JPH0748420A - 単分散性ポリスチレン系粒子の製造方法 - Google Patents

単分散性ポリスチレン系粒子の製造方法

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JPH0748420A
JPH0748420A JP5193726A JP19372693A JPH0748420A JP H0748420 A JPH0748420 A JP H0748420A JP 5193726 A JP5193726 A JP 5193726A JP 19372693 A JP19372693 A JP 19372693A JP H0748420 A JPH0748420 A JP H0748420A
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JP
Japan
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monomer
chemical formula
weight
particles
parts
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Application number
JP5193726A
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English (en)
Inventor
Chikako Kojima
千加子 小島
Akira Furukawa
彰 古川
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単分散性ポリマー粒子を製造するにあたり、
重合条件の変化に対して安定で再分散性の良好な単分散
性のポリスチレンおよびスチレンと共重合可能なビニル
モノマーとの共重合粒子を得る製造方法を提供する。 【構成】 アルコール性媒体中で、化1に示されるモノ
マーAと該溶媒に可溶のビニル重合体を構成する、例え
ばN−ビニルピロリドンやメタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル等のモノマーBとの重合体Sの存在下、スチレン
あるいはスチレンと共重合可能なビニルモノマーとスチ
レンとを重合することにより、再分散性が優れた単分散
性ポリスチレン系粒子を製造する方法。 【化1】 (化1中Rは炭素数18以下のアルキル基もしくはフェ
ニル基を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し剤、クロマトグ
ラフィー用担体、薬用担体、粉体塗料、電子写真用トナ
ー、化粧品等として盛んに利用されている樹脂粒子に関
するものであり、とくにシャープな粒子径分布を有する
ミクロンサイズ樹脂粒子の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているミクロンサイズ
の単分散性重合粒子の製造方法としては、懸濁重合法、
シード重合法、分散重合法があげられる。
【0003】懸濁重合法は、分散安定剤の存在下、水中
でモノマーを機械的に攪拌することにより液滴を形成さ
せ、適当な油溶性重合開始剤を用いて粒子を得る方法で
ある。懸濁重合法では、粒子径が機械的な攪拌に依存し
シャープな粒子径分布をもつ粒子を得ることは難しい。
【0004】シード重合法は先になんらかの方法により
合成したポリマー粒子をシード粒子とし、このシード粒
子を溶剤および重合性モノマーで膨潤させて粒子径を大
きくさせる方法であるが、シード粒子の膨潤率は体積の
10倍程度が限界であり、大粒子径の粒子を得るには数
回のシード重合を繰返さなければならない。また、J.
Ugelstdらにより開発された2段膨潤シード重合
法(J.Polymer Science,Polym.Symposium 72,225(198
5))は、シード粒子のモノマー吸収能力を高めるため、
オリゴマー等の膨潤助剤を使用することにより体積で1
000倍程度まで膨潤率を高め、大粒子を得る方法であ
る。この方法では膨潤助剤の除去が必要となる。シード
重合法、2段膨潤シード重合法は単分散性のミクロンサ
イズ粒子の合成方法としては大変有効であるが、2段階
以上の工程を踏むことから手間がかかり、コスト的にも
工業的な製造法としては好ましくない。
【0005】分散重合法は有機溶媒中で分散安定剤の存
在下、重合性モノマーは溶媒に溶解するが得られるポリ
マーは溶媒に不溶で析出してくるような系で重合を行
い、粒子を得る方法である。分散重合法は1段階でミク
ロンサイズの単分散性粒子が得られることから、手間や
コストの面で優位である。一般に、Y.Almogら
(British Polym J. 14,131(1982))やJ.W.Van
derhoffら(J.PolymScience:Part A:24,2995(19
86))により、ポリスチレン粒子の分散重合法による合
成方法が知られているが、これらの方法では、重合性モ
ノマーの濃度や、分散剤の濃度等の条件により、粒子径
や単分散性が著しく変化し、サブミクロンサイズの粒子
の副生や凝集等が起こりやすい。スチレンと種々のアク
リレートモノマーとの共重合体粒子についても粒子径分
布が広がる傾向がみられる。このため、工業的な観点か
らは大規模で安定に製造することに問題がある。さら
に、粒子に対し少なくとも10〜20%と多量の高分子
分散剤を必要とするために、得られた粒子と分散剤の分
離が十分に行われず粒子表面に過剰に高分子分散剤が吸
着し、粒子同志の付着が起こりやすく、再分散性が悪く
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
重合法により、重合条件の変化に対して安定に単分散性
粒子を得ることのできるポリスチレン粒子の製造方法を
提供することにある。また、少量の分散安定剤を使用す
ることにより粒子表面の分散安定剤による汚染を低減さ
せて再分散性が良い粒子を得ることである。さらに、ス
チレンと共重合可能なモノマー類とスチレンとの共重合
系についても同様の単分散性の良い粒子を得ることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記化1に示さ
れるモノマーAを0.1〜20重量部、前記化2、化
3、化4、化5、化6により示されるモノマー類より選
ばれるモノマーBを50〜99.9重量部の範囲で共重
合してなる重量平均分子量1万以上の重合体Sを0.1
〜30重量部溶解したアルコール性媒体中で、前記モノ
マーC100重量部を重合することを特徴とする平均粒
子径1μm以上20μm以下の単分散性ポリスチレン系
粒子の製造方法である。
【0008】化1で示されるモノマーAはオルト体、メ
タ体、パラ体いずれでもよく、化1中Rは炭素数18以
下のアルキル基もしくはフェニル基を表わすものであ
る。化2中R1は水素原子あるいはメチル基を、QはO
またはNHを、R2、R3はメチル基あるいはエチル基を
表し、メチレン鎖長は1〜3とする。化3中R4は水素
原子あるいはメチル基を、R5は水素原子、ヒドロキシ
エチル基またはヒドロキシプロピル基を表す。また、化
5中R6は水素原子あるいはメチル基を表す。
【0009】モノマーAと共重合させるモノマーBとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の
カルボキシル基や水酸基を有するアクリル系モノマー、
あるいはアクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エ
チル、アクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチ
ル、メタクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基を有する
アクリル系モノマー、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン
等の窒素原子またはその複素環を有するモノマーがあげ
られる。重合体Sを製造するに際してはモノマーB1種
とモノマーAを共重合させてもよいし、モノマーBの2
種以上をモノマーAと共重合させてもよい。これらモノ
マーAとBをアルコール性媒体中で重合し、重合体Sを
得る。
【0010】重合体Sを溶解した媒体中でモノマーCの
重合を行うことで単分散粒子を合成するわけであるが、
モノマーAとモノマーBから合成される重合体S中、モ
ノマーAは0.1〜20重量部含み、モノマーAの重量
が多い重合体Sを使用することにより合成されるポリス
チレン粒子の粒子径は小さくなる傾向がみられた。
【0011】重合体Sは、あまり分子量が低い場合には
この存在下に分散重合を行っても粒子を形成しないこと
から、重量平均分子量が1万以上のものが選ばれる。重
合体Sは重合後そのまま使用しても良いが、適当な貧溶
媒を用いて沈澱精製したポリマーを使用しても良い。ま
た、重合体Sの使用量としては、粒子を形成するモノマ
ー、つまりモノマーC100重量部に対して0.1〜3
0重量部の範囲が適し、さらに好ましい使用量としては
0.5〜10重量部の範囲である。この範囲で合成され
るポリスチレン系粒子の粒子径には大きな変化はみられ
ず、粒子径分布が狭いものが得られる。
【0012】粒子を形成するモノマーとしては、スチレ
ン単独でもよいし、スチレンと共重合可能なモノマー類
を混合物中1〜40重量部含むスチレンとの混合物でも
よい。スチレンとの共重合可能なモノマーとしては、前
記化7に示したモノマー類が好ましい。化7中、R7
水素原子あるいはメチル基を,R8は水素原子あるいは
炭素数18以下のアルキル基を表すものでありアクリル
酸、メタクリル酸およびそのエステル類である。例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸te
rt−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどで
ある。さらに、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
およびそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジ
メタクリレート等のジエチレン性アクリル酸およびメタ
クリル酸エステルなど、分子内に2つ以上の二重結合を
もつ化合物を使用することもできる。
【0013】アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭
素数が4以下の脂肪族アルコール類、あるいはメチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテルアルコール
類が好ましい例としてあげられる。これら以外のアルコ
ール類を単独で使用した場合には得られる粒子の単分散
性が低下する等の不都合な点が多い。また、前記炭素数
4以下のアルコール類から選ばれる2種類以上のアルコ
ール類の混合物や、前記炭素数4以下のアルコール類と
炭素数5以上8以下のアルコール類、例えばn−ペンタ
ノール、n−ヘキサノール、n−オクタノールを混合し
たアルコール類を使用してもよい。さらに、アルコール
類と混和可能な媒体、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族系炭化水素、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、あるいは
水を混合媒体100重量部中20重量部以下の範囲で含
む、アルコール類との混合媒体の使用も可能である。媒
体の溶解度パラメーターを変化させることにより、合成
して得られる粒子の粒子径および粒子径分布を調節する
ことが可能である。
【0014】重合開始剤として用いられるものは、例え
ば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始
剤、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤等である。
【0015】重合開始剤の濃度はモノマーC100重量
部に対して0.1〜5重量部が好ましい。通常の重合条
件では、1〜2重量部用いられ、重合開始剤の濃度が大
きくなると生成するポリスチレン粒子の粒子径は大きく
なる傾向がみられる。
【0016】重合開始時のモノマーCの濃度としては、
アルコール性媒体中45重量%以下が適するが、粒子径
分布を非常に狭くするならば、36重量%以下にするこ
とが好ましい。
【0017】アルコール性媒体中に重合体Sを溶解した
後、撹拌しながら窒素雰囲気下、モノマーCを加え、昇
温後重合開始剤を添加して重合が行われる。重合時間は
6時間から12時間程度要する。また、重合途中で重合
開始剤を添加することにより、重合率を高め、重合時間
を短くすることができる。
【0018】この時、重合体Sはアルコール性媒体に溶
解後、モノマーCを加えてそのまま重合を行ってもよい
が、窒素雰囲気下、適当なアルカリを用いてpH8から
13のアルカリ条件に調整し、50℃から80℃で15
分から1時間ほど加熱後、モノマーCを添加してこれら
の重合を行うことが望ましい。これは、アルカリ条件下
で重合体S中のチオールエステル基を加水分解してメル
カプト基に変換するためである。変換されたメルカプト
基はモノマーCに連鎖移動することから重合体Sとモノ
マーCとのグラフトポリマーが形成され、分散安定剤で
ある重合体Sがより効率的に粒子表面に固定化されるこ
とになる。したがって、重合体SをモノマーCの重合以
前に加水分解することにより、少量の分散安定剤の使用
で安定に粒子が合成され、さらに単分散性のよい粒子を
得ることが可能となる。一般に、スチレン単独の重合に
よって得られる粒子は単分散性が良いものの、スチレン
と共重合可能なモノマーとスチレンとの共重合体粒子の
粒子径分布は広い場合が多いが、重合体Sを使用すると
前記のような効果により、該共重合体粒子についても同
様の単分散性を保つことができる。
【0019】重合終了後は、沈降分離、遠心分離、デカ
ンテーション等の操作により、重合体スラリーを回収、
洗浄し、濾過後、乾燥させ、ポリスチレン粒子の粉体を
得ることができる。粉体として得られた粒子は、水ある
いはアルコール性媒体中に容易に再分散する。
【0020】このようにして得られた乾燥粉体は具体的
な応用例として乾式トナー、充填剤、マット剤等種々の
分野に使用可能であるが、いずれの場合にも粉体中の個
々の粒子が凝集していないことが必要であり、粉体同士
の接着、凝集が生じるとせっかくの単分散性粒子を合成
する意味がなくなってしまう。本発明で得られる単分散
性粒子の効果として、一つに合成により得られる粒子の
単分散性が従来の方法と比較してさらに改良されている
点と、得られた単分散性粒子を乾燥粒子として取り出し
た時の粒子の流動性が優れ、粒子の接着、合一がみられ
ず、さらに液中への再分散性が非常に優れていることが
挙げられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳しく本発明に
ついて説明する。
【0022】合成例1 500ml4口フラスコにエタノ−ルを40g、水を16
0g、モノマ−Aとしてチオ酢酸4ービニルベンジルを
1g、N−ビニルピロリドンを100g加え、窒素雰囲
気下、攪拌しながら55℃まで加熱し、2,2´−アゾ
ビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]
二塩酸塩を1g添加して重合を開始した。60℃で3時
間重合後、粘凋なポリマー溶液となり、重合体Sを得
た。
【0023】合成例2〜8 表1に示した組成にしたがって,合成例1と同様に重合
体Sを合成した。
【0024】合成例9 表1に示した組成にしたがって,合成例1と同様に分散
安定剤としてポリビニルピロリドンを合成した。
【0025】
【表1】
【0025】モノマーAとしては化1中Rとしてメチル
基を有するものを使用した。 VA−044:2,2´−アゾビス[2-(2-イミダゾ
リン-2-イル)プロパン] 二塩酸塩 AIBN :2,2´−アゾビスイソブチロニトリル NVP :N−ビニルピロリドン HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
【0026】実施例1 攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた500ml4口フラ
スコに、合成例1で合成した重合体Sを2.4gとエタ
ノールを187g入れ溶解した後、アンモニア水を加え
てpH10程度に調整し、120rpmで攪拌しながら窒
素雰囲気下70℃の湯浴中で1時間加熱した。スチレン
80gを加え、15分ほど窒素置換した後、N,N´−
アゾビスイソブチロニトリルを0.8g添加し重合を開
始した。添加直後より白濁が始まり、30分程度で乳白
色の分散液となった。重合開始後、72〜73℃に昇温
し4時間反応させ、さらにN,N´−アゾビスイソブチ
ロニトリルを0.4g添加し、さらに2時間重合を行っ
た。重合率はガスクロマトグラフィーにより98%に達
していることを確認した。この分散液を少量取分け、コ
ールターカウンターにより粒子径分布を測定したとこ
ろ、表3に示すように平均粒子径3.2μm、変動係数
13%の非常に単分散性の良い粒子径分布を示すことが
わかった。
【0027】得られた分散液は3日間静置すると粒子が
沈降し、デカンテーションにより粒子のみを得ることが
できた。このスラリー状の粒子をメタノールに再分散
し、1500rpmで10分間遠心沈降すると粒子はすべ
て沈降し上澄み液は透明となった。さらにもう一度メタ
ノールで洗浄した後、濾過を行った。濾別した粒子は一
昼夜風乾後24時間減圧乾燥し、白色粉末のポリスチレ
ン粒子を得た。乾燥粉体は非常に流動性が高く、光学顕
微鏡で観察したところ、1個1個の粒子が凝集すること
なく完全に独立していることが確認された。
【0028】粉末状の粒子を単に攪拌するのみで水中に
再分散させ、コールターカウンターにより再度粒子径分
布を測定したところ、2粒子以上の凝集体等はなく、分
散液を用いて測定した値と同様の分布を示した。
【0029】比較例1 実施例1と同様の装置に、合成例9に示したポリビニル
ピロリドンを8g、エタノールを187g加えて溶解さ
せた後、スチレンモノマーを80g加えて120rpmで
攪拌しながら窒素雰囲気下、70℃まで湯浴中で昇温
し、N,N´−アゾビスイソブチロニトリルを0.8g
添加し重合を開始した。72〜73℃に昇温し4時間重
合後、N,N´−アゾビスイソブチロニトリルを0.4
g添加しさらに2時間重合を行った。この分散液を小量
取り、コールターカウンターで粒子径分布を測定した。
【0030】重合終了後、実施例1と同様にメタノール
で洗浄し、スラリー状の粒子を得たが、実施例1に比較
してベタベタとし粘性が高かった。一昼夜風乾後24時
間減圧乾燥し、白色粉末のポリスチレン粒子を得た。乾
燥粉体は数個〜数十個以上のポリスチレン粒子の凝集塊
を多く含み、光学顕微鏡で観察したところ、粒子同士が
各々の表面で接着していることがわかった。この粒子は
再分散性が悪いため水中で超音波照射を約1時間行うこ
とにより再分散し、コールターカウンターにより粒子径
分布の測定を行ったところ、分散液での平均粒子径の他
に二粒子以上の凝集によるものと考えられる大粒子径が
観測された。
【0031】比較例2 比較例1と同様に重合を行った。ただし、合成例9に示
したポリビニルピロリドン2.4g、スチレン80gを
用いた。
【0032】重合後期に凝集が発生し、フラスコ壁に重
合体の付着物がみられ、特に4時間重合後、N,N´−
アゾビスイソブチロニトリルを0.4g添加すると凝集
物が増加し、攪拌翼にはかなり大きなポリマー塊がみら
れた。
【0033】重合後、コールターカウンターにより粒子
径分布を測定したところ、1μm以下の微細な粒子から
6μm以上の粒子まで幅広い分布がみられた。
【0034】実施例2〜7 表2に示した組成にしたがって、実施例1と同様にして
ポリスチレン粒子を合成した。いずれの場合にも安定に
粒子が合成された。実施例1〜7および比較例1、2の
粒子径および粒子径分布等の結果を表3に示した。さら
に、いずれの場合にも乾燥粒子粉体の流動性は良好で粒
子同士の接着、凝集も認められなかった。また水中への
再分散性も良好であった。
【0035】
【表2】
【0036】表中の重量部数はスチレン100重量部に
対する部数を示す。
【0037】
【表3】
【0038】(1)粒子径分布のグレ−ドは、粒子径分
布の変動係数により次のように分類した。 1:20%未満 2:20%以上35%
未満 3:35%以上
【0039】実施例8 実施例1と同様の装置に、合成例6で示した重合体S
2.4g、エタノール187gを入れ溶解後、アンモニ
ア水でpH10程度に調整し120rpmで攪拌しながら
窒素雰囲気下、70℃の湯浴中で1時間加熱した。スチ
レン64g、アクリル酸n−ブチル16gを加えて15
分ほど窒素置換し、N,N´−アゾビスイソブチロニト
リル0.8gを添加して重合を開始した。開始剤添加
後、72〜73℃に昇温し15分で分散液が青味がかっ
て白濁し始め、45分後には乳白色の分散液となった。
6時間重合後、N,N´−アゾビスイソブチロニトリル
0.4gを添加してさらに2時間重合を行った。重合終
了後、分散液の粒子径分布をコールターカウンターによ
り測定したところ、平均粒子径3.2μm、変動係数1
5%の単分散粒子であった。さらに実施例1と同様に粒
子を乾燥粉体として取り出したところ、粒子同士の接着
等に基づく凝集塊の生成もなく、個々の粒子が独立して
存在することが確認されるとともに、水中への再分散性
も良好であった。
【0040】比較例3 比較例1と同様に重合を行った。ただし、分散安定剤と
しては市販のポリビニルピロリドンK−30(東京化成
製)8g、エタノ−ル187g、スチレン64g、アク
リル酸n−ブチル 16gとした。重合後期には凝集が
みられ、6時間重合後、開始剤を添加すると、凝集は増
加した。8時間重合して重合を終了し、重合終了時の分
散液の粒子径分布をコールターカウンターにより測定
し、また、走査型電子顕微鏡により観察したところ、1
μm程度の小粒子から13μm程度の大粒子まで非常に
幅広い粒子径分布を示した。
【0041】実施例9〜14 表4に示した組成で、実施例8と同様の方法でポリスチ
レン系粒子を合成した。いずれの場合にも安定に粒子が
合成された。実施例8〜13および比較例3の粒子径お
よび粒子径分布等の結果を表5に示した。いずれの場合
にも乾燥粉体中の凝集塊は認められず、また水中での再
分散性も良好であった。
【0042】
【表4】
【0043】BA :アクリル酸n−ブチル D
VB:ジビニルベンゼン BMA:メタクリル酸n−ブチル MA :アクリ
ル酸メチル IPA:イソプロパノール OA :オクチ
ルアルコール
【0044】
【表5】
【0045】(1)粒子径分布のグレ−ドは、粒子径分
布の変動係数により次のように分類した。 1:20%未満 2:20%以上35%
未満 3:35%以上
【0046】
【発明の効果】本発明に示した製造方法により、アルコ
ール性媒体中で安定に、シャープな粒子径分布を持ち、
かつ粉体とした後の再分散性のよいポリスチレン系の粒
子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4の走査型電子顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/58 MNG 226/06 MNL 246/00 MPY G03G 9/087

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1に示されるモノマーAを0.1〜2
    0重量部、化2、化3、化4、化5、化6により示され
    るモノマー類より選ばれるモノマーBを50〜99.9
    重量部の範囲で共重合してなる重量平均分子量1万以上
    の重合体Sを溶解したアルコール性媒体中で、下記に示
    されるモノマーCを重合することによる平均粒子径1μ
    m以上20μm以下の単分散性ポリスチレン系粒子の製
    造方法であって、前記モノマーC100重量部に対して
    重合体Sを0.1〜30重量部用いることを特徴とする
    単分散性ポリスチレン系粒子の製造法。 【化1】 (化1中Rは炭素数18以下のアルキル基もしくはフェ
    ニル基を表わす。) 【化2】 (化2中R1は水素原子あるいはメチル基を、QはOま
    たはNHを、R2、R3はメチル基あるいはエチル基を表
    し、メチレン鎖長は1〜3とする。) 【化3】 (化3中R4は水素原子あるいはメチル基を、R5は水素
    原子、ヒドロキシエチル基またはヒドロキシプロピル基
    を表す。) 【化4】 【化5】 (化5中R6は水素原子あるいはメチル基を表す。) 【化6】 モノマーC:スチレンあるいはスチレンと共重合可能な
    モノマーとスチレンとの混合物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、重合体Sを溶解した
    アルコール性媒体のpHが8以上13以下である条件下
    で化1のチオールエステル基をメルカプト基に変換し、
    その後モノマーCの重合を行うことを特徴とする単分散
    性ポリスチレン系粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、スチレンと
    共重合可能なモノマーとして、化7で示されるモノマー
    もしくは分子内に二重結合を2つ以上有するモノマーを
    混合物100重量部中1〜40重量部の範囲で使用する
    ことを特徴とする単分散性ポリスチレン系粒子の製造方
    法。 【化7】 (化7中R7は水素原子あるいはメチル基を、R8は水素
    原子あるいは炭素数18以下のアルキル基を表す。)
  4. 【請求項4】 アルコール性媒体が、炭素数が8以下の
    脂肪族アルコールあるいはエーテルアルコールから選ば
    れる少なくとも1種以上のアルコール類と、該アルコー
    ル類と混和可能な水、芳香族炭化水素、エーテル、ケト
    ンから選ばれる溶媒を該媒体100重量部中20重量部
    以下の範囲で含む混合媒体であることを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の単分散性ポリスチレン系粒子
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023233A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Hitachi Chem Co Ltd 側鎖に硫黄原子を有するグラフトポリマー及びその製造方法
JP2008019234A (ja) * 2006-06-14 2008-01-31 Hitachi Chem Co Ltd 側鎖に硫黄原子を有するグラフトポリマー及びその製造方法

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