JP2711113B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は温度による感熱体の可逆的な透明度変化を利
用して記録及び消去を行なう可逆性感熱記録材料に関す
る。
従来技術 可逆的な記録及び消去が可能な感熱記録材料として支
持体上にポリエステル、ポリアミド等の樹脂中に高級ア
ルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感
熱層を設けたものが、例えば特開昭54−119377号、同55
−154198号等で知られている。この種の記録材料による
記録、即ち画像形成及び消去は感熱層の温度による透明
度変化を利用したものである。
しかし従来の可逆性感熱記録材料においては表面をサ
ーマルヘッド等で加熱して画像形成する際、加熱層の樹
脂がサーマルヘッドに粘着して画像形成できなくなるこ
とがあった。これらの欠点を改良するために、シリコー
ン系樹脂(特願昭62−55650号)、フッ素系樹脂、更に
ポリシロキサングラフトポリマーを主成分とするオーバ
ーコート層などを設けた可逆性感熱記録材料(特願昭62
−152550号)が提案されているが、サーマルヘッドとの
走行安定性は必ずしも十分ではなく、また、その上に油
性ペン、水性ペン等で筆記する場合にインクがはじいて
筆記し難い欠点があった。
目的 本発明の目的はサーマルヘッド等の加熱により画像形
成する際に、長時間連続印字してもサーマルヘッドへの
かすの付着がなく、走行安定性に優れ、鮮明な画像が形
成でき、且つ水性ペン、油性ペン等の筆記性を改良した
可逆性感熱記録材料を提供することである。
構成 本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体上に、少なく
とも(i)樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機
低分子物質を主成分としてなり、温度に依存して透明度
が可逆的に変化する感熱層を設け、更にその上に(ii)
シリコーン系グラフトポリマーを主成分とする耐熱性潤
滑被覆層を設けた可逆性感熱記録材料において、該シリ
コーン系グラフトポリマーがポリシロキサンを10〜40重
量%含むことを特徴とするものである。
本発明記録材料の記録原理は感熱層の温度による透明
度変化を利用したもので、これを図面によって説明す
る。第1図において感熱層は例えばT0以下の常温では白
濁不透明状態にある。これをT1〜T2間の温度に加熱する
と透明になり、この状態でT0以下の常温に戻しても透明
のままである。更にT3以上の温度に加熱すると、最大透
明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次に
この温度を下げて行くと、再び透明状態をとることな
く、最初の白濁不透明状態に戻る。なおこの不透明状態
のものをT0〜T1間の温度に加熱した後、常温、即ち、T0
以下の温度に冷却した場合には透明と不透明との間の状
態をとることができる。また前記、常温で透明になった
ものも再びT3以上の温度に加熱し、常温に戻せば、再び
白濁不透明状態に戻る。即ち常温で不透明及び透明の両
形態並びにその中間状態をとることができる。
なお透明部が透明に見えるのはこの部分の樹脂母材中
に分散された有機低分子物質が大きな結晶粒子で構成さ
れているため、一方の側から入射した光は散乱されるこ
となく、他方の側に透過するからであると考えられる。
また不透明部が白く見えるのはこの部分の樹脂母材中に
分散された有機低分子物質が微細結晶が集合した多結晶
粒子で構成され、個々の結晶の結晶軸が種々の方向に向
いているため、一方の側から入射した光は各結晶の界面
で何度も屈折し散乱されるからであると考えられる。
従って例えば以上のような感熱層を有する層状感熱部
材(支持体上に感熱層を設けたもの、或いは感熱シー
ト)全体をT1〜T2間の温度に加熱後、T0以下の常温に冷
却して透明化し、ついでこれをサーマルヘッド等で部分
的にT3以上の温度に加熱しその部分を不透明化すれば、
白色画像が形成される。このような白色画像を有する層
状感熱部材の裏面に層状着色部材を配置すれば、この画
像は着色部材の色を背景に白色画像として認識できる。
一方、層状感熱部材全体をT3以上の温度に加熱した
後、T0以下の常温に戻し白濁、不透明化した後、サーマ
ルヘッド等で部分的にT1〜T2間の温度に加熱してその部
分を透明化すれば白色面に透明画像が形成される。そし
てこのような透明画像を有する層状感熱部材の裏面に着
色部材を配置すれば、この画像は白地を背景に着色部材
の色の画像として認識できる。
以上のような層状感熱部材への記録及び消去は、少な
くとも104回程度繰り返すことができる。
本発明で用いられるシリコーン系グラフトポリマーは
マクロモノマー法によって製造されたものが好適であ
る。
マクロモノマー法による製法としては、次のような各
種の製法があり、それらのいずれによるものも使用でき
る。
製法の一例は、下記一般式(A)で示される環状シロ
キサンをアニオン重合してなるリビングポリマーと下記
一般式(B)で示されるラジカル重合性シリコーン化合
物との反応生成物であるラジカル重合性直鎖シリコーン
高分子モノマー(シリコーンマクロモノマーと称する)
をラジカル重合性モノマーとラジカル重合させることに
より、シリコーン系グラフトポリマーを得る方法である
(特願昭58−1120号)。
(ただし、R1はメチル基、エチル基又はフェニル基であ
り、pは3又は4である。) 又は (ただし、R2は水素又はメチル基、mは0又は1、R3
R4はメチル基、エチル基又はフェニル基、nは1〜3の
整数であり、lはm=0の場合0〜2の整数で、m=1
の場合2である。) 上記環状シロキサンのアニオン重合は常法に従って行
えばよく、公知のアニオン重合開始剤を用い、塊状重合
法または溶液重合法により容易に行うことができる。
一般式(A)で示される環状シロキサンの例として
は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロ
キサン、オクタエチルシクロテトラシロキサン、ヘキサ
フェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロ
テトラシロキサンが挙げられるが、このうちヘキサメチ
ルシクロトリシロキサン及びオクタメチルシクロテトラ
シロキサンがコスト、アニオン重合の容易さの点で特に
好ましい。アニオン重合開始剤としては、有機リチウム
化合物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキ
シド、アルカリ金属シラノレート等の公知のものが挙げ
られる。
シリコーン系グラフトポリマーの他の製法の例は、下
記一般式(A′)で示されるシリコーンとその1モル当
り下記一般式(B′)で示されるアクリル化合物0.25〜
1モルとの縮合反応生成物であるアクリル変性シリコー
ン(シリコーンマクロモノマーと称する)を、ラジカル
重合性モノマーとラジカル共重合させる製法である(特
開昭58−154766号公報)。
(ただし、R1及びR2は炭素数1〜10の一価の脂肪族炭化
水素基、フェニル基又は一価のハロゲン化炭化水素基で
あり、nは1以上の整数である。) (ただし、R3は水素又はメチル基、R4はメチル基、エチ
ル基又はフェニル基、Xは塩素原子、メトキシ基、又は
エトキシ基である。) この製法の詳細は、上記公開特許公報に記載されてい
るとおりであって、一般式(A′)で示されるシリコー
ンとしては各種のものを容易に入手でき、それらの中か
ら目的に合ったものを使用すればよいが、R1、R2がメチ
ル基のシリコーンが特に好ましい。一般式(A′)にお
けるnはシリコーンの分子量を決める因子あり、このn
は1〜500が好ましく、10〜300がさらに好ましい。nが
1未満ではシリコーンの効果、即ち、撥水性、撥油性、
低摩擦性が得られず、nが500を越えると得られるシリ
コーングラフト共重合体がオイル状となって精製が難し
くなる。
一般式(B′)で示されるアクリル化合物としては、
例えばγ−メタクリルオキシプロピルメチルジクロロシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルフェニルジクロ
ロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルエチルジクロ
ロシラン、γ−アクリルオキシプロピルメチルジクロロ
シラン等が挙げられる。
さらに本発明で好適に使用されるシリコーン系グラフ
トポリマーの製法としては、特開昭58−154766号に開示
されている方法の一つの原料である一般式(B′)で示
されるアクリル化合物の代わりに、下記一般式(B″)
で示されるアクリル化合物を用い、その他の原料化合
物、反応条件などは特開昭58−154766号開示の方法と同
様にしてシリコーンマクロモノマーを合成し、これをラ
ジカル重合性モノマーとラジカル重合させる方法がある
(特開昭57−129075号)。
(上記一般式においてnは1又は3の整数であり、その
他のR3、R4及びXの意味は、前記一般式(B′)におけ
るものと同じである。) 本発明では以上のようなシリコーン系グラフトポリマ
ーも耐熱性潤滑被覆層に用いることによりポリシロキサ
ンを骨格とする枝ポリマーが表面に配向し、アクリル等
の幹ポリマーは感熱層側になるため、形成される耐熱性
潤滑被覆層は感熱層との接着性が良好であり、また耐熱
性潤滑被覆層の表面にはシリコーン部があるため、摩擦
係数が小さくなり、耐熱性に優れるため、サーマルヘッ
ドとの粘着は少なくなる。また、このシリコーン系グラ
フトポリマーのアクリル等の幹部分とポリシロキサンの
枝部との割合をポリシロキサンが全体の10〜40重量%と
することにより、上記の性質を維持したまま表面の臨界
表面張力を上げることができ、水性や油性インキをはじ
くこともなく、良好に筆記できる状態に保つことができ
る。40重量%よりポリシロキサンが増えると筆記性が悪
くなり、ポリシロキサンが10重量%より少なくなると、
耐熱性が下がり、摩擦係数が大きくなりサーマルヘッド
と粘着し易くなる。
本発明の可逆性感熱記録材料を作るには一般には下記
方法により支持体上に感熱層を形成後、耐熱性潤滑被覆
層を形成する方法が採用されるが、(1)の工程では特
に支持体を用いずに、感熱層材料を通常の成膜法によっ
て自己支持性の感熱シートとしてもよい。
(1) 樹脂母材及び有機低分子物質を溶解した溶液、
又は樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低分子物質を溶
解しないものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状に
分散してなる分散液を、プラスチックフィルム、ガラス
板、金属板等の支持体上に塗布乾燥して感熱層を形成す
る。
(2) その上にシリコーン系グラフトポリマーを溶解
または分散した液を塗布乾燥して耐熱性潤滑被覆層を形
成する。なおこの溶液又は分散液には必要あれば硬化
剤、硬化促進剤、触媒等を混合してもよい。
感熱層形成用の溶媒としては、有機低分子物質及び樹
脂母剤の種類によって各種のものを用いることが可能で
ある。例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭
素、エタノール、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤が挙
げられる。
なお、こうして形成される感熱層においては、有機低
分子物質は樹脂母材中に微粒子として分散状態で存在す
る。
感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子物質を均一
に分散保持した皮膜又はシートを形成すると共に、最大
透明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹
脂母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の
良い樹脂が好ましい。このような樹脂としてはポリ塩化
ビニル;塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
〜酢酸ビニル〜ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
〜酢酸ビニル〜マレイン酸共重合体、塩化ビニル〜アク
リレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化
ビニリデン、塩化ビニリデン〜塩化ビニル共重合体、塩
化ビニリデン〜アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニ
リデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリア
クリレート又はポリメタクリレート或いはアクリレート
〜メタクリレート共重合体、シリコン樹脂等が挙げられ
る。これらは単独で或いは2種以上混合して使用され
る。
一方、有機低分子物質は第1図の温度T0〜T3を選定す
ることに応じて適宜選択すればよいが、融点30〜200
℃、特に50〜150℃程度のものが好ましい。このような
有機低分子物質としてはアルカノール;アルカンジオー
ル;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカンジオ
ール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アルキ
ン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン、ハロゲンア
ルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアル
キン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸または
これらのエステル、アミド、またはアンモニウム塩;飽
和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステ
ル、アミド、またはアンモニウム塩;アリルカルボン酸
またはそれらのエステル、アミドまたはアンモニウム
塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステ
ル、アミド、またはアンモニウム塩;チオアルコール;
チオカルボン酸またはそれらのエステル、アミン、また
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよ
く、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにして
も有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロ
ゲンの少なくとも1種、例えば−OH,−COOH,−CONH,−C
OOR,−NH−,−NH2,−S−,−S−S−,−O−,ハロ
ゲン等を含む化合物であることが好ましい。
更に具体的にはこれら化合物にはラウリン酸、ドデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、
オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メチル、ステ
アリン酸テトラデシル、ステアリン酸アクタデシル、ラ
ウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラデシル、ベ
ヘン酸ドコシル等の高級樹脂酸のエステル; C16H33−O−C16H33,C16H33−S−C16H33 C18H37−S−C18H37,C12H25−S−C12H25 C19H39−S−C19H39,C12H25−S−S−C12H25 等のエーテル又はチオエーテル等がある。
なお感熱層中の有機低分子物質と樹脂母材との割合は
重量比で1:0.5〜1:16程度が好ましく、1:1〜1:2.5がさ
らに好ましい。樹脂母材の比率がこれ以下になると、有
機低分子物質を樹脂母材中に保持した膜を形成すること
が困難となり、一方、これ以上になると、有機低分子物
質の量が少ないため、不透明化が困難となる。
耐熱性潤滑被覆層の厚さは、摩擦係数や臨界表面張力
に影響を与える要因が表面物性に限られるところから、
均一な膜が形成されれば、最低1分子でもあればよく、
厚くても1μm程度がよい。厚みがそれ以上になると、
余分にあるシリコーン系グラフトポリマーが剥離してサ
ーマルヘッドにかすとして付着して画像形成できなくな
ることがある。
感熱層の厚さは、1〜30μm程度が好ましい。厚みが
1μm以下になると、白濁度が下がり、コントラストが
低くなり、30μm以上になると、熱感度が下がる。
以下に本発明を実施例によって説明する。なお「部」
及び「%」はいずれも重量基準である。
実施例 1 100μm厚の透明なポリエステルフィルム上に、 ベヘン酸 8部 ステアリルステアレート 2部 フタル酸ジ−2−エチルヘキシル 2部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 (UCC社製VYHH) 20部 テトラヒドロフラン 150部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して15
μm厚の感熱層を設けた。
その上に環状シロキサンをアニオン重合してなるリビ
ングポリマーとラジカル重合性シリコーン化合物をラジ
カル重合させたシリコーン系グラフトポリマー(ポリシ
ロキサン10重量%)をメタノールに溶解(固形分0.5
%)した溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して0.
8μm厚のシリコーン系グラフトポリマーからなる耐熱
性潤滑被覆層を設け、その後、65℃に再加熱することに
より、透明な可逆性感熱記録材料を作成した。
実施例 2 ポリシロキサンを25重量%含有するシリコーン系グラ
フトポリマーを用いて0.02μm厚の耐熱性潤滑被覆層を
設ける以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
実施例 3 ポリシロキサンを40重量%含有するシリコーン系グラ
フトポリマーを用いて0.1μm厚の耐熱性潤滑被覆層を
設ける以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
実施例 4 厚さを20μmとする以外は、実施例1と同様に感熱層
を設けた。
その上に、アクリル変性シリコーンとラジカル重合性
モノマーをラジカル重合させたシリコーン系グラフトポ
リマー(ポリシロキサン10重量%)をイソプロピルアル
コールに溶解(固形分0.2%)した溶液をワイヤーバー
で塗布し、加熱乾燥して0.01μm厚のシリコーン系グラ
フトポリマーからなる耐熱性潤滑被覆層を設け、その
後、65℃に再加熱することにより、透明な可逆性感熱記
録材料を作成した。
実施例 5 ポリシロキサンを25重量%含有するシリコーン系グラ
フトポリマーを用いて0.05μm厚の耐熱性潤滑被覆層を
設ける以外は、実施例4と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
実施例 6 ポリシロキサンを40重量%含有するシリコーン系グラ
フトポリマーを用いて0.4μm厚の耐熱性潤滑被覆層を
設ける以外は、実施例4と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
比較例 1 ポリシロキサンを5重量%含有するシリコーン系グラ
フトポリマーを用いて、0.1μm厚の耐熱性潤滑被覆層
を設ける以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録
材料を作成した。
比較例 2 ポリシロキサンを50重量%含有するシリコーン系グラ
フトポリマーを用いて、0.05μm厚の耐熱性潤滑被覆層
を設ける以外は、実施例4と同様にして可逆性感熱記録
材料を作成した。
比較例 3 耐熱性潤滑被覆層を設けない以外は、実施例1と同様
にして可逆性感熱記録材料を作成した。
次に以上のようにして作成した可逆性感熱記録材料を
6ドット/mmの薄膜サーマルヘッドを用いて0.5mj/ドッ
トのエネルギーを印加して白濁画像を形成した。また、
オーバーヘッドプロジェクター用水性マーカーで画像を
形成した。
その結果を下表に要約する。
効果 以上述べたように、ポリシロキサン含有量が10〜40重
量%であるシリコーン系グラフトポリマーを主成分とす
る耐熱性潤滑被覆層を設けることによって、サーマルヘ
ッド等の加熱により画像形成する際に、長時間連続印字
してもサーマルヘッドへのかすの付着がなく、走行安定
性に優れ、鮮明な画像が形成でき、且つ水性ペン、油性
ペン等の筆記性を改良した可逆性感熱記録材料を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明可逆性感熱記録材料の記録及び消去原理
の説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも(i)樹脂母材と
    この樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分と
    してなり、温度に依存して透明度が可逆的に変化する感
    熱層を設け、更にその上に(ii)シリコーン系グラフト
    ポリマーを主成分とする耐熱性潤滑被覆層を設けた可逆
    性感熱記録材料において、該シリコーン系グラフトポリ
    マーがポリシロキサンを10〜40重量%含むことを特徴と
    する可逆性感熱記録材料。
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