JP3239144B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JP3239144B2 JP21461092A JP21461092A JP3239144B2 JP 3239144 B2 JP3239144 B2 JP 3239144B2 JP 21461092 A JP21461092 A JP 21461092A JP 21461092 A JP21461092 A JP 21461092A JP 3239144 B2 JP3239144 B2 JP 3239144B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱層の温度による可
逆的な透明度変化を利用して、画像の形成及び消去を何
度も繰り返して行なうことのできる可逆性感熱記録材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成を行なえ、不要
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものと
しては、ガラス転移温度(Tg)が50〜60℃から8
0℃未満である低ガラス転移温度の塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合
体、ポリエステルのような樹脂母材中に高級脂肪酸のよ
うな有機低分子物質を分散した可逆性感熱記録材料が知
られている(特開昭54−119377号、特開昭55
−154198号、特開平2−1363号などの公
報)。また樹脂母材として、スチレン−ブタジエン共重
合体から成る形状記憶樹脂を用いたものも知られている
(特開平3−169590号公報)。
【0003】しかし乍ら、樹脂母材として塩化ビニル系
樹脂、塩化ビニリデン系樹脂を用いた場合は、画像形成
時及び消去時の加熱により該樹脂の分解による有害なハ
ロゲン化合物が生成され、しかも熱により変色する。ま
た、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体を用
いた場合は、透明−白濁のコントラストが劣る。しかも
これら従来の可逆性感熱記録材料は機械的変形に対して
回復力が充分でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な欠点を解消し、温度に依存して透明状態と白濁状態が
可逆的に変化する可逆性感熱記録材料において、透明−
白濁のコントラストが良好で、機械的変形に対して回復
力が優れ、しかも無害な可逆性感熱記録材料を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、支持体
上に樹脂母材及び樹脂母材中に分散された有機低分子物
質を主成分とし、温度に依存して透明度が可逆的に変化
する感熱層を設けた可逆性感熱記録材料において、該樹
脂母材として、ガラス転移点が35℃以上のポリウレタ
ンを用いること(但し、該有機低分子物質として、結晶
粒子が融点120℃以上の脂肪族ジカルボン酸と、水素
結合性の水酸基、カルボキシル基、あるいは酸アミド基
の少なくとも1つの基を有し融点が50〜100℃であ
る直鎖脂肪族化合物とを含む混合物を用いる場合を除
く)を特徴とする可逆性感熱記録材料が提供される。
【0006】即ち、樹脂母材及び樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して透明度
が可逆的に変化する感熱層を有する可逆性感熱記録材料
において、該樹脂母材について鋭意検討した結果、該樹
脂母材として、ガラス転移点が35℃以上のポリウレタ
ンを用いることにより、透明−白濁変化のコントラスト
が良好で、サーマルヘッド等の圧力による機械的変形に
対しての回復力が優れ、しかも熱分解によっても有害物
質が発生しない可逆性感熱記録材料が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】樹脂母材として前記ガラス転移点が35℃
以上のポリウレタンを用いることにより、透明−白濁の
コントラストが良好である理由は定かではないが、この
ようなポリウレタンは層中で有機低分子物質の粒子を形
成させやすく、また軟質状態では有機低分子物質の粒子
が形成されても、該粒子を単結晶から多結晶へひずませ
る力が生じる程の応力が生じないため、有機低分子物質
はどんな温度を与えても単結晶のまま存在するためと考
えられる。
【0008】本発明の感熱層の樹脂母材として用いるガ
ラス転移点が35℃以上のポリウレタンとしては、市販
品として三菱重工業(株)製のMM3500、MM45
00、MM5500等が挙げられる。
【0009】本発明の可逆性感熱記録材料は、前記のご
とき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)利用して
おり、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよ
うに推測される。すなわち、(i)透明の場合には樹脂
母材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子
物質の大きな粒子で構成されており、片側から入射した
光は散乱されること無く反対側に透過するため透明に見
えること、また、(ii)白濁の場合には有機低分子物
質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結
晶で構成され、ここの結晶の結晶軸がいろいろな方向を
向いているため片側から入射した光は有機低分子物質粒
子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱されるため白く見
えること、等に由来している。
【0010】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2
に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T2からT0
以下に至るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多
結晶から単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。
更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不
透明度との中間の半透明態になる。次に、この温度を下
げていくと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不
透明状態に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質
が溶融後、冷却されることにより多結晶が析出するため
であると考えられる。なお、この不透明状態のものをT
1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度
に冷却した場合には透明と不透明との中間の状態をとる
ことができる。また、前記常温で透明になったものも再
びT3以上の温度に加熱した後常温に戻せば、再び白濁
不透明状態に戻る。即ち、常温で不透明及び透明の両形
態並びにその中間状態をとることができる。従って、熱
を選択的に与えることにより感熱層を選択的に加熱し、
透明地に白濁画像、白濁地に透明画像を形成することが
でき、その変化は何回も繰り返することが可能である。
【0011】そして、このような感熱体の背面に着色シ
ートを配置すれば、白地に着色シートの色の画像または
着色シートの色の地に白色の画像を形成することができ
る。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)な
どで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は光が透
過しスクリーン上では明部となる。
【0012】このような可逆性感熱記録材料を用いて画
像の形成と消去とを行なうには、画像形成用と画像消去
用の二つのサーマルヘッドを持つか、若しくは、印加エ
ネルギー条件を変化させることにより画像形成及び画像
消去を行なう単一のサーマルヘッドを持つものの使用が
有効である。前者の場合には、2つのサーマルヘッドが
必要なため装置のコストは上がるが、それぞれのサーマ
ルヘッドのエネルギー印加条件を別々にし可逆性感熱記
録材料を1回通せば、画像の形成と消去とを行なうこと
ができる。後者の場合には、一つのサーマルヘッドで画
像の形成及び消去を行なうため、感熱記録材料が通過す
る1回にサーマルヘッドにエネルギーを印加する条件を
画像を形成する部位、消去する部位に合わせて細かく変
えていくか、または、一度感熱記録材料上の画像を消去
した後もう一度感熱記録材料を逆向きに走行させ別のエ
ネルギー条件で画像を形成する等、操作は複雑化するが
サーマルヘッドが一つであるため装置コストは安くな
る。
【0013】本発明で用いられる可逆性感熱記録材料を
作るには一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2
成分を溶解した溶液または(2)樹脂母材の溶液(溶剤
としては有機低分子物質のうちの少なくとも1種を溶解
しないものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状に分
散した分散液をプラスチックフィルム、ガラス板、金属
板などの支持体上に塗布乾燥して積層の感熱層を形成せ
しめればよい。感熱層または感熱記録材料作成用溶剤と
しては、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種
々選択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、
四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げ
られる。なお、分散液を使用した場合はもちろんである
が、溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低
分子物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0014】本発明の可逆性感熱記録材料の感熱層の樹
脂母材に用いられる樹脂は、前記したガラス転移点が3
5℃以上のポリウレタンである。該ポリウレタンは単独
で用いてもよいが、物性、性能を損わない範囲で、樹脂
母材として従来公知の樹脂と混合して用いてもよい。
【0015】本発明の可逆性感熱記録材料において用い
る有機低分子物質としては記録層中で熱により多結晶か
ら単結晶に変化するもの(図1に示した温度T1〜T3の
範囲で変化するもの)であればよく、一般に融点30〜
200℃、好ましくは50〜150℃程度のものが使用
される。但し、結晶粒子が融点120℃以上の脂肪族ジ
カルボン酸と、水素結合性の水酸基、カルボキシル基、
あるいは酸アミド基の少なくとも1つの基を有し融点が
50〜100℃である直鎖脂肪族化合物とを含む混合物
を除く。このような有機低分子物質としてはアルカノー
ル;アルカンジオール;ハロゲンアルカノールまたはハ
ロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;
アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアル
ケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアル
ケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノまたはジ
カルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニ
ウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれら
のエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリールカル
ボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアンモニウ
ム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステ
ル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオ
カルボン酸又はそれらのエステル、アミンまたはアンモ
ニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用さ
れる。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましく
は10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中
のアルコール基部分は飽和していてもよく、飽和してい
なくてもよく、またハロゲン置換されていてもよい。い
ずれにしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫
黄及びハロゲンの少くとも1種、例えば−OH、−CO
OH、−CONH、−COOR、−NH、−NH2、−
S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物で
あることが好ましい。
【0016】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、ヘンイコサン酸、トリコサン酸、
リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタ
コサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ノナデカン酸、オ
レイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メチル、ステア
リン酸テトラデシル、ステアリン酸オクタデシル、ラウ
リン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラデシル、ベヘ
ン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエステル;C1633−O
−C1633 , C1633−S−C1633 ,C1837
−S−C1837 , C1225−S−C1225 ,C19
39−S−C1939 , C1225−S−S−C1225
等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ペンタデカン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸、セロチン酸、マルガリン酸、ヘンイコ
サン酸、トリコサン酸、等の炭素数16以上の高級脂肪
酸が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好
ましい。
【0017】また先に挙げた有機艇分子物質の中の一種
を有機低分子物質として用い、別の種類の有機低分子物
質を結晶成長を制御する物質として用いることもでき
る。例えばステアリン酸を有機低分子物質とし、ステア
リルアルコールを結晶成長を制御する物質として用い
る。
【0018】また透明化できる温度の巾を広げるには、
この明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合
せるか、または、そうした有機低分子物質と融点の異な
る他の材料とを組合せれば良い。これらは例えば特開昭
63−39378号、特開昭63−130380号など
の公報や、特願昭63−14754号、特願平1−14
0109号などの明細書に開示されているが、これらに
限定されるものではない。
【0019】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂母
材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度が好まし
く、1:2〜1:6が更に好ましい。樹脂母材の比率が
これ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材中に保持
した膜に形成することが困難となり、またこれ以上にな
ると、有機低分子物質の量が少ないため、不透明化が困
難になる。
【0020】感熱層の厚みは1〜30μmが好ましく、
2〜20μmがさらに好ましい。感熱層が厚すぎると層
内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難と
なる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下しコント
ラストが低くなる。更に、感熱層中の有機低分子物質の
量を増加させると白濁度を増すことができる。
【0021】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−
エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレ
ジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2
−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ
−2−エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾ
エート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラ
ート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノー
ル酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセ
チルクエン酸トリブチル。
【0022】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳
香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エス
テルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖
アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長
鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレー
ト〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マレ
イン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合
体。
【0023】本発明において、可逆性感熱記録材料の支
持体としては、プラスチックフィルム、ガラス板、金属
板等が用いられる。また、支持体が金属のような樹脂と
の接着力に乏しい材質の場合には、支持体と感熱層との
間に接着層を設けなければならない。このような接着層
に用いられる樹脂としては、金属との接着性がよく、且
つ感熱記録層の成分に悪影響を与えないものならば特に
限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げら
れる。具体的には、感熱記録層と金属薄膜層の双方との
接着性から飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
リン酸エステル共重合体がある。また、塩化ビニルと共
重合する他のモノマーの例としては酢酸ビニル等のカル
ボン酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエー
テル、マレイン酸及びマレイン酸エステル、スチレン、
プロピレン、エチレン等が挙げられる。本発明はこれら
のモノマーの1種以上を塩化ビニルと前記ビニル基含有
リン酸エステルと共に共重合して使用することができ
る。
【0024】また、樹脂母材中に接着性を改善させうる
添加剤を混入させて、支持体と感熱層との接着性を向上
させることもできる。このような添加剤としては、感熱
層の本来の機能をそこなわないものであれば何でもよ
く、例えば、ビニルアルコール、マレイン酸、リン酸エ
ステル等が挙げられる。なお、感熱層中の、樹脂母材と
添加剤の割合は重量比で1:0.1〜1:0.01が好
ましい。
【0025】この記録材料の画像を反射画像として用い
る場合には、記録層の背面に光を反射する層を設けると
記録層の厚みを薄くしてもコントラストを上げることが
できる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着すること
が挙げられる(特開昭64−14079号に記載)。
【0026】また、感熱層上に感熱層を保護するために
保護層を設けることができる。感熱層上に積層する保護
層(厚み0.1〜10μm)の材料としては、シリコー
ン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087
号公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特
開昭63−317385号に記載)や紫外線硬化樹脂又
は電子線効果樹脂(特開平2−566号に記載)等が挙
げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、
その溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分子を溶解し
にくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分子を
溶解しにくい溶剤としてはn−ヘキサン、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が
挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面から望ま
しい。
【0027】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1−133
781号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中
の樹脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和
ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げ
られる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好まし
い。
【0028】更に、磁気記録層を設け、カードとして用
いることも可能である(実開平2−3876号)。
【0029】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、こ
こでの部、%は重量基準である。
【0030】実施例1 50μm厚のポリエステルフィルム上に、 ベヘン酸 125部 ポリウレタン(ガラス転移点55℃、MM−5500、 DMF 30%溶液、三菱重工(株)) 580部 THF 1110部 よりなる感熱層形成用溶液をワイヤーバーで塗布し、加
熱乾燥して、10μm〜12μmの厚さの感熱層を設け
ることにより、可逆性感熱記録材料を作成した。
【0031】実施例2 樹脂母材として、ポリウレタン(ガラス転移点35℃、
MM−3500 DMF 30%溶液、三菱重工(株))
を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
【0032】実施例3 50μm厚のポリエステルフィルム上に、 ベヘン酸 75部 HOOC(CH213COOH 50部 ポリウレタン(ガラス転移点55℃、MM−5500、 DMF 30%溶液、三菱重工(株)) 580部 THF 1110部 よりなる感熱層形成用溶液をワイヤーバーで塗布し、加
熱乾燥して、10μm〜12μmの厚さの感熱層を設け
ることにより、可逆性感熱記録材料を作成した。
【0033】比較例1 ベヘン酸 125部 ポリエステル(バイロン200 東洋紡(株)) 175部 THF 1110部 よりなる感熱層形成用溶液を使用する以外、実施例1と
同様にして可逆性感熱記録材料を作成した。
【0034】比較例2 樹脂母材として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VY
HH UCC社)を用いる以外、比較例1と同様にして
可逆性感熱記録材料を作成した。
【0035】比較例3 樹脂母材としてポリウレタン(ガラス転移点25℃、M
M−2500、DMF30%溶液、三菱重工(株))を
用いる以外、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料
を作成した。
【0036】これらの記録材料について、50℃から1
℃ずつ段階的に最高120℃まで加熱後、室温まで冷却
し、これを黒色画用紙上に置き、マクベス反射濃度計
(RD514)で反射濃度を測定した。またこれらの記
録材料を折曲げた後、80〜100℃での熱処理後の回
復状態を評価した。これらの結果を次の表1に示した。
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録材料は、感熱層
を構成する樹脂母材として、ガラス転移点が35℃以上
のポリウレタンを使用したことにより、透明−白濁のコ
ントラストが良好で、サーマルヘッド等で加熱しても熱
分解による有害物の発生がなく、そのためヘッド腐敗が
防止でき、機械的変形に対してヒートロール等熱源によ
る回復力に優れ、しかも、ポリエステル支持体との密着
性、可撓性、製膜性(表面性)にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性感熱記録材料の熱による透
明度の変化を表わした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 哲也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平5−318913(JP,A) 特開 平4−299179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、樹脂母材及び樹脂母材中に
    分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存し
    て透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感熱
    記録材料において、該樹脂母材として、ガラス転移点が
    35℃以上のポリウレタンを用いること(但し、該有機
    低分子物質として、結晶粒子が融点120℃以上の脂肪
    族ジカルボン酸と、水素結合性の水酸基、カルボキシル
    基、あるいは酸アミド基の少なくとも1つの基を有し融
    点が50〜100℃である直鎖脂肪族化合物とを含む混
    合物を用いる場合を除く)を特徴とする可逆性感熱記録
    材料。
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