WO1998029783A1

WO1998029783A1 - Toner pour developpement d'image electrostatique, contenant de la resine a base de polyolefine a structure cyclique

Info

Publication number: WO1998029783A1
Application number: PCT/JP1997/004848
Authority: WO
Inventors: Toshimi Nishioka; Junichi Fukuzawa; Toru Nakamura; Satoshi Arai; Takuya Hoga; Masayuki Arai; Horst-Tore Land; Frank Osan; Thomas Wehrmeister
Original assignee: Ticona Gmbh
Priority date: 1996-12-26
Filing date: 1997-12-25
Publication date: 1998-07-09
Also published as: AU7892698A; TW408252B; US20030152858A1; CA2277177C; EP0978766A1; DE69737512T2; CN1117293C; JP3588213B2; JP2000284528A; EP0978766B1; US7049040B2; KR20000069746A; CA2277177A1; CN1242085A; EP0978766A4; DE69737512D1; KR100474450B1

Description

明細書環状構造を有するポリオレフイン樹脂を含む静電荷像現像用トナー本発明は、静電荷像現像用トナーに関し、詳しくは、乾式一成分磁性トナー、乾式一成分非磁性トナー、乾式二成分トナー、乾式重合トナー、液乾式トナー及び液体トナーを定着させる際、トナースベント防止効果、定着性、透明性の良好な且つ画像鮮明性に優れたトナーに関するものである。

また、本発明は、複写機、プリン夕一、ファックス、カラ一複写機、カラ一レ —ザ一複写機、カラ一レーザープリンター、電子写真式高速印刷機に応用される前記トナーに関するものである。

静電荷像現像式複写機及びプリンターに関しオフィスオートメーション化の広がりを背景に高品位な即ち鮮明且つ、光透過性、定着性の良い複写画像の要請が益々高まりつつある。

こうした状況下、発明者らは、本願出願時に未公開の特願平 7年第 3 5 4 0 6 3号（平成 7年 1 2月 2 9日出願）により、加熱ローラ一定着型静電荷像現像式複写機及びプリンターのトナー用結着樹脂として、環状構造を有するポリオレフィン樹脂を用いることにより、しかも高粘度の前記ポリオレフィン樹脂を結着樹脂全体中に 5 0重量％未満含有させることにより、前記問題点が解決又は改善され、定着性、光透過性、耐スベントトナー性に優れた鮮明な高品質の複写画像を得ることができ、特にカラ一トナーに使用したときにその特徴が発揮されることを述べた。

しかし乍ら、前記発明に於いては、実用化に供される充分広い非オフセット温度幅が得難く、更には複写速度の更なる高速化に対応すべく、高速時での十分な定着性が得られ難い欠点があった。

又、トナー像を普通紙もしくは O H Pフィルム等に定着する際に、加熱ローラ —定着、加熱ベルト定着、圧力定着、輻射放熱定着、フラッシュ定着など各種定着方法が採用されているが、近年エナジースター規制に象徴される省エネルギーの要請が高まり、低温度、低圧力で定着可能なトナーの開発要請が強まっている。その為従来のスチレン ·アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、或は特願平 7年第 3 5 4 0 6 3号に記載された環状構造を有するポリオレフィン樹脂の熱特性、機械特性では現状以下の低温度、低圧力に対応が不可能であり、それら樹脂の熱特性を改良すると他方でトナーの保存安定性が劣化する欠点があった。

因みに、静電荷像現像式複写機及びプリン夕一におけるトナーの一般的な処方は表一 1に示される。

_ (表 1 ) トナーの一般的処方（単位：重量％ )

本発明の課題は、特願平 7年第 3 5 4 0 6 3号で達成された効果に加え、実用化に供される充分広い非オフセット温度幅を示し、高速複写の際でも十分な定着性を達成でき、その結果として静電荷像現像式複写機及びプリン夕一の複写画像のより高品位な、即ち定着性、光透過性、鮮明性に優れた乾式二成分系、乾式非磁性一成分系、乾式磁性一成分系、乾式重合系、液乾式系、及び液体トナー現像剤におけるトナーを提供することである。この課題は、結着樹脂として少なくとも環状構造を有するポリオレフィン樹脂を含み、この環状構造を有するポリオレフイン樹脂は G PCにより測定した数平均分子量（Mn) が 7500未満の範囲の樹脂または樹脂フラクションと、前記数平均分子量が 7500以上の範囲の樹脂または樹脂フラクションとで組成されており、しかもこの環状構造を有するポリオレフイン樹脂のうち、極限粘度（i. v. ) ≥0. 25dl/gで、 D I N 5346 1— B法による熱変形温度（HD T) が 70°C以上であって、かつ GP C法による測定において数平均分子量（Mn) が 7500以上で重量平均分子量（Mw) が 1 5000以上の樹脂または樹脂フラクシヨンが、該結着樹脂全体に対し、 50重量％未満含まれることを特徴とする結着樹脂を使用することによって解決される。

従って本発明は、結着樹脂、着色剤、機能付与剤（一般的には離型剤としてのワックス）および電荷調整剤を主成分とする静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が前記環状構造を有するポリオレフィン樹脂を前記条件で含むことを特徵とする静電荷像現像用トナーに関する。

ここで用いる環状構造を有するポリオレフイン樹脂は、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等の α—ォレフィン（広義には非環式ォレフイン）とシクロへキセン、ノルポルネン、テトラシクロドデカン（TCD) およびジシクロペンタジェン（DCPD) の様な少なくとも一つの二重結合を持った環式およびまたは多環式化合物との共重合体であり、無色透明でかつ高い光透過率を有する。この環状構造を有するポリオレフイン樹脂は、例えばメタ口セン触媒、チグラー系触媒およひメタセシス直合（me t a t h e s e ρ ο 1 yme r i ζ a t i ο n) 、すなわち二重結合開放（d o u b l e b o nd o p e n i n g) —および開環重合反応、のための触媒を用いた重合法により得られた重合物である。この環状構造を有するポリオレフイン樹脂の合成例としては特開平 5— 339 327号公報、特開平 5— 9223号公報、特開平 6— 27 1628号公報、ョ —口ツバ特許出願公開（A) 第 203799号明細書、同第 407870号明細書、同第 283 1 64号明細書、同第 1 56464号明細書および特開平 7— 2 533 1 5号公報などに開示されている。これらによると、シクロォレフインの 1種類以上のモノマ一を場合によっては 1種類の非環式ォレフィン—モノマーと一 78〜 1 50°C、特に好ましくは 20〜80°Cおよび圧力 0. 0 1〜64バールでァルミノキサンなどの共触媒と例えばジルコニゥムあるいはハフニルムより成るメタ口センの少なくとも 1種類から成る触媒の存在において重合することにより得られる。他の有用な重合体はヨーロッパ特許出願公開（A) 第 3 1 726 2号に記載されており、水素化重合体およびスチレンとジシクロペンタジェンとの共重合体も使用できる。

脂肪族一または芳香族炭化水素の不活性炭化水素にメタロセン触媒が溶解された状態は、メタ口セン触媒が活性化されるため、例えばメタ口セン触媒をトルェンに溶かし、溶剤中で予備活性および反応が行われる。

COCの重要な性質は軟化点、融点、粘度、誘電特性、アンチオフセット -ゥインドウ（a n t i o f f s e t w i n d ow) および透明度である。これらはモノマー/コモノマー、コポリマ一中のモノマー相互の比、分子量、分子量分布、ハイブリッドポリマー、ブレンドおよび添加物の選択によって有利に調整することができる。

また、非環式ォレフインとシクロォレフインの反応仕込モル比は、目的とする環状構造を有するポリオレフィン樹脂により、広い範囲で変化させることができ、好ましくは 50 ： 1〜 1 ： 50で、特に好ましくは 20 ：：!〜 1 ： 20に調整される。

共重合成分が非環式ポリオレフィンとしてエチレン、シクロォレフインとしてノルポルネンの計 2種類の化合物を仕込んで反応させる場合、反応生成物の環状ポリオレフイン樹脂のガラス転移点（Tg) は、これらの仕込割合に大きく影響され、ノルポルネンの含有量を増加させると、 T gも上昇する傾向にある。例えばノルポルネンの仕込組成比を約 60重量％にすると、 Tgはほぼ 60〜70°C となる。

数平均分子量の如き物性値は、文献から公知の様に調整される。

本発明で使用される無色透明で光透過率の高い環状構造を有するポリオレフィン樹脂は、 GPCにて測定した数平均分子量が 7500未満、好ましくは 1 00 0から 7500未満、より好ましくは 3000から 7500未満、重量平均分子量が 1 5000未満、好ましくは 1 000から 1 5000未満、より好ましくは 4000〜 1 5000未満の範囲にあり、 i . v. (極限粘度）が < 0. 2 5 d 1 /gであり、 Tgが好ましくは <70°Cである低粘度の樹脂、と GPC法にて測定した数平均分子量が 7500以上、好ましくは 7500から 50000、重量平均分子量が 1 5000以上、好ましくは 50000から 500000の範囲にあり、 v. が≥0. 25 d 1 Zgである高粘度の樹脂との混合物であってもよいし、あるいはピークが一つの分子量分布を持ち、 7500未満の数平均分子量を有する樹脂フラクションと 7500以上の数平均分子量を有する樹脂フラクシヨンとを持つか、あるいは二つ以上のピークがあり、その内の少なくとも 1 つのピークを持つ樹脂フラクションが 7500未満の数平均分子量を有しそして他のピークを持つ樹脂フラクションが 7500以上の数平均分子量を持っていてもよい。ここで樹脂フラクションとは、該環状構造を有するポリオレフイン樹脂が種々の数平均分子量等異なる成分の混合物で構成されている場合は、混合前の各樹脂成分で、それ以外の場合は最終合成生成物を GP C法等の適当な手段によつて、分別した樹脂区分を言う。なおここで、これらの樹脂フラクションが単分散あるいは単分散に近い場合、 Mnが 7500というのは Mwが 1 5000にほぼ相当する。

環状構造を有する高分子量低分子量のポリオレフイン樹脂は、前記の数平均分子量 Mn、重量平均分子量 Mw、極限粘度 i . v. を有するため、分子量分布の分散度をあらわす尺度として用いられる MwZMnが 1〜2. 5と小さいこと、即ち単分散および単分散に近いために、ヒ一トレスポンス性が速く、定着強度の強いトナーが製造でき、低温度、低圧力で定着可能となるだけでなく、トナーの保存安定性、スペントトナー性や帯電量分布の均一性や帯電 ·除電効率の一定化を示す電気安定性に寄与している。ここで、特に低粘度の該樹脂が単分散あるいは単分散に近い場合、瞬時に溶融、凝固挙動を示す等のいわゆるトナーとしてのヒートレスポンス性がより優れたものとなり好ましい。

また前記の高一および低粘度の環状構造を有するポリオレフィン樹脂は、無色透明でかつ高い光透過性を有するもので、例えばァゾ系顔料パ一マネントルビン F 6 B (へキスト社製）を添加し、充分に混練の後、プレス機によりシート化したものも、透明性に優れていることが確認されたので、カラートナーへも充分に応用が可能である。また当該樹脂は D S C法による測定では融解熱が非常に小さく、定着のためのエネルギー消費量が大幅に節減されることも期待できる。また、高粘度の環状構造を有するポリオレフイン樹脂は、前記の物性を有するため、低粘度の同樹脂の場合と比較して、トナーに構造粘性を付与し、それによりオフセット防止効果、紙やフィルム等被複写基材への接着性を向上させる。ただし、該高粘度樹脂の使用量は結着樹脂全体に対して 5 0重量％以上となると均一混練性が極度に低下してトナー性能に支障をきたす。つまり、高品位、即ち定着強度の高く、ヒートレスポンスに優れた鮮明な画像が得られなくなる。本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂が少なくとも環状構造を有するポリオレフィン樹脂を含み、しかも前述の低粘度と高粘度の両方を有する前記ポリォレフィン樹脂を用いることにより、非オフセット温度幅が高温、低温両側に広がり、高速複写時の定着性が向上し、且つ、低温、低圧の定着性が同時に改善される。

非オフセット温度幅を低温側に広げるためには、数平均分子量が 7 5 0 0未満の低粘度の前記ポリオレフイン樹脂が寄与し、非オフセット温度幅を高温側に広げるためには、数平均分子量が 7 5 0 0以上の高粘度の前記ポリオレフィン樹脂が寄与するが、ここで、非オフセット温度幅をより効果的に高温側に広げるためには、数平均分子量が 2 0， 0 0 0以上の高粘度の前記ポリオレフイン樹脂の存在が好ましい。結着樹脂全体に対する環状構造を有するポリオレフィン樹脂の数平均分子量が 7 5 0 0未満、そして 7 5 0 0以上の分子量範囲の含有割合は好ましくは両者とも、結着樹脂全体を 1 0 0重量部とした時に、 0 . 5重量部以上、より好ましくは両者とも 5重量部以上である。なお、ここで両者とも 0 . 5重量部未満の含有量であると、実用的な広いオフセット温度幅が得られ難い。

また、数平均分子量 7 5 0 0未満の低粘度の前記ポリオレフィン樹脂と数平均分子量 2 5 , 0 0 0以上の高粘度の前記ポリオレフイン樹脂からなる環状構造を有するポリオレフイン樹脂の場合、これら低、高粘度成分の樹脂の相溶性を高めるために、数平均分子量 7 5 0 0以上 2 5 , 0 0 0未満の中粘度の環状構造を有するポリオレフィン樹脂を添加することが連続的に非オフセット巾を持たらす点で有効であることが判明した。つまり、結着樹脂が少なくとも環状構造を有するポリオレフィン樹脂を含み、この環状構造を有するポリオレフィン樹脂類が G P Cにより測定した M nが 7 5 0 0未満、 7 5 0 0以上 2 5， 0 0 0未満および 2 5 , 0 0 0以上の 3つの各分子量範囲の樹脂または樹脂フラクションより成る場合も本発明の有利な実施形態である。ここで、前記各分子量範囲を構成する樹脂フラクションとしては、 1つ或いは 2つのピークを持つ分子量分布を有する樹脂が M n表示で前記 3つの各分子量範囲のフラクションに分けられる場合でも良いし、混合等により 3つ以上のピークを持つ分子量分布の樹脂が前記各分子量範囲にそれぞれ少なくとも 1つの分子量ピークを持つ場合でもよい。

相溶性を高めるため中粘度の前記ポリオレフィン樹脂または樹脂フラクションの割合は、結着樹脂全体を 1 0 0重量部とした場合に、 1重量部以上が好ましく、より好ましくは 5重量部以上である。

本発明においては、 M nが 7 5 0 0未満と 7 5 0 0以上の両方の範囲の樹脂または樹脂フラクションで組成されるポリオレフイン樹脂と他の樹脂を混合して結着樹脂として用いたトナーも、高品位、即ち定着強度に優れ、鮮明な画像を実現する。ここで他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフイン系樹脂、酢酸ビニル系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、スチレン一ァクリル樹脂、または他のアクリル系樹脂のいずれか 1つあるいは上記の各ポリマーの混合物またはハイブリッドポリマーがある。この場合、結着樹脂中における環状構造を有するポリオレフィン樹脂とその他の樹脂との使用割合は、結着樹脂全体を 1 0 0重量部とした場合、前者を 1〜 1 0 0、好ましくは 2 0〜9 0、更に好ましくは 5 0〜 9 0重量部、後者は 9 9〜0、好ましくは 8 0〜 1 0、更に好ましくは 5 0〜 1 0重量部とするのが好ましい。前者を 1重量部未満とした場合には、高品位画像を得ることが困難になる。

環状構造を有するポリオレフイン樹脂にカルボキシル基を導入することにより、他の樹脂との相溶性を良くしたり、顔料の分散性を向上させることができる。更に複写基材である紙やフィルムとの接着性を向上せしめ、定着性の増大がもたらされる。先ず最初に環状構造を有するポリオレフイン樹脂を重合し、その次に力ルポキシル基を導入するという二段階の反応方法が有利である。このカルボキシル基を該樹脂に導入する方法は少なくとも 2つある。 1つは溶融空気酸化法で樹脂の末端にあるメチル基などのアルキル基を酸化し、カルポキシル基とするものである。ただし、この方法ではメタ口セン触媒により合成された環状構造を有するポリオレフィン樹脂の場合、枝分かれがほとんどないので、多くの力ルポキシル基を導入することは困難である。他の方法は該樹脂に過酸化物を加え、発生したラジカルの部分に無水マレイン酸、そのエステル、その誘導体、アミドおよび他の極性の不飽和化合物を反応させるものである。この方法の場合、理論的には多くの力ルポキシル基を該樹脂上に導入することが可能であるが、導入割合が多くなると樹脂が黄変し、透明性が悪くなる。よって用途をトナ —と限定した場合、該樹脂に対し重量比で 1〜 1 5 % の無水マレイン酸を導入するのが好ましい。水酸基、アミノ基を既知の方法により導入することによつても、同様な向上が実現できる。

また、トナーの定着性を向上させるために、環状構造を有するポリオレフイン樹脂に架橋構造を導入することができる。この架橋構造を導入する方法の 1つは、非環式ォレフイン類、シクロォレフイン類とともに、ノルポルナジェン、シク口へキサジェン等のジェンモノマーを加え反応させ、三元の環状構造を有するポリオレフインを得ることによる。この方法により、該樹脂は架橋剤なしでも活性を示す末端を有し、酸化、エポキシ化等公知の化学反応によりあるいは架橋剤を加えることにより架橋構造を有することにより機能化される。

他の方法は、上述の力ルポキシル基を導入した環状構造を有するポリオレフィン樹脂に亜鉛、銅、カルシウム等の金属を添加し、次いでスクリユー等で混合溶融し、樹脂中に均等に微細粒子として分散させアイオノマ一とすることにより架橋構造を与えることである。アイオノマーの技術自体は、例えば靱性を得る目的で、部分的にまたは完全に中和されて二価の金属塩の形態となることができる力ルポキシル基を含むエチレンの夕一ポリマーが開示（米国特許第 4， 6 9 3 , 9 4 1号明細書）され、特表平 6— 5 0 0 3 4 8号公報には、同じ目的において、不飽和カルボン酸のアイオノマ一を含むポリエステル樹脂成形体をそのカルボン酸基の約 2 0〜8 0 % を亜鉛、コバルト、ニッケル、アルミニウムまたは銅（I I ) で中和したものが報告されている。本発明のトナーでは、オフセット防止性を高めるために、公知の機能付与剤を用いるが、さらにこの性能を改善するため、ワックスの添加が有効であると判明した。ここで極性ワックスとして、アミドワックス、カルナバワックス、高級脂肪酸およびそのエステル、高級脂肪酸金属石鹼、部分ケン化高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール、非極性ワックスとしてポリオレフインワックス、パラフィンワックスから選ばれる少なくとも 1種類のワックスを機能付与剤として用いることができる。

即ち、極性ワックスは、非極性である前記ポリオレフイン樹脂に対し、極性の違いにより外滑として働き、又、非極性のポリオレフインワックスなどは、主にその分子量の低さに起因する表面易移行性のために外滑として機能して、非オフセット性の向上に寄与するものと考えられる。

本発明の静電荷像現像用トナーは、上記結着樹脂に着色剤と電荷調整剤および機能付与剤と必要に応じてその他の添加剤を加え、従来公知の方法、例えば押出成形、混練り、粉砕、分級等の方法によって得ることができ、更に流動化剤、滑剤などが添加される。

この場合、着色剤としては、力一ボンブラック、ジァゾイエロ一、フタロシアニンブル一、キナクリドン、力一ミン 6 B、モノァゾレッド、ペリレン等、従来公知のものを使用することができる。

また、電荷調整剤としては、ニグ口シン染料、脂肪酸変性ニグ口シン染料、含金属ニグ口シン染料、合金属脂肪酸変性ニグ口シン染料、 3 , 5—ジー第三プチル—サリチル酸のクロム錯体、四級アンモニゥム塩、トリフエニルメタン染料、ァゾクロム錯体等、従来公知のものを使用することができる。

更に、本発明のトナーには、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等の流動化剤や、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩からなる滑剤を添加することもできる。

本発明のトナーは乾式一成分磁性トナー、乾式一成分非磁性トナー、乾式二成分トナー、乾式重合トナー、液乾式トナーおよび液体トナーとして使用することができる。更に、本発明は、複写機、プリンター、ファックス、電子写真式高速印刷機にまたフルカラートナーとしてカラ一複写機、カラーレーザー複写機、力ラ一レーザープリン夕一に応用できる。

実施例

以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

本発明で使用される環状構造を有するポリオレフィン樹脂についての物性の測定法は以下の通りである：

分子量測定のための GP C測定条件

分子量換算方法標準ポリエチレン使用

使用カラム J ORD I -SAEULE 500 X 1 0 L I NEAR 移動相 1, 2—ジクロ口ベンゼン（ 1 35°C)

(流速 0. 5mLZ分）

検出器：示差屈折計

極限粘度の測定法：デカリン 1 0 OmLに該樹脂 1. Og を均等に溶解させたときの、 1 35°Cにおける固有粘度

(トナーの調製方法 1)

乾式非磁性一成分及び乾式二成分系；電荷調整剤（へキスト社製、コピーチヤ —ジ NX) 1重量％、アミドワックス（日本精化社製、 BNT) 4重量％、煙霧質シリカ（ヮッ力一ケミ一社製、 HDK— H 2000) 0. 5重量％、着色剤としてのマゼン夕顔料（へキスト社製、パーマネントルビン F 6 B) 5重量％および結着樹脂としては 89. 5重量％を混合し、二本ロールにて 1 30°Cで溶融混練した後冷却凝固し、それを粗粉砕した後ジエツトミルにより微細化分級した後、平均粒径約 1 O ^m に調製してトナーを作成した。

(トナーの調製方法 2)

乾式磁性一成分系；磁性粉（チタン工業社製、 BL 1 00) 40重量％、電荷調整剤（へキスト社製、コピーチャージ NX) 1重量％、ワックス（日本精化社製、 BNT) 4重量％、煙霧質シリカ（ヮッカーケミ一社製、 HDK— H200 0) 0. 5重量％、体質顔料および構造粘性改良剤としての炭酸カルシウム（白石カルシウム社製） 2. 0重量％および結着樹脂としては 52. 5重量％を混合し、二本ロールにて 1 50°Cで溶融混練した後冷却凝固し、それを粗粉砕した後ジェットミルにより微細化分級した後、平均粒径約 1 0 に調製してトナ一を作成した。

(トナーの調整方法 3)

乾式重合系；電荷調整剤（へキスト社製、コピーチャージ NX) 1重量％、ヮックス（日本精化社製、 BNT) 4重量％、煙霧質シリカ（ヮッカーケミ一社製、 HDK-H 2000) 0. 5重量％、着色剤としてのマゼン夕顔料（へキスト社製、パーマネントルビン F 6 B) 5重量％を結着樹脂の重合時に結着樹脂 89 . 5重量％に相当するモノマー成分に機械分散混合し、界面重合法により平均粒径約 1 0 /iin に調製してトナーを作成した。

(トナーの調整法 4)

液乾式系；乾式重合系の処方で得られたトナー 40重量％と電解液（ェクソン社製、ァイソパー H) 60重量％を混合し、サンドミルにて混練しトナーを作成した。

(トナーの調製方法 5)

液体トナー；着色剤としてカーボンブラック（三菱化学社製、 MA— 7) 1重量部、電荷調整剤（へキスト社製、リフレックスブルー R 5 1 ) 0. 5重量部および結着樹脂としては 98. 5重量部を 40重量％と電解液（ェクソン社製、 7 イソパー H) 60重量％を混合し、サンドミルにて混練しトナーを作成した。表 1 実施例又は卜ナ一の結着樹脂の処方

比較例 No. 調整方法

サンプル No. サンプル No. 量

実施例 1 1及び 3 1 89.5

実施例 2 1及び 3 1 60 2 29.5 実施例 3 1及び 3 1 60 7 29.5 実施例 4 1及び 3 3 89.5

実施例 5 1及び 3 3 60 7 29.5 実施例 6 1及び 3 5 89.5 実施例 7 1 実施例 8 1 実施例 9 実施例 1 0 実施例 1 1 実施例 1 2 実施例 1 3 実施例 1 4 実施例 1 5 実施例 1 6 実施例 1 7 実施例 1 8 実施例 1 9 実施例 2 0 4 実施例 2 1 4 実施例 2 2 4 実施例 2 3 4 実施例 2 4 4 実施例 2 5 4 実施例 2 6 4 実施例 2 7 4 実施例 2 8 4 実施例 2 9 4 実施例 3 0 4 比較例 1 1 比較例 2 1

比較例 3 2 7 52.5

比較例 4 2 8 52.5

比較例 5 4及び 5 7 39.4

比較例 6 4及び 5 8 39.4 表 2に本発明に使用した環状構造を有するポン樹脂の基本物性を示す。

表 2 ：基本物性

Tg ガラス転移点

サンプル No. 1 (MT 845) No. 2 (MT 854) No. 9 (MT 849) は環状構造を有するポリオレフイン樹脂であり、それぞれ低粘度、高粘度、中粘度のものである。

サンプル No. 3 (T- 745' -MO) ：エチレン、ノルポルネンの二元共重合体であるサンプル No. 1 0 (T- 745) に過酸化物と T— 745に対し重量比で 7% の無水マレイン酸を反応させ、カルボキシル基を導入したもの。

サンプル No 5. (T- 745' -CD 、力ルポキシル基を導入したサンプル No. 3 (T- 745' —MO) の力ルポキシル基の約 70 % を亜鉛で中和し、アイオノマ一としたもの。

タフトン NE 2 1 55 : T g = 65 °C

MC 1 00 : Tg=69。C、 Mw= 53000、 Mn= 23000、

Mw/Mn=2. 3

上記トナー調製法 1、 2、 3にて調製されたトナーを市販の電子写真複写機（キャノン社製 PC 100) に入れて性能試験を行った。

次にトナー調製法 4、 5にて調製されたトナーを市販の電子写真複写機（リコ一社製 FT400 i ) に入れて性能試験を行った。その結果を表 3にまとめて示した。

表 3 定着性画像鮮明度光透過性非オフセトナー性ット性

10枚/ 細線グレー

分解像力スケール 624nm 実施例 1 〇〇〇〇〇 Δ 実施例 2 〇〇〇〇〇〇実施例 3 〇 Δ Δ Δ Δ Δ 実施例 4 ◎ 〇〇〇〇 Δ 実施例 5 ◎ 〇〇〇〇 Δ 実施例 6 ◎ 〇実施例 7 ◎ 〇実施例 8 ◎ ◎ 実施例 9 o Δ 実施例 1 0 〇 o 実施例 1 1 o Δ 実施例 1 2 〇 Δ 実施例 1 3 ◎ Δ 実施例 1 4 ◎ Δ 実施例 1 5 ◎ Δ 実施例 1 6 ◎ o 実施例 1 7 ◎ o 実施例 1 8 ◎ o 実施例 1 9 ◎ ◎ 実施例 2 0 〇 Δ 実施例 2 1 o o 実施例 2 2 〇 Δ 実施例 2 3 〇 Δ 実施例 2 4 ◎ Δ 実施例 2 5 ◎ △ 実施例 2 6 ◎ Δ 実施例 2 7 ◎ 0 実施例 2 8 ◎ ο 実施例 2 9 ◎ ο 実施例 3 0 ◎ ◎ 比較例 1 X X 比較例 2 X X 比較例 3 X X 比較例 4 X X

比較例 5 X 〇〇 X X 比較例 6 X 〇〇 X X 実施例 1〜8、 20〜30および比較例 1、 2、 5、 6においては、 2通りのトナ一調整方法を用いているが、卜ナ一組成および樹脂骨格が共通であるため、評価項目での結果は同一である。

評価方法と判定基準

1) 定着性

それぞれの処方にて調製したトナーを用い、複写速度と定着温度とを 10枚 Z 分、 1 10〜 140°Cの範囲でいずれも 1 0°C刻みで再生紙に複写した試料をサザ一ランド社製の耐磨耗性試験機を利用して消しゴムで 1 0回摩擦した。その際の荷重は 40 gZcm² であった。その試料をマクベス式反射濃度計にて印字濃度を測定した。各温度での測定値が 1つでも 65 %未満であった場合を X、 65 以上 75 %未満を△、 75 %以上 8 5 %未満を〇、 85 %以上を◎とした。

2) 画像鮮明度

それぞれの処方にて調整したトナーを用いて再生紙に複写した資料をデ一タクエスト社製の画像見本によって測定した。複写画像の細線解像力及びグレースケールを判定基準とし、細線解像力が 200ドット/インチ以下を X、 20 1〜3 00ドット Zインチを△、 30 1 ドット Zインチ以上を〇とした。また、グレースケールに関しては画像見本と複写画像との間の反射濃度比が各グレースケールのステップ毎で 65 %未満を X、 65以上 75%未満を△、 75 %以上を〇とした。

3) 光透過性

実施例、比較例の処方にて調整したマゼンタ色トナーを用い、各々膜厚 1 00 m のシート状サンプルを作成した。当該シートサンプルの光透過性を 624 n mにピークを持つ分光フィル夕一を用い測定した。 624 nmにおける透過率 8 %未満を X、 8以上 1 1 %未満を△、 1 1 %以上を〇とした。

4) 耐スベントトナ一性

現像剤ポックスの中に実施例、比較例に記載したトナーとパゥダーテック社製フェライトキャリアーを所定量入れ、 1週間撹袢 ·摩擦処理したトナー付着キヤリア一を 5 g計り取る。それを石鹼水に入れて、静電気にて表面付着したトナーを除去し、マグネットにてキャリアー磁性粉のみを取り出す。その磁性粉をァセトン中に浸漬し、表面融着のスベントトナーを溶解除去し、浸漬処理前後の重量変化が 0. 2 %以下を〇、 0. 2〜0. 5%を△、 0. 5%以上を Xとした。

5) 非オフセッ卜性

それぞれの処方にて調製したトナーを用い、複写速度と定着温度とを 1 0枚 Z 分、 90〜1 80°Cの範囲でいずれも 1 0°C刻みで再生紙に複写した試料の非画像部分の印字濃度をマクベス式反射濃度計で測定した。印字濃度が 0. 2以下（紙の印字濃度 =0. 1 5) の時を非オフセットとし、非オフセットの上下限温度差が、 0 を、 1一 20°Cを△、 2 1—40°じを〇、 40°C以上を◎とした。

Claims

請求の範囲

1 . 結着樹脂、着色剤、機能付与剤および電荷調整剤を主成分とする静電荷像現像用トナ一において、該結着樹脂が少なくとも環状構造を有するポリオレフィン樹脂を含み、この環状構造を有するポリオレフィン樹脂は G P Cにより測定した数平均分子量（M n ) が 7 5 0 0未満の範囲の樹脂または樹脂フラクションと、前記数平均分子量が 7 5 0 0以上の範囲の樹脂または樹脂フラクションとで組成されており、しかもこの環状構造を有するポリオレフイン樹脂のうち、極限粘度（i. v. ) ≥ 0 . 2 5 d l/gで、かつ G P C法による測定において数平均分子量（ M n ) が 7 5 0 0以上で重量平均分子量（Mw) が 1 5 0 0 0以上の樹脂または樹脂フラクションが、該結着樹脂全体に対し、 5 0重量％未満含まれることを特徴とする静電荷像現像用トナー。

2 . 環状構造を有するポリオレフイン樹脂 1〜 1 0 0重量部に、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフイン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレンアクリル樹脂、又は他のアクリル系樹脂のいずれか 1つ又はその混合物からなる他の樹脂を 9 9〜0重量部配合した結着樹脂であることを特徴とする請求項 1記載の静電荷像現像用トナー。

3 . 環状構造を有するポリオレフイン樹脂が少なくとも 1つの極性の官能基を持つ請求項 1または 2に記載の静電荷像現像用トナー。

4 . 環状構造を有するポリオレフイン樹脂が力ルポキシル基、水酸基およびァミノ基より成る群から選択される少なくとも 1つの極性の官能基を持つ請求項 3 に記載の静電荷像現像用トナー。

5 . 環状構造を有するポリオレフイン樹脂が、アイオノマ一である請求項 1〜 4項の何れか一つに記載の静電荷像現像用トナー。

6 . 環状構造を有するポリオレフイン樹脂が、架橋された構造を有するものであることを特徴とする請求項 1〜 4の何れか一つに記載の静電荷像現像用トナー

7 . 環状構造を有するポリオレフイン樹脂が、ジェン、エステル、アミド、スルフィドまたはエーテルによって架橋された構造を有する請求項 6に記載の静電荷像現像用トナー。

8. 少なくとも 1種類の極性ワックスを機能付与剤として用いる請求項 1〜7 の何れか一つに記載の静電荷像現像用トナー。

9. アミドワックス、カルナバワックス、高級脂肪酸及びそのエステル、高級脂肪酸金属石鹼、部分ケン化高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコールから選ばれた少なくとも 1種類の極性ワックスを機能付与剤として用いる請求項 8に記載の静電荷像現像用トナー。

10. 少なくとも 1種類の非極性ワックスを機能付与剤として用いる請求項 1 〜 7の何れか一つに記載の静電荷像現像用トナ一。

1 1. ポリオレフィンワックスまたはパラフィンワックスから選ばれた少なくとも 1種類の非極性ヮックスを機能付与剤として用いる請求項 1 0に記載の静電荷像現像用トナー。

12. 結着樹脂を構成する環状構造を有するポリオレフイン樹脂が、 GP Cにより測定した数平均分子量（Mn) で 7500未満、それ以上で 2 5, 000未満および 25, 000以上の 3つ以上の分子量範囲を持つ樹脂または樹脂フラクシヨンを含有する請求項 1〜 1 1の何れか一つに記載の静電荷像現像用トナー。

1 3. 0. 5〜 5重量％の電荷調整剤、 1〜 1 0重量％のワックス、 0. 1〜 2重量％の煙霧質シルカ、 1〜 1 0重量％の顔料および 85〜95重量％の結着樹脂を含有する 30〜50重量％の固形分含有量の重合系と 50〜70重量％の電解質溶液を含有する液乾式系。

14. 0. 5〜： L. 5重量％のカーボンブラック、 0. 5〜1. 5重量％の電荷調整剤および 85〜95重量％の結着樹脂を含有する 30〜50重量％の混合物と 50〜70重量％の電解質溶液を含有する液体トナー。