JP2016176035A - 複合微粒子および複合微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粒子と、前記微粒子の表面に結合された炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を含むフッ素ポリマーとを含む複合微粒子とする。フッ素ポリマーが下記式(1)で表されるパーフルオロアルキル基を有するモノマーの重合物であることが好ましい。
CnF2n+1−X−OCO−CY=CH2 ・・・(1)
但し、上記式(1)において、Xは2価の有機基、nは1〜8の整数、YはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。
【選択図】なし
Description
しかしながら、従来、表面開始リビングラジカル重合法において使用されるモノマーは、炭化水素系の(メタ)アクリル酸エステルであり、モノマーの適用範囲の拡大が課題となっていた。
しかし、従来、微粒子の表面上にフッ素ポリマーが生成されている複合微粒子はなかった。
その結果、微粒子と重合開始剤とを反応させて微粒子の表面に重合開始基を導入してから、微粒子の表面上でパーフルオロアルキル基を有するモノマーをリビングラジカル重合させることにより、微粒子の表面に結合された炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を含むフッ素ポリマーを生成させることができることを見出し、本発明を想到した。本発明は以下の構成を採用した。
CnF2n+1−X−OCO−CY=CH2 ・・・(1)
但し、上記式(1)において、Xは2価の有機基、nは1〜8の整数、YはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。
CaH2a・・・(2)
SO2N(R)CbH2b・・・(3)
但し、上記式(2)において、aは1〜4の整数である。下記式(3)において、bは1〜4の整数、 RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。
[5] 前記微粒子が、シリカまたは金属酸化物からなるものであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の複合微粒子。
前記微粒子の表面上でパーフルオロアルキル基を有するモノマーをリビングラジカル重合させることにより、前記微粒子の表面に結合された炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を含むフッ素ポリマーを生成させる重合工程と、を含むことを特徴とする複合微粒子の製造方法。
[7] 前記重合工程において、前記モノマーをフッ素系溶媒中に溶解させてリビングラジカル重合させることを特徴とする[6]に記載の複合微粒子の製造方法。
本実施形態の複合微粒子は、微粒子と、微粒子の表面に共有結合により化学的に結合されたフッ素ポリマーとを含むものである。
フッ素ポリマーの分子量は、特に限定されないが、1000〜100000であることが好ましい。フッ素ポリマーの分子量が上記範囲内である場合、複合微粒子の製造時にリビングラジカル重合の条件を制御することで容易に製造できるとともに、フッ素ポリマーとしての特性を十分に発揮できる複合微粒子となるため好ましい。
また、フッ素ポリマー分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.0〜1.5の範囲であることが好ましい。フッ素ポリマー分子量分布が上記範囲内である場合、品質のばらつきの少ない複合微粒子となるため好ましい。
CnF2n+1−X−OCO−CY=CH2 ・・・(1)
但し、上記式(1)において、Xは2価の有機基、nは1〜8の整数、YはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。
CaH2a・・・(2)
SO2N(R)CbH2b・・・(3)
但し、上記式(2)において、aは1〜4の整数である。上記式(3)において、bは1〜4の整数、 RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。
グラフト密度が0.1/nm2以上である場合、フッ素ポリマーの特性に基づく機能がより効果的に得られる複合微粒子となる。
次に、本実施形態の複合微粒子の製造方法について説明する。
本実施形態の複合微粒子を製造するには、まず、微粒子と重合開始剤とを反応させて、前記微粒子の表面に重合開始基を導入する(重合開始基付与工程)。
塩基としては、例えば、アンモニアやアミン化合物、第4級アンモニウム塩水酸化物、金属水酸化物などを用いることができる。
本実施形態におけるリビングラジカル重合は、モノマー中に、表面に重合開始基の導入された微粒子を分散させて行ってもよいし、モノマーを溶解させた溶媒中に、表面に重合開始基の導入された微粒子を分散させて行ってもよい。
以上の工程により、微粒子の表面に結合された炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を含むフッ素ポリマーが生成される。
粒径290nmのシリカからなる微粒子(商品名:シーホスターKE−E30、日本触媒社製)と、上記式(5)で示される重合開始剤とを反応させて、微粒子の表面に重合開始基を導入した(重合開始基付与工程)。
以上の工程により、実施例1の複合微粒子を得た。
シリカからなる微粒子の粒径を130nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の複合微粒子を得た。
「実施例3」
微粒子として、粒径180nmの酸化チタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の複合微粒子を得た。
モノマーとして、「C4F9SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の複合微粒子を得た。
「実施例5」
モノマーとして、室温で液状である「C4F9CH2CH2OCOCH=CH2」(シグマアルドリッチ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の複合微粒子を得た。
「実施例6」
モノマーとして、「CF3CH2OCOC(CH3)=CH2」(シグマアルドリッチ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の複合微粒子を得た。
室温で液状のモノマーである「C4F9CH2CH2OCOCH=CH2」10.0g中に、実施例1の重合開始基付与工程で得られた表面に重合開始基の導入された微粒子0.1gと、銅触媒である「CuCl」9.6mgと、配位子であるジノニルビピリジン「dNbpy」79.6mgと、重合開始剤であるエチル−2−ブロモイソブチレート4.8mgとを加えて、分散・溶解させ、窒素バブリングにより脱気し、反応温度100℃で16時間加熱して重合反応させた。その後、重合により得られた複合微粒子を、遠心分離とトリフルオロトルエンへの再分散を3回繰り返すことにより精製した。
以上の工程により、実施例7の複合微粒子を得た。
「カラム」
Inertsil WP300 Diol(5μm、250×4、6mm I.D.)、Inertsil Diol(5μm、250×4.6mm I.D.)(いずれもGL Science社製)
「検出器」
高速液体クロマトグラフ用示差屈折計検出器「RID−10A」(SHIMADZU社製)
「測定条件」
カラム温度:40℃、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/min
「試料」
重合工程で得られた上澄み液から再沈殿により、微粒子に被覆されていないポリマーを単離し、0.1重量%のテトラヒドロフラン溶液を調製。
「標準試料」
分子量が既知の以下の単分散ポリスチレンを用いた。「A−500」、「A−1000」、「A−2500」、「F−2」、「F−10」、「F−40」(いずれも東ソー社製)
TGA装置として、「TG−DTA2000SA」(NETZSCH社製)を用いた。
但し、上記式(7)において、wは複合微粒子中のフッ素ポリマーの重量、Mnはフッ素ポリマーの数平均分子量、Avはアボガドロ数(6.0×1023)、dcは微粒子の直径である。
このように実施例1〜実施例7の複合微粒子では、微粒子上におけるフッ素ポリマーのグラフト密度が、0.1/nm2以上であった。
Claims (7)
- 微粒子と、前記微粒子の表面に結合された炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を含むフッ素ポリマーとを含むことを特徴とする複合微粒子。
- 前記フッ素ポリマーが下記式(1)で表されるパーフルオロアルキル基を有するモノマーの重合物であることを特徴とする請求項1に記載の複合微粒子。
CnF2n+1−X−OCO−CY=CH2 ・・・(1)
但し、上記式(1)において、Xは2価の有機基、nは1〜8の整数、YはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。 - 上記式(1)において、Xが下記式(2)または下記式(3)で表される有機基であることを特徴とする請求項2に記載の複合微粒子。
CaH2a・・・(2)
SO2N(R)CbH2b・・・(3)
但し、上記式(2)において、aは1〜4の整数である。上記式(3)において、bは1〜4の整数、 RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。 - 前記微粒子上における前記フッ素ポリマーのグラフト密度が0.1/nm2以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の複合微粒子。
- 前記微粒子が、シリカまたは金属酸化物からなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の複合微粒子。
- 微粒子と重合開始剤とを反応させて、前記微粒子の表面に重合開始基を導入する重合開始基付与工程と、
前記微粒子の表面上でパーフルオロアルキル基を有するモノマーをリビングラジカル重合させることにより、前記微粒子の表面に結合された炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を含むフッ素ポリマーを生成させる重合工程と、を含むことを特徴とする複合微粒子の製造方法。 - 前記重合工程において、前記モノマーをフッ素系溶媒中に溶解させてリビングラジカル重合させることを特徴とする請求項6に記載の複合微粒子の製造方法。
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