JP3134900B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

Info

Publication number
JP3134900B2
JP3134900B2 JP04154549A JP15454992A JP3134900B2 JP 3134900 B2 JP3134900 B2 JP 3134900B2 JP 04154549 A JP04154549 A JP 04154549A JP 15454992 A JP15454992 A JP 15454992A JP 3134900 B2 JP3134900 B2 JP 3134900B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
vinyl acetate
vinyl chloride
heat
thermosensitive recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04154549A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05169810A (ja
Inventor
誠 川口
吉彦 堀田
篤 久田見
哲也 天野
行夫 小長谷
邦親 諸星
通 野際
明 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP04154549A priority Critical patent/JP3134900B2/ja
Publication of JPH05169810A publication Critical patent/JPH05169810A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3134900B2 publication Critical patent/JP3134900B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱層の温度による可
逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及び消去を何
度も繰り返して行なうことのできる可逆性感熱記録材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成が行なえ、不要
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものと
しては、ガラス転移温度(Tg)が50〜60℃から8
0℃未満である低ガラス転移温度の塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体のような樹脂母材中に高級脂肪酸のような
有機低分子物質を分散した可逆性感熱記録材料が知られ
ている(特開昭54−119377号、特開昭55−1
54198号などの公報)。
【0003】これら画像形成後の経時での消去性では、
加熱手段として、ヒートローラー、ホットスタンプ、恒
温槽、熱ペン等を用い、加熱時間を長くして画像の消去
を行なった時には消去性には問題はなかったが、サーマ
ルヘッドの発熱体を用い、短い時間(パルス巾 数ms
ec)で経時後の画像を消去する場合と、消去できない
という問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
欠点を解消し、温度に依存して透明度が可逆的に変化す
る可逆性感熱記録材料において、サーマルヘッド等の短
時間の加熱手段を用いても、画像形成後の経時消去性が
良好で、しかも繰り返し耐久性が向上された可逆性感熱
記録材料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、支持体
上に、樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子
物質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変
化する感熱層を設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該
樹脂母材として重合度が1000以上で且つ塩化ビニル
単位と酢酸ビニル単位との重量比(塩化ビニル/酢酸ビ
ニル)が90/10〜60/40である塩化ビニルと酢
酸ビニルを主成分とする共重合体を用いることを特徴と
する可逆性感熱記録材料、更にはこれら記録材料に於い
て、支持体と感熱層との間に接着層を設けたことを特徴
とする可逆性感熱記録材料が提供される。
【0006】即ち、樹脂母材及び樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度
が可逆的に変化する感熱層を有する可逆性感熱記録材料
において、該樹脂母材を検討した結果、該樹脂母材とし
て、重合度が1000以上で且つ塩化ビニル/酢酸ビニ
ルの比が90/10〜60/40の塩化ビニルと酢酸ビ
ニルを主成分とする共重合体を用いることにより、繰り
返しの耐久性を維持したまま、経時後の画像でもサーマ
ルヘッドの短時間の加熱によっても消去することができ
ること、また、上記樹脂母材中に酢酸ビニル単位が40
%を超える塩化ビニルと酢酸ビニルを主成分とする共重
合体を含む樹脂を含有させることにより経時消去性、繰
り返しの耐久性が良好であることを見い出した。
【0007】前記樹脂母材である塩化ビニルと酢酸ビニ
ルを主成分とする共重合体を用いることにより、サーマ
ルヘッドの短時間の加熱により経時後の画像の消去性が
向上する理由は定かではないが、塩化ビニルと酢酸ビニ
ルを主成分とする共重合体の重合度が高くなることによ
り、樹脂母材の溶融粘度が高く、樹脂母材の変形が少な
くなるため、樹脂母材中に分散している有機低分子物質
の粒子形成がこわされず、繰り返しの耐久性が良くな
り、また、酢酸ビニルの割合が増えることにより、樹脂
母材の柔軟性が向上しサーマルヘッドの熱と圧力を同時
に加えるか熱手段を用いると樹脂母材が圧縮され、有機
低分子物質に熱伝達が良くなるため、経時後の画像が消
去しやすくなるものと思われる。
【0008】樹脂母材の重合度は1000以上でなお且
つ、塩化ビニル単位と酢酸ビニル単位の比(重量)が9
0/10〜60/40が、経時消去性及び繰り返しの耐
久性が良好である。また、酢酸ビニル比が40%を超え
る共重合体を混合することにより樹脂母材と有機低分子
物質間の相溶性が更に向上すると思われ、繰り返し耐久
性を維持したまま、経時消去性を向上させることも可能
となる。樹脂母材の酢酸ビニル比が10未満の共重合体
又は重合度が1000未満では、繰り返しの耐久性は良
いが、経時消去性が悪く、酢酸ビニル比が40を越える
共重合体では、繰り返しの耐久性が悪くなる。
【0009】本発明の可逆性感熱記録材料は、前記のご
とき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用し
ており、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次の
ように推測される。すなわち、(i)透明の場合には樹脂
母材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子
物質の大きな粒子で構成されており、片側から入射した
光は散乱されること無く反対側に透過するため透明に見
えること、また、(ii)白濁の場合には有機低分子物質
の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶
で構成され、個々の結晶の結晶軸がいろいろな方向を向
いているため片側から入射した光は有機低分子物質粒子
の結晶の界面で何度も屈折し、散乱されるため白く見え
ること、等に由来している。
【0010】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2
に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T2からT0
以下に至るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多
結晶から単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。
更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不
透明度との中間の半透明状態になる。次に、この温度を
下げて行くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁
不透明状態に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物
質が溶融後、冷却されることにより多結晶が析出するた
めであると考えられる。なお、この不透明状態のものを
1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温
度に冷却した場合には透明と不透明との中間の状態をと
ることができる。また、前記常温で透明になったものも
再びT3以上の温度に加熱した後常温に戻せば、再び白
濁不透明状態に戻る。即ち、常温で不透明及び透明の両
形態並びにその中間状態をとることができる。従って、
熱を選択的に与えることにより感熱層を選択的に加熱
し、透明地に白濁画像、白濁地に透明画像を形成するこ
とができ、その変化は何回も繰り返することが可能であ
る。そして、このような感熱体の背面に着色シートを配
置すれば、白地に着色シートの色の画像または着色シー
トの地に白色の画像を形成することができる。また、O
HP(オーバーヘッドプロジェクター)などで投影すれ
ば、白濁部は暗部になり、透明部は光が透過しスクリー
ン上では明部となる。
【0011】このような可逆性感熱記録材料を用いて画
像の形成と消去とを行なうには、画像形成用と画像消去
用の二つのサーマルヘッドを持つか、若しくは、印加エ
ネルギー条件を変化させることにより画像形成及び画像
消去を行なう単一のサーマルヘッドを持つものの使用が
有効である。前者の場合には、2つのサーマルヘッドが
必要なため装置のコストは上がるが、それぞれのサーマ
ルヘッドのエネルギー印加条件を別々にし可逆性感熱記
録材料を1回通せば、画像の形成と消去とを行なうこと
でができる。後者の場合には、一つのサーマルヘッドで
画像の形成及び消去を行なうため、感熱記録材料が通過
する1回にサーマルヘッドにエネルギーを印加する条件
を画像を形成する部位、消去する部位に合わせて細かく
変えていくか、または、一度感熱記録材料上の画像を消
去した後もう一度感熱記録材料を逆向きに走行させ別の
エネルギー条件で画像を形成する等、操作は複雑化する
がサーマルヘッドが1つであるため装置コストは安くな
る。
【0012】本発明において可逆性感熱記録材料を作る
には樹脂母材及び有機低分子物質を溶解した溶液、又は
樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低分子物質のうちの
少なくとも1種を溶解しないものを用いる)に有機低分
子物質を微粒子状に分散した分散液に、必要に応じてス
ペーサー粒子を分散せしめ、プラスチックフィルム、ガ
ラス板、金属板などの支持体上に塗布乾燥して積層の感
熱層を形成せしめればよい。感熱層又は感熱記録材料作
成用溶剤としては、樹脂母材及び有機低分子物質の種類
によって種々選択できるが、例えばテトラヒドロフラ
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベン
ゼン等が挙げられる。なお、分散液を使用した場合はも
ちろんであるが、溶液を使用した場合も得られる感熱層
中では有機低分子物質は微粒子として析出し、分散状態
で存在する。
【0013】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するもの(図1に示し
た温度T1〜T3の範囲で変化するもの)であればよく、
一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程
度のものが使用される。このような有機低分子物質とし
てはアルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカ
ノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミ
ン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカ
ン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアル
カン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または不
飽和モノまたはジカルボン酸又はこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂
肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム
塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド
又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸または
それらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオア
ルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミ
ンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸
エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上
混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜
60、好ましくは10〜38、特に10〜30が好まし
い。エステル中のアルコール基部分は飽和していてもよ
く、飽和していなくてもよく、またハロゲン置換されて
いてもよい。いずれにしても有機低分子物質は分子中に
酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少くとも1種、例えば
−OH、−COOH、−CONH、−COOR、−N
H、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン
等を含む化合物であることが好ましい。
【0014】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、ヘンイコサン酸、トリコサン酸、リ
グノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコ
サン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸等の高級
脂肪酸;ステアリン酸メチル、ステアリン酸テトラデシ
ル、ステアリン酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシ
ル、パルミチン酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の
高級脂肪酸のエステル; 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ペンタデカン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ヘイコサン酸、トリコサン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の炭素
数16以上の高級脂肪酸が好ましく、炭素数16〜24
の高級脂肪酸が更に好ましい。また、透明化できる温度
の巾を広げるには、この明細書において記載した有機低
分子物質を適宜組合せるか、または、そうした有機低分
子物質と融点の異なる他の材料とを組合せればよい。こ
れらは例えば特開昭63−39378号、特開昭63−
130380号などの公報や、特願昭63−14754
号、特願平1−140109号などの明細書に開示され
ているが、これらに限定されるものではない。
【0015】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂母
材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度が好まし
く、1:2〜1:6が更に好ましい。樹脂母材の比率が
これ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材中に保持
した膜に形成することが困難となり、またこれ以上にな
ると、有機低分子物質の量が少ないため、不透明化が困
難になる。
【0016】感熱層の厚みは1〜30μmが好ましく、
2〜20μmがさらに好ましい。感熱層が厚すぎると層
内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難と
なる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下しコント
ラストが低くなる。更に、感熱層中の有機低分子物質の
量を増加させると白濁度を増すことができる。
【0017】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−
エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレ
ジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2
−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ
−2−エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾ
エート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラ
ート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノー
ル酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセ
チルクエン酸トリブチル。
【0018】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳
香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エス
テルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖
アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長
鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレー
ト〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マレ
イン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合
体。
【0019】本発明において、可逆性感熱記録材料の支
持体としては、前記したようにプラスチックフィルム、
ガラス板、金属板等が用いられる。支持体がAl蒸着層
のような樹脂との接着力に乏しい材質の場合には、支持
体と感熱層との間に接着層を設けてもよい。
【0020】また、本発明の感熱層上に、サーマルヘッ
ド等の書き込み法による加熱手段の熱と圧力で表面が変
形して透明部の透明度が低下するのを防ぐため、保護層
を設けても良い。感熱層上に積層する保護層(厚さ0.
1〜10μm)の材料としてはシリコーン系ゴム、シリ
コーン樹脂(特開昭63−221087号公報に記
載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特開昭63−
317385号に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬
化樹脂(特開平2−566号に記載)等が挙げられる。
いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、その溶剤
は、感熱層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶解しにく
いほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分子物質を
溶解しにくい溶剤としてn−ヘキサン、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙
げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面から望まし
い。
【0021】更に、保護層形成液の溶剤やモノマー成分
等から可逆性記録材料を保護するために、保護層と可逆
性記録材料との間に中間層を設けることができる(特開
平1−133781号公報に記載)。中間層の材料とし
ては感熱層中に樹脂母材として挙げたものの他に下記の
ような熱硬化性樹脂、熱可逆性樹が使用可能である。即
ち、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエス
テル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等が挙げられる。中間層の厚さは用途に
よる異なるが0.1〜2μmくらいが好ましい。これ以
下になると、保護効果が下がり、これ以上となると熱感
度が低下する。
【0022】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、こ
こでの部及び%はともに重量基準である。
【0023】実施例1 約188μm厚の白色PET上に、 r−Fe23 10部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重 10部 合体(UCC社製;VAGH) イソシアネート(日本ポリウレタン社製 コロネートL 2部 50%トルエン溶液) メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 よりなる液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約1
0μm厚の磁気記録層を設けた。その上に、 特殊アクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業社製 10部 ユニデックC7−164、49%酢酸ブチル溶液) トルエン 4部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し加熱乾燥後80W
/cmの紫外線ランプで紫外線を5秒間照射して約1.
5μm厚の平滑層を設けた。その上にAlを約400Å
厚となるように真空蒸着し、光反射層を設けた。さらに
その上に、 塩化ビニル〜酢酸ビニル〜リン酸エステル共重合体 (電気化学工業社製:デンカビニール#1000P) 10部 T.H.F(テトラヒドロフラン) 90部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約0.5μm厚の
接着層を設けた。さらに、その上に、 ステアリン酸 5部 エイコサン2酸 5部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工業 社製:20−1491 塩化ビニル80%、酢 酸ビニル20%、重合度1300) 39部 T.H.F(テトラヒドロフラン) 100部 トルエン 65部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約5μm厚の加熱
層(可逆性感熱記録層)を設けた。さらにその上に、 ポリアミド樹脂(東レ社製:CM8000) 10部 メタノール 90部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して1μm厚の中間を
設けた。さらにその上に、 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の 75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学 社製、ユニデックC7−157) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、8
0W/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚の保
護層を設けて可逆性感熱記録材料をつくった。
【0024】実施例2 感熱層の樹脂として、 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1500 塩化ビニル80%、 酢酸ビニル20%、重合度1800) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0025】実施例3 感熱層の樹脂として、 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1499 塩化ビニル80%、 酢酸ビニル20%、重合度2400) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0026】実施例4 感熱層の樹脂として 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1501 塩化ビニル80%、 酢酸ビニル20%、重合度3000) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0027】実施例5 感熱層の樹脂として 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1504 塩化ビニル70%、 酢酸ビニル30%、重合度1300) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0028】実施例6 感熱層の樹脂として 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1509 塩化ビニル70%、 酢酸ビニル30%、重合度1800) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0029】実施例7 感熱層の樹脂として 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1505 塩化ビニル70%、 酢酸ビニル30%、重合度2400) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0030】実施例8 感熱層の樹脂として 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工 業社製:20−1507 塩化ビニル70%、 酢酸ビニル30%、重合度3000) 39部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0031】実施例9 光反射層の上に接着層を設けなかった以外は実施例1と
同様にしてい可逆性感熱記録材料を作成した。以上のよ
うに作成した実施例9と実施例1の記録媒体の各々の表
面にカッターナイフで格子状の切り傷をつけ、セロテー
プをその表面に貼り、そのセロテープを剥がして感熱記
録層の接着性のテストを行なった結果、実施例9の記録
層はA1層との界面から剥がれたが、実施例1の記録層
は剥がれなかった。
【0032】比較例1 感熱層の樹脂として、 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (電気化学工業社製:デンカビニール #1000MT 塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、重合度600) 39部 を用いる以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を
作成した。
【0033】比較例2 感熱層の樹脂として、 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 (電気化学工業社製:デンカビニール #1000P 塩化ビニル84%、酢酸ビニル15%、リン酸エステル1%、 重合度400) 39部 を用いる以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を
作成した。
【0034】以上のようにして作成した可逆性感熱記録
材料を8dost/mmのサーマルヘッドを用い、印字
画像を形成し、サーマルヘッドを用い画像を消去し、透
明にした。その印字画像の形成と消去を100回くりか
えした時の画像濃度と初期画像濃度の差を表1に示し
た。経時消去性は、最適な消去エネルギーで画像形成後
をすぐに消去したときの濃度と、画像形成し24時間経
過後に同一消去エネルギーで消去したときの濃度で示し
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】実施例及び比較例の記載から明らかな様
に、本発明の可逆性感熱記録材料は、感熱層の樹脂母材
として、重合度が1000以上で且つ、塩化ビニル単位
と酢酸ビニル単位の比(重量)が90/10〜60/4
0の塩化ビニルと酢酸ビニルを主成分とする共重合体を
用いることにより、経時後の画像を消去することがで
き、なお且つ、繰り返しの耐久性を維持することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性感熱記録材料の熱による透
明度の変化を表わした図である。
フロントページの続き (72)発明者 天野 哲也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 小長谷 行夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 諸星 邦親 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 野際 通 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 鈴木 明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平3−253388(JP,A) 特開 平2−162091(JP,A) 特開 平1−133781(JP,A) 特開 平5−169809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に
    分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存し
    て透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感熱
    記録材料に於いて、該樹脂母材として重合度が1000
    以上で且つ塩化ビニル単位と酢酸ビニル単位との重量比
    (塩化ビニル/酢酸ビニル)が90/10〜60/40
    である塩化ビニルと酢酸ビニルを主成分とする共重合体
    を用いることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体と感熱層との間に接着層を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録材料。
JP04154549A 1991-05-27 1992-05-20 可逆性感熱記録材料 Expired - Fee Related JP3134900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04154549A JP3134900B2 (ja) 1991-05-27 1992-05-20 可逆性感熱記録材料

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15106091 1991-05-27
JP3-151060 1991-08-30
JP24501291 1991-08-30
JP3-245012 1991-08-30
JP04154549A JP3134900B2 (ja) 1991-05-27 1992-05-20 可逆性感熱記録材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05169810A JPH05169810A (ja) 1993-07-09
JP3134900B2 true JP3134900B2 (ja) 2001-02-13

Family

ID=27320047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04154549A Expired - Fee Related JP3134900B2 (ja) 1991-05-27 1992-05-20 可逆性感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3134900B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPM985594A0 (en) * 1994-12-02 1995-01-05 Ledger Engineering Pty Ltd Improved gyratory crusher

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05169810A (ja) 1993-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3177060B2 (ja) 可逆性感熱記録ラベル及びカード
JP2665851B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2665857B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3161199B2 (ja) 可逆性感熱記録材料の画像消去方法
JP3350821B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3336530B2 (ja) 情報記録媒体及びそれを用いた印字方法
JP3134900B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3164383B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3116971B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2972896B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3044590B2 (ja) 可逆性感熱記録材料の製造方法
JP2662680B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07179060A (ja) カード処理方法
JP3115070B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH0615958A (ja) 消去装置
JP3255439B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPS63317385A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3072864B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3047001B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3239144B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH05294066A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH0615955A (ja) 画像消去方法
JP3090501B2 (ja) 可逆性感熱記録方法及び可逆性感熱記録装置
JPH04347684A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH0624128A (ja) 可逆性感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees