JP2972896B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、温度による可逆的な透明度変化を利用し
て、記録及び消去を行なうための可逆性感熱記録材料に
関する。
〔従来の技術〕
近年、一時的な画像形成が行なえ、不要となった時に
はその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録材
料が注目されている。その代表的なものとしては、ガラ
ス転移温度(Tg)が50〜60℃から80℃未満である低ガラ
ス転移温度の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のような
樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散
した可逆性感熱記録材料が知られている(特開昭54−11
9377号、特開昭55−154198号などの公報)。
これらの画像形成時及び消去時の加熱方法としてヒー
トローラーや熱ペン等を用い、圧力をあまり加えず熱の
みを加えた場合には、繰り返し画像の形成−消去を行な
っても耐久性に問題は生じない。しかし、サーマルヘッ
ド等を用い圧力を加え、同時に加熱する場合には、画像
の形成・消去を繰り返すうちに有機低分子物質微粒子の
周囲の樹脂母材が変形し、細かく分散された有機低分子
物質粒子が次第に大きな径の粒子となり、光を散乱させ
る効果が少なくなって(白濁度が低下し)、遂には、画
像及びコントラストが低下してしまうという欠点があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記のような欠点を解消し、サーマルヘッド
等の熱と圧力を同時に加える加熱手段を用いて画像形成
−消去を行なっても白濁度の低下が少なく、しかも繰り
返し耐久性が向上された可逆性感熱記録材料を提供する
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、支持体上に樹脂母材及びこの樹脂母材中に
分散された有機低分子物質を主成分とし温度に依存して
透明度が可逆的に変化する感熱層(記録層)が設けられ
た可逆性感熱記録材料において、該感熱層は支持体側に
位置する第一感熱層と表面側に位置する第二感熱層との
積層からなり、その第一感熱層は該樹脂母材としてガラ
ス転移温度(Tg)80℃未満の樹脂及び有機低分子物質を
主成分としており、その第二感熱層は該樹脂母材として
ガラス転移温度(Tg)80℃以上の樹脂及び有機低分子物
質を主成分としていることを特徴としたものである。
なお、本発明における感熱層は上記のように二層に限
られるものではなく、要は、支持体側から自由表面側乃
至保護層側に向うに従って、段階的に又は連続的に樹脂
母材としてのガラス転移温度が80℃未満から80℃以上の
ものへと順に高くなっていくような層構成が採用されれ
ば十分である。しかし、本発明者らの実験によれば二層
構造のものが最も良好な結果の得られることが確められ
ている。
感熱層を二層構成とした場合何故良好な結果が得られ
るかについての検討は必ずしも明らかになっていない
が、次のように考えられる。即ち、Tg80℃未満の耐熱
性の劣る樹脂母材は支持体に接して又はその近傍に位置
するため、樹脂母材はサーマルヘッドや熱ローラなどに
よる加熱、加圧の影響が少なく、また、Tgが低いために
加熱及び加圧の条件下においても透明−白濁変化のコン
トラストを維持できる。一方、Tg80℃以上の耐熱性を
有する樹脂母材はサーマルヘッドや熱ローラに接して又
はその近傍に位置するため、サーマルヘッドや熱ローラ
などによる加熱、加圧によっても樹脂母材は変形しにく
く、加熱を何度くり返しても、樹脂母材中に分散された
有機低分子物質は細かい粒子のまま維持され、画像コン
トラストは維持される。
本発明はかかる知見に基づいてなさたものである。
本発明で用いられる可逆性感熱記録材料は、前記のご
とき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用し
ており、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次の
ように推測される。
すなわち、(i)透明の場合には樹脂母材中に分散さ
れた有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の大きな粒
子で構成されており、片側から入射した光は散乱される
こと無く反対側に透過するため透明に見えること、ま
た、(ii)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は有機
低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶で構成され、
個々の結晶の結晶軸がいろいろな方向を向いているため
片側から入射した光は有機低分子物質粒子の結晶の界面
で何度も屈折し、散乱されるため白く見えること、等に
由来している。
第1図(熱による透明度の変化を表わしている)にお
いて、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散された有機低
分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0以下の常
温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加熱する
と透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻しても
透明のままである。これは温度T2からT0以下に至るまで
に有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から単結晶
へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3以上の温
度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との中間の
半透明状態になる。次に、この温度を下げて行くと、再
び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻
る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融後、冷却
されることにより多結晶が析出するためであると考えら
れる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に
加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には
透明と不透明との中間の状態をとることができる。ま
た、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度に
加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻る。
即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその中間状
態をとることができる。
従って、熱を選択的に与えることにより感熱層を選択
的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁に透明画像を形成
することができ、その変化は何回も繰り返することが可
能である。そして、このような感熱層の背面に着色シー
トを配置すれば、白地に着色シートの色の画像または着
色シートの色の地に白色の画像を形成することができ
る。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)など
で投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は光が透過
しスクリーン上では明部となる。
第一感熱層の厚さは0.5〜20μmくらいで好ましくは
1〜15μmである。また、第二感熱層の厚さは0.5〜20
μmくらいで好ましくは1〜15μmくらいである。但
し、これら感熱層全体の厚さは1〜30μmが好ましく、
2〜20μmがさらに好ましい。感熱層のそれぞれが厚す
ぎると各層内での熱の分布が発生し均一に透明化するこ
とが困難となる。また、第一感熱層、第二感熱層のそれ
ぞれが薄すぎると各層内での白濁度が低下しコントラス
トが低くなる。なお、第一、第二の感熱層とも含有され
る脂肪酸の量を増加させると白色度を増すことができ
る。
このような可逆性感熱記録材料を用いて画像の形成と
消去とを行なうには、画像形成用と画像消去用の二つの
サーマルヘッドを持つか、若しくは、印加エネルギー条
件を変化させることにより画像形成及び画像消去を行な
う単一のサーマルヘッドを持つものの使用が有効であ
る。
前者の場合には、2つのサーマルヘッドが必要なため
装置のコストは上がるが、それぞれのサーマルヘッドの
エネルギー印加条件を別々にし可逆性感熱記録材料を1
回通せば、画像の形成と消去とを行なうことができる。
後者の場合には、一つのサーマルヘッドで画像の形成及
び消去を行なうため、感熱記録材料が通過する1回にサ
ーマルヘッドにエネルギーを印加する条件を画像を形成
する部位、消去する部位に合わせえ細かく変えていく
か、または、一度感熱記録材料上の画像を消去した後も
う一度感熱記録材料を逆向きに走行させ別のエネルギー
条件で画像を形成する等、操作は複雑化するがサーマル
ヘッドが1つであるため装置コストは安くなる。
本発明で用いられる可逆性感熱記録材料を作るには一
般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解
した溶液又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機
低分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを
用いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液
をプラスチックシート、ガラス板などの透明支持体上に
塗布乾燥して積層の感熱層(第一感熱層、第二感熱層)
を形成せしめればよい。
感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤としては、樹脂母
材及び有機低分子物質の種類によって種々選択できる
が、後えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、
エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。な
お、分散液を使用した場合はちろんであるが、溶液を使
用した場合も得られる感熱層中では有機低分子物質は微
粒子として析出し、分散状態で存在する。
感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子物質を均一
に分散保持した層を形成すると共に、最大透明時の透明
度に影響を与える材料である。
第一感熱層に用いられるガラス転移温度が80℃未満好
ましくは50℃以上80℃未満の樹脂としては、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビ
ニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリ
デン系共重合体;ポリエスエル等が挙げられる。
一方ガラス転移温度が80℃以上、好ましくは90℃以
上、更に好ましくは100℃以上のものである(ガラス転
移温度が高くなるに従って繰り返し耐久性は向上するが
その上限は130℃が適当である)樹脂母材は透明性が良
く、機械的に安定で、且つ成膜性の良い樹脂が好まし
い。このような樹脂としては、例えばポリエステル、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン、シリコーン
樹脂等やこれらの重重合体等を挙げられる。
但し、前記Tgが80℃以上の樹脂として例示したものの
うち、“ポリエスエル”は従来においてはTg80℃未満の
ものしかなかったという実状がある。例えば代表的なポ
リエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PE
T)のガラス転移温度は69℃であった。これは一般的に
はジメチルテレフタレートとエチレングリコールとのエ
ステル交換反応により製造されていたものである。
そこで、本発明で用いられるガラス転移温度が80℃以
上のポリエスエルは、グリコールの代わりに芳香族系の
ジオールを用い、これとジカルボン酸エステル等とを反
応させて製造されるものであって、材料中にベンゼン環
を多数含有させることにより、耐熱性を向上せしめたも
のである。
一方、有機低分子物質としては記録層中で熱により多
結晶から単結晶に変化するもの(第1図に示した温度T1
〜T3の範囲で変化するもの)であればよく、一般に融点
30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のものが使用され
る。このような有機低分子物質としてはアルカノール;
アルカンジオール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲ
ンアルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アル
ケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケ
ン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケ
ン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノまたはジカ
ルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウ
ム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらの
エスエル、アミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン
酸またはそれらのエステル、アミド又はアンモニウム
塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステ
ル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオ
カルボン酸又はそれらのエステル、アミンまたはアンモ
ニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用さ
れる。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましくは10
〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール
基部分は飽和していてもよく、またハロゲン置換されて
いてもよい。いずれにしても有機低分子物質は分子中に
酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少くとも1種、例えば
−OH、−COOH、−CONH、−COOR、−NH、−NH2、−S
−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含む化合物であ
ることが好ましい。
更に具体的には、これら化合物としてはラウリン酸、
ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラギ
ン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メチ
ル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸オクタデ
シル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラデ
シル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエステル; 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
透明化できる温度の巾を広げるには、この明細書にお
いて記載した有機低分子物質を適宜組合せるか、また
は、そうした有機低分子物質と融点の異なる他の材料と
を組合せればよい。これらは例えば特開昭63−39378
号、特開昭63−130380号などの公報や、特願昭63−1475
4号、特願平1−140109号などの明細書に開示されてい
るが、これらに限定されるものではない。
なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂母材との割合
は、第一感熱層、第二感熱層とも、重量比で2:1〜1:16
程度が好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。樹脂母材の
比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材中
に保持した膜を形成することが困難となり、またこれ以
上になると、有機低分子物質の量が少ないため、不透明
化が困難になる。
感熱層には以上の成分の他に、透明画像の形成を容易
にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の添加物を添
加することができる。これらの添加物の具体例は次の通
りである。
高沸点溶剤の例; リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイ
ン酸ブイル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n
−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル
酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸
ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ
ブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−
2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチル
ヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリ
エチレングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチ
ルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、
ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸
トリブチル。
界面活性剤、その他の添加物の例; 多価アルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール
高級アルキルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エス
エル、高級アルコール、高級アルキルフェノール、高級
脂肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又
はポリプロピレングリコールの低級オレフィンオキサイ
ド付加物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼ
ンスルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香
族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン
酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステ
ルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキル
アクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキ
ルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレート〜アミ
ン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マレイン酸共
重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合体。
この記録材料の画像を反射画像として用いる場合に
は、記録層の背面に光を反射する層を設けると記録層の
厚みを薄くしてもコントラストを上げることができる。
具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙げられる
(特開昭64−14079号公報に記載)。
また、上部感熱層に第二感熱層を保護するためにオー
バーコート層(保護層)を設けることができる。保護層
(厚さ0.1〜5μm)の材料としては、シリコーン系ゴ
ム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087号公報に記
載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特願昭62−15
2550号に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂
(特願昭63−310600号に記載)等が挙げられる。いずれ
の場合も、塗布時に溶剤を用いるが、その溶剤は、感熱
層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶解しにくいほうが
望ましい。
第二感熱層の樹脂及び有機低分子物質を溶解しにくい
溶剤としてn−ヘキサン、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、特に
アルコール系の溶剤がコスト面から望ましい。
また、保護層形成液の溶剤やモノマー成分等から第二
感熱層を保護するために、オーバーコート層と第二感熱
層との間に中間層を設けることができる(特開平1−13
3781号公報に記載)。中間層の材料としては第二感熱層
中の樹脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽
和ポリエスエル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙
げられる。
中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
〔実施例〕
ここでの部及び%はいずれも重量基準である。
実施例1 約50μm厚のポリエスエルフィルム上に約4000Å厚の
Al層を設けた。さらのその上に、 ステアリン酸 6部 エイコサン2酸 4部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル 共重合体(電気化学工業社製、デンカビ ニール#1000P:Tg=78℃) 25部 THF 150部 トルエン 15部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
4μmの第一感熱層(可逆性感熱記録材料層)を設け、
さらにその上に ステアリン酸 6部 エイコサン二酸 4部 フタル酸ジアリル 3部 アクリル系樹脂 25部 (Tg=105℃、三菱レイヨン社製BR85) THF 150部 トルエン 15部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約4μmの第二感
熱層(可逆性感熱記録層)を設けた。
さらにその上に ポリアミド樹脂(東レ社製、CM8000) 10部 エチルアルコール 90部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
0.5μm厚の中間層を設けた。
さらにその上に ウレアンアクリレート系紫外線硬化性 樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本イン キ化学社製、ユニディックC7−157) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80
/cmの紫外線ランプを硬化させ、約2μm厚のオーバー
コート層を設けて可逆性感熱記録材料をつくった。
実施例2 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エスエル共重合体
(電気化学工業社製デンカビニール1000P:Tg=78℃)を
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(UCC社製VYHH:Tg=72
℃)に代えた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記
録材料を作成した。
実施例3 アクリル系樹脂(三菱レイヨン社製BR85:Tg=105℃)
をアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製BR75:Tg=90℃)
に代えた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
実施例4 アクリル系樹脂(三菱レイヨン社性BR85:Tgl=5℃)
をポリエステル樹脂(東洋紡社製ST1570R:Tg=105℃)
に代えた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
比較例1 第二感熱層を省略し、第一感熱層の厚さを約4μmか
ら約8μmとした以外は実施例1と同様にして可逆性感
熱記録材料を作成した。
比較例2 第一感熱層を省略し、第二感熱層の厚さを約4μmか
ら8μmとした以外は実施例1と同様にして可逆性感熱
記録材料を作成した。
参考例1 約50μ厚のポリエステルフィルム上に約400Å厚のAl
層を設けた。さらにその上に ステアリン酸 6部 エイコサン2酸 4部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル 共重合体(電気化学工業社製デンカビニ ール#1000P:Tg=78℃) 50部 アクリル系樹脂 (三菱レイヨン社製BR875:Tg=105℃) 50部 THF 150部 トルエン 15部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約8μmの感熱層
(可逆性感熱記録層)を設けた。次いで、この上に実施
例1と同様にして中間層、オーバーコート層を設けて可
逆性感熱記録材料を作成した。
以上のようにして作成した可逆性感熱記録材料を80do
ts/mmのサーマルヘッドを用い通常の印字条件より印加
エネルギーを増加させた強制テスト条件(印字電力1W、
印加パネル巾0.7msec)で白濁に印字した後、ヒートロ
ーラー(80〜(85℃、10mm/min)で透明に消去した。同
じ条件で印字−消去を繰り返したときの画像(白濁)濃
度をマクベス反射濃度計RD−514で測定した。
これらの結果をまとめて第2図に示す。
〔発明の効果〕
実施例の記載から明らかなように、本発明の可逆性感
熱記録材料は樹脂母材としてガラス転移温度80℃及び未
満の樹脂を主成分とした第一感熱層を支持の近傍に設
け、その上に樹脂母材としてガラス転移温度80℃以上の
樹脂を主成分とした第二感熱層を設けて2層系としたの
で、サーマルヘッド等の熱と圧力を同時に加える加熱手
段を用いて画像形成−消去を繰り返しても白濁度の低下
は少ないという効果が認められる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る可逆性感熱記録材料の熱による透
明度の変化を表わした図である。 第2図は本発明例、参考例及び比較例としての可逆性感
熱記録材料を用い、記録−消去を繰り返し行なったとき
の画像濃度を表わしたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野際 通 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 諸星 邦親 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 鈴木 明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に樹脂母材及びこの樹脂母材中に
    分散された有機低分子物質を主成分とし温度に依存して
    透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性感熱記
    録材料において、該感熱層は下記のごとき支持体側の第
    一感熱層と表面側の第二感熱層との積層からなることを
    特徴とする可逆性感熱記録材料。 (第一感熱層) 該樹脂母材としてガラス転移温度80℃未満の樹脂及び有
    機低分子物質を主成分とする層。 (第二感熱層) 該樹脂母材としてガラス転移温度80℃以上の樹脂及び有
    機低分子物質を主成分とする層。
  2. 【請求項2】前記第一感熱層における該樹脂母材のガラ
    ス転移温度が50℃以上80℃未満の範囲にあり、前記第二
    感熱層における該樹脂母材のガラス転移温度が80℃以上
    130℃以下の範囲にある請求項1に記載の可逆感熱記録
    材料。
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