JP2011137082A - 有機無機複合組成物及びその製造方法 - Google Patents

有機無機複合組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
ナノ無機粒子を高充填した場合でも、ゲル化を抑制した状態で合成することが可能な、ナノ無機粒子が均一に分散した熱可塑性有機無機複合組成物を提供すること。
【解決手段】
ナノ無機粒子と有機重合物が結合した有機無機複合組成物であって、ナノ無機粒子の含有量が、有機無機複合組成物の全量基準で10〜95質量%であり、ナノ無機粒子1gに有機重合物が0.002〜0.13mmol結合しており、有機重合物の数平均分子量が5,000〜500,000g/molである有機無機複合組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機無機複合組成物及びその製造方法に関する。
無機材料はそれぞれの特徴や要求特性を考慮し、様々なタイプのものが工業用に使用されている。例えば炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ素系セラミックス類は機械的強度や化学的安定性、熱的安定性に優れた材料である。しかしこれらの無機材料は一般に成形加工性に乏しく、硬くて脆い。また、有機重合体との密着性も悪く、その用途が制限されている。
他方、有機重合体は一般に成形加工性や柔軟性には優れているものの硬度や熱的安定性は無機材料と比較するとかなり劣る。このため、無機材料と有機重合体の特性を相補い、長所を活かす材料の開発が切望されている。
その一手段としてガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機系の強化剤や充填剤を有機重合体に混合、分散させる物性改質が広く行われている。このような有機−無機複合材料は、無機材料が有する硬度、強度、耐熱性、耐候性等の優れた特性を有機重合体に付与する目的で検討されている。
しかし、無機材料と有機重合体は一般に非相溶であり、分散状態をミクロに制御することは容易ではない。また、改質効果を上げるためには無機材料をより細かく、より多く、できるだけ均質に分散することが重要であるが、無機材料は微粒子になるほど凝集が起こりやすく、均質分散が困難となる。更に無機材料の添加量には限界があり、一定量を超えると良好な複合材料が得られなくなり、成形性が悪くなったり、脆くなったり、クラックが生じやすくなる傾向がある。
このようなことから高性能な有機−無機複合材料を作製するためには、無機材料と有機重合体を単に混合、分散するだけでは困難であり、新しい技術の開発が必要である。高性能な有機無機複合材料を作製する技術のひとつとして有機重合体と無機元素を直接結合させる研究が行われている。
そのひとつに金属アルコキシド化合物を主原料としてゾル−ゲル反応を用いることによりSi、Ti、Zr等の無機元素を材料骨格に導入し、有機重合体と無機材料が微分散した材料の開発が盛んに行われている。しかしながら、ゾル−ゲル法は金属アルコキシド化合物類の加水分解、縮合反応によって合成されるため、生成する水やアルコールなどの揮発成分を除去することが必要で、必然的に薄膜での使用に限定される。また、三次元的に有機重合体と無機成分が架橋した構造を構成するため、溶融流動性が低く、成形加工性に問題がある。
このように、有機重合体とナノ無機粒子を直接結合させた材料であっても基板上に塗布して固める硬化法やゾル−ゲル法によって有機無機複合材料を合成することが一般的で、成形品の形状、成形方法や有機重合体の種類が極めて限定的であった。
これら問題を解決する方法として、あらかじめ合成された微粒子表面に反応性化合物を結合させて有機重合体と結合させる方法が種々検討されている。
例えば、特許文献1ではカーボンブラック微粒子と、そのカーボンブラック表面の官能基と反応する反応性基を有するポリマーを溶融混練することで、カーボンブラックとポリマーが共有結合で繋がれた複合材料を作製できることが報告されている。
特開2000−154327号公報
しかしながら、特許文献1においては、反応性官能基を有する有機重合体を合成した後で、微粒子表面の官能基と反応させるため、有機重合体の分子量によっては、立体障害のために、有機無機間の結合を充分に形成させることが困難である。また、有機重合体と微粒子表面の反応性の高い官能基を溶融混合工程で全て反応させることは困難で、成形体となった後で残存官能基が光や熱などの影響によって反応し、複合体がゲル化する、あるいは着色するなどの問題が生じる。
有機重合体とナノ無機粒子の複合化法としては、ラジカル反応性二重結合がナノ無機粒子表面に結合した表面修飾ナノ無機粒子の存在下で、有機重合物をラジカル重合で合成する方法がある。例えば、Polymer.49.5636(2008)では、ラジカル反応性二重結合が表面に結合したシリカ粒子の存在下で、リビングラジカル重合をすることで、有機重合体とナノ無機粒子が結合した複合材料が得られることが報告されている。
しかしながら、従来技術においては、有機無機複合組成物中に充填しているナノ無機粒子の量が少なく、複合材料としての十分な物性を発現することが困難である。また、ナノ無機粒子に結合したラジカル反応性二重結合の量が多く、ナノ無機粒子の充填量を高めた場合は、複合組成物がゲル化するため、物性だけでなく、製造工程でも大きな問題が生じる。
これらの問題のため、有機重合物とナノ無機粒子が結合した複合材料においては、ナノ無機粒子が均一に分散したゲル化していない複合組成物を合成することが困難で、ナノ材料の適用範囲が極めて限定的であった。
そこで、本発明の目的は、有機重合物とナノ無機粒子が結合した複合組成物であって、ナノ無機粒子を高充填した場合でも、ゲル化を抑制した状態で合成することが可能な、ナノ無機粒子が均一に分散した熱可塑性有機無機複合組成物を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[11]に関する。
[1]ナノ無機粒子と有機重合物が結合した有機無機複合組成物であって、ナノ無機粒子の含有量が、有機無機複合組成物の全量基準で10〜95質量%(以下、「wt%」と記載する場合がある。)であり、ナノ無機粒子1gに有機重合物が0.002〜0.13mmol結合しており、有機重合物の数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000g/molである有機無機複合組成物。
[2]有機重合物の分子量分布(Mw/Mn)が1〜2である[1]に記載の有機無機複合組成物。
[3]ナノ無機粒子が、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物からなる、[1]又は[2]に記載の有機無機複合組成物。
[4]ナノ無機粒子の平均直径が50nm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の有機無機複合組成物。
[5]有機重合物を構成するモノマーが、ラジカル反応性モノマーである[1]〜[4]のいずれかに記載の有機無機複合組成物。
[6]ナノ無機粒子の存在下に、ラジカル重合性モノマーをリビングラジカル重合することにより、ナノ無機粒子にラジカル重合性モノマーからなる有機重合物を結合させる、[1]記載の有機無機複合組成物を製造する製造方法。
[7]リビングラジカル重合に先立って、カップリング剤によりナノ無機粒子を表面改質する、[6]に記載の製造方法。
[8]ナノ無機粒子1gに対して、カップリング剤を0.002〜0.13mmol適用して表面改質する、[7]に記載の製造方法。
[9]カップリング剤が、ラジカル反応性二重結合を有するカップリング剤である、[7]又は[8]に記載の製造方法。
[10]リビングラジカル重合が、可逆的付加解裂連鎖移動重合である、[6]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11][1]〜[5]のいずれかに記載の有機無機複合組成物からなる成形体。
本発明では、有機重合物とナノ無機粒子がゲル化せずに複合化し、溶融成形した場合でもナノ無機粒子の凝集が抑制された状態で有機無機複合組成物が提供される。よって、有機無機複合組成物を透明にすることが可能になる。
本発明で合成される有機無機複合組成物では、ラジカル反応性基を有するカップリング剤で表面修飾されたナノ無機粒子を用いることができ、その表面修飾量を制御した表面改質ナノ無機粒子を使用して、有機重合物をリビングラジカル重合で合成することによって、有機重合物とナノ無機粒子が結合した、実質的にゲル化のない熱可塑性の複合材料とすることができる。これによって、キャスト法や溶融成形法での複雑な成形加工が可能になり、更に複合材料中にナノ無機粒子を高充填した場合でも、該微粒子が微分散した状態で存在する有機無機複合組成物となる。
実施例4で示したシリカ23wt%含有ポリメタアクリル酸メチル複合組成物を熱プレスした後のTEM写真である。 実施例6で示したシリカ43wt%含有ポリメタアクリル酸メチル複合組成物を熱プレスした後のTEM写真である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明は、ナノ無機粒子と有機重合物が結合した有機無機複合組成物であって、ナノ無機粒子の含有量が10〜95wt%であり、ナノ無機粒子1gに有機重合物が0.002〜0.13mmol結合しており、有機重合物の数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000g/molである有機無機複合組成物であることを特徴としている。
まず、本発明で使用されるナノ無機粒子について説明する。ナノ無機粒子はそのサイズがナノ領域であれば(すなわち平均粒径がナノメータのオーダーにあれば)よく、ナノ無機粒子を構成する化学種は任意である。
ナノ無機粒子としては、ナノ無機粒子表面に表面修飾化合物(カップリング剤、クエンチ剤)と反応する官能基を有しているものであるか、酸や塩基、プラズマ照射等で処理をして当該官能基を結合させたもの、あるいはイオン結合、配位結合などの結合を形成して表面修飾化合物がナノ無機粒子表面に固定することができるものを使用してもよい。ナノ無機粒子表面の官能基又は化合物としては、限定されるものではないが、ヒドロキシ化合物、アルデヒド基やアセチル基などのカルボニル化合物、酸無水物や酸ハロゲン化物などのカルボン酸誘導体、アミノ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ウレタン結合、ハロゲンなどが挙げられる。
ナノ無機粒子の材料としては、例えば、Si、Ti、Zr、Al等の酸化物、窒化物、元素単体、金属、合金等の無機物が挙げられる。特に酸化ケイ素(シリカ、シルセスキオキサン類)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)等の無機酸化物は容易に入手可能な点で好ましい。また、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンブラック等の炭素材料であってもよい。
ナノ無機粒子の形状や結晶系はいかなるものでもよく、大きさ(平均粒径)は好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下である。100nmより大きいと、光学材料として使用した時に、光の散乱などの問題が発生する場合がある。また、小さすぎるとナノ無機粒子を構成する物質固有の特性が変化する可能性があるため、1nm以上のものが好ましい。
有機無機複合組成物中のナノ無機粒子の量は、有機無機複合組成物の全量基準で10〜95wt%が好ましく、10〜80wt%がより好ましく、さらには20〜80wt%が好ましい。一般的に、有機無機複合組成物中のナノ無機粒子の量が10wt%より少ないと、有機重合物にナノ無機粒子を充填したことによる効果が小さい。また、95wt%より多いと有機無機複合組成物が脆くなりやすいといった傾向がある。
これらのナノ無機粒子は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。さらにその特性において、導体、半導体、絶縁体、磁性体等の各種のものでもよい。
ナノ無機粒子としては、表面を改質したナノ無機粒子(「表面改質ナノ無機粒子」と呼ぶ場合がある。)を適用することもできる。ナノ無機粒子を表面修飾する表面修飾化合物としては、カップリング剤と、クエンチ剤の2種類に分けられる。
カップリング剤としては、ナノ無機粒子表面と反応する官能基(例えば、水酸基(ケイ素酸化物の場合はシラノール基)、ハロゲン原子等)とラジカル反応性官能基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロキシ基等のラジカル反応性二重結合)の両方を有するものが特に好適である。ナノ無機粒子表面と反応する官能基としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系のカップリング剤が好適である。また、有機重合体とナノ無機粒子の結合を形成する官能基としては、ラジカル反応性の官能基が使用され、例えば、ラジカル反応性二重結合が好適に使用される。また、リビングラジカル重合の開始基であってもよい。
カップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、3−メタクリロキシエチルイソシアネート等のラジカル反応性二重結合を有するカップリング剤や、3−(2−ブロモイソブチリロキシ)プロピルジメチルクロロシラン等が好適なカップリング剤として使用される。これらのカップリング剤は、ナノ無機粒子と直接結合していてもよく、直接結合したカップリング剤と結合して、2個以上連結したものでもよい。カップリング剤によっては、水を導入して、若しくは、水を除去しながら反応してもよい。また、ナノ無機粒子表面との反応を促進させるために、触媒を使用してもよい。
クエンチ剤としては、表面修飾ナノ無機粒子及び/又はカップリング剤に残存する官能基と反応する化合物が使用される。具体的には、ナノ無機粒子表面のシラノール基、カップリング剤のシラノール基、シリルメトキシ基、シリルクロライド基、イソシアネート基、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、エポキシ基、ホスホニウム基、スルホニウム基、あるいはウレタン結合などがクエンチされる官能基としてあげられる。
クエンチ(「クエンチ反応」と呼ぶ場合もある)とは、加熱、光、あるいは水などの影響で反応する可能性がある官能基を、反応しない状態にすることをいう。クエンチするタイミングは、ナノ無機粒子をカップリング剤で表面修飾させた後、この表面修飾の反応を生じるカップリング剤及びナノ無機粒子の官能基のうち当該反応を生じていない残存官能基を、クエンチ(クエンチ剤の官能基と反応させる)してもよく、又は、カップリング剤で表面修飾されたナノ無機粒子の存在下で、ラジカル重合性モノマーをリビングラジカル重合させて有機無機複合組成物を形成させた後、表面修飾の反応を生じるカップリング剤及びナノ無機粒子の官能基のうち当該反応を生じていない残存官能基を、クエンチしてもよい(クエンチ剤の官能基と反応させる)。
一般的にコロイダルシリカのような無機酸化物とラジカル反応性カップリング剤の反応を行った場合は、無機表面の全ての水酸基を反応させることは困難であって水酸基は一部残存する。また、カップリング剤の種類によっては、水酸基やアルコキシ基などの官能基が表面修飾無機酸化物に残存する。この未反応の官能基は、ナノ無機粒子表面と反応しやすい官能基を残存したまま重合過程で有機重合物に取り込まれる。これら残存官能基は、加熱乾燥、加熱加工する工程や、成形体が吸湿することなどによってアルコールや水などを生成し、成形体が発泡する要因となる。また、複合材料がゲル化したり、ナノ無機粒子が凝集する要因にもなりうる。
クエンチ剤となりうる化合物としては、立体障害が小さく、ナノ無機粒子表面の官能基及び/又はカップリング剤の官能基との反応性が高い化合物が好適に使用される。例えば、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物;クロロトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、ヒドロキシトリメチルシラン等のシラン化合物(好ましくは、トリアルキルシラン)などが挙げられる。
ナノ無機粒子表面やカップリング剤の官能基が−Si−OHであった場合のクエンチ剤との反応を示すと、ヘキサメチルジシラザンとの間では、−Si−OH+(CHSi−NH−Si(CH=−Si−O−Si(CH+(CHSi−NHという反応が生じると考えられ、クロロトリメチルシランとの間では、−Si−OH+Cl−Si(CH=−Si−O−Si(CH+HClという反応が生じ、加水分解されたヒドロキシトリメチルシランは、−Si−OH+HO−Si(CH=−Si−O−Si(CH+HOという反応が生じると考えられる。
クエンチ剤は、2種類以上併用してもよい。また、クエンチ反応によって発生する塩酸などの酸と反応する化合物、例えばトリエチルアミンなどを併用して用いることもできる。更にこの反応は、ナノ無機粒子をラジカル反応性カップリング剤で表面処理する前、あるいは後に行うこともできるし、重合後に行うこともできる。
表面改質ナノ無機粒子を調整する方法としては、ナノ無機粒子が凝集しない条件で行われることが好ましい。例えば、本発明で使用可能なコロイダルシリカの有機溶媒分散液を表面修飾する場合は、コロイダルシリカの重量比率が50wt%以下、好ましくは40wt%以下で反応することが好ましい。また、超音波照射、マイクロ波照射などを実施してもよい。ナノ無機粒子の紛体を使用する場合には、気相で反応させることもできる。反応条件は、表面修飾化合物とナノ無機粒子表面との反応性に依存するため、適宜最適な表面修飾条件を選択することができる。
ナノ無機粒子と表面修飾化合物とを溶媒中で反応させる際、溶媒は特に限定されず、ナノ無機粒子と表面修飾化合物を溶解又は分散させることのできるものを任意に使用することができる。無機酸化物の表面修飾反応を行う場合、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n‐プロパノールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒;ペンタン、ヘキサン、オクタン、2‐エチルヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒などを挙げることができる。これらのうち生成する表面修飾無機酸化物の分散性が良好である点で、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、ジメチルホルムアミドが好ましい。
カップリング剤及びクエンチ剤でナノ無機粒子表面を修飾した後、粒子表面と反応していない遊離のカップリング剤、クエンチ剤、あるいはクエンチされた化合物が存在している場合は、洗浄除去することができる。洗浄方法としては、ナノ無機粒子同士が凝集しない条件で行われることが好ましい。例えば、ヘキサンなどの貧溶媒を表面修飾ナノ無機粒子分散液に加えて、表面修飾ナノ無機粒子を沈殿させ、上澄みを除去する操作を数回繰り返すことで、不純物のない表面修飾ナノ無機粒子が得られる。
遊離のラジカル反応性カップリング剤が存在している場合でも、クエンチによって反応性官能基が反応しない状態になっているものであれば、洗浄精製することなく、そのまま重合に使用することができる。例えば、シリカとカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシランの反応の後、メトキシトリメチルシランなどのクエンチ剤で処理することによって、カップリング剤のクロロシラン部位を反応しない状態にすることができるため、有機重合物中に遊離のカップリング剤が取り込まれた場合でもゲル化や発泡などの問題が生じない。この場合、経済的にも極めて好ましい。
合成された表面改質ナノ無機粒子は、有機重合物を合成する前にあらかじめ導入してもよいし、重合途中に導入してもよい。
次に、有機無機複合組成物について説明する。
本発明の有機無機複合組成物は、ナノ無機粒子と有機重合物が結合しており、有機無機複合組成物であって、ナノ無機粒子の含有量が10〜95wt%であり、ナノ無機粒子1gに有機重合物が0.002〜0.13mmol結合しており、有機重合物の数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000g/molである。
有機重合体とナノ無機粒子を複合化する場合において、従来、ナノ無機粒子の凝集を抑制するために、出来るだけ多くのカップリング剤、若しくはクエンチ剤でナノ無機粒子表面を疎水化させることが行われていた。しかしながら、ラジカル反応性二重結合を有するカップリング剤が、多量にナノ無機粒子表面に結合している表面修飾ナノ無機粒子を使用した場合には、有機無機複合組成物がゲル化してしまう。また、クエンチ剤のみで疎水化すると、有機無機間の結合が形成されずに、ナノ無機粒子充填量が多くなったときには凝集する。
これに対して、本発明においては、有機重合物の結合量、有機重合物の数平均分子量(Mn)が上記範囲にあること等を理由として、有機重合物とナノ無機粒子がゲル化せずに結合を形成する。よって、ナノ無機粒子の含有量を10〜95wt%といった広い範囲に設定でき、ナノ無機粒子の含有量(充填量)が多い場合でも、ナノ無機粒子を均一分散することができる。これによって初めて、有機無機複合組成物中のナノ無機粒子充填量を高めることができ、更に有機重合物とナノ無機粒子が結合した有機無機複合組成物の熱可塑化に成功することができる。
ナノ無機粒子1gに対する有機重合物の結合量は、ナノ無機粒子と結合しているカップリング剤の量で計算することができる。まず、原料である一部疎水化されたナノ無機粒子の酢酸ブチル分散液(日産化学社製のNBAC−STを使用)に、カップリング剤である3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシランを適量導入して表面改質シリカを合成する。反応終了後、未反応カップリング剤を洗浄除去し、乾燥することで精製した表面修飾シリカを得た。該表面修飾シリカの炭素重量を元素分析で測定し、ナノ無機粒子1g中の炭素重量を求める。この炭素重量から、精製した原料シリカの炭素重量(疎水基の炭素重量)を減じ、カップリング剤由来の炭素重量を求め、カップリング剤の炭素分子量で割ることでナノ無機粒子に結合したカップリング剤量を求める。具体的には、原料シリカ1gに対して1.53mmol(338.1mg)のカップリング剤を導入して合成した表面改質シリカの炭素重量(疎水基とカップリング剤の炭素重量)は40.6mg、原料シリカの炭素重量(疎水基の炭素重量)は22.9mgなので、ナノ無機粒子に結合したカップリング剤の炭素重量は17.7mgとなり、カップリング剤量は0.16mmol(36.2mg)となる。同様な計算で、原料シリカ1gに対して0.11mmol(24.2mg)のカップリング剤を導入した場合は、ナノ無機粒子に結合したカップリング剤量は0.076mmol(16.8mg)となる。
有機無機複合組成物中のナノ無機粒子1gに対する有機重合物(カップリング剤)の結合量は0.002〜0.13mmolが好ましい。ナノ粒子1gに対するカップリング剤の結合量が、0.13mmolよりも多く、複合材料中にナノ無機粒子が10wt%以上存在する条件で高分子量体の有機重合物を合成する場合は、有機無機複合組成物がゲル化する可能性が高くなる場合がある。逆に、カップリング剤の結合数が少なすぎると、有機重合物が結合していないナノ無機粒子が多く存在する、あるいは、有機重合物がナノ無機粒子と結合している量が極めて少なくなるため、有機無機複合組成物としての充分な物性を発現できない可能性が高くなる傾向にある。そのため、ナノ無機粒子が10wt%以上存在する条件では0.002mmol以上のカップリング剤が結合したものが好ましい。
有機無機複合組成物中のナノ無機粒子1gに対する有機重合物(カップリング剤)の結合量は0.002〜0.12mmolがより好ましく、0.005〜0.11mmolがさらに好ましい。
本発明では、ナノ無機粒子1gに対する有機重合物の結合量は、ナノ無機粒子と結合しているカップリング剤の量で規定した。ナノ無機粒子と反応させるカップリング剤量がナノ無機粒子表面の官能基数よりも少ない場合は、ナノ無機粒子と結合していない未反応カップリング剤が残存する量が少なくなるため、カップリング剤の仕込み量とナノ無機粒子に結合したカップリング剤量はほぼ同義であると考えることができる。
ナノ無機粒子と結合した有機重合物の量は、ナノ無機粒子に結合したカップリング剤の量と同量、あるいは、それ以下となる。本合成法では、有機重合物の合成過程で、立体障害の小さい低分子量の時に、ナノ無機粒子表面に結合したカップリング剤と反応することができるため、多くの有機重合物をナノ無機粒子に結合させることができる有効な方法である。また、リビングラジカル重合の開始基を有するカップリング剤をナノ無機粒子に結合した場合においても、ほぼ全てのカップリング剤から有機重合物を合成することができるため、有機重合物を合成した後で、ナノ無機粒子の官能基と有機重合物の官能基を反応させる方法よりも、有機重合物がナノ無機粒子に多く結合していると考えられる。
本発明における有機無機複合組成物については、各ポリマー鎖の長さがほぼ均一な重合物を合成することができるリビングラジカル重合で合成されるため、ポリマー鎖の長さで複合体同士の結合を抑制することが可能である。また、二分子停止反応がほとんど起こらないため、複合体同士の過剰な結合を制御でき、ゲル化せずに有機無機複合組成物を合成することが可能となる。
一方、フリーラジカル重合で合成した場合は、ナノ無機粒子と結合した有機重合物同士が二分子停止反応によって結合することで、超高分子量体、いわゆるゲルが生成しやすくなる。また、分子量分布が広く、重合初期から高分子量体が生成するため、ゲルが生成する可能性が高くなる。ゲルが有機無機複合組成物中に存在すると、機械強度、溶融流動性、光学特性等に問題が生じるだけでなく、製造工程でも反応槽に付着するなどの問題が生じるため本発明の有機無機複合組成物としては好ましくない。そのため、リビングラジカル重合で有機重合物を合成することが好ましい。
生成するゲルに関しては、表面改質ナノ無機粒子の存在下で、有機重合物を合成した後、該有機重合物が溶解する溶媒を加えて有機無機複合組成物を分散させたときに、不溶物が残存するかどうかで判断した。ゲル化した重合液は、重合液の10倍量のテトラヒドロフランを加えて攪拌子を使用して50℃で48時間加熱攪拌した後でも不溶物が存在するため容易に判断できる。詳細には、線径0.14mm、目開き370μmのステンレンスメッシュ(50メッシュ)を使用して不溶物を濾過し、乾燥した不溶物が有機無機複合組成物中の5wt%以上であるときをゲルと規定した。実際に、表面修飾量が多いナノ無機粒子を大量に使用して高分子量体の有機重合物の合成を行うと、上記処理を行っても不溶物が大量に残り、該不溶物が有機無機複合組成物の5wt%以上となる。
本発明の有機無機複合組成物を用いて成形体を製造できる。有機無機複合組成物については、目的に応じて、ナノ無機粒子に結合したカップリング剤の量、有機重合体の分子量、ナノ無機粒子の充填量を任意に選択することが出来る。成形体強度が必要な用途に有機無機複合組成物を使用する場合等は、有機重合物の分子量Mnが5,000〜500,000g/mol、より好ましくは、30,000〜500,000g/mol、更に好ましくは、50,000〜500,000g/molで合成することが好適である。そのときのナノ無機粒子の量は10〜95wt%、より好ましくは、10〜60wt%、更に好ましくは、10〜40wt%である。
また、本発明の有機無機複合組成物を他の樹脂に混合する、あるいは、成形体強度があまり要求されない用途に使用する場合は、有機重合物の分子量Mnが5,000〜500,000g/mol、より好ましくは、5,000〜300,000g/mol、更に好ましくは、5,000〜200,000g/molで合成することが好適である。そのときのナノ無機粒子の量は10〜95wt%、より好ましくは、20〜95wt%、更に好ましくは、30〜95wt%である。また、ナノ無機粒子1gに結合しているカップリング剤量は、0.002〜0.13mmol、より好ましくは、0.002〜0.10mmol、更に好ましくは、0.002〜0.07mmolである表面修飾ナノ無機粒子を使用することが好適である。
本発明において、リビングラジカル重合で合成される有機重合物の数平均分子量Mnは、5,000〜500,000g/molの範囲であることが好ましい。分子量Mnが500,000より大きいと、有機重合物の結合量が多いナノ無機粒子は、更に大きな分子量となり、溶融流動性が極端に低下する恐れがある。また、5,000より小さいと成形体として十分な強度が得られず、他の有機重合物と混合した場合においても、有機無機複合組成物と他の有機重合物の親和性が低下する恐れがある。
有機重合物の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量の値であり、Mw/Mnと略す場合がある)は1〜2であることが好ましい。有機重合物の分子量分布は、1〜1.9がより好ましく、1〜1.8がさらに好ましい。本発明では、複合体同士の過剰な結合を抑制するために、上述したような二分子停止反応が起こりにくいリビング重合で合成されることが好ましい。この場合、必然的に有機重合物の分子量分布は2以下となるが、このような条件下で複合体を合成することにより、複合体のゲル化を防ぐことができる。ここで数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により決定される値であり、分子量分布はMw/Mnとして計算される値である。また、有機無機複合組成物中の有機重合物の分子量は、公知のJ.Polym.Sci,Polymer.Physics,40,2667(2002)に記述されているように、HF水溶液で処理した後、有機重合物のみをGPCで測定することで確認することができる。
リビングラジカル重合法としては、主に3種の方法が知られている。具体的には、ニトロキシラジカルを使用する方法(NMP;例えば特開昭60−89452号公報)、原子移動ラジカル重合法(ATRP;例えば特表平10−509475号公報)、可逆的付加解裂連鎖移動法(RAFT;例えば国際公開第98/01478号パンフレット)がある。適用可能なモノマーの種類の多さ、着色等の点から、可逆的付加解裂連鎖移動法(以下「RAFT」と称す)がより好ましい。
可逆的付加解裂連鎖移動法(RAFT)においては、公知の方法で使用される連鎖移動剤が使用される。これに限定されるものではないが、ジチオエステル系、トリチオカルボネート系、ジチオカルバメート系等の硫黄系化合物が好適に使用される。
連鎖移動剤の使用量は特に制限はなく、使用する単量体の量論から計算して使用することができる。一般的に、連鎖移動剤のモル数が、得られる重合体のモル数にほぼ等しいため、使用する単量体と連鎖移動剤のモル比を調節することにより、重合体の分子量を制御することが可能である。使用する単量体の分子量をMm、単量体の使用量をXモル、連鎖移動剤の分子量をMr、連鎖移動剤の使用量をYモル、単量体の反応率をZとした場合、得られる重合物の理論分子量は、(X/Y)×MmxZ+Mrで示される。したがって、連鎖移動剤の使用量は、目的とする重合物の数平均分子量から計算して使用すればよい。実施例で示したゲル化した有機無機複合組成物の分子量は、そのときの転化率から算出した理論分子量で記載した。
上記RAFTで使用される重合開始剤、あるいは重合開始方法は特に限定されず、通常使用される重合開始剤、あるいは重合開始方法を用いることができる。
例えば、重合開始剤としては、過酸化物系あるいはアゾ系開始剤が好ましく、一例を挙げると、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物系開始剤、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤が好適に使用される。これらの開始剤は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
また、RAFTで合成された連鎖移動剤が末端に結合した有機重合物を開始基として、有機無機複合組成物を合成することもできる。
本発明の実施において使用する重合開始剤の使用量については特に限定されないが、分子量分布の小さい重合体を得られる点で、重合中に発生するラジカル種の量が、連鎖移動剤1モルに対して1モル以下が好ましく、0.5モル以下がより好ましい。
原子移動ラジカル重合法(ATRP)においては、近年、重合速度の改善、使用触媒量の低減、操作の簡便性などを目的として還元剤を添加してATRP系中に生成した2価銅を連続的に活性な1価銅に還元するARGET ATRP法が開発されている(例えば、Angew Chem,Int Ed,45(27),4482(2006))。この還元剤の添加によって2価銅と1価銅の割合が平衡に保たれるため、モノマーが消費されても充分な重合速度が維持される。更に、適切な還元剤を添加すれば、使用する銅の量が0.1モル%以下程度にまで減少でき、有機無機複合組成物の着色が低減できるため、このARGET ATRP法も好ましい重合法である。
重合は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの各種の方法で行うことができる。
有機溶媒は、表面修飾ナノ無機粒子の分散性とラジカル反応性モノマーの溶解性が良好な溶媒が好ましい。溶媒は、2つ以上組み合わせて使用しても良い。
有機溶媒の使用量は、例えば、モノマー仕込み量100質量部に対して0〜2000質量部の範囲内が好ましく、10〜1000質量部の範囲内がより好ましい。重合を精密に短時間で合成する場合は、50〜300質量部の範囲内が最も好適である。これら各範囲の上限値は、重合速度低下の抑制、重合制御の点で意義がある。また下限値は、溶液粘度の制御の点で意義があり、実際に50質量部以下の溶媒量では、適切な転化率に達する前に溶液粘度が急激に上昇する問題が生じる。
重合温度は、例えば、RAFTを用いる場合は、通常−50℃〜200℃、好ましくは0℃〜150℃、更に好ましくは20℃〜130℃である。アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類の重合を行う場合は、50〜130℃で行うと、比較的短時間で精密重合することができる。
重合時のラジカル重合性モノマーの転化率は30%〜99%の状態で行われることが好ましい。転化率が30%より低いと経済的に問題があり、また99%より高いと、リビングラジカル重合においても、モノマー量が減少することで二分子停止反応が起こりやすくなるため、ゲルが生成する可能性が高くなる。好ましくは、40〜99%、更に好ましくは50〜99%である。
本発明で用いられるラジカル重合性モノマーとしては、RAFT、あるいはATRPで重合可能な付加重合性単量体であれば良く、例えば、エチレン;ブタ−1,3−ジエン、2−メチルブタ−1,3−ジエン、2−クロロブタ−1,3−ジエンのようなジエン類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルのようなビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾル、N−ビニルインドール、N-ビニルピロリドンなどのN-ビニル化合物;アリルアルコール、塩化アリル、酢酸アリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなアリル化合物;フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ素アルキル基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、また2種類以上を併用しても良い。ラジカル重合において好ましいのは、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル及び塩化ビニルである。透明性のある有機無機複合組成物を作製する場合は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類とスチレン類が特に好ましい。
有機無機複合組成物を構成する有機重合物は、ブロック、グラフト、スター、ラダー型等の種々の構造をとっても良い。その場合、リビングラジカル重合以外の重合法との併用であっても良い。目的に応じて、重合物の構造やコモノマーを選択することによって、ナノ無機粒子の分散や機械強度の向上等の物性向上ができる。
特に、ブロックポリマーでゴム成分を導入することは、硬くて脆くなりやすい有機無機複合組成物の機械強度を改善するためには好ましい。例えば、表面修飾ナノ無機粒子の存在下、連鎖移動剤が末端に結合したメタクリル酸メチル重合体から、アクリル酸ブチルの重合体を合成することで、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロックポリマーとナノ無機粒子が結合した有機無機複合組成物が合成される。該複合組成物は、自己組織的にミクロ相分離構造を形成することから、透明性を保ったまま耐衝撃性等の機械強度が改善される。更に、ゲル化を抑制して有機重合物の高分子量化も可能となることから有用な方法である。
また、ブロックポリマーとナノ無機粒子との複合化において、どちらか一方のブロックセグメントとナノ無機粒子が主に結合することで、ナノ無機粒子の位置選択性を制御することもできる。
また、本発明の有機無機複合組成物は熱可塑性にすることができるため、ナノ無機粒子と結合した有機重合体が相溶する化合物であれば、混合して使用することもできる。
この他にも、ナノ無機粒子との親和性の高い親水性の置換基や、ホスホニウム基、スルホニウム基を有するモノマーをグラフトし、分散性・相溶性を向上する事もできる。またグラフトされるポリマー鎖にはエポキシ基、イソシアネート基などの反応性の置換基を持たせても良く、ポリマーをグラフトした後に、ポリマー鎖に導入された反応性の置換基を利用して様々な反応を行う事ができる。
更に、有機無機複合組成物には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安
定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤などの安定剤、又は架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤、又は界面活性剤などのナノ無機粒子分散補助剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
本発明における有機無機複合組成物の成形法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、キャスト成形等、一般の熱可塑性樹脂材料の成形法を採用することができる。
本発明で得られる有機無機複合組成物は、硬化性複合材料やゾル−ゲル法による複合材料などの従来の薄膜分野以外にも、成形体として光学材料、電子材料、接着剤、ハードコート等の分野で好適に利用できる。特に、有機無機複合組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、例えば、レンズ、光導波路、光ディスク、反射防止膜、導電膜などに好適に利用される。
本発明を実施例に基づいて説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
[分析方法]
(1)分子量(Mn、Mw、Mw/Mn)
東ソー社製のHLC−8020にカラム(TSKgelGMHXL、40℃)を2本接続し、RI検出器が取り付けてあるGPC装置で測定した。テトラヒドロフランを移動相に用い、アルファメチルスチレンダイマーを内部標準とした。分子量の計算は、ポリメタクリル酸メチルスタンダード(東ソー社製)を使って検量線を作成し、ポリメタクリル酸メチル換算にて行った。
(2)転化率
島津製作所製のガスクロマトグラフGC−14Aを使用して、50℃から10℃/minで250℃まで昇温することで測定した。サンプルは、反応槽から抜き出した重合液をTHFに溶解させて調整した。転化率は、重合溶媒であるメチルイソブチルケトンを内標として算出した。
(3)有機無機複合組成物中のナノ無機粒子重量測定
島津製作所製の熱重量測定装置TGA−50を使って、窒素気流下で25℃から20℃/minで500℃まで加熱し、その温度で1時間放置した後の重量を測定した。
(4)透過型電子顕微鏡(TEM)
Leica社製のREICHRT ULTRACUT Sで、厚さ約45nmの超薄切片を作製し、JEOL社製のJEM−2100で観察した。
[合成方法]
全ての実験は、窒素下で行った。また、コロイダルシリカ分散液、コロイダルジルコニア分散液、カップリング剤は、30分間窒素バブリングして、酸素を除去したものを使用した。シリカは、コロイダルシリカ30wt%の酢酸ブチル分散液である日産化学社製NBAC−STを使用した。ジルコニアは、コロイダルジルコニア20wt%のメチルエチルケトン分散液である日産化学社製OZ−S30Kを使用した。
(表面改質ナノ無機粒子の合成方法)
[合成例1]
窒素置換した1Lフラスコに、コロイダルシリカ分散液NBAC−ST(250.0g、SiOとして76.5g)と、カップリング剤である3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシシラン(25.8g、0.12mol)を導入して、80℃で24時間撹拌した。この分散液を室温まで冷却した後、ヘキサメチレンジシラザン(22.3g、0.14mol)を導入して、50℃で12時間攪拌した。
得られた表面改質シリカ分散液を遠心分離(2500rpm、30分間)して生成した塩を沈殿させた後、上澄み液を水/メタノール(1/4)混合液1Lに注いで表面改質シリカを析出させた。次に、遠心分離で表面改質シリカを沈殿させて上澄み液を除去した後、テトラヒドロフランで再分散し、ヘキサンを加えて再沈殿させた。上澄み液をデカンテーションで除去した後、ヘキサンで洗浄、上澄み液除去の操作を8回繰り返した。沈殿物を60℃で24時間真空乾燥させることでシリカ1gに対して1.53mmolのカップリング剤を添加して合成した表面修飾シリカ50.3gを得た。ナノシリカ1gに結合したカップリング剤量は、ヘキサメチルジシラザンを導入しない以外は、同じ方法で得た表面修飾シリカを元素分析で測定した。その結果、カップリング剤量は、0.16mmolであった。
[合成例2]
カップリング剤量(14.73g、66.71mmol)を変えた以外は、合成例1と同様な方法でシリカ1gに対して0.88mmolのカップリング剤を添加して合成した表面修飾シリカ40.2gを得た。ナノシリカ1gに結合したカップリング剤量を元素分析で測定した結果、0.14mmolであった。
[合成例3]
カップリング剤量(1.84g、8.34mmol)を変えた以外は、合成例1と同様な方法でシリカ1gに対して0.11mmolのカップリング剤を添加して合成した表面修飾シリカ43.8gを得た。ナノシリカ1gに結合したカップリング剤量は、0.076mmolであった。
[合成例4]
カップリング剤量(1.10g、5.00mmol)を変えた以外は、合成例1と同様な方法でシリカ1gに対して0.066mmolのカップリング剤を添加して合成した表面修飾シリカ36.8gを得た。
[合成例5]
コロイダルシリカ分散液の代わりにコロイダルジルコニア分散液(250.0g、ZiOとして50.0g)を使用して、カップリング剤量(0.72g、3.27mmol)を変えた以外は、合成例1と同様な方法でジルコニア1gに対して0.066mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質ジルコニア30.8gを得た。
[合成例6]
カップリング剤量(0.18g、0.83mmol)を変えた以外は、合成例1と同様な方法でシリカ1gに対して0.011mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質シリカ18.8gを得た。
(RAFTによる有機無機複合組成物の合成方法)
[実施例1]
全ての実験は、窒素下で行った。また、アルミナカラムを通して重合禁止剤を除去したモノマー、溶媒は、30分間窒素バブリングして、酸素を除去したものを使用した。
200mLフラスコに、シリカ1gに対して0.066mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質シリカ(3.2g)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと示す。37g)を加えて、20分間超音波照射を行った。次に、メタクリル酸メチル(30.0g、0.3mol)、RAFT試薬4−シアノ−4−(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸(60.5mg、0.2mmol)のMIBK溶液、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBNと示す。4.9mg、0.03mmol)のMIBK溶液を加えた。このフラスコを60℃の湯浴に浸し、反応を開始した。溶媒であるMIBKはメタクリル酸メチルモノマーに対して150wt%、モノマー/RAFT試薬/開始剤の比は2000/1/0.2に調整した。
64時間後、転化率76%で重合を停止した後、テトラヒドロフラン(以下、THFと示す。300mL)を加えて攪拌したところ、得られた有機無機複合組成物は全て溶解分散していた。分散溶液をメタノールに注いで有機無機複合組成物を析出させ数回洗浄した後、140℃で12時間真空乾燥させた。有機無機複合組成物中のシリカ量は12wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは150,600g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.25であった。また、255℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった。
[実施例2]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を3000/1/0.2に調整した以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を64時間で停止した時の転化率は63%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は14wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは186,200g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.36であった。
[実施例3]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を1000/1/0.2に調整し、表面改質シリカを7.7g使用した以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を50時間で停止した時の転化率は73%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は27wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは73,000g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.32であった。また、255℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった。
[実施例4]
ジルコニア1gに対して0.066mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質ジルコニアを使用した以外は、実施例3と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を56時間で停止した時の転化率は69%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のジルコニア量は23wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは89,600g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.37であった。また、255℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった(図1)。
[実施例5]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を100/1/0.2に調整し、シリカ1gに対して0.11mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質シリカを18.0g使用した以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を42時間で停止した時の転化率は55%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は42wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは5,800g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.33であった。また、240℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった。
[実施例6]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を500/1/0.2に調整した以外は、実施例5と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を50時間で停止した時の転化率は43%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は43wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは21,500g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.29であった。また、240℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった(図2)。
[実施例7]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を200/1/0.2に調整し、シリカ1gに対して0.011mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質シリカを27.0g使用した以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を42時間で停止した時の転化率は58%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は51wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは9,900g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.29であった。また、240℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった。
[実施例8]
モノマーをアクリル酸ノルマルブチル(以下、BAと示す。)にした以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を17時間で停止した時の転化率は74%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は11wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは140,900g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.47であった。
[実施例9]
モノマーをアクリル酸メチル(以下、MAと示す。)にした以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を17時間で停止した時の転化率は60%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は13wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは101,300g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.28であった。
[実施例10]
モノマーをスチレン(以下、Stと示す。)にした以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を67時間で停止した時の転化率は54%で、有機無機複合組成物は全てTHFに溶解分散した。有機無機複合組成物中のシリカ量は14wt%、有機重合物の数平均分子量Mnは80,300g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.51であった。
[比較例1]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を1000/1/0.2に調整し、表面改質シリカを使用しない以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合を56時間で停止した時の転化率は75.8%で、メタクリル酸メチル有機重合物は全てTHFに溶解した。有機重合物の数平均分子量Mnは75,300g/mol、分子量分布Mw/Mnは1.25であった。また、240℃で熱プレスした1mm厚シートは透明であった。
[比較例2]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を200/1/0.2に調整し、シリカ1gに対して1.53mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質シリカを18.0g使用した以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。重合開始後、7時間でサンプリングした溶液をTHFに分散すると液が白濁した。20時間では重合液がゲル化して固化したために反応を停止した。停止した時の転化率は11%(THF溶解分のみで測定)で、有機無機複合組成物の一部がTHFに溶解分散しなかった。7時間での有機重合物の理論数平均分子量Mnは4,300g/molとなる。また、240℃で熱プレスした1mm厚シートの透明性は低く、白濁している部分があった。
[比較例3]
モノマー/RAFT試薬/開始剤の比を2000/1/0.2に調整し、シリカ1gに対して0.88mmolのカップリング剤を添加して合成した表面改質シリカを7.7g使用した以外は、実施例1と同様な方法で有機無機複合組成物を合成した。63時間後、THF溶媒を加えて攪拌したが、有機無機複合組成物の一部がTHFに溶解分散しなかった。停止した時の転化率は79%(THF溶解分のみで測定)で、有機重合物の理論数平均分子量Mnは158,900g/molとなる。また、255℃で熱プレスした1mm厚シートの透明性は低く、白濁している部分があった。

本発明の有機無機複合組成物は、ハードコートなどの従来の分野以外にも、成形体として光学材料、電子材料、接着剤等の分野で好適に利用できる。

Claims (11)

  1. ナノ無機粒子と有機重合物が結合した有機無機複合組成物であって、
    ナノ無機粒子の含有量が、有機無機複合組成物の全量基準で10〜95質量%であり、ナノ無機粒子1gに有機重合物が0.002〜0.13mmol結合しており、有機重合物の数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000g/molである有機無機複合組成物。
  2. 有機重合物の分子量分布(Mw/Mn)が1〜2である、請求項1に記載の有機無機複合組成物。
  3. ナノ無機粒子が、ケイ素、チタン、ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物からなる、請求項1又は2に記載の有機無機複合組成物。
  4. ナノ無機粒子の平均直径が50nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
  5. 有機重合物を構成するモノマーが、ラジカル反応性モノマーである請求項1〜4のいずれかに一項に記載の有機無機複合組成物。
  6. ナノ無機粒子の存在下に、ラジカル重合性モノマーをリビングラジカル重合することにより、ナノ無機粒子にラジカル重合性モノマーからなる有機重合物を結合させる、請求項1記載の有機無機複合組成物を製造する製造方法。
  7. リビングラジカル重合に先立って、カップリング剤によりナノ無機粒子を表面改質する、請求項6に記載の製造方法。
  8. ナノ無機粒子1gに対して、カップリング剤を0.002〜0.13mmol適用して表面改質する、請求項7に記載の製造方法。
  9. カップリング剤が、ラジカル反応性二重結合を有するカップリング剤である、請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. リビングラジカル重合が、可逆的付加解裂連鎖移動重合である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物からなる成形体。
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