WO1997028005A1

WO1997028005A1 - Composition d'enregistrement thermosensible et reversible, feuille et carte d'enregistrement thermosensibles, reversibles et reinscriptibles, utilisant cette composition

Info

Publication number: WO1997028005A1
Application number: PCT/JP1997/000221
Authority: WO
Inventors: Shoko Satoh; Kazuyoshi Yatsushige; Soichi Hasegawa; Kazuo Nate
Original assignee: Sliontec Corporation
Priority date: 1996-01-31
Filing date: 1997-01-27
Publication date: 1997-08-07
Also published as: JPH09267560A; US5972837A; EP0818323A4; EP0818323A1; JP3197822B2

Description

明細書可逆性感熱記録組成物とそれを用いた書き替え可能な可逆性感熱記録シートおよびカード技術分野

本発明は、画像の形成と、その消去とを繰り返し行うことができる可逆性感熱記録組成物と、それを用いた可逆性感熱記録シートおよびカードに係わり、特に低電力負荷時においても高い印字濃度が得られ、繰り返し耐久性および経時的画像安定性に優れた書き替え可能な可逆性感熱記録組成物と、それを用いたシートおよびカードに関するものである。背景技術

近年、都市ゴミの増大や森林資源の保護等の観点から、紙使用量の削減が望まれている。また、コンピュータ一産業の急速な発展に伴い、 OA用紙の使用量は増加の一途を迪つておリ、紙使用量の削減に対する対策が急務となっている。

このような状況の下、画像の形成とその消去とを繰り返し行うことができる可逆性感熱記録材料に関する研究 · 開発が活発に行われている。このような可逆性感熱記録材料に関しては、これまでに、

( 1 ) 特開昭 6 3— 3 9 3 7 7号、（ 2 ) 特開昭 6 3— 4 1 1 8 6号、 ( 3 ) 特開平 2— 5 6 6号、（ 4 ) 特開平 2— 1 3 6 3号、

( 5 ) 特開平 2— 8 0 2 8 9号、（ 6 ) 特開平 2— 8 1 6 7 2号、 ( 7 ) 特開平 2— 8 6 4 9 1号、（ 8 ) 特開昭 5 8— 1 9 1 1 9 0号、 ( 9 ) 特開昭 6 0— 1 9 3 6 9 1号、

( 1 0 ) 特開昭 6 2— 2 5 548 2号、 ( 1 1 ) 特開平 4一 1 448 2号、

( 1 2 ) 国際公開 W0 9 0 / 1 1 8 98号、

( 1 3 ) 特開平 4— 46 98 6号、（ 1 4 ) 特開平 4— 5028 9号、 ( 1 5 ) 特開平 4一 5 0 2 9 0号、

( 1 6 ) 特開平 5— 9 26 6 1号等に発明の開示がなされている。

ここで、上記（ 1 ) 〜（ 7 ) に記載されている内容は、有機高分子系バインダーの中に有機低分子物質を分散させ、この有機低分子物質の結晶化と多結晶化とを、熱エネルギーによってバインダ一中で可逆的に行わせることを特徴とするものである。しかし、このような多結晶化による白濁現象を利用して画像を形成する方法は、一般に、コントラストの点で不十分であり、目視での判別が困難であるなどの欠点を有している。

また、上記（ 8 ) 〜（ 1 0 ) は、発色剤、顕色剤、有機高分子バインダーなどからなるもので、もちろん印字は感熱方式でできるものの、その消去には水または水蒸気が必要となるものである。

また、上記（ 1 1 ) に示されている内容は、印字した画像を自然に消去させるものであり、印字と消去を制御することは困難である。

また、上記（ 1 2 ) 〜（ 1 6 ) に示されている内容は、ロイコ染料と、このロイコ染料と熱的に反応して発色と消色とを起こす顕色 ·消色剤と、有機高分子バインダー等からなるものである。一般に、このような感熱組成物では、コントラストが高く、目視での判別が容易であるが、印字消去を繰り返すことによって印字性や消去性が低下することが認められ、繰り返し耐久性の向上が実用化の観点から強く望まれていた。また、この方法では、熱エネルギーの制御のみで完全に発色反応と消色反応とを切り替えることは不可能で、両反応がある割合で同時に起こるため、十分な発色および消色を行うことができない。また、塩基性基の消色作用は常温で発色部にも作用するため、経時的に発色部の印字浪度が低下する現象は避けられない。

以上のような観点から、通常の印字方法で高いコントラストで印字でき、かつ加熱等により簡単に文字消去ができ、日常生活の環境下で経時的に安定した画像を保持すると共に、繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録材料の開発が強く望まれていた。

本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消するものであつて、日常生活の環境下で経時的に安定した画像を保持することができ、印字濃度が高く、印字品質も良好で、かつ繰り返し耐久性に優れた可逆性感熱記録組成物とそれを用いたシートおよびカードを提供することにある。発明の開示

本発明者らは、書き替え可能な可逆性感熱記録材料およびそれを用いたプロセス等に関して種々検討を重ねた結果、可逆性感熱記録組成物に使用される顕色 ·消色剤として、次の一般式（ 1 )

RiR₂CHCONH R₃ ( 1 )

〔式中、 R! = H、 R₂ = HO-^ もしくは

R , = R₂ = H O 、 Rs = C_nH_{2n + 1} ( n= 3〜22 ) で示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルァミンとの脱水縮合により得られるアミド化合物を用いれば良いことを見出した。

さらに、上記一般式（ 1 ) で示される可逆性感熱記録組成物中に、特定の無機系充填剤を添加すれば良いことを見出した。

さらにまた、上記一般式（ 1 ) で示される可逆性感熟記録組成物中に、特定の無機系充填剤およびアミン化合物を添加すれば良いことを見出した。

すなわち、発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱記録組成物が、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素（ロイコ色素）と顕色 ·消色剤とを含んでなるか、または上記可逆性感熱記録組成物が、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素（ロイコ色素）と頭色 ·消色剤と無機充填剤とを含んでなるか、もしくは上記可逆性感熱記録組成物が、有機高分子系バインダ一中に少なくとも可逆性発色色素（ロイコ色素）と頃色，消色剤と無機充填剤とアミン化合物とを含んでなる組成物であって、印字条件において、高分子系バインダー中で上記ロイコ色素と顕色 ·消色剤とが相溶することにより、可逆性感熱記録材料としての機能を発現することができる。

上記本発明の目的を達成するために、本発明は具体的に請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、

本発明は請求の範囲第 1項に記載のように、発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録組成物であって、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 '消色剤を含有する組成物よりなり、上記顕色'消色剤は、次の一般式（ 1 )

R , R ,. C H C O N H R ₃ ( 1 )

〔式中、 R , = H、 R ₂ == HH OO もしくは 3〜22 ) で

示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルァミンとの脱水縮合により得られるアミド化合物である可逆性感熱記録組成物とするものである。

このように、 1分子内に酸性成分と塩基性成分を持つ物質であるフェノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルキルァミンとの脱水縮合により得られるアミド化合物を顕色 '消色剤として用い、酸性と塩基性とを加熱状態により制御して、可逆性発色色素である、例えばロイコ色素中のラクトン環を開環（発色）させたり、または閉環（消色）させたり、自在に発色、消色を調整することが可能となり、発色濃度が高く、経時的に安定した画像を保持する可逆性感熱記録組成物が得られる効果がある。

また、本発明は請求の範囲第 2項に記載のように、発色と消色とを繰リ返すことができる可逆性感熱記録組成物であって、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダ一中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 ·消色剤および無機系充填剤を含有する組成物よりなり、上記顕色 ·消色剤は、次の一般式（ 1 )

R,R₂CH C ONH R₃ ( 1 )

〔式中、 R, = H、 R₂ = H O- ^"もしくは

R _T = R₂ = H O -(( V , R₃ = C„H ( n = 3 ~ 22 ) で示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルァミンとの脱水縮合により得られるアミド化合物である可逆性感熱記録組成物とするものである。

このように、請求項 1に記載の可逆性感熱記録組成物に、さらに、力オリン等の無機系充填剤を添加することにより、繰り返し耐久性が向上するだけでなく、低電力負荷時における発色濃度が高い上、飽和印字濃度に達するのが速くなリ、印字条件に影響されず常に安定した発色漉度が得られる効果がある。

また、本発明は請求の範囲第 3項に記載のように、発色と消色とを繰リ返すことができる可逆性感熱記録組成物であって、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 ·消色剤、ァミン化合物および無機系充填剤を含有する組成物よリなリ、上記顕色'消色剤は、次の一般式（ 1 )

R .RiCHCONHRs ( 1 )

〔式中、

R_{i =} R₂ = HO。-^ V , R₃ = C„H_2n+1 ( n= 3〜22 ) で示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルァミンとの脱水縮合によリ得られるアミド化合物である可逆性感熱記録組成物とするものである。

このように、上記請求項 2に記載の可逆性感熱記録組成物に、さらにァミン化合物を添加することにより、感熱層の着色を抑え、外観的に優れた品質の感熱層を得ることができる。すなわち、感熱層に充填剤を添加すると、可逆性発色色素である、例えばロイコ色素が発色し、感熱層塗工液が着色するため、得られた感熱層も着色してしまい、印字品質を低下させることがあるが、可逆性感熱記録組成物へのァミン化合物の添加は、感熱層の着色を抑え、印字品質の低下を抑制できる効果がある。

また、本発明は請求の範囲第 4項に記載のように、発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録シートであって、該可逆性感熱記録シートは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) および保護層（ 3 ) からなり、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなる可逆性感熱記録シートとするものである。このような可逆性感熱記録シ一卜の構成とすることにより、光学濃度が良好で、繰り返し耐久性および経時的画像安定性に優れた可逆性感熱記録シ一卜が得られる効果がある。また、本発明は請求の範囲第 5項に記載のように、発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録カードであって、該可逆性感熱記録カードは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) および保護層（ 3 ) からなリ、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなる可逆性感熱記録カードとするものである。このような可逆性感熱記録カードの構成とすることにより、光学濃度が良好で、繰り返し耐久性および経時的画像安定性に優れた可逆性感熱記録カードが得られる効果がある。

また、本発明は請求の範囲第 6項に記載のように、発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱記録カードであって、該可逆性感熱記録力一ドは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) 、中間層 ( 4 ) および保護層（ 3 ) からなリ、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなる可逆性感熱記録カードとするものである。このように、上記請求項 5に記載の可逆性感熱記録カードの構成として、さらに、例えば、ポリエステル樹脂等からなる中間眉を設けることにより、繰り返し耐久性および経時的画像安定性に優れた可逆性感熱記録カードが得られる効果がある。

以下に、本発明の可逆性感熱記録組成物による発色，消色の原理について説明する。

ロイコ色素を顕色剤と呼ばれる酸性物質と共に加熱すると、両者もしくは頭色剤が溶融して反応し、ロイコ色素が顕色剤の酸性の影響を受けて、ロイコ色素中のラクトン環が開環し、閉環状態では無色であったものが発色する。逆に、発色したロイコ色素に塩基性物質を接触させると、開環していたエステル基が閉環反応を起こし、無色の状態に戻る。この状態（開環ー閉環反応）は平衡状態にあるため、 1分子内に酸性成分と塩基性成分を持つ物質、例えば、フエノール性水酸基を有する有機カルボン酸と有機ァミンとからなる化合物を顕色 ·消色剤として用いることによって、ラクトン環を開環させたり、閉環させたりすることができる _c これは、ロイコ色素と反応して発色および消色する上記顚色 ·消色剤が酸性物質であるフエノールと塩基性であるアミンの両方を含む物質であることから、酸性と塩基性との双方の性質を具備しており、かつ、酸性と塩基性とを加熱状態によって制御できることによるものである。すなわち、感熱プリンターのような瞬間（パルス）的な高温（数百）加熱の場合には、フエノールの酸性が働いて発色し、ゆっくりとした、約百' C前後の加熱では、ァミンの塩基性成分が働いて消色する。また、この発色と消色の過程は何度も繰り返して行うことができる。

このような発色 ·消色原理において、発色濃度を高め、かつ経時的に安定な画像を保持する可逆性感熱記録材料について種々検討した結果、フエノール性水酸基含有脂肪族カルボン酸と脂肪族アルキルァミンとの脱水縮合により得たアミド化合物からなる顕色 · 消色剤を用いれば良いことを見出すに至った。

さらに、この可逆性感熱記録組成物に無機系充填剤を添加することによリ、発色と消色の繰返しに対する耐久性を向上させることができることを見出した。

無機系充填剤の中でも、特にビニルシラン処理を施したカオリンを添加した可逆性感熱記録組成物は、繰り返し耐久性が向上するのみではなく、低電力負荷時における発色濃度が高い上、飽和印字濃度に達するのが速いため、印字条件に影響されず常に安定した発色濃度が得られる。一般に、感熱層に無機系充填剤を添加すると、繰り返し耐久性は向上するものの、印字濃度が低下したり、文字消去性が不十分なるなど、悪影響が生じ、実用に耐えるものを得ることが困難であった。本発明は、印字濃度および文字消去性などを向上させながら、繰り返し耐久性の向上を実現したものである。

また、感熱層にアミン化合物を添加することにより、感熱層の着色を抑え、外観的に優れた品質の感熱層を得ることができる。一般に、感熱層に充填剤を添加すると、ロイコ色素が発色し感熱層塗工液が着色するため、得られた感熱層も着色してしまい、印字品質をも低下させることがある。本発明は、充填剤の添加による印字濃度、文字消去性および繰リ返し耐久性を維持しつつ、外観的な品質の向上を実現したものである _t すなわち、本発明では、上記一般式（ 1 ) で示したフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルキルァミンとの脱水縮合により得たアミド化合物と、表面処理を施した力オリン等の無機系充填剤とを組み合わせることにより、印字濃度および文字消去性を向上させながら、繰り返し耐久性を向上できることを見出した。

以下に本発明で使用される各種材料、プロセスについて説明する。なお、これらは本発明の一例を示したものであり、特に限定するものではない。

有機高分子バインダ一としては、有機溶剤等に溶解する汎用の有機高分子材料が使用でき、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、ノルボルネン樹脂、ビニルプチラール樹脂、塩化ビニル樹脂等が使用でき、これらは単独もしくは 2種以上 (混合体および共重合体を含む）で使用できる。

発色形の色素材料としては、ロイコ染料などが挙げられ、黒色、赤色、青色等各種の色に発色させることができる。そのようなロイコ色素材料として、

クリスタルバイオレツトラクトン、

2— ( 2—クロロア二リノ）一 6 —ジェチルァミノフルオラン、

2—ァニリノ一 3—メチルー 6—ジブチルァミノフルオラン、

2— ( 2—クロロア二リノ）一 6 —ジブチルァミノフルオラン、 1， 3 —ジメチルー 6 —ジェチルァミノフルオラン、

2 - N , N—ジベンジルアミノジェチルァミノフルオラン、

3—インドリノ一 3— （ p —ジメチルァミノフエニル）一 6—ジメチルァミノフタリド、

3—ジェチルァミノ一 7—クロ口フルオラン、

2— （ 2 —フルオロフェニルァミノ）一 6 —ジェチルァミノフルオラン、

2 - ( 2 —フルオロフェニルァミノ）一 6 -ジ一 n —ブチルアミノフルオラン、

3 一ジェチルァミノー 7—シクロへキシルァミノフルオラン、 3—ジェチルアミノ一 6—メチル一 7 _ァニリノフルオラン、 3ージェチルァミノー 6—メチルー 7— p—ブチルァニリノフルオラン、

3—シク口へキシルァミノ一 6—クロ口フルオラン、

2 —ァニリノ一 3 —メチル一 6— ( N—ェチル一 P— トルイジノ）一フルオラン、

3—ピロリジノー 6—メチル一 7—ァニリノフルオラン、

3 —ピロリジノ一 7—シクロへキシルアミノフルオラン、

3—N—メチルシク口へキシルァミノー 6—メチルー 7—ァニリノフルオラン、

3—N—ェチルペンチルァミノ一 6—メチルー 7—ァニリノフルオラン、

3ーシクロへキシルメチルアミノ一 6—メチルー 7 —ァニリノフルォラン、

3—ェチルイソブチルアミノー 6—メチル— 7—ァニリノフルオラン 3—プロピルメチルァミノー 6—メチルー 7—ァニリノフルオラン等が挙げられる。

発色と消色作用を示す顕色 ·消色剤としては、上記一般式（ 1 ) で示されるフエノール性水酸基を含む脂肪族カルボン酸と脂肪族ァミンとの脱水縮合により得た、アミド化合物が使用される。

一般式（ 1 ) 式で示されるァミン成分（ R N H ₂ ) としては、脂肪族ァミン化合物が用いられ、プロピルァミン、プチルァミン、ペンチルァミン、へキシルァミン、ヘプチルァミン、ォクチルァミン、ノニルアミン、デシルァミン、ゥンデシルァミン、ドデシルァミン、トリデシルァミン、テトラデシルァミン、ペンタデシルァミン、へキサデシルァミン、ヘプタデシルァミン、ォクタデシルァミン、ジイソプロピルァミン、ジブチルァミン、ジアミルァミン、トリプロピルアミン、卜リブチルアミン、シクロへキシルァミン、ベンジルァミン、ジベンジルァミン、トリベンジルァミン等が挙げられる。好ましくは、感熱記録の特性上、炭素数 6〜 2 2であるものが望ましい。

無機系充填剤の具体例としては、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシゥ厶、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケィ酸、ケィ酸カルシゥム、ゲイ酸マグネシウム、塩基性ケィ酸マグネシウム、ろう石、セリサィト、シリカ、ジルコニァ、石脅、タルク、ゲイソゥ土、サチンホワィ卜、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機顔料が挙げられる。

添加するァミン化合物としては、プロピルァミン、プチルァミン、ぺンチルァミン、へキシルァミン、ヘプチルァミン、ォクチルァミン、ノニルァミン、デシルァミン、ゥンデシルァミン、ドデシルァミン、トリデシルァミン、テトラデシルァミン、ペンタデシルァミン、へキサデシルァミン、ヘプタデシルァミン、ォクタデシルァミン、ジイソプロピルァミン、ジブチルァミン、ジアミルァミン、卜リプロピルアミン、トリブチルァミン、シクロへキシルァミン、ベンジルァミン、ジベンジルァミン、トリベンジルァミン等が挙げられるが、その他にも、基中に芳香環、不飽和結合を含んでいるァミンであってもよい。好ましくは、感熱記録の特性上、炭素数 6〜 2 2であるものが望ましい。

その他の成分として添加される熱可融性物質としては、アルナパヮックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンヮックス、ステアリン酸アミド、ォレイン酸アミド、バルチミン酸アミドラウリル酸アミド、 N—ラウリルペンズアミド、 N—ステアリルべンズアミド、 N , N—ジステアリルべンズアミド、 N , N—ジラウリルベンズアミド、 N， N—ジステアリルテレフタル酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸ァミド、ベンゼンスルフオンアミド、トルエンスルフォンアミド、ェチルベンゼンスルフォンァミド、ォクチルベンゼンスルフォンアミド、ラウリルベンゼンスルフォンアミド、ステアリルベンゼンスルフォンアミド等が挙げられる。

なお、必要に応じて本発明の可逆性感熱記録組成物に紫外線吸収剤等の添加剤を加えることができる。また、シートに使用される支持基材としては、通常の紙やポリエステルシートなどが使用され、カードに使用される支持基材としては、磁気層付きのポリエステルシ一卜などが使用される。シートに使用される保護層やカードに使用される中間層や保護層には、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂などが使用される。

本発明の発色 ·消色の繰り返し原理、および発色濃度を高める原理を、以下に説明する。

ロイコ染料とフエノール性水酸基を有するカルボン酸と脂肪族ァミンとからなる化合物（顕色 ·消色剤）とからなる感熱組成物を、感熱プリンターで印字（瞬間的な加熱）すると、カルボン酸の酸性が働いて発色し、ゆっくりした加熱ではァミンの塩基性が働いて消色する。

特に、本発明の顕色 ·減色剤を用いることにより、発色濃度が高まると共に、経時的な画像安定性も保持され、自然消色性も改善される。その効果を次に示す。

すなわち、本発明の顕色 ·減色剤は、その構造の中に水素結合能力を持つアミド結合を含有しているため、分子間水素結合により速やかに結晶化する。加熱後急速に冷却を行うと、発色状態のままで固化するため, 開環したロイコ色素（発色状態）が安定化され、発色濃度が高まり、優れた特性の感熱層が得られる。また、安定した発色状態が保持されることから自然消色性も改善される。

さらに、無機系充填剤を感熱層中に添加することにより、感熱層の繰リ返し耐久性が向上するのみでなく、未添加の場合と比較して、低電力負荷時における発色濃度および文字消去性も向上する。これは、これまでの一般概念、すなわち、感熱層中に無機系充填剤を添加すると、印字濃度が低下したり、文字消去性が悪くなつたりする現象とは全く異なる現象である。

無機系充填剤の添加量は、感熱層中の固形分に対し、約 5 0重量％以上が望ましく、さらには、約 5 0重量％以上約 2 0 0重量％以下であることが好ましい。添加量がこの範囲未満の場合は、無機系充填剤による繰り返し耐久性の効果の一都または全部が不十分となる場合がある。また、この好ましい範囲以上であると、印字品質が悪化する場合がある。感熱層中にアミン化合物を添加すると、印字品質を維持しつつ、無機系充填剤の添加による感熱層塗工液の発色を抑え、外観的品質を向上させることができる。これは、これまでの一般概念、すなわち、自由なァミンが感熱層中に含まれていると、印字濃度の低下が生じたり、画像安定性が低下したりする現象とは全く異なる現象である。

ァミン化合物の添加量は、感熱層中の顕色 ·減色剤に対し、約 2 0重量％以下が望ましく、さらには、約 1重量％以上約 1 0重量％以下であることが好ましい。この好ましい範囲以下であると、外観的品質の向上への効果の一部が不十分となる場合がある。この好ましい範囲以上であると、印字品質もしくは画像安定性の一部が不十分となる場合がある。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の実施の形態 1で例示した力オリン添加と無添加の場合の印字電力と光学濃度の関係を示す図である。

第 2図は、本発明の実施の形態 1で例示した力オリン添加と無添加の場合の消去温度と光学濃度の関係を示す図である。

第 3図は、本発明の実施の形態 1で例示した可逆性感熱記録シートの断面構造の一例を示す模式図である。

第 4図は、本発明の実施の形態 3〜 8で例示した可逆性感熱記録カードの断面構造の一例を示す模式図である。発明を実施するための最良の形態

以下に、本発明の実施の形態の一例を挙げ、具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、合成例、実施の形態中の "部" は重量部を表わす。く合成例〉

上記（化 1 ) 式で示されるアミド化合物の具体的合成例について以下に説明する。く合成例 1 >

ビス（ 4ーヒドロキシフエニル）酢酸一ドデシルアミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、

R ₃ = C _{1 2} H _{2 5}とした化合物〕（ 2 ) まず、塩酸酸性中で、 0 —フエノール 2モルと、ダリオキシル酸 1モルとを脱水縮合させ、ビス（ 4—ヒドロキシフエニル）酢酸 0.7モルを得た。続いて、 N—メチルー 2—ピロリドンの 1 リットル中に、先に得たビス（ 4—ヒドロキシフエニル）酢酸 1モルと、ドデシルアミン 1 モルとを溶解し、 6時間加熱還流した。反応終了後、精製を行い、ビス ( 4—ヒドロキシフエニル）酢酸ーステアリルアミドィ匕合物 0.5モルを得た。く合成例 2 >

( 4—ヒドロキシフエニル）酢酸—ドデシルアミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、 R! = H、 R₂ = H 0 -4 Y

R₃ = C₁₂H_2&とした化合物〕 ( 3 ) まず、 N—メチルー 2—ピロリドンの 1 リットル中に（ 4ーヒドロキシフエニル）齚酸 1モルと、ドデシルァミン 1モルとを溶解し、 6時間加熱還流した。反応終了後、室温にまで冷却し、蒸留水を加えて白色結晶を析出させ、減圧瀘別した。この結晶をアセトンを用いて再結晶し、 ( 4ーヒドロキシフエニル）酢酸— ドデシルァミド化合物 0.6モルを得た。く合成例 3 ~8 >

上記合成例 1〜 2と同様にして、次に示す酸一アミド化合物を合成した。く合成例 3〉

ビス（ 4—ヒドロキシフエニル）酢酸—ステアリルァミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、 Ri Ra-HO

R₃ = C ₁₈H₃₇とした化合物〕（ 4 ) く合成例 4 >

ビス（ 4—ヒドロキシフエニル）酢酸一デシルアミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、

R₃ = C₁₀H₂₁とした化合物〕（ 5 ) く合成例 5 >

ビス（ 4ーヒドロキシフエニル）酢酸—ォクチルアミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、

R₃ = C₈H₁₇とした化合物〕（ 6 ) く合成例 6 >

( 4ーヒドロキシフエニル）酢酸ーステアリルァミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、 Ri

R₃ = C₁₈H₃₇とした化合物〕（ 7 ) く合成例 7〉

( 4—ヒドロキシフエニル）酢酸—デシルアミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、 Ri-H R₂ = H O ^-、

R₃ = C₁₀H₂₁とした化合物〕（ 8 ) 〈合成例 8〉

( 4—ヒドロキシフエニル）酢酸—ォクチルルアミド化合物

〔一般式（ 1 ) において、 R!

R₃ = C₈H₁₇とした化合物〕 ( 9 ) く実施の形態 1〉

感熱層液は次のようにして作製した。

まず、感熱層 Α液として、

ポリ（齚酸ビニル）（重量平均分子量：約 7万） 4部をトルエン 3 1 部に溶解させた液に 2—ァニリノ— 3—メチル一 6—ジブチルァミノフルオラン 4部を分散させたものを得た。

また、感熱層 B液として、

トルエン 1 2 0部に p—ヒドロキシフエニル酢酸一ステアリルアミド化合物 1 6部、パルミチン酸アミド 4部、カオリン（平均粒径約 0. 7 zm、 E NGE LHARD社製） 2 8部、ステアリルアミン 5部を分散させたものを得た。

次に、第 3図に示す構造の感熱記録シートを以下の手順で作製した。まず、上記 A液、 B液を各々サンドミルに 2時間かけた後、 A液と B 液を混合し、バー塗工機にて約 7 5 ミクロン厚の発泡ポリエステルシ一トからなる支持基材 1上に塗布し、 6 0 °C、 1 0分間で乾燥し、約 7 ミクロン厚の可逆性感熱記録層 2を得た。この上に保護暦 3として、ポリノルポルネン（重量平均分子量：約 1 0万）をトルエンに溶解した溶液を用いて塗工し、約 1 ミクロン厚を得た。

このようにして得た感熱記録シー卜を用いて印字、文字消去を繰り返した結果、光学濃度が 0 . 8以上で繰り返し特性が 5 0回以上使用できる可逆性感熱記録シ一トおよびその組成物を得ることができた。

なお、充填剤として上記カオリンを添加した場合と、添加しない場合との特性比較を、図 1の印字電力（W ) と光学濃度（規格化）との関係、および図 2の消去温度（°C ) と光学濃度（規格化）との関係において示す。図から明らかなように、カオリンを添加することによリ低印字電力における印字溏度および文字消去性がいずれも向上することが分かった < く実施の形態 2 >

実施の形態 1と同様にして、下記に示す感熱層 A液および B液を作製した。

感熱層 A液：

2— ( 2 —クロロア二リノ）一 6—ジェチルァミノフルオラン…… 4部ポリノルポルネン（重量平均分子量：約 5万） 8部

酢酸ェチル 3 0部

感熱層 B液：

P —ヒドロキシフエニル酢酸ーステアリルアミド化合物 2 3部ベンゼンスルフォンアミド 5部

カオリン 4 0部

酢酸ェチル 1 2 0部

ステアリルァミン 7部

上記 A液および B液を混合して感熱層液を調製し、約 1 0 0ミクロン厚の耐熱紙の上に塗工し、約 7 ミクロン厚の感熱層を形成した。

この上に、保護層として、ステアリン酸メチルを約 3重量％含有するポリノルボルネン（重量平均分子量：約 1 4万）を塗工し、約 0 . 5 ミクロン厚のものを得た。このようにして得た感熱記録シートを用いて印字、文字消去を繰り返した結果、光学濃度が 0 . 8以上で、繰り返し特性が 5 0回以上使用できる可逆性感熱記録シ一トおよびその組成物を得ることができた。く実施の形態 3〜 8〉

上記実施の形態 1 〜 2と同様にして、下記に示す可逆性感熱記録塗液および保護層塗液を作製し、バー塗工機にて約 7 5ミクロン厚の発泡ポリエステルシー卜（実施の形態 3〜 6 ) 、または約 1 8 8ミクロン厚の磁気眉付きポリエステルシ一卜（実施の形態？〜 8 ) 上に塗布し、それぞれ、約 5ミクロン、約 1 ミクロンの厚さに形成した。このようにして得られた感熱記録シートを用いて、印字、文字消去を繰り返した結果、光学澳度が 0 . 6以上で繰り返し特性が 5 0回以上使用できる可逆性感熱記録シー卜、カードおよびその組成物を得ることができた。

なお、可逆性感熱記録カードは、例えば、第 4図に示すように、支持基材 1上に、可逆性感熱記録層 2を形成し、中間層 4を形成して、その上に保護層 3を設けることにより、繰り返し耐久性および経時的画像安定性にいっそう優れた可逆性感熱記録力一ドを得ることも可能である。〈実施の形態 3 >

可逆性感熱記録塗液：

ロイコ染料（TH— 1 0 5、保土谷化学製） 2部

P—ヒドロキシフエニル酢酸— ドデシルァミド化合物 1 2部ァクリル樹脂（ダイヤナール B R— 80、三菱レイヨン製）〜 2部紫外線吸収剤（ S E E S ORB 7 0 1、シプロ化成製） … 0.5部ステアリン酸アミド 2部

力オリン 1 0部

ステアリルアミン 4部

卜ゾレエン 8 1.5部

保護層：

ポリノルポルネン（ァートン、日本合成ゴム製） 1 0部ステアリン酸メチル（パステル M— 1 8 0、ライオン製） … 0. 1部トルエン 79.9部。く実施の形態 4〉

可逆性感熱記録塗液：

ロイコ染料（TH - 1 08、保土谷化学製） 2部

P—ヒドロキシフエニル酢酸一デシルアミド化合物 1 2部ァクリル樹脂（ダイヤナール B R— 80、三菱レイヨン製）ー 2部紫外線吸収剤（ S E E S ORB 7 0 1、シプロ化成製） … 0.5部ステアリン酸ァミド 2部

カオリン 1 8部

ドデシルアミン 4部

卜ノレェン 8 1.5部

保護層：ポリノルポルネン（ァ一トン、日本合成ゴム製） 1 0都ステアリン酸メチル（パステル M_ 1 80、ライオン製… 0. 1部卜ノレェン 8 9.9部。く実施の形態 5 >

可逆性感熱記録塗液：

ロイコ染料（TH - 1 08、保土谷化学製） 2部

P—ヒドロキシフエニル酢酸一デシルアミド化合物 1 2部ポリ酢酸ビニル（重量平均分子量 7万） 2部

紫外線吸収剤（ S E E S ORB 7 0 1、シプロ化成製） … 0.5部ステアリン酸ァミド 2部

力オリン 1 5部

ステアリルァミン 4部

卜ノレェン 8 1.5都

保護層：

ポリノルボルネン（アートン、日本合成ゴム製） 1 0部ステアリン酸メチル（パステル M— 1 80、ライオン製… 0. 1部卜ソレエン 8 9.9部。く実施の形態 6 >

可逆性感熱記録塗液：

ロイコ染料（TH— 1 0 8、保土谷化学製） 2部

P—ヒドロキシフエニル酢酸一ドデシルァミド化合物…' 1 2部ポリ酢酸ビニル（重量平均分子量 7万） 2部

紫外線吸収剤（ S E E S O RB 7 0 1、シプロ化成製） 0.5部ステアリン酸ァミド 2部カオリン 1 5部

ドデシルァミン 4部

卜ノレェン 8 1.5部

保護層：

ポリノルポルネン（ァ一トン、日本合成ゴム製） 1 0部ステアリン酸メチル（パステル M— 1 80、ライオン製… 0. 1部トフレエン 89 · 9部。

く実施の形態 7 >

可逆性感熱記録塗液：

ロイコ染料（TH— 1 08、保土谷化学製） 2部

P—ヒドロキシフエニル酢酸ーォクチルァミド化合物…' 1 2部ポリ酢酸ビニル（重量平均分子量 7万） …… 2部

紫外線吸収剤（ S E E S O RB 7 0 1 シプロ化成製… 0.5部ステアリン酸アミド 2部

力オリン 1 0部

ステアリルァミン 6部

卜ソレエン 8 1 · 5部

保護層：

ウレタンァクリレー卜系紫外線硬化型樹脂く実施の形態 8〉

可逆性感熱記録塗液：

ロイコ染料（TH— 1 0 8、保土谷化学製） 2部 p—ヒドロキシフエニル酢酸—ォクチルアミド化合物…' 1 2部ポリ酢酸ビニル（重量平均分子量 7万） 2部 CT/JP97/00221

24 紫外線吸収剤（ S E E S O RB 7 0 1、シプロ化成製） … 0.5部ステアリン酸アミド 2部

カオリン 1 0部

ドデシルァミン 4部

トルエン 8 1.5部

中間層：

ポリエステル樹脂（ 0.2ミクロン厚）

保護層：

エポキシァクリレート系紫外線硬化型樹脂。く比較例 1 >

下記感熱層 A液および B液からなる感熱層液を用いて、約 7 5ミクロン厚の発泡ポリエステルシ一卜上に塗布し、 60 、 1 0分間で乾燥し、約 7ミクロン厚の感熱層を得た。この上にポリノルポルネンからなる保護層を約 1 ミクロン厚に塗布し、可逆性感熱層を得た。

感熱層 A液：

2—ァニリノ一 3—メチル一 6—ジブチルァミノフルオラン… 4部ポリビニルアルコール（重量平均分子量：約 5万） 4部水 30部

感熱層 B液：

没食子酸とステアリルァミンとの錯体 1 6部

パルミチン酸ァミド 4部

水 1 20部

このようにして得た可逆性感熱記録シートは、光学濃度、特に、印字電力が低い場合の光学漉度が低く、また、数回〜十数回以上繰り返し使用すると、印字のコントラストが悪くなリ、実用に供し得ないものであつた, 産業上の利用可能性

以上詳細に説明したように、本発明の可逆性感熱記録組成物を用いることにより、安定した画像や文字の形成と、その消去を繰り返して行える可逆性感熱記録シートとすることができるので、コンピュータ産業等で用いられる O A用紙等に、上記可逆性感熱記録シー卜を代用することにより、紙の使用量を低減することが可能となり、紙屑の発生量を大幅に削減でき、森林資源の保護が可能となる。また、可逆性感熱記録カードとすることにより、画像や文字情報の記録と、その消去を繰り返して行う記録力一ドとすることができ、各種情報の記録媒体として用いられる。

Claims

請求の範囲

1. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録組成物であつて、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 ·消色剤を含有する組成物よりなり、上記顕色 · 消色剤は、次の一般式（ 1 )

R,R₂CHCONH R₃ ( 1 )

〔式中、 Ri = H、 R =HO "あしくは

R! = R₂ = HO- , R₃ = C_nH ( n = 3〜 22 ) で

、示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕

で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルアミンとの脱水縮合によリ得られるアミド化合物であることを特徴とする可逆性感熱記録組成物。

2. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録組成物であつて、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 ·消色剤および無機系充填剤を含有する組成物よりなり、上記顕色 '消色剤は、次の一般式（ 1 )

R,R₂CHCONH R₃ ( 1 )

〔式中、 R_{1 =} H、 R₂ もしくは

R R₂=HO~^^、 R₃ = C„H_{2n + 1} ( n= 3〜22 ) で示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルァミンとの脱水縮合によリ得られるアミド化合物であることを特徴とする可逆性感熱記録組成物。

3. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録組成物であつて、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 ·消色剤、ァミン化合物および無機系充填剤を含有する組成物よりなり、上記顕色 ·消色剤は、次の一般式（ 1 )

R!RaCHCONH R₃ ( 1 )

〔式中、 R! = H、 R₂=HO もしくは 3〜 22 ) で

示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族ァルキルァミンとの脱水縮合によリ得られるアミド化合物であることを特徴とする可逆性感熱記録組成物。

4. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録シートであつて、該可逆性感熱記録シートは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) および保護層（ 3 ) からなリ、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなることを特徴とする可逆性感熱記録シー卜。

5. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録力一ドであつて、該可逆性感熱記録カードは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) および保護層（ 3 ) からなリ、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなることを特徴とする可逆性感熱記録力一ド。

6. 発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱記録力一ドであって, 該可逆性感熱記録カードは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) 、中間層（ 4 ) および保護層（ 3 ) からなり、上記可逆性感熱記録展は請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなることを特徴とする可逆性感熱記録力一ド。

補正書の請求の範囲

[1 997年 6月 9ョ（09. 06. 97 ) 国際事務局受理：出顧当初の請求の範囲 1及び 2は敢り下げられた；出願当初の請求の範囲 3は補正された；他の請求の範囲は変更なし。（2頁） ]

1 . (削除）

2. (削除）

3. (補正後）発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録組成物であって、該可逆性感熱記録組成物は、有機高分子系バインダー中に少なくとも可逆性発色色素と顕色 '消色剤とアミン化合物および無機系充填剤を含有する組成物よりなり、上記顕色 ·消色剤は、次の一般式

( 1 ) で示されるフエノール性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルキルァミンとの脱水縮合により得られるアミド化合物であり、上記ァミン化合物の添加量は上記顕色 ·消色剤 1 0 0重量部に対し、 1重量部から 2 0重量部の範囲にあり、上記無機系充填剤は表面処理を施されたものであり、その添加量は感熱層中の充填剤以外の固形分 1 00重量部に対し、 50重量部から 2 0 0重量部の範囲にあることを特徴とする可逆性感熱記録組成物。

R,R₂CHCONHR₃ ( 1 )

〔式中、 R_{1 =} H、 R₂=HO ·もしくは

R = R₂ n h ( n = 3〜 2 2 ) で

示される直鎖状、分枝状の脂肪族アルキル基を表わす。〕 4. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録シートであつて、該可逆性感熱記録シートは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感補正された用紙（条約第 19条）熱記録層（ 2 ) および保護層（ 3 ) からなり、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 3項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなることを特徴とする可逆性感熱記録シー卜。

5. 発色と消色とを繰り返すことができる可逆性感熱記録力一ドであつて、該可逆性感熱記録カードは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) および保護層（ 3 ) からなり、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 3項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなることを特徴とする可逆性感熱記録力一ド。

6. 発色と消色を繰り返すことができる可逆性感熱記録カードであって、該可逆性感熱記録カードは、少なくとも支持基材（ 1 ) 、可逆性感熱記録層（ 2 ) 、中間層（ 4 ) および保護層（ 3 ) からなり、上記可逆性感熱記録層は請求の範囲第 3項に記載の可逆性感熱記録組成物よりなることを特徴とする可逆性感熱記録カード。

補正された用紙（条約第 19条）条約 1 9条に基づく説明書請求の範囲第 3項（補正後）は、国際調査報告で、関連すると認められる引用文献として J P， 7 - 6 8 9 3 4 , A (三菱製紙株式会社）および J P， 7 - 7 6 1 7 3 , A (三菱化学株式会社）を挙げられ、「 A」（特に関連のある文献ではなく、一般的技術水準を示すもの）とされたのは、出願時の請求の範囲第 3項だけであったので、これに、さらに出願時の明細書第 1 0頁第 1行〜第 3行に記載の表面処理をした無機充填剤、および明細書第 1 4頁第 8行〜第 1 0行に記載の無機系充填剤の添加量、および同頁第 1 8行〜第

2 0行に記載のァミン化合物の添加量を追加した請求の範囲となし、上記引用文献との相違点をいつそう明確にいたしました。本発明は、補正後の請求の範囲第 3項とすることにより、また、補正後の請求の範囲第 3項に関連する請求の範囲第 4項、第 5項

および第 6項において、出願時の明細書第 9頁第 2 5行〜第 1 0頁第 3行、および明細書第 1 3頁第 2 3行〜第 1 4頁第 2 2行に記載のように、フエノ —ル性水酸基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルキルァミンとの脱水縮合により得られるアミド化合物と、ァミン化合物と、表面処理を施した無機充填剤とを組み合わせて所定量添加することにより、印字濃度および文字消去性を向上させながら、繰り返し耐久性を一段と向上できる効果がある。