JP6592882B2 - グラフト重合体及びその製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフト重合体、その重合体により形成された塗膜及び重合体粒子、並びにそれらの製造法に関する。
アクリル樹脂はアクリルモノマをラジカル重合することで容易に製造することが可能であり、目的に応じて数種のアクリルモノマを共重合することで樹脂の特性を幅広く変えることが可能であることから広く工業的に製造されている。またその製造法は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等が普及しており、製造するアクリル樹脂の分子量やコスト等を鑑み選択されている。従来、アクリル樹脂は、一般的にフリーラジカル重合で製造されているため、多成分モノマから得られるアクリル樹脂はランダム共重合体であり、広い分子量分布を有している。
アクリル樹脂は、モノマ種の選択により、透明性、接着性、低弾性、高硬度等の特徴を発現でき、光学分野、電子材料分野、構造材料分野等に展開されている。アクリル酸やメタクリル酸を共重合することにより、アルカリ水溶液可溶性を付与して感光性レジスト材料が供されている。またグリシジルメタクリレートを共重合することにより、さらに熱硬化反応を組み込んだり、光反応性基を導入して、光反応性を組み込むことが可能であり、例えば接着剤の耐熱性を高めたり、感光性を付与することが可能である。
近年、アクリル樹脂の高性能化、高機能化を実現するため、ブロックポリマ、グラフトポリマ、星型ポリマ等の、構造制御を可能とするリビングラジカル重合が種々、開発されている。また、ジビニルベンゼン等の多官能ビニルモノマを含む重合性モノマをラジカル重合することで不溶不融の硬化物が得られる。しかしながら、従来のラジカル重合によっては、その構造を高度に制御して高機能なブロックポリマ、グラフトポリマ、星型ポリマ等を得ることが困難であった。
一方、近年のアクリル樹脂の合成法として、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合が、リビングラジカル重合方法として開発されている。RAFT重合は、例えば、チオカーボネート構造を有する連鎖移動剤を用いることでポリマ成長末端が可逆的な付加開裂を起こしモノマへの連鎖移動を起こすことでリビング重合の挙動をとる。RAFT重合は、アクリル酸やメタクリル酸を保護基なしで重合することが可能であり、種々のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等の共重合を可能とする(特許文献1、2を参照)。
特表2000−515181号公報 特開2010−59231号公報
本発明は、グラフト重合体として、その構造を高度に制御することにより、熱安定性、機械的安定性等において、従来より優れた特性を有するグラフト重合体及びその製造法を提供するものである。より具体的には、グラフトモノマの選定によりグラフト重合体表面のグラフト層の改質が容易に可能であり、表面改質処理された高機能なコーティング材や高機能な重合体粒子に適用可能な、グラフト重合体及びその製造法を提供するものである。
本発明は、多官能重合性化合物を含む重合性モノマを、ジチオ化合物及びラジカル発生剤の存在下で重合して得られる架橋重合体に、さらに重合性モノマを添加し重合して得られるグラフト鎖を有する、グラフト重合体に関する。
また本発明は、前記多官能重合性化合物がジビニルベンゼンであるグラフト重合体に関する。
また本発明は、前記架橋重合体を塗膜状に形成した後、さらに重合性モノマを添加し重合して得られるグラフト鎖を有するグラフト重合体塗膜に関する。
また本発明は、前記架橋重合体を粒子状に形成した後、さらに重合性モノマを添加し重合して得られるグラフト鎖を有する、グラフト重合体粒子に関する。
さらに本発明は、多官能重合性化合物を含む重合性モノマを、ジチオ化合物及びラジカル発生剤の存在下で重合して架橋重合体を製造した後、該架橋重合体の存在下、重合性モノマ及びラジカル発生剤を添加して重合することを特徴とするグラフト重合体の製造法に関する。
本発明のグラフト重合体においては、ベースとなる架橋重合体が重合可能な界面を有し、得られるグラフト鎖(グラフト層)は前記架橋重合体界面に直接結合している。従って、従来のグラフト開始種を表面に吸着処理してグラフト重合して得られるグラフト鎖に比較し、熱安定性、機械的安定性等が高い。また、グラフトモノマの選定により、架橋重合体の表面の改質が容易に可能であり、高機能化が可能であり、コーティング材や重合体粒子の表面改質処理に適用できる。
本発明においては、まず、多官能重合性化合物を含む重合性モノマを、ジチオ化合物及びラジカル発生剤の存在下で重合して得られる架橋重合体をベースとする。本発明においてこの架橋重合体は、ジチオ化合物及びラジカル発生剤を使用して、通常、リビング重合を用いて製造され、これが本発明のグラフト重合体の優れた特性に重要であるが、リビングラジカル重合としては、アニオン重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシドリビングラジカル重合(NMP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、TERP、可逆連鎖移動触媒重合(RTCP)等があるが、本発明ではジチオ化合物及びラジカル発生剤を用いて、RAFT重合を行うことが好ましい。
リビングラジカル重合では、ラジカル重合において、成長ラジカルを可逆的に保護し、保護基の脱保護(活性化)、モノマの付加(成長)、保護(不活性化)の繰り返しにより分子鎖が少しずつ、ほぼ均等に成長し、分子量分布の狭い高分子が得られる。モノマが反応系から枯渇しても新たにモノマを供給することにより重合が開始され鎖伸張が起こる。本発明においては、連鎖移動剤としてジチオ化合物(チオエステル等)を用いる可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)は、重合可能なモノマ種が多く、アクリル酸、メタクリル酸等を直接、共重合できるため、これを用いることが好ましい。
RAFT重合で得られるジチオ化合物に起因する末端は安定であり、モノマとラジカル発生の存在下で再度、重合を開始することができる。一方、これを、多官能重合性化合物を含む重合性モノマの重合に用いて架橋重合体を製造することにより、架橋構造の成長末端、すなわちジチオ化合物による重合末端が存在する。これらの中で架橋重合体の界面近傍に存在するジチオ化合物由来の末端は重合性モノマとラジカル発生剤の存在下で、再度、重合を開始することができる。従って、この再度の重合を開始するために、適当な重合性モノマを選択して添加することで、架橋重合体(樹脂硬化物)の表面に、グラフト鎖(グラフト層)を形成して、その表面に、親水化、疎水化、官能基付与等の表面改質を行うことができる。
本発明に用いられるジチオ化合物としては、下記一般式(1)で表される構造の化合物が好ましいものとして用いることができる。
Figure 0006592882
(R及びZは、一価の基を示す。)
Rで示される一価の基としては、シアノプロピル基、フェニルプロピル基、シアノフェニルメチル基、エチルカルボキシプロピル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基、1−シアノエチル基、1−フェニルエチル基、ターシャリーブチル基、シアノメチル基、ベンジル基等が好ましいものとして挙げられる。また、Zで示される一価の基としては、フェニル基、メチルチオイル基、ピロール基、メチル基、フェノキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基等が好ましいものとして挙げられる。
これらのジチオ化合物として具体的には、クミルジチオベンゾエート、2−シアノ−2−プロピルベンゾチオエート、4−シアノ−4[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカーボネート、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、シアノメチルドデシルトリチオカーボネート等が挙げられ、これらは市販されているが、これらに限定されるものではない。
多官能重合性化合物を含む重合性モノマにおいて、多官能重合性化合物とは、重合性炭素炭素不飽和二重結合を2つ以上有する重合性モノマが挙げられ、具体的には、多官能アクリル系モノマ、多官能スチレン系モノマ等が挙げられるが、ビニル基を2つ以上有するスチレン系モノマが好ましく、中でもジビニルベンゼンがより好ましい。
なおここで、アクリル系モノマとは、アクリロイル基(CH=CH−CO−)又はメタクリロイル基(CH=C(CH)−CO−)を有するモノマをさし、アクリル系ポリマとはこれらの基を有するモノマを少なくとも一部用いて重合して得られるポリマをさす。
本発明において、重合性モノマとしては、通常、前記多官能重合性化合物以外、即ち、単官能性の重合性モノマを併用する。このような重合性モノマとしては、スチレン、(メタ)アクリル酸べンジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性モノマ、前記各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおいてアルキル基の水素原子の代わりに水酸基が置換した(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等の水酸基を有する重合性モノマ、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基を有する重合性モノマ、前記各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおいてアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換した(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル等のフッ素原子を有する重合性モノマ、シロキサン骨格やシリル基を有するアクリル系モノマ等のケイ素原子を有する重合性モノマなどが挙げられる。(なお、(メタ)アクリル酸○○とは、アクリル酸○○又はメタクリル酸○○を意味する。)
本発明において、多官能性重合性化合物と単官能の重合性モノマの配合比で、架橋密度を調整することができ、その配合比に特に制限はないが、モル比で多官能重合性化合物/単官能の重合性モノマで5/95〜80/20で使用されることが好ましい。
また、重合性モノマとジチオ化合物(例えば、一般式(1)で表されるチオカーボネート化合物)及びラジカル発生剤のモル比を制御することで、得られる架橋重合体(樹脂硬化物)の架橋密度を調整することが可能である。ジチオ化合物とラジカル発生剤のモル比率は前者/後者で5/1〜1/4が好ましく、4/1〜2/1がより好ましい。ジチオ化合物とラジカル発生剤の比率を5/1以下と
することで、架橋密度を上げ、硬化速度を早めることができ、1/4以上とすることで、ジチオ化合物由来の末端量を十分にして表面の改質効果を高めることができる。
硬化反応の温度は使用するラジカル発生剤の分解温度により異なり、特に制限するものではないが、一般的に半減期分解温度マイナス2℃からプラス20℃で行うことが好ましい。
本発明の架橋重合体(樹脂硬化物)を得るためのラジカル発生剤としては過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジt−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド等の過酸化物開始剤、AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、V−65(アゾビスジメチルバレロニトリル)等のアゾ開始剤などが挙げられる。中でもAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)が好ましい。
本発明において、架橋重合体を一旦得た後、グラフト鎖(グラフト層)を得るための重合性モノマとしては、通常、単官能性の重合性モノマを併用する。このような重合性モノマとしては、前記の通り、スチレン、(メタ)アクリル酸べンジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性モノマ、前記各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおいてアルキル基の水素原子の代わりに水酸基が置換した(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等の水酸基を有する重合性モノマ、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基を有する重合性モノマ、前記各種(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおいてアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換した(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル等のフッ素原子を有する重合性モノマ、シロキサン骨格やシリル基を有するアクリル系モノマなどが挙げられる。中でも、グラフト層に機能を持たせるために、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、フルオロアルキル基、シロキサン骨格、シリル基等の官能基を有するモノマを使用することが好ましい。
ジチオ化合物を用いたRAFT重合では、一般的にアクリル成長末端からメタクリル系モノマへの連鎖移動は起こらない。このため複数のモノマを共重合するときのモノマの配合手順や組合せは重要である。複数のモノマを同時に仕込む場合にはアクリル系モノマのみの組合せ、メタクリル系モノマのみの組合せで行うのが好ましい。またブロック重合で段階的にポリマを成長させるには、アクリル系モノマのみの組合せ、メタクリル系モノマのみの組合せの他に、混在させることができ、この場合には、メタクリル系モノマを重合させた後にアクリル系モノマを重合することが好ましい。
得られたベースとなる架橋重合体(樹脂硬化物)は、重合性モノマとラジカル発生剤を含む溶液中、またはバルクの状態に浸漬して加熱することで、界面に重合性モノマをグラフトすることができる。
これは空気下でも重合を行うことは可能であるが、窒素下で行うことが好ましい。グラフト重合で使用する溶剤は、追加する重合性モノマ及びラジカル発生剤を溶解可能であれば特に制限されないが、重合を行う温度以上の沸点を有することが好ましい。重合を行う温度が、使用する溶剤の沸点よりも高い場合には、加圧下での反応により行うことができる。
用いる有機溶媒としては、メトキシエタノール、エトキシエタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、クロルベンゼン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で、または適宜混合して用いることができる。
本発明において、適当な基材上に、塗膜状に高機能のグラフト重合体層を形成することができる。この場合、前記架橋重合体を塗膜状に形成した後、さらに重合性モノマを添加して重合してグラフト鎖(グラフト層)を有するグラフト重合体塗膜を得ることができる。
また、前記架橋重合体を、乳化重合や超音波分散により粒子状の架橋重合体とし、さらに重合性モノマを添加し重合して得られるグラフト鎖(グラフト層)を有する、グラフト重合体粒子を得ることができる。
これらのグラフト重合体塗膜やグラフト重合体微粒子は、グラフト層の重合性モノマを適切に選択することで、表面に存在するグラフト鎖(グラフト層)のみを改質し機能を持たせることもできるため、熱安定性、機械的安定性、表面特性(例えば、親水性や疎水性)等において、従来のグラフト重合体より優れた特性を有するグラフト重合体を得ることができる。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ジビニルベンゼン(和光純薬株式会社製)40.0g(614mmol)、スチレンモノマ(和光純薬株式会社製)40.0g(384mmol)、ブチルメタクリレート(和光純薬株式会社製)20.0g(141mmol)、クミルジチオベンゾエート3.10g(11.4mmol)、及び、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬株式会社、純度98%)3.81g(22.1mmol)を混合し、窒素を30分バブリングした。これをガラス基板上に塗布した後、窒素下で80℃、2時間重合硬化し架橋重合体(樹脂硬化物)を塗膜状に形成した。別途、2−ヒドロキシメタクリレート(和光純薬株式会社製)20.0g(154mmol)及びアゾビスイソブチロニトリル(和光純薬株式会社、純度98%)0.126g(0.77mmol)を、メチルイソブチルケトン100mlに溶解し、窒素を30分間撹拌した。この溶液に、前記のガラス基板上に形成した架橋重合体(樹脂硬化物)塗膜を浸漬し温度を70℃に上げ、5時間保持して、表面に親水性のグラフト層を有するグラフト重合体塗膜を作製した。この塗膜は、表面のグラフト層のみに水酸基を有し、塗膜の機械特性や熱安定性に優れ、かつ、表面が親水性の高機能な塗膜特性が期待される。
なお、表面の親水性の状態を市販の接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名Drop Master DM-501)を用いて測定したところ、水の接触角が10°であった。
ペンタフルオロエチルメタクリレート20.0g(98mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬株式会社、純度98%)0.321g(1.96mmol)を混合した後、窒素を30分間撹拌した。この溶液に、実施例1で作製したガラス基板上に形成した架橋重合体(樹脂硬化物)を浸漬し、温度を70℃に上げ、5時間保持して、表面に疎水性のグラフト層を有するグラフト重合体塗膜を作製した。この塗膜は、表面のグラフト層のみにパーフルオロエチル基を有し、塗膜の機械特性や熱安定性に優れ、かつ、表面が疎水性の高機能な塗膜特性が期待される。
なお、表面の疎水性の状態を市販の接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名Drop Master DM-501)を用いて測定したところ、水の接触角が100°であった。
表面状態の比較データとして、実施例1で製造した架橋重合体(樹脂硬化物)塗膜(グラフト層を形成する前の状態)で、表面の状態を市販の接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名Drop Master DM-501)を用いて測定したところ、水の接触角は70°であった。

Claims (3)

  1. 多官能重合性化合物を含む重合性モノマを重合して得られる、塗膜状の架橋重合体と、
    塗膜状の前記架橋重合体の界面に直接結合したグラフト鎖と、
    を有し、
    前記グラフト鎖が、下記一般式(I)で表されるジチオ化合物由来の末端を有する前記架橋重合体の存在下、重合性モノマを、前記末端から開始される重合によって重合して得られるグラフト鎖である、
    グラフト重合体塗膜。
    Figure 0006592882

    (R及びZは、一価の基を示す。)
  2. 多官能重合性化合物がジビニルベンゼンである請求項1に記載のグラフト重合体塗膜。
  3. 多官能重合性化合物を含む重合性モノマを、下記一般式(I)で表されるジチオ化合物及びラジカル発生剤の存在下で重合して得られた架橋重合体を塗膜状に形成した後、該架橋重合体の存在下、重合性モノマ及びラジカル発生剤を添加して重合することを特徴とするグラフト重合体塗膜の製造法。
    Figure 0006592882

    (R及びZは、一価の基を示す。)
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