JPH0615958A - 消去装置 - Google Patents

消去装置

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JPH0615958A
JPH0615958A JP4200287A JP20028792A JPH0615958A JP H0615958 A JPH0615958 A JP H0615958A JP 4200287 A JP4200287 A JP 4200287A JP 20028792 A JP20028792 A JP 20028792A JP H0615958 A JPH0615958 A JP H0615958A
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JP
Japan
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heating
card
temperature
display medium
heat
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Application number
JP4200287A
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English (en)
Inventor
Fumito Masubuchi
文人 増渕
Yoshihiko Hotta
吉彦 堀田
Kunichika Morohoshi
邦親 諸星
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 表示媒体をその表側と裏側の両面から加熱す
るための加熱手段を具備し、好ましくは該加熱手段によ
り表示媒体の表側表面の温度を裏側表面の温度よりも高
くなるように加熱し得る。 【効果】 本装置によると、加熱により情報の書込みと
消去を繰り返すことが可能な可逆性感熱記録材料を用い
た表示媒体に対して、短かい加熱時間で消去することが
可能となり、しかもカード形態の表示媒体、例えば厚手
の塩ビカード形態の場合にも、カードの軟化、変形を防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱により情報の書込
と消去を繰返すことが可能な可逆性感熱記録材料を使用
した表示媒体の消去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙の省資源化のために、感熱記録
材料としても書換え可能な材料が求められている。その
最も有力な材料としては、支持体上にポリエステル等の
樹脂中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物
質を分散した感熱層を設けたものが、例えば特開昭54
−119377号、同55−154198号公報等で知
られている。この種の可逆性感熱記録材料による記録、
即ち画像形成及び消去は感熱層の温度による透明度変化
を利用したものであり、従来の不可逆な感熱記録材料と
同様にサーマルヘッドやホットスタンプなどによる画像
形成が可能で、消去も可能という特徴をもつ。最近は特
にプリペイドカードやクレジットカードなどのカード用
の表示媒体として、この感熱記録材料の利用が注目され
ている。
【0003】従来の消去装置の例としては、図4に示さ
れる様な熱板が挙げられる。図4は熱板を使用したとき
の状態を示す模式断面図であり、1はカード形態の表示
媒体、11は熱板(ホットスタンプ)、12は電気ヒー
ター、13は温度センサー、14はゴム板及び15はス
タンプ台を示す。熱板は小面積の表示媒体に対しては、
サーマルヘッドやヒートローラーと較べて高速且つ均一
な加熱が可能な点から、カード用の高速消去装置として
適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カード利用
者らの要望により、更に消去の所要時間を可能な限り短
くする必要があり、そのためには従来のような表示媒体
の表側からの加熱だけでは限界がある。しかも、塩ビの
カードを加熱する場合には、加熱による軟化・変形を防
止する配慮が必要となる。
【0005】従って、本発明の目的は、加熱により情報
の書込みと消去を繰り返すことが可能な可逆性感熱記録
材料を用いた表示媒体を確実に消去できる消去装置を提
供することにあり、特に塩ビの様な比較的低温で軟化し
やすい樹脂でできたカード上に配した表示媒体を早く確
実に消去できる消去装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の様な
実情に鑑みて検討を重ねた結果、前記課題の対策とし
て、加熱を表示媒体の表裏両面から行ない、且つ表側の
温度を裏側の温度よりも高く保つことにより、カードの
変形を防止しつつ速やかな加熱が可能となることを知見
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、加熱により情報の
書込みと消去が可能な可逆性感熱記録材料からなる表示
媒体を加熱して消去する消去装置において、該表示媒体
をその表側と裏側の両面から加熱するための加熱手段を
具備してなることを特徴とする消去装置が提供され、更
には前記加熱手段が前記表示媒体の表側表面の温度を裏
側表面の温度よりも高くなるように加熱し得るものであ
ることを特徴とする消去装置が提供される。
【0008】以下、本発明を更に詳しく説明する。可逆
性感熱記録材料からなる表示媒体を消去するということ
は、表示媒体のある特定の領域内をすべて同じ色の状態
に変えてしまって、その領域内に書込まれていたすべて
の情報を消してしまうと云うことである。例えば有機低
分子物質を樹脂中に分散した形態の可逆性感熱記録材料
では、領域内をすべて白にするか、あるいはすべて透明
にする、という2通りの消去方法がある。
【0009】このような消去を行うための装置として
は、サーマルヘッドやヒートローラー、熱板、温風、温
水、光、電磁誘導等々、各種の加熱装置が使用できる
が、なかでもカード用の実用的な消去装置の例としては
前記図4で示される様な構成の熱板が挙げられる。熱板
の特徴は、ヒートローラーなどと較べると表示媒体の中
の任意の領域のみを消去できるということと、消去装置
全体の所用時間が限られているなかで表示媒体の加熱時
間を最大限にとれるということが挙げられる。また欠点
は、大面積になると温度を均一に保つのが困難になると
いうことが挙げられる。このような特徴から、小面積で
薄く柔らかい表示媒体、例えばカードの高速消去装置と
して、熱板が現状で最も適している。
【0010】ここで、透明化に必要な熱的条件を考え
る。本発明者等は、先に画像形成・消去の繰り返しにお
いて、確実な透明化には少なくとも0.4秒以上の加熱
が必要で、長ければ長いほど透明になりやすいと報告し
た(特願平4−93912号)。その後の検討から、透
明化に必要な加熱時間は表示媒体に対する加熱の方法で
大きく変ることが判明した。即ち、0.4秒以上と云う
のは、高温の物体を表示媒体の表側表面へ接触すること
による加熱で必要とする時間であり、同じ媒体に対して
も液浴に浸して表示媒体全体を加熱する方法では約0.
3秒、熱板等で裏面から加熱する方法なら0.2秒近く
まで加熱時間を短縮できる。
【0011】この理由は、表示媒体の表側から加熱した
場合には、表面を透明化温度近傍の温度で加熱するため
に短時間では表示媒体の基体まで熱が届かず、加熱後は
すぐに冷えてしまうのに対して、液浴で加熱した場合や
裏側から加熱した場合には、表示媒体が基体ごと加熱さ
れるので加熱後も基体が高温を維持していて、加熱時間
を長くするのと同等の効果が得られるためと思われる。
特に裏側からの加熱では、基体を伝わった熱で表側が透
明化温度になるという条件で加熱するので、裏側は透明
化温度より高い温度で加熱することになり、高温を維持
する効果は更に向上する。
【0012】以上のことからカード利用者らの要求であ
る消去の高速化には、熱板等の加熱装置でカードの裏
側、表示媒体の反対の側から加熱することで対応できる
ことが判る。
【0013】しかしながら、厚手の塩ビカードに対して
裏側からの加熱による消去を試みたところ、カードが溶
けて変形してしまい、裏側からの加熱では厚手の塩ビカ
ードに対応できないことが判明した。これは、裏側から
の加熱では表側からの加熱に較べて高温に加熱しないと
消去できないためである。そこで、加熱は主として表側
から行ない、裏からの加熱を補助的に行なうという方法
をとった。具体的には、表示媒体の表側表面の加熱温度
はほぼ透明化温度近辺で、裏側表面はそれより低い温
度、より具体的には塩ビの軟化点よりも低い温度まで加
熱すると云う方法である。これにより、裏側からのみの
加熱には及ばないまでも加熱時間の短縮化がはかれて、
なお且つカードの軟化・変形も防止できる。
【0014】裏側の加熱では、表示媒体の裏側表面の温
度が好ましくは30〜70℃、更に好ましくは50〜6
5℃の間の任意の一定温度になるように加熱する。これ
よりも高い温度ではカードが変形を起こしやすく、また
低い温度では加熱時間短縮の効果が無い。一方、表側の
加熱では、可逆性感熱記録材料は対熱性の要求から一般
的に70℃以上の温度で透明化するので、加熱温度はそ
れより若干高い温度をかけなくてはならず、好ましくは
80〜95℃の間の任意の一定温度になるように加熱す
る。従って、カードの表側の加熱温度は、裏側の加熱温
度よりも高くなる。
【0015】本発明における加熱装置としては、特に熱
板が優れた特性を示すが、その温度制御機構としては、
発熱体と温度センサーと温度制御装置とを組合わせた一
般的な機構の他に、自己温度制御型の発熱材料からなる
発熱体のみで構成されたものが挙げられる。自己温度制
御型の発熱材料とは、温度が上がると発熱体自身の電気
抵抗が増大するという特性を持ち、この材料で構成され
た発熱体は、制御ぬきでも常に一定の温度に保たれる。
この種の材料の例としては、ある種の導電性セラミック
スや導電性樹脂組成物などがある。この材料を用いた加
熱装置は、構造がシンプルであるにもかかわらず、精度
の高い温度制御が可能という特徴を持つ一方で、任意の
温度に変更することは困難であるという短所ももってい
る。
【0016】本発明における加熱装置の構成例を図1に
示す。図1中のゴム板14は、熱板11′、11″とカ
ード1との接触を確実にするためのものであるが、これ
は用途によっては使用しないこともある。また上部熱板
11′と下部熱板11″の寸法や、どちらが移動してカ
ード1と接触するか等は特に規定しない。
【0017】本発明における表示媒体は、基本的には支
持体とその上に設けられた可逆性感熱記録材料の層(可
逆性感熱層)で構成される。表示媒体の表側と呼んでい
るのはこの可逆性感熱層の側のことであり、裏側とは反
対に支持体の側のことである。また、カード形態の表示
媒体においてカードの表側と裏側と呼んでいるのもこれ
に準ずる。
【0018】図2に本発明におけるカード形態の表示媒
体、即ち書き替え可能な感熱表示付きカードの代表的構
成例を示す。図2(a)は表示媒体1の模式断面図であ
り、図2(b)は同斜視図である。図2(a)は、支持
体(例えば透明PET)3の表面に可逆性感熱層2を塗
設し、支持体3の裏面に粘着材層4を介してカード(例
えば塩ビカード)5を粘着加工した構成を基本とし、更
に画像コントラストを向上するため、粘着材層4の一部
に粘着材を有さない空気層6及び空気層6の下部に着色
層7を設け(従って表示エリア9が形成される)、また
表面が変形して透明部の透明度が低下するのを防ぐた
め、可逆性感熱層2の表面に保護層8を設けた構成とな
っている。図2(b)は表示媒体1の表面に表示エリア
9が存在している状態を示す。
【0019】本発明における可逆性感熱記録材料とは、
常温ではその色の状態は変化しないが、ある特定の温度
まで加熱すると第1の色の状態になって、更に高温のあ
る特定の温度にしたあと常温に戻すと第2の色の状態に
なる材料であり、この色の状態の変化を何度も繰返す事
の出来る材料である。色の状態の変化には、透過率、反
射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の可逆
性感熱記録材料はこれらの変化の組合わせで表示を行な
っている。より具体的には、 (イ)透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料。 (ロ)染料等の色彩が可逆的に変化する材料。 という2種類の系統に現状では分類できる。(イ)とし
ては従来の技術でも述べたように、ポリエステル等の樹
脂母材中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子
物質を分散した感熱層を設けたものが代表例として挙げ
られ、また(ロ)としては従来のロイコ系感熱記録材料
の可逆性を増強したもの(例:特開平2−188293
号、特開平2−188294号公報)などがある。
【0020】本発明で使用される可逆性感熱記録材料
は、前記のごとき透明度変化(透明状態、白濁不透明状
態)を利用しており、この透明状態と白濁不透明状態と
の違いは次のように推測される。即ち、(i)透明の場合
には、樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒子は
有機低分子物質の大きな粒子で構成されており、片側か
ら入射した光は散乱されること無く反対側に透過するた
め透明に見えること、また(ii)白濁の場合には、有機
低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合
した多結晶で構成され、個々の結晶の結晶軸がいろいろ
な方向を向いているため、片側から入射した光は有機低
分子物質粒子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱される
ため白く見えること、等に由来している。
【0021】図3(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2
加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に
戻しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に
至るまでに、有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶
から単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更に
T3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度
との中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて
行くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明
状態に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融
後、冷却されることにより、多結晶が析出するためであ
ると考えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2
間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却し
た場合には、透明と不透明との中間の状態をとることが
できる。また、前記常温で透明になったものも、再びT3
以上の温度に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明
状態に戻る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並び
にその中間状態をとることができる。
【0022】従って、熱を選択的に与えることにより感
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁地に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
することが可能である。そして、このような感熱層の背
面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色の
画像又は着色シートの色の地に白色の画像を形成するこ
とができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は
光が透過しスクリーン上では明部となる。
【0023】このような可逆性感熱記録材料を用いて画
像の形成と消去とを行なうには、画像形成用と画像消去
用の2つのサーマルヘッドを持つか、若しくは、印加エ
ネルギー条件を変化させることにより画像形成及び画像
消去を行なう単一のサーマルヘッドを持つものの使用が
有効である。
【0024】前者の場合には、2つのサーマルヘッドが
必要なため装置のコストは上がるが、それぞれのサーマ
ルヘッドのエネルギー印加条件を別々にし可逆性感熱記
録材料を1回通せば、画像の形成と消去とを行なうこと
でができる。後者の場合には、一つのサーマルヘッドで
画像の形成及び消去を行なうため、感熱記録材料が通過
する1回にサーマルヘッドにエネルギーを印加する条件
を画像を形成する部位、消去する部位に合わせて細かく
変えていくか、又は一度感熱記録材料上の画像を消去し
た後、もう一度感熱記録材料を逆向きに走行させ別のエ
ネルギー条件で画像を形成する等、操作は複雑化する
が、サーマルヘッドが1つであるため装置コストは安く
なる。
【0025】可逆性感熱記録層を形成するには、一般に
(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解した溶
液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低分子物
質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを用いる)に
有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液を、必要に
応じてスペーサー粒子を分散せしめた後に、プラスチッ
クフィルム、ガラス板、金属板などの支持体上に塗布乾
燥して感熱層を形成せしめればよい。
【0026】感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤として
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0027】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。
【0028】このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢
酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル/酢
酸ビニル/マレイン酸共重合体、塩化ビニル/アクリレ
ート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニ
リデン、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体、塩化ビ
ニリデン/アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデ
ン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレ
ート又はポリメタクリレートあるいはアクリレート/メ
タクリレート共重合体;シリコーン樹脂等が挙げられ
る。これらは単独であるいは2種以上混合して使用され
る。
【0029】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するもの(図3に示し
た温度T1〜T3の範囲で変化するもの)であればよく、
一般に融点30〜200℃、好ましくは50〜150℃程度のもの
が使用される。このような有機低分子物質としては、ア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
又はハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;アル
カン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲ
ンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シク
ロアルケン;シクロアルキン;飽和又は不飽和モノ若し
くはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;飽和又は不飽和ハロゲン脂肪酸又はこれ
らのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリールカ
ルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモニウ
ム塩;ハロゲンアリールカルボン酸又はそれらのエステ
ル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコール;チオ
カルボン酸又はそれらのエステル、アミン又はアンモニ
ウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等が挙げ
られる。これらは単独で又は2種以上混合して使用され
る。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ましくは10〜
38、特に10〜30が好ましい。エステル中のアルコール基
部分は飽和していても、飽和していなくてもよく、また
ハロゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機低
分子物質は、分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの
少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH-、-COOR、-NH
-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等を含む化合物で
あることが好ましい。
【0030】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル;C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 ,C18H
37-S-C18H37 , C12H25-S-C12H25 ,C19H39-S-C19H39
, C12H25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。これらの中で
も高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸が
好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好ましい。
【0031】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、又はそうした有機低分子物質と融点の異なる他の材
料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63-39378
号、特開昭63-130380号、特開平2-1363号公報等や、特
願昭63-14754号、特願平1-140109号などの明細書に開示
されているが、これらに限定されるものではない。
【0032】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂母
材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度が好ましく、1:2
〜1:8が更に好ましい。樹脂母材の比率がこれ以下にな
ると、有機低分子物質を樹脂母材中に保持した膜を形成
することが困難となり、またこれ以上になると、有機低
分子物質の量が少ないため、不透明化が困難になる。
【0033】感熱層の厚みは1〜3μmが好ましく、2
〜20μmが更に好ましい。感熱層が厚すぎると層内で
の熱の分布が発生し均一に透明化することが困難とな
る。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下しコントラ
ストが低くなる。更に、感熱層中の有機低分子物質の量
を増加させると、白濁度を増すことができる。
【0034】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。
【0035】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ-又はジ-エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレ
ート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメタク
リレート;長鎖アルキルメタクリレート/アミン含有モ
ノマー共重合体;スチレン/無水マレイン酸共重合体;
オレフィン/無水マレイン酸共重合体。
【0036】本発明における可逆性感熱記録材料の支持
体としては、前記したようにプラスチックフィルム、ガ
ラス板、金属板等が用いられる。
【0037】可逆性感熱記録材料のコントラストを向上
させるために、感熱層の背面に光反射層を設けることが
できる。この場合には感熱層の厚みを薄くしても、高コ
ントラストが得られる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着
することが挙げられる(特開昭64-14079号公報に記載)。
なお、支持体がAl蒸着層のような樹脂との接着力に乏し
い材質の場合には、支持体と感熱層との間に接着層を設
けてもよい(特開平3-7377号公報に記載)。
【0038】また、感熱層上に、サーマルヘッド等の書
き込み法による加熱手段の熱と圧力で表面が変形して透
明部の透明度が低下するのを防ぐため、従来の可逆性感
熱記録材料と同様に保護層を設けることができる。感熱
層上に積層する保護層(厚さ0.1〜5μm)の材料として
は、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63-2210
87号公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特
開昭63-317385号公報に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子
線硬化樹脂(特開平2-566号公報に記載)等が挙げられ
る。
【0039】いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いる
が、その溶剤は、感熱層の樹脂及び有機低分子物質を溶
解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分
子物質を溶解しにくい溶剤としては、n-ヘキサン、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面
から望ましい。
【0040】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1-133781号
公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂母
材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエ
ステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは用途により異なるが、0.1〜2μmく
らいが好ましい。0.1μm未満では保護効果が下がり、2
μm超過だと熱感度が低下する。なお、更に磁気記録層
を設け、カードとして用いることもできる(実開平2-38
76号公報に記載)。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準で
ある。
【0042】(カードの製作)厚さ50μmのポリエス
テルフィルムに以下の組成からなる液を塗工・乾燥し、
可逆性感熱記録材料による感熱記録層を設けた。 ベヘン酸 7部 エイコサン2酸 3部 フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 40部 (UCC社製VYHH) THF 150部 トルエン 15部
【0043】次に、感熱記録層の上に以下の組成からな
る液を塗工・乾燥、そしてUV照射を行なってUV硬化
樹脂からなる保護層を設け、第2の特定温度として約1
00℃以上で白濁状態になり、第1の特定温度の領域が
約70℃以上100℃までで透明状態になる、という特
性の可逆性感熱記録フィルムを作成した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸 10部 ブチル溶液(大日本インキ化学工業社製、ユニディ ックC7−157) トルエン 10部
【0044】次に、このフィルムとカード形態にした厚
さ1mmのポリ塩化ビニルの板とを張合わせて、図2に
示される様な構成のカードを作製した。
【0045】(画像形成・消去実験)製作したカードに
対して、以下の実施例及び比較例の方法による白濁画像
形成と透明化の繰り返しを1000回まで行なう実験を
行ない、1000回目でも確実に透明化出来る最低加熱
時間を求めた。結果を表1に示す。
【0046】実施例 サーマルヘッドによる白濁画像形成と図1で示される構
成の加熱装置による透明化の繰り返し実験を行なった。
ここで、図1中の上部熱板11′の温度は90℃、下部
熱板11″の温度は60℃で、カード1の表側(可逆性
感熱記録材料の側)に上部熱板11′が接触するように
した。
【0047】比較例1 サーマルヘッドによる白濁画像形成と図4で示される構
成の加熱装置による透明化の繰り返し実験を行なった。
ここで、図4中の熱板11の温度は90℃とし、カード
1の表側(可逆性感熱記録材料の側)に熱板11が接触
するようにした。
【0048】比較例2 サーマルヘッドによる白濁画像形成と図4で示される構
成の加熱装置による透明化の繰り返し実験を行なった。
ここでまず図4中の熱板11温度は90℃として、カー
ド1の裏側(可逆性感熱記録材料の反対側)に熱板11
が接触するようにしたところ、透明化に2秒以上の加熱
時間がかかり、そのうえカードが変形してしまったた
め、透明化1回だけで実験を中断した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】請求項1の消去装置は、表示媒体をその
表側と裏側の両面から加熱するための加熱手段を具備す
るという構成としたことから、本装置によると、加熱に
より情報の書込みと消去を繰り返すことが可能な可逆性
感熱記録材料を用いた表示媒体に対して、短かい加熱時
間で消去することが可能となり、しかもカード形態の表
示媒体、例えば厚手の塩ビカード形態の場合にも、カー
ドの軟化、変形を防止することができる。
【0051】請求項2の消去装置は、表示媒体の表側表
面の温度を裏側表面の温度よりも高くなるように加熱で
きるという構成としたことから、本装置によると、表示
媒体の表側表面の加熱温度はほぼ透明化温度近辺で、裏
側表面はそれより低い温度(塩ビの軟化点よりも低い温
度)まで加熱するという操作が可能となり、その結果、
加熱時間の短縮化をより効果的に実施でき、カードの軟
化、変形をより確実に防止できる。
【0052】請求項3の消去装置は、表示媒体の加熱手
段が熱板を表示媒体の表面に接触させることからなると
いう構成としたことから、本装置によると、表示媒体中
の任意の領域のみを消去できるとか、表示媒体の加熱時
間を最大限にとれる、という効果が加わる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消去装置の一例を示す模式断面図
である。
【図2】(a)は本発明で使用されるカード形態の表示
媒体の代表的構成例を示す模式断面図であり、(b)は
同斜視図である。
【図3】本発明で使用される可逆性感熱記録材料の熱に
よる透明度の変化を表わした図である。
【図4】従来の熱板による消去装置の一例を示す模式断
面図である。
【符号の説明】
1 カード形態の表示媒体 2 可逆性感熱層 3 支持体 4 粘着材層 5 カード 6 空気層 7 着色層 8 保護層 9 表示エリア 11、11′、11″ 熱板(ホットスタンプ) 12 電気ヒーター 13 温度センサー 14 ゴム板 15 スタンプ台

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により情報の書込みと消去が可能な
    可逆性感熱記録材料からなる表示媒体を加熱して消去す
    る消去装置において、該表示媒体をその表側と裏側の両
    面から加熱するための加熱手段を具備してなることを特
    徴とする消去装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段が前記表示媒体の表側表面
    の温度を裏側表面の温度よりも高くなるように加熱し得
    るものであることを特徴とする請求項1に記載の消去装
    置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段が熱板を前記表示媒体の表
    面に接触させることからなるものであることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の消去装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5616262A (en) * 1994-09-27 1997-04-01 Ricoh Company, Ltd. Image erasing apparatus having an assembly for moving heat applicators
JP2005343175A (ja) * 2005-06-15 2005-12-15 Ricoh Co Ltd 可逆性感熱記録媒体および可逆性感熱記録装置
CN100412723C (zh) * 2003-12-08 2008-08-20 株式会社东芝 图像删除装置和图像删除方法
US8101871B2 (en) 2009-05-26 2012-01-24 Lsi Corporation Aluminum bond pads with enhanced wire bond stability

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