JPH07179061A - 可逆性感熱記録材料の画像消去方法 - Google Patents

可逆性感熱記録材料の画像消去方法

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JPH07179061A
JPH07179061A JP34650193A JP34650193A JPH07179061A JP H07179061 A JPH07179061 A JP H07179061A JP 34650193 A JP34650193 A JP 34650193A JP 34650193 A JP34650193 A JP 34650193A JP H07179061 A JPH07179061 A JP H07179061A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の形成及び消去を何度繰り返しても、消
去濃度の低下がなく、しかも高コントラストの画像を維
持することができる可逆性感熱記録材料の画像消去方法
を提供する。 【構成】 加熱により画像の形成と消去が可能な可逆性
感熱記録材料を、緩衝材を配したホットスタンプ等を用
いて加熱して画像消去する画像消去方法において、消去
エネルギーを、消去可能なエネルギー範囲の中心ネルギ
ー値より低エネルギー側にして画像消去を行なうことを
特徴とする画像消去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱により画像の形成
と消去を繰返すことが可能な可逆性感熱記録材料の画像
消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙の省資源化のための感熱記録材
料としても書換え可能な材料が求められている。その最
も有力な材料としては、支持体上にポリエステル等の樹
脂中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質
を分散した感熱層を設けたものが、例えば特開昭54−
119377号公報、同55−154198号公報等で
知られている。この種の可逆性感熱記録材料による記
録、即ち画像形成及び消去は感熱層の温度による透明度
変化を利用したもので、従来の不可逆な感熱記録材料と
同様にサーマルヘッドやホットスタンプなどによる画像
形成が可能で、消去も可能という特徴をもっている。
【0003】最近は特にプリペイドカードやクレジット
カードなどのカード用の表示媒体として可逆性感熱記録
材料の利用が注目されている。このカードのための画像
消去装置としては、ヒートローラやサーマルヘッドなど
も使用できるが、カードの一部だけを加熱できる点と高
速かつ均一な加熱が可能な点から現状ではホットスタン
プによる加熱が適している。しかしながらこの種の可逆
性感熱記録材料は、たとえばサーマルヘッド等により画
像形成しホットスタンプ等による画像消去を何回も繰り
返し使っていくうちに、サーマルヘッド等で形成した画
像をホットスタンプで消去しようとしても消去しにくく
なり残像としてうすい画像がのこってしまう問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消し、サーマルヘッド及びホットスタンプ等の発熱
体で画像形成及び画像消去を何回か繰り返しても画像消
去時の消去濃度が低下することなく、高コントラストな
画像を維持することが可能な可逆性感熱記録材料の画像
消去方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、加熱に
より画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録材料を加
熱して画像を消去する画像消去方法において、消去エネ
ルギーを、該可逆性感熱記録材料の画像消去時の消去可
能なエネルギー範囲の中心エネルギー値より低エネルギ
ー側にして画像消去を行なうことを特徴とする画像消去
方法が提供され、 また、該可逆性感熱記録材料を加熱
して画像消去する画像消去手段としてホットスタンプを
用いる場合において、加熱時間を0.1秒以上にして画
像消去を行なうこと、或いは0.1kg/cm2以上の
圧力で押圧し、同時に加熱して画像消去を行なうことを
それぞれ特徴とする画像消去方法が提供され、更に、該
ホットスタンプの金属表面に高分子有機化合物からなる
緩衝材を配したことを特徴とする画像消去方法が提供さ
れる。
【0006】本発明者らは、前記の課題を達成すべく色
々な角度から検討を進めた結果、該可逆性感熱記録材料
をサーマルヘッド、ホットプレート、ヒートロール等の
加熱手段により画像の形成及び画像の消去を何回も繰り
返し使用する際、画像の消去方法として該可逆性感熱記
録材料の消去可能なエネルギー範囲の中心エネルギー値
より低エネルギー側にして画像消去を行なうことによっ
て、何回も画像の形成及び消去を繰り返しても消去濃度
の低下がなく高コントラストな画像を得ることができる
ことを見い出し、またこの際、可逆性感熱記録材料に形
成された画像の消去手段としてホットスタンプを用いる
場合において、その加熱時間を0.1秒以上とし、或い
は0.1kg/cm2以上の圧力で押圧し、同時に加熱
し画像消去を行なうことにより、更にホットスタンプの
金属全面に高分子有機化合物からなる緩衝材を配するこ
とにより、ホットスタンプから可逆性感熱記録材料への
熱伝達が均一となることによって、可逆性感熱記録材料
の熱分布も均一となり良好な透明状態となり高コントラ
ストな画像が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】本発明の画像消去方法において、ホットス
タンプの加熱時間は、前記したように0.1秒以上であ
るが、好ましくは0.3秒以上であり、更に好ましくは
1.0秒以上である。また、加圧圧力は、前記したよう
に0.1kg/cm2以上であるが、好ましくは0.3
kg/cm2以上であり、さらに1.0kg/cm2以上
が好ましい。
【0008】また本発明のホットスタンプに用いる高分
子有機化合物からなる緩衝材の具体例は次の通りであ
る。緩衝材の材料および構造としては、材料自身が弾性
を示すいわゆるゴム状物質を主として板状の形態で使用
するほかに、金属やセラミックなどの熱伝導性が高くて
硬い材料でもスポンジやスチールウール、スプリングな
どの弾性変形しやすい形態にして使用することができ、
また、スポンジ状の形態にして使用することもできる。
スポンジ状の形態にするとスポンジの中の空気が熱の伝
導を妨げるので、空気の代りに熱伝導性の高い流体をス
ポンジに詰めることも有効である。また、スポンジ状の
形態では緩衝材の表面が不均一になるので、表面にビニ
ールシートの様な軟らかい材料の薄い膜を配することも
有効である。
【0009】ゴム状弾性を示す材料としては、大きく天
然ゴムと合成ゴムに別れ、合成ゴムはさらにジエン系ゴ
ムとしてポリイソプレンやポリブタジエンおよびそれら
と他のビニル化合物との共重合体などがあり、またブチ
ルゴムやエチレン−プロピレンゴムなどのオレフィン系
ゴム、ポリウレタン系ゴム、シリコンゴム、商品名バイ
トンなどで知られる弗素ゴムなどがある。なかでも耐熱
性や熱伝導性の高さから、シリコンゴムや弗素ゴムが緩
衝材の材料として優れている。また、熱伝導性を高める
ためにシリカ等の熱伝導性の高い材料をゴム状物質に充
填するのも有効である。
【0010】このような緩衝材の硬度はスプリングかた
さHsで75以下であるが、好ましくは25〜75の範
囲が良く、更に好ましくは25〜50の範囲が良い。ま
た、ホットスタンプの金属表面に配する緩衝材の厚み
は、好ましくは0.2〜2.0mm、更に好ましくは
0.2〜1.0mmである。
【0011】本発明によると画像の形成及び消去を何回
も繰り返しても消去濃度の低下がなく高コントラストな
画像が得られるということに関しては、その詳細な理由
は未だ分かっていないが下記の通りに推測される。可逆
性感熱記録材料に形成された画像を消去するためには、
ヒートローラ、ホットスタンプ等により画像部を加熱
し、室温まで冷却することにより感熱層中に分散された
有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から単結晶へ
と結晶が成長するためと考えられている。しかしながら
該可逆性感熱記録材料に形成された画像を該可逆性感熱
記録材料の透明化温度範囲の高エネルギー側で消去を何
回も繰り返し行なううちに、感熱層中に分散されている
有機低分子物質が、例えば2種類以上の混合物である場
合、これらが共融化しなくなり低融点側の有機低分子物
質が白濁してしまうためであると考えられる。
【0012】続いて、本発明で使用される可逆性感熱記
録媒体について説明する。本発明で用いられる可逆性感
熱記録材料は、熱により透明度が変化するものならばな
んでも良いが、特に加熱により透明状態と白濁状態が可
逆的に変化するものが好適に用いられる。具体的には、
ポリマーブレンド(特開昭61−258853号公報
に記載)、液晶高分子、樹脂母材及びその樹脂母材
中に分散された有機低分子物質からなり、且つ熱により
透明状態と白濁状態とが可逆的に変化するもの、などが
挙げられる。
【0013】以下、これらの中でも繰り返し耐久性に優
れ且つ変化速度の速い上記タイプの可逆性感熱記録材
料について説明する。この可逆性感熱記録材料は、前記
のごとき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利
用しており、この透明状態と白濁不透明状態との違いは
次のように推測される。即ち、(i)透明の場合には、
樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低
分子物質の大きな粒子で構成されており、片側から入射
した光は散乱されること無く反対側に透過するため透明
に見えること、また、(ii)白濁の場合には、有機低分
子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した
多結晶で構成され、ここの結晶の結晶軸がいろいろな方
向を向いているため、片側から入射した光は有機低分子
物質粒子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱されるため
白く見えること、等に由来している。
【0014】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2
に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T2からT0
以下に至るまでに、有機低分子物質が半溶融状態を経て
多結晶から単結晶へと結晶が成長するためと考えられ
る。更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最
大不透明度との中間の半透明状態になる。次に、この温
度を下げて行くと、再び透明状態をとることなく最初の
白濁不透明状態に戻る。これは温度T3以上で有機低分
子物質が溶融後、冷却されることにより、多結晶が析出
するためであると考えられる。なお、この不透明状態の
ものをT1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0
下の温度に冷却した場合には、透明と不透明との中間の
状態をとることができる。また、前記常温で透明になっ
たものも、再びT3以上の温度に加熱した後常温に戻せ
ば、再び白濁不透明状態に戻る。即ち、常温で不透明及
び透明の両形態並びにその中間状態をとることができ
る。
【0015】従って、熱を選択的に与えることにより感
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁地に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
すことが可能である。そして、このような感熱体の背面
に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色の画
像又は着色シートの色の地に白色の画像を形成すること
ができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は
光が透過しスクリーン上では明部となる。
【0016】この可逆性感熱記録材料を作るには、例え
ば下記の方法により、支持体上に感熱層を皮膜として形
成するかあるいはシート状として成形することにより製
造することができる。 1)樹脂母材及び有機低分子物質を溶媒中に溶解し、こ
れを支持部材上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮膜あるいは
シート状とする方法。 2)樹脂母材のみを溶解させる溶媒に、樹脂母材を溶解
させ、その中に有機低分子物質を種々の方法で粉砕又は
分散し、これを支持部材上に塗布し、溶媒を蒸発させ皮
膜あるいはシート状とする方法。
【0017】感熱R1又は感熱記録材料作成用溶剤とし
ては、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々
選択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四
塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げら
れる。なお、分散液を使用した場合はもちろんである
が、溶液を使用した場合も、得られる感熱層中では有機
低分子物質は微粒子として析出し、分散状態で存在す
る。
【0018】可逆性感熱記録材料の感熱層の樹脂母材に
用いられる樹脂は、皮膜又はシートを形成することがで
き、透明性が良く、機械的に安定な樹脂が好ましい。こ
のような樹脂としては、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニル
アルコール共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイ
ン酸共重合体、塩化ビニル/アクリレート共重合体等の
塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニ
リデン/塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン/アクリ
ロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポ
リエステル;ポリアミド;ポリアクリレート又はポリメ
タクリレートあるいはアクリレート/メタクリレート共
重合体;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独
であるいは2種以上混合して使用される。
【0019】有機低分子物質としては記録層中で熱によ
り多結晶から単結晶に変化するもの(図1に示した温度
1〜T3の範囲で変化するもの)であればよく、一般に
融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアン
モニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらの
エステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、
好ましくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エ
ステル中のアルコール基部分は飽和していてもよく、飽
和していなくてもよく、またハロゲン置換されていても
よい。いずれにしても有機低分子物質は分子中に酸素、
窒素、硫黄及びハロゲンの少くとも1種、例えば−O
H、−COOH、−CONH、−COOR、−NH、−
NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を含
む化合物であることが好ましい。
【0020】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C1633−O−C1633 , C1633−S−C1633
,C1837−S−C1837 , C1225−S−C12
25 ,C1939−S−C1939 , C1225−S−
S−C1225 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪
酸が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好
ましい。
【0021】また透明化できる温度の巾を広げるには、
この明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合
せるか、または、そうした有機低分子物質と融点の異な
る他の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭
63−39378号、特開昭63−130380号など
の公報や、特願昭63−14754号、特願昭1−14
0109号、特開平2−1363号、特開平3−208
9号などの明細書に開示されているが、これらの限定さ
れるものではない。
【0022】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂母
材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度が好まし
く、1:2〜1:6が更に好ましい。樹脂母材の比率が
これ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材中に保持
した膜に形成することが困難となり、またこれ以上にな
ると、有機低分子物質の量が少ないため、不透明化が困
難になる。
【0023】感熱層の厚みは1〜30μmが好ましく、
2〜20μmがさらに好ましい。感熱層が厚すぎると層
内での熱の分布が発生し均一に透明化することが困難と
なる。また、感熱層が薄すぎると白濁度が低下しコント
ラストが低くなる。更に、感熱層中の有機低分子物質の
量を増加させると白濁度を増すことができる。
【0024】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。高沸点溶剤の例;リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル
酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フ
タル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタ
ル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸
ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸
ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジエチ
レングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコー
ルジ−2−エチルブチラート、アセチルリシノール酸メ
チル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブ
チルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル。
【0025】界面活性剤、その他の添加物の例; 多価アルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高
級アルキルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステ
ル、高級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂
肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又は
ポリプロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド
付加物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼン
スルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪
酸、芳香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族
スルホン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ
−エステルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポ
リ長鎖アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;
ポリ長鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタク
リレート〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無
水マレイン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共
重合体。
【0026】樹脂母材に用いる樹脂には、プラスチック
フィルム、ガラス、金属などの支持体上に塗布乾燥して
積層の感熱層を形成すると、支持体との接着性が弱いも
のもあり、支持体と感熱層との間に接着層を設け、感熱
層がはがれないようにすることも可能である。接着層の
樹脂としては、支持体との接着性がよく、且つ感熱記録
層の成分に悪影響を与えないものならば特に限定され
ず、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。特
に金属、金属薄膜上には接着性が悪く、塩化ビニルとリ
ン酸エステルを主成分とした共重合体等が接着層材料と
して好適に用いられる。接着層の厚みとしては、0.1
〜5μmぐらいが好ましく、さらに0.3〜2μmぐら
いが好ましい。
【0027】また、この記録材料の画像を反射画像とし
て用いる場合には、記録層の背面に光を反射する層を設
けると記録層の厚みを薄くしてもコントラストを上げる
ことができる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着す
ることが挙げられる(特開昭64−14079号に記
載)。そして、磁気記録層と可逆性感熱層を組み合わせ
たカードを作成することも可能である。特に磁気記録層
上に可逆性感熱層を設ける場合には、表面を滑性にする
ために樹脂を主成分とした平滑層を設け、その上に光を
反射する層を設け、更にその上に場合により接着層を介
して感熱層を設ければよい(実開平2−3876号)。
【0028】更に、本発明の感熱層上に、サーマルヘッ
ド等の書き込み法による加熱手段の熱と圧力で表面が変
形して透明部の透明度が低下するのを防ぐため、保護層
を設けても良い。感熱層上に積層する保護層(厚さ0.
1〜5μm)の材料としてはシリコーン系ゴム、シリコ
ーン樹脂(特開昭63−221087号公報に記載)、
ポリシロキサングラフトポリマー(特開昭63−317
385号に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂
(特開平2−566号に記載)等が挙げられる。
【0029】いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いる
が、その溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分子物質
を溶解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機
低分子物質を溶解しにくい溶剤としてはn−ヘキサン、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコス
ト面から望ましい。
【0030】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、こ
こでの部及び%は共に重量基準である。
【0031】実施例1 約188μm厚の白色PET上に、 r−Fe23 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 (UCC社製 VAGH) 2部 コロネート(10%トルエン溶液) 2部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 よりなる液をワイヤ−バ−で塗布し、加熱乾燥して約1
4μm厚の磁気記録層を設けた。そして、磁気記録層側
とは反対の透明PET上に約400〜500Å厚のAl
を真空蒸着し光反射層を設けた。更にその上に、 ベヘン酸 2部 エイコサン2酸 5部 リグノセリン酸 3部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工業社製 重合度1800、試作品) 40部 THF 100部 トルエン 50部 よりなる溶液をワイヤ−バ−で塗布し、加熱乾燥して約
11μm厚の可逆性感熱記録層を設けた。更にその上
に、 ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学工業社製 ユニディックC7−157) 10部 イソプロピルアルコール 12部 よりなる溶液をワイヤ−バ−で塗布し加熱乾燥後80W
/cmの紫外線ランプで硬化させ、約4μm厚の保護層
を設けて可逆性感熱記録材料を作成した。
【0032】次にこの可逆性感熱記録材料を120℃の
恒温槽に1分間放置後常温まで冷却し白濁不透明状態に
した。このようにして作成した可逆性感熱記録材料を6
0℃〜130℃まで2℃きざみに恒温槽で10分間加熱
後室温まで冷却して、これをマクベス反射濃度計(RD
−914)で反射濃度を測定した。この際反射濃度値が
0.8を越えている時の温度範囲を透明化温度範囲と
し、その範囲を巾とした。その結果を表1に示す。
【表1】 次に実施例1の可逆性感熱記録材料について次の様に画
像形成及び画像消去の繰り返し500回耐久性試験を行
なった。画像形成装置として九州松下電器社製サーマル
ヘッド印字装置を用いて画像形成を行ない、また画像消
去は82℃の恒温槽に10分間放置後、室温まで冷却し
た。また繰り返し500回耐久性試験での白濁画像濃度
及び画像消去濃度について1回目及び500回目もマク
ベス反射濃度計(RD−914)で測定した結果を表5
に示した。
【0033】実施例2 実施例1と同様な可逆性感熱記録材料を用いて恒温槽で
の消去温度を93℃(透明化温度範囲の中心値)にする
以外は、実施例1と同様にして繰り返し500回耐久性
試験を行なった。その結果を表5に示した。
【0034】実施例3 実施例1を同様な可逆性感熱記録材料を使用し、透明化
温度範囲の測定をユニークマシナリー社製の消去装置を
用いて70℃〜130℃まで2℃きざみで加圧圧力1.
5kg/cm2で1.0秒加熱後室温まで冷却して、こ
れを実施例1と同様にして透明化温度の範囲及び巾を測
定した。その結果を表2に示す。
【表2】 ここで用いた消去装置はホットスタンプ方式であり、ホ
ットスタンプにはAlブロックを用い、またこの金属熱
板表面にスプリングかたさHsで45のシリコンゴムを
厚さ0.2mmで貼着させたものを使用した。次に画像
形成及び画像消去の繰り返し500回耐久性試験を行な
った。画像形成は実施例1と同様にして行ない、また画
像消去はユニークマシナリー社製消去装置を使用し消去
温度94℃、印加圧力1.5kg/cm2、印加時間1
secに設定した。この試験結果を表5に示す。
【0035】実施例4 実施例1と同様な可逆性感熱記録材料を使用し、透明化
温度範囲の測定をTOYOSEIKI社製熱傾斜試験装
置を用いて90℃〜140℃まで2℃きざみで加圧圧力
1.5kg/cm2で1.0秒加熱後室温まで冷却し
て、これを実施例1と同様にして透明化温度の範囲及び
巾を測定した。その結果を表3に示す。
【表3】 次に画像形成及び画像消去の繰り返し500回耐久性試
験を行なった。画像形成は実施例1と同様にして行な
い、また画像形成はTOYOSEIKI社製熱傾斜試験
装置を使用し、消去温度108℃、印加圧力1.5kg
/cm2、印加時間0.1秒に設定した。この試験結果
を表5に示す。
【0036】実施例5 実施例1と同様な可逆性感熱記録材料を使用し、透明化
温度範囲の測定は、印加圧力0.1kg/cm2、印加
時間2secとした以外は、実施例3と同様にして透明
化温度の範囲及び巾を測定した。その結果を表4に示
す。
【表4】 次に画像形成及び画像消去の繰り返し500回耐久性試
験を画像消去時の消去温度を91℃、印加圧力0.1k
g/cm2、印加時間2秒とした以外は、実施例3と同
様にして行なった。その結果を表5に示す。
【0037】比較例1 消去温度を103℃とする以外は、実施例1と同様にし
て画像の形成及び消去の繰り返し500回耐久性試験を
行なった。その結果を表5に示す。
【0038】比較例2 消去温度を110℃とする以外は、実施例3と同様にし
て繰り返し500回耐久性試験を行なった。その結果を
表5に示す。
【0039】比較例3 消去温度を105℃とする以外は、実施例5と同様にし
て繰り返し500回耐久性試験を行なった。その結果を
表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】実施例1〜5及び比較例1〜3の結果か
ら明らかなように、本発明の画像消去方法により、画像
の形成及び消去を何度繰り返しても、消去濃度の低下は
なく、しかも高コントラストの画像を維持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱による透明度の変化を表わす図である。
フロントページの続き (72)発明者 諸星 邦親 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により画像の形成と消去が可能な可
    逆性感熱記録材料を加熱して画像消去する画像消去方法
    において、消去エネルギーを、該可逆性感熱記録材料の
    画像消去時の消去可能なエネルギー範囲の中心エネルギ
    ー値より低エネルギー側にして画像消去を行なうことを
    特徴とする画像消去方法。
  2. 【請求項2】 該可逆性感熱記録材料を加熱して画像消
    去する画像消去手段としてホットスタンプを用い、加熱
    時間を0.1秒以上にして画像消去を行なうことを特徴
    とする請求項1記載の画像消去方法。
  3. 【請求項3】 該可逆性感熱記録材料を加熱して画像消
    去する画像消去手段としてホットスタンプを用い、0.
    1kg/cm2以上の圧力で押圧し、同時に加熱して画
    像消去を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像消
    去方法。
  4. 【請求項4】 該可逆性感熱記録材料を加熱して画像消
    去する画像消去手段として、金属表面に高分子有機化合
    物からなる緩衝材を配したホットスタンプを用いること
    を特徴とする請求項1記載の画像消去方法。
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