WO1998017736A1

WO1998017736A1 - Composition de traitement de surface metallique contenant une resine acrylique pourvue d'heterocycles azotes, procede de traitement et metaux ainsi traites

Info

Publication number: WO1998017736A1
Application number: PCT/JP1997/003657
Authority: WO
Inventors: Yasuhiro Shibata; Tomoyuki Kanda; Atsuhiko Tounaka; Susumu Maekawa; Kiyotada Yasuhara
Original assignee: Nippon Paint Co., Ltd.
Priority date: 1996-10-21
Filing date: 1997-10-13
Publication date: 1998-04-30
Also published as: EP0933409A1; JPH10182916A; US6146473A; KR19980033027A; EP0933409A4

Description

明細書

N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物、処理方法及び処理金属材料技術分野

本発明は N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物、処理方法及び処理金属材料、特に耐食性、塗膜密着性やすべり性（「潤滑性」ともいう）を改良した N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物、処理方法及び処理金属材料に関する。背景技術

食缶、自動車のボディ一、鋼板のコイルコ一ティング、建材等の金属材の表面処理として、従来はリン酸塩処理、クロメート処理やノンクロメート処理等が行われていた。例えば、鉄、亜鉛、アルミニウム等の金属表面の塗料、接着剤等の有機皮膜を塗布する際に、前処理としてリン酸塩処理によって金属表面にリン酸塩皮膜を形成させる。次いで、塗料等の有機皮膜をその上面に塗布することによつて耐食性、塗膜密着性を向上できる。しかし、従来のリン酸塩処理方法等における金属表面処理組成物は、耐食性、塗膜密着性やすべり性が必ずしも近年の要求に対して十分ではなかった。

そこで、通常更に耐食性の向上を図るために、リン酸塩処理の後、プライマー塗料を塗布してから塗料を塗装する方法が行われていた。しかし、プライマーを塗装すると、耐食性及び塗膜密着性は向上するものの、塗装工程が増加して作業が煩雑になると共に、塗装コストが高くなるという課題を有していた。

そこで、高度な耐食性及び塗膜密着性を付与しつつ、プライマー塗装を省略することを目的とする金属表面処理剤として、例えば特開平 5— 1 1 7 8 6 9号公報の「複合皮膜形成用金属表面処理剤」が提案されている。上記公報の金属表面処理剤は、陽イオン性窒素原子を 1個以上含み、分子量が 1 , 0 0 0〜 1 , 0 0 0 , 0 0 0である陽イオン性有機高分子化合物又はその塩を含有するリン酸塩表面処理液からなることが開示されている。

また、特開昭 5 1 - 7 3 9 3 8号公報の「アルミニウム及びその合金の表面処理法」には、特に、表面処理を行う金属をアルミニウム等に限定して、耐食性及び塗膜密着性を付与することを目的とする金属表面処理法が提案されている。この金属表面処理法は、酢酸ビニル '塩化ビニリデン、アクリル酸等の水溶性樹脂又はエマルシヨン樹脂を含む有機高分子皮膜形成物質と、水溶性チタン化合物とを主成分とする処理液を用いることが記載されている。

しかしながら、上記金属表面処理剤や処理法は、従来の金厲表面処理剤に比べれば耐食性及び塗膜密着性が向上するものの、近年の要求水準には未だ到達していない。

特に、アルミニウム又はその合金を用いて食缶を製造する場合には、上記金属表面処理剤等では、ジャミング防止が図れず、また鋼板のコイルコ一ティングにおいては、潤滑性に欠けるという問題点があった。発明の開示

本発明は、耐食性や塗膜密着性を改善し、更にすベり性を付与する N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物、処理方法及び処理金属材料を提供することを目的としたものである。

前述した目的を達成するために、本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物は、水溶性、水分散性又はエマルシヨン性のいずれかであつて、窒素原子含有複素環、少なくともアミノ基もしくはアンモニゥム基のいずれか一方及び疎水基を含むアクリル樹脂と、重金属又はその塩と、を含有する。従って、重金属又はその塩からなる無機皮膜によって透水性が抑制されるので、耐食性が向上する。また、窒素原子含有複素環及びアミノ基（アンモニゥム基）を含むアクリル樹脂中の窒素原子は、（重）金属に配位するので、上記無機皮膜は、アクリル樹脂を介して相互に連結される。従って、無機皮膜の凝集破壊が防止され、ほぼ均一な塗装下地用皮膜を金属表面に形成させることができる。このため、塗装下地用皮膜と上塗塗膜との密着性が向上する。本発明における塗装下地用皮膜とは、ァクリル樹脂によって連結された上記無機皮膜からなる金属表面に形成された皮膜をいう。更に、上記アクリル樹脂が塗装下地用皮膜表面にほぼ均一に存在するので、摩擦抵抗を下げることができ、すべり性を向上させることができる。

また、本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、好ましくは、前記アクリル樹脂内のアミノ基もしくはアンモニゥム基は、少なくとも下記化学式（I) 又は（II) に示す構造を有する。

R

N (I)

R

(式中、 , R₂ ：水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基）

R

N- R 4 (II)

R

(式中、； R₃， R₅ ：水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は

非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基）また、本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、前記アクリル樹脂内のアミノ基もしくはアンモニゥム基は、少なくとも下記化学式（III) 又は（IV) に示す構造のモノマ一を共重合させることにより導入される。

R

CH₂= C-COOR₉N (III)

R

(式中、 R₆ ：水素又はメチル基、

Ri, R 水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖

又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基、

R₉ ：炭素数 1〜 5のアルキレン基）

R

C H2=C- CONHRi₃N (IV)

R 1

式中、 R,。：水素又はメチル基、

Rii, R₁₂ :水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基、

Ria ：炭素数 1〜 5のアルキレン基）更に、本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、前記アクリル樹脂に含まれる疎水基は、少なくとも下記化学式（V) に示す構造のモノマーを共重合させることにより導入される。

R

CH₂二 C一 R (V)

(式中、 - C O O R IG, 置換 '未置換フヱニル基、

K 1 5 水素又はメチル基、

K 1 fi 炭素数 4〜 1 8の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基）また、本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、前記アクリル樹脂は、アクリル酸及びメタクリル酸からなる酸モノマーと多官能の架橋モノマーとから選ばれる少なくとも 1種が更に共重合されているのも好ましい。

また、本発明に係るアクリル樹脂の分子量は、 500〜 1 0 0， 00 0であり、好ましくは 1 , 000〜2 0 , 000である。分子量が 500未満の場合には、耐食性が低下する。一方、分子量が 1 00 , 00 0を越えると、親水性が低下する。

また、上記アクリル樹脂の含有量は、 N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物に対して 0. 0 1〜 1 0 g/1であり、好ましくは 0. l〜5 g/ 1である。アクリル樹脂の含有量が 0. 0 1 g/1未満の場合には、アクリル樹脂のバインダー効果が発揮されず、表面処理皮膜の物理的な耐久性が低下する。一方、アクリル樹脂の含有量が 1 0 g/1を超えると、表面処理皮膜と金属表面との密着性が低下する。

本発明における N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物に含まれるアクリル樹脂としては、以下に示すモノマーの共重合体が好適である。すなわち、（ 1 ) N複素環含有モノマ一としては、 N—ビニルピロリドン、ビニルピリジン、 N—ビニルイミダゾ一ル、 N—ビニルカプロラクタム、ビニルォキサゾリン、 N—ビニルォキサゾリドン、ァクロイルモルホリン等が挙げられる。

( 2 ) アミノ基（アンモニゥム基）含有ァクリルモノマーとして、 N , N—ジメチルアミノエチル（メタ）ァクリレート、 N， N—ジェチルアミノエチル（メ夕）ァクリレート、（メタ）アクリルアミド、 N , N—ジメチルアクリルアミド、 N—メチロールアクリルアミド、 N—メチルァミノプロピル（メタ）アクリルァミド、 N , N—ジメチルァミノプロピル（メタ）アクリルアミド、 N—ェチルァミノプロピル（メタ）ァクリルァミド、 N , N—ジェチルァミノプロピル（メタ）アクリルアミド及びこれらのクロライド塩、等が挙げられる。

( 3 ) 疎水基含有モノマーとしては、 n—プチル（メタ）ァクリレート， i _ ブチル（メタ）ァクリレート、 t 一ブチル（メタ）ァクリレート、 n—へキシル

(メ夕）ァクリレート、 2—ェチルへキシル（メタ）ァクリレート、ラウリル (メタ）ァクリレート、ステアリル（メタ）ァクリレート、シクロへキシル（メ夕）ァクリレート、イソボルニル（メタ）ァクリレート、スチレン、 p— t—ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルフエノール、ベンジル（メタ）ァクリレート等が挙げられる。

( 4 ) その他、更に加えてよいアクリルモノマ一としては酸モノマーであるァクリル酸、メ夕クリル酸、多官能の架橋モノマーである、エチレングリコ一ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ夕クリレート、 1 , 4—ブタンジォ —ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコ一ルジメ夕クリレート、グリセリンジメ夕クリレート、 1 , 6—へキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリァクリレ一ト、その他 2—ヒドロキシェチル（メタ）ァクリレート、ヒドロキシプロピル（メタ）ァクリレート、 4ーヒドロキシブチル（メタ）ァクリレート等が挙げられる。

上記モノマーからなる共重合体の共重合比は、アミノ基（アンモニゥム基）含有ァクリルモノマーが 5〜 6 0重量％、 N複素環含有モノマーが 2 0〜 8 0重量 %、疎水基含有モノマーが 5〜 5 0重量％、その他のアクリルモノマーが 0〜 6 0重量％である。好ましくは、アミノ基（アンモニゥム基）含有ァクリルモノマーが 2 0〜4 0 重量％、 N複素璟含有モノマーが 3 0〜6 0重量％、疎水基含有モノマーが 2 0 〜4 0重量％である。

また、上記のその他モノマ一を加える場合の共重合比は、酸モノマーが 1〜5 0重量％、好ましくは 1 0〜4 0重量％、多官能の架橋モノマーが 1〜 1 0重量 %である。

上記共重合体における N複素環含有モノマーの共重合比が 2 0重量％未満の場合には、親水性、塗膜密着性及び金属への付着性が低下する。一方、上記共重合体における N複素環含有モノマーの共重合比が 8 0重量％を超える場合には、耐食性は低下する。

また上記共重合体におけるアミノ基（アンモニゥム基）含有アクリルモノマ一の共重合比が 5重量％未満の場合には、親水性が低下し、又アクリル樹脂と重金属又はその塩とからなる無機皮膜同士の連結性が低下する。一方、上記共重合体におけるアミノ基（アンモニゥム基）含有ァクリルモノマ一の共重合比が 6 0重量％を超えると、耐食性が低下する。

更に、上記共重合体における疎水基含有モノマーの共重合比が 5重量％未満の場合には、すべり性及び耐食性が低下する。一方、上記共重合体における疎水基含有モノマーの共重合比が 5 0重量％を超える場合には、親水性及び塗膜密着性が低下する。また、本発明に係るアクリル樹脂含有金属表面処理組成物は、前記重金属が、ジルコニウム（Z r ) 、モリブデン（M o ) 、タングステン（W) 、ニオブ（N b ) 、ニッケル（N i ) 、コバルト（C o ) 、マンガン（M n ) 、タンタル（T a ) の少なくとも 1種である。上記重金属の供給源は、上記重金属の錯フッ化物が好ましく、その他、硝酸塩、リン酸塩等も挙げられる。

本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物に対して重金属の錯フッ化物の含有量は、 0 . 0 1〜 1 0 g/ 1が好ましい。重金属の錯フッ化物の含有量が 0 . 0 未満の場合には、耐食性が低下する。一方、重金属の錯フッ化物の含有量が 1 0 g/ 1を超える場合にも、耐食性が低下する。本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物は、更にリン酸又はリン酸塩を含有してもよい。リン酸又はリン酸塩としては、 H₃PC 、 Na₃P0₄、 N a₂HP 0 , NaH₂P0₄、 (ΝΗ,) PO 4等が挙げられる。上記 N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物に対してリン酸又はリン酸塩の含有量は、 0. 01〜20 g/1であり、好ましくは、 0. 05〜0. 1 g/1である。リン酸又はリン酸塩の含有量が 0. 01 g/1未満の場合には、耐食性が低下する。リン酸又はリン酸塩の含有量が 20 g/1を超えると、塗膜密着性が低下する。

本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物は、必要に応じて、以下のェッチング剤ゃェヅチング助剤を含有してもよい。

エツチング剤

エッチング剤としては、フッ化水素及びその塩が挙げられる。そして、このェツチング剤は、金属表面処理組成物に対して 0. 005〜0. 5 g/l含有してもよい。エッチング剤の含有量が 0. 005 g/1未満の場合には、エッチング性が不足し、塗装下地用皮膜が十分に金属表面に形成されない。一方、エツチング剤の含有量が 0. 5 g/lを超えると、エッチングが過多になる。

エッチング助剤

エッチング助剤としては、過酸化水素（H₂〇₂) 、亜硝酸（HNO 、 HB F ₄及びその塩が挙げられる。そして、このエッチング助剤の過酸化水素（Η ₂0₂ ) 、亜硝酸（HN0₂) 、又はその塩は、金属表面処理組成物に対して 0. 005〜5 g/1含有してもよい。上記エッチング助剤の含有量が 0. 005 g/l未満の場合には、耐食性が低下する。一方、上記エッチング助剤の含有量が 5 g/1を超えても、耐食性が低下する。また、 HBF4又はその塩は、金属表面処理組成物に対して 0. 003〜0. 2 g/1含有するのが好ましい。 HB F₄又はその塩の含有量が 0. 003 g/1未満の場合には、耐食性が低下する。一方、又はその塩の含有量が 0. 2 g/lを超えても、耐食性が低下する。

処理条件と処理方法

本発明に係る金属表面処理方法は、上記 N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物を金属表面に接触させ、引き続き水洗 '乾燥させる。また、上記金属表面処理組成物の P Hは、約 2. 0〜5. 0であり、好ましくは 2. 5〜3, 5である。この時、 pHの調整は、 NaOH、アンモニア水溶液、硝酸等により行う。本発明の金属表面処理組成物と金属材料との接触温度は、常温（例えば 2 0°C) 〜90°C、好ましくは 35〜 65°Cである。一般には、金属材料と本発明に係る N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物との接触時間は、接触温度が高いほど短くなる。

金属材料に対してスプレー塗布を行う場合、約 5秒間〜 5分間、好ましくは 1 0〜60秒間本発明の組成物と接触させるのが一般的である。浸漬法を用いる場合には、上記接触時間より長い接触時間を要する。その他、フローコート法、口ールコート法で接触させても良い。

上記のように、表面処理を施された金属材料は、水洗され、乾燥工程が入るが、乾燥温度は 1 50〜 240 °Cであり、乾燥温度が 1 50 °C未満では、耐食性が低下する。

更に、本発明に係る表面処理金属材料は、上記 N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物を用いて表面処理されたことを特徴とする。発明の実施するための最良の形態

次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。

実施例 1〜 1 1及び比較例 1〜 3

( 1 ) 被処理物：

A l— Mn系（J I S— A3004) アルミニウム合金板を D I加工等して得られた成型缶。

( 2 ) 表面処理皮膜評価方法：

ここで、沸水黒変性とは、食缶（アルミ缶）における、殺菌のために行う水道水等による沸水処理時に、未塗装部の素地が水中の金属と作用して黒色化する現象に対する耐性をいう。

a) 耐沸水黒変性：

本実施例及び比較例の組成物によって表面処理を行った金属材料を沸騰水道水中に 30分間浸漬した後の外見評価を次の基準で行った。〇外観の変化なし

△ 僅かに黒変

X

b) 表面処理皮膜表面のすべり性：

本実施例の方法で表面処理を行った金属材料を「HE I DON— 14型」試験機で 5 mm ø鋼球、荷重 50 g、触針速度 300 mmノ m i n . で動摩擦係数を求めた。

〇： 0. 6未満

Δ ： 0. 6〜0. 8

X ： 0. 8を超える場合

c ) 上塗り塗膜密着性：

バ一コ一夕一によつて B A S F社製塗料（EB— 70— 00 1 N 1 5 Omg- /m² /EB- 69-002N 6 Omg/m² ) を処理金属材料に塗装する。そしてこの塗装された金属材料を、ゥエッジベンディング加工し、折れ曲り部をニチバン製セロテープによりテープ剥離した時の塗膜剥離評価を次の基準で行つた。

〇：テープ剥離幅が 1 5 mm未満

△ ：テープ剥離幅が 1 5〜 20 mm

X ：テープ剥離幅が 20 mmを超える。

d) 耐レトル卜性：

本実施例及び比較例の組成物によって表面処理を行った金属材料をォートクレ —ブを使用し、 1 25°Cスチーム中に 30分間放置した後の外観評価を次の基準で行った。

〇：外観の変化なし

△ ：僅かに白変

X ：白化

ここで、耐レトルト性とは、食缶（アルミ缶）における、殺菌のために行う加圧下スチーム処理時に、未塗装部の素地が白化する現象に対する耐性をいう。 (3) 金属表面処理条件：

(実施例 1)

A l— Mn系（J I S— A3004) 成型缶を 30 _g/ 1濃度の酸性脱脂剤 ( 「サ一フクリーナ一 NH C 250」、日本ペイント（株）製）を用いて Ί 5°C、 60秒スプレーの条件で脱脂した後、水洗した。次に、リン酸ジルコニウム系処理剤（「アルサーフ 440」、日本ペイント（株）製）を 20 g/1に希釈した水溶液に、表 1に示す水溶性アクリル樹脂を 0. 5 g/1溶解させて本発明の金属表面処理組成物を作製し、その組成物を用いて、 50°Cで 20秒間スプレー処理を行った。その後、水道水で水洗し、 190°Cで 2分間加熱乾燥を行った。その評価結果を表 3に示す。

(実施例 2〜 7及び比較例 1〜 3 )

実施例 2〜 7及び比較例 1 ~ 3は、表 1に示した水溶性ァクリル樹脂と重金属の錯フッ化物とを、表 2に示す配合量で作製された金属表面処理組成物であって、これらの組成物を上述の実施例 1に準じて、金属表面処理を行った。その評価結果を表 3に示す。表 1

J 件ァク Jk _榭脂

共重合体の ¾ 類》 (Mn)

A一 1 NV P/D MA P AA/N B A 60/20/20 3 0 0 0

A - 2 NV P/D MA E A/ S T 50/30/20 6 0 0 0

A - 3 NV P/D MA P MA/E HA/H E A 4 0 0 0

A - 4 V I Z /D M AAm/L MA 40/30/30 5 0 0 0

A - 5 V P /D M A A m/E H A 30/40/30 3 0 0 0 B一- 1 H E A/ N B A 80/20 8 0 0 0

B - 2 H E MA/D MA PMA _80/20一一 4 0 0 0 註） N V P ： N—ビニルピロリドン

VI Z ： N—ビニルイミダゾ一ル

VP：ビニルビリジン

DMAE A： N, N—ジメチルアミノエチルァクリレート

DMAP AA： N, N—ジメチルァミノプロピルァクリルアミド DMAPMA： N， N—ジメチルァミノプロピルメ夕クリルアミド DMAAm： N, N—ジメチルアクリルアミド

NBA： n—プチルァクリレ一ト

S T：スチレン

E H A： 2—ェチルへキシルァクリレ一卜

LMA：ラウリルメタクリレート

HE A： 2—ヒドロキシェチルァクリレート

表 2 k ¾ 件ァクリル樹脂 S 化合物稗頻含有最（e/1)

1 A - 1 0. 5 アルサ一フ 4 4 0 2 0

2 A - 2 0. 1 アルサ一フ 4 4 0 2 0

3 A - 3 1 . 0 アルサ一フ 4 4 0 2 0 施 4 A - 4 0. 5 アルサーフ 4 4 0 2 0

5 A - 5 0. 5 アルサ一フ 4 4 0 2 0

6 A - 1 0. 5 ( N H4 ) 2 Z r Fo 1 例 7 A一 1 5 . 0 アルサーフ 4 4 0 2 0 比 1 B一 1 0. 5 アルサーフ 4 4 0 2 0 較 2 B - 2 0. 5 アルサ一フ 4 4 0 2 0

3 アルサーフ 4 4 0 2 0

註）アルサ一フ 440 ；リン酸ジルコニム系処理剤、日本ペイント（株）製表 3 価

耐沸水黒変性すべり性

1 〇〇〇

2 〇〇〇

3 〇〇〇

施 4 〇〇〇

5 〇〇〇

6 〇〇〇

7 O 一〇_ 一 0

比 1 X X X

較 2 〇 X △

3_ X X これらの結果から、本発明の金属表面処理用組成物によれば、耐沸水黒変性、すべり性、上塗塗膜密着性のいずれの性能も従来のものと比べ向上していることが判明した。

(実施例 8〜 1 1)

実施例 8〜 1 1は、表 4に示した水溶性ァクリル樹脂と重金属の錯フッ化物とを、表 5に示す配合量で調整された金属表面処理組成物であって、これらの組成物を上述の実施例 1に準じて、金属表面処理を行った。その結果を表 6に示す。表 4

7k 件 2L クル

せ重合体の稀類 ^rn^t (m t ) ft (Hn)

A - 6 N V P /D MA P MA/L MA/MAA 30/20/30/20 4 0 0 0 A - 7 NV P/D MA E A/S MA/AA 30/20/40/10 5 0 0 0 A - 8 N V P/D MA P MA/L MA/MAA 20/15/25/40 3 0 0 0 A - 9. V I Z / D M A Am/E H A/N P G D M 40/20/35/5 — 4 0 0 0 註） MAA：メタクリル酸

AA：ァクリル酸

NP GDM：ネオペンチルグリコールジメタクリレート

SMA：ステアリルメタクリレート

その他の略語は、表 1の註と同様である。表 5

7k 件ァクリル榭脂金属化合物

II. 類含有最（g/l) 星含有》(g/n

8 A - 6 0. 5 アルサーフ 4 4 0 2 0 施 9 A— 7 0. 5 アルサ一フ 4 4 0 2 0 例 1 0 A - 8 0. 5 アルサーフ 4 4 0 2 0 1 1 A— 9 0. 5 _ ルザ—フ 4 4 0 — 2 0 —

表 6

価

f沸 7k黒'変性すべり性 t m ^ 耐レトルト袢実 8 〇〇〇 o

施 9 〇〇〇〇

例 1 0 〇〇 o 〇

1 1 〇〇〇これらの結果から、本発明の金属表面処理組成物、特に酸モノマー及びノ又は多官能の架橋モノマ一を含む組成物は、上記特性に加え耐レトルト性も向上していることが判明した。産業上の利用可能性

以上のように、本発明に係る金属表面処理組成物によれば、重金属又はその塩からなる無機皮膜によって透水性が抑制されるので、耐食性が向上する。また、アクリル樹脂の中の窒素原子は、（重）金属に配位するので、上記無機皮膜は、アクリル樹脂を介して相互に連結される。従って、無機皮膜の凝集破壊が防止され、ほぼ均一な塗装下地用皮膜を金属表面に形成することができる。このため、塗装下地用皮膜と上塗塗膜との密着性が向上する。本発明における塗装下地用皮膜とは、ァクリル性樹脂によって連結された上記無機皮膜からなる金属表面に形成された皮膜をいう。更に、アクリル樹脂が塗装下地用皮膜表面にほぼ均一に存在するので、摩擦抵抗を下げることができ、すべり性を向上させることができる _c 従って、本発明に係る金属表面処理組成物によれば、従来に比べ著しく耐食性や塗膜密着性を改善することができ、更にすベり性を付与することができる。また、本発明の金属表面処理組成物によれば、アルミニウム又はその合金を用いて食缶を製造する場合には、ジャミングを防止することができ、コイルコ一ティングにおいては、潤滑性を付与することができる。

本発明の金属表面処理組成物は、食缶、自動車のボディー、鋼板のコイルコーティング、建材等の金属表面処理に用いることができる。

Claims

請求の範囲

1. 水溶性、水分散性又はエマルシヨン性のいずれかであって、窒素原子含有複素環、少なくともアミノ基もしくはアンモニゥム基のいずれか一方及び疎水基を含むアクリル樹脂と、重金属又はその塩と、を含有することを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

2. 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記ァクリル樹脂内のアミノ基もしくはアンモニゥム基は、少なくとも下記化学式（I) 又は（II) に示す構造を有することを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

R！

N ( I )

R

(式中、 R, , R₂ ：水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基）

R

N-R. (II) (式中、 R₃ , RA ₅ ：水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒ

ルキル基）

3. 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記ァクリル樹脂内のアミノ基もしくはアンモニゥム基は、少なくとも下記化学式（III) 又は（IV) に示す構造のモノマーを共重合させることにより導入されることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

R

CH₂= C- COORsN (III)

R

(式中、 R₆ ：水素又はメチル基、

Rv , R₈ ：水素、水酸基、炭素数 1〜5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基、

R₉ ：炭素数 1〜 5のアルキレン基）

R i

R

(式中、。：水素又はメチル基、

R_{i l}} R₁₂ :水素、水酸基、炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のアルキル基又は炭素数 1〜 5の置換又は非置換の直鎖又は分岐状のヒドロキシアルキル基

R i3 ：炭素数 1〜 5のアルキレン基）

4. 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記アクリル樹脂に含まれる疎水基は、少なくとも下記化学式（V) に示す構造のモノマーを共重合させることにより導入されることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

R

CH₂= C-R (V)

(式中、 R₁₄ - C 0 O i6, 置換 .未置換フエニル基、

R 15 水素又はメチル基、

R 1 6 炭素数 4〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基）

5. 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記ァクリル樹脂は、ァクリル酸及びメ夕クリル酸からなる酸モノマーと多官能の架橋モノマーとから選ばれる少なくとも 1種が更に共重合されていることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

6 . 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

N複素環含有モノマ一として、少なくとも N—ビニルピロリドン、 N—ビニル力プロラクタムのいずれか一方を含むことを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

7 . 請求項 1又は請求項 2に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

アクリル樹脂の分子量は、 5 0 0〜 1 0 0， 0 0 0であることを特徴とする N 複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

8 . 請求項 1又は請求項 2に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記金属表面処理組成物に対するァクリル樹脂の含有量は、 0 . 0 1〜 1 0 g / 1であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

9 . 請求項 1又は請求項 2に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記金属表面処理組成物に対するアクリル樹脂の含有量は、 0 . l〜5 g/ l であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

1 0 . 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記ァクリル樹脂を構成するァクリル樹脂共重合体のモノマーの共重合比は、アミノ基及び/又はアンモニゥム基含有ァクリルモノマーが 5〜 6 0重量％、 N 複素環含有モノマーが 2 0〜8 0重量％、疎水基含有モノマーが 5〜 5 0重量％、その他のァクリルモノマーが 0〜 6 0重量％であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

1 1 . 請求項 1に記載の N複素璟を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記ァクリル樹脂を構成するァクリル樹脂共重合体中のアミノ基及び/又はァンモニゥム基含有ァクリルモノマーが 2 0〜4 0重量％、 N複素環含有モノマーが 3 0〜6 0重量％、疎水基含有モノマーが 2 0〜4 0重量％であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

1 2 . 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記重金属は、ジルコニウム、モリブデン、タングステン、ニオブ、ニッケル、コバルト、マンガン、タンタルの少なくとも 1種であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

1 3 . 請求項 1に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記重金属は、ジルコニウム、ニオブ、マンガン、タンタルの少なくとも 1種であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

1 4 . 請求項 1 2又は請求項 1 3に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記重金属の供給源は、その重金属の錯フッ化物、硝酸塩、リン酸塩の少なくとも 1種であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

1 5 . 請求項 1 2又は請求項 1 3に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記金属表面処理組成物に対して重金属の錯フッ化物の含有量は、 0 . 0 1〜 1 0 g/ 1であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

16. 請求項 1から請求項 15に記載の N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

更に、少なくともリン酸又はリン酸塩のいずれか一方を含有することを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

17. 請求項 16に記載の N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記リン酸又はリン酸塩は、 H₃P0₄、 Na₃PO Na₂HP〇4、 NaHaP 〇4、（NH4) 3 P 04であることを特徴とする N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

18. 請求項 16に記載の N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記金属表面処理組成物に対してリン酸又はリン酸塩の含有量は、 0. 01〜 20 g/1であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

19. 請求項 1から請求項 15に記載の N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

更に、エッチング剤を含有することを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

20. 請求項 19に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記エッチング剤は、少なくともフッ化水素及びその塩のいずれか一方であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

21. 請求項 19に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記エッチング剤の含有量は、本発明の金属表面処理組成物に対して 0. 00 5〜5g/lであることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

22. 請求項 1から請求項 15に記載の N複素環を含むアクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

更に、エッチング助剤を含有することを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

23. 請求項 22に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記エッチング助剤は、少なくとも過酸化水素、亜硝酸、 HBF₄ 及びその塩のいずれか一方であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

24. 請求項 23に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記過酸化水素、亜硝酸、又はその塩の含有量は、本発明の金属表面処理組成物に対して 0. 005〜5 g/1であることを特徴とする N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

25. 請求項 23に記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物において、

前記 HBF₄ 又はその塩の含有量は、本発明の金属表面処理組成物に対して 0. 003〜0. 2 g/1であるァクリル樹脂含有金属表面処理組成物。

26. 請求項 1から請求項 25のいずれかに記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物を金属表面に接触させ、引き続き水洗 ·乾燥させることを特徴とする金属表面処理方法。

2 7 . 請求項 1から請求項 2 5のいずれかに記載の N複素環を含むァクリル樹脂含有金属表面処理組成物を用いて表面処理されたことを特徴とする表面処理金属材料。