JPH07225490A - 架橋ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

架橋ポリマー粒子およびその製造方法

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JPH07225490A
JPH07225490A JP6037892A JP3789294A JPH07225490A JP H07225490 A JPH07225490 A JP H07225490A JP 6037892 A JP6037892 A JP 6037892A JP 3789294 A JP3789294 A JP 3789294A JP H07225490 A JPH07225490 A JP H07225490A
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crosslinked polymer
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particles
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JP6037892A
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English (en)
Inventor
Toru Masukawa
亨 増川
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂の改質、トナーの流動性改良、樹脂フィ
ルムのブロッキング防止性、易滑性、摺動特性などに優
れ、かつ層状剥離、ドロップアウトが改良された架橋ポ
リマー粒子およびその製法を得る。 【構成】 粒子表面にフッ素含有重合体を有し、かつ平
均粒子径が0.01μm〜10μmにあることを特徴と
する架橋ポリマー粒子ならびに架橋性単量体を10重量
%以上含有する重合性単量体を重合して得られた重合体
粒子(A)100重量部の存在下でフッ素含有単量体と
からなる単量体を0.1〜900重量部重合することを
特徴とする請求項1記載の架橋ポリマー粒子の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂の改質、トナーの流
動性改良、樹脂フィルムのブロッキング防止性、易滑
性、摺動特性などに優れ、かつ層状剥離、ドロップアウ
トが改良された架橋ポリマー粒子およびその製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粒子径が0.01μm〜10μmの範囲
にある架橋ポリマー粒子は、樹脂改質剤、トナーの流動
性改良、樹脂フィルムのブロッキング防止剤、フィルム
の易滑剤、スペーサー、標準粒子、抗原抗体反応検査粒
子、感熱紙の走行性安定剤、化粧用添加剤、レオロジー
コントロール剤、低収縮化剤などに有用であり使用され
ている。この範囲の架橋ポリマー粒子は、通常、懸濁重
合方法で製造することができる。また特別な乳化重合方
法(特開平1−315454)によって製造することが
できる。
【0003】しかしながら、これらの粒子は樹脂に添加
した場合、成形加工中流動性が悪く、樹脂と金型の間で
こすれ成形品の表面に傷、層状剥離を起こすことが多か
った。またこれらの粒子は、樹脂フィルムに添加した場
合、フィルム製造時または取り扱い時にフィルム表面に
傷、しわが発生し、そのため添加した粒子がフィルムか
ら脱落する、いわゆるドロップアウトと呼ばれる現象が
おき、品質低下の原因となった。これらは、粒子表面の
耐摩耗性、潤滑性が欠けているために起こる現象であ
り、そこで粒子表面の耐摩耗性、潤滑性を改良するため
に、従来は潤滑剤などを添加する方法が行なわれたが、
その改良効果は十分でなく、また多量に用いると樹脂の
機械的物性の低下、耐熱性の低下、そしてブリードして
樹脂表面を汚すという問題があった。したがって、これ
らの問題を解決した架橋ポリマー粒子が求められてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、従来の技
術的課題を背景になされたもので、樹脂の改質、トナー
などの流動性改良、ブロッキング防止性、易滑性、摺動
性に優れ、かつ層状剥離、ドロップアップが改良された
架橋ポリマー粒子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒子表面にフ
ッ素含有重合体を有し、かつ平均粒子径が0.01μm
〜10μmにあることを特徴とする架橋ポリマー粒子、
ならびに架橋性単量体を10重量%以上含有する重合性
単量体を重合して得られた重合体粒子(A)100重量
部の存在下でフッ素含有単量体、あるいは他の単量体と
からなる単量体を0.1〜900重量部重合することを
特徴とする請求項1記載の架橋ポリマー粒子の製造方法
を提供する。以下、本発明について、詳細に説明する。
【0006】本発明の架橋ポリマー粒子は、粒子表面に
フッ素含有重合体を有し、かつ平均粒子径が0.01μ
m〜10μmにあることを特徴とする架橋ポリマー粒子
である。本発明の架橋ポリマー粒子は、分子中に重合性
二重結合を含む基を2個以上有する架橋性単量体(以
下、単に「架橋性単量体」という)を10重量%以上含
有する重合性単量体を乳化重合、懸濁重合、分散重合の
重合法、好ましくは乳化重合法で重合して得られた重合
体粒子(A)の表面にフッ素含有重合体、好ましくはフ
ルオロアルキル基を有する重合体を付与することにより
得られる。本発明においてフルオロアルキル基は、直鎖
または分岐鎖状のフルオロアルキル基またはパーフルオ
ロアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜21の直鎖
または分岐鎖状のフルオロアルキル基またはパーフルオ
ロアルキル基である。さらに好ましくは、炭素数6〜2
1の直鎖または分岐鎖状のフルオロアルキル基またはパ
ーフルオロアルキル基である。炭素数が21を超えると
耐熱性が劣る。また炭素数が1未満では、摺動性が十分
でない。本発明においてフルオロアルキル基としては、
ヘプタデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシ
ル基、パーフルオロヘキシルエチル基、パーフルオロヘ
キシルエチル基、パーフルオロオクチルエチル基、パー
フルオロオクチル基、パーフルオロイソノニル基、パー
フルオロイソノニルエチル基などを挙げることができ
る。本発明の粒子表面にフッ素含有重合体を有する架橋
ポリマー粒子とは、重合体粒子(A)の表面に、フルオ
ロアルキル基を有する重合体が部分的または全面に積層
されたもの、あるいは重合体粒子(A)を化学処理する
ことにより重合体粒子(A)の表面を部分的または全面
をフルオロアルキル基に変換させたものである。フルオ
ロアルキル基を有する単量体の積層量は、重合体粒子
(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜90
0重量部、さらに好ましくは1〜300重量部、特に好
ましくは1〜150重量部、最も好ましくは2〜100
重量部である。フルオロアルキル基を有する重合体の量
が0.1重量部未満であると摺動性が劣り、一方900
重量部を超えると耐熱性が劣る。重合体粒子(A)で用
いられる重合性単量体中の架橋性単量体の含有量は10
重量%以上、好ましくは15重量%以上、さらに好まし
くは20重量%以上である。架橋性単量体の含有量が1
0重量%未満であると、樹脂フィルムに添加した場合の
ブロッキング防止性が劣る。
【0007】上記の重合体粒子(A)で用いられる架橋
性単量体としては、ジビニルベンゼンなどの非共役ジビ
ニル化合物、多価アクリレート化合物として下記の化合
物が挙げられ、これらは1種または2種以上で用いられ
る。
【0008】架橋性単量体の具体例としては、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリ
コールジアクリレート、1,6−ブチレングリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポ
リプロピレンジアクリレート、2,2′−ビス(4−ア
クリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2′
−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、メチレンビスアクリルアミドなどのジアクリレート
化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロー
ルメタントリアクリレートなどのトリアクリレート化合
物、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレートなどのテトラアクリレー
ト化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレン
グリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパンなどのメタクリレート
化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメ
タクリレート化合物がなどが挙げられる。
【0009】以上のうち、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート、またはトリメチロールプ
ロパントリメタクリレートを用いることが好ましく、特
に好ましくはジビニルベンゼンである。
【0010】架橋性単量体以外の重合性単量体として
は、下記の化合物が挙げられ、これらは1種または2種
以上で使用される。スチレン、エチルビニルベンゼン、
α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン
などの芳香族モノビニル化合物、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルエチルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエ
チルハイドロジエンフタレート、2−アクロイルオキシ
エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピルアクリレート、グリシジル
アクリレート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリ
レートなどのアクリル酸エステルモノマー、ブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタ
クリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリ
レート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロ
キシプロピルフタレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、N,N′−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステルモノマー、シリコン変
性単量体、マクロモノマー、またはアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノマーまたは
ジカルボン酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリル
アミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーを用
いることができる。
【0011】またブタジエン、イソプレンなどの共役二
重結合化合物や酢酸ビニルなどのビニルエステル化合
物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィ
ン化合物が挙げられる。架橋性単量体以外の重合性単量
体のうち、好ましいものは、スチレン、エチルビニルベ
ンゼン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート、カルボン酸などの官能基を有する単
量体であるが、特にスチレンなどの芳香族モノビニル化
合物が好ましい。
【0012】上記のフルオロアルキル基を有する重合性
単量体としては、式CH2 =CRCOO(CH2 )nR
fで表わされる(メタ)アクリル酸エステル〔式中、R
は水素原子またはメチル基、nは1〜10の整数、Rf
は炭素数1〜21個の直鎖状または分岐鎖状のフルオロ
アルキル基またはパーフルオロアルキル基を示す。〕を
挙げることができる。フルオロアルキル基を有する重合
性単量体の具体例としては、ヘプタデカフルオロデシル
アクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレー
ト、β−(パーフルオロヘキシルエチル)アクリレー
ト、β−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレー
ト、β−(パーフルオロオクチルエチル)アクリレー
ト、β−(パーフルオロオクチル)エチルメタクレリレ
ート、β−(パーフルオロイソノニル)エチルアクリレ
ート、β−パーフルオロイソノニルエチルメタクリレー
トなどを挙げることができる。この他、トリフルオロク
ロルエチレン、フッ化ビニリデン、3フッ化エチレン、
4フッ化エチレン、トリフルオロプロピレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロペンなどを挙げ
ることができる。また、2−パーフルオロヘキシルエタ
ンチオール、2−パーフルオロオクチルエタンチオー
ル、ヨウ素化2−パーフルオロヘキシルエチル、ヨウ素
化2−パーフルオロオクチルエチルを組み合わせて使う
こともできる。また上記フルオロアルキル基を有する重
合性単量体と他の重合性単量体を併用することも可能で
ある。
【0013】具体例としては、前記に掲げたスチレンな
どの重合性単量体、または前記に掲げたジビニルベンゼ
ンなどの架橋性単量体を挙げることができる。これらの
重合性単量体は1種または2種以上使用してもよい。フ
ッ素含有単量体は、単量体全体の0.01重量%以上で
ある。本発明の架橋ポリマー粒子の平均粒子径は0.0
1〜10μm、好ましくは0.01〜5μm、さらに好
ましくは0.01〜3μmである。平均粒子径が0.0
1μm未満であると、摺動性、ブロッキング防止性が劣
り、一方10μmを超えると流動特性に劣る。ここでの
平均粒子径は、下記の方法で測定される。架橋ポリマー
粒子の平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡写真によ
り直接100個の粒子について計測した粒子径(粒子が
円球でない場合は長径と短径を測定し、その平均値を求
めた。)の平均値を求めることにより行なった。次に本
発明の架橋ポリマー粒子の好ましい製造方法を説明す
る。
【0014】本発明の架橋ポリマー粒子の製造方法にお
いては、まず、架橋性単量体の含有量が10重量%以上
である重合性単量体を、乳化重合、懸濁重合、分散重合
などの重合法、好ましくは乳化重合法、特に好ましくは
シード乳化重合法の重合法で重合し重合体粒子(A)を
得る。このときの重合体粒子(A)の平均粒子径につい
ては特に限定するものでなく、最終的に得られる架橋ポ
リマー粒子の目的とする平均粒子径が得られるように、
該(A)の平均粒子径は適宜決める。該粒子(A)の平
均粒子径のコントロールは乳化剤の量、撹拌、その他公
知の方法により行なうことができる。重合体粒子(A)
の存在下に重合するフッ素含有単量体を含む重合性単量
体の量は、重合体粒子(A)100重量部に対して、
0.1〜900重量部、好ましくは0.5〜500重量
部、さらに好ましくは1〜200重量部である。フッ素
含有単量体を含む重合性単量体の量が0.1重量部未満
であると、得られる架橋ポリマー粒子の摺動性に劣り、
一方900重量部を超えると流動特性に劣る。本発明に
おいて、重合性単量体の添加方法は、好ましくは全量を
一括添加、一部または全量を連続的または間欠的に添加
する方法である。
【0015】上記の重合で使用される重合開始剤として
は、通常の乳化重合、分散重合、懸濁重合で用いられる
ものであれば特に制限されないが、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系
開始剤、アゾ系開始剤および過酸化水素、有機過酸化物
などを単独で、あるいはアスコルビン酸などの各種還元
剤と組み合わせて使用してもよい。上記の重合において
は、懸濁保護剤または界面活性剤を使用しない場合もあ
るが、重合反応系の安定性を高めるため、懸濁保護剤ま
たは界面活性剤が使用される。界面活性剤としては通常
のものを用いることができ、例えばドデシルベンゼンス
ルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ラウリル硫酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルプ
ロペニルフェニルエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン
酸のホルマリン縮合物などのアニオン系界面活性剤を例
示することができる。ここで、塩としてナトリウム、ア
ンモニウムなどを挙げることができる。さらに、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレング
リコールモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキ
ルプロペニルフェニルエーテル、ソルビタンモノステア
レートなどのノニオン系界面活性剤を使用することも可
能である。また、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなど
一般に知られている反応性乳化剤を単独あるいは上記の
界面活性剤と併用して使用することが可能である。好ま
しい懸濁保護剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース
などの水溶性高分子を使うことができる。これらは、単
独でもよく、また組み合わせて使用することが可能であ
る。好ましい組み合わせとしては、アニオン系界面活性
剤とノニオン系界面活性剤と水溶性高分子の組み合わせ
がある。
【0016】重合体粒子(A)は化学処理することによ
っても表面をフッ素含有重合体とすることができる。こ
の化学処理する方法としては、重合体粒子(A)を乾燥
後、過酸化フルオロアルカノイルで化学処理する方法が
挙げられる。過酸化フルオロアルカノイルとしては、例
えばビス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシドが挙
げられる。過酸化フルオロアルカノイルは乾燥した重合
体粒子(A)と共にフレオン113などの溶剤中に添加
し、温和な条件で撹拌するだけでよい。温和な条件と
は、好ましくは40〜60℃で5〜6時間反応させるこ
とである。例えばビス(ヘプタフルオロブチリル)パー
オキシドが挙げられる。過酸化フルオロアルカノイルは
(A)100重量部に対し0.05〜20重量部、好ま
しくは0.1〜10重量部である。0.05重量部未満
では摺動性が劣り、また20重量部を超えると粒子が安
定性良く重合できない。
【0017】本発明の架橋ポリマー粒子の分散液を各種
用途に使用する場合の該分散液の使用形態としては、
該分散液の形態での使用、該分散液形態で添加し、そ
のあと分散媒を除去する方法での使用、該分散液から
架橋ポリマー粒子を回収し、架橋ポリマー粒子の形態で
の使用、などが挙げられる。本発明の架橋ポリマー粒子
は、樹脂改質剤、トナーの流動性改良、樹脂フィルムの
ブロッキング防止剤、フィルムの易滑剤、スペーサー、
標準粒子、抗原抗体反応検査粒子、感熱紙の走行性安定
剤、化粧用添加剤、レオロジーコントロール剤、低収縮
化剤、インクジェット記録インク用添加剤、歯科義歯床
用充填剤、フィルムコーティング剤などに有用であり使
用されている。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載
において「部」または「%」は特記しないかぎり重量基
準である。 架橋ポリマー粒子表面の観察方法 架橋ポリマー粒子の表面のフッ素元素の検出は、ESC
Aで行なった。 樹脂組成の物性評価 実施例および比較例によって得られた樹脂組成物は、下
記の方法により試験片を作成後、下記の試験方法によっ
て評価した。
【0019】(1)試験片の作成 相対粘度3.70(30℃、97%硫酸中、濃度10-2
mg/mlで測定)のナイロン4,6、粉末状の架橋ポ
リマー粒子または重合体粒子、芳香族ポリアミド繊維A
(帝人社製、「テクノーラ T−322」、繊維長1m
m、繊維径12μm)、および高密度ポリエチレン(H
DPE、三井石油化学社製、「ハイゼックス 3300
F」)を表1に示した組成比率でタンブラー内で混合
し、次に二軸押出機(池貝鉄工社製、「池貝PCM45
II」)を用いて熔融混合し、ペレット化した。この
ペレットを用いて成形温度300℃、金型温度80℃の
条件下で各種試験片を射出成形により得、下記(2)の
試験方法により物性を測定した。
【0020】(2)試験方法 引張試験:ASTM D 638に従い、引張速度5
0mm/分で測定した。 曲げ試験:ASTM D 790に従い、曲げ速度1
5mm/分で測定した。 熱変形温度:ASTM D 648に従い、264p
siで測定した。 摩擦摩耗試験:鈴木式摩擦摩耗試験機を使用し、相手
材としてアルミ材を用いた。試験片は外形25.6m
m、内径20.0mmの中空円筒状試験片を用い、相手
材も同様の形状のものを用いた。 (イ)動摩擦係数 荷重10kg(面圧5kg/cm2 )、回転速度60r
pmの条件で測定した。 (ロ)摩耗量 荷重10kg、回転速度30rpmで20000回転
(走行距離1.4km)した後の試験片重量の減少を測
定し、以下に掲げる式(1)より算出される比摩耗量で
定義した。 式(1) 比摩耗量=摩耗重量/(走行距離×接触面圧×接触面積
×密度) 溶融樹脂流動性:渦巻状成形品の長さ(スラブフロー
長という)により測定した。測定条件は以下の通りであ
る。 成形温度 320℃(実施例8は290℃) 金型温度 80℃ 成形品肉厚 2.0mm 射出圧力 600kg/cm2 射出速度 30cm2 /sec
【0021】実施例1 ジビニルベンゼン(純度56%、残余の38%はエチル
ビニルベンゼン残余の6%は不純物)45部、スチレン
55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、
ポリビニルアルコール0.5部、イオン交換水1000
部、α,α′−アゾイソブチロニトリル0.7部を反応
容器に仕込み、ホモミキサーにより15,000rpm
で60分撹拌して均一とした。次に窒素ガスを吹き込み
ながら80℃に加熱し、3時間撹拌を続けて懸濁重合を
行ない重合体粒子(A)を得た。その後、引き続き過硫
酸カリウム1部を反応容器に仕込み、スチレン44部、
メタクリル酸1部、β−(パーフルオロヘキシル)エチ
ルメタクリレート55部、イオン交換水40部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、ポリビニル
アルコール1部を3時間にわたり連続的に添加し、重合
を完結させ架橋ポリマー粒子aを製造した。得られた架
橋ポリマー粒子aの平均粒子径を測定したところ、2.
1μmであった。できた架橋ポリマー粒子−水スラリー
を遠心洗浄後、ESCAにより元素分析したところ、フ
ッ素元素の存在が観察された。架橋ポリマー粒子aを配
合した樹脂組成物の物性評価結果を表1に示す。樹脂組
成物の摺動性は優れていた。また、架橋ポリマー粒子
0.5部をポリプロピレン樹脂100部に配合し、フィ
ルムの耐ブロッキング性をみたところ良好であった。
【0022】実施例2 重量平均分子量が15,000からなる平均粒子径が
0.25μmポリスチレン粒子を10部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム5部、ジビニルベンゼン65
部、スチレン35部、過硫酸ナトリウム1部、イオン交
換水1000部を反応容器に仕込み、窒素ガスを吹き込
みながら撹拌下、80℃で1時間重合し、重合体粒子
(A)を得た。その後、引き続き過硫酸ナトリウム0.
5部を添加後、β−(パーフルオロオクチルエチル)ア
クリレート200部を添加し重合を完結させた後、架橋
ポリマー粒子bを製造した。得られた架橋ポリマー粒子
bの平均粒子径を測定したところ、(A)で0.5μm
であり、重合終了後で0.6μmであった。できた架橋
ポリマー粒子スラリーを遠心洗浄後、ESCAにより元
素分析したところ、フッ素元素の存在が観察された。架
橋ポリマー粒子aを配合した樹脂組成物の物性評価結果
を表1に示す。樹脂組成物の摺動性は優れていた。ま
た、架橋ポリマー粒子をポリプロピレン樹脂に配合し、
フィルムの耐ブロッキング性をみたところ良好であっ
た。
【0023】実施例3 実施例2と同様にして重合体粒子(A)を得た後乾燥し
た。次に重合体粒子(A)100重量部、ビス(ヘプタ
フルオロブチリル)ペルオキシド5重量部をフルオン1
13を仕込んだ反応容器中に添加し、窒素雰囲気中で4
0℃、5時間撹拌しながら反応を続け、架橋ポリマー粒
子cを得た。できた架橋ポリマー粒子cの平均粒子径は
0.51μmであった。できた架橋性ポリマー粒子cを
ESCAにより元素分析したところ、フッ素元素の存在
が確認された。架橋ポリマー粒子をポリプロピレン樹脂
に配合し、フィルムの耐ブロッキング性をみたところ良
好であった。
【0024】実施例4 実施例2においてβ−(パーフルオロオクチルエチル)
アクリレート200部を5部に変えた以外は実施例2と
同様に行ない、架橋ポリマー粒子dを得た。できた架橋
ポリマー粒子dの平均粒子径は0.51μmであった。
できた架橋性ポリマー粒子dをESCAにより元素分析
したところ、フッ素元素の存在が確認された。架橋性ポ
リマー粒子dの耐ブロッキング性が良好だった。 実施例5 実施例2においてβ−(パーフルオロオクチルエチル)
アクリレート200部をβ−(パーフルオロオクチルエ
チル)メタクリレート5部に変えた以外は実施例2と同
様に行ない、架橋ポリマー粒子eを得た。できた架橋ポ
リマー粒子eの平均粒子径は0.51μmであった。で
きた架橋性ポリマー粒子eをESCAにより元素分析し
たところ、フッ素元素の存在が確認された。架橋ポリマ
ー粒子eをポリプロピレン樹脂に配合し、フィルムの耐
ブロッキング性をみたところ良好であった。
【0025】比較例1 実施例2の重合体粒子(A)を架橋ポリマー粒子fとし
た。架橋ポリマー粒子fを配合した樹脂組成物の物性評
価結果を表1に示す。樹脂組成物の摺動性は十分でなか
った。また耐ブロッキング性も十分でなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の架橋ポリマー粒子は、樹脂の改
質、トナーなどの流動性改良、ブロッキング防止、易
滑、摺動性に優れ、かつ層状剥離、ドロップアウトが改
良されており、各種用途に使用することができ、極めて
工業的価値が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子表面にフッ素含有重合体を有し、か
    つ平均粒子径が0.01μm〜10μmにあることを特
    徴とする架橋ポリマー粒子。
  2. 【請求項2】 架橋性単量体を10重量%以上含有する
    重合性単量体を重合して得られた重合体粒子(A)10
    0重量部の存在下でフッ素含有単量体とからなる単量体
    を0.1〜900重量部重合することを特徴とする請求
    項1記載の架橋ポリマー粒子の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08208936A (ja) * 1994-10-18 1996-08-13 Elf Atochem Sa フッ素化アクリルラテックスおよびフッ素化メタクリルラテックスと、これらの混合物と、その製造方法と、疎水性塗料としての利用
JP2000284528A (ja) * 1996-12-26 2000-10-13 Hoechst Industry Kk 環状構造を有するポリオレフィン樹脂を含む静電荷像現像用トナー
WO2006003885A1 (ja) * 2004-07-06 2006-01-12 Noda Screen Co., Ltd. グラフト共重合体、コーティング剤、及びコーティング膜の形成方法
JP2013001896A (ja) * 2011-06-22 2013-01-07 Konica Minolta Advanced Layers Inc ハードコートフィルム
JP2016176035A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 三菱マテリアル電子化成株式会社 複合微粒子および複合微粒子の製造方法

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