JP6484927B2 - ブロックポリマ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、三成分以上のモノマを重合してなるアクリルブロックポリマ及びその製造方法に関する。
アクリルポリマはアクリルモノマをラジカル重合することで容易に製造することが可能であり、目的に応じて数種のアクリルモノマを共重合することで樹脂の特性を幅広く変えることが可能であることから、広く工業的に製造されている。またその製造方法は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合などが普及しており、製造するアクリルポリマの分子量やコストなどを鑑み選択されている。従来アクリルポリマは、一般的にフリーラジカル重合で製造されているため、多成分モノマから得られるアクリルポリマはランダム共重合体であり、広い分子量分布を有している。
アクリルポリマは、モノマ種の選択により透明性、接着性、低弾性、高硬度などの特徴を発現でき、光学分野、電子材料分野、構造材料分野などに展開されている。また、アクリル酸やメタクリル酸をその成分として共重合することにより、アルカリ水溶液可溶性を付与して、感光性レジスト材料に供されている。また、グリシジルメタクリレートを共重合することにより、さらに熱硬化反応を組み込んだり、光反応性基を導入して、光反応性を組み込むことが可能であり、例えば接着剤の耐熱性を高めたり、感光性を付与することが可能である。
近年、アクリルポリマの高性能化、高機能化を実現するためブロックポリマやグラフトポリマ、星型ポリマなどの構造制御を可能とするリビングラジカル重合が、種々、開発されている。アクリルポリマの合成法として可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合が、リビングラジカル重合方法として開発されている。RAFT重合はチオカーボネート構造を有する連鎖移動剤を用いることでポリマ成長末端が可逆的な付加開裂を起こしモノマへの連鎖移動を起こすことでリビング重合の挙動をとる。RAFT重合は、アクリル酸やメタクリル酸を保護基なしで重合することが可能であり、種々のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等との共重合を可能とする(特許文献1、2を参照)。
特表2000−515181号公報 特開2010−59231号公報
本発明は、三成分以上の多成分共重合ポリマにおいて、特定の重合性モノマに起因するポリマの物性が、ポリマのシークエンスにより変化しないように、他のモノマのブロック性を高めたブロックポリマを得ることを課題とする。
中でもアクリルポリマのブロックポリマを目的とし、その中でも、水酸基を含む三成分以上の多成分共重合ポリマにおいて、水酸基由来以外の構造単位をブロック化でき、溶剤溶解性を低下しない特性を有するアクリルポリマを目的とする。
本発明は、三成分以上の重合性モノマを重合してなるアクリルポリマであり、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマを含む第一のポリマユニット、及び、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマとは異なる第三の重合性モノマを含む第二のポリマユニットを有するブロックポリマに関する。
また本発明は、第一のポリマユニットの片末端又は両末端に第二のポリマユニットを有する前記のブロックポリマに関する。
また本発明は、前記第一の重合性モノマが水酸基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルであるブロックポリマに関する。
また本発明は、前記第二の重合性モノマがアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル又はスチレンである前記ブロックポリマに関する。
また本発明は、前記第三の重合性モノマが前記第二の重合性モノマとは異なるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルである前記ブロックポリマに関する。
また本発明は、重量平均分子量が10,000〜200,000である前記のブロックポリマに関する。
また本発明は、分子量分散度が1.2〜4.0である前記ブロックポリマに関する。
さらに本発明は、三成分以上の重合性モノマを重合してなるブロックポリマの製造方法であって、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマをリビング重合により重合して第一のポリマユニットを得る工程Aと、その後、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマとは異なる第三の重合性モノマを添加して第二のポリマユニットを鎖伸張する工程Bとを、有するブロックポリマの製造方法に関する。
本発明のブロックポリマは、三成分以上の多成分共重合ポリマにおいて特定の重合性モノマに起因するポリマの物性がポリマのシークエンスにより変化しないように他のモノマのブロック性を高めたものである。得られるアクリルブロックポリマは、感光性レジスト、接着剤、光硬化用樹脂として良好な特性を示すものとして、適用可能である。
本発明のブロックポリマは、三成分以上の重合性モノマを重合してなるアクリルポリマであり、水酸基を有する第一の重合性モノマと第二の重合性モノマを含む第一のポリマユニット及び水酸基を有する第一の重合性モノマと第二の重合性モノマとは異なる第三の重合性モノマを含む第二のポリマユニットを有する。
このブロックポリマは、第一のポリマユニットをブロックとして有し、その片末端又は両末端に第二のポリマユニットをブロックとして有することが好ましい。
また、前記第一の重合性モノマが水酸基を有するアクリル酸エステル又は水酸基を有するメタクリル酸エステルであるブロックポリマであるものが好ましい態様であり、前記第二の重合性モノマが水酸基を有しないアクリル酸エステル、水酸基を有しないメタクリル酸エステル又はスチレンであるものが好ましい態様であり、前記第三の重合性モノマが前記第二の重合性モノマとは異なる水酸基を有しないアクリル酸エステル、水酸基を有しないメタクリル酸エステル又はスチレンであるものが好ましい態様である。
その分子量に特に制限はないが、重量平均分子量が10,000〜200,000であるものが好ましく、分子量分散度が1.2〜4.0であるものが好ましい。
また本発明のブロックポリマにおいて、それぞれのモノマの割合、それぞれのユニットの割合に特に制限はなく、様々なものが挙げられるが、例えば、第一の重合性モノマと第二の重合性モノマの割合が前者/後者のモル比で1/99〜80/20であり、第一の重合性モノマと第三の重合性モノマの割合が前者/後者のモル比で1/99〜80/20であり、第一のポリマユニットと第二のポリマユニットの割合が前者/後者のモル比で10/90〜90/10であるものが挙げられる。
本発明のブロックポリマは、水酸基を有する第一の重合性モノマと第二の重合性モノマをリビング重合により重合して第一のポリマユニットを得る工程Aと、その後、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマとは異なる第三の重合性モノマを添加して第二のポリマユニットを鎖伸張する工程Bとを、有するブロックポリマの製造方法により得ることができる。
なお、最初に用いる水酸基を有する第一の重合性モノマと、後に用いる水酸基を有する第一の重合性モノマは、同種のモノマであることが好ましいが、これに限定されない。
リビング重合としては、アニオン重合や、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシドリビングラジカル重合(NMP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、有機テルル媒介リビングラジカル重合(TERP)、可逆連鎖移動触媒重合(RTCP)などが利用できる。
リビングラジカル重合は、ラジカル重合において、成長ラジカルを可逆的に保護し、保護基の脱保護(活性化)、モノマの付加(成長)、保護(不活性化)の繰り返しにより分子鎖が少しずつ、ほぼ均等に成長し、分子量分布の狭い高分子が得られる。モノマが反応系から枯渇しても新たにモノマを供給することにより重合が開始され鎖伸張が起こる。中でも連鎖移動剤である保護基としてチオエステルを用いる可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)は、重合可能なモノマ種が多く、水酸基を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを直接、共重合できる点で好ましい。
このRAFT重合においては、一般式(1)で表される構造のチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用いることができる。
Figure 0006484927
(Rは、一価の基を示し、Zは、一価の基を示す。)
ここで、Rとしては、クミル基、シアノプロピル基、フェニルプロピル基、シアノフェニルメチル基、エチルカルボキシプロピル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基、1−シアノエチル基、1−フェニルエチル基、ターシャリーブチル基、シアノメチル基、ベンジル基等が好ましいものとして挙げられる。
また、Zとしては、フェニル基、メチルチオイル基、ピロール基、メチル基、フェノキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基等が好ましいものとして挙げられる。
これらの連鎖移動剤の具体例としては、クミルジチオベンゾエート、2−シアノ−2−プロピルベンゾチオエート、4−シアノ−4[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカーボネート、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、シアノメチルドデシルトリチオカーボネート等が挙げられ、これらは市販されているが、これらに限定されるものではない。
本発明において、重合性モノマとしては、重合性炭素炭素不飽和二重結合を有するモノマが挙げられ、具体的には、アクリルモノマ、スチレン系モノマ、アクリロニトリル 等が挙げられる。
なおここで、アクリルモノマとは、アクリロイル基(CH=CH−CO−)又はメタクリロイル基(CH=C(CH)−CO−)を有するモノマをさし、アクリルポリマとはこれらの基を有するモノマを少なくとも一部用いて重合して得られるポリマをさす。
本発明においては、アクリルモノマやスチレン系モノマを重合性モノマとして用いたアクリルポリマが好ましい。本発明において、第一の重合性モノマとしては、水酸基含有モノマであれば特に制限はなく、アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシヘキシル等のアクリル酸ヒドロキシアルキル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等のシクロアルキレンジメタノールのモノアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシメチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシヘキシル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート等のシクロアルキレンジメタノールのモノメタクリレートなどが挙げられる。中でも、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル等が好ましいものとして挙げられる。
また、第二の重合性モノマ、第三の重合性モノマとしては、前記第一の重合性モノマ以外の、アクリルモノマ、スチレン系モノマ、アクリロニトリル等が好ましいものとして挙げられ、中でも第二の重合性モノマが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレンであるものが好ましく、第三の重合性モノマは前記第二の重合性モノマ以外のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレンであるものが好ましい。
中でも、本発明の製造方法により得ることが好適なモノマの組み合わせとして、第一の重合性モノマ;水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、第二及び第三のモノマ;スチレン、(メタ)アクリル酸べンジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等、であるものが挙げられる。
(なお、(メタ)アクリル酸○○とは、アクリル酸○○又はメタクリル酸○○を意味する。)
本発明において、前記一般式(1)で表される構造のチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、第一の重合性モノマ(例えば水酸基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)と第二の重合性モノマをリビング重合により重合して第一のポリマユニットを合成するが、重合がある程度進んだ時点で、第一のポリマユニットとなるポリマを再沈殿や減圧留去により回収した後、第一の重合性モノマと第三の重合性モノマと共に加えることで、第二のポリマユニットを鎖伸張させることができる。この場合、少量のラジカル開始剤を添加してもよい。
また一般式(1)で表される構造のチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、第一の重合性モノマと第二の重合性モノマをリビング重合により重合して第一のポリマユニットを合成し、重合がある程度進んだ時点で、同じ反応器に、第一の重合性モノマと第三の重合性モノマを添加して第二のポリマユニットを鎖伸張させることで、本発明のブロックポリマを得ることができる。
最初に用いる水酸基を有する第一の重合性モノマ、これと重合可能な第二のモノマ、後から投入する第一の重合性モノマ、これと重合可能な第三のモノマの、それぞれのモル量及び一般式(1)で表されるチオカーボネート化合物のモル比を制御することで、得られるブロックポリマの分子量や、第一のポリマユニットの分子量(鎖長)、第二のポリマユニットの分子量(鎖長)を調整することが可能である。
一般に、連鎖移動剤、具体的には一般式(1)表される化合物と、ラジカル開始剤のモル比率は20/1〜1/5が好ましく、10/1〜1/4がより好ましい。一般式(1)で表される化合物とラジカル開始剤の比率が20/1以下とすることで単分散性を保ちつつ重合反応速度を速めとすることができるので工業的に好ましく、一方1/5以上とすることで、ラジカル開始剤から直接モノマへの連鎖移動が起こることを避けることができ、本発明のブロックポリマとは異なるランダムポリマや第一のポリマユニット単独、第二のポリマユニット単独のポリマの副生を抑制し、良好なブロックポリマを得ることが可能である。
重合反応の温度は使用するラジカル開始剤の分解温度により異なり、特に制限するものではないが、一般的に半減期分解温度マイナス2℃からプラス20℃で行うことが好ましい。温度を半減期分解温度に対してこの範囲に制御することにより、分子量分布を小さくでき、一般式(1)の構造を持たないポリマの副生によるブロック化低下の抑制が可能となる。
本発明のブロックポリマを合成するためのラジカル開始剤としては過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジt−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド等の過酸化物開始剤、AIBN(2、2’−アゾビスイソブチロニトリル)、V−65(アゾビスジメチルバレロニトリル)等のアゾ開始剤などがあげられる。中でもAIBN(2、2’−アゾビスイソブチロニトリル)が好ましい。
本発明のブロックポリマは溶液重合、懸濁重合、乳化重合、固相重合などで合成することが可能であるが、重量平均分子量で2,000〜300,000の樹脂を得るには溶液重合が好ましく、重量平均分子量で300,000〜1,000,000の樹脂を得るには懸濁重合が好ましい。用いるモノマの極性や反応性により重合方法は適宜選択されるが、水酸基を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを用いる場合、その溶解性の点から溶媒に可溶なアクリルポリマを合成するには溶液重合で行うことが好ましい。
本発明のブロックポリマの分子量に特に制限はないが、一般に、重量平均分子量で10,000〜200,000が好ましい。また、分子分散度は一般に、1.2〜4.0が好ましい。なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することで求めることができる。
溶液重合は、重合可能なモノマ、連鎖移動剤、ラジカル開始剤及び生成する樹脂を溶解可能な溶剤に溶かし、ラジカル開始剤によって決まる温度まで加温することで行われる。このとき空気下でも重合を行うことは可能であるが,窒素下で行うことが好ましい。
溶液重合で使用する溶剤は重合可能なモノマ、連鎖移動剤、ラジカル開始剤及び生成する樹脂を溶解可能であれば特に制限されないが、重合を行う温度以上の沸点を有することが好ましい。重合を行う温度が、使用する溶剤の沸点よりも高い場合には、加圧下での反応により行うことができる。
用いる有機溶媒としては、メトキシエタノール、エトキシエタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、クロルベンゼン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が用いられ、特に制限されない。これらは単独で、又は適宜混合して用いることができる。
RAFT重合では一般的にアクリル成長末端からメタクリレートモノマへの連鎖移動は起こらない。このため複数のモノマを共重合するときのモノマの配合手順や組合せは重要である。よって、複数のモノマを同時に仕込む場合には、アクリロイル基を有するモノマのみの組合せ、又はメタクリロイル基を有するモノマのみの組合せで行うのが好ましい。
本発明において、ブロック重合で段階的にポリマを成長させるには、アクリロイル基を有するモノマのみの組合せで重合するか、又はメタクリロイル基を有するモノマのみの組合せでメタクリロイル基を有するモノマを重合させた後にアクリロイル基を有するモノマを重合することが好ましい。
本発明のブロックポリマは高分子鎖に水酸基が分散している。この水酸基を変性して二重結合を付与して、光硬化性とすることもできる。この場合、高分子鎖に二重結合が分散することになり光硬化性が向上し、硬化物の物性が安定する。
本発明のブロックポリマは、例えば、感光性材料、接着剤、粘着剤、コーティング材料、分散剤等の用途において優れた諸特性を示すことが期待される。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
環流冷却器、温度計、撹拌器、窒素導入管を備えた500ミリリットルのセパラブルフラスコにメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA、和光純薬株式会社製)15.6g(120mmol)、メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA、和光純薬株式会社製)47.6g(240mmol)、クミルジチオベンゾエート71mg(0.26mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬株式会社、純度98%)22mg(0.13mmol)メチルイソブチルケトン(和光純薬株式会社)65gを仕込み、室温で窒素をバブリングし、40分間撹拌した。温度を70℃に上げ30分撹拌し、その後温度を75℃上げて6時間撹拌し、固形分と分子量を測定した。固形分から換算した重合率は91%、HEMA/2EHMAユニットの重量平均分子量(Mw)は219,000、数平均分子量(Mn)は122,000であった。この反応液にHEMA15.6g(120mmol)、スチレン(和光純薬株式会社)25.0g(240mmol)、メチルイソブチルケトン35gを加えてさらに80℃で撹拌を続けた。反応液の粘度が上がったら別途、窒素を30分間バブリングしておいたメチルイソブチルケトンを20g加えてさらに撹拌した。80℃で4時間撹拌した。反応終了後、アクリルポリマのメチルイソブチルケトン溶液を得た。得られたポリマの重量平均分子量(Mw)は360,000、数平均分子量(Mn)は151,000、ワニスの固形分384質量%であった。
(実施例2、3)
表1に示したモノマを使用した以外は実施例1に従って、アクリル樹脂を得た。
(比較例1)
環流冷却器、温度計、撹拌器、窒素導入管を備えた500ミリリットルのセパラブルフラスコにスチレンモノマ(和光純薬株式会社製)25.0g(240mmol)、メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA、和光純薬株式会社製)47.6g(240mmol)、クミルジチオベンゾエート71mg(0.26mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬株式会社、純度98%)22mg(0.13mmol)トルエン/プロピレングリコールモノメチルエーテル(2/3重量比)混合液75gを仕込み、室温で窒素をバブリングし、40分間撹拌した。温度を65℃に上げ30分撹拌し、その後温度を70℃に上げ2時間撹拌し、さらに80℃で2時間撹拌し、固形分と分子量を測定した。固形分から換算した重合率は90%、スチレン/2EHMAユニットの重量平均分子量(Mw)は252,000、数平均分子量(Mn)は140,000であった。この反応液にメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA、和光純薬株式会社製)31.2g(240mmol)、メチルイソブチルケトン35gを加えて70℃で撹拌を続けた。反応液の粘度が上がったら別途、窒素を30分間バブリングしておいたメチルイソブチルケトンを20g加えてさらに80℃で4時間撹拌した。反応終了後、アクリルポリマのトルエン/プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルイソブチルケトン混合溶液を得た。得られたポリマの重量平均分子量(Mw)は359,000、数平均分子量(Mn)は164,000、ワニスの固形分は49質量%であった。
(比較例2)
環流冷却器、温度計、撹拌器、窒素導入管を備えた500ミリリットルのセパラブルフラスコにメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA、和光純薬株式会社製)31.2g(240mmol)、スチレンモノマ(和光純薬株式会社製)25.0g(240mmol)、メタクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHMA、和光純薬株式会社製)47.6g(240mmol)、クミルジチオベンゾエート71mg(0.26mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬株式会社、純度98%)22mg(0.13mmol)、メチルイソブチルケトン100gを仕込み、室温で窒素をバブリングし、40分間撹拌した。温度を70℃に上げ30分撹拌し、その後温度を75℃に上げ2時間撹拌し、さらに80℃で6時間撹拌した。反応終了後、アクリルポリマのメチルイソブチルケトン溶液を得た。得られたポリマの重量平均分子量(Mw)は340,000、数平均分子量(Mn)は254,000、ワニスの固形分は49質量%であった。
[評価]
反応液、及び得られたアクリルポリマの評価は以下に従い行った。
[固形分、反応率の測定]反応液又はアクリルポリマワニスの固形分は精秤したアルミシャーレに約1gを精秤し150℃で15分加熱した後に再度、精秤し以下の式により求めた。
[分子量の測定]
実施例及び比較例のアクリルポリマの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びMw/Mnは、アクリルポリマの分子量分布のクロマトグラムをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、25℃における標準ポリスチレンの溶離時間から換算して求めた。なお、測定装置は、東ソー株式会社製EcoSEC、HLC−8320GPC、GPCの溶離液としては、テトラヒドロフランを使用し、カラムは、ゲルパックGL−A−150、ゲルパックGL−A−10(日立ハイテクノロジーズ株式会社製商品名)を直結したものを使用した。
[アクリルポリマのモノマ組成解析]
実施例及び比較例のアクリルポリマのモノマ組成は核磁気共鳴スペクトル(NMR)により求めた。
[評価結果]











Figure 0006484927










Figure 0006484927

Claims (6)

  1. 三成分以上の重合性モノマを重合してなるアクリルポリマであり、
    水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマを含む第一のポリマユニット、及び、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマとは異なる第三の重合性モノマを含む第二のポリマユニット、を有し、
    第二の重合性モノマがアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレンであり、
    第三の重合性モノマがアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレンであり、
    前記第二のポリマユニットにおける第一の重合性モノマと第三の重合性モノマの割合が前者/後者のモル比で20/80〜80/20であるブロックポリマ(但し、(a)5〜95重量%の第1のブロックであって、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の量の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、第1のブロック;ならびに(b)5〜95重量%の第2のブロックであって、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、第2のブロック;を含有し、ここで、該第2のモノマーの算出されたTgが、該第1のモノマーの算出されたTgよりも20℃〜235℃高く;ここで該ブロックコポリマーの数平均分子量が、500〜100,000である、ブロックコポリマーを除く)
  2. 第一のポリマユニットの片末端又は両末端に第二のポリマユニットを有する請求項1記載のブロックポリマ。
  3. 重量平均分子量が10,000〜200,000である請求項1又は2に記載のブロックポリマ。
  4. 分子量分散度が1.2〜4.0である請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリマ。
  5. 分子量分散度が2.2〜4.0である請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリマ。
  6. 三成分以上の重合性モノマを重合してなるブロックポリマの製造方法であって、
    水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマをリビング重合により重合して第一のポリマユニットを得る工程Aと、その後、水酸基を有する第一の重合性モノマと、第二の重合性モノマとは異なる第三の重合性モノマを添加して第二のポリマユニットを鎖伸張する工程Bとを、有し、
    第二の重合性モノマがアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレンであり、
    第三の重合性モノマがアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレンであり、
    第一の重合性モノマと第三の重合性モノマの割合が前者/後者のモル比で20/80〜80/20であるブロックポリマ(但し、(a)5〜95重量%の第1のブロックであって、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第1のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の量の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、第1のブロック;ならびに(b)5〜95重量%の第2のブロックであって、ヒドロキシ官能基を含まない少なくとも1種類の第2のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー、および1〜20重量%の少なくとも1種類のヒドロキシ官能性のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーの残基を含む、第2のブロック;を含有し、ここで、該第2のモノマーの算出されたTgが、該第1のモノマーの算出されたTgよりも20℃〜235℃高く;ここで該ブロックコポリマーの数平均分子量が、500〜100,000である、ブロックコポリマーを除く)の製造方法。
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