵌入する軸部を備えている。ガイド部材 6の軸部は、本体 1 の軸方向に沿ってガイド孔 laに摺動自在にされている。また、本体 1の内周面にお
ける周方向の 4箇所には半径方向に突出するリブ I dが形成されており、操作部材 2 の外周面における周方向の 4箇所には半径方向に凹んだ溝部 2aが形成されている 。各リブ Idは、各溝部 2aに嵌入している。各リブ I d及び溝部 2aの長手方向は、本体 1の軸方向に一致している。これら、ガイド孔 laに対するガイド部材 6の軸部の嵌入、 及び、各溝部 2aに対する各リブ Idの嵌入により、操作部材 2の移動方向が本体 1の 軸方向に一致するように案内され、操作部材 2の移動方向に傾きを生じることがなぐ 操作部材 2を安定した状態で操作することができる。特に、リブ Idと溝部 2aとについ ては、操作部材 2の押し込み量が増加するに従って両者の嵌合量が増し、操作部材 2の傾きを防止する効果が大きくなる。
[0060] 第 3のコイルバネ 9は、操作部材 2の内部において第 2のコイルバネ 8を本体 1の単 一の直径方向に挟む 2箇所において、長手方向(伸縮方向)をこの直径に直交させ て配置されている。このため、 2個の第 3のコイルバネ 9から当接部材 4が安定した状 態で移動できるように、当接部材 4に弾性力を作用させることができる。
[0061] なお、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9は、操作部材 2によって上面側を 被覆されており、本体 1から操作部材 2を取り外すと、第 2のコイルパネ 8及び第 3のコ ィルバネ 9の上面が外部に露出する。したがって、本体 1から操作部材 2を取り外すこ とにより、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9を本体 1の内部から着脱すること ができる。
[0062] 第 2のコイルバネ 8は、中心軸を一致させた状態で 2個設けられており、 1個又は 3 個以上設けることもできる。また、第 3のコイルパネ 9も、 1個又は複数個設けることが できる。このように、第 2のコイルバネ 8及び第 3のコイルバネ 9を、それぞれ 1個ずつ 容易に着脱できる状態に備えることにより、操作部材 2を中間停止位置から最大操作 位置まで移動させる際の操作力を操作者の好みに合せた状態に簡単に調整するこ とができる。
[0063] 本体 1の外周部に形成された段部 lbとロックナット lcとの間に、筐体における取付 孔の周縁部を挟持することにより、スィッチ装置 10が筐体の所定位置に固定される。 このとき、段部 lbと取付ネジ lcとの間に取付孔の周縁部とともに袋状の防水カバー 4 0における開口部の周縁部 41を挟持することにより、スィッチ装置 10が防水構造とさ
れる。本体 1の外周面におけるロックナット lcの螺合位置の下方には、少なくとも 2箇 所に凹部 le, leが形成されている。
[0064] また、本体 1の内部において、ガイド部材 6の軸部が嵌入しているガイド孔 laの下端 部には、連続孔 Ifが連続している。連続孔 Ifは、本体 1の底面に開口している。
[0065] 図 7 (A) (D)は、上記スィッチ装置に用いられる補助接点ユニットの平面図、正 面図、側面図及び底面図である。また、図 8 (A)—(C)は、同補助接点ユニットの図 7 における A— B部、 C一 D部及び E— F部の断面図である。
[0066] 補助接点ユニット 120は、樹脂を素材として、スィッチ本体 110の本体 1に外嵌する 一部を切り欠いた薄肉リング状の装着部 21と補助接点機構を収納する略直方体形 状の収納部 22とからなる。装着部 21には、部分円弧状の外周面に互いに対向する 2箇所に倒立 U字状の切欠きによって嵌合片 21a, 21aが形成されており、各嵌合片 21a, 21aの下方には操作片 21b, 21bが延出している。嵌合片 21a, 21aの上端部 からは、上面を傾斜面で構成された突起部 21e, 21eが水平方向に延出している。ま た、装着部 21の内側面における互いに対向する 2箇所には、当接部 21c, 21cが水 平方向に延出している。
[0067] 収納部 22には、補助接点機構 31が収納されている。補助接点機構 31は、固定接 点 31a, 31a、可動接点 31b, 31b及び復帰パネ 31 cを備えている。固定接点 31a, 31aは、収納部 22の底面から外部に延出した接続端子 31d, 31dに接続されている 。可動接点 31b, 31bは、補助接点機構 31の中央に配置された連動部材 23の側面 の段部に一部に係止されている。復帰パネ 31cは、上端を可動接点 31b, 31bにお レ、て連動部材 23に係止された部分に下方から当接させており、下端を収納部 22の 内部の底面に保持されている。
[0068] 収納部 22の装着部 21の内側に対向する側面には、開口部 22aが形成されている 。連動部材 23には、開口部 22aから装着部 21の内側に向って露出する軸体 23aが 形成されている。軸体 23aは、装着部 21の内側を経由して上方に延出している。軸 体 23aを形成した連動部材 23は、収納部 22内において上下方向(スィッチ本体 1の 軸方向)に移動自在にされてレ、る。
[0069] 補助接点ユニット 120の装着部 21をスィッチ本体 110の下端部に下方から外嵌さ
せていくと、スィッチ本体 110における本体 1の外周面が補助接点ユニット 120にお ける装着部 21の嵌合片 21aに形成された突起 21eに上方から当接する。これによつ て、嵌合片 21 a及び操作片 21bが図 6 (A)中破線で示すように弾性変形する。さらに 、装着部 21のスィッチ本体 110の下端部に対する外嵌を継続していくと、突起 21e, 21eが、図 6 (A)中実線で示すように、本体 1の外周面に形成されている凹部 le, le に嵌合する。
[0070] このとき、補助接点ユニット 120の収納部 22から延出した連動部材 23の軸体 23a 力 本体 1の底面に開口した連続孔 If内に嵌入する。スィッチ本体 110において操 作部材 2が初期位置にある状態で、連続孔 Ifに嵌入した軸体 23aの上端は、ガイド 部材 6の軸部 6aの下端に所定の間隙を設けて対向する。
[0071] この状態から操作部材 2が押圧操作されて本体 1内において下方に移動すると、ガ イド部材 6も軸部 6aとともに下方に移動し、軸部 6aの下端が連動部材 23の軸体 23a の上端に当接し、ガイド部材 6は軸体 23aを含む連動部材 23を下方に押し下げる。
[0072] このように、操作部材 2の押圧操作による下方への移動力 ガイド部材 6を介して連 動部材 23に伝達され、連動部材 23の下方への移動によって収納部 22内に収納さ れた補助接点機構 31の可動接点 31b, 31bが固定接点 31a, 31aから離間する。
[0073] この後、スィッチ本体 110において操作部材 2が初期位置に向けて上方に移動す ると、連動部材 23を下方に押し下げていたガイド部材 6も上方に移動する。これによ つて、連動部材 23は、補助接点機構 31の復帰パネ 31cの弾性力によって押し上げ られ、補助接点機構 31の可動接点 31b, 31bが固定接点 31a, 31aに接触する状態 に復帰する。
[0074] このようにして、操作部材 2の上下方向の位置に応じて補助接点機構 31における 固定接点 31a, 31aに可動接点 31b, 31bが接離し、補助接点機構 31からの信号の 出力状態が変化する。したがって、図 6の場合は補助接点機構 31の信号の出力状 態から操作部材 2が最大操作位置にあることを検出することができる。
[0075] 一方、図 6 (A)中実線で示すように、補助接点ユニット 120における装着部 21の嵌 合片 21aに形成された突起 21eが、本体 1の外周面に形成されている凹部 le, leに 嵌合している状態から、操作片 21b, 21bを内側に押圧すると、嵌合片 21a, 21a及
び操作片 21b, 21bが図 6 (A)中破線で示す状態に弾性変形する。これによつて、突 起 21e, 21eが凹部 le, leに嵌合しなくなり、補助接点ユニット 120をスィッチ本体 1 10から下方に移動させて取り外すことができる。
[0076] また、補助接点ユニット 120は、スィッチ本体 110における筐体との固定位置 (段部 lbと取付ネジ lcとの間)よりも下方に外嵌するため、スィッチ本体 110を筐体から取り 外すことなく補助接点ユニット 120をスィッチ本体 10に着脱することができる。
[0077] なお、本体 1の底面における連続孔 Ifの開口は、容易に開放可能な状態で閉鎖し ておくことにより、スィッチ本体 110に補助接点ユニット 120を装着しない状況でのス イッチ本体 110内部への塵埃等の侵入を防止するようにしてもよい。また、連続孔 If の開口に着脱自在の蓋体を備えてもよい。
[0078] 図 9 (A) (C)は、この発明の別の実施形態に係るスィッチ装置の構成を示す正面 断面図、側面断面図及び底面図である。また、図 A (A)—(F)は、同別の実施形態 に係るスィッチ装置に用いられる補助接点ユニットの構成を示す平面図、正面図、側 面図、底面図、 -Β' 部断面図及び 一 D' 部断面図である。この実施形態に 係るスィッチ装置 20は主たる構成が実施形態 1と同様であり、スィッチ本体 210に補 助接点ユニット 220を横方向から着脱自在に外嵌させるようにしたものである。
[0079] 補助接点ユニット 220は、樹脂を素材として、スィッチ本体 210の本体 211に外嵌 する薄肉部分円弧状の一対の装着部 221, 221と補助接点機構を収納する略直方 体形状の収納部 222とからなる。装着部 221 , 221には、内周面から少なくとも前面 を傾斜面で構成した突起 221e, 221eが互いに対向して形成されており、外周面か ら背面側に操作片 221b, 221bが延出している。
[0080] 収納部 222には、補助接点機構 231が収納されている。補助接点機構 231は、図 7及び 3に示した補助接点機構 31と同様に構成されている。
[0081] 収納部 222の前面には、開口部 222aが形成されている。連動部材 223には、開口 部 222aから装着部 221 , 221の内側に向って露出する軸体 223aが形成されている 。軸体 223aは、装着部 221, 221の内側を経由して上方に延出している。軸体 223 aを形成した連動部材 223は、収納部 222内において上下方向(スィッチ本体 211の 軸方向)に移動自在にされてレ、る。
[0082] 補助接点ユニット 120の前面側から装着部 221 , 221内にスィッチ本体 210の下端 部を挿入していくと、スィッチ本体 210における本体 211の外周面が補助接点ュニッ ト 220における装着咅 221 , 221の突起 221 e, 221eに前面佃 J力ら当接する。さらに 、揷入を継続すると、装着部 221 , 221が図 9 (C)中破線で示すように外側に弾性変 形した後、突起 221e, 221eが図 9 (A)に示すように本体 1の外周面に形成されてい る凹部 211e, 211eに嵌合し、装着部 221 , 221が図 9 (C)中実線で示すように本体 211に外嵌する。
[0083] このとき、補助接点ユニット 220の収納部 222から延出した連動部材 223の軸体 22 3aが、本体 211の側面に開口した連続孔 21 If内に嵌入する。スィッチ本体 210に おいて操作部材 2が初期位置にある状態で、連続孔 21 Ifに嵌入した軸体 223aの上 端は、ガイド部材 6の軸部 6aの下端に所定の間隙を設けて対向する。
[0084] この状態から操作部材 2が押圧操作されて本体 211内にぉレ、て下方に移動すると 、ガイド部材 6も軸部 6aとともに下方に移動し、軸部 6aの下端が連動部材 223の軸 体 223aの上端に当接し、ガイド部材 6は軸体 223aを含む連動部材 223を下方に押 し下げる。
[0085] このように、操作部材 2の押圧操作による下方への移動力 ガイド部材 6を介して連 動部材 223に伝達され、連動部材 223の下方への移動によって収納部 222内に収 納された補助接点機構 231の可動接点 31b, 31bが固定接点 31a, 31aから離間す る。
[0086] この後、スィッチ本体 210において操作部材 2が初期位置に向けて上方に移動す ると、連動部材 223を下方に押し下げていたガイド部材 6も上方に移動する。これに よって、連動部材 223は、補助接点機構 231の復帰パネ 31cの弾性力によって押し 上げられ、補助接点機構 231の可動接点 31b, 31bが固定接点 31a, 31aに接触す る状態に復帰する。
[0087] このようにして、操作部材 2の上下方向の位置に応じて補助接点機構 231における 固定接点 31a, 31aに可動接点 31b, 31bが接離し、補助接点機構 231からの信号 の出力状態が変化する。したがって、図 9の場合は補助接点機構 231の信号の出力 状態から操作部材 2が最大操作位置にあることを検出することができる。
[0088] 一方、図 9 (C)中実線で示すように、補助接点ユニット 220における装着部 221に 形成された突起 221e, 221eが、本体 211の外周面に形成されている凹部 211e, 2 l ieに嵌合している状態から、操作片 221b, 221bを内側に押圧すると、突起 221e , 221e及び操作片 221b, 221bを含む装着部 221 , 221が図 9 (C)中破線で示す 状態に弾性変形する。これによつて、突起 221e, 221 eが凹部 211e, 211eに嵌合し なくなり、補助接点ユニット 220をスィッチ本体 210から背面側に移動させて取り外す こと力 Sできる。
[0089] また、補助接点ユニット 220は、スィッチ本体 210における筐体との固定位置 (段部 lbと取付ネジ lcとの間)よりも下方に外嵌するため、スィッチ本体 210を筐体から取り 外すことなく補助接点ユニット 220をスィッチ本体 210に着脱することができる。
[0090] なお、本体 211の側面における連続孔 211fの開口は、容易に開放可能な状態で 閉鎖しておくことにより、スィッチ本体 210に補助接点ユニット 220を装着しない状況 でのスィッチ本体 210内部への塵埃等の侵入を防止するようにしてもよい。また、連 続孔 21 Ifの開口に着脱自在の蓋体を備えてもょレ、。
[0091] その他の構成は、図 6— 8に示したスィッチ装置と同様であり、図 6— 8と同一の番 号を付して説明を省略する。
[0092] なお、補助接点ユニットは、スィッチ本体の底面から下方に露出した接続端子の開 口孔を介してスィッチ本体に着脱自在に装着されるものであってもよレ、。
[0093] 以上の実施形態では、補助接点ユニットが常閉接点である場合について説明した 、常開接点の場合にもこの発明を同様に適用できる。
[0094] また、連動部材 23の軸体 23aの長さを実施形態よりも長くすることで、操作部材 2が 非操作位置や中間停止位置であることも検出できる。
[0095] 以上のように、実施の形態 2のスィッチ装置は、上下端部において開放した中空形 状を呈し、上端部から一部が外部に露出するとともに軸方向に往復移動する操作部 材、下端部力 接続端子を外部に露出させた接点機構、及び、前記操作部材に連 動するガイド部材を収納し、前記ガイド部材が上端側から嵌入する軸方向のガイド孔 、及び、ガイド孔に連続する連続孔を形成したスィッチ本体と、前記スィッチ本体に着 脱自在に固定され、前記連続孔に嵌入する連動部材を前記スィッチ本体の軸方向
に移動自在に備え、この連動部材の移動によって開閉する補助接点機構を収納した 補助接点ユニットとからなる。
[0096] また、スィッチ本体は、中空形状を呈し、前記本体の上端から一部が外部に露出す るととも非操作位置と最大操作位置との間において本体の軸方向に往復移動自在 にされた操作部材と、前記本体の下端から接続端子を外部に露出させた接点機構と 、前記操作部材に連動するガイド部材と、を内部に収納し、前記ガイド部材が上端側 力 嵌入する軸方向のガイド孔、及び、前記ガイド孔に連続する連続孔を備える。
[0097] また、補助接点ユニットは、スィッチ本体の外周面に該スィッチ本体に外嵌して固 定され、前記スィッチ本体の連続孔に嵌入する連動部材を前記スィッチ本体の軸方 向に移動自在に備え、この連動部材の移動によって開閉する補助接点機構を収納 する。
[0098] かかる構成のスィッチ装置においては、スィッチ本体の外周面に補助接点ユニット が着脱自在に固定される。補助接点ユニットにはスィッチ本体の軸方向に移動自在 にされた連動部材、及び、連動部材の移動によって開閉する補助接点機構が備えら れており、連動部材はスィッチ本体の連続孔に嵌入する。連続孔は、スィッチ本体内 で操作部材に連動するガイド部材が嵌入したガイド孔に連続している。したがって、 操作部材の移動はガイド部材を介して連動部材に伝わり、操作部材の移動に応じて 補助接点機構が開閉する。
[0099] スィッチ本体の外周面に補助接点ユニットを装着した際に、補助接点ユニット内で 補助接点機構を動作させる連動部材が、スィッチ本体内で操作部材に連動するガイ ド部材が嵌入しているガイド孔に連続した連続孔に嵌入するようにしたことにより、ス イッチ本体の外周面に補助接点ユニットを装着するか否かに応じて、操作部材の動 作に連動して開閉する補助接点機構を付加又は削除することができる。これによつて 、接点機構としての機能が同一であって補助接点機構を備えたものと補助接点機構 を備えていなレ、ものとの 2種類のタイプを準備する必要をなくし、在庫管理を簡略化 すること力 Sできるとともに、操作盤への取付後における補助接点機構の必要性の変 化に容易に対応することができる。
図面の簡単な説明
[0100] [図 1]この発明の実施形態 1に係るスィッチ装置の構成を示す平面断面図、正面断面 図及び側面断面図である。
[図 2]上記スィッチ装置において操作部材が非操作位置力 中間停止位置を経て最 大操作位置まで移動する間の各位置における内部状態を示す図である。
[図 3]上記スィッチ装置において操作部材が最大操作位置力 中間停止位置を経て 非操作位置まで移動する間の各位置における内部状態を示す図である。
[図 4]この発明の実施形態 1の変形例に係るスィッチ装置の構成を示す正面断面図 である。
[図 5]この発明の実施形態 1に係るスィッチ装置における操作部材の位置と操作力と の関係を示す図である。
[図 6]この発明の実施形態 2に係るスィッチ装置の構成を示す正面断面図、側面断面 図及び低面図である。
[図 7]上記スィッチ装置に適用される補助接点ユニットの平面図、正面図、側面図及 び底面図である。
[図 8]上記補助接点ユニットの図 2における A— B部、 C一 D部及び E— F部の断面図で ある。
[図 9]この発明の実施形態 2の変形例に係るスィッチ装置の構成を示す正面断面図、 側面断面図及び底面図である。
[図 10]上記変形例に係るスィッチ装置に適用される補助接点ユニットの構成を示す 平面図、正面図、側面図、底面図、 A' -Β' 部断面図及び - D' 部断面図であ る。
符号の説明
[0101] 1 本体、 2 操作部材、 3 伝達部材、 4 当接部材、 5 従動部材、 6 ガイド部材、
7 第 1のコイルバネ、 8 第 2のコイルバネ、 9 第 3のコイルバネ、 10 スィッチ装置、 11 , 12 マイクロスィッチ (接点機構)、 11a, 12a 可動接点、 23 連動部材、 110 スィッチ本体、 120 補助接点ユニット。