JP3507505B2 - 結合剤樹脂、その製造方法およびそれを含有する組成物 - Google Patents

結合剤樹脂、その製造方法およびそれを含有する組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、結合剤樹脂、その製造方法およびそれを含
有する組成物、特にエレクトログラフィー、静電記録法
または磁気記録法のような画像形成法において乾式現像
に用いるトナー組成物に関する。
エレクトログラフィーにおいては、一方では可能な限
り低い温度での迅速定着の達成が求められている。これ
を達成するためには、トナー結合剤が比較的低い分子量
をもつ必要がある。他方では、現像処理には画像保持材
料が少なくとも1個のローラーと接触することが含ま
れ、この接触によりトナー組成物の一部がローラーで不
注意に取り去られることがあってはならない。すなわち
トナーの性能を改良するためには、トナーは裏移り抵抗
性でなければならない。これに関しては比較的高い分子
量の高分子結合剤が適している。上記の迅速な低温定着
と同時に裏移り抵抗性という両方の要件を満たすトナー
結合剤を提供する試みにおいて、高分子量ポリマーと低
分子量ポリマーをそれぞれ含有する幅広い分子量分布の
結合剤組成物が用いられた。たとえば米国特許第521994
6号参照。
このような高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混
合物は、低分子量プレポリマーの存在下で高分子量ポリ
マーを製造することにより、または高分子量プレポリマ
ーの存在下で低分子量ポリマーを製造することにより製
造できる。たとえば米国特許第4486524号には、懸濁重
合により高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混合物
を製造する方法が開示されている。この方法では、まず
懸濁重合により高分子量ポリマーを製造し、次いで同じ
重合系内で同様に懸濁重合により低分子量ポリマーを製
造する。同様に欧州特許出願公開第A−0199859号に
は、分散剤の存在下で、かつ乳化重合により得られた高
分子量プレポリマーの存在下で低分子量ポリマーを懸濁
重合させる方法が開示される。欧州特許出願公開第A−
0354466号には、2工程懸濁重合法によりトナー樹脂を
製造する方法が開示される。この方法では、まず具体的
には少なくとも3個のt−ブチルペルオキシド基をもつ
開始剤を用いる懸濁重合により高分子量ポリマーを製造
し、次いで一般的なラジカル開始剤を用いて低分子量ポ
リマーを製造する。高分子量ポリマーを製造したのち、
必要ならばさらにモノマー、水、分散剤および連鎖移動
剤を添加してもよい。
現在では、特に“非対称(skewed)”分子量分布をも
つポリマーが最良のトナー結合剤を与えるという見解に
向かいつつある。特にそれらは組成物にゴムのような挙
動をとらせ、すなわちより広い温度範囲にわたってtan
δが1に近づく。このような“非対称”ポリマー組成物
は、好ましくは比較的大量の低分子量ポリマー、これよ
り若干低い割合の中間分子量ポリマー、および小割合の
高分子量ポリマーを含有する。これらの各ポリマー部分
に対するそれぞれの分子量分布ピークは、互いに重なっ
ても重ならなくてもよい。
本発明者らは、意外にも接触連鎖移動(catalytic c
hain transfer)法を用いると結合剤樹脂として特に好
適な分子量分布をもつ高分子材料が得られることを見出
した。これは殊にエレクトログラフィー用トナー結合剤
樹脂として好適であるが、感圧接着剤など他の多くの表
面コーティング用として利用できる可能性がある。
したがって第1態様によれば本発明は、少なくとも第
1および第2ポリマー部分を含み、第1部分は第2部分
のものより高い数平均分子量を有し、第1および第2ポ
リマー部分はそれぞれ少なくとも1種のエチレン性不飽
和モノマーから誘導された各ポリマー部分(好ましくは
コポリマー部分)を含む高分子材料の製造方法であっ
て、(1)ラジカル開始剤の存在下で、ただし連鎖移動
剤の不在下での水性懸濁重合によって比較的高い分子量
の第1ポリマーを製造して、比較的高い分子量の第1ポ
リマー部分の懸濁液を得たのち、(2)水性懸濁重合に
よって比較的低い分子量の第2部分を製造する工程を含
み、この製造工程(2)を比較的高い分子量の第1部分
の懸濁液、ラジカル開始剤および接触連鎖移動剤の存在
下で実施する方法を提供する。
本発明者らは意外にもこの方法で、ゲル透過クロマト
グラフィー(GPC)により測定した多分散指数PDi(Mw/M
n)が少なくとも5、好ましくは少なくとも15である、
特に幅広い制御された分子量分布が得られることを見出
した。高分子材料がその全重量に対し比較的高い分子量
の第1部分より高い割合の比較的低い分子量の第2部分
を含有するようにプロセスを制御すると、このような高
分子材料は特に卓越したトナー結合剤を提供する。
特に意外なことに、本発明の好ましい態様に従って前
記工程(2)の反応を継続すると、第1部分と第2部分
それぞれの中間の数平均分子量をもつ第3ポリマー部分
が形成される工程(3)が起こることを本発明者らは見
出した。
工程(3)ではどのような機構が作動または優先する
かは確実でない。たとえば中間分子量ポリマーの形成は
低分子量ポリマーにさらにモノマーがグラフトすること
により起こるのかもしれない。
工程(1)〜(3)は、目的に応じた分子量分布およ
び各工程(1)〜(3)により製造されるポリマー部分
の比率をともに調節するために、多様な各反応実施期間
で、および/または多様なモノマー使用割合で(高分子
材料の全モノマーに対して)実施できる。
工程(3)後の分子量分布は、個々の分子量をもつポ
リマー量の割合を示すグラフが3つの別個のピークを示
す“三モード”高分子材料を提供するものであってもよ
い。あるいはグラフは、おそらく1つか2つのピークま
たは肩のみをもつ幅広い連続した分子量を示すにすぎな
くてもよい。
反応工程(1)〜(3)において、各反応時間および
高分子材料に用いる全モノマーの割合は、比較的低い分
子量の第2ポリマー、中間分子量の第3ポリマー、およ
び比較的高い分子量の第1ポリマーの割合が順に上昇ま
たは低下するように調整することができる。このような
分子量分布を、以下において“非対称”(関連ポリマー
材料を“非対称”ポリマー)と呼ぶ。
あるいは、中間分子量のポリマー部分が比較的低い分
子量および比較的高い分子量のポリマー部分それぞれの
割合より低いか、または高くなるようにプロセスを制御
することができる。
しかし特に本発明方法によれば、殊にそれが工程
(3)を含む場合、特に幅広い数平均分子量分布をもつ
非対称ポリマーが得られる。
したがって第2態様によれば本発明は、少なくとも比
較的高い分子量の第1部分、低い分子量の第2部分、お
よび中間分子量の第3部分を含み、したがって第2部
分、第3部分および第1部分がそれぞれ順に増加する数
平均分子量を有し、かつ高分子材料のうち第1部分、第
3部分および第2部分がそれぞれ順に増加または減少す
る重量割合で存在する高分子材料であって、多分散指数
PDi(Mw/Mn)少なくとも5、好ましくは少なくとも10、
より好ましくは少なくとも15をもつような分子量分布を
有する高分子材料を提供する。
第1、第3および第2ポリマー部分がそれぞれ順に増
加する割合の量で存在するような数平均分子量分布の高
分子材料が、特に卓越したトナー結合剤を提供しうる。
したがって第3態様によれば本発明は、顔料および高
分子材料の結合剤を含むトナー組成物であって、高分子
材料が少なくとも比較的高い分子量の第1部分、低い分
子量の第2部分、および中間分子量の第3部分を含み、
したがって第2部分、第3部分および第1部分がそれぞ
れ順に増加する数平均分子量を有し、かつ高分子材料の
うちの第1部分、第3部分および第2部分がそれぞれ順
に増加する重量割合で存在し、多分散指数PDi少なくと
も5、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なく
とも15を有する高分子材料である、トナー組成物を提供
する。
このトナー結合剤は、本発明の重合法を顔料および/
または色素の存在下で実施することにより製造できる。
本発明方法によれば、各種工程(1)〜(3)は以下
のいずれかの方法を適用して実施することができる。す
なわち 1(a)反応を行う際に全含量xのモノマーを存在させ
て高分子量の第1ポリマーを形成し、たとえばy%(y
<x)のモノマーの反応率となるようにし、次いで
(b)接触連鎖移動剤(CCTA)を添加し、モノマー含量
xの残部の反応を続行して低分子量の第2部分を形成
し、そして(c)より多量の低分子量の第2部分とより
少量の高分子量の第1部分との中間の割合の量である中
間分子量の第3部分が得られるように、CCTAの存在下で
反応を続行する。
2(a)全モノマー含量xの一部の割合のみ、たとえば
x/2を存在させ、この割合の量を反応率100%にまで重合
させ、(b)残りのモノマーおよびこのモノマーに溶解
したCCTAを添加し、(c)低分子量の第2部分の重合を
行い、そして(d)高分子量の第1部分と低分子量の第
2部分との中間の分子量の第3部分が、高分子量の第1
部分の割合より多く、ただし低分子量の第2部分の割合
より少ない割合で得られるように、反応転化を続行す
る。
別法2では、必要な少量の高分子量ポリマーを製造す
る際には、高分子量ポリマーを得るのに必要なモノマー
のみが存在する。このため、より高いプロセス制御が可
能であり、好ましいであろう。
いずれの方法についても、低分子量相と高分子量相の
相比を変更することにより、また第2相を添加する時点
で形成されている第1ポリマーの反応率を変更すること
により、目的とする分子量制御を達成することができ
る。
特に、CCTAの存在量はポリマー混合物の最小分子量を
支配し、これに対し開始剤の量は最大分子量を支配す
る。
前記の別法1および2は3工程法に関して記載したも
のであるが、これらの変更は工程(1)〜(2)におい
て行われ、したがっていずれの方法も二モード分布をも
つポリマーが得られるように工程(3)なしで採用しう
ることは分かるであろう。
さらに、一般に別法1の工程(b)と(c)は(別法
2の工程(c)と(d)も)不連続な工程ではなく、そ
れらは互いに重なりあっている。しかし中間分子量ポリ
マー部分は、少なくとも実質的部分の低分子量ポリマー
部分が形成されたのち形成される傾向にある。
前記に述べたように、欧州特許出願公開第A−035446
6号には、高分子量ポリマーの存在下で低分子量ポリマ
ーを製造する際に、連鎖移動剤を添加しうることが示唆
される。しかしこのような連鎖移動剤の使用は(CCTAと
異なり)、ポリマー混合物がそれぞれ高分子量画分と低
分子量画分のみを含有する“二モード”組成物を与える
にすぎない。本発明者らは意外にも、CCTA、特にモノマ
ー中における高い溶解度をもつが、水中での溶解度は低
いCCTAを用いると、所望により、ただし従来の連鎖移動
剤を用いた場合よりかなり少ない量の連鎖移動剤を用い
て、このような二モード”組成物を得ることもできるの
を見出した。より重要な点は、前記のように分子量分布
が“非対称”であり、これにより組成物がたとえば比較
的少量の高分子量第1ポリマー部分、これよりかなり多
い量の中間分子量第3ポリマー部分、およびこれよりさ
らに多い量の低分子量第2ポリマー部分を含有するポリ
マー組成物を得るのが望ましい場合が多いという点であ
る。本発明者らは意外にも、特定のCCTAが特に特定の条
件下で、PDiで表されるきわめて幅広い分子量分布をも
つこのような非対称組成物を提供しうることを見出し
た。
たとえば前記に説明したように、非対称分子量分布を
得るためには、一般に組成物は好ましくはまず高分子量
ポリマー、次いで低分子量ポリマーを得ることにより製
造される(“高−低”)。したがって前記の方法で接触
連鎖移動法を採用すると、通常はまず低分子量ポリマ
ー、次いで高分子量ポリマーを得ること(“低−高”)
は不可能であろう。この連鎖移動剤はその後の高分子量
生成物の製造を妨げるからである。しかしこのような難
点は、CCTAおよびそれに不都合な影響を与えない開始
剤、たとえばアゾ開始剤(これが好ましく、それらのう
ち2,2′−アゾ−ビス−イソブチロニトリル(AIBN)お
よび2,2′−アゾ−ビス−2,4−ジメチルバレロニトリル
が特に好ましい)の存在下でまず低分子量ポリマーを製
造し、次いでCCTAの除去後に、またはCCTAを不活性化し
たのち、またはCCTAが不活性となる条件下で、たとえば
CCTAを不活性化しうる開始剤の存在下で、高分子量ポリ
マーを製造した場合には克服できる。特に、CCTAと反応
しうる特定の過酸化物から選択した酸化性開始剤、たと
えば過酸化水素を使用できる。
しかしながら、先に述べた“高−低”法が好ましい。
組成物を製造するためのこのような特に好ましい方法の
1つでは、高分子量ポリマーを形成するモノマー重合を
“硬質ビーズ”状態に達するまで続行し、この段階でCC
TAを含有する低分子量ポリマー製造用モノマーを添加し
て、重合を完結するまで続行する。
トナー結合剤として用いる高分子材料において、ウイ
ンドー内の好ましい最小の数平均分子量は500〜20,00
0、好ましくは1,000〜10,000である。より好ましくは、
ウインドーは個々のピークよりむしろ全範囲の分子量に
わたってそれぞれのピークと谷を与える量のポリマーを
含有する。
好ましくはこの組成物は、少なくとも100,000、より
好ましくは少なくとも125,000の数平均分子量をもち、
全混合物の5〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%
の割合の量で存在する高分子量の第1部分、20,000を越
えず、より好ましくは10,000を越えない数平均分子量を
もち、少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも
30重量%の割合の量で存在する低分子量の第2部分を含
む。組成物がいわゆる“二モード”組成物の場合のよう
に高分子量および低分子量それぞれにつきそれぞれのピ
ークまたは肩を示すことも好ましい。しかし組成物がさ
らに、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの中間の数
平均分子量をもち、組成物の全重量の10〜40重量%の量
で存在する中間分子量の第3ポリマー部分を含むことが
特に好ましい。
先に説明したように、ポリマー組成物がトナーとして
有効であるためには、それが適正な粘弾性プロフィルを
もつことが望ましい。たとえば材料が低温で“ガラス
質”すぎると低温流れに乏しく、高温で流動性が高すぎ
ると粘着性や有効寿命が低い。理想的には、力学的実験
でtanδ=1、すなわちゴムの特性をもつことが必要で
ある。
さらに、このポリマー組成物は40〜80℃、好ましくは
45〜65℃のガラス転移温度(Tg)をもつべきである。Tg
が40℃より低いと、貯蔵に際してトナー粉末の粘着が起
こる。これに対しTgが80℃より高いと、高い定着温度が
必要である。
モノマーはラジカル重合しうるいかなるものであって
もよいが、モノマー源の少なくとも主成分として好まし
いものは疎水性ポリマーを与えうるモノマーである。た
とえば高分子量ポリマー画分としては、スチレンに富む
(最高約80重量%)目的Tgをもつコポリマー、特にスチ
レン/アクリル酸ブチルまたはスチレン/メタクリル酸
ブチルコポリマーが好ましい。一方、低分子量および中
間分子量の画分としては、CCTAが最も有効であるために
はメタクリル酸に富むコポリマー、たとえばメタクリル
酸メチル/メタクリル酸ブチルコポリマーが好ましい。
たとえば好ましいメタクリル酸メチル/スチレンコポリ
マーの場合のように少量のスチレンまたはアクリレート
が含有されてもよいが、これらはCCTAの効果を減少させ
る。
特にメタクリレートモノマーまたはコモノマーが低お
よび高分子量ポリマーそれぞれの主モノマー成分として
好ましいであろう。主モノマー成分として特に好ましい
モノマーはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、特にメタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸ステリルおよびメタクリル酸グリシジルである。こ
のようなモノマーは主成分として存在しない場合は、副
モノマー成分としても好ましい。副モノマー成分として
好ましい他のビニルモノマーは、アクリル酸エステル、
たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、特にアクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オ
クチル、芳香族ビニルモノマー、たとえばスチレン、α
−メチルスチレンおよびクロロスチレン、ならびにα,
β−不飽和カルボン酸、たとえばアクリル酸およびメタ
クリル酸である。たとえば米国特許第5214949号に示さ
れるように、他の架橋性ポリα,β−エチレン性不飽和
モノマー、特にジビニルベンゼンが存在してもよい。
上記ポリマーが芳香族ビニルモノマー、たとえばスチ
レン、または酸官能性モノマー、たとえばアクリル酸を
含有するコポリマーである場合、低分子量ポリマー中に
おけるそれらのモノマーの濃度は接触連鎖移動剤の効率
に有意な程度に不利な影響を与えないものでなければな
らず、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量
%以下である。
ポリマーの粒度は、好ましくは1〜500μmである。
懸濁重合法は米国特許第5219946号および欧州特許出
願公開第A−0354466号の記載に従って実施できる。
特に高分子量ポリマーの製造のためには、水性懸濁液
中でのオレフィン性不飽和モノマーの重合のために一般
に懸濁重合に用いられる沈殿防止剤の補助により、水に
コモノマーを懸濁する。沈殿防止剤は、たとえば1種ま
たはそれ以上の保護コロイド、たとえば部分加水分解し
たポリ酢酸ビニル(種々の程度の加水分解)、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(特に好ま
しい)、およびセルロース誘導体、たとえばメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシ
エチルセルロースであってもよい。沈殿防止剤は、慣用
される量、一般に全反応工程で存在する全モノマー重量
に対して計算して0.01〜8重量%(好ましくは0.01〜6
%)存在してもよい。
重合は開始剤の存在下で実施される。開始剤は、ラジ
カルを与えるモノマー可溶性開始剤またはその組合わせ
のいかなるものであってもよく、特にペルオキシ化合
物、たとえば過酸化ジ−t−ブチル、過酸化アシル、た
とえば過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイルおよび過酸
化ジベンゾイル、過酸化アセチルシクロヘキシルスルホ
ニル、過酸エステル、たとえば過オクタン酸t−ブチ
ル、過カーボネート、ならびにアゾ化合物、たとえば2,
2′−アゾ−ビス−イソブチロニトリル(AIBN)および
2,2′−アゾ−ビス−2,4−ジメチルバレロニトリルであ
る。アゾ開始剤、特にAIBNが好ましい。開始剤(1種ま
たはそれ以上)は、慣用される量、一般に高分子量モノ
マーを製造する反応段階で用いるモノマー重量に対して
計算して0.05〜10重量%(好ましくは0.1〜6重量%)
の量で使用できる。
低分子量ポリマーの重合には、CCTAがさらに存在す
る。これは懸濁重合に適切な溶解性および反応性をもつ
ように選択できる。実際、一般にモノマー中におけるCC
TAの溶解度が大きいほど、かつ水中におけるその溶解度
が小さいほど、CCTAは有効である。より好ましいCCTAは
コバルトキレート、たとえば欧州特許出願公開第A−02
49614号、米国特許第4680352号、第4694054号および第4
722984号に開示されるものである。特に好ましいCCTA
は、次式のCo IIキレート: [式中、Xはそれが結合している2個の炭素原子ととも
にペリ縮合多環式基(好ましくは少なくとも1個の芳香
環を有する)を形成する二価の基であって、置換されて
いないか、または少なくとも1個の炭化水素置換基を有
し、基Qはそれぞれ独立してF、Cl、Br、OH、C1〜12
アルコキシ、アリールオキシ(好ましくはC6〜10アリ
ールオキシ)、C1〜12アルキルおよびアリール(好ま
しくはC6〜10アリール)から選択される]であるか;
または式(I)のCo IIキレートのCo III類似体であっ
てCo原子が大環式キレート環系に直角の方向でさらに
H、ハライドもしくは他のアニオンまたはホモリティッ
ク解離しうる有機基に共有結合したものである。このよ
うなキレートの例は、コバルト(1,2−ジフェニル−1,2
−ジオキシイミノエタン−BF2(CoPhBf)であり、
これは所望によりピリジンもしくはアミンのような塩
基、またはたとえば水もしくはメタノールのように塩基
として作用しうる化合物に配位結合していてもよい。
CCTAは、低分子量画分については好ましくは10〜1000
ppm、より好ましくは25〜400ppm、特に30〜300ppm(重
量)の量で存在する。特にメタクリレートモノマーと比
較して多量のスチレンまたはアクリレートモノマーが存
在するほど、より多量のCCTAが必要である。
低分子量重合法については、高分子量ポリマーに関し
て前記に述べたようにラジカルを与えるいかなる好適な
開始剤も使用でき、通常の基準はそれが好適なモノマー
溶解度をもち、かつ重合温度で十分に活性であること
(通常は0.5〜5時間の半減期をもつ)であるが、この
ような低分子量ポリマーの製造には、開始剤がコバルト
キレートの安定性に許容できないほどの影響を与えない
という付加条件がある。
ただし存在する開始剤の性質および量はともに高分子
量ポリマー重合のものとは若干異なる。たとえば量に関
しては、低分子量および(存在する場合には)中間分子
量ポリマーのモノマー重量に対して計算して、最小量0.
1重量%、最大量3重量%、より好ましくは2重量%、
特に好ましくは1重量%が存在すればよい。
高分子量および低分子量画分それぞれの全モノマーが
最初の反応混合物中に存在する本発明方法の実施態様に
おいては、全反応段階のすべての開始剤も存在してもよ
い。あるいは高分子量画分を製造する第1反応段階を実
施するのに十分な開始剤が最初に存在し、低分子量画分
を製造する第2反応段階の開始時にCCTAとともに追加の
開始剤を添加してもよい。
第1反応段階で第1部分のモノマーを重合させて高分
子量画分を製造し、その後第2部分のモノマーをCCTAと
ともに添加して第2反応段階で低分子量画分を製造する
方法では、第2反応段階用の開始剤をCCTAおよび第2部
分のモノマーとともに添加することが好ましい。
好ましくは1〜500μmの最終ポリマー粒子の粒度
は、プロセス全体をとおして存在する沈殿防止剤の種類
および濃度、ならびに用いる撹拌条件により制御でき
る。上記範囲内の小さな粒度を希望する場合、モノマー
を重合前に沈殿防止剤の存在下で均質化することが好ま
しいかもしれない。
通常は、前記の懸濁重合法により製造された最終生成
物を遠心分離または濾過により採集し、次いで洗浄およ
び乾燥させる。
前記のようにいかなる接触連鎖移動剤も使用できる
が、特に意外なことに、特定のCoキレートをCCTAとして
用いると、分子量分布がエレクトログラフィートナー結
合剤として特に好適な非対称型になる可能性のあること
を本発明者らは見出した。
従来法と比較して本発明による格別な利点には、以下
の点が含まれる: (1)本発明方法は低分子量および高分子量画分の両方
の合成につき無溶剤である。したがって最終生成物にお
いて溶剤ストリッピングの必要もなく、溶剤の同伴もな
い。
(2)低分子量相と高分子量相の混合度を改良しうる;
低分子量相と高分子量相は不連続な相ではなく、“非対
称”型の場合のように連続した分子量分布のものになり
うる。
(3)低分子量相と高分子量相の中間相を得るためにグ
ラフト形成を行うことができる。
(4)(2)と(3)の結果、相間の相容性が向上す
る。
以下の具体例を参照して本発明の態様をより詳細に述
べる。
これらの例において分子量分布は、ゲル透過クロマト
グラフィー(GPC)により測定され、ポリスチレン(P
S)基準に対して検量された。したがって引用した数値
は均等なポリスチレンの分子量に換算して定めたもので
ある。
“高/低”という表示は、低分子量ポリマーの前に高
分子量ポリマーを製造したことを意味し、これに対し
“低/高”はその逆を意味する。
頭文字は以下のものである: MMA− メタクリル酸メチル BMA− メタクリル酸n−ブチル AIBN− 2,2′−アゾ−ビス−イソブチロニトリル BPO− 過酸化ジベンゾイル CoPhBf−コバルト(1,2−ジフェニル−1,2−ジオキシイ
ミノエタン−BF2 DCT− ドデカンチオール Mn− 数平均分子量 Mw− 重量平均分子量 Mz− z−平均分子量 PDi− 多分散指数(Mw/Mn) 例1〜8に用いた成分の割合および得られたGPCの結
果を表1に示す。表中の重量%値は全段階に用いた全モ
ノマーに対するものである。例1についてはグラフによ
る表示を含む(図1)。
例1−高/低 撹拌機および冷却器を備えた1リットルの窒素ブラン
ケット付き丸底フラスコに、400gの蒸留水、0.6g Na2S
O4および2.4gのポリアクリル酸安定剤(水中25%w/w)
を装入した。内容物を撹拌しながら75℃に加熱した。次
いで段階1のモノマー、すなわち19.3gのBMAおよび30.7
gのMMAに0.125gのAIBNを溶解したものを添加した。75℃
で3時間反応を進行させると、この時点で“硬質ビー
ズ”が反応フラスコ内に見られた。このポリマーの試料
をこの時点で採取し、分子量を測定した:Mn=85750;Mw
=180075;PDi=2.1。次いで段階2のモノマー、すなわ
ち19.3gのBMAおよび30.7gのMMAに0.25gのAIBNおよび0.0
18gのCoPhBfを溶解したものを添加した。次いで75℃で
さらに3時間反応を続け、この時点で反応器を30℃に冷
却し、固体ビーズを採取した。次いでこのビーズを洗浄
し、窒素下に40℃で乾燥させた。
次いでこの分子量分布を測定し、図1にグラフで示し
た。図中の 実線は重量画分の分布を表し、 点線は累積重量分布を表す。
このポリマーのテトラヒドロフラン(THF)中の希溶
液からポリマーを吸着させ、次いでポリマーを溶離する
ことにより、GPCを得た。最初の画分は15.62分後、最後
の画分は29.20分後に溶出した。横座標はポリスチレン
に対して検量した種々の画分の屈折率を示す。分子量は
すべてポリスチレン当量として引用した(log10)。
このグラフから、以下の結果を読み取ることができ
る: 重量平均分子量 Mw=165300(log10=5.2183) 数平均分子量 Mn=9398(log10=3.9731) ピーク分子量 Mp=16670(log10=4.2222) PDi=17.58 分子量≦10,000(log10=4)の画分=35%(累積重量
のグラフを参照) 例2−高/低 例1の記載と同様にして、ただしMMA、BMA、AIBN、お
よびCoPhBfの割合を表1に示したように変更して、ポリ
マー組成物を製造した。
例3−高/低 第1段階の重合法は例2のものに従って実施された
が、第2段階はより短い時間、0.5時間(例3a)、1時
間(例3b)および1.5時間(例3c)で実施された。またC
CTAをより多量に用いた。
例4−高/低 例1に従ってポリマー組成物を製造した。ただしMMA/
BMAは例2の場合と同じであった。
例5−高/低 これは以下の点以外は例2に従って実施された:
(i)第1段階でAIBN(0.125重量%)の代わりにBPO
(1.4重量%)を用いた;(ii)第2段階で0.06重量%
のCoPhBfを添加した;(iii)モノマーの高:低の割合
を30:70に変更した;(iv)第2段階のモノマーをわず
か1時間後に装入した。
例6−低/高 例1に従ってポリマー組成物を製造した。ただし例1
の第2段階の反応を第1段階の前に実施した。
例7−低/高 例2に従ってポリマー組成物を製造した。ただしこの
場合も例2の第2段階の反応を第1段階の前に実施し
た。
例8 例1のポリマーのレオロジー的性質を、市販のトナー
用スチレン/アクリル酸二モードコポリマーであるアル
マクリル(Almacryl)B1500のものと比較した。このコ
ポリマーはMw=230,780、Mn=4028、Mp=5122およびPDi
=57である。
流動学的データ、特に温度に伴う溶融粘度およびtan
δの変化を、レオメトリックス(Rheometrics)RDS I
I、配置平行平板粘度計(Configuration Parallel Plat
e Viscometer)により求めた:平行板間のギャップ2.5c
m;周波数1Hz、ひずみ10%および10℃/分で作動。結果
を図2にグラフで示す。これには流動性プロフィルが、
それぞれ以下の関係を表すグラフで示される: 黒丸−例1のポリマーにつき温度(℃)に対する溶融
粘度(Pa.s) 白丸−アルマクリルB1500につき温度(℃)に対する
溶融粘度(Pa.s) 点線−例1のポリマーにつき温度(℃)に対するtan
δ 実線−アルマクリルB1500につき温度(℃)に対するt
anδ これらのグラフにおいて、tanδは貯蔵弾性率(G1
に対する損失弾性率(G11)の比である。すなわちtanδ
=G11/G1。この無単位の数値はサイクル当たりの貯蔵エ
ネルギーに対するサイクル当たりのエネルギー損失(熱
として放散)の比を表す。tanδ≪1である場合はその
材料は固体またはガラスとして挙動し、tanδ≫1であ
る場合はその材料は液体として挙動する。tanδ=1で
ある場合、その材料はゴムとして挙動する。
トナー結合剤用としては、ポリマーが可能な限り広い
範囲にわたってゴムとして挙動することが望ましい。
図2は、市販製品に関するはるかに狭い温度範囲(10
0〜180℃)と比較して、例1のポリマーがはるかに広い
温度範囲(100〜240℃)にわたってtanδ=1の要件を
満たすことを示す。
例1および2で達成した結果をそれぞれ例6および7
の結果と比較すると、例1および2の高/低法はきわめ
て幅広い非対称分子量分布を与えるのに対し、例6およ
び7の低/高法は低分子量へ向いた一モード分布を与え
るにすぎないことが分かる。
例3は、低分子量ポリマー製造用のモノマー装入材料
を高分子量ポリマー製造のための第1段階の開始後に添
加するのが早期すぎると、高分子量画分がきわめて少な
い一モード分布が得られるにすぎないことを示した。例
3(a)参照。ところが低分子量ポリマー製造用のモノ
マー添加を引き伸ばすほど、すなわち高分子量ポリマー
への転化度が高いほど、分子量分布は幅広くなる。特に
低分子量ポリマー製造段階の開始前に高分子量ポリマー
の硬質ビーズが得られることが好ましい。
例5は、アゾ開始剤AIBNの代わりに酸化性開始剤BPO
(より多量存在する)を用いた場合ですら幅広い分布を
得ることがなお可能であることを示す。この第1段階の
開始剤はCCTAの触媒活性に不都合な影響を与えなかった
と思われる。
例6および7は比較例であり、PDi<15を示す。
以上から、本発明によりエレクトログラフィートナー
結合剤として理想的な非対称分子量分布のポリマー組成
物が得られることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ワトソン,アニタ・マーガレット イギリス国クリーヴランド ティーエス 16 0エヌキュー,ストックトン,イー グルズヒル,メイフィールド・クレセン ト 21 (56)参考文献 特開 平7−146582(JP,A) 特開 平4−277506(JP,A) 特開 昭61−241302(JP,A) 特開 平3−177847(JP,A) 特開 平2−160252(JP,A) 特開 平2−48675(JP,A) 特表 平9−501457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 G03G 9/087

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1および第2ポリマー部分を
    含み、第1部分は第2部分のものより高い数平均分子量
    を有し、第1および第2ポリマー部分はそれぞれ少なく
    とも1種のエチレン性不飽和モノマーから誘導された各
    ポリマー部分を含む、高分子材料の製造方法であって、
    (1)ラジカル開始剤の存在下で、ただし連鎖移動剤の
    不在下での水性懸濁重合によって比較的高い分子量の第
    1ポリマーを製造して、比較的高い分子量の第1ポリマ
    ー部分の懸濁液を形成したのち、(2)水性懸濁重合に
    よって比較的低い分子量の第2部分を製造する工程を含
    み、この製造工程(2)を比較的高い分子量の第1部分
    の懸濁液、ラジカル開始剤およびコバルトキレート接触
    連鎖移動剤(CCTA)の存在下で実施する方法。
  2. 【請求項2】工程(1)および(2)のそれぞれにおい
    て、本方法に用いる全モノマーのうちのモノマーそれぞ
    れの重量割合、ならびに各工程(1)および(2)のそ
    れぞれを実施する期間を、本方法で製造される最終高分
    子材料において比較的低い分子量の第2ポリマーの割合
    が比較的高い分子量のポリマーの割合より大きくなるよ
    うに制御する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】工程(2)の反応を十分長い期間続行させ
    ることにより、第1ポリマー部分の数平均分子量と第2
    ポリマー部分の数平均分子量の中間の数平均分子量を有
    する第3ポリマー部分をさらに形成する工程(3)を行
    う追加工程を含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】全モノマーのうち第1ポリマー部分が占め
    る重量割合と第2ポリマー部分が占める重量割合の間の
    重量割合の第3ポリマー部分を形成させるのに十分な期
    間、工程(3)を実施する、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(1)において、高分子材料の全モノ
    マー含量の一部分を水性懸濁重合させ、第2ポリマー部
    分のものより高い数平均分子量を有する第1ポリマー部
    分の懸濁液を得て、工程(2)において、高分子材料の
    全モノマー含量の残りの部分および接触連鎖移動剤を工
    程(1)で得た第1ポリマー部分の懸濁液に添加し、そ
    して全モノマー含量のうちこの残りの部分を水性懸濁重
    合させる、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】工程(1)において、高分子材料の全モノ
    マー含量の懸濁液を水性懸濁重合させ、ただし全モノマ
    ー含量のうち第2ポリマー部分のものより高い数平均分
    子量を有する第1ポリマー部分を含有し、さらに残留モ
    ノマーを含有する懸濁液を形成する割合のみを重合させ
    るのに十分な期間重合させ、そして工程(2)におい
    て、接触連鎖移動剤を添加し、残留モノマーを水性懸濁
    重合させる、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】各工程を、全モノマーの重量に対し0.01〜
    8重量%の量で存在する沈殿防止剤の存在下に実施す
    る、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】工程(1)において、開始剤を工程(2)
    の開始剤と独立して選択し、かつ各工程の開始剤がアゾ
    化合物である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】工程(1)において、開始剤が工程(1)
    の開始前に存在するモノマーの重量に対し0.05〜10重量
    %の量で存在する、請求項1〜8のいずれか1項記載の
    方法。
  10. 【請求項10】工程(2)において、開始剤が工程
    (2)の開始前に存在するモノマーの重量に対し0.1〜
    3重量%の量で存在する、請求項1〜8のいずれか1項
    記載の方法。
  11. 【請求項11】工程(2)で用いる接触連鎖移動剤が次
    式のCo IIキレート: [式中、Xはそれが結合している2個の炭素原子ととも
    にペリ縮合多環式基を形成二価の基であって、置換され
    ていないか、または少なくとも1個の炭化水素置換基を
    有し、基Qはそれぞれ独立してF、Cl、Br、OH、C
    1〜12アルコキシ、アリールオキシ、C1〜12アルキル
    およびアリールから選択される]であるか;または式
    (I)のCo IIキレートのCo III類似体であって、Co原
    子が大環式キレート環系に直角の方向でさらにH、ハラ
    イドもしくは他のアニオンまたはホモリティック解離し
    うる有機基に共有結合したものである、請求項1〜10の
    いずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】Co IIキレートが、所望により塩基また
    は塩基として作用しうる化合物に配位結合していてもよ
    いコバルト(1,2−ジフェニル−1,2−ジオキシイミノエ
    タン−BF2(CoPhBf)である、請求項11記載の方
    法。
  13. 【請求項13】少なくとも第1および第2ポリマー部分
    を含み、第1部分は第2部分のものより高い数平均分子
    量を有し、第1および第2部分はそれぞれ少なくとも1
    種のエチレン性不飽和モノマーから誘導された各ポリマ
    ー部分を含む、高分子材料の製造方法であって、(1)
    ラジカル開始剤およびコバルトキレート接触連鎖移動剤
    (CCTA)の存在下での水性懸濁重合により第2ポリマー
    部分を製造し、そして(2)水性懸濁重合により第1ポ
    リマー部分を製造し、この製造工程(2)がCCTAを分離
    除去せずに、ただしCCTAを不活性にしたのち、またはCC
    TAが無効になる条件下で実施し、これによって比較的高
    い分子量の第1ポリマーを得る工程を含む方法。
  14. 【請求項14】低分子量ポリマーをアゾ開始剤の存在下
    で製造する、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】接触連鎖移動剤と反応してそれを無効に
    することができる酸化性開始剤の存在下で高分子量ポリ
    マーを製造する、請求項13または14記載の方法。
  16. 【請求項16】高分子材料がメタクリル酸メチルおよび
    メタクリル酸n−ブチルから誘導されたコポリマーであ
    る、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
  17. 【請求項17】少なくとも比較的高い分子量の第1部
    分、低い分子量の第2部分、および中間分子量の第3部
    分を含み、したがって第2部分、第3部分および第1部
    分がそれぞれ順に増加する数平均分子量を有し、かつ高
    分子材料のうち第1部分、第3部分および第2部分がそ
    れぞれ順に増加または減少する重量割合で存在する高分
    子材料であって、多分散指数PDiが少なくとも5である
    分子量分布を有する高分子材料。
  18. 【請求項18】少なくとも15のPDiを有する、請求項17
    記載の高分子材料。
  19. 【請求項19】第1、第3および第2ポリマー部分が順
    に増加する量で存在する、請求項17記載の高分子材料。
  20. 【請求項20】高分子量の第1部分が少なくとも100,00
    0の数平均分子量を有し、かつ高分子材料の全重量の5
    〜70重量%の割合の量で存在し、低分子量の第2部分が
    20,000を越えない数平均分子量を有し、かつ高分子材料
    の全重量の少なくとも20重量%の割合の量で存在し、中
    間分子量の第3ポリマー部分が高分子量の第1ポリマー
    の数平均分子量と低分子量の第2ポリマーの数平均分子
    量の中間の数平均分子量を有し、かつ高分子材料の全重
    量の10〜40重量%の割合の量で存在する、請求項19記載
    の高分子材料。
  21. 【請求項21】顔料および高分子材料の結合剤を含むト
    ナー組成物であって、高分子材料が少なくとも比較的高
    い分子量の第1部分、低い分子量の第2部分、および中
    間分子量の第3部分を含み、したがって第2部分、第3
    部分および第1部分がそれぞれ順に増加する数平均分子
    量を有し、かつ高分子材料のうちの第1部分、第3部分
    および第2部分がそれぞれ順に増加する重量割合で存在
    し、多分散指数(PDi)が少なくとも5である分子量分
    布を有する高分子材料である、トナー組成物。
  22. 【請求項22】高分子材料が少なくとも15のPDiを有す
    る、請求項21記載のトナー組成物。
  23. 【請求項23】高分子材料中の高分子量の第1部分が少
    なくとも100,000の数平均分子量を有し、かつ高分子材
    料の全重量の5〜70重量%の割合の量で存在し、低分子
    量の第2部分が20,000を越えない数平均分子量を有し、
    かつ高分子材料の全重量の少なくとも20重量%の割合の
    量で存在し、中間分子量の第3ポリマー部分が高分子量
    の第1ポリマーの数平均分子量と低分子量の第2ポリマ
    ーの数平均分子量の中間の数平均分子量を有し、かつ高
    分子材料の全重量の10〜40重量%の割合の量で存在す
    る、請求項21または22記載のトナー組成物。
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