JPH0597940A - 重合体微粒子の製造方法 - Google Patents

重合体微粒子の製造方法

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JPH0597940A
JPH0597940A JP3256368A JP25636891A JPH0597940A JP H0597940 A JPH0597940 A JP H0597940A JP 3256368 A JP3256368 A JP 3256368A JP 25636891 A JP25636891 A JP 25636891A JP H0597940 A JPH0597940 A JP H0597940A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミクロンオーダーで粒子径分布の狭い重合体
微粒子を、安定的に、しかも効率よく製造する方法を開
発することである。 【構成】 ビニル芳香族化合物や(メタ)アクリル酸エ
ステルからなる単量体を、該単量体を溶解しかつ生成す
る(共)重合体を溶解しない溶媒中で、ポリビニルエ
ステルまたはその部分けん化物(A成分)および芳香
族ビニル化合物や(メタ)アクリル酸エステルからなる
単量体単位で構成された(共)重合体(B成分)からな
るA−B型ブロック共重合体を分散安定剤に用いて、
(共)重合を行うことによって、重合体微粒子を製造す
る方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重合体微粒子の製造方法
に関し、詳しくは特定の分散安定剤を用いることによっ
て、ミクロンオーダーでしかも粒子径分布の狭い重合体
微粒子を、安定かつ効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真,静電写真,静電記録などに使
用されるトナーやカラムクロマトグラム用担体、また紫
外線遮断用の化粧品パウダー、さらには医療臨床診断用
など、各種の分野において、ミクロンオーダー、特に0.
5〜30ミクロンで、しかも粒子径分布の狭い微粒子が
好適なものとして強く望まれている。
【0003】従来、これらの用途に供される樹脂粒子
は、乳化重合法,シード乳化重合法,懸濁重合法によっ
て製造することが検討されている。しかしながら、乳化
重合法によっては、1ミクロン以下の樹脂粒子しか得ら
れないという問題がある。また、シード乳化重合法で
は、粒子径がミクロンオーダーで狭い粒子径分布の粒子
が得られているが(例えば、特開昭58−106554
号公報)、これは最初0.5ミクロン前後の重合体微粒子
を調製後、粒子径を大きくするために、さらに次の数段
階の重合により粒子径を成長させる必要があり、操作が
極めて煩雑である。さらに、懸濁重合法では、粒子径が
大きいものしか得られず、またその粒子径分布も広いも
のである。
【0004】一方、一段階の重合でミクロンオーダーの
単分散微粒子を得る方法として、J.Polym. Sci. Polym.
Chem. Ed. Vol. 24, p.2995 〜3007(1986)に示されて
いるような、有機溶媒系中で分散重合する方法が知られ
ている。この方法では、単量体は溶解するが生成する重
合体は溶解しない有機溶媒中に、単量体を溶解し、重合
を行って重合体微粒子を得るものである。また特開昭6
3−191805号公報,同63−191806号公報
には、この分散重合法によって単分散粒子を製造するに
あたって、分散重合安定剤として、部分けん化ポリビニ
ルアルコールや分子末端にメルカプト基を有する部分け
ん化ポリビニルアルコールを使用することが提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記有機溶媒を用いる
分散重合は、ミクロンオーダーの均一な粒子径を有する
重合体微粒子が得られるが、粒子径をコントロールする
には狭い重合条件を設定しなければならないという欠点
がある。例えば、重合温度の変化や重合開始剤の量によ
って、粒子径とともに粒子径分布が大きく変動するた
め、希望する粒子径で単分散の樹脂粒子を得ることが非
常に困難である。また、比較的大きな粒子径の樹脂を製
造する際、重合を高重合率まで進めると、ブロッキング
が生じたり粒子径の小さなものが発生するなど重合安定
性に問題がある。
【0006】ところで、従来、上述のような分散重合に
おける分散安定剤としては、単量体は溶解するが生成す
る重合体は溶解しない有機溶媒に、均一に溶解するもの
が使用されていた。この分散安定剤は、分散重合中に生
成する粒子表面に吸着し保護コロイドとして作用するも
のと考えられており、この分散安定剤と重合体とが重合
中にグラフトまたはブロック共重合体を生成し、この共
重合体が保護コロイド剤として機能するものと推測され
ている。しかしながら、このグラフトまたはブロック共
重合体は、重合中に生成するものであり、その生成速度
や生成量は実質的に制御が困難なものである。特に、大
粒径で単分散の樹脂粒子を得る場合には、分散安定剤の
量をできるだけ少なくして重合の場を粒子内部に留め、
溶液中での重合を抑制して新粒子の生成を極力阻止しな
ければならない。このような場合、重合安定性に問題が
生じたり重合終期に単分散性が崩れたりすることが多
い。また重合条件、特に重合温度や触媒添加量の僅かな
変動で、得られる樹脂粒子の粒子径や分布が大きく変動
し、この調節が極めて困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ミクロ
ンオーダーの粒子径で、かつ粒子径分布の極めて狭い単
分散の重合体微粒子を、安定的にしかも効率よく製造す
る方法を提供することにある。本発明者等は、粒子径や
粒子径分布を制御しやすく、かつ重合安定性にすぐれた
樹脂粒子の製造方法を開発すべく鋭意検討を重ねた。そ
の結果、分散安定剤として、ポリビニルエステルやそ
の部分けん化物(A成分)および芳香族ビニル化合
物,アクリル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸
エステルの単量体単位で構成された単独重合体または共
重合体(B成分)からなるA−B型ブロック共重合体を
用いることにより、上記目的を達成しうることを見出し
た。本発明はこのような知見に基いて完成したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は、ビニル芳香族化合
物,アクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステル
からなる群から選ばれた一種または二種以上の単量体
を、該単量体を溶解しかつ生成する重合体または共重合
体を溶解しない有機溶媒または該有機溶媒と水の混合溶
媒中で、ポリビニルエステルまたはその部分けん化物
(A成分)および芳香族ビニル化合物,アクリル酸エ
ステルおよびメタアクリル酸エステルからなる群から選
ばれた一種または二種以上の単量体単位で構成された単
独重合体または共重合体(B成分)からなるA−B型ブ
ロック共重合体を分散安定剤に用いて、重合または共重
合を行うことを特徴とする重合体微粒子の製造方法を提
供するものである。
【0009】本発明の方法において、重合または共重合
すべき単量体(原料の単量体)は、ビニル芳香族化合
物,アクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステル
であり、これらは単独で用いてもよく、また二種以上を
併用してもよい。ここでビニル芳香族化合物としては、
各種のものが挙げられるが、例えばスチレンやα−メチ
ルスチレン,α−エチルスチレン等のアルキルビニルベ
ンゼン(アルキルスチレン)、p−メチルスチレン,o
−メチルスチレン,p−エチルスチレン等のアルキル核
置換スチレン、さらにはジビニルベンゼン等を好適なも
のとして挙げることができる。また、アクリル酸エステ
ルまたはメタアクリル酸エステル(以下、アクリル酸ま
たはメタアクリル酸をあわせて(メタ)アクリル酸と略
称する)としては、(メタ)アクリル酸メチル,(メ
タ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,
(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル,(メタ)アクリル酸オクチル,2−エチルヘキシル
(メタ)アクリル酸エステル等を好適なものとして挙げ
ることができる。
【0010】また、本発明の方法において用いる溶媒
は、上述した単量体は溶解するが、生成する重合体また
は共重合体は溶解しない有機溶媒、あるいはこの有機溶
媒と水との混合溶媒である。ここで有機溶媒としては、
上述の如く、原料である単量体を溶解するが、生成する
重合体や共重合体は溶解しないものであれば、特に限定
はなく各種のものを使用することができる。そのうち好
ましくは、メチルアルコール,エチルアルコール,プロ
ピルアルコール,ブチルアルコールなどの一価アルコー
ル類、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレ
ングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコール
モノブチルエーテルなどのエーテルアルコール類、テト
ラヒドロフラン,ジメトキシエタンなどのエーテル類ま
たは有機酸エステル類等が挙げられる。これらの有機溶
媒は、単独または二種以上を混合して使用してもよい。
本発明の方法で使用される溶媒は、上記有機溶媒あるい
はこの有機溶媒と水との混合溶媒である。この混合溶媒
中における水の割合は、使用する単量体や生成する重合
体の性質、さらには混合する有機溶媒の種類等によって
異なり、一義的に決定できないが、通常は、混合溶媒全
量に対して40重量%以下である。また、本発明の方法
において、溶媒と原料である単量体との配合割合は、様
々な状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は溶媒/
単量体=60/40〜95/5(重量比)、好ましくは
70/30〜90/10(重量比)である。
【0011】本発明の方法で用いられる分散安定剤は、
上述の如く、ポリビニルエステルまたはその部分けん
化物(A成分)および芳香族ビニル化合物および(メ
タ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれた一種ま
たは二種以上の単量体単位で構成された単独重合体また
は共重合体(B成分)からなるA−B型ブロック共重合
体である。このA−B型ブロック共重合体におけるA成
分は、ポリビニルエステルまたはその部分けん化物であ
るが、これは使用する有機溶媒または有機溶媒/水の混
合溶媒に溶解,相容する成分であり、生成する樹脂粒子
の保護コロイドとして機能する。
【0012】ここでポリビニルエステルは、ビニルエス
テル類の重合体であり、このビニルエステル類として
は、各種のものを用いることができるが、例えば酢酸ビ
ニル,蟻酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサティッ
ク酸ビニル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニル,
ピバリン酸ビニル,バレリン酸ビニル,カプリン酸ビニ
ル,安息香酸ビニル等が挙げられ、なかでも酢酸ビニル
が最も好ましい。また、上記ポリビニルエステルまたは
その部分けん化物は、カルボキシル基,スルホン酸基,
アンモニウム塩基,シリル基などの官能基を含有してい
てもよい。なお、上記部分けん化物におけるけん化度
は、特に制限はないが、上述した溶媒に溶解または相容
する必要があることから、通常は75モル%以下の範囲
で適宜選定される。上記ポリビニルエステルまたはその
部分けん化物からなるA成分についての分子量は、特に
制限はなく、また各種の状況によりその好適範囲は異な
るが、通常は数平均分子量として5000〜20000
0、好ましくは7000〜100000である。この数
平均分子量が5000未満では、生成する重合体の保護
コロイドとしての役割が十分発現されず、逆に2000
00を超えると、A−B型ブロック共重合体を製造する
際に問題が生ずる場合がある。
【0013】一方、分散安定剤のB成分は、前述した溶
媒には溶解しないが、原料である単量体に溶解または相
容する性質(好ましくは溶解する性質)を有し、ミセル
を形成したときの核になる性質を持つものである。分散
安定剤のB成分は、生成する重合体に溶解または相容す
る性質を有していることが好ましい。このようなB成分
としては、芳香族ビニル化合物および(メタ)アクリル
酸エステルからなる群から選ばれた一種または二種以上
の単量体単位で構成された単独重合体または共重合体が
用いられる。ここで、芳香族ビニル化合物や(メタ)ア
クリル酸エステルの具体例としては、前述した原料であ
る単量体と同様のものを挙げることができる。ただし、
用いる原料の単量体と、B成分を構成する単量体は、必
ずしも同種のものでなくても差し支えない。なお、この
B成分の数平均分子量については、特に制限はないが、
一般には300〜50000、好ましくは700〜20
000である。この数平均分子量が300未満では、反
応系に添加した場合、凝集力が不充分でミセル形成が不
完全なものになることがある。また50000を超える
と、ミセルの核が大きくなりすぎ安定なミセル形成がで
きない場合があるとともに、ミセルの数のコントロール
が充分にできないという問題がある。
【0014】このように、本発明の方法に用いる分散安
定剤は、A,B両成分からなるA−B型ブロック共重合
体であるが、この分散安定剤として所期の機能を損なわ
ない範囲で、そのほか必要に応じて他成分を加えること
も可能である。また、このA−B型ブロック共重合体に
おけるA,B成分については、それぞれ前述した数平均
分子量の範囲で任意の値をとりうる。上述の如く、本発
明の分散安定剤は、生成する重合体の保護コロイドとし
て機能するA成分と形成するミセルの核として機能する
B成分を併せ有し、二つの機能を同時に発現する点に特
徴を有する。この分散安定剤を、単量体は溶解するが生
成する重合体は溶解しない有機溶媒またはこの有機溶媒
と水の混合溶媒に添加して溶解すると、均一透明には溶
解せず、青白色のエマルジョン様を呈する。これは単量
体を添加しない場合でも、B成分を核とし、A成分を保
護コロイドとしたミセルが生成していることを示してい
る。したがって、この分散安定剤の添加量を調節すれ
ば、ミセルの数の制御は容易に行うことができ、さらに
は粒子径についても自在に制御することができる。しか
も、ミセル外での重合は殆ど起こらないので、すぐれた
単分散性を与える。また、重合の進行に伴う分散安定性
の低下については、A−B型ブロック共重合体の各成分
の分子量を調整することによって容易に抑制することが
できる。なお、本発明の方法において、このA−B型ブ
ロック共重合体からなる分散安定剤の使用量(配合比
率)は、特に制限はなく様々な状況に応じて適宜定めれ
ばよいが、通常は原料である単量体100重量部に対し
て、0.5〜25重量部、好ましくは2〜15重量部の範
囲で選定される。
【0015】本発明の分散安定剤は、各種の方法によっ
て製造することができるが、そのうち好適な製造法の例
を挙げれば、次の(1)〜(4)の如くである。 (1)まず、チオ酢酸を連鎖移動剤に使用してA成分ま
たはB成分を構成する単量体を重合開始剤の存在下に重
合し、分子末端にチオ酢酸基を有する重合体を得る。次
いで、このチオ酢酸基を、酸またはアルカリ触媒の存在
下で加水分解を行い、分子末端にチオール基を有する重
合体を合成し、このチオール基を含有する重合体の存在
下でもう一方の成分を重合する方法によれば、目的とす
るA−B型ブロック共重合体が得られる。 (2)高分子論文集 Vol. 44, p.73〜79 (1987)に記載
の方法で所望のA−B型ブロック共重合体を製造する。
すなわち、分子内に複数個のパーオキサイド結合を有す
る重合体を開始剤として、A成分またはB成分の重合を
行い、次いで、もう一方の成分を重合する方法によっ
て、A−B型ブロック共重合体が得られる。 (3)ブチルリチウムなどの触媒を用いたリビングアニ
オン重合による方法。 (4)A,B成分それぞれのポリマー末端に官能基を導
入し、続いてこれらのポリマー同士をカップリングする
方法。
【0016】本発明の方法では、上述した分散安定剤の
存在下で単量体の重合または共重合を行うが、この場合
には重合開始剤を使用することが好ましい。ただし、重
合開始剤を使用せずに放射線等の活性エネルギー線の照
射により重合を開始することもできる。重合開始剤を使
用する場合、重合開始剤の種類は、使用する溶媒に溶解
するものであれば、様々なものが挙げられる。例えば過
酸化ベンゾイル,アゾビスイソブチロニトリル,過酸化
ラウロイルなどの一般的なラジカル開始剤が使用可能で
ある。重合開始剤の配合比率は、特に制限はないが、一
般には、原料の単量体100重量部に対して、0.1〜1
0重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。半減期の
短い重合開始剤を使用する場合には、重合初期に一括添
加して用いるばかりでなく、適宜間隔で後添加(ディレ
イ添加)を行ってもよい。なお、本発明の方法を行うに
あたっては、反応温度は、目的とする樹脂粒子の粒子径
によって適宜設定されるが、一般には40〜90℃、好
ましくは50〜75℃の範囲で設定すべきである。
【0017】本発明の方法における製造工程についての
一例を簡単に説明すれば、次のとおりである。即ち、攪
拌機,還流冷却器,窒素導入装置を備えた重合槽に溶媒
を仕込み、次いで、前述した分散安定剤を添加し、攪拌
下に充分窒素置換した後、所定の温度に加熱溶解する。
このとき系は青白い乳白色を示し、分散安定剤がミセル
を形成していることが確認される。その後、所定量の単
量体と重合開始剤を添加し、重合反応を開始する。生成
する重合体はミセル内で進行し、重合率とともに粒子径
が増大する。所定の時間重合を行った後、冷却して重合
反応を停止する。得られた樹脂微粒子は脱液後に、洗
浄,乾燥する。重合後の操作については、洗浄を繰り返
したり凍結乾燥を行ったり種々の方法によることができ
る。
【0018】本発明の方法によれば、平均粒径0.5〜3
0μm、好ましくは1〜10μmで、かつ変動係数(標
準偏差/平均粒径×100)30%以内の重合体微粒子
が容易に得られる。また、この方法を行うにあたって、
系中にカーボンブラックやシリカなどの有機または無機
顔料,ワックス類,染料構造を有する単量体,多価のビ
ニル化合物等を、適宜添加して重合することもできる。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例を上げて詳しく説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。な
お実施例中、特にに断りのないかぎり「%」および
「部」は重量基準を表す。 実施例1 チオ酢酸を連鎖移動剤として用いるとともに、アゾビス
イソブチロニトリルを触媒として用いて、スチレンモノ
マーを、トルエン溶媒中70℃で10時間重合を行い、
分子末端にチオ酢酸基を有するポリスチレンを得た。次
に、トルエンとメチルアルコールの混合溶媒(トルエ
ン:メチルアルコール=3:1)中で、水酸化ナトリウ
ムを0.1倍モル(ポリスチレン中のチオ酢酸基のモルに
対して)用いて、ポリスチレン末端のチオ酢酸基のけん
化を行い、分子末端にチオール基を有するポリスチレン
を得た。得られたポリマーのゲルパーミエーションクロ
マトグラフ(GPC)測定を行ったところ、ポリスチレ
ン換算の数平均分子量が6300,重量平均分子量が1
3200であった。続いて、この分子末端にチオール基
を有するポリスチレンの存在下で、酢酸ビニルのブロッ
ク共重合を、トルエンとメチルアルコールの混合溶媒
(トルエン:メチルアルコール=3:1)中、60℃で
行い、ポリスチレン(B成分)とポリ酢酸ビニル(A成
分)のA−B型ブロック共重合体を得た。得られたブロ
ック共重合体をGPCにより分析した結果、ポリスチレ
ン部分の数平均分子量が6300,ポリ酢酸ビニル部分
の数平均分子量が21000であった。傾斜パドル型攪
拌機,温度計,窒素導入口,単量体仕込口および還流冷
却器を備えた500ミリリットルのガラス製セパラブル
フラスコに、溶媒としてエチルアルコール210ミリリ
ットルおよびメチルセロソルブ90ミリリットルを入
れ、上述のA−B型ブロック共重合体2.25gを仕込ん
で充分窒素置換した後、内温を70℃に昇温した。この
ときフラスコ内は青白い乳白色を呈し、ミセルが生成し
ているのが確認された。スチレン45gと重合開始剤と
してアゾビスイソブチロニトリル0.45gの混合液を添
加し、70℃で12時間重合を継続した。コールターカ
ウンター(コールターエレクトロニクス社製;型式コー
ルターマルチサイズII)を用いて得られた重合体微粒子
の重量分布による平均粒子径,標準偏差および変動係数
を測定したところ、それぞれ3.8μm,0.68μm,1
7.9%であった。
【0020】実施例2 エチレングリコールジメチルエーテルとメチルアルコー
ルの混合溶媒(エチレングリコールジメチルエーテル:
メチルアルコール=3:1)中で、実施例1で用いたポ
リ酢酸ビニル(A成分)とポリスチレン(B成分)のブ
ロック共重合体を、水酸化ナトリウムを0.05倍モル
(A成分のポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位のモル数
に対して)用いて、けん化を行い、該ブロック共重合体
のポリ酢酸ビニル部分のけん化度14.3モル%の部分け
ん化ポリ酢酸ビニルとポリスチレンのブロック共重合体
を作成した。実施例1と同様の重合装置を用いて、溶媒
であるメチルアルコールと水の混合溶媒(メチルアルコ
ール:水=7:3)300ミリリットル中に、上記A−
B型ブロック共重合体1.0gを仕込み、窒素置換後内温
を70℃に昇温した。このときも乳白色のエマルジョン
様のミセルが生成したのが確認された。次に、上記重合
装置に、メタアクリル酸メチル45gと重合開始剤とし
て過酸化ベンゾイル0.5gを仕込み、70℃で20時間
重合を継続した。得られた重合体微粒子の粒子径,粒子
径分布を見るために、コールターカウンターで測定した
ところ、重量分布による平均粒子径は3.7μm、標準偏
差は1.02μm、変動係数は27.6%であった。
【0021】実施例3 実施例2で用いたブロック共重合体を4.5g用いるとと
もに、単量体としてスチレン31.5gとメタアクリル酸
ブチル13.5gとの混合物を用い、重合温度を65℃、
重合時間を40時間としたこと以外は、実施例1と同様
にして重合反応を実施した。得られた重合体微粒子の粒
子径,粒子径分布を見るために、コールターカウンター
で測定したところ、重量分布による平均粒子径は6.2μ
m、標準偏差は1.12μm、変動係数は18.1%であっ
た。この重合体の分子量をGPCで測定したところ、重
合体の重量平均分子量は32400であり、数平均分子
量は12100であった。
【0022】実施例4 チオ酢酸を連鎖移動剤として用いて、メチルアルコール
溶媒中で酢酸ビニルを重合し、分子末端にチオ酢酸基を
有するポリ酢酸ビニルを作成した。この分子量をGPC
で測定したところ、重量平均分子量33500,数平均
分子量が13800であった。次に、このポリ酢酸ビニ
ルを、メチルアルコール中でアンモニア水を用いてけん
化をしたところ、分子末端にチオール基を有し、けん化
度8モル%の部分けん化ポリ酢酸ビニルが得られた。さ
らに、この分子末端にチオール基を有するポリ酢酸ビニ
ルの存在下に、メタアクリル酸エチルのブロック共重合
を、トルエンとメチルアルコールの混合溶媒(トルエ
ン:メチルアルコール=3:1)中、60℃で行い、部
分けん化ポリ酢酸ビニル(A成分)とポリメタアクリル
酸エチル(B成分)とのA−B型ブロック共重合体を得
た。得られたブロック共重合体のGPCによる分析を行
ったことろ、部分けん化ポリ酢酸ビニル部分の数平均分
子量は13800、ポリメタアクリル酸エチル部分の数
平均分子量は5800であった。次に、実施例2で使用
したブロック共重合体に代えて、上記のブロック共重合
体を使用した他は、実施例2と同様にして、メタアクリ
ル酸メチルの分散重合反応を実施した。得られた重合体
微粒子の粒子径,粒子径分布を見るために、コールター
カウンターで測定したところ、重量分布による平均粒子
径は4.8μm、標準偏差は1.01μm、変動係数は21.
0%であった。
【0023】実施例5 実施例1で実施した重合反応において、重合開始剤であ
るアゾビスイソブチロニトリルの量を変化させて重合を
行った。得られた重合体スラリーについて、重合体粒子
の重量分布による平均粒子径と標準偏差を、コールター
カウンターで測定した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から、触媒の添加量によってスチレン
の重合速度は当然大きく変化するが、粒子径,粒子径分
布は大きく変わらずほぼ一定の値をとることがわかる。
【0026】実施例6 実施例1で実施した重合反応において、重合温度を変化
させて重合を行った。得られた重合体スラリーについ
て、重合体粒子の重量分布による平均粒子径と標準偏差
をコールターカウンターで測定した。結果を表2に示
す。
【0027】
【表2】
【0028】なお、実験 No.3 では、重合開始剤である
アゾビスイソブチロニトリルの半減期が、75℃では3
時間以下になるので、3時間以降は触媒のディレイ添加
を併用した。
【0029】比較例1 実施例1で使用した分散安定剤の代わりに、数平均分子
量22500の未変性ポリ酢酸ビニルを用いた他は、実
施例1と同様にしてスチレンの分散重合を行った。重合
時間6時間経過時点(重合率48%)で、ポリマーの凝
集が始まり、攪拌機や器壁にポリスチレンが付着して重
合の継続が不能となった。また、得られたポリマーを電
子顕微鏡で観察したところ、球形粒子を形成していなか
った。
【0030】比較例2 実施例4で作成したブロック共重合体の前駆体および末
端にチオール基を有する部分けん化ポリ酢酸ビニル(け
ん化度8モル%,数平均分子量13300)を分散安定
剤に用いて、実施例1と同様の実験条件で、重合開始剤
濃度および重合温度を変えた他は、実施例1と同様にし
てスチレンの分散重合を行った。得られた重合体スラリ
ーについて、重合体粒子の重量分布による平均粒子径と
標準偏差をコールターカウンターで測定した。結果を表
3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】実験 No.2の重合体粒子の粒子径およびそ
の分布は良好であるが、重合開始剤の添加量や重合温度
によって、粒子径,粒子径分布が大きく変動し、単分散
性も悪くなる。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によれば、得られる樹脂粒
子は優れた単分散性を有し、しかも、使用する分散安定
剤の添加量を調節するだけで、樹脂粒子の粒子径を自在
に制御することができる。また、重合条件が多少変動し
ても、得られる樹脂粒子の粒子径や粒度分布は大きく変
動することなく、重合の終期まで安定した分散状態を維
持することができる。このような本発明の方法によって
得られる樹脂粒子は、ミクロンオーダーの単分散性に優
れた重合体微粒子であって、電子写真,静電写真,静電
記録などに使用されるトナー、カラムクロマトグラム用
担体、また紫外線遮断用の化粧品パウダー、さらには医
療臨床診断用など、各種の分野で幅広くかつ有効に利用
される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族化合物,アクリル酸エステ
    ルおよびメタアクリル酸エステルからなる群から選ばれ
    た一種または二種以上の単量体を、該単量体を溶解しか
    つ生成する重合体または共重合体を溶解しない有機溶媒
    または該有機溶媒と水の混合溶媒中で、ポリビニルエ
    ステルまたはその部分けん化物(A成分)および芳香
    族ビニル化合物,アクリル酸エステルおよびメタアクリ
    ル酸エステルからなる群から選ばれた一種または二種以
    上の単量体単位で構成された単独重合体または共重合体
    (B成分)からなるA−B型ブロック共重合体を分散安
    定剤に用いて、重合または共重合を行うことを特徴とす
    る重合体微粒子の製造方法。
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