明細書 ポ リ ブタ ジエ ン ゴム及び耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物
く技術分野 >
本発明は、 新規なポ リ ブ夕 ジェ ン ゴム、 該ポ リ ブタ ジェ ン ゴムを 含有する耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物、 及び該樹脂組成物の 製造方法に関する。 背景技術〉
耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂 (H I P S ) は、 一般に、 各種未加 硫ゴムの存在下にスチ レ ン系単量体を塊状重合、 溶液重合、 または 塊状懸濁重合する こ と によ り製造されており、 ポ リ スチ レ ン系樹脂 のマ ト リ ッ クス中にゴム粒子が分散した構造を有することによって、 硬質で脆いポ リ スチレン系樹脂の耐衝撃性が顕著に改良されている。 耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂は、 安価で、 加工性及び各種物性に優 れているため、 広範な用途に使用されてきた。
酎衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂に使用される未加硫ゴム と しては、 ポ リ ブタ ジエ ン ゴム、 及びスチ レ ン一ブタ ジエ ン共重合体ゴムが一 般的である。 特に低温における耐衝撃性を必要とする場合には、 各 種のポ リ ブタ ジエンゴムが用いられている。 よ り具体的には、 例え ば、 有機リ チウム単独またはこれを主成分とする触媒を用いたァニ オン重合法によ り得られるいわゆる低シスポ リ ブタ ジェ ンゴム、 あ るいは、 コバル ト、 ニ ッ ケル、 チ タ ン等の遷移金属化合物を主成分 とする配位ァニオ ン触媒を用いて得られる高シ スポ リ ブタ ジエンゴ ムが用いられている。
近年、 耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂は、 諸物性及び加工性が良好 である こ とから、 さ らなる用途の広がり を見せているが、 それに伴 つ て、 耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂に対する要求性能は、 従来以上 に高度なものとな っ ている。 物性では、 例えば、 耐衝撃性と剛性 (曲 げ弾性率) のバラ ンス、 低温での耐衝撃性、 光沢等の外観性などの 向上が求められている。 また、 未加硫ゴムの存在下にスチ レ ン系単 量体を重合 して得られた耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂をさ らにポ リ スチ レ ン系樹脂等で希釈したり 、 難燃剤などの各種添加剤を配合し たり して使用 して も、 物性の低下がないか、 小さいこ とが求められ ている。
従来、 低温での耐衝撃性をさ らに改良する方法と して、 特開平 4 - 1 4 6 8 9号公報には、 希土類金属化合物を主成分とする特殊な 触媒を用いて、 1 . 2 - ビニル結合量が極めて少な く 、 かつ分子量 分布が狭いポ リ ブタ ジエ ン ゴムを製造し、 当該ポ リ ブタ ジエ ン ゴム を耐衝撃性改質剤と して用いる方法が提案されている。 こ の方法に よれば、 耐熱劣化性及び耐候性に優れた耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹 脂が得られる ものの、 低温での耐衝撃性の改良効果は未だ充分では な く 、 剛性ゃ耐衝撃性の改良効果も充分ではない。
特公平 7 — 5 7 8 9号公報には、 固有粘度が高いポ リ ブタ ジエ ン ゴム と固有粘度がやや低いポ リ ブタ ジエ ン ゴム とをプレ ン ド した も のを耐衝撃性改質剤と して用いる こ とによ り、 耐衝撃性と光沢を改 良した耐衝擎性ポ リ スチ レ ン系樹脂を製造する方法が提案されてい る。 こ の方法によれば、 耐衝撃性と光沢の改良効果はある ものの、 低分子量成分の分子量が高く 、 かつ分子量分布が狭いために、 耐衝 撃性が充分ではな く 、 しかもポ リ スチ レ ン系樹脂等で希釈したり、 あるいは各種添加剤を配合したり して使用する と、 耐衝撃性の低下
がさ らに著 しい。 発明の開示〉
本発明の目的は、 耐衝撃性と剛性 (曲げ弾性率) とのバラ ンスに 優れ、 低温での耐衝撃性が良好で、 芳香族ビニル系樹脂による希釈 や各種添加剤の配合による物性の低下が抑制された耐衝撃性芳香族 ビニル系樹脂組成物、 及び該樹脂組成物を与える こ とができ る新規 なポ リ ブタ ジェ ン ゴムを提供する こ と にある。
本発明者らは、 前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究 した結果、 耐衝撃性ポ リ スチ レ ン系樹脂のゴム成分と して、
( 1 ) ゲルパー ミ エー シ ヨ ン ク ロマ ト グラ フ ィ ( G P C ) で測定さ れる分子量分布曲線が高分子量成分と低分子量成分に起因する 2つ の ピー ク を有し、
( 2 ) 高分子量成分の ピーク ト ッ プ分子量と低分子量成分の ピーク ト ッ プ分子量が、 それぞれ 1 0 0 , 0 0 0 ~ 1 , 5 0 0 , 0 0 0 と
1 0, 0 0 0〜 5 0 , 0 0 0の各範囲内にあり、
( 3 ) 重量平均分子量 (Mw) と数平均分子量 (M n ) との比 (Mw /M n ) 力 4. 5 - 1 4. 5の範囲内で、
( 4 ) シス - 1 , 4構造含有率が 8 0重量%以上
であるポリ ブタ ジエンゴムを用いることにより、 耐衝撃性と剛性 (曲 げ弾性率) とのバラ ンスに優れ、 低温での耐衝撃性 (低温衝撃強度) が良好で、 芳香族ビニル系樹脂による希釈や各種添加剤の配合によ る物性の低下が抑制された耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物の得 られる こ とを見い出 し、 その知見に基づいて本発明 完成するに至 つ た。
か く して、 本発明に よれば、 ゲルパー ミ エー シ ヨ ン ク ロマ ト グラ
フ ィ ( G P C ) で測定される分子量分布曲線が高分子量成分と低分 子量成分に起因する 2つの ピークを有し、 高分子量成分の ピーク 卜 ップ分子量と低分子量成分の ピーク ト ッ プ分子量がそれぞれ 1 0 0 , 0 0 0〜 1 , 5 0 0 , 0 0 0 と 1 0, 0 0 0 〜 5 0 , 0 0 0 の各範 囲内にあ り 、 重量平均分子量 (Mw) と数平均分子量 (M n ) との 比 (MwZM n ) 力 4. 5 〜 1 4. 5 の範囲内で、 シ ス — 1 , 4構 造含有率が 8 0重量%以上であるポ リ ブタジェ ンゴムが提供される。
また、 本発明によれば、 ( A ) 前記ポ リ ブタ ジエンゴム 1 〜 4 0 重量0/。の存在下で、 ( B ) 芳香族ビニル系単量体ま たは芳香族ビニ ル系単量体とそれと共重合可能な単量体との混合物 9 9 〜 6 0重量 %をラ ジカ ル重合させる こ とを特徴とする耐衝撃性芳香族ビニル系 樹脂組成物の製造方法が提供される。
さ ら に、 本発明によれば、 芳香族ビニル系樹脂のマ ト リ ッ ク ス中 にポ リ ブタ ジエンゴムが分散した構造の耐衝撃性芳香族ビニル系樹 脂組成物において、
( a ) ポ リ ブタ ジエ ン ゴムが前記ポ リ ブ夕 ジェ ン ゴムであ り 、
( b ) 芳香族ビニル系樹脂が芳香族ビニル系単量体の重合体及び芳 香族ビニル系単量体とそれと共重合可能な単量体との共重合体から なる群よ り選ばれる少な く と も一種であり、
( c ) ポ リ ブタ ジエンゴムの割合が 1 〜 4 0重量%で、 芳香族ビニ ル系樹脂の割合が 9 9 〜 6 0重量%であ り、
( d ) ポリ ブタ ジェンゴムが芳香族ビニル系樹脂中に平均粒子径 0. 0 1 〜 1 0 ;ci mの範囲内のゴム粒子と して分散している こ とを特徴 とする耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物が提供される。
、発明を実施するための最良の形態〉
ポ リ 7"タ ジェ ン ゴム
本発明では、 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物の強靭化剤と し て、 特定の物性、 構造、 及び組成を有するポ リ ブタ ジエンゴムを使 用する。 すなわち、 本発明で使用するポ リ ブタ ジエンゴムは、 以下 で定義される ゴムである。
( 1 ) G P Cで測定される分子量分布曲線が高分子量成分と低分子 量成分に起因する 2つの ピークを有し、 いわゆる二峰性の分子量分 布曲線を有する。
( 2 ) 高分子量成分のピーク ト ッ プ分子量と低分子量成分の ピー ク ト ッ プ分子量が、 それぞれ 1 0 0 , 0 0 0 ~ 1 , 5 0 0, 0 0 0 と 1 0, 0 0 0〜 5 0, 0 0 0 の各範囲内にある。
( 3 ) 重量平均分子量 (Mw) と数平均分子量 (M n ) との比 (Mw ノ M n ) が 4. 5〜 1 4. 5 の範囲内にある。
( 4 ) シス — 1 , 4構造含有率が 8 0重量%以上である。
また、 本発明で使用するポリ ブタ ジエ ンゴムは、 次のような物性、 構造、 及び組成を有する こ とが好ま しい。
( 5 ) ト ルエ ン溶液中、 3 0 で測定した固有粘度 〔 〕 が 1 . 0 〜 6. 0の範囲内にある。
( 6 ) 各成分の含有割合が、 高分子量成分が 3 0〜 9 8重量%で低 分子量成分が 2 〜 7 0重量%である。
本発明で使用するポ リ ブタ ジェンゴムは、 G P Cで測定される分 子量分布曲線が二峰性を有する ものである。 G P Cで測定される分 子量分布曲線において、 高分子量成分のピーク 卜 ップ分子量が 1 0 0 , 0 0 0 - 1 , 5 0 0 , 0 0 0 の範囲内にあ り、 低分子量成分のピー ク ト ッ プ分子量力 1 0, 0 0 0 〜 5 0 , 0 0 0 の範囲内にある こ と
が必要である。 特に、 低分子量成分が存在する こ と によ り 、 低温で の耐衝撃性に優れ、 かつ剛性が顕著に改善された耐衝撃性樹脂組成 物を得る こ とができ る。 G P Cで測定される分子量分布曲線が二峰 性を示さないポ リ ブタ ジエンゴムを用いた場合には、 低温での耐衝 撃性及び剛性が不充分な耐衝撃性樹脂組成物しか得る こ とができな い。
よ り具体的に、 ポ リ ブタ ジェ ン ゴムの高分子量成分の ピーク ト ツ プ分子量は、 1 0 0, 0 0 0〜 1 , 5 0 0 , 0 0 0、 好ましくは 2 0 0 , 0 0 0〜 1 , 0 0 0, 0 0 0、 より好ま しく は 3 0 0 , 0 0 0〜 8 0 0, 0 0 0 の範囲内である。 高分子量成分の ピーク 卜 ッ プ分子量が過度 に大きい場合や過度に小さい場合は、 いずれの場合も耐衝撃性ゃ剛 性の改善効果が充分ではな く 、 低温での耐衝撃性の改善効果も小さ く なる。 ポ リ ブタ ジエ ンゴムの低分子量成分の ピーク ト ッ プ分子量 は、 1 0 , 0 0 0 - 5 0 , 0 0 0、 好ま しく は 1 3, 0 0 0 〜 4 0 , 0 0 0、 よ り好ま し く は 1 5 , 0 0 0 〜 3 0 , 0 0 0の範囲内であ る。 低分子量成分の ピーク ト ッ プ分子量が過度に大きい場合や過度 に小さい場合は、 いずれの場合も耐衝撃性や剛性の改善効果が充分 ではな く 、 低温での耐衝撃性の改善効果.も小さ く なる。
本発明で使用するポ リ ブタ ジエンゴムの分子量分布 (M wZM n ) は、 4 . 5 〜 : 1 4 . 5、 好ま し く は 5 . 0 〜 : 1 4 . 0 、 よ り好ま し く は 6 . 0 〜 : 1 3 . 5、 最も好ま し く は 8 . 0 〜 1 3 . 0 の範囲内 にある。 ポ リ ブタ ジェ ンゴムの分子量分布が過度に狭い場合には、 当該ポ リ ブタ ジエ ン ゴムを用いて得られる耐衝撃性樹脂組成物の剛 性と低温での耐衝撃性が不充分とな り、 しかも該樹脂組成物を芳香 族ビニル系樹脂などで希釈したり、 あるいは各種添加剤を配合した 場合に、 耐衝撃性の低下が大き く なる。 この分子量分布が過度に広
いと、 耐衝撃性の向上効果が小さ く な り、 剛性も低下する。
本発明で使用するポ リ ブタ ジエ ン ゴムの シ ス — 1 , 4構造含有率 ( シ ス 一 1 , 4 一結合量) は、 8 0重量%以上、 好ま し く は 8 5 % 以上、 よ り好ま し く は 9 0 %以上である。 ポ リ ブタ ジエンゴムのシ ス - 1 , 4構造含有率が過度に低いと、 低温での耐衝撃性の改良効 果が小さい。 ポ リ ブ タ ジエ ン ゴムの残部の ミ ク ロ構造は、 特に限定 されないが、 1 , 2 — ビニル結合量が通常 1 〜 1 0重量%、 好ま し く は 1 〜 5、 よ り好ま し く は 2 〜 4 の場合に、 耐衝撃性などの物性 に優れるため好適である。
本発明で使用するポ リ ブタ ジエ ン ゴムは、 ト ルエ ン溶液中、 3 0
°Cで測定した固有粘度 〔 /?〕 が 1 . 0 〜 6. 0 の範囲内にあるこ と が好ま しい。 ポ リ ブタ ジエンゴムの固有粘度は、 より好ま し く は 1. 5〜 4. 5 、 さ らに好ま し く は 2. 0 〜 3. 0 の範囲内である。 固 有粘度が過度に小さぃポ リ ブタ ジェンゴムを耐衝撃性改質剤と して 使用する と 、 得られた耐衝撃性樹脂組成物を芳香族ビニル系樹脂な どで希釈したり、 あるいは各種添加剤を配合した場合に、 耐衝撃性 の低下が大き く なる。 ポ リ ブ タ ジエ ン ゴムの固有粘度が過度に大き いと、 当該ポリ ブ タ ジエ ン ゴムを芳香族ビニル系樹脂のマ ト リ ッ ク ス中に微細なゴム粒子と して分散する こ とが困難となり、 その結果、 耐衝撃性や剛性に優れた耐衝撃性樹脂組成物を得るこ とが困難にな り、 さ らには、 該樹脂組成物を芳香族ビニル系樹脂などで希釈した り、 各種添加剤を配合した場合に、 耐衝撃性の低下が大き く なる。 本発明で使用するポ リ ブタ ジェンゴムにおいて、 各成分の含有割 合は、 高分子量成分が好ま し く は 3 0 〜 9 8重量%、 よ り好ま し く は 4 0〜 9 7重量%、 最も好ま し く は 5 0 〜 9 5 重量%で、 低分子 量成分が好ま し く は 2 〜 7 0重量%、 よ り好ま し く は 3 〜 6 0重量
%、 最も好ま し く は 5 〜 5 0重量%である。 これら各成分の含有割 合が上記範囲内にある こ と によ っ て、 耐衝撃性、 剛性、 及び低温衝 撃強度に優れた耐衝撃性樹脂組成物を得る こ とができ、 さ らには、 該樹脂組成物を芳香族ビニル系樹脂などで希釈したり、 各種添加剤 を配合した場合に も耐衝撃性の低下が抑制される。
ポ リ ブタ ジエンゴム中の高分子量成分と低分子量成分の含有割合 は、 これら各成分の配合割合に基づいて定める こ とができ るが、 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムの G P Cで測定される分子量分布曲線から算出す る こ と もで き る。 すなわち、 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムの G P C で測定さ れる分子量分布曲線の二峰性ピー ク間の最低点 (谷間の部分) から の垂線で分けられる 2つの ピークの面積の比によ って、 各成分の含 有割合を算出する こ とができ る。 この場合、 2つのピ一クの面積比 は、 重量比に対応していないので、 高分子量成分の面積 ( a ) と低 分子量成分の面積 (b ) との比 ( a : b ) で表すと、 好ま しくは 3 0 : 7 0 〜 9 9 : 1 、 よ り好ま し く は 4 0 : 6 0 〜 9 5 : 5、 最も好ま し く は 5 0 : 5 0 〜 9 0 : 1 0 の範囲内である。
ポ リ ブ夕 ジェ ンゴムの製造方法
本発明のボ リ ブタ ジエ ン ゴムの製造方法は、 特に限定されず、 例 えば、 高分子量成分及び低分子量成分に相当する各ポ リ ブタ ジエ ン ゴムを製造した後、 両成分を混合する こ と によ り調製する こ とがで き る。 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムは、 通常、 不活性有機溶媒中で、 遷移金 属化合物、 有機アル ミ ニウ ム化合物、 及び極性化合物を含む重合触 媒系を用いて 1 , 3 — ブタ ジエ ンを重合する こ と によ り製造する こ とができ る。 重合に際し、 必要に応じて、 分子量調節剤、 ゲル化防 止剤を使用する こ と ができ る。 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムの分子量は、 触 媒の種類と使用量、 分子量調節剤の使用量などを適宜調節する こ と
によ り 調整する こ とができ る。
本発明で使用される遷移金属化合物と しては、 遷移金属を有し、 かつ重合溶媒に可溶であれば特に制限されないが、 通常、 遷移金属 の塩化合物が用いられる。 遷移金属は、 不完全な Dまたは F亜殻を 持つ金属元素またはそのよ う な亜殻を持つ陽イ オ ンを生ずる金属元 素と して定義され、 一般に、 I U P A C無機化学命名法改訂版 ( 1 9 8 9 年) による周期表第 3 ~ 1 1 族の元素が挙げられる。 具体的には、 例えば、 チタ ン、 ク ロム、 マ ンガン、 鉄、 コ ノくル ト、 ニ ッ ケル、 銅、 イ ッ ト リ ウム、 ラ ンタ ン、 ネオジゥムなどが挙げられ、 好ま し く は 鉄、 コ ノく ル 卜、 ニ ッ ケル、 及びネオジゥムで、 特に好ま し く はコ ノく ル ト、 及びニッケルである。 塩化合物と しては、 例えば、 有機酸塩、 有機錯体塩などが挙げられる。 有機酸塩や有機錯体塩の炭素数は、 格別限定はないが、 通常 1 〜 8 0個、 好ま し く は 2 〜 2 5個、 よ り 好ま し く は 3 〜 2 0個の範囲内である。 これらの遷移金属化合物は、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて用いるこ とがで きる。
有機アル ミ ニウム化合物と しては、 式 A 1 R 3_n X nで表される化合 物を用いる こ とができ る。 式中、 Rは、 それぞれ独立に、 アルキル 基、 ァ リ ール基、 及びシク ロアルキル基から選ばれ、 好ま し く はァ ルキル基である。 こ れ らの基の炭素原子数は、 特に限定はないが、 通常 1 ~ 2 0個、 好ま し く は 1 〜 1 0個、 よ り好ま し く は 1 〜 5個 の範囲である。 Xは、 ハロゲン原子を表す。 ハロゲン原子と しては、 フ ッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 及びヨウ素原子が挙げられ、 好 ま しく は塩素原子及び臭素原子で、 よ り好ま し く は塩素原子である。 nは、 0 、 1 または 2 を示す。
極性化合物と しては、 使用される遷移金厲化合物及び有機アル ミ
ニゥ ム化合物の組み合わせで、 水、 アルコ ール類、 エーテル類、 ル イ ス酸などから、 重合活性を妨げない化合物を選択する こ とができ る。 例えば、 有機酸コバル ト塩ノジェチルアル ミ ニウ ム ク ロ ラ イ ド の組み合わせでは、 極性化合物と しては、 水が有効である。 極性物 質は、 触媒活性を安定的に向上させる と と もに、 生成ポ リ マーの分 子量分布及び分岐度を調整する上で重要な役割を果たす。
本発明で使用される重合溶媒と しては、 ポ リ ブタ ジェ ン ゴムを溶 解し、 かつ重合触媒の活性に悪影響を及ぼさない ものであれば特に 制限されない。 重合溶媒と しては、 例えば、 ベ ンゼ ン、 ト ルエ ン、 キ ン レ ン等の芳香族炭化水素類 ; シ ク ロ へキサ ン、 メ チルシ ク ロへ キサ ン、 シ ク ロ ペン タ ン等の脂環式炭化水素類 ; η — ブタ ン、 n — へキサ ン、 n —ヘプタ ン等の飽和脂肪族化水素類 ; シス 一 2 —ブテ ン、 ト ラ ンス 一 2 — ブテ ン、 ブテ ン — 1 等の脂肪族不飽和炭化水素 類 ; などが挙げられる。 これらの不活性有機溶媒は、 それぞれ単独 で、 あ るいは 2種以上を組み合わせて使用される。 重合溶媒の使用 量は、 単量体濃度が通常 5 〜 5 0重量%、 好ま し く は 1 0 〜 4 0重 量%の範囲なるよ う に調整される。
分子量調節剤は、 必要に応じて使用されるが、 シス 一 1 , 4 ーポ リ ブタ ジェ ン ゴムの重合反応で一般に使用される ものが用いられ、 1 , 2 — ブタ ジエ ンな どのア レ ン類ゃ シ ク ロォ ク タ ジェ ン等の環状 ジェ ン類が好ま し く 使用される。
ゲル化防止剤は、 必要に応じて使用されるが、 例えば、 ルイ ス塩 基、 カルボ ン酸エステル類、 オル ト酸エステル類が好適に使用され o
ポ リ ブタ ジェ ン ゴムの重合反応は、 回分式及び連続式のいずれで もよい。 重合温度は、 通常 0 ~ 1 0 0て、 好ま し く は 1 0 〜 6 0 °C
の範囲である。 重合圧力は、 通常 0 〜 5気圧 (ゲージ圧) の範囲内 である。 反応終了後、 反応混合物にアルコ ールな どの重合停止剤、 老化防止剤、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤な どを添加する こ とができ る。 次いで、 常法に従って、 生成ポ リ マーを洗浄、 分雜、 乾燥して 目的のポ リ ブタ ジエ ンを得る こ とができ る。
本発明のポ リ ブタ ジエ ン ゴムは、 高分子量成分と低分子量成分を 同時に重合した後に、 洗浄、 分離、 乾燥してもよいが、 それぞれを 単独で重合した後に、 高分子量成分の反応混合物と低分子量成分の 反応混合物を溶液状態でブレ ン ドして、 洗浄、 分離、 乾燥してもよ い。 高分子量成分と低分子量成分をそれぞれ単独で重合した場合に は、 反応混合物を単独で洗浄、 分離、 乾燥するこ と も可能であるが、 低分子成分を単独で洗浄、 分離、 乾燥する こ とは、 低分子成分が液 状の場合には、 本発明のポ リ ブタ ジエンゴムを用いて耐衝撃性芳香 族ビニル系樹脂を製造する際の取り扱いに難があるので、 両成分を 反応混合物の段階でプ レ ン ドする方が好ま しい。
本発明のポ リ ブタ ジェ ン ゴムは、 例えば、 耐衝撃性改質剤など各 種樹脂用改質剤と して有用である。
耐衝轚性芳香族ビュル系樹脂組成物
本発明のポ リ ブタ ジエ ン ゴムは、 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組 成物の耐衝撃性改質剤 (強靭化剤) と して使用する こ とができ る。 本発明のポ リ ブタ ジエ ン ゴムを耐衝撃性改質剤と して用いる こ と に よ り、 耐衝撃性と剛性とのバラ ンスが高度に優れ、 低温での耐衝撃 性が良好で、 芳香族ビニル系樹脂による希釈や各種添加剤の配合に よる物性の低下が抑制された耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物を 得る こ とができ る。
本発明のポ リ ブタ ジェ ン ゴムは、 耐衝撃性改質剤と して、 通常、
単独で使用する こ と がで き るが、 本発明の目的を阻害しない範囲内 において、 他の ゴムを併用 して も よ い。 他の ゴム と しては、 例えば、 低シ ス 一 ポ リ ブタ ジエ ン ゴム、 ス チ レ ン 一 ブ タ ジエ ン ラ ン ダム共重 合体ゴム、 ス テ レ ン 一 ブタ ジエ ン ブロ ッ ク共重合体ゴム、 スチ レ ン 一 ブタ ジエ ン テ 一パ一 ドブロ ッ ク共重合体ゴム 、 ス チ レ ン 一 イ ソ プ レ ン プ ロ ッ ク 共重合体ゴムな どが挙げ られ る 。 こ れ ら の他の ゴムの 使用量は、 全ゴム成分中、 通常 5 0重量0 /0以下、 好ま し く は 4 0重 量%以下、 よ り好ま し く は 3 0重量%以下、 さ らに好ま し く は 2 0 重量%以下である。
本発明の耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物のマ 卜 リ ッ ク スを形 成する芳香族ビニル系樹脂は、 通常、 芳香族ビニル単量体の単独重 合体または芳香族ビニル系単量体とそれと共重合可能な単量体との 共重合体である。 芳香族ビニル単量体と しては、 スチ レ ン、 o —メ チルスチ レ ン、 p — メ チノレス チ レ ン、 m — メ チノレスチ レ ン、 2 , 4 — ジ メ チ ルス チ レ ン、 ェチルスチ レ ン 、 p — t e r t — ブチルス チ レ ン、 α — メ チノレス チ レ ン、 ひ 一 メ チ ル一 ρ — メ チルス チ レ ン 、 ο — ク ロ ノレス チ レ ン、 m — ク ロ ノレス テ レ ン、 p — ク ロ ノレス チ レ ン、 p ー ブロ モ ス チ レ ン、 2 — メ チル一 1 , 4 — ジ ク ロ ノレス チ レ ン、 2 , 4 一 ジブ口 モ スチ レ ン、 ビニルナ フ タ レ ンな どが挙げられる。 こ れ らの中でも、 スチ レ ンが好ま しい。 こ れ らの芳香族ビニル単量体は、 それぞれ単独で、 あ る いは 2種以上を組み合わせて用いるこ とがで さ る 。
芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体と しては、 例えば、 ァ ク リ ロ ニ ト リ ノレ、 メ タ ク リ ロ ニ ト リ ル、 α — ク ロ ロ ア ク リ ロ ニ ト リ ルな どの二 ト リ ル系単量体 : メ タ ク リ ル酸メ チ ルエステル、 ァ ク リ ル酸メ チルエ ス テルなどの (メ タ ) アク リ ル酸エス テル系単量体 ;
アク リ ル酸、 メ タ ク リ ル酸、 無水マ レイ ン酸などの不飽和脂肪酸系 単量体 ; フ ヱ ニルマ レイ ミ ド等を挙げる こ とができ る。 これ らの中 でも、 二 卜 リ ル系単量体、 (メ タ) ァ ク リ ル酸エステル系単量体、 及び不飽和脂肪酸系単量体が好ま し く 、 二 ト リ ル系単量体が特に好 ま しい。 こ れ らの芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体は、 そ れぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて用いる こ とができ る。 マ ト リ ッ ク スを形成する芳香族ビニル系樹脂中の芳香族ビニル 単量体とそれと共重合可能な単量体との割合は、 用途に応じて適宜 選択されるが、 (芳香族ビニル単量体の結合量) : (芳香族ビニル 単量体と共重合可能な単量体の結合量) の重量比で、 通常、 2 0 : 8 0 〜 1 0 0 : 0、 好ま し く は 4 0 : 6 0 〜 1 0 0 : 0、 よ り好ま し く は 6 0 : 4 0 〜 1 0 0 : 0 の範囲内である。
本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、 ポ リ ブタ ジェ ンゴムと芳香族ビ ニル系樹脂とを例えば機械的に混合して得る こ とができ るが、 通常 は、 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムの存在下に芳香族ビニル系単量体ま たは芳 香族ビニル系単量体とそれと共重合可能な単量体との混合物をラ ジ カル重合させる方法によ り製造する こ とが好ま しい。 この場合の製 造方法と しては、 格別の限定はな く 、 例えば、 塊状重合法、 溶液重 合法、 懸濁重合法、 塊状 -懸濁二段重合法などの多段重合法などが 挙げられる。 これらの中でも、 塊状重合法及び塊状-懸濁二段重合 法が特に好ま しい。 塊状重合法は、 塊状連続重合法が好ま しい。 ポ リ ブタ ジェ ンゴム と単量体 (芳香族ビニル単量体ま たは芳香族 ビニル単量体とそれと共重合可能な単量体との混合物) との使用割 合は、 得られる耐衝撃性樹脂組成物の用途に応じて適宜選択される が、 (ポ リ ブタ ジエ ンゴム) : (単量体) の重量比で、 通常、 1 : 9 9 〜 4 0 : 6 0、 好ま し く は 2 : 9 8 〜 3 0 : 7 0、 よ り好ま し
く は 3 : 9 7 〜 2 0 : 8 0 の範囲内であ る。
塊状連続重合法によ り耐衝撃性樹脂組成物を製造する場合は、 例 えば、 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムを芳香族ビニル単量体または芳香族ビニ ル単量体とそれと共重合可能な単量体との混合物に溶解させ、 必要 に応 じて、 希釈溶剤、 流動パラ フ ィ ンゃ ミ ネ ラ ルオイ ルな どの内部 潤滑剤、 酸化防止剤、 連鎖移動剤などを加えた後、 無重合触媒重合 の場合は、 通常 8 0 - 2 0 0 °Cにおいて加熱重合し、 触媒重合の場 合は、 重合触媒の存在下、 通常 2 0 〜 2 0 0 °Cにおいて重合し、 単 量体 (芳香族ビニル単量体ま たは芳香族ビニル単量体と それと共重 合可能な単量体との混合物) の重合転化率が 6 0 〜 9 0 %なるまで 重合する。 この場合、 重合触媒を用いる こ とがよ り好ま しい。 重合 操作終了後、 生成した耐衝撃性樹脂組成物は、 常法に従って、 例え ば、 加熱減圧による溶媒除去、 あるいは揮発物除去設計された押出 装置を用いて押し出すこ と によ り 、 未反応モ ノ マーや希釈溶剤など を除去し回収する こ とができ る。 得られた耐衝撃性樹脂組成物は、 必要によ り、 ペレ ツ ト化または粉末化して実用に供される。
希釈溶剤と しては、 例えば、 ベ ンゼ ン、 ト ルエ ン、 キシ レ ン、 ェ チルベ ンゼ ン等の芳香族炭化水素類 ; シ ク ロへキサ ン、 メ チルシ ク 口へキサ ン、 シ ク 口ペ ンタ ン等の脂環式炭化水素類 ; n —ブタ ン、 n —へキサ ン、 n —ヘプタ ン等の脂肪族炭化水素類 ; メ チルイ ソ プ 口 ピルケ ト ンなどのケ ト ン類 ; などが挙げられ、 好ま し く は芳香族 炭化水素類である。 これらの希釈溶剤は、 それぞれ単独で、 あるい は 2種以上を組み合わせて用いられ、 その使用量は、 全単量体の通 常 0 〜 2 5重量%である。
重合触媒と しては、 通常、 有機過酸化物ま たはァゾ系触媒が用い られ、 有機過酸化物が好ま しい。 有機過酸化物と しては、 例えば、
1 , 1 一 ビス ( t 一 プチルぺノレオキ シ) シ ク ロへキサ ン、 1 , 1 _ ビス ( t 一 ブチルペルォキ シ) — 8 , 3, 5 — ト リ メ チルシ ク ロへ キサ ンなどのペルォキシケ タール類 ; ジー t 一ブチルペルォキシ ド、 2 , 5 — ジ メ チルー 2 , 5 — ジ ( t 一 ブチルペルォキシ) へキサ ン な どの ジァノレキルペルォキ シ ド類 ; ベ ン ゾィ ルペルォキ シ ド、 m— ト ルオイ ルペルォキ シ ドな どの ジァ シルペルォキ シ ド類 ; ジメ チル スチルペルォキシ ジカ ーボネ 一 ト な どのペルォキシ ジ力 一 ボネ一 ト 類 ; t 一 ブチルペルォキ シィ ソ プロ ピルカ ーボネー 卜等のパーォキ シエステル類 ; シ ク ロへキサ ノ ンペルォキ シ ドな どのケ ト ンペルォ キ シ ド類 ; p — メ ン タハイ ドロペルォキ シ ドな どのハイ ド口パ一ォ キシ ド類な どが挙げられる。 ァゾ系触媒と しては、 例えば、 ァゾビ スイ ソ プチ ロニ ト リ ルな どが挙げ られる。 これ らの重合触媒は、 そ れぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて用いる こ とができ る。 重合触媒の使用量は、 単量体 1 0 0重量部に対して、 通常、 0 . 0 0 1 〜 5重量部、 好ま し く は 0 . 0 0 5 〜 3重量部、 よ り好ま し く は 0 . 0 1 〜 1 重量部である。
連鎖移動剤と しては、 例えば、 α —メ チル スチ レ ンダイ マ ー 、 η - ドデシノレメ ノレカ ブタ ン、 t 一 ドデシルメ ノレカ プタ ンな どのメ ノレ力 ブタ ン類 ; 1 — フ エ ニルブテ ン 一 2 — フルオ レ ン、 ジペ ンテ ンな ど のテルペン類 ; ク ロ 口 ホルムな どのハ ロ ゲ ン化合物などが挙げられ る o
塊状 -懸濁重合法においては、 通常、 前記の塊状重合法と同様に して単量体の重合転化率が 3 0 〜 5 0 %に達するまで部分的に重合 を行い、 次いで、 こ の部分的に重合した重合溶液をポ リ ビニルアル コ ール、 カ ルボキ シルメ チルセルロ ー スな どの懸濁安定剤及び/ま たは ドデシルベンゼ ンスルホ ン酸ナ ト リ ゥ ムな どの界面活性剤の存
在下で、 水中に懸濁して反応を完結させる。 生成した耐衝撃性樹脂 組成物は、 ろ過分離、 遠心分離などの方法によ り単離し、 水洗、 乾 燥を行い、 必要に応じて、 ペ レ ツ 卜化または粉末化する。
本発明の耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物は、 樹脂マ ト リ ッ ク ス中のポ リ ブタ ジエ ン ゴムの平均粒子径 (以下、 「ゴム粒子径」 と いう) が通常 0 . 0 1 〜 1 0 111、 好ま し く は 0 . l 〜 5 〃 m、 よ り好ま し く は 0 . 5 〜 3 z mの範囲内である。 ゴム粒子径がこの範 囲内にある ときに、 耐衝撃性及び剛性に優れ、 さ らには、 芳香族ビ ニル系樹脂等で希釈して使用 した場合、 あるいは各種添加剤を配合 した場合に、 耐衝撃性の低下を抑制する こ とができ る。
本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、 前記の重合によ り得られた耐衝 撃性樹脂組成物を、 さ らに芳香族ビニル系樹脂で希釈して使用する こ とができ る。 こ の場合の ゴム量も、 前記と ほぼ同様の範囲内の 1 〜 4 0重量%の範囲内とする こ とが好ま しい。
本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、 所望によ り、 各種添加剤を配合 する こ とができ る。 添加剤と しては、 例えば、 ステア リ ン酸、 ステ ア リ ン酸亜鉛、 ステア リ ン酸マ グネ シ ウ ム、 ス テア リ ン酸カルシ ゥ ムな どの脂肪酸ま たは脂肪酸塩 ; 有機ポ リ シ ロ キサ ン、 ミ ネ ラ ルォ ィ ル、 酸化防止剤、 安定剤、 紫外線吸収剤、 染料、 顔料、 充填剤、 滑剤、 離型剤、 可塑剤、 帯罨防止剤、 難燃剤などが挙げられる。 各 種添加剤の配合量は、 使用目的に応じて適宜選択される。
難燃剤と しては、 ハ ロゲン系難燃剤が好ま し く 用いられる。 ハロ ゲン系難燃剤と しては、 塩素系及び臭素系の種々 の難燃剤が使用可 能である。 難燃剤と しては、 例えば、 へキサブロ モベンゼン、 ペ ン タ ブロ モェチルベ ンゼ ン、 へキサブ口 モ ビフ ヱ ニル、 デカ ブロ モ ジ フ エ ニル、 へキサブ口 モ ジ フ ヱ 二ルォキサイ ド、 ォ ク タ ブ口 モ ジ フ
ェ ニルォキサイ ド、 デカ ブ口 モ ジ フ X 二ルォキサイ ド、 ペ ンタ ブ口 モ シ ク ロへキサ ン、 テ ト ラ ブロ モ ビス フ エ ノ ー ノレ A、 及びその誘導 体 [例えば、 テ 卜 ラ ブロ モ ビス フ エ ノ ール A — ビス ( ヒ ド ロキシェ チルェ一テル) 、 テ ト ラ ブロ モ ビス フ エ ノ ール A — ビス ( 2 . 3 — ジブロ モプロ ピルエーテル) 、 テ 卜 ラ ブロ モ ビス フ エ ノ ール A — ビ ス (ブロ モェチルエーテル) 、 テ ト ラ ブロモ ビス フ エ ノ ール A — ビ ス (ァ リ ルエーテル) 等] 、 テ ト ラ ブロ モ ビス フ エ ノ ール S、 及び その誘導体 [例えば、 テ ト ラ ブロ モ ビス フ エ ノ ール S — ビス (ヒ ド ロキシェチルエーテル) 、 テ ト ラブロモビスフ エ ノ ール S — ビス ( 2 , 3 — ジブロモプロ ピルエ ーテル) 等] 、 テ ト ラ ブ口モ無水フ タル酸、 及びその誘導体 [例えば、 テ ト ラブロモ フ 夕 ノレイ ミ ド、 エチ レ ン ビ ステ ト ラ ブロ モフ タ ルイ ミ ド等] 、 エチ レ ン ビス ( 5 , 6 — ジブ口 モノ ルボルネ ンー 2 , 3 — ジカルボキ シ イ ミ ド) 、 ト リ ス 一 ( 2 , 3 — ジブロ モプロ ピル一 1 ) —イ ソ シァ ヌ レー ト、 へキサ ク ロ ロ シ ク ロペンタ ジェンのディ 一ルス ' アルダー反応の付加物、 ト リ プロ モフ エ二ルグ リ シ ジルエーテル、 ト リ ブロモフ エ二ルァク リ レー ト、 エチ レ ン ビス 卜 リ ブロ モ フ ヱ ニルエ ー テノレ、 エチ レ ン ビスペ ンタ ブ ロモ フ エ ニノレエ一テル、 テ ト ラデカ ブロ モ ジ フ エ ノ キ シベ ンゼン、 臭素化ポ リ スチレ ン、 臭素化ポ リ フ ヱ二 レ ンォキサイ ド、 臭素化工 ポキ シ樹脂、 臭素化ポ リ カー ボネー ト 、 ポ リ ペ ン タ ブロ モベ ン ジル ァ ク リ レー 卜、 ォ ク タ ブ口 モナフ タ レ ン、 へキサブ口 モ シ ク ロ ドデ カ ン、 ビス ( ト リ ブロモ フ エニル) フ マルア ミ ド、 N — メ チルへキ サブロ モ ジ フ エ ニルア ミ ン等が挙げられる。
本発明で使用する難燃剤の中でも特に好ま しい難燃剤について、 以下の式 ( N 1 ) 〜 ( N 1 1 ) に示すよ う な化合物を挙げる こ と力く でき る。
(式中、 nは、 0 ま たは 1以上の整数である。 )
(式中、 nは、 0 または 1以上の整数である。 m l〜m 4は、 1以 上の整数であり、 l ≤ m l ≤ 5、 1 ≤ m 2 ≤ 4 , 1 ≤ m 3 ≤ 4 , 1 ≤m 4 ≤ 5で、 好ま し く は、 2≤m l ≤ 4、 5≤ m 2 ≤ 3 , 2 ≤ m 3 ≤ 3、 2≤m 4 ≤ 4で、 特に好ま しく は、 m l = 3、 m 2 = 2、 m 3 = 2、 m 4 = 3である。 )
(N6)
(式中、 n は、 0 または 1 以上の整数である。 m l 〜m 6 は、 1 以 上の整数であり、 l ≤ m l ^ 5、 1 ≤ m 2 ≤ 5 . 1 ≤ m 3 ≤ 4 , 1 ≤ m 4 ≤ 4 1 ≤ m 5 ≤ 5 , l ≤ m 6 ≤ 5で、 好ま し く は、 2 ≤ m l ≤ 4 , 2 ≤ m 2 ≤ 4 , 2 ≤ m 3 ^ 3 , 2 ≤ m 4 ≤ 3 2 ≤ m 5 ≤ 3 > 2 ≤ m 6 ≤ 4で、 特に好ま し く は、 m l = 3、 m 2 = 2、 m 3 = 2、 m 4 = 2 m 5 = 3、 m 6 = 3である。 )
(式 N 5 の具体例である。 )
(式 N 6 の具体例である。 )
また、 難燃剤と して、 式 ( N 1 0 ) に示すハロゲン化ビス フ ヱノ ー ル型エポキシ化合物を用いる こ とができ る。
(式中、 Xは、 ハロゲン原子であ り、 Rは、 二価の炭化水素基であ り、 mは、 1 〜 3 の整数であ り、 n は、 0 または 1 以上の整数であ
る。 )
式 ( N 1 0 ) のエポキシ化合物において、 mがすべて 2 であり、 nが実質的に 0 であ り 、 ハロゲン原子 Xが臭素原子であ り、 Rがィ ソプロ ピリ デン基である ものが好ま しい。 式 ( N 1 0 ) のエポキシ 化合物の具体例と して、 式 ( N l 1 ) で表される化合物を挙げる こ とができ る。
式 ( N 1 1 ) で表されるハロゲン化ビス フ ヱ ノ ール型エポキシ化 合物と しては、 例えば、 B r 含有率が 2 0重量%のものや 5 0重量 %の ものな どが市販されている。
難燃剤の添加量は、 耐衝撃性樹脂組成物 1 0 0重量部に対して、 通常 3 〜 5 0重量部である。
難燃剤の難燃化効果をよ り有効に発揮させるための難燃助剤と し て、 例えば、 三酸化ア ンチモ ン、 五酸化ア ンチモ ン、 ア ンチモ ン酸 ナ ト リ ゥム、 三塩化ア ンチモ ン等のア ンチモン系難燃助剤を用いる ことができる。 これらの難燃助剤は、 難燃剤 1 0 0重量部に対して、 通常 1 〜 3 0重量部、 好ま し く は 2〜 2 0重量部の割合で使用する。 安定剤と しては、 例えば、 ォ ク タ デシル— 3 — ( 3 , 5 — ジ— t 一 プチルー 4 ー ヒ ド ロキ シ フ エ ニル) プロ ピオネー ト 、 テ ト ラ キス [メ チ レ ン 一 3 ( 3 , 5 — ジ ー t ー ブチルー 4 ー ヒ ドロ キ シ フ エ 二 ル) プロ ピオネー ト ] メ タ ン、 β - ( 3, 5 — ジ ー t 一 プチルー 4 ー ヒ ド ロキ シ フ エ ニル) プロ ピオ ン酸アルキルエステル、 2, 2 ' ー ォキザ ミ ド ビス [ェチルー 3 ( 3, 5 — ジ ー t 一 プチルー 4 ー ヒ ドロキ シ フ ヱ ニル) プロ ビオネ 一 卜 ] な どの フ ヱ ノ ール系酸化防止
P
21
剤 ; ト リ ス ノ ニノレフ ェ ニルホ ス フ ァ イ ト 、 卜 リ ス ( 2 , 4 — ジ ー t 一 ブ リ ルフ エ ニル) ホス フ ァ イ ト、 ト リ ス ( 2, 4 ー ジ ー t 一 プチ ルフ エ ニル) ホス フ ア イ 卜等の リ ン系安定剤な どを挙げる こ とがで さ る o
充填剤と しては、 有機または無機の粉末状、 粒状、 繊維状などの 各種充填剤を用いる こ とができ る。 よ り具体的に、 充填剤と して、 例えば、 シ リ カ、 ゲイ藻土、 アル ミ ナ、 酸化チタ ン、 酸化マグネシ ゥ ム、 軽石粉、 軽石バルー ン、 塩基性炭酸マグネ シ ウム、 ドロ マイ ト、 硫酸力 ルシ ゥ ム、 チ タ ン酸カ リ ウ ム、 硫酸バ リ ウ 厶、 亜硫酸力 ノレシ ゥ ム、 タ ルク 、 ク レー、 マイ 力、 アスベス ト 、 ガラ ス繊維、 ガ ラ ス フ レー ク 、 ガラ ス ビーズ、 ゲイ酸カ ノレシ ゥ ム、 モ ンモ リ ロ ナイ ト 、 ベン ト ナイ ト、 グラ フ ア イ ト 、 アル ミ ニウ ム粉、 硫化モ リ ブデ ン、 ポロ ン繊維、 炭化ゲイ素鏃維、 ポ リ ェチ レ ン鏃維、 ポ リ プロ ピ レ ン繊維、 ポ リ エステル繊維、 ポ リ ア ミ ド繊維などを例示する こ と ができ る。 ぐ実施例〉
以下に、 製造例、 実施例、 及び比較例を挙げて、 本発明をよ り具 体的に説明するが、 本発明は、 これらの実施例のみに限定される も のではない。 これらの例中の部及び%は、 特に断りのない限り重量 基準である。
各種物性の測定法は、 下記の通りである。
( 1 ) 重量平均分子量 (M w ) 、 数平均分子量 (M n ) 、 及び分子 量分布 (M w / M n )
東ソ 一株式会社製 H L C— 8 0 2 0 のゲルパー ミ エ一 シ ヨ ン ク ロ マ ト グラ フ ィ ( G P C ) を用い、 以下の条件で測定して、 M w及び
M nを標準ポ リ スチ レ ン換算値と して算出 した。
①カ ラ ム G M H— X L (東ソ一株式会社製) 2本直列
②カ ラ ム温度 4 0。C
③溶離液 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン ( T H F )
④溶離液流量 1 . 0 m 1 / m i n
⑤サンプル濃度 8 m g / 2 0 m 1 ( T H F溶液)
( 2 ) シ ス 一 1 4 -結合量
日本分光株式会社製 I R - 7 0 0の赤外分光光度計を用いて、 赤 外線吸収スぺク トル測定を行い、 モ レ ロ法によ り算出 した。
( 3 ) 固有粘度 〔 η〕
ボ リ マ一を ト ルエ ン溶液と し、 3 0。Cで、 ォス ト ワ ル ド粘度計を 用いて測定した。
( 4 ) アイ ゾ ッ ド ( I z o d ) 衝撃強度
J I S K 7 1 1 0 に準じて、 2 5 °Cと 一 3 0 °Cで測定した。 ( 5 ) 曲げ弾性率
J I S K 7 2 0 3 に準じて測定した。
( 6 ) ゴム粒子径
樹脂組成物中の分散ゴム粒子径は、 樹脂組成物を四酸化ォス ミ ゥ ムで染色し、 透過型電子顕微鏡で写真撮影を行い、 下記式に基づい て平均粒子径を測定した。
平均粒子径= (長径 +短径) / 2
[製造例 1 ] 高分子量成分 ( 1 )
撹拌機及び還流冷却器の付いた 2 5 0 リ ッ トルのステ ン レス製重 合反応容器を 2基直列につなぎ、 以下のよ う に して連続重合を行つ た。
ト ルエ ン / 2 — ブテ ンノ 1 , 3 — ブタ ジエ ン ( 1 0 / 7 0 / 2 0
重量% ) の混合溶液を毎時 7 0 k gで重合反応器に提供する際に、 供給配管中に 1 , 2 — ブタ ジエ ンを毎時 3 2 5 ミ リ モル、 オル ト蟻 酸 ト リ メ チルを毎時 5. 1 ミ リ モル、 水を毎時 9 6 ミ リ モル添加し た。 この混合溶液に さ らに ジェチルアル ミ ニウ ムモノ ク ロ ライ ドを 毎時 3 2 0 ミ リ モル ( ト ルエ ン溶液と して) 添加しながら、 混合溶 液を重合反応容器に導入した。
前記の原料混合物とは別の配管から、 ォク テ ン酸コバル トを毎時 9. 6 ミ リ モル添加し、 2 0 °C、 滞留時間 2時間で、 4 8時間の連 続重合を行った。 2基目の重合反応器から生成したシス — 1 , 4 一 ポ リ ブタ ジエ ンの反応混合物を連続して抜き出 し、 メ タ ノ ールを添 加して重合反応を停止して、 高分子量成分 ( 1 ) のポ リ ブタ ジエ ン を得た。 得られた シ ス 一 1 , 4 一 ポ リ ブタ ジエ ンの ピー ク ト ッ プ分 子量は、 5 5 2 , 0 0 0 であ っ た。
[製造例 2〕 高分子量成分 ( 2 )
1 , 2 — ブタ ジエ ンの添加量を毎時 2 6 0 ミ リ モルに変えたこ と 以外は、 製造例 1 と同じ方法で高分子量成分 ( 2 ) を得た。 こ のよ う に して得 られた シ ス 一 1 , 4 — ポ リ ブタ ジエ ンの ピー ク ト ッ プ分 子量は、 6 0 1 , 0 0 0 であ っ た。
[製造例 3 ] 低分子量成分 ( 1 )
撹拌機及び還流冷却器の付いた 2 5 0 リ ッ ト ルのステ ン レス製重 合反応容器を 2基直列につなぎ、 以下のよ う に して連続重合を行つ た。
トルエ ン / 2 — ブテ ン / 1 , 3 — ブタ ジエ ン ( 1 0ノ 7 0ノ 2 0 重量% ) の混合溶液を毎時 7 0 k gで重合反応器に供給する際に、 供給配管中に 1 , 2 — ブタ ジエ ンを毎時 1 3 0 ミ リ モル、 水を毎時 1 4 5 ミ リ モル添力 Π した。 こ の混合溶液にさ らに ジェチルアル ミ 二
ゥ ムモ ノ ク ロ ラ イ ドを毎時 2 9 1 ミ リ モル ( ト ルエ ン溶液と して) 添加しながら、 混合溶液を重合反応容器に導入 した。
前記の原料混合物とは別の配管から、 ナフテ ン酸ニ ッ ケルを毎時 6 ミ リ モル添加し、 2 0 °C、 滞留時間 2時間で、 2 4時間の連続重 合を行った。 2基目の重合反応器から生成したシス 一 1 , 4 一ポ リ ブタ ジェンの反応混合物を連続して抜き出 し、 メ タ ノ ールを添加 し て重合反応を停止して、 低分子量成分 ( 1 ) のポ リ ブタ ジエ ンを得 た。 こ のよ う に して得られたシ ス 一 1 , 4 一 ポ リ ブタ ジエ ンの ビー ク ト ッ プ分子量は、 2 2, 5 0 0であ った。
[製造例 4 ] 低分子量成分 ( 2 )
水の添加量を毎時 1 1 6 ミ リ モルに変えたこ と以外は、 製造例 3 と同じ方法で低分子量成分 ( 2 ) を得た。 このよ う に して得られた シス一 1 , 4—ポリ ブタ ジエンのピーク ト ツプ分子量は、 1 6 , 2 0 0 であった。
[製造例 5 ] 低分子量成分 ( 3 )
1 , 2 — ブタ ジエ ンの添加量を毎時 1 0 3 7 ミ リ モルに変えたこ と以外は、 製造例 2 と同 じ方法で低分子量成分 ( 3 ) を得た。 こ の よ う に して得られたシス 一 1, 4 一ポ リ ブタ ジエ ンの ピーク ト ッ プ 分子量は、 2 0 5 , 0 0 0であった。
[実施例 1 ]
製造例 1 で得られた高分子量成分 ( 1 ) を含む反応液と製造例 3 で得られた低分子量成分 ( 1 ) を含む反応液とを、 ポ リ マー換算で 7 0 : 3 0 (重量比) となるよ う にブ レ ン ド し、 次いで、 老化防止 剤と してォ ク タ デシル一 3 — ( 3 , 5 — ジ ー t 一 プチノレ一 4 — ヒ ド ロキ シ フ エ ニル) プロ ピオネ ー ト 0. 2 p h r と、 ト リ ス ー ノ ニル フ エ ニソレフ ォ ス フ ァ イ ト ( T N P ) 0. 4 p h r とを添力 ΰして、 ス
チー ム ス ト リ ツ ピング後、 脱水し、 押出乾燥機で乾燥してポ リ ブ夕 ジェ ン ゴムのサ ン プル ( A ) を得た。 こ のサ ンプル ( A ) の測定結 果を表 1 に示す。
[実施例 2 ]
製造例 1 で得られた高分子量成分 ( 1 ) を含む反応液と製造例 4 で得られた低分子量成分 ( 2 ) を含む反応液とを、 ポ リ マー換算で 8 0 : 2 0 (重量比) となるよ う にブ レ ン ド し、 実施例 1 と同様の 方法で後処理を行って、 ポ リ ブタ ジエ ンゴムのサンプル ( B ) を得 た。 こ のサ ンプル ( B ) の測定結果を表 1 に示す。
[実施例 3 ]
製造例 1 で得られた高分子量成分 ( 1 ) を含む反応液と製造例 4 で得られた低分子量成分 ( 2 ) を含む反応液とを、 ポ リ マー換算で
6 0 : 4 0 (重量比) となるよ う にプレ ン ドし、 実施例 1 と同様の 方法で後処理を行って、 ポ リ ブタ ジエ ン ゴムのサ ンプル ( C ) を得 た。 このサ ンプル ( C ) の測定結果を表 1 に示す。
[比較例 1 ]
製造例 2で得られた高分子量成分 ( 2 ) を含む反応液と製造例 5 で得られた低分子量成分 ( 3 ) を含む反応液とを、 ポ リ マー換算で
7 0 : 3 0 (重量比) となるよ う にプレ ン ド し、 実施例 1 と同様の 方法で後処理を行って、 ポ リ ブタ ジエ ンゴムのサンプル (D ) を得 た。 このサ ンプル ( D) の測定結果を表 1 に示す。
[比較例 2 ]
製造例 2で得られた高分子量成分 ( 2 ) を含む反応液と製造例 5 で得られた低分子量成分 ( 3 ) を含む反応液とを、 ポ リ マー換算で 6 0 : 4 0 (重量比) となる よ う にブレ ン ド し、 実施例 1 と同様の 方法で後処理を行って、 ポ リ ブタ ジエ ンゴムのサ ンプル ( E ) を得
た。 こ のサ ンプル ( E ) の測定結果を表 1 に示す。
[比較例 3 ]
製造例 1 で得られた高分子量成分 ( 1 ) を含む反応液を用いて、 実施例 1 と同様の方法で後処理を行って、 ポ リ ブタ ジエ ンゴムのサ ンプル ( F ) を得た。 サ ンプル ( F ) の測定結果を表 1 に示す。 表 1
[実施例 4 ]
攪拌装置つきステ ン レ ス製反応機で、 実施例 1 で得られたポ リ ブ タ ジェンゴムのサンプル (A) 1 8 0 gをスチ レ ンモノ マー 1 8 2 0 g に溶解さ せた後、 連鎖移動剤 ( n — ドデシルメ ルカブタ ン) をスチ レ ンモ ノ マ ーに対し 2 5 O p p mの割合で添加し、 1 3 0 °Cで 1 時
間 2 0分間攪拌し塊状重合を行った。
次いで、 内容物を取り 出 し、 こ の内容物 1 2 5 0 g と ポ リ ビニル アルコ ール 2 %水溶液 3 7 5 O gを 8 リ ッ ト ルの攪拌装置つき ステ ン レス製反応機に入れ、 7 0 。Cに昇温した。 次に、 ベンゾィ ルパー オキサイ ド 2 . 5 g と ジ ク ミ ルパーオキサイ ド 1 . 2 6 g とを添加 し、 7 0 °Cで 1 時間、 9 0 °Cで 1 時間、 1 1 0 °Cで 1 時間、 1 3 0 てで 4時間、 懸濁重合を行っ た。 重合終了後、 室温まで冷却し、 得 られた耐衝撃性ポ リ スチ レ ン樹脂を濾過、 回収し、 水洗い後、 6 0 °Cで 6時間減圧乾燥した。
得られた耐衝撃性ポ リ スチ レ ン樹脂を 1 8 0 °Cのロールで練り 、 シー ト状に成形し、 シー トペレタイザ一でペレ ッ ト状に した。 試験 サンプルは、 得られたペレ ツ トを射出成形機にて射出成形して作製 した。 アイ ゾッ ド衝撃強度、 曲げ弾性率、 及びゴム粒子径の測定結 果を表 2 に示す。
[実施例 5 〜 6、 比較例 4 〜 6 ]
ポ リ ブタ ジエ ン ゴムのサ ン プル ( A ) に代えて、 それぞれ実施例 2 ~ 3及び比較例 1 〜 3 で得られたポ リ ブ夕 ジェ ン ゴムのサ ンプル B〜 Fを用いたこ と以外は、 実施例 4 と同様に して試験サ ンプルを 作成した。 アイ ゾッ ド衝撃強度、 曲げ弾性率、 及びゴム粒子径の測 定結果を表 2 に示す。
表 2
[実施例 7 〜 9、 比較例 7 〜 9 ]
前記実施例 4 〜 6及び比較例 4 〜 6 で得られた各樹脂組成物を、 それぞれポ リ スチ レ ン系樹脂 (旭化成社製、 ス タ イ ロ ン 6 6 6 ) を 用いて、 表 3 に示すゴム含有量となるよ う に希釈した。 樹脂組成物 の希釈方法は、 東洋精機社製の 2軸同方向押出機 2 D 2 5 F 2型を 使用 し、 各樹脂組成物とポ リ スチ レ ン系樹脂を溶融混練する こ と に よ り行った。 結果を表 3 に示す。 表 3
実 施 例 比 較 例
7 8 9 7 8 9 ゴムの種類 A B C D E F 希釈後の含有ゴム量 (wt¾ 5 6 5 5 6 6
Izod衝撃強度 (25°C)
13.2 12.7 12.2 5.6 7.8 5.6
(kg* cm/cm)
曲げ弾性率 (kg/cm2) 25000 25000 24000 24000 23000 24000
<産'業上の利用分野 >
本発明によれば、 耐衝撃性と剛性とのバラ ンスが高度に優れ、 低 温衝撃強度が良好で、 しかも芳香族ビニル系樹脂などで希釈したり、 あるいは各種添加剤を配合して も、 耐衝撃性な どの物性の低下が抑 制された耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物、 その製造方法、 及び 該樹脂組成物を与える こ とができ る新規なポ リ ブタ ジエ ンゴムが提 供される。 本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、 耐衝撃性と剛性、 特に 低温衝撃強度が要求される用途分野に好適に使用することができる。