JP2016222755A - コア粒子、及びそれを用いたコア−シェル粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラフト率の高いコア−シェル粒子を形成するためのコア粒子、及びそれを用いたコア−シェル粒子を提供する。
【解決手段】コア粒子は、(A)単官能ビニル単量体と、(B)多官能ビニル単量体と、(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体とを、(D)重合開始剤の存在下で重合して得られるコア粒子であって、前記(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体が、1−(4'−ヒドロキシ−2',2',6',6'−テトラメチル−1'−ピペリジニルオキシ)−2−(2'−メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルオキシ)−1−フェニルエタンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、コア−シェル粒子のグラフト率を向上するのに有用なコア粒子、及びそれを用いて形成されたコア−シェル粒子に関する。本発明のコア粒子及びコア−シェル粒子は、例えば光学素子や光機能材料として用いられるコロイド結晶硬化膜の形成等の用途に有益である。
単分散な粒子を三次元的に規則配列した集積体はコロイド結晶と呼ばれる。このコロイド結晶に光が入射すると回折や干渉が起こり、主にその周期構造に依存して、ある特定の波長の光が反射される(ブラッグ反射)。例えば、サブミクロンサイズの粒子のコロイド結晶は、その粒子サイズに応じて、紫外光〜可視光、さらに赤外光の範囲の光を反射する。また、その反射光の波長が可視光領域に生じる場合、構造性発色としてコロイド結晶の色を視認することができる。このコロイド結晶の研究は数多く行われており、フォトニック結晶をはじめとする様々な光学素子、光機能材料などへの展開が期待されている。コロイド結晶は、例えば、塗料やインキ、化粧品をはじめとする各種色材、光学フィルター、光メモリ材料、表示デバイス、光スイッチ、センサーやレーザー等に適用することができる。
コロイド結晶は、例えばシリカやポリスチレンからなるコア粒子が集まった集積体であるが、コア粒子は接触で集積しているのみであり、コア粒子間には無数の空隙が存在する。そのため、コア粒子のみで形成されたコロイド結晶は機械的強度が非常に弱く、わずかな外力で崩れてしまう。そこで、コア粒子の表面をシェル部の樹脂で被覆したコア−シェル粒子を用いることにより、シェル部によりコア粒子間の空隙を埋めることでコロイド結晶の機械的強度を向上する方法が知られている(特許文献1)。
一般にコア−シェル粒子のシェル部は直鎖状ポリマーからできており、その一端が物理吸着又は共有結合などによりコア粒子に結合されることでグラフト構造をとっている。シェル部が共有結合によってコア粒子に結合されている場合は、コア−シェル粒子をモノマーや溶剤に溶解してもシェル部がコア粒子から脱離することはなく、シェル部がコア粒子に物理吸着している場合と比べて、コア−シェル粒子の溶剤などへの分散安定性が高くなる。
コア−シェル粒子を用いたコロイド結晶は、有機溶媒やモノマー等の分散媒中に分散させたコア−シェル粒子が規則配列をとることによって形成される。しかし、分散媒が液状であるためわずかな衝撃等により結晶構造が崩れてしまい、実用化のためにはコア−シェル粒子が規則配列を保った状態で固定化する必要がある。このとき、コア−シェル粒子の分散媒に対する分散安定性が低いと、固定化過程で粒子の凝集などにより規則配列が崩れてしまうため、コア−シェル粒子は高い分散安定性を有することが求められる。
特開2009−249527号公報
コア−シェル粒子のグラフト率は、コア粒子重量に対するシェル部重量の割合で表され、一般にグラフト率が高いほどコア−シェル粒子の分散媒に対する分散安定性が高くなる傾向がある。また、コア−シェル粒子の構成成分やコア−シェル粒子を分散させる溶媒の種類などによってもコア−シェル粒子の分散安定性は変化するため、コア−シェル粒子は高いグラフト率を有すると同時に、容易にグラフト率が調節可能であることが望まれている。
本発明は上記実情に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、グラフト率の高いコア−シェル粒子を形成可能なコア粒子、及びこれを用いたコア−シェル粒子を提供することにある。
本発明は、(A)単官能ビニル単量体と、(B)多官能ビニル単量体と、(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体とを、(D)重合開始剤の存在下で重合して得られるコア粒子であって、前記(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体が、下記式1で表される1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(2’−メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルオキシ)−1−フェニルエタンであることを特徴とする。
Figure 2016222755
また、本発明によれば、上記コア粒子と、(E)ビニル単量体とを重合して得られるコア−シェル粒子を提供することもできる。
また、本発明によれば、上記コア粒子と、(E)ビニル単量体とを、(F)アルコキシアミン基含有化合物の存在下で重合して得られるコア−シェル粒子であって、前記(F)アルコキシアミン基含有化合物が下記式2で表される2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−フェニルエタノールであるコア−シェル粒子を提供することもできる。
Figure 2016222755
本発明のコア粒子によれば、(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体として1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(2’−メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルオキシ)−1−フェニルエタンを用いているため、当該コア粒子を用いて得られるコア−シェル粒子のグラフト率を高めることができる。さらに、(F)アルコキシアミン基含有化合物として2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−フェニルエタノールを用いることによって、コア−シェル粒子のグラフト率を調整することも可能である。
以下において本発明について詳しく説明する。本発明のコア粒子は、(A)単官能ビニル単量体と、(B)多官能ビニル単量体と、(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体とを、(D)重合開始剤の存在下で重合して得られる粒子である。また、本発明のコア−シェル粒子は、前記コア粒子と、(E)ビニル単量体とを重合して得られるコア−シェル粒子であり、さらに任意で(F)アルコキシアミン基含有化合物の存在下で重合することもできる。
<コア粒子>
コア粒子は、(A)単官能ビニル単量体と、(B)多官能ビニル単量体と、(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体とを、(D)重合開始剤の存在下で重合して得られる粒子であり、水中又は有機溶媒中において動的光散乱により測定される算術平均粒径が50〜900nmである。なお、本明細書において数値範囲を示す「○○〜××」とは、別途記載が無い限り、その下限値(「○○」)や上限値(「××」)を含む概念である。すなわち、正確には「○○以上××以下」を意味する。
<(A)単官能ビニル単量体>
(A)単官能ビニル単量体としては、特にその種類は限定されず、コア粒子に一般に用いられる公知の単官能ビニル単量体を用いることができる。その例として、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンなどが挙げられる。また、(A)単官能ビニル単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む総称を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含む総称を意味する。
<(B)多官能ビニル単量体>
(B)多官能ビニル単量体としては、特にその種類は限定されず、コア粒子に一般に用いられる公知の多官能ビニル単量体を用いることができる。その例として、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、(B)多官能ビニル単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
<(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体>
(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体は、下記式1で表される1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(2’−メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルオキシ)−1−フェニルエタンであり、アルコキシアミン基がコア−シェル粒子形成時にリビングラジカル重合開始基として機能する。
Figure 2016222755
<(D)重合開始剤>
(D)重合開始剤としては、アゾ系の重合開始剤、有機過酸化物系の重合開始剤、光重合開始剤などの公知の重合開始剤を使用することができる。例えば、アゾ系のラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、有機過酸化物系の重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどを使用することができる。
<コア粒子の製造>
コア粒子を製造する際には、様々な公知の重合法が採用可能である。例えば、ソープフリー乳化重合法、乳化重合法、フィード乳化重合法、シード乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法、沈殿重合法等の公知の重合方法が適用可能であり、特に制限されるものではない。この中でも粒子表面がクリーンである粒子を容易に製造することができる点から、ソープフリー乳化重合法やシード乳化重合法を用いることが好ましい。(A)〜(C)成分は合計で100重量%となるように、(A)単官能ビニル単量体を1〜98重量%、(B)多官能ビニル単量体を1〜98重量%、及び(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体を1〜98重量%配合される。(A)成分が98重量%より多いと、相対的に(B)成分及び(C)成分が少なくなり、コア粒子の機械的強度が低下すると共に、コア−シェル粒子を製造した際のグラフト化密度が低下する。(B)成分が1重量%より少ないと、コア粒子の機械的強度が不足すると共に、コア−シェル粒子の製造時にコア粒子が溶解する可能性がある。(C)成分が1重量%より少ないと、コア−シェル粒子を製造した際のグラフト化密度が低下する。また、(D)重合開始剤は、(A)〜(C)成分の合計100重量%に対して、0.01〜10重量%添加される。重合条件は、(A)〜(D)成分の種類等に応じて適宜選択できるが、一般的には攪拌しながら、重合温度30〜90℃で、2〜48時間の条件で行うことが好ましい。また、重合には、乳化剤、反応性乳化剤、分散安定剤などを使用することができる。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコールアルキルエーテルなどが使用可能である。
反応性乳化剤としては、スチレンスルホン酸ナトリウム、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩〔例えば、三洋化成工業(株)製、商品名:エレミノールRS−30など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10など〕、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンKH−10など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSE−10など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−10、SR−30など〕、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート塩〔例えば、日本乳化剤(株)製、商品名:アントックスMS−60など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−20など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンRN−20など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープNE−10など〕などが使用可能である。
分散安定剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルアルコール、部分けん化されたポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリル酸ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルアクリレートなどのポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、これらの重合体を構成する単量体のうちの1種類以上を共重合成分とする共重合体などが使用可能である。
<コア−シェル粒子>
コア−シェル粒子は、コア粒子と、コア粒子の表面に結合された直鎖状ポリマーで形成されるシェル部とを有している。シェル部は、(E)ビニル単量体を重合して得られる分岐構造を有しない直鎖状ポリマーで形成されており、その一端が共有結合によりコア粒子に結合されている。すなわち、コア粒子の表面に直鎖状ポリマーがグラフト化されている。直鎖状ポリマーはコア粒子に結合されているため、モノマーや溶剤に溶解しても、コア粒子から脱離することが無い。これにより、コア−シェル粒子の分散安定性を高めることができる。
コア粒子重量に対するシェル部重量の割合を示すコア−シェル粒子のグラフト率(%)は〔(シェル部重量/コア粒子重量)×100〕で表され、一般にグラフト率が高いほど、コア−シェル粒子の溶媒等に対する分散安定性が高くなる傾向がある。また、コア−シェル粒子のグラフト率はシェル部の厚みとある程度相関する。コア−シェル粒子の平均粒径は、シェル部の厚みの2倍とコア粒子の平均粒径との和として動的光散乱などにより測定される。コア−シェル粒子の平均粒径は60〜1,000nmであり、好ましくは100〜500nmである。
<(E)ビニル単量体>
(E)ビニル単量体としては、特にその種類は限定されず、コア−シェル粒子のシェル部に一般に用いられる公知のビニル単量体を用いることができる。その例として、スチレン、ポリエチレングリコール−o−フェニルフェノールエーテルアクリレート、ビニルナフタレン、下記式3で表されるビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及び下記式4で表されるビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。また、(E)ビニル単量体は、(A)単官能ビニル単量体と同一であっても良いし、異なっていても良い。また、(E)ビニル単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
Figure 2016222755

(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
Figure 2016222755

(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Xは0又は1である。)
<(F)アルコキシアミン基含有化合物>
(F)アルコキシアミン基含有化合物は、下記式2で表される2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−フェニルエタノールである。(F)アルコキシアミン基含有化合物の存在下で、コア粒子と(E)ビニル単量体とを重合反応させた場合、(F)アルコキシアミン基含有化合物のアルコキシアミン基が、コア粒子中の(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体由来のアルコキシアミン基と同様に、リビングラジカル重合開始基として機能する。
Figure 2016222755
<コア−シェル粒子の製造>
コア−シェル粒子を製造する場合には、前記コア粒子のリビングラジカル重合開始基に基づき、シェル部を構成する(E)ビニル単量体を重合して直鎖状ポリマーを形成し、コア−シェル粒子を合成することができる。直鎖状ポリマーの形成には、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法等の公知の重合方法が適用可能であり、特に制限されるものではない。(E)ビニル単量体は、コア粒子100重量%に対して、5〜10000重量%配合される。(E)ビニル単量体が5重量%より少ないと、コア−シェル粒子のグラフト率が低くなりすぎるため、コア−シェル粒子のシェル部がその機能を十分に果たすことができなくなる。重合条件は、リビングラジカル重合開始基として機能するコア粒子中のアルコキシアミン基の分解特性や、シェル部を構成する(E)ビニル単量体の種類や所望される分子量等によって適宜選択できるが、一般的には、重合温度50〜180℃で、2〜48時間の条件で行うことが好ましい。また、得られるコア−シェル粒子のグラフト率を調整するために、任意に(F)アルコキシアミン基含有化合物を重合反応に加えることができる。(F)アルコキシアミン基含有化合物を重合反応に加えることにより、シェル部を構成するポリマーの分子量のばらつきを小さくすることができる。なお、(F)アルコキシアミン基含有化合物は、コア粒子100重量%に対して100重量%以下が配合され、(F)アルコキシアミン基含有化合物の添加量を増加させると、得られるコア−シェル粒子のグラフト率が低下する傾向がある。
以下において、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例における平均粒径、グラフト率は、下記に示す方法によって測定した。
(1)平均粒径
コア粒子又はコア−シェル粒子を水又はテトラヒドロフラン(THF)に分散させ、光散乱光度計ELS−8000(大塚電子(株)製)を用いて、動的光散乱法により測定した。
(2)グラフト率
コア粒子及びコア−シェル粒子の乾燥重量を測定し、得られた乾燥重量から下記式よりグラフト率を算出した。
[グラフト率(%)]=([コア−シェル粒子重量]−[コア粒子重量])/[コア粒子重量])×100
以下に、実施例及び比較例において使用した化合物の略称を示す。
Figure 2016222755
(実施例1−1)
<アルコキシアミン基含有コア粒子(X1)の製造>
冷却管、温度計、攪拌機及び窒素導入管を装着した容量1000mLの四つ口フラスコに、メチルメタクリレート(MMA)152.0g、エチレングリコールジメタクリレート(EGDM)3.2g、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)0.0304g、1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(2’−メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルオキシ)−1−フェニルエタン(下記に示す化合物C1、純度80%)4.8g及びイオン交換水600gを注入した。それを窒素気流下で攪拌混合し、65℃まで加温した。次いで、過硫酸カリウム(KPS)1.6gをイオン交換水40gに溶解させたものを上記反応液に添加し、65℃で5時間重合反応を行った後に室温まで冷却した。続いて、ナイロンメッシュで凝集物を濾別し、遠心分離器により水などを除去し、得られた沈殿物をメタノールにより洗浄し、減圧乾燥することによりコア粒子(X1)を得た。得られたコア粒子の平均粒径(水中)は228nmであり、乾燥重量は134.2gであった。
Figure 2016222755
(実施例1−2〜1−10、比較例1−1〜1−3)
<アルコキシアミン基含有コア粒子(X2〜X13)の製造>
下記表2に示す成分及び配合量とした以外は、実施例1−1と同様にして、アルコキシアミン基含有コア粒子(X2〜X13)を得た。なお、表2における配合量は、(A)単官能ビニル単量体、(B)多官能ビニル単量体及び(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体の合計量を100重量部とし、それを基準として他の成分を表した。また、表2中の化合物C2は下記に示す(2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(3’−ビニルフェニル)エタノールと2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(4’−ビニルフェニル)エタノールのm/p体混合物、純度98%、m/p比=57/43)である。
Figure 2016222755
実施例1−1〜1−10と比較例1−1〜1−3で得られた各コア粒子の水中での平均粒径を下記表2に示した。
Figure 2016222755
(実施例2−1)
<コア−シェル粒子(Y1)の製造>
酢酸3−メトキシブチル(MBA)4.80g、3−メトキシ−1−ブタノール(MB)1.20g、スチレン(St)2.50g、2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−フェニルエタノール(下記に示す化合物F1)0.015g、実施例1−1で得られたコア粒子(X1:2.50g(乾燥重量))を混合し、超音波を照射して分散させた。得られた分散液を内容量20mLのガラスアンプルに注入し、窒素置換したうえで封管し、125℃で6時間重合を行った。内容物にテトラヒドロフラン(THF)8mLを加え、遠心分離によりモノマーや溶剤などを除去し、得られた沈殿物をTHFにより2回洗浄し、減圧乾燥することによりコア−シェル粒子(Y1)を得た。得られたコア−シェル粒子の乾燥重量は3.17gであり、グラフト率は26.7%であった。
Figure 2016222755
(実施例2−2〜2−10、比較例2−1〜2−3)
<コア−シェル粒子(Y2〜Y13)の製造>
下記表3に示す成分及び配合量とした以外は実施例2−1と同様にして、コア−シェル粒子(Y2〜Y13)を得た。なお、表3における配合量は、コア粒子を100重量部とし、それを基準として他の成分を表した。
実施例2−1〜2−10と比較例2−1〜2−3で得られたコア−シェル粒子のグラフト率及び平均粒径、並びに用いたコア粒子の平均粒径を表3に示した。
Figure 2016222755
(実施例3−1〜3−4)
<コア−シェル粒子(Z1〜Z4)の製造>
下記表4に示す配合量とした以外は実施例2−1と同様にして、コア-シェル粒子(Z1〜Z4)を得た。
実施例3−1〜3−4で得られたコア−シェル粒子のグラフト率を表4に示した。
Figure 2016222755
実施例2−1〜2−10および比較例2−1〜2−3において、コア−シェル粒子の平均粒径がコア粒子の平均粒径より大きくなったことから、コア粒子のアルコキシアミン基からグラフト重合が起きてコア粒子の周囲にシェル部が形成されたことを確認した。また、コア−シェル粒子は、コア粒子の製造に用いた(A)単官能ビニル単量体の種類に関わらず得ることが出来た。さらに、アルコキシアミン基含有ビニル単量体C1を含むコア粒子から製造した実施例2−1〜2−10のコア−シェル粒子は、アルコキシアミン基含有ビニル単量体C2を含むコア粒子から製造した比較例2−1〜2−3のコア−シェル粒子より、グラフト率が高くなった。
表4に示した実施例3−1〜3−4の結果から、(E)ビニル単量体と重合の起点となる開始種(コア粒子中のアルコキシアミン基及び化合物F1)とのモル比が同じであっても、化合物F1と(E)ビニル単量体のモル比によってグラフト率は変化した。具体的には、化合物F1の量を減らすとグラフト率は高くなった。

Claims (3)

  1. (A)単官能ビニル単量体と、(B)多官能ビニル単量体と、(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体とを、(D)重合開始剤の存在下で重合して得られるコア粒子であって、
    前記(C)アルコキシアミン基含有ビニル単量体が、下記式1で表される1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(2’−メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルオキシ)−1−フェニルエタンであるコア粒子。
    Figure 2016222755
  2. 請求項1に記載のコア粒子と(E)ビニル単量体とを重合して得られるコア−シェル粒子。
  3. 請求項1に記載のコア粒子と、(E)ビニル単量体とを、(F)アルコキシアミン基含有化合物の存在下で重合して得られるコア−シェル粒子であって、
    前記(F)アルコキシアミン基含有化合物が下記式2で表される2−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−フェニルエタノールであるコア−シェル粒子。
    Figure 2016222755
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