JP4185192B2 - 重合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全般的に、狭い多分散性のホモポリマー、及びコポリマーを調製するための重合方法であって、その重合方法は、安定なフリーラジカル剤によって助長され、また、仲介されている。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第5,322,912号には、フリーラジカル重合開始剤、安定なフリーラジカル剤、及び、少なくとも一種類の重合可能なモノマー化合物から成る混合物を、約100℃から約160℃に加熱して、モノマーからポリマーへの高い転換率と、狭い多分散性を持つ熱可塑性樹脂、或いは樹脂類を形成することから成る熱可塑性樹脂、或いは樹脂類調製のためのフリーラジカル重合方法が開示されている。
【0003】
米国特許第5,412,047号には、オキソニトロオキシド化合物を有し、アクリレート、及び関連したモノマー化合物の制御されたホモ重合を可能にする安定なフリーラジカルによる緩和化された重合方法が説明されている。
【0004】
Solomonらに対して、1986年、4月8日に発行された米国特許第4,581,429号には、ポリマー鎖の成長を制御して、ブロック、並びにグラフトコポリマーを含む短鎖の、或いはオリゴマーのホモポリマーおよびコポリマーを生成するためのフリーラジカル重合方法が開示されている。同方法は、化学式(一部に)=N−O−X基を持つ重合開始剤を有しており、ここで、Xは、不飽和のモノマー類を重合する能力のある一種のフリーラジカルである。得られたポリマー生成物の分子量は、全般的に、約2,500から7,000であり、一般に、約1.4から1.8の多分散性を持ち、比較的低いモノマーからポリマーへの転換率を示す。これらの反応は、典型的に低い転換率を示し、約100℃以下の比較的低い反応温度を用い、多段階法を採用している。
【0005】
欧州特許出願第EP84,304,756号に対応する欧州特許第0135280号が、上述の米国特許第4,581,429号の欧州特許局における該当特許である。
【0006】
上述の従来技術の文献は、その全容を本申請書に引用して組み込まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の重合反応方法には、種々の重大な問題がある。例えば、生成されるポリマーの多分散性、及び様式(modality)の両方を予測し、或いは制御することの困難である。
【0008】
従来技術の重合方法は、高重量平均分子量(Mw)と低数平均分子量(Mn)を持つポリマー類を生成し、その結果、広範囲の多分散性、或いは、低分子量(Mn)、並びに低い転換率をもたらす。更に、従来技術の重合方法は、重合反応が発熱性であるので、過剰量の熱を発生し易く、また、反応溶媒の粘度が増大するにつれて、熱の放散が益々困難となる。このことは、Trommsdorff効果と呼ばれており、「重合の原理」(Principles of Polymerization)、G.Odian著、第二版、Wiley−Interscience社、ニューヨーク、1981年発行、272頁に論じて説明されており、その開示の内容は、全般的に本願明細書に参照され取り込まれている。更に、フリーラジカル乳化重合方法の発熱性は、しばしば、反応物の濃度、或いは反応器のサイズの規模拡大を厳しく規制する制限となる。
【0009】
これら、及び他の不都合な点は、本発明の安定なフリーラジカルによる重合方法によって回避され、或いは最小限に止められている。
【0010】
この様に、経済的で、且つ、規模の調節可能なフリーラジカル重合技術による狭い多分散性のポリマー樹脂調製のための重合方法に対する要望は存続しており、これらのポリマー樹脂類は、望ましい物理学的諸性質の多く、或いはすべて、例えば、硬度、低ゲル濃度、処理の容易さ、透明度、高度の光沢存続性等を維持し、一方で、従来技術のフリーラジカルによる重合の方法論に伴う、長い反応時間、ゲルの生成、発熱性、容量制限、且つ、多段階反応系、精製、ポリマー樹脂生成物の挙動性等の諸問題を回避したものである。
【0011】
本発明の重合方法、並びに熱可塑性樹脂類は、多くの適用、例えば、電子写真の画像処理工程に使用されるトナー樹脂を含む多様な特製品への応用、熱可塑性フィルム、拡散剤、及び被覆技術に有用である。
【0012】
これらの、並びに他の有利な点は、本発明の工程と共に提供される。
【0013】
この様にして、約1.1から約2.0の狭い範囲の多分散性を持つ熱可塑性樹脂、或いは樹脂類を、例えば、約50から100パーセントの高い転換率で提供する安定なフリーラジカルによる重合工程、ここで、重合率が改善され、重合反応時間が短縮される工程に対する要望が存続している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の実施の形態は、
改善された効率、改善された柔軟性、及び、改善された作業上の経済性を持つ重合方法を提供し、
少なくとも、一種類のフリーラジカルで重合可能なモノマー(単量体)、フリーラジカルの重合開始剤化合物、安定なフリーラジカル化合物、及び以下の式に示すエン−ジオール互変異性体の構造特性を持つ還元剤との混合物を加熱することから成り、
【化3】
ここで、Rは独立に水素、1から25個の炭素原子を持つアルキル基、2から25個の炭素原子アルキレン基、6から24個の炭素原子を持つアリール基、5から25個の炭素原子を持つヘテロアリール基、1から25個の炭素原子を持つアルコキシル基、並びにこれらの組合せである樹脂の調製方法を提供し、
少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマー、フリーラジカルの重合開始剤化合物、安定なフリーラジカル化合物、及び還元剤付加物の混合物を加熱して、その結果、約1.1から約2.2の、好適には、約1.1から約1.5の狭い多分散性を持ち、約50から100、また、好適には約70から90パーセントの高い転換率で、熱可塑性の樹脂、或いは樹脂類を生じることから成る、樹脂、特に、熱可塑性の樹脂、或いは熱可塑性の樹脂類を調製するための方法を提供し、
少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマー、一種類のフリーラジカルの重合開始剤化合物と安定なフリーラジカル成分から成る、熱に不安定なユニマー或いはオリゴマーの重合開始剤化合物、及び還元剤添加物の混合物を加熱して、その結果、熱可塑性の樹脂、或いは樹脂類を生じることから成る熱可塑性の樹脂、或いは熱可塑性の樹脂類を調製するための方法を提供し、
少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマー、フリーラジカルの重合開始剤化合物、安定なフリーラジカル化合物、並びに還元剤添加物の混合物を加熱して、第一の中間体生成物である樹脂を形成し、その後、その結果生じた生成物と、以前に重合したモノマーとは異なるモノマーを連続的に加えて反復反応させて、十分に明確なブロック、及び多重ブロックのコポリマーの熱可塑性物質を形成することから成る、ブロック、及び多重ブロックのコポリマーである熱可塑性の樹脂類を調製するための、安定なフリーラジカルによって仲介される重合方法を提供することによって、
従来技術重合方法の欠点を克服し、或いは、最小限に止めることを含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の安定なフリーラジカルによって仲介される重合方法は、液状(湿式)及び乾式現像剤の標識への応用のためのトナー粒子に用いられる物質を含む多様なポリマー物質の処理、並びに調製に、費用効果的に使用され得る。本発明の利点(長所)は、その結果生じるポリマー生成物の分子量、及び分子量分布性に対して精密な制御を可能にする重合方法を含むことにある。
【0016】
実施の形態において、本発明は、少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマー、フリーラジカルの重合開始剤化合物、安定なフリーラジカル化合物、並びに還元剤から成る混合物を加熱することから成る樹脂調製の方法を提供する。
【0017】
実施の形態において、本発明は、少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマー、フリーラジカルの重合開始剤化合物、安定なフリーラジカル化合物、並びに還元剤から成る混合物を加熱し、ここで、その結果、約1.1から約2.2の狭い多分散性を持ち、約50から100パーセントの高い転換率の熱可塑性の樹脂、或いは、熱可塑性の樹脂類をで生じることから成る熱可塑性樹脂、或いは熱可塑性樹脂類の調製方法を提供する。
【0018】
還元剤は、種々の量、例えば、重合されるモノマーの重量に基づいて、約0.1から5.0重量パーセント、また、好適には、約0.5から3.0重量パーセントで存在することができ、過剰の安定なフリーラジカル化合物を充分に早い速度で化学的に還元する能力があって、安定なフリーラジカル化合物がモノマーの重合速度に阻害的な影響を及ぼすことができないようにする如何なる適当な化合物をも含む。理論により制限されることを望まないが、還元剤添加物は、本願明細書において 実施例で説明され、また、比較例で対照されている様に、特に反応時間、及び時間当たりの重合度、或いは転換度に関して優れたモノマーの重合結果を提供するものと考えられている。還元剤は、また、安定なフリーラジカルの仲介する重合の速度を昂進、或いは促進する化合物として機能するものと考えられている。還元剤添加物は、例えば、以下の構造式のシス、又はトランス異性体の様な、少なくとも、あるエン−ジオール互変異性体の構造特性を持ち、以下の式に示す構造を有する。
【0019】
【化4】
ここで、Rは水素、1から約25個の炭素原子、また、好適には1から約10個の炭素原子を持つアルキル基、2から約25個の炭素原子、また、好適には、2から約10個の炭素原子を持つアルキレン基、約6から約24個の炭素原子、また、好適には、6から約10個の炭素原子を持つアリール基、約5から約25個の炭素原子、また、好適には、5から約10個の炭素原子を持つヘテロアリール基、1から約25個の炭素原子、また、好適には、1から約10個の炭素原子を持つアルコキシル基、並びにこれらの組合せである。還元剤は、好適には、例えば、アルファ−ヒドロキシアルデヒド或いはケトンの様な少なくとも一個のエノール化が可能なアルファ−ヒドロキシカルボニル部分を含む。実施の形態において、還元剤添加物は、フェーリング溶液を還元する能力のある還元糖化合物で、例えば、フルクトース、キシロース、L−アラビノ−ス等を含むペントース(五炭糖)類、グルコース、マルトースの様なヘキソース(六炭糖)類、或いは、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノースの様な有機溶媒に可溶の糖類であることができ、これらの物質はエン−ジオール基、及び潜在的な還元力を持つ。還元剤添加物は、単純な、或いは還元糖以外の化合物、例えば、化学式C6H5−(C=O)−CH(OH)−C6H5のベンゾインでもよく、この化合物はエン−ジオール互変異性体の構造特性、及び、潜在的還元力の両方を持つ。他の非糖還元剤化合物には、ヒドロキシブタノン、及びアセトールの様なエノール化可能のアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物が含まれる。実施の形態において、還元剤は、減弱化した(attenuated)水素化化合物、或いはその混合物でもあり得る。例えば、H.O.House著、ModernSynthetic Reactions(新合成反応)、第二版、W.A.Benjamin社、1972年発行を参照のこと。
【0020】
減弱化水素化化合物には、有機金属水素化化合物、例えば、9−ボロビシクロボラン、ジイソプロピル水素化アルミニウム、或いは、RED−AL(商品名)で65重量パーセント以上のトルエン溶液として市販の(Aldrich Chemical社)ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、及びこれらの混合物が含まれる。
【0021】
実施の形態において、本発明の重合方法は、更に、IA族及びIIA族の金属ハロゲン化物、金属の炭酸塩及び重炭酸塩、りん酸塩、硫酸塩、水酸化物、酢酸塩、硼酸塩、及びこれらの混合物の様な塩基、或いは緩衝作用の塩化合物を重合反応混合物中に含む。緩衝作用化合物は、例えば、重合されるモノマーの総重量に基づき、約0.1重量パーセントから約5重量パーセントの量の重炭酸ソーダであり得る。実施の形態において、緩衝作用化合物は、また、還元剤の総重量に基づき約0.1重量パーセントから約3重量パーセントの量で使用できる。本発明の重合方法における塩基、或いは緩衝作用化合物の機能は、例えば、緩衝作用並びに緩衝容量を提供して、反応混合物から酸性或いは塩基性の物質を除去することにあると考えられており、これらの物質は、不本意な副反応を引き起こし、反応物、或いは試薬に干渉、又は破壊し、或いは、さもなくば、重合工程を阻害する可能性がある。
【0022】
本発明の実施の形態において、フリーラジカルの重合開始剤は、例えば、亜硫酸塩、過酸化物、ペルオキシ二硫酸塩、アゾ化合物、及び類似化合物、並びに、それらの混合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、パラ−メンタンヒドロペルオキシド、及びペルオキシカーボネート、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸、及びこれらの混合物の様な、いかなる水に不溶、或いは水に可溶のフリーラジカルの重合開始剤であってもよい。
【0023】
好適な重合開始剤は、約60から90℃において1時間の半減期、また、約50から80℃で10時間の半減期を持つものである。他の過酸化物、例えば、一時間の半減期/温度関係が幾分高い、過エステル及び過酸もまた、これらの物質が、第四級アミン、例えば、2,4−ジメチル−2,5−ジベンジルペルオキシヘキサンの様な促進化合物を伴うならば使用してもよい。
【0024】
フリーラジカル重合開始剤が、本発明のオリゴマー化合物を形成する際に重合開始剤成分として選択される場合、それは、フリーラジカル重合方法を開始してオリゴマー化合物を形成する能力を持つ如何なるフリーラジカル重合開始剤であってもよく、過酸化ベンゾイルの様な過酸化物重合開始剤、及び、アゾビスブチロニトリルの様なアゾ重合開始剤、等を含む。オリゴマー化合物を形成する際に採用される重合開始剤の濃度は、例えば、重合されるべきモノマーの総重量の約0.2から2.5重量パーセントであり、オリゴマーの所望の分子量と構造、及び所望の樹脂によって決定される。重合開始剤の濃度が、使用されるモノマーのモル当量の重量に対して相対的に減少するにつれて、熱可塑性の樹脂生成物の分子量は増大する。
【0025】
適当なモノマー化合物は、アクリレート化合物、アルカアクリレート化合物、メチルスチレンの様なスチレン化合物、ブタジエン、イソプレン、ミルセンの様な複合、並びに非複合のジエン化合物、メチルビニルケトンの様な複合オレフィンカルボニル化合物、9−ビニルカルバゾール化合物、塩化ビニル化合物、酢酸ビニル化合物、及びこれらの混合物であり得る。更に明確に言えば、上記のモノマーは、スチレン、1から約20個の炭素原子、また、好適には、1から約10個の炭素原子を持つアルキル置換スチレン類、アルキルメタアクリレート、及び類似化合物、並びに、それらの混合物であり得る。実施態様において、約2種類から約10種類の異なったモノマーを、モノマーの相対的な反応性に依存して、例えば、同じ混合物内で同時に重合してランダム、或いは等級別のコポリマーを得るか、或いは、例えば、ブロック、及び多重ブロックのコポリマーの調製において連続的に重合することができる。使用し得るモノマーは、フリーラジカルによる重合を受けることのできる如何なるモノマーであってもよく、置換スチレンの様なスチレン化合物、例えば、メチルスチレン及び類似化合物、アクリレート、メタアクリレート、ブタジエン、並びに、特定の安定なフリーラジカルの緩和な重合反応条件下で、十分に反応性があり、安定なフリーラジカル反応付加物、及び高分子量のポリマー生成物、例えば、イソプレン並びにミルセンを与える如何なる複合ジエンモノマーも含まれるが、これらに限定されるものではない。他のモノマー類には、例えば、9−ビニルカルバゾール化合物、塩化ビニル化合物、酢酸ビニル化合物、及び、上述のモノマー類、並びに、以下に参照する適当なトナー用の重合可能なモノマー類を含むこれらの混合物が含まれる。
【0026】
安定なフリーラジカル化合物は、フリーラジカル物質類を、特に、フリーラジカルによって開始される重合においてポリマー鎖を伸長している物質を、熱によりおよび可逆的に捕捉する如何なる化合物であってもよい。上記の安定なフリーラジカル剤は、如何なる安定なフリーラジカルであってもよく、ニトロキシドフリーラジカル類、例えば、PROXYL (2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ)化合物、DOXYL(4,4−ジメチル−3−オキザゾリニルオキシ)化合物、及び、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリディニロキシ)化合物、4,4−ジメチル−3−オキサゾリニルオキシ化合物、ジ−第三級アルキル置換ニトロキシド化合物、並びにその類似化合物、及び、これらの混合物を含む。他の−SFR基、及び化合物は、米国特許第5,530,079号に説明されている。これらの安定なフリーラジカル剤物質は、フリーラジカル重合阻害剤として文献に周知のものであり、例えば、G.Moadら、Tetrahedron Letters 22,1165(1981)参照のこと。安定なフリーラジカル剤は、好適には、優先的に、すべてのモノマー類の重合が起こるモノマー相に可溶である。異相溶解性を持つ安定なフリーラジカル剤もなお有用であるが、安定なフリーラジカル剤が、モノマーと同一の相にある場合の方法に比べて、結果としてより予測できにくい重合工程を生じることがある。
【0027】
同じ相に存在する安定なフリーラジカル(SFR)剤の、フリーラジカル性重合開始剤(INIT)に対するモル比は、例えば、約0.4から2.5であり、また、好適には、約0.9から1.6の範囲である。理論によって制限されることは望まないにしても、ある実施の形態において、安定なフリーラジカル剤、例えば、TEMPOの、フリーラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイルに対するモル比[SFR:INIT.]約1.3は、本重合方法の成功に重要と考えられている。もし、[SFR:ITIN.]が余りにも高いと、その時は、反応速度は目にみえて阻害される。もし、[SFR:ITIN.]が余りにも低いと、その時は、反応生成物は望ましくない多分散性を持つことになる。
【0028】
実施の形態において、モノマー含量対安定なフリーラジカル剤対フリーラジカル性重合開始剤のモル比は、例えば、約100:0.2:1 から約10,000:2.5:1であり、また、好適には、約300:1.3:1から7,000:1.3:1の範囲にある。
【0029】
実施の形態において、還元剤対フリーラジカル重合開始剤のモル比は、約1:1から10:1であり、更に好適には、約2:1から5:1であり、最も好適には、約2:1から約3:1である。
【0030】
重合反応混合物の加熱は、如何なる従来の方法によっても、例えば、重合反応容器を、恒温の油浴に、例えば、約100から約200℃の温度で、例えば、約1から約40時間浸すことによって達成することができる。好適な実施の形態においては、加熱は、約120から約165℃の温度で、約1から約5時間でよく、ここで、その結果、モノマーのポリマーへの転換率は、約1.3から約2.0である。至適反応時間は、反応の温度、容量、及び反応の規模に、および選択された重合開始剤並びにフリーラジカル剤の量およびタイプに依存して変動することがある。
【0031】
本発明の結果として生じる熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、ホモポリマー類に対しては約3,000から約200,000であり、ブロック、及び多重ブロックのコポリマー類に対しては約5,000から約600,000である。実施の形態において、樹脂の好適な重量平均分子量(Mw)は、約10,000から約180,000である。
【0032】
フリーラジカル重合開始剤化合物が、フリーラジカル重合開始剤と安定なフリーラジカル化合物の両者を一つにしたものである場合、即ち、フリーラジカル重合開始剤と安定なフリーラジカル化合物が同一分子内に統合されている場合は、併合されたフリーラジカル重合開始剤と安定なフリーラジカル化合物の、モノマーに対する重量比は、例えば、約0.001:100から1.0:1.0である。
【0033】
実施の形態において、本発明は、少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマーと、共有結合の安定なフリーラジカル剤を含むか、或いは統合しているフリーラジカルの重合開始剤化合物と、還元剤付加物との混合物を加熱して、その結果、約1.1から約2.0の狭い多分散性を持ち、且つ、約50から100パーセントの高い転換率で熱可塑性の樹脂、或いは熱可塑性の樹脂類を生じることから成る熱可塑性樹脂、或いは熱可塑性樹脂類を調製するための重合方法を提供する。実施の形態において、フリーラジカルの重合開始剤化合物は、化学式R’−SFRを持つものであり、ここで、R’は約1から約30個のモノマー単位と、必要に応じて、共有結合したフリーラジカル重合開始剤から成るオリゴマー化合物であり、また、−SFRは、共有結合した安定なフリーラジカル基である。実施態様において、上記のフリーラジカル重合開始剤付加化合物R’−SFRは、例えば、以下の化学式を持つN−(1−メチルベンジル)−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン(MB−TMP)であってもよい。
【0034】
【化5】
実施の形態において、フリーラジカル開始剤付加化合物R’−SFRは、例えば、以下の化学式を持つオリゴマー化合物であってもよい。
【0035】
【化6】
ここで、xは、1から約30の整数である。共有結合した安定なフリーラジカルの末端基−SFRは、例えば、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ化合物、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ化合物、4,4−ジメチル−3−オキザリニルオキシ化合物、ジ−第三級アルキル置換ニトロキシド化合物、及びその類似化合物、並びにそれらの混合物から発生することができる。他の実施の形態において、一つ、或いはそれ以上の−SFR基、例えば、ジ−、トリ−、及びテトラ−、等の機能化されたオリゴマーの重合開始剤を含むオリゴマーの重合開始剤化合物を選択することが望ましい。
【0036】
実施の形態において、本発明は熱可塑性樹脂、或いは熱可塑性樹脂類を調製するための重合方法を提供し、その工程は、アルキルアクリレートのフリーラジカルで重合可能なモノマーと非アクリレートのフリーラジカルで重合可能なモノマー、例えば、以下の化学式を持つ統合されて共有結合の安定なフリーラジカル化合物を含むフリーラジカル重合開始剤化合物、及び、グルコースの様な還元剤付加物、必要に応じて、塩基性化合物から成る混合物を加熱し、その結果、約1.1から約2.2の狭い多分散性を持ち、約50から100パーセントの高い転換率でアルキルアクリレートと非アクリレートのモノマーの熱可塑性樹脂のコポリマーを生じることから成る。
【0037】
【化7】
実施の形態において、本発明は、ブロック、或いは多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂類調製のための重合方法を提供し、この工程は、フリーラジカルの重合可能なモノマーと、フリーラジカルの重合開始剤化合物と、上記のフリーラジカル重合開始剤化合物から分離して隔てている又はその一部となっている安定なフリーラジカル化合物と、還元剤とから成る混合物を加熱して、第一の中間体生成物である樹脂を含む混合物を形成し、
その結果生じた混合物を必要に応じて冷却し、
上記の第一中間体生成物である樹脂を上記の混合物から必要に応じて分離し、
上記の第一中間体生成物である樹脂に、少なくとも一種類のフリーラジカルの重合可能なモノマー化合物を、また、必要に応じて還元剤を加えて合併された第二の混合物を形成し、ここで、上記の第二混合物の上記の重合可能なモノマー化合物は、上記の第一混合物の上記の重合可能なモノマー、或いはモノマー類とは異なり、
上記の合併された第二混合物を加熱して、上記の第一中間体生成物樹脂から形成された第一生成物である樹脂と、添加された上記の第二のモノマーから成るブロックコポリマーの熱可塑性樹脂から成る第三の混合物を形成し、
その結果生じた第三の混合物を冷却し、
必要に応じて、上記の第三混合物から樹脂を分離し、
連続的に、添加、加熱、及び冷却の上述の三段階をN回反復して、ここで、Nは一つの数を表すが、多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂、或いはN+2ブロックを持つ樹脂類を形成し、ここで、Nは上記の連続工程が反復される回数であり、
必要に応じて、上記の多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂を上記の第四混合物から分離し、
必要に応じて、上記の多重ブロックのコポリマーである樹脂を洗浄して乾燥し、ここで、上記の多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂は、狭い多分散性、及び1の様相を持つ。
【0038】
実施の形態において、上述のブロック、或いは多重ブロックの重合工程におけるNは、1から約20であり得る。
【0039】
実施の形態において、本発明の重合方法は、更に、反応混合物から生成物であるポリマーを分離して精製することを含む。ポリマー生成物を分離することは、例えば、濾過、沈殿、噴霧乾燥等の従来の方法によって達成することができる。
【0040】
本発明のポリマー生成物は、必要に応じて、例えば、ジビニルベンゼン等の様な既知の架橋剤、或いは硬化剤によって、その場で、又は、重合工程後の別途の段階で架橋してもよい。
【0041】
本発明の目的を妨げず、また、結果として生じる生成物に更に性能の向上をもたらす可能性のある既知の添加物、例えば、着色剤、潤滑剤、遊離、或いは転移剤、界面活性剤、安定剤、消泡剤、抗酸化剤等を、必要に応じ、追加して重合反応に使用してもよい。
【0042】
実施の形態において、重合工程の前、又は、その間に、ポリエチレン、ポリプロピレンワックスの如きアルキレン類の様なワックス状成分、及びそれらの混合物で、約1,000から約20,000の低分子量のものを、重合すべき全モノマーの、約0.1から約15重量パーセントの量でモノマーに組み込むことができる。別法として、ワックス状成分は、工程の、分離されたポリマー生成物に加えてもよい。この様な成分の使用は、ある種のトナーへの応用に望ましいことがある。適当な低分子量のワックスは、米国特許第4,659,641号に開示されている。
【0043】
実施の形態において、本発明は、少なくとも一種類のポリマーと、トナー樹脂の粒子と着色剤、特に色素粒子から成るトナー組成物とを含む被覆で覆われたコアを有する被覆された担体粒子から成る現像剤組成物を含有する。
【0044】
トナー組成物は、スチレン−ブタジエンコポリマーの様な樹脂の粒子、マグネタイト(磁鉄鉱)、カーボンブラック、又はこれらの混合物、及びシアン、黄色、緑色、褐色、赤色、又は、これらの混合物の様な着色剤粒子、並びに好適には、約0.5パーセントから5パーセントの荷電増強添加物を、Werner Pfleiderer社から入手できるZSK53の様なトナー押し出し装置内で、混合して加熱し、形成されたトナー組成物を上記の装置から取り出す様な多数の既知の方法によって調製することができる。冷却に引き続き、トナー組成物は、例えば、Sturtevantの微分化装置を用いて、約25ミクロン以下の、また、好適には、約6から約12ミクロンの容積正中直径を持つトナー粒子を得る目的で粉砕にかけられ、これらの直径は、Coulterカウンターで測定される。続いて、トナー組成物は、例えば、Donaldson社のモデルB分級器を用いて、トナーの微粉、即ち、約4ミクロンの容積正中直径以下のトナー粒子を除去する目的で分級することができる。別法として、トナー組成物は、分級器ホイールを装備された流動床粉砕機を使用して粉砕されて分級される。
【0045】
本発明のトナー、及び現像剤組成物に適切な樹脂類の例には、直鎖、或いは枝鎖のスチレンアクリレート類、スチレンメタアクリレート類、スチレンブタジエン類、ビニル樹脂が含まれ、これには、直鎖、或いは枝鎖のホモポリマー、及び二種類又はそれ以上のビニルモノマーのコポリマーが含まれる。ビニルモノマーには、スチレン、p−クロロスチレン、ブタジエン、イソプレン、及びミルセンが含まれる。モノカルボン酸のエステルの様なビニルエステルには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、及びブチルメタアクリレート、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等が含まれる。好適なトナー樹脂類には、スチレンブタジエンのコポリマー、それらの混合物等が含まれる。他の好適なトナー樹脂類には、スチレン/n−ブチルアクリレートのコポリマー類、PLIOLITES(商品名)、重合したスチレンブタジエンの懸濁液が含まれ、米国特許第4,558,108号参照のこと。
【0046】
トナー組成物において、樹脂の粒子は、十分な、しかし効果的な量で、例えば、約70から90重量パーセントで存在する。この様にして、荷電増強添加剤が、重量で1パーセント、並びに、カーボンブラックの様な色素、或いは着色剤が重量で10パーセント、組成物内に含まれている場合、重量で約89パーセントの樹脂が選択される。なお、荷電増強添加剤は、色素粒子上に被覆されてもよい。被覆として用いられる場合、荷電増強添加剤は、約0.1重量パーセントから5重量パーセント、また、好適には、約0.3重量パーセントから約1重量パーセントの量で存在する。
【0047】
色素、或いは染料の様な多数の周知の適切な着色剤が、トナー粒子用の着色剤として選択可能であり、これには、例えば、REGAL330(商品名)の様なカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、マグネタイト、或いは、それらの混合物が含まれる。好適には、カーボンブラックである色素は、トナー組成物が高度に着色されるに十分な量で存在すべきである。一般に、色素粒子は、トナー組成物の総重量に基づき、重量で約1パーセントから、重量で約20パーセント、また、好適には、約2から約10重量パーセントの量で存在する。しかしながら、これより少ない、或いは多い量の色素粒子が選択されてもよい。
【0048】
色素粒子がマグネタイトから成り、それによって、望むならば、ある場合に、単一成分のトナーを可能にする場合、このマグネタイトは、MAPICO BLACK(商品名)として市場で入手できるものを含め、鉄酸化物(FeO・Fe2O3)の混合物であり、トナー組成物中に、重量で約10パーセントから重量で約70パーセントの量で、また、好適には、重量で約10パーセントから重量で約50パーセントの量で存在する。カーボンブラックとマグネタイトの混合物で、約1から約15重量パーセントのカーボンブラック、また、好適には、約2から約6重量パーセントのカーボンブラックと、MAPICO BLACK(商品名)の様なマグネタイトの、例えば、約5から約60、また、好適には、約10から約50重量パーセントの量から成るものが選択され得る。
【0049】
着色剤には、色素、染料、これらの混合物、色素の混合物、染料の混合物等を含まれる。
【0050】
また、トナー組成物と流動助長添加剤を含む外部の添加剤粒子を混和することもでき、これらの添加剤は、通常、組成物の表面に存在する。これらの添加剤の例には、AEROSIL(商品名)の様なコロイド状シリカ、金属塩、ステアリン酸亜鉛を含めて脂肪酸の金属塩、酸化アルミニウム、酸化セリウム、及びそれらの混合物を含み、これらの添加剤は、一般に、重量で約0.1から重量で約10パーセント、また、好適には、重量で約0.1パーセントから重量で約5パーセントの量で存在する。上述の添加剤のいくつかは、米国特許第3,590,000号、及び第3,800,588号に説明されており、その開示は、全面的に本願明細書に引用して組み込まれている。
【0051】
更に、本発明に関連して使用されるトナーについて、AEROSIL(商品名)の様なコロイド状シリカは、約1から約30重量パーセントの、また、好適には、10重量パーセントの量で、荷電添加剤により表面処理され、続いて、これを、0.1から10、また、好適には、0.1から1重量パーセントの量でトナーに加えることができる。
【0052】
また、トナー組成物に、Allied Chemical社、及びPetrolite Corporation社から市場で入手できるポリプロピレン類、並びにポリエチレン類、Eastman Chemical Products社より市場で入手できるEPOLENE N−15(商品名)、三共化成株式会社より入手できる低重量平均分子量のポリプロピレンであるVISCOL 550−P(商品名)、及び類似の物質の様な低分子量のワックス類を含有することも可能である。選択された市販のポリエチレン類は、約1,000から約1,500の分子量を持ち、一方、トナー組成物に利用される市販のポリプロピレン類は、約4,000から約5,000の分子量を持つと考えられている。本発明に有用なポリエチレン、並びにポリプロピレン組成物の多くは、英国特許第1,442,835号に説明されている。
【0053】
低分子量のワックス物質は、必要に応じて、本発明のトナー組成物、或いは、ポリマー樹脂ビーズ中に種々の量で存在するが、しかしながら、一般的に、これらのワックスはトナー組成物中に、重量で約1パーセントから約15パーセント、また、好適には、重量で約2パーセントから重量で約10パーセントの量で存在して、実施の形態において、フューザーロール解離剤として機能している可能性がある。
【0054】
特に言及しない限り、パーツ、及びパーセンテージは重量に基づくものである。
【0055】
【実施例】
実施例I.
還元剤を用いた安定なフリーラジカルの仲介するアクリレートの重合:
冷却器、ガス注入口、及びゴムの隔壁を備えた100ml容量の三口丸底フラスコに、N−(1−メチルベンジル)−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン(MB−TMP)(0.072g、0.0271mmol)、還元剤としてデキストロース(0.16g)、塩基性緩衝剤としてNaHCO3 (0.16g)、及びn−ブチルアクリレート(25ml)モノマーを加えた。その結果生じた混合物を、次いで、上記の懸濁液中にアルゴンを吹き込むことによって脱酸素し、次いで、予め熱しておいた油浴(145℃に)で加熱した。反応物を5時間攪拌し、その結果、1.55の多分散性(PD)を持ち、65パーセントの転換率で、Mn=45,537のポリ(n−ブチルアクリレート)−TEMPOを生成した。ここで、PD=Mw/Mnである。
【0056】
実施例II.
ブロック共重合:実施例Iの上記のポリ(n−ブチルアクリレート)−TEMPO(2.2g)を、冷却器、ガス注入口、及びゴムの隔壁を備えた100ml容量の三口丸底フラスコ中で、スチレンモノマー(35ml)に溶解して、135℃に予め熱しておいた油浴中に浸して加熱した。反応物を2.5時間攪拌し、次いで、メタノール(500ml)中に沈殿させた。その結果生じたポリ(n−ブチルアクリレート−b−スチレン)のポリマーは、PD=1.71で、Mn=104,900を持っていた。
【0057】
実施例III.
イソプレン重合:PARR反応器内に、イソプレン(75ml)、N−(1−メチルベンジル)−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン(MB−TMP)(0.079g)、グルコース(0.12g)、及びNaHCO3(0.14g)を放出した。上記の溶液にアルゴンを15分間吹き込んで反応器から空気を排除し、次いで、145℃で、20分間隔で加熱した。この温度に4時間保った後、反応器を冷却してモノマーを蒸発し、Mn=20573,PD=1.33で、25パーセントの転換率のポリイソプレンを得た。
【0058】
実施例IV.
ブロック共重合:三口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート(25ml)、グルコース(0.119g)、NaHCO3(0.139g)、及びTEMPOを末端に持つポリスチレン(2.068g、Mn=6,000)を加えた。上記の溶液にアルゴンガスを25分間吹き込んでフラスコから空気を追い出した。次いで、フラスコを145℃に予め熱しておいた油浴に浸して加熱した。5時間後、Mn=29,594、PD=2.18で、62パーセントの転換率のポリ(スチレン−b−n−ブチルアクリレート)を得た。
【0059】
実施例V.
イソプレン重合:加圧した鋼鉄のPARR反応器内に、イソプレン(75ml)、MB−TMP(0.072g)、及びベンゾイン(0.182g)を放出した。この溶液にアルゴンを吹き込んで空気を追い出し、次いで、145℃に加熱した。内部圧力は198p.s.i.(1平方インチ当たり、198ポンド)に上昇した。6時間後、圧力は120p.s.i.に低下し、反応物を冷却した。ポリイソプレンを、Mn=55,000、PD=1.55で、36.9パーセントの転換率で得た。
【0060】
比較例V.
比較のために、還元添加剤を用いない以外実施例Vに準拠して実施例Vを反復した結果、Mn=3,000で、転換率が5パーセントのポリスチレンが得られた。
【0061】
実施例VI.
還元剤を用いたn−ブチルアクリレートの重合:冷却器、ガス注入口、及びゴムの隔壁を備えた100ml容量の三口丸底フラスコに、N−(1−メチルベンジル)−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン(MB−TMP)(0.072g、0.0271mmol)、デキストロース(0.5g)、NaHCO3 (0.5g)、及びn−ブチルアクリレート(25ml)を加えた。次いで、上記の懸濁液にアルゴンを吹き込んで空気を追い出した後、予め熱しておいた(115℃に)油浴で加熱した。反応液を7時間攪拌した結果、Mn=37,555、PD=1.92で、36.4パーセントの転換率で、ポリ(n−ブチルアクリレート)−TEMPOを得た。
【0062】
実施例VII.
還元剤を用いたn−ブチルアクリレートの重合:還流冷却器、温度計、及びガス注入管を備えた丸底フラスコに、BPO(0.1g、0.413mmol)、安定なフリーラジカル剤である4−HO−TEMPO(0.097g、0.563mol)、還元剤としてのアセトール(0.2ml、2.69mmol)、及びn−ブチルアクリレート(25ml)モノマーを加えた。この溶液中にアルゴンを吹き込んで10分間、脱酸素し、次いで、熱油浴(145℃)に浸して加熱した。反応物を8.5時間攪拌して、Mn=36,297、多分散性が1.65、転換率56パーセントの4−HO−TEMPOを端末に持つポリ(n−ブチルアクリレート)を得た。
【0063】
実施例VIII.
還元剤を用いたn−ブチルアクリレートの重合還流冷却器、温度計、及びガス注入管を備えた丸底フラスコに、フリーラジカル重合開始剤である過酸化ベンゾイル(BPO)(0.2g、0.83mmol)、安定なフリーラジカル剤である4−HO−TEMPO(0.171g、0.993mmol)、還元剤としてのヒドロキシブタノン(0.8ml、9.1mmol)、及びn−ブチルアクリレート(25ml)モノマーを加えた。この溶液中にアルゴンを吹き込んで10分間、脱酸素し、次いで、熱油浴(145℃)に浸して加熱した。反応物を7.5時間攪拌して、Mn=47,488、多分散性が2.12、転換率80パーセントの4−HO−TEMPOを端末に持つポリ(n−ブチルアクリレート)を得た。
Claims (2)
- ブロック、或いは多重ブロックのコポリマーの熱可塑性樹脂を調製する方法であって、
一種類のフリーラジカルで重合可能なモノマーと、フリーラジカルの重合開始剤化合物と、安定なフリーラジカル化合物と、以下の式に示すエン−ジオール互変異性体の構造特性を持つ還元剤との混合物を加熱して第一の中間体生成物の樹脂を含む混合物を形成し、
その結果得られた混合物を必要に応じて冷却し、
上記の第一中間体生成物である樹脂を混合物から必要に応じて分離し、
上記の第一中間体生成物である樹脂に、少なくとも一種類のフリーラジカルで重合可能なモノマー化合物から成る第二の混合物を加え、また、必要に応じて還元剤を加えて合併された第二の混合物を形成し、ここで、上記の第二混合物の上記の重合可能なモノマー、或いはモノマー類は、上記の第一混合物の上記の重合可能なモノマー、或いはモノマー類とは異なり、
上記の合併された第二の混合物を加熱して、上記の第一中間体生成物である樹脂から形成された第一生成物である樹脂と添加された上記の第二のモノマーから成るブロックコポリマーである熱可塑性樹脂から成る第三の混合物を形成し、
その結果生じた第三の混合物を冷却し、
必要に応じて、上記の第三の混合物から上記の樹脂を分離し、
連続的に、添加、加熱、及び冷却をN回反復し、ここで、Nは一つの数字を表すが、多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂、又は、N+2ブロックを持つ樹脂類を含む第四の混合物を形成し、ここで、Nは上記の連続工程が反復される回数であり、
必要に応じて、上記の多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂を上記の第四の混合物から分離し、また、
必要に応じて、上記の多重ブロックのコポリマーである熱可塑性樹脂を洗浄して乾燥することを特徴とする重合方法。
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