JP3466301B2 - 単分散性ポリスチレン系粒子の製造方法 - Google Patents

単分散性ポリスチレン系粒子の製造方法

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JP3466301B2 JP29178694A JP29178694A JP3466301B2 JP 3466301 B2 JP3466301 B2 JP 3466301B2 JP 29178694 A JP29178694 A JP 29178694A JP 29178694 A JP29178694 A JP 29178694A JP 3466301 B2 JP3466301 B2 JP 3466301B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、艶消し剤、クロマトグ
ラフィー用担体、薬用担体、粉体塗料、電子写真用トナ
ー、化粧品等として盛んに利用されている樹脂粒子に関
するものであり、とくにシャープな粒子径分布を有する
ミクロンサイズ樹脂粒子の製造方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来から用いられているミクロンサイズ
の単分散性重合粒子の製造方法としては、懸濁重合法、
シード重合法、分散重合法があげられる。 【0003】懸濁重合法は、分散安定剤の存在下、水中
でモノマーを機械的に攪拌することにより液滴を形成さ
せ、適当な油溶性重合開始剤を用いて粒子を得る方法で
ある。懸濁重合法では、粒子径が機械的な攪拌に依存し
シャープな粒子径分布をもつ粒子を得ることは難しい。 【0004】シード重合法は先になんらかの方法により
合成したポリマー粒子をシード粒子とし、このシード粒
子を溶剤および重合性モノマーで膨潤させて粒子径を大
きくさせる方法であるが、シード粒子の膨潤率は体積の
10倍程度が限界であり、大粒子径の粒子を得るには数
回のシード重合を繰返さなければならない。また、J.
Ugelstdらにより開発された2段膨潤シード重合
法(J.Polymer Science,Polym.Symposium 72,225(198
5))は、シード粒子のモノマー吸収能力を高めるため、
オリゴマー等の膨潤助剤を使用することにより体積で1
000倍程度まで膨潤率を高め、大粒子を得る方法であ
る。この方法では膨潤助剤の除去が必要となる。シード
重合法、2段膨潤シード重合法は単分散性のミクロンサ
イズ粒子の合成方法としては大変有効であるが、2段階
以上の工程を踏むことから手間がかかり、コスト的にも
工業的な製造法としては好ましくない。 【0005】分散重合法は有機溶媒中で分散安定剤の存
在下、重合性モノマーは溶媒に溶解するが得られるポリ
マーは溶媒に不溶で析出してくるような系で重合を行
い、粒子を得る方法である。分散重合法は1段階でミク
ロンサイズの単分散性粒子が得られることから、手間や
コストの面で優位である。一般に、Y.Almogら
(British Polym J. 14,131(1982))やJ.W.Van
derhoffら(J.PolymScience:Part A:24,2995(19
86))により、ポリスチレン粒子の分散重合法による合
成方法が知られているが、これらの方法では、重合性モ
ノマーの濃度や、分散剤の濃度等の条件により、粒子径
や単分散性が著しく変化し、サブミクロンサイズの粒子
の副生や凝集等が起こりやすい。スチレンと種々のアク
リレートモノマーとの共重合体粒子についても粒子径分
布が広がる傾向がみられる。このため、工業的な観点か
らは大規模で安定に製造することに問題がある。さら
に、粒子に対し少なくとも10〜20%と多量の高分子
分散剤を必要とするために、得られた粒子と分散剤の分
離が十分に行われず粒子表面に過剰に高分子分散剤が吸
着し、粒子同志の付着が起こりやすく、再分散性が悪く
なる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
重合法により、重合条件の変化に対して安定に単分散性
粒子を得ることのできるポリスチレン粒子の製造方法を
提供することにある。また、少量の分散安定剤を使用す
ることにより粒子表面の分散安定剤による汚染を低減さ
せて再分散性が良い粒子を得ることである。さらに、ス
チレンと共重合可能なモノマー類とスチレンとの共重合
系についても同様の単分散性の良い粒子を得ることであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、アルコール性
媒体中において、前記化1に示されるモノマーAを有す
る分散安定剤としての重合体Sの存在下で、前記に示さ
れるモノマーBを重合することにより平均粒子径1μm
以上20μm以下の単分散性ポリスチレン系粒子を製造
することを特徴とする単分散性ポリスチレン系粒子の製
造方法である。 【0008】化1で示されるモノマーAはオルト体、メ
タ体、パラ体いずれでもよく、化1中R1は炭素数18
以下のアルキル基もしくはフェニル基を表す。 例え
ば、チオ酢酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸、チオ吉草
酸、チオカプロン酸、チオ安息香酸などが挙げられる。 【0009】粒子を形成する前記モノマーBとしては、
スチレン単独でもよいし、スチレンと共重合可能なモノ
マー類とスチレンとの混合物でもよい。スチレンとの共
重合可能なモノマーとしては、前記化2に示したモノマ
ーもしくは分子内に二重結合を2つ以上有するモノマー
類が好ましい。化2中、 R2は水素原子あるいはメチル
基を,R3は水素原子あるいは炭素数18以下のアルキ
ル基を表す。 【0010】化2で示される化合物はアクリル酸、メタ
クリル酸およびそのエステル類であり、例えば、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−
ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げら
れる。分子内に二重結合を2つ以上有するモノマーとし
ては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
およびそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ビニル、1,3
−ブタンジオールジメタクリレート等のジエチレン性ア
クリル酸およびメタクリル酸エステルなどが挙げられ
る。 【0011】スチレンと共重合可能なモノマー類とスチ
レンとの混合物として、共重合可能なモノマー類から選
ばれるモノマー1種とスチレンとの混合物でもよいし、
共重合可能なモノマー類から選ばれるモノマー2種以上
とスチレンとの混合物でもよい。また、これらのスチレ
ンとの共重合可能なモノマー類は混合物100重量部中
1〜40重量部の範囲で使用することが好ましい。 【0012】アルコール性媒体としては、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなど
の炭素数が4以下の脂肪族アルコール類、あるいはメチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテルアルコ
ール類が好ましい例としてあげられる。これらは単独あ
るいは2種以上の混合物として用いられる。これら以外
のアルコール類を単独で使用した場合には得られる粒子
の単分散性が低下する場合があるが、炭素数5以上8以
下の脂肪族アルコール類、例えばn−ペンタノール、n
−ヘキサノール、n−オクタノールなどは炭素数4以下
の脂肪族アルコール類と混合することで有利に用いるこ
とができる。さらに、炭素数4以下の脂肪族アルコール
類と混和可能な媒体、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族系炭化水素、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、あるいは
水を混合媒体100重量部中20重量部以下の範囲で含
む混合媒体も好ましく用いられる。媒体の溶解度パラメ
ーターを変化させることにより、合成して得られる粒子
の粒子径および粒子径分布を調節することが可能であ
る。 【0013】重合体Sは前記化1に示されるモノマーA
を0.1〜20重量部含む共重合体であり、モノマーA
と共に前記化3、化4、化5、化6、化7、化8で示さ
れるモノマー群より選ばれるモノマーCの少なくとも1
種を50〜99.9重量部含む共重合体が好ましく用い
られる。ここで、 化3中R4は水素原子あるいはメチル
基を、R5、R6は メチル基あるいはエチル基を表し、
nは1〜3の整数を表す。化4中R7は水素原子あるい
はメチル基を、R8、 R9は水素原子、あるいは炭素数
4以下のアルキル基を表す。化5中R10、R11、R12
水素原子あるいはメチル基を表し、nは0〜10の整数
を表す。化7中R13は水素原子あるいはメチル基を表
す。 【0014】化3の具体的な例としてはアクリル酸2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル等のアミノ基を有す
るアクリル系モノマーが挙げられる。化4の具体的な例
としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−
ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、N−イソ
プロピルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド
等のアクリルアミド系モノマーが挙げられる。化5の具
体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル等のカルボキシル基や水酸基を有するアクリル
系モノマーが挙げられ、化6としてはN−ビニルピロリ
ドン、化7の具体的な例としてはビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾール等の窒素原子またはその複素環を有する
モノマーが挙げられる。 【0015】重合体Sを製造するに際してはモノマーC
1種とモノマーAを共重合させてもよいし、上記のモノ
マー群より選ばれる2種以上のモノマーCをモノマーA
と共重合させてもよい。これらモノマーAとCをアルコ
ール性媒体中で重合し、重合体Sを得る。 【0016】重合体Sを溶解した媒体中でモノマーBの
重合を行うことで単分散粒子を合成するわけであるが、
モノマーAとモノマーCから合成される重合体S中、モ
ノマーAは0.1〜20重量部含み、モノマーAの含有
量が多い重合体Sを使用することにより合成されるポリ
スチレン粒子の粒子径は小さくなる傾向がみられる。 【0017】重合体Sは、あまり分子量が低い場合には
この存在下に分散重合を行っても粒子を形成しない場合
があることから、重量平均分子量が1万以上のものが好
ましい。重合体Sは重合後そのまま使用しても良いし、
適当な貧溶媒を用いて沈澱精製したポリマーを使用して
も良い。また、重合体Sの使用量としては、粒子を形成
するモノマーB100重量部に対して0.1〜30重量
部の範囲が適し、さらに好ましい使用量としては0.5
〜10重量部の範囲であり、特にに好ましくは0.5〜
5重量部の範囲である。この範囲で合成されるポリスチ
レン系粒子の粒子径には大きな変化はみられず、粒子径
分布が狭い単分散性粒子が得られる。 【0018】重合開始剤として用いられるものは、例え
ば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル
2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、
4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開
始剤、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤等であ
る。 【0019】重合開始剤の濃度はモノマーB100重量
部に対して0.1〜5重量部が好ましい。通常の重合条
件では、1〜2重量部用いられ、重合開始剤の濃度が大
きくなると生成するポリスチレン粒子の粒子径は大きく
なる傾向がみられる。 【0020】重合開始時のモノマーBの濃度としては、
アルコール性媒体中45重量%以下が適するが、粒子径
分布を非常に狭くするならば、40重量%以下にするこ
とが好ましい。 【0021】重合はアルコール性媒体中に重合体Sを溶
解した後、撹拌しながら窒素雰囲気下、モノマーBを加
え、昇温後重合開始剤を添加し行われる。重合時間は6
時間から12時間程度要する。また、重合途中でさらに
重合開始剤を添加することにより、重合率を高め、重合
時間を短くすることができる。 【0022】この時、重合体Sはアルコール性媒体に溶
解後、モノマーBを加えてそのまま重合を行ってもよい
が、窒素雰囲気下、適当なアルカリを用いてpH8から
13のアルカリ条件に調整し、室温から80℃で15分
から1時間ほど加熱後、モノマーBを添加してこれらの
重合を行うことが望ましい。これは、アルカリ条件下で
重合体S中のチオールエステル基を加水分解してメルカ
プト基に変換するためである。変換されたメルカプト基
はモノマーBに連鎖移動することから重合体Sとモノマ
ーBとのグラフトポリマーが形成され、分散安定剤であ
る重合体Sがより効率的に粒子表面に固定化されること
になる。したがって、重合体SをモノマーBの重合以前
に加水分解することにより、少量の分散安定剤の使用で
安定に粒子が合成され、さらに単分散性のよい粒子を得
ることが可能となる。一般に、スチレン単独の重合によ
って得られる粒子は単分散性が良いものの、スチレンと
共重合可能なモノマーとスチレンとの共重合体粒子の粒
子径分布は広い場合が多いが、重合体Sを使用すると前
記のような効果により、該共重合体粒子についても同様
の単分散性粒子を得ることができる。 【0023】重合終了後は、沈降分離、遠心分離、デカ
ンテーション等の操作により、重合体スラリーを回収、
洗浄し、濾過後、乾燥させ、ポリスチレン系粒子の粉体
を得ることができる。粉体として得られた粒子は、水あ
るいはアルコール性媒体中に容易に再分散する。 【0024】このようにして得られた乾燥粉体は具体的
な応用例として乾式トナー、充填剤、マット剤等種々の
分野に使用可能であるが、いずれの場合にも粉体中の個
々の粒子が凝集していないことが必要であり、粉体同士
の接着、凝集が生じるとせっかくの単分散性粒子を合成
する意味がなくなってしまう。本発明で得られる単分散
性粒子の効果として、一つに合成により得られる粒子の
単分散性が従来の方法と比較してさらに改良されている
点と、得られた単分散性粒子を乾燥粒子として取り出し
た時の粒子の流動性が優れ、粒子の接着、合一がみられ
ず、さらに液中への再分散性が非常に優れていることが
挙げられる。 【0025】 【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳しく本発明に
ついて説明する。 【0026】合成例1(重合体S) 500ml4ツ口フラスコにエタノールを40g、水を
160g、モノマーAとしてチオ酢酸4−ビニルベンジ
ルを1g、モノマーBとしてN−ビニルピロリドンを1
00g加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら55℃まで加
熱し、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−
2−イル)プロパン]二塩酸塩を1g添加して重合を開
始した。60℃で3時間重合後、粘凋なポリマー溶液と
なり、分散安定剤として重合体Sを得た。 【0027】合成例2〜9(重合体S) 表1に示した組成にしたがって,合成例1と同様に重合
体Sを合成した。 【0028】合成例10(比較重合体) 表1に示した組成にしたがって,合成例1と同様に分散
安定剤としてポリビニルピロリドンを合成した。 【0029】 【表1】 【0030】モノマーAとしては化1中R1としてメチ
ル基を有するものを使用した。 VA−044:2,2´−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン ]二塩酸塩 AIBN :2,2´−アゾビスイソブチロニトリル V−65 :2,2´−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル) NVP :N−ビニルピロリドン HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル DMAEMA:メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エ
チル 【0031】実施例1 攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた500ml4口フ
ラスコに、合成例1で得られた重合体Sを固形分で2.
4gとエタノールを187g入れ溶解した後、アンモニ
ア水を加えてpH10程度に調整し、120rpmで攪
拌しながら窒素雰囲気下70℃の湯浴中で1時間加熱し
た。スチレン80gを加え、15分ほど窒素置換した
後、N,N´−アゾビスイソブチロニトリルを0.8g
添加し重合を開始した。添加直後より白濁が始まり、3
0分程度で乳白色の分散液となった。重合開始後、72
〜73℃に昇温し4時間反応させ、さらにN,N´−ア
ゾビスイソブチロニトリルを0.4g添加し、さらに2
時間重合を行った。重合率はガスクロマトグラフィーに
より98%に達していることを確認した。この分散液を
少量取分け、コールターカウンターにより粒子径分布を
測定したところ、平均粒子径3.2μm、変動係数13
%の非常に単分散性の良い粒子径分布を示すことがわか
った。 【0032】得られた分散液は3日間静置すると粒子が
沈降し、デカンテーションにより粒子のみを得ることが
できた。このスラリー状の粒子をメタノールに再分散
し、1500rpmで10分間遠心沈降すると粒子はす
べて沈降し上澄み液は透明となっ た。 さらにもう一度
メタノールで洗浄した後、濾過を行った。濾別した粒子
は一昼夜風乾後24時間減圧乾燥し、白色粉末のポリス
チレン粒子を得た。乾燥粉体は非常に流動性が高く、光
学顕微鏡で観察したところ、1個1個の粒子が凝集する
ことなく完全に独立していることが確認された。 【0033】粉末状の粒子を単に攪拌するのみで水中に
再分散させ、コールターカウンターにより再度粒子径分
布を測定したところ、2粒子以上の凝集体等はなく、分
散液を用いて測定した値と同様の分布を示した。 【0034】比較例1 実施例1と同様の装置に、合成例10で得られたポリビ
ニルピロリドンを固形分で8g、エタノールを187g
加えて溶解させた後、スチレンモノマーを80g加えて
120rpmで攪拌しながら窒素雰囲気下、70℃まで
湯浴中で昇温し、N,N´−ア ゾビスイソブチロニト
リルを0.8g添加し重合を開始した。72〜73℃に
昇温し4時間重合後、N,N´−アゾビスイソブチロニ
トリルを0.4g添加しさらに2時間重合を行った。こ
の分散液を小量取り、コールターカウンターで粒子径分
布を測定した。 【0035】重合終了後、実施例1と同様にメタノール
で洗浄し、スラリー状の粒子を得たが、実施例1に比較
してベタベタとし粘性が高かった。一昼夜風乾後24時
間減圧乾燥し、白色粉末のポリスチレン粒子を得た。乾
燥粉体は数個〜数十個以上のポリスチレン粒子の凝集塊
を多く含み、光学顕微鏡で観察したところ、粒子同士が
各々の表面で接着していることがわかった。この粒子は
再分散性が悪いため水中で超音波照射を約1時間行うこ
とにより再分散し、コールターカウンターにより粒子径
分布の測定を行ったところ、分散液での平均粒子径の他
に二粒子以上の凝集によるものと考えられる大粒子径が
観測された。 【0036】比較例2 比較例1と同様に重合を行った。ただし、合成例10で
得られたポリビニルピロリドンを固形分で2.4g用い
た。重合後期に凝集が発生し、フラスコ壁に重合体の付
着物がみられ、特に4時間重合後、N,N´−アゾビス
イソブチロニトリルを0.4g添加すると凝集物が増加
し、攪拌翼にはかなり大きなポリマー塊がみられた。重
合後、コールターカウンターにより粒子径分布を測定し
たところ、1μm以下の微細な粒子から6μm以上の粒
子まで幅広い分布がみられた。 【0037】実施例2〜8 表2に示した組成にしたがって、実施例1と同様にして
ポリスチレン粒子を合成した。いずれの場合にも安定に
粒子が合成された。実施例1〜8および比較例1、2の
粒子径および粒子径分布等の結果を表3に示した。実施
例1〜8についてはいずれの場合にも乾燥粒子粉体の流
動性は良好で粒子同士の接着、凝集も認められなかっ
た。また水中への再分散性も良好であった。 【0038】 【表2】【0039】 【表3】 【0040】(1)粒子径分布のグレードは、粒子径分
布の変動係数により次のように分類した。 1:20%未満、2:20%以上35%未満、3:35
%以上 【0041】実施例9 実施例1と同様の装置に、合成例6で得られた重合体S
を固形分で2.4g、エタノール187gを入れ溶解
後、アンモニア水でpH10程度に調整し120rpm
で攪拌し ながら窒素雰囲気下、 70℃の湯浴中で1時
間加熱した。スチレン64g、アクリル酸n−ブチル1
6gを加えて15分ほど窒素置換し、N,N´−アゾビ
スイソブチロニトリル0.8gを添加して重合を開始し
た。開始剤添加後、72〜73℃に昇温し15分で分散
液が青味がかって白濁し始め、45分後には乳白色の分
散液となった。6時間重合後、N,N´−アゾビスイソ
ブチロニトリル0.4gを添加してさらに2時間重合を
行った。重合終了後、分散液の粒子径分布をコールター
カウンターにより測定したところ、平均粒子径3.2μ
m、変動係数15%の単分散粒子であった。さらに実施
例1と同様に粒子を乾燥粉体として取り出したところ、
粒子同士の接着等に基づく凝集塊の生成もなく、個々の
粒子が独立して存在することが確認されるとともに、水
中への再分散性も良好であった。 【0042】比較例3 比較例1と同様の装置に、分散安定剤としては市販のポ
リビニルピロリドンK−30(東京化成製)8g、エタ
ノール187gを加えて溶解させた後、スチレン64
g、アクリル酸n−ブチル16gを加えて120rpm
で攪拌しながら窒素雰囲気下、70℃まで湯浴中で昇温
し、N,N´−アゾビスイソブチロニトリルを0.8g
添加し重合を開始し、72〜73℃に昇温し重合を行っ
た。重合後期には凝集がみられ、6時間重合後、N,N
´−アゾビスイソブチロニトリルを0.4g添加する
と、凝集は増加した。8時間重合して重合を終了し、重
合終了時の分散液の粒子径分布をコールターカウンター
により測定し、また、走査型電子顕微鏡により観察した
ところ、1μm程度の小粒子から13μm程度の大粒子
まで非常に幅広い粒子径分布を示した。 【0043】実施例10〜16 表4に示した組成で、実施例9と同様の方法でポリスチ
レン系粒子を合成した。いずれの場合にも安定に粒子が
合成された。実施例9〜16および比較例3の粒子径お
よび粒子径分布等の結果を表5に示した。実施例9〜1
6についてはいずれの場合にも乾燥粉体中の凝集塊は認
められず、また水中での再分散性も良好であった。 【0044】 【表4】 【0045】 BA :アクリル酸n−ブチル DVB:ジビニルベンゼン BMA:メタクリル酸n−ブチル MA :アクリル酸メチル MAA:メタクリル酸 IPA:イソプロパノール OA :オクチルアルコール 【0046】 【表5】【0047】(1)粒子径分布のグレードは、粒子径分
布の変動係数により次のように分類した。 1:20%未満、2:20%以上35%未満、3:35
%以上 【0048】 【発明の効果】本発明に示した製造方法により、アルコ
ール性媒体中で安定に、シャープな粒子径分布を持ち、
かつ粉体とした後の再分散性のよいポリスチレン系の粒
子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例4の走査型電子顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08F 12/30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルコール性媒体中において、化1に示
    されるモノマーAを有する重合体Sの存在下で下記に示
    されるモノマーBを重合することにより平均粒子径1μ
    m以上20μm以下の単分散性ポリスチレン系粒子を製
    造することを特徴とする単分散性ポリスチレン系粒子の
    製造方法。 【化1】 (化1中R1は炭素数18以下のアルキル基もしくはフ
    ェニル基を表わす。)モノマーB:スチレンあるいはス
    チレンと共重合可能なモノマーとスチレンとの混合物。
JP29178694A 1994-11-25 1994-11-25 単分散性ポリスチレン系粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP3466301B2 (ja)

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