JPH07207029A - 架橋ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

架橋ポリマー粒子およびその製造方法

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JPH07207029A
JPH07207029A JP1901894A JP1901894A JPH07207029A JP H07207029 A JPH07207029 A JP H07207029A JP 1901894 A JP1901894 A JP 1901894A JP 1901894 A JP1901894 A JP 1901894A JP H07207029 A JPH07207029 A JP H07207029A
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JP
Japan
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crosslinked polymer
cross
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weight
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Application number
JP1901894A
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English (en)
Inventor
Toru Masukawa
亨 増川
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
Masayuki Hattori
雅幸 服部
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は樹脂の改質、トナーの流動性改良、
樹脂フィルムのブロッキング防止、易滑、摺動特性に優
れ、かつ層状剥離、ドロップアウトが改良された架橋ポ
リマー粒子を提供することにある。 【構成】 粒子表面にポリシロキサンを有し、かつ平均
粒子径が0.01μm〜10μmにあることを特徴とす
る架橋ポリマー粒子。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、樹脂の改質、トナーの流動性改
良、樹脂フィルムのブロッキング防止性、易滑性、摺動
特性などに優れ、かつ層状剥離、ドロップアウトが改良
された架橋ポリマー粒子およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒子径が0.01〜10μmの範囲にあ
る架橋ポリマー粒子は、樹脂改質剤、トナーの流動性改
良、樹脂フィルムのブロッキング防止剤、フィルムの易
滑剤、スペーサー、標準粒子、抗原抗体反応検査粒子、
感熱紙の走行性安定剤、化粧用添加剤、レオロジーコン
トロール剤、低収縮化剤などに有用であり使用されてい
る。粒子径が0.01〜10μm範囲の架橋ポリマー粒
子は、通常、懸濁重合方法で製造することができ、また
特別な乳化重合方法(特開平1−315454)によっ
て製造することができる。
【0003】しかしながら、これらの架橋ポリマー粒子
は樹脂に添加した場合、成形加工中、流動性が悪く、樹
脂と金型の間でこすれ、成形品の表面に傷、層状剥離を
起こすことが多かった。またこれらの架橋ポリマー粒子
は、樹脂フィルムに添加した場合、フィルム製造時また
は取扱い時にフィルム表面に傷、しわが発生し、そのた
め添加した粒子がフィルムから脱落する、いわゆるドロ
ップアウトと呼ばれる現象がおき、品質低下の原因とな
った。これらは、架橋ポリマー粒子表面の耐摩耗性、潤
滑性が欠けているために起こる現象であり、そこで架橋
ポリマー粒子表面の耐摩耗性、潤滑性を改良するため
に、従来は潤滑剤などを添加する方法が行なわれたが、
その改良効果は十分でなく、また多量に用いると樹脂の
機械的物性の低下、耐熱性の低下、そしてブリードして
樹脂表面を汚すという問題があった。したがって、これ
らの問題を解決した架橋ポリマー粒子が求められてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、従来の技
術的課題を背景になされたもので、樹脂の改質、トナー
などの流動性改良ブロッキング防止性、易滑性、摺動性
に優れ、かつ層状剥離、ドロップアップが改良された架
橋ポリマー粒子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒子表面にポ
リシロキサンを有し、かつ平均粒子径が0.01〜10
μmにあることを特徴とする架橋ポリマー粒子、ならび
に架橋性単量体を10重量%以上含有する重合性単量体
を重合して得られた重合体粒子100重量部の存在下で
オルガノシラン化合物0.1〜900重量部を縮合反応
することを特徴とする架橋ポリマー粒子の製造方法を提
供する。以下、本発明について、詳細に説明する。
【0006】本発明の架橋ポリマー粒子は、粒子表面に
ポリシロキサンを有し、かつ平均粒子径が0.01〜1
0μmにあることを特徴とする架橋ポリマー粒子であ
る。本発明の架橋ポリマーは、分子中に重合性二重結合
を含む基を2個以上有する架橋性単量体(以下、「単に
架橋性単量体」という)を10重量%以上含有する重合
体単量体を乳化重合、懸濁重合、分散重合の重合法、好
ましくは乳化重合の重合法で重合して得られた重合体粒
子(以下、「重合体粒子(A)」という)の表面にポリ
シロキサンを付与することにより得られる。ここでのポ
リシロキサンの付与とは、重合体粒子(A)の表面を、
ポリシロキサンが部分的または全面に積層されたもので
ある。ポリシロキサンの積層量は、重合体粒子(A)1
00重量部に対して、好ましくは0.1〜900重量
部、さらに好ましくは10〜300重量部、特に好まし
くは1〜150重量部、最も好ましくは2〜100重量
部である。ポリシロキサンの量が0.1重量部未満であ
ると摺動性が劣り、一方900重量部を超えると耐熱性
が劣る。重合体粒子(A)で用いられる重合性単量体中
の架橋性単量体の含有量は10重量%以上、好ましくは
15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上であ
る。架橋性単量体の含有量が10重量%未満であると、
ブロッキング防止性が劣る。
【0007】上記の重合体粒子(A)で用いられる架橋
性単量体としては、ジビニルベンゼンなどの非共役ジビ
ニル化合物、多価アクリレート化合物として下記の化合
物が挙げられる。これらは1種または2種以上で用いら
れる。
【0008】多価アクリレート化合物の具体例として
は、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレン
グリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンレングリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ポリプロピレンジアクリレート、2,2′−
ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパ
ン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェ
ニル)プロパン、メチレンビスアクリルアミドなどのジ
アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テ
トラメチロールメタントリアクリレートなどのトリアク
リレート化合物、ジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどのテ
トラアクリレート化合物、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
メタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピ
レングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−
メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのメ
タクリレート化合物、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート
などのトリメタクリレート化合物が挙げられる。
【0009】以上のうち、好ましくはジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、またはトリ
メチロールプロパントリメタクリレート、特に好ましく
はジビニルベンゼンである。
【0010】架橋性単量体以外の重合性単量体として
は、下記の化合物が挙げられ、これらは1種または2種
以上で使用される。スチレン、エチルビニルベンゼン、
α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン
などの芳香族モノビニル化合物、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルエチルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエ
チルハイドロジエンフタレート、2−アクロイルオキシ
エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピルアクリレート、グリシジル
アクリレート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリ
レートなどのアクリル酸エステルモノマー、ブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタ
クリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリ
レート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロ
キシプロピルフタレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、N,N′−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステルモノマー、シリコン変
性単量体、マクロモノマー、またはアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノマーまたは
ジカルボン酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリル
アミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーを用
いることができる。
【0011】またブタジエン、イソプレンなどの共役二
重結合化合物や酢酸ビニルなどのビニルエステル化合
物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オリフィ
ン化合物が挙げられる。好ましい重合性単量体は、スチ
レン、エチルビニルベンゼン、アクリロニトリル、メチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート、カルボン酸な
どの官能基を有する単量体である。また、本発明では、
重合体粒子(A)の表面にさらに架橋性単量体含有量が
10重量%未満の重合体を形成しておいてもよい。本発
明のポリシロキサンは、オルガノシラン化合物の縮合反
応により得られる。
【0012】本発明のオルガノシラン化合物は、一般式
RnSi(OR′)4-nで表わされるアルコキシシラン
化合物、またはRmSiO〔(4-m)/2〕で表わされる環
状シロキサンなどが挙げられる。前記一般式中、nは0
〜3の整数、mは0〜3の数を示し、Rは好ましくは、
炭素数1〜8の有機基、例えばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、その
他のγ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−ト
リフロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ
−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピ
ル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエ
チル基、γ−アミノプロピル基などが挙げられる。ま
た、式中R′は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル
基、または炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが
挙げられる。式中、Rの炭素数が9を超えるかまたは
R′の炭素数が6を超えるとポリシロキサンを重合体粒
子(A)の付与が十分でなく、したがって得られる架橋
ポリマー粒子の摺動性が十分でない。
【0013】本発明においてポリシロキサンの付与は、
オルガノシラン化合物を重合体粒子(A)の存在下に縮
合反応させる方法による。このとき、水に対する溶解度
が10-3重量%以下の溶媒の存在下で上記の縮合反応を
することができる。溶媒としては、好ましくはケトン
類、低級アルコール、エステルなどがある。
【0014】上記のオルガノシラン化合物として、下記
のものを挙げることができる。これらのアルコキシシラ
ン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルト
リメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロ
ロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロ
ロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシランなどを挙げることが
できる。好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシランである。
【0015】また、環状シロキサンとしては、ヘキサフ
ェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテ
トラシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテト
ラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシク
ロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキ
サン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチ
ルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサ
シロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキ
サンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状
のオルガノシロキサンを挙げることができる。これのオ
ルガノシラン化合物は、1種単独または2種以上を併用
することができ、他の例えばチタン、アルミニウムなど
の金属アルコキシドと併用することもできる。また、こ
れらのオルガノシラン化合物は必要に応じて有機溶媒に
溶解させて使用することもできる。
【0016】本発明の架橋ポリマー粒子の平均粒子径は
0.01〜10μm、好ましくは0.01〜5μm、さ
らに好ましくは0.01〜3μmである。平均粒子径が
0.01μm未満であると、摺動性、ブロッキング防止
性が劣り、一方10μmを超えると流動特性に劣る。こ
こで、架橋ポリマー粒子の平均粒子径の測定は、透過型
電子顕微鏡写真により直接100個の粒子について計測
した粒子系(粒子が円球でない場合は長径と短径を測定
し、その平均値を求めた。)の平均値を求めることによ
り行なう。次に本発明の架橋ポリマー粒子の好ましい製
造方法を説明する。
【0017】本発明の架橋ポリマー粒子の製造方法にお
いては、まず、架橋性単量体の含有量が10重量%以上
である重合性単量体を、乳化重合、分散重合、懸濁重合
などの重合法、好ましくは乳化重合法、特に好ましくは
シート乳化重合法の重合し重合体粒子(A)を得る。こ
のときの重合体粒子(A)の平均粒子径については特に
限定するものでなく、最終的に得られる架橋ポリマー粒
子の目的とする平均粒子径が得られるように、該(A)
の平均粒子径は適宜決める。該粒子(A)の平均粒子径
のコントロールは乳化剤の量、撹拌、その他公知の方法
により行なうことができる。
【0018】上記の重合で使用される重合開始剤として
は、通常の乳化重合、分散重合、懸濁重合で用いれるも
のであれば特に制限されないが、過硫酸カリウム、過硫
酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開
始剤、アゾ系開始剤および過酸化水素、有機過酸化物な
どを単独で、あるいはアスコルビン酸などの各種還元剤
と組み合わせて使用してもよい。上記の重合において
は、懸濁保護剤または界面活性剤を使用しない場合もあ
るが、重合反応系の安定性を高めるため、懸濁保護剤ま
たは界面活性剤が使用されれる。
【0019】界面活性剤としては、通常のものを用いる
ことができ、例えばドデシルベンゼンスルホン酸塩、ド
デシル硫酸塩、ラウリル硫酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニ
ルエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン
縮合物などのアニオン系界面活性剤を例示することがで
きる。ここで、塩としてナトリウム、アンモニウムなど
を挙げることができる。さらに、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフ
ェニルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどのノ
ニオン系界面活性剤を使用することも可能である。ま
た、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなど一般に知られ
ている反応乳化剤を単独あるいは上記の界面活性剤と併
用して使用することが可能である。好ましい懸濁保護剤
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、ヒドロキシプロピルセルロールなどの水溶性高
分子を使うことができる。これらは単独でもよく、また
組み合わせて使用することが可能である。好ましい組み
合わせとしては、アニオン系界面活性剤とノニオン系界
面活性剤と水溶性高分子の組み合わせがある。
【0020】重合体粒子(A)の存在下に縮合反応させ
るオルガノシラン化合物の量は、重合体粒子(A)10
0重量部に対して、好ましくは0.1〜900重量部、
さらに好ましくは1〜300重量部、特に好ましくは1
〜150重量部、最も好ましくは2〜100重量部であ
る。0.1重量部未満では、摺動性が十分に出ない。一
方、900重量部を超えると耐熱性に劣る。上記の架橋
ポリマー粒子を得るための縮合反応におけるオルガノシ
ラン化合物の添加方法は全量を一括添加、または一部、
または全量を連続的、または間欠的に添加する方法であ
る。重合体粒子(A)にオルガノシラン化合物を添加す
るときは、系をpH4〜10、好ましくはpH5〜9、
さらに好ましくはpH6〜8に調整し、温度は90℃以
下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以
下、特に好ましくは30℃以下の条件下で行なうと良
い。
【0021】オルガノシラン化合物の縮合反応は、通常
温度30℃以上、好ましくは50℃以上、さらに好まし
くは80℃以上で行なうことができ、例えば乳化剤の存
在下において行なうことができる。この乳化剤は界面活
性剤の役目を果たすと同時にオルガノシラン化合物の縮
合反応の触媒として機能するものであり、かかる乳化剤
としては脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましい。
【0022】上記の方法で得られた架橋ポリマー粒子の
分散液を、各種用途に使用する場合の該分散液の使用形
態としては、該分散液の形態での使用、該分散液の
形態で添加し、そのあと分散媒を除去する方法での使
用、該分散液から架橋ポリマー粒子を回収し、架橋ポ
リマー粒子の形態での使用、などが挙げられる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載
において「部」または「%」は特記しないかぎり重量基
準である。
【0024】架橋ポリマー粒子の表面の観察方法 架橋ポリマー粒子の表面のSi元素の検出は、ESCA
で行なった。 樹脂組成の物性評価 実施例および比較例によって得られた樹脂組成物は、下
記の方法により試験片を作成後、下記の試験方法によっ
て評価した。
【0025】(1)試験片の作成 相対粘度3.70(30℃、97%硫酸中、濃度10-2
mg/mlで測定)のナイロン4.6、粉末状の架橋ポ
リマー粒子または重合体粒子、芳香族ポリアミド繊維A
(帝人社製、「テクノーラ T−322」、繊維長1m
m、繊維径12μm)、および高密度ポリエチレン(H
DPE、三井石油化学社製、「ハイゼックス 3300
F」)を表1に示した組成比率でタンブラー内で混合
し、次に二軸押出機(池貝鉄工社製、「池貝PCM45
II」)を用いて熔融混合し、ペレット化した。この
ペレットを用いて成形温度300℃、金型温度80℃の
条件下で各種試験片を射出成形により得、下記(2)の
試験方法により物性を測定した。
【0026】(2)試験方法 引張試験:ASTM D 638に従い、引張速度5
0mm/分で測定した。 曲げ試験:ASTM D 790に従い、曲げ速度1
5mm/分で測定した。 熱変形温度:ASTM D 648に従い、264p
siで測定した。 摩擦摩耗試験:鈴木式摩擦摩耗試験機を使用し、相手
材としてアルミ材を用いた。試験片は外形25.6m
m、内径20.0mmの中空円筒状試験片を用い、相手
材も同様の形状のものを用いた。 (イ)動摩擦係数 荷重10kg(面圧5kg/cm2 )、回転速度60r
pmの条件で測定した。 (ロ)摩耗量 荷重10kg、回転速度30rpmで20000回転
(走行距離1.4km)した後の試験片重量の減少を測
定し、以下に掲げる式(1)より算出される比摩耗量で
定義した。 式(1) 比摩耗量=摩耗重量/(走行距離×接触面圧×接触面積
×密度) 溶融樹脂流動性:渦巻状成形品の長さ(スラブフロー
長という)により測定した。測定条件は以下の通りであ
る。 成形温度 320℃(実施例8は290℃) 金型温度 80℃ 成形品肉厚 2.0mm 射出圧力 600kg/cm2 射出速度 30cm2 /sec
【0027】実施例1 ジビニルベンゼン(純度56%、残余の38%はエチル
ビニルベンゼン、残余の6%は不純物、以下このジビニ
ルベンゼンを使用)45部、スチレン55部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、ポリビニルアルコ
ール0.5部、イオン交換水1000部、α,α′−ア
ゾイソブチロニトリル0.7部を反応容器に仕込み、ホ
モミキサーにより15,000rpmで60分撹拌して
均一とした。次に窒素ガスを吹き込みながら80℃に加
熱し、3時間撹拌を続けて懸濁重合を行ない重合体粒子
(A)を得た。次に反応容器の温度を25℃に保った状
態でpHを8.0に調整し、メチルトリエトキシシラン
を30部を添加し、約30分間にわたって強く撹拌し
た。その後、反応容器を70℃に昇温し、3時間反応さ
せて縮合反応を完結させ架橋ポリマー粒子aを製造し
た。この分散体においては凝固物の発生は観察されなか
った。得られた架橋ポリマー粒子aの平均粒子径を測定
したところ、1.9μmであった。できた架橋ポリマー
粒子の水スラリーを遠心洗浄後、ESCAにより元素分
析したところ、Si元素の存在が観察された。
【0028】架橋ポリマー粒子aを配合した樹脂組成物
の物性評価結果を表1に示す。樹脂組成物の摺動性は十
分であった。また架橋ポリマー粒子aをポリプロピレン
樹脂に配合し、フィルムの耐ブロッキング性をみたとこ
ろ良好であった。
【0029】実施例2 重量平均分子量が15,000からなる平均粒子径が
0.25μmポリスチレン粒子を10部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム5部、ジビニルベンゼン65
部、スチレン35部、過硫酸ナトリウム1部、イオン交
換水1000部を反応容器に仕込み、窒素ガスを吹き込
みながら撹拌下、80℃で1時間重合し、重合体粒子
(A)を得た。その後、引き続き反応容器の温度を25
℃まで冷却し、pHを8.0に調整後、ジエチルエトキ
シシランを100部を添加し、約30分間強く撹拌し
た。その後、反応容器を70℃に昇温し、3時間反応さ
せて縮合反応を完結させ架橋ポリマー粒子bを製造し
た。この分散体においては凝固物の発生は観察されなか
った。得られた架橋ポリマー粒子bの平均粒子径を測定
したところ、(A)で0.5μmであり、重合終了後で
0.55μmであった。できた架橋ポリマー粒子水スラ
リーを遠心洗浄後、ESCAにより元素分析したとこ
ろ、Si元素の存在が観察された。
【0030】架橋ポリマー粒子bを配合した樹脂組成物
の物性評価結果を表1に示す。樹脂組成物の摺動性は十
分であった。架橋ポリマー粒子bをポリプロピレン樹脂
に配合し、フィルムの耐ブロッキング性をみたところ良
好であった。
【0031】実施例3 実施例2における重合体粒子(A)の存在下、反応容器
を80℃に昇温し、過硫酸ナトリウム0.5部を添加
後、メチルメタクリレート35部、スチレン62部、メ
タクリル酸3部を1時間にわたり連続的に添加し重合を
完結させ、重合体粒子(A′)を得た後冷却し、反応容
器の温度を25℃に保った。その後実施例2と同様の方
法でアルコキシシラン化合物を縮合反応させて架橋ポリ
マー粒子cを製造した。得られた架橋ポリマー粒子cの
平均粒子径を測定したところ、(A)で0.5μmであ
り、重合終了後で0.7μmであった。できた架橋ポリ
マー粒子スラリーを遠心洗浄後、ESCAにより元素分
析したところ、Si元素の存在が観察された。
【0032】架橋ポリマー粒子cを配合した樹脂組成物
の物性評価結果を表1に示す。樹脂組成物の摺動性は十
分であった。また架橋ポリマー粒子cをポリプロピレン
樹脂に配合し、フィルムの耐ブロッキング性をみたとこ
ろ良好であった。
【0033】実施例4および5 実施例2および3において、ジエチルエトキシシラン1
00部に代えて、メチルトリエトキシシラン5部で実施
して、架橋ポリマー粒子dおよびeを得た。架橋ポリマ
ー粒子dおよびeの平均粒子径は、dで0.51μm、
eで0.57μmであった。できた架橋ポリマー粒子ス
ラリーを遠心洗浄後、ESCAにより元素分析したとこ
ろ、Si元素の存在が観察された。dおよびeの架橋ポ
リマー粒子をポリプロピレン樹脂に配合し、フィルムの
耐ブロッキング性をみたところ良好であった。
【0034】比較例1 実施例2の重合体粒子(A)を架橋ポリマー粒子fとし
た。架橋ポリマー粒子dを配合した樹脂組成物の物性評
価結果を表1に示す。樹脂組成物の摺動性は十分でなか
った。また耐ブロッキング性も十分でなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の架橋ポリマー粒子は、樹脂の改
質、トナーなどの流動性改良、ブロッキング防止、易
滑、摺動性に優れ、かつ層状剥離、ドロップアウトが改
良されており、各種用途に使用することができ、極めて
工業的価値が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にポリシロキサンを有し、かつ平均
    粒子径が0.01〜10μmであることを特徴とする架
    橋ポリマー粒子。
  2. 【請求項2】 架橋性単量体を10重量%以上含有する
    重合性単量体を重合して得られた重合体粒子100重量
    部の存在下でオルガノシラン化合物の0.1〜900重
    量部を縮合反応することを特徴とする架橋ポリマー粒子
    の製造方法。
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