明 細 書
ポリ カーボネー ト及びその製造方法
技術分野
本発明は、 ポ リ カーボネー ト及びその製造方法に関する。 さ らに詳 し く は、 流動性及び耐湿性に優れたポ リ カーボネー 卜、 及びこのもの を特定の触媒の存在下でエステル交換反応によ り効率よ く 製造する方 法に関する ものである。 背景技術
ポ リ カーボネー トは耐衝撃性, 耐熱性, 透明性などに優れたェン ジ ニア リ ングプラスチ ッ クであって、 各種機械部品, 光学用デイ スク, 自動車部品などに広く 用いられているが、 近年、 光学用ディ スクなど の分野においては、 より高い流動性が求められている。
このよ うな要望に対して、 塩化メ チレンなどの溶媒を用いる界面重 縮合法により得られた末端をク ミ ルフ ヱ ノ キシ基などで変性してなる ポ リ カーボネー 卜が提案されている (特開平 1 — 2 4 5 0 1 6号公報 ) 。 しかしながら、 この界面重縮合法により得られたポ リ カーボネー トは、 ナ ト リ ウム分ゃ塩素分などの不純物を完全に除去するこ とが困 難であつて光学用途向けと しては、 充分なものとはいえない。
これに対し、 溶媒を用いずに不純物の少ないポ リ カーボネ一 トを得 る方法と してエステル交換反応法 (溶融重合法) が知られている。 こ のエステル交換反応法により、 末端位にク ミ ルフ エ ノ キシ基を導入し たポリ カーボネー トを製造する方法と しては、 例えば重合触媒と して 、 含窒素塩基性化合物とアルカ リ金属化合物又はアルカ リ土類金属化 合物とホウ酸との組合せからなる触媒を用いる方法 (特開平 2 — 1 7
5 7 2 3号公報) 、 触媒と してアルカ リ金属化合物又はアルカ リ土類 金属化合物を用いて重合を行ったのち、 酸性化合物を添加する方法 ( 特開平 5 — 9 2 8 7号公報) などが提案されている。 しかしながら、 これらの方法においては、 得られたポ リ カーボネー トは、 高温, 高湿 下でク ラ ッ クが発生し、 強度が低下するという問題がある。 発明の開示
本発明は、 このような状況下で、 流動性及び耐湿性 (耐スチームク ラ ッ ク性) に優れるポ リ カーボネー ト、 及びこの ものを効率よ く 製造 する方法を提供する こ とを目的とする ものである。
本発明者らは、 流動性及び耐湿性に優れるポ リ カーボネー トについ て鋭意研究を重ねた結果、 主鎖中に微量含有するサリ チル酸フ ユニル 構造単位が耐湿性 (耐スチームクラ ッ ク性) を低下させる原因であり 、 この単位の含有量を特定の値以下に抑える こ とにより、 耐湿性に優 れるポ リ カーボネー トが得られる こ と、 そ してこの条件を満たし、 か つ末端位に p — ク ミ ルフ エ ノキシ基, フエ ノ キシ基及び水酸基を特定 の割合で有する ものが、 特に流動性及び耐湿性に優れているこ とを見 出 した。 さ らに、 これらのポ リ カーボネー トは、 特定の触媒を用いる エステル交換反応法により、 効率よ く 得られるこ とを見出 した。 本発 明は、 かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、 本発明は、
(式中、 R ' 及び R2 は、 それぞれ水素原子又は炭素数 1 〜 7のアル キル基を示し、 それらはたがいに同一でも異なっていてもよ く 、 また たがいに結合して環構造を形成していてもよい。 )
で表される繰り返し単位からなり、 かつその主鎖中に含まれる式 (II )
で表されるサ リ チル酸フ ヱニル構造単位の量が 1 0 0重量 p p m以下 である こ とを特徴とする粘度平均分子量 1 0, 0 0 0以上のポ リ カー ボネ一 卜、 特に好ま し く は、
( 2 ) 末端位に p— ク ミ ルフ ヱ ノキシ基 5 ~ 9 8 モル%, フ ヱ ノキシ 基 〜 9 4 モル%及び水酸基 1 〜 9 4 モル%を有する上記 ( 1 ) 記載 のポ リ カーボネー ト、 を提供するものである。
また、 本発明は、
(式中、 R 1 及び R2 は上記と同じである。 )
で表される芳香族ジヒ ドロキシ化合物と ( B ) 炭酸ジエステルとを、
( a ) 含窒素有機塩基性化合物と ( b ) 四級ホスホニゥム塩との組合 せからなる重合触媒を用いて、 エステル交換反応させるこ とを特徴と する上記 ( 1 ) 記載のポ リ カーボネー トの製造方法、
及び
( 4 ) 上記一般式 (111)で表される芳香族ジヒ ドロキシ化合物と ( B ' ) ジフ エ二ルカーボネー ト とを、 p—ク ミ ノレフ ヱ ノ ールの存在下、
( a ) 含窒素有機塩基性化合物と ( b ) 四級ホスホニゥム塩との組合 せからなる重合触媒を用いて、 エステル交換反応させるこ とを特徴と する上記 ( 2 ) 記載のポ リ カーボネー トの製造方法、
をも提供する ものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明のポ リ カーボネー トは、 主鎖が、 一般式 ( I )
( I )
で表される繰り返し単位からなり、 かつその主鎖中に含まれる式 (I
)
〇>~
で表されるサリ チル酸フ ヱニル構造単位の量が 1 0 0重量 p p m以下 のものである。
上記一般式 ( I ) において、 R 1 及び R 2 はそれぞれ水素原子又は 炭素数 1 〜 7 のアルキル基を示す。 このアルキル基は、 直鎖状, 分岐 鎖状, 環状のいずれであってもよ く 、 例えばメ チル基, ェチル基, n 一プロ ピル基, イ ソプロ ピル基, ブチル基, ペンチル基, へキシル基 , ヘプチル基, シク ロペンチル基, シク ロへキシル基などである。 該 R 1 及び R 2 はたがいに同一でも異なっていてもよ く 、 またたがいに 結合して環構造を形成していてもよい。
また、 このポ リ カーボネー トの粘度平均分子量は 1 0, 0 0 0以上 であるこ とが必要である。 粘度平均分子量が 1 0, 0 0 0未満のもの は実用に供するには機械物性が不充分である。 成形性及び機械物性の バラ ンスの点から、 好ま しい粘度平均分子量は 1 0 , 0 0 0 ~ 1 0 0 , 0 0 0 の範囲であり、 特に 1 4, 0 0 0〜 4 0, 0 0 0 の範囲が好 適である。 なお、 この粘度平均分子量 (M V ) は、 ポ リ カーボネ— 卜 を塩化メ チレンに溶解し、 温度 2 0 °Cでの塩化メ チレン溶液の極限粘 度 〔 〕 を測定して、 式
〔 "〕 = 1. 2 3 X 1 0— 5 X M V °- 8 3
より、 算出した値である。
さ らに、 このポ リ カーボネー トにおいて、 主鎖中に含まれる式 ( 11
) で表されるサリ チル酸フ Xニル構造単位は、 重合中において、 熱や 触媒作用を受けてカーボネー ト基の炭素がオル ト位に転移することに より、 生成する ものと推測される。 その含有量が 1 0 0重量 p p mを 超えると耐湿性が低下し、 高温, 高湿下でク ラ ッ クが発生し、 衝撃強 度が低下するなど、 好ま しく ない事態を招来する。 このような現象は 、 特に、 実用成形品と して最も流動性及び強度のバラ ンスの良い粘度 平均分子量 1 4, 0 0 0〜 1 7, 0 0 0程度において著し く 現れる。 なお、 このサ リ チル酸フ エニル構造単位の含有量は、 以下に示す方法 により測定した値である。
ポ リ マ一 5 0 0 m gを塩化メ チ レ ン 2 5 ミ リ リ ッ トルに溶解して、 3 2 0 n mにおける吸光度を測定した。 なお、 レフ ァ レ ンス側には、 界面法で製造したポ リ カーボネー ト 〔出光石油化学 (株) 製〕 フ レー クを同様に塩化メ チレンに溶解して用いた。
一方、 サリ チル酸フ ヱニルを標準と して検量線を作成し、 この検量 線と上記吸光度とから、 ポリ マー中のサ リ チル酸フ ニル構造単位量 (重量 p p m) を求めた。
本発明のポ リ カーボネー トを製造する方法については、 上記の性状 を有するポ リ カーボネー 卜が得られる方法であればよ く 、 特に制限は ないが、 と りわけエスエル交換反応法によって製造するのが有利であ 本発明の方法による と、 (A) —般式 (III)
(III)
(式中、 R
1 及び R
2 は上記と同 じである。 )
で表される芳香族ジヒ ドロキシ化合物と ( B ) 炭酸ジエステルとを、 ( a ) 含窒素有機塩基性化合物と ( b ) 四級ホスホニゥム塩との組合 せからなる重合触媒を用いて、 エステル交換反応させるこ とにより、 所望のポ リ カーボネー トを効率よ く 製造する ことができる。
上記 (A ) 成分の一般式 (111)で表される芳香族ジヒ ドロキン化合 物と しては、 例えばビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ ヱニル) メ タ ン ; 1 , 1 — ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ エニル) ェタ ン ; 1 , 1 — ビス ( 4 — ヒ ド 口キシフ ヱニル) プロパ ン ; 2, 2 — ビス ( 4 ー ヒ ドロキンフ エニル ) プロパ ン (通常ビスフ ヱ ノ ール A ) ; 1 , 1 _ ビス ( 4 ー ヒ ドロキ シフ ヱニル) ブタ ン ; 1 , 1 一 ビス ( 4 — ヒ ドロキシフ ヱニル) イ ソ ブタ ン ; 2 , 2 — ビス ( 4 — ヒ ドロキシフ ヱニル) ブタ ン ; 1 , 1 — ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ ヱニル) ペンタ ン ; 2 , 2 — ビス ( 4 — ヒ ド 口キシフ ヱニル) ペンタ ン ; 3, 3 _ ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ エニル ) ペンタ ン ; 2, 2 — ビス ( 4 — ヒ ドロキ シフ エニル) へキサ ン ; 3 , 3 — ビス ( 4 ー ヒ ドロキ シフ ヱニル) へキサン ; 2, 2 — ビス ( 4 — ヒ ドロ キシフ ヱニル) ヘプタ ン ; 3, 3 — ビス ( 4 — ヒ ドロキシフ ェニル) ヘプタ ン ; 4, 4 — ビス ( 4 ー ヒ ドロキ シフ ヱニル) ヘプタ ン ; 2, 2 — ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ エニル) オ ク タ ン ; 3, 3 — ビ ス ( 4 — ヒ ドロキシフ ヱニル) オク タ ン ; 4, 4 一 ビス ( 4 ー ヒ ドロ キ シフ ヱニル) オク タ ン ; 1 , 1 一 ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ ヱニル) シ ク ロペンタ ン ; 1 , 1 _ ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ ヱニル) シ ク ロへ キサンなどが挙げられる。
この ( A ) 成分の芳香族ジヒ ドロキシ化合物は一種用いてもよ く 、 二種以上を組み合わせて用いてもよいが、 これらの中で特にビスフ エ
ノ ール Aを用いるのが好ま しい。
一方 A、 本発明において、 (B) 成分と して用いられる炭酸ジエステ ルは、 各 r種のものがある。 例えば、 炭酸ジァ リ ール化合物, 炭酸ジァ o
ルキル化合物 oc=又は炭酸アルキルァ リ ール化合物から選択される少な く o
と も一種の化合物である。
この (B) 成分の D一つと して用いられる炭酸ジァ リ ール化合物は、 一般式 UV) o o
O A
II r
A r O C 0 A (IV)
(式中、 A r 1 及び A r 2 はそれぞれァ リ ール基を示し、 それらは たがいに同一でも異なっていてもよい。 )
で表される化合物、 又は一般式 (V)
( V)
(式中、 A r 3 及び A r 4 はそれぞれァ リ ール基を示し、 それらはた がいに同一でも異なっていてもよ く 、 D 1 は前記芳香族ジヒ ドロキシ 化合物から水酸基 2個を除いた残基を示す。 )
で表される化合物である。
また、 炭酸ジアルキル化合物は、 一般式 (VI)
0
II
R 30 C 0 R (VI)
(式中、 R 3 及び R 4 はそれぞれ炭素数 1 〜 6のアルキル基又は炭素 数 4〜 7のシク 口アルキル基を示し、 それらはたがいに同一でも異な つていてもよい。 )
で表される化合物、 又は一般式 (VII)
0 0
II II
R5O C O— D 2— O C O R (VII)
(式中、 R 5 及び R 6 はそれぞれ炭素数 1 〜 6のアルキル基又は炭素 数 4 ~ 7のシク 口アルキル基を示し、 それらはたがいに同一でも異な つていてもよ く 、 D 2 は前記芳香族ジヒ ドロキシ化合物から水酸基 2 個を除いた残基を示す。 )
で表される化合物である。
そ して、 炭酸アルキルァ リ ール化合物は、 一般式 (VIII)
0
II
A r 5〇 C 0 - R 7 · · · (VIII)
(式中、 A r 5 はァ リ ール基、 R 7 は炭素数 1 〜 6のアルキル基又は 炭素数 4〜 7 のシク ロアルキル基を示す。 )
で表される化合物、 又は一般式 (IX)
0 0
II II
A r 60 C 0— D 0 C 0 R (IX)
(式中、 A r 6 はァ リ ール基, R 8 は炭素数 1〜 6 のアルキル基又は 炭素数 4〜 7 のシク ロアルキル基、 D 3 は前記芳香族ジ ヒ ドロキシ化 合物から水酸基 2 個を除いた残基を示す。 )
で表される化合物である。
ここで、 炭酸ジァ リ ール化合物と しては、 例えば、 ジフ ヱ二ルカ一 ボネー ト, ジ ト リ ノレカーボネー ト, ビス (ク ロ 口 フ エニル) カーボネ ー ト, m— ク レジルカーボネー ト, ジナフチルカーボネー ト, ビス ( ジフ エニル) カーボネー ト, ビスフ エ ノ ール A ビスフ エニルカーボネ 一 トなどが挙げられる。
また、 炭酸ジアルキル化合物と しては、 例えば、 ジェチルカ一ボネ — ト, ジメ チルカ一ボネー ト, ジブチルカーボネー ト, ジンク ロへキ シルカーボネー ト, ビスフ エ ノ ール A ビスメ チルカーボネー トなどが 挙げられる。
そして、 炭酸アルキルァ リ ール化合物と しては、 例えば、 メ チルフ ヱニルカ ーボネー ト, ェチノレフ ェニルカーボネー ト, ブチノレフ ヱニル カーボネー ト, シク ロへキシルフ ェニルカ一ボネー ト, ビスフ エ ノ ー ノレ Aメ チルフ Lニルカーボネー トなどが挙げられる。
本発明において、 ( B ) 成分の炭酸ジエステルと しては、 上記の化 合物一種又は二種以上を適宜選択して用いるが、 これらの中では、 ジ フ エ二ルカ一ボネ一 トを用いるのが好ま しい。
本発明の製造方法においては、 必要に応じて末端停止剤を用いるこ とができる。 この末端停止剤と しては、 例えばフ ヱ ノール ; 0— n— ブチルフ エ ノ ーノレ ; m— n —ブチノレフ エ ノ ール ; p— n —ブチノレフ エ ノ ーノレ ; o —イ ソ ブチノレフ エ ノ ーノレ ; m —イ ソ ブチルフ エ ノ ーノレ ; ρ —イ ソブチルフ エ ノ ール ; 0— t —ブチルフ エ ノ ール ; m— t —ブチ ノレフ エ ノ ーノレ ; p — t —ブチノレフ エ ノ 一ノレ ; o — n —ペンチノレフ エ ノ
—ノレ ; m— n —ペ ンチノレフ エ ノ ーノレ ; ρ— n —ペ ンチノレフ エ ノ ーノレ ; o— n —へキ シノレフ エ ノ ーノレ ; m _ n —へキ シノレフ エ ノ ーノレ ; p— n —へキ シノレフ エ ノ ーノレ ; 0 — シ ク ロへキ シノレフ エ ノ ーノレ ; m— シ ク ロ へキシノレフ エ ノ ール ; p — シ ク ロへキ シノレフ エ ノ ール ; o — フ エ ニル フ エ ノ ーノレ ; m— フ エニノレフ ェ ノ ール ; p — フ エニノレフ エ ノ ーノレ ; 0 — n — ノ ニノレフ エ ノ ーノレ ; m— n — ノ ニノレフ エ ノ ーノレ ; p — n — ノ ニ ルフ エ ノ ーノレ ; o —ク ミ ノレフ エ ノ ーノレ ; m — ク -ミ ノレフ エ ノ ーノレ ; p— ク ミ ノレフ ヱ ノ ーノレ ; 0 — ナフ チルフ エ ノ ール ; m —ナフ チノレフ ヱ ノ 一 ノレ ; p — ナフ チルフ エ ノ ール ; 2, 6 — ジ一 t 一ブチルフ エ ノ ーノレ ; 2 , 5 — ジ 一 t 一 ブチルフ エ ノ ール ; 2, 4 — ジ 一 t — ブチルフ エ ノ 一ノレ ; 3, 5 — ジ一 t —ブチルフ エ ノ ール ; 2, 5 — ジ ク ミ ノレフ エ ノ 一ノレ ; 3, 5 — ジ ク ミ ノレフ エ ノ ーノレ ; 式
C H
0 H
で表される ク ロマン誘導体などの一価フ ヱノ ール、 さ らには、 式
C η Η 2 π . !— OH
(式中、 nは 7〜 3 0の整数である。 ) 一 0 ~~ (〇
— 0 ~~ <〇
(式中、 R9 は炭素数 1〜 1 2のアルキル基を示し kは 1〜 3の整数である。 ) で表される化合物などが挙げられる
これらの中で、 フ エ ノ ール, p — t —ブチノレフ エ ノ 一ノレ, p — ク ミ ルフ ヱ ノ ール, p — フ ヱニルフ ヱ ノ ールなどが好ま し く 、 特に得られ るポ リ カ ーボネー トの流動性などの点から、 p — ク ミ ノレフ エ ノ ールが 好適である。
さ らに、 本発明では、 必要に応じて、 フ ロ ログルシン ; ト リ メ リ ッ ト酸 ; 1 , 1 , 1 — ト リ ス ( 4 ー ヒ ドロキシフ ヱニル) ェタ ン ; 1 — 〔 α — メ チルー α— ( 4 , ー ヒ ドロキ シフ エニル) ェチル〕 一 4 一 〔 a ' , a ' 一 ビス ( 4 " ー ヒ ドロキシフ エニル) ェチル〕 ベンゼン ; a , a ' , ひ " ー ト リ ス ( 4 — ヒ ドロキシフ ヱニル) 一 1 , 3 , 5 — ト リ イ ソプロ ピルベンゼン ; ィサチ ン ビス ( ο — ク レゾール) などを 分岐剤と して用いる こ と もでき る。
本発明の製造方法においては、 エス テル交換反応の際に、 重合触媒 と して、 ( a ) 含窒素有機塩基性化合物と ( b ) 四級ホスホニゥム塩 との組合せが用いられる。
上記 ( a ) 成分の含窒素有機塩基性化合物と しては、 特に制限はな く 、 各種の ものがある。 例えば、 卜 リ メ チルァ ミ ン, 卜 リ エチルア ミ ン, ト リ プロ ピルァ ミ ン, ト リ ブチルァ ミ ン, ト リ ペンチルァ ミ ン, ト リ へキ シルア ミ ン, ジメ チルペン ジルア ミ ンなどの脂肪族第三級ァ ミ ン化合物、 ト リ フ ヱニルァ ミ ンなどの芳香族第三級ァ ミ ン化合物、 N, N — ジメ チルー 4 —ア ミ ノ ビ リ ジ ン, 4 ー ジェチルァ ミ ノ ピリ ジ ン, 4 一 ピロ リ ジノ ピ リ ジ ン, 4 —ア ミ ノ ビ リ ジ ン, 2 —ア ミ ノ ビ リ ジ ン, 2 — ヒ ドロキシ ピ リ ジ ン, 4 ー ヒ ドロ キシ ピ リ ジ ン, 2 — メ ト キシ ピ リ ジ ン, 4 — メ ト キシ ピ リ ジ ン, イ ミ ダゾ一ル, 2 — メ チルイ ミ ダゾ一ル, 4 一メ チルイ ミ ダゾ一ル, 2 — ジ メ チルァ ミ ノ イ ミ ダゾ ール, 2 — メ トキシイ ミ ダゾ一ル, 2 — メ ノレカプ ト イ ミ ダゾール, ァ ミ ノ キノ リ ン, ジァザビシ ク ロオク タ ン ( D A B C 0 ) などの含窒素
複素環化合物が挙げられる。
さ らに、 一般式 (X)
(NR I 0 4 ) + ( X 1 ) · · · (X)
で表される四級アンモニゥム塩を挙げるこ とができる。
上記一般式 (X) において、 R1 ()は有機基、 例えばメ チル基, ェチ ル基, プロ ピル基, ブチル基, ペンチル基, へキシル基、 ォクチル基 , シク ロへキシル基などのアルキル基ゃシク ロアルキル基、 フ ヱニル 基, ト リ ル基, ナフチル基, ビフ ヱニル基などのァ リ ール基、 ベンジ ル基などのァ リ ールアルキル基などを示す。 四つの R '。はたがいに同 一でも異なっていてもよ く 、 また二つの R I Dが結合して環構造を形成 していてもよい。 X 1 はハロゲン原子, 水酸基又は B R4 を示す。 こ こで、 Rは水素原子又はアルキル基ゃァ リ ール基などの炭化水素基を 示し、 四つの Rはたがいに同一でも異なっていてもよい。
このよ うな四級ア ンモニゥム塩と しては、 例えばテ トラメ チルア ン モニゥムヒ ドロキシ ド, テ トラェチルア ンモニゥムヒ ドロキン ド, テ ト ラブチルアンモニゥムヒ ドロキシ ド, ト リ メ チルペンジノレアンモニ ゥムヒ ドロキシ ドなどのアルキル基, ァ リ ール基, アルア リ ール基な どを有するアンモニゥムヒ ドロキシ ド類、 テ トラメ チルアンモニゥム ボロハイ ドライ ド, テ トラプチルア ンモニゥムボロハイ ドライ ド, テ トラブチルアンモニゥムテ トラフ ェニルボレー ト, テ トラメ チルア ン モニゥムテ トラフ ェニルボレー 卜などの塩基性塩が挙げられる。
これらの含窒素有機塩基性化合物の中で、 触媒活性が高く 、 かつ熱 分解が容易でポ リマ ー中に残留しにく いなどの点から、 上記一般式 ( X) で表される四級アンモニゥム塩、 具体的にはテ トラメ チルアンモ 二ゥムヒ ドロキシ ド, テ ト ラプチルア ンモニゥムヒ ドロキシ ド, テ 卜 ラ メ チルア ンモニゥ厶ボロハイ ドライ ド, テ トラプチルア ンモニゥム
ポロハイ ドライ ドが好ま し く 、 特にテ 卜ラメ チルア ンモニゥムヒ ドロ キシ ドが好適である。
この ( a ) 成分の含窒素有機塩基性化合物は一種用いてもよ く 、 二 種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、 ( b ) 成分の四級ホスホニゥム塩と しては、 特に制限はな く 、 各種のものがあり、 例えば一般式 (XI)
(P R' ) + (X2 ) - · · · (XI)
で表される化合物が好ま し く 用いられる。
上記一般式 (XI) において、 R11は有機基を示し、 この有機基と し ては、 上記一般式 (X) における R 1 Dの説明において例示したものと 同じ ものを挙げることができる。 四つの R 1 1はたがいに同一でも異な つていてもよ く 、 また二つの R 1 'が結合して環構造を形成していても よい。 X2 はハロゲン原子, 水酸基, アルキルォキシ基, ァ リ ールォ キシ基, (R' 0) 2 P (= 0) 0又は B R, ' 4 を示す。 こ こで、 R , はアルキル基ゃァ リ ール基などの炭化水素基を示し、 二つの R ' 0 はたがいに同一でも異なっていてもよい。 また R' ' は水素原子又はァ ルキル基ゃァ リ ール基などの炭化水素基を示し、 四つの R ' ' はたがい に同一でも異なっていてもよい。
このような四級ホスホニゥム塩と しては、 例えばテ ト ラフ ヱニルホ スホニゥムヒ ドロキン ド, テ トラナフチルホスホニゥムヒ ドロキン ド
, テ トラ (ク ロ口フ エニル) ホスホニゥム ヒ ドロキシ ド, テ トラ (ビ フ エニル) ホスホニゥムヒ ドロキシ ド, テ ト ラ ト リノレホスホニゥムヒ ドロキシ ド, テ トラメ チルホスホニゥムヒ ドロキシ ド, テ トラエチル ホスホニゥムヒ ドロキシ ド, テ トラブチルホスホニゥムヒ ドロキシ ド などのテ トラ (ァ リ ール又はアルキル) ホスホニゥムヒ ドロキシ ド類 、 さ らにはテ トラメ チルホスホニゥムテ ト ラフ エ二ルポレー ト, テ ト
ラフ ヱニルホスホニゥムブロ ミ ド, テ トラフ ヱニルホスホニゥムテ ト ラフ ェニルボレー ト, メ チル ト リ フ ヱニルホスホニゥムテ トラフ エ二 ルボレー 卜, ベンジル ト リ フ ヱニルホスホニゥムテ トラフ : L二ルボレ ー ト, テ 卜ラ ト リ ノレホスホニゥムテ トラフ エ二ルポレー ト, テ 卜ラフ ェニルホスホニゥムフヱ ノ レー ト, テ トラ ( p — t —ブチルフ ヱニル
) ホスホニゥムジフ エ二ノレホスフ ェー ト, ト リ フ エニルブチルホスホ ニゥムフ ヱ ノ レー ト, ト リ フ エニルブチルホスホニゥムテ トラ フ エ二 ルボレー 卜などが挙げられる。
また、 上記一般式 (X I ) で表される化合物以外に、 例えば 2, 2 - ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフ ヱニル) プロパンのビスーテ ト ラフヱニルホ スホニゥム塩, エチレンビス ( ト リ フ エニルホスホニゥム) ジブロ ミ ド, ト リ メ チレンビス ( ト リ フ エニルホスホニゥム) 一 ビス (テ トラ フ ヱニルボレー ト) なども挙げるこ とができる。
これらの四級ホスホニゥム塩の中で、 触媒活性が高く 、 かつ熱分解 が容易でポ リ マー中に残留しにく いなどの点から、 テ 卜 ラフヱニルホ スホニゥムテ トラフ ヱ二ノレボレー 卜, メ チノレ ト リ フ ヱニルホスホニゥ ムテ ト ラフ ェニルボレー 卜及びベンジル ト リ フ エニルホスホニゥムテ トラフ ヱニルボレー 卜が好適である。
この ( a ) 成分の四級ア ンモニゥム塩は一種用いてもよ く、 二種以 上を組み合わせて用いてもよい。
なお、 これらの含窒素有機塩基性化合物及び四級ア ンモニゥム塩は 、 金属不純物の含有量ができるだけ少ないものが好ま し く 、 特にアル 力 リ金属及びアル力 リ土類金属化合物の含有量が 5 0 p p m以下のも のが好適である。
本発明においては、 重合触媒と して、 上記 ( a ) 成分の含窒素有機 塩基性化合物を 1 0 ―1〜 1 0— 6モル、 好ま し く は 1 0 — 2〜 1 0 — 5モル
用い、 ( b ) 成分の四級ホスホニゥム塩を 1 0 — 3〜 1 0— 8モル、 好ま し く は 1 0— 4~ 1 0— 7モル用いるのが望ま しい。 ( a ) 成分の使用量 が 1 0— 6モル未満では反応初期での触媒活性が不充分となり、 また 1 0 'モルを超えるとコ ス ト ア ッ プに繋がり好ま し く ない。 一方、 ( b ) 成分の使用量が 1 0 — 8モル未満では反応後期での触媒活性が不充分 となり、 また 1 0— 3モルを超えるとコス トア ップに繋がり好ま し く な い。
また、 この重合触媒は、 原料である (A) 成分の芳香族ジヒ ドロキ シ化合物 1 モルに対して、 ( a ) 成分と ( b ) 成分との合計量が、 通 常 1 0 -1〜 1 0— 8モル、 好ま し く は 1 0 一 2 〜 1 0— 7モルになるような 割合で添加される。 この触媒の添加量が 1 0 — 8モル未満では、 触媒効 果が発現されないおそれがある。 また、 1 0 —1モルを超えると、 最終 製品であるポ リ カーボネー トの物性、 特に、 耐熱性, 耐加水分解性の 低下を招く おそれがあり、 また、 コス トア ップに繋がり、 これを超え てまで添加することはない。
本発明のポ リ 力ーボネ一 トにおいては、 特に流動性及び耐湿性の優 れたものと して、 前記式 (II) で表されるサ リ チル酸フ ヱニル構造単 位の含有量が 1 0 0重量 p p m以下で、 かつ末端位に p — ク ミ ルフ ヱ ノ キ シ基 5〜 9 8 モル%, フ ヱ ノ キン基 1〜 9 4 モル%及び水酸基 1 〜 9 4 モル%を有する ものが好適である。
このようなポ リ カーボネー トは、 ( A ) 前記一般式 ( I Π )で表され る芳香族ジヒ ドロキシ化合物と ( B ' ) ジフ エニルカーボネー ト とを 、 末端停止剤の p —ク ミ ルフ エ ノ ールの存在下に、 前記の ( a ) 含窒 素有機塩基性化合物と ( b ) 四級ホスホニゥム塩との組合せからなる 重合触媒を用いてエステル交換反応させるこ とにより、 効率よ く 製造 するこ とができる。
本発明においては、 末端停止剤は、 予め反応系に全量添加しておい てもよい。 また、 予め反応系に一部添加しておき、 反応の進行に伴つ て残部を添加してもよい。 さ らに、 場合によっては、 前記 (A ) 成分 の芳香族ジヒ ドロキシ化合物と ( B ) 成分の炭酸ジエステルとのエス テル交換反応が一部進行した後に、 反応系に全量添加してもよい。 ま た、 末端停止剤と して P — ク ミ ルフ ヱ ノ ールを用いる場合、 その使用 量は、 芳香族ジヒ ドロキシ化合物 1 モルに対し、 好ま し く は 0. 0 1 〜 0. 2 モル、 より好ま し く は 0. 0 2 〜0. 1 5 モル、 特に好ま し く は 0. 0 2〜0. 1 モルの範囲である。
本発明の製造方法に従ってエステル交換反応を行うに当たっては、 反応温度は、 特に制限はな く 、 通常 1 0 0 ~ 3 3 0 °Cの範囲、 好ま し く は 1 8 0〜 3 0 0 °Cの範囲で選ばれる力 <、 より好ま し く は、 反応の 進行に合わせて次第に 1 8 0 〜 3 0 0 °Cまで温度を上げていく方法が よい。 このエステル交換反応の温度が 1 0 0 °C未満では反応速度が遅 く なり、 一方 3 3 0 °Cを超えると副反応が生じたり、 あるいは生成す るポ リ カーボネー トが着色するなどの問題が生じ、 好ま し く ない。 また、 反応圧力は、 使用するモ ノ マーの蒸気圧や反応温度に応じて設 定される。 これは、 反応が効率良く 行われるよう に設定されればよ く 、 限定される ものではない。 通常、 反応初期においては、 1 〜 5 0 a t m ( 7 6 0 〜 3 8, 0 0 0 t o r r ) までの大気圧 (常圧) ない し加圧状態 にしておき、 反応後期においては、 減圧状態、 好ま し く は最終的には 0. 0 1 〜 1 0 0 t o r rにする場合が多い。
さ らに、 反応時間は、 目標の分子量となるまで行えばよ く 、 通常、 0. 2 〜 1 0 時間程度である。
そ して、 上記のエステル交換反応は、 通常不活性溶剤の不存在下で 行われる力く、 必要に応じて、 得られるポ リ カーボネー トの 1 〜 1 5 0
重量%の不活性溶剤の存在下において行ってもよい。 こ こで、 不活性 溶剤と しては、 例えば、 ジフ ヱニルエーテル, ハロゲン化ジフ ヱニル ェ一テノレ, ベンゾフ エ ノ ン, ポ リ フ エニルエーテル, ジ ク ロ ロべンゼ ン, メ チルナフ タ レ ンなどの芳香族化合物、 ト リ ン ク ロ ( 5, 2 , 1 0 ) デカ ン, シク ロオク タ ン, シク ロデカ ンなどのシク ロアルカ ンな どが挙げられる。 また、 必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行っても よ く 、 こ こで、 不活性ガスと しては、 例えばアルゴン, 二酸化炭素, 一酸化二窒素, 窒素などのガス、 ク ロ口フルォロ炭化水素. エタ ンゃ プロハ°ンなどのアル力 ン、 ェチ レ ンやプロ ピ レ ンなどのアルゲ ンなど 、 各種のものが挙げられる。
また、 本発明においては、 必要に応じ、 酸化防止剤を反応系に添加 してもよい。 この酸化防止剤と しては、 リ ン系酸化防止剤が好ま し く 、 例えば ト リ メ チルホスフ ァイ ト, ト リ ェチルホスフ ァ イ ト, ト リ ブ チノレホスフ ァ イ ト, ト リ オクチルホスフ ァ イ ト, ト リ ノ ニルホスフ ァ イ ト, ト リ デシルホスフ ア イ ト, ト リ オ ク タデシルホスフ ァ イ ト, ジ ステア リ ルペンタエ リ スチルジホスフ ァ イ ト, ト リ ス ( 2 — ク ロ ロェ チル) ホスフ ァ イ ト, ト リ ス ( 2 , 3 — ジ ク ロ 口プロ ピル) ホスフ ァ ィ ト な どの ト リ アルキルホスフ ア イ ト、 ト リ シ ク ロへキシルホスフ ァ ィ トなどの ト リ シク ロアルキルホスフ ア イ ト、 ト リ フ ヱニルホスフ ァ 1 ト, ト リ ク レジルホスフ ァ イ ト, ト リ ス (ェチルフ エニル) ホスフ ア イ ト, ト リ ス (ブチルフ エニル) ホスフ ァ イ ト, 卜 リ ス (ノ ニルフ ェニル) ホスフ ア イ ト, ト リ ス (ヒ ドロキ シフ エニル) ホスフ ア イ ト などの ト リ ァ リ ールホスフ ア イ ト、 2 —ェチルへキシルジフ エニルホ スフ ア イ 卜などのモ ノ アルキルジァ リ ールホスフ ア イ ト、 ト リ メ チル ホスフ ヱ一 ト, 卜 リ エチルホスフ ェ ー ト, 卜 リ ブチルホスフ ヱ 一 卜, ト リ オ ク チルホスフ ェ ー ト, ト リ デシルホスフ ェー ト, ト リ オ ク タデ
シルホスフ エ一 卜, ジステア リ ノレペン タエ リ ス リ チルジホスフ ェ ー ト
, 卜 リ ス ( 2 — ク ロ ロェチル) ホスフ エ 一 卜, ト リ ス ( 2, 3 — ジ ク ロ ロプロ ピル) ホスフ エ一 トなどの 卜 リ アルキルホスフ ヱー ト、 ト リ シク ロへキシルホスフ ヱー 卜などの ト リ シク ロアルキルホスフ ヱー ト 、 ト リ フ ヱニルホスフ ェー ト, ト リ ク レ ジルホスフ ェー ト, ト リ ス ( ノ ニルフ ヱニル) ホスフ ヱ ー 卜, 2 —ェチルフ ヱニルジフ ヱニルホス フ ェー トなどの ト リ ア リ ールホスフェー トなどが挙げられる。
本発明においては、 反応が進行する とと もに、 使用 した炭酸ジエス テルに対応するフ ヱ ノ ール類, アルコール類, 又はそれらのエステル 類及び不活性溶剤が反応器よ り脱離してゆく 。 これら脱離物は、 分離 、 精製し リ サイ クル使用も可能であり、 これらを除去する設備があれ ば好ま しい。
そ して、 本発明は、 バッチ式又は連続式に行う こ とができ、 かつ任 意の装置を使用するこ とができる。 なお、 連続式で製造する場合には 、 少なく と も二基以上の反応器を使用 し、 上記の反応条件を設定する のが好ま しい。
本発明で用いられる反応器は、 その材質や構造は、 特に制限はされ ないが、 通常の攪拌機能を有していればよい。 ただし、 反応後段にお いては粘度が上昇するので高粘度型の攪拌機能を有する ものが好ま し い。 さ らに、 反応器の形状は槽型のみならず、 押出機型のリ アク ター などでもよい。
本発明においては、 エステル交換反応終了後、 得られるポ リ カーボ ネー トの品質 (着色) を良好なものとするために、 触媒の分解温度以 上、 好ま し く は 3 0 0 °C前後に反応物を熱処理して、 触媒を熱分解除 去するのが好ま しい。
以上のようにして得られたポ リ カーボネ一 トは、 そのまま造粒して
もよ く 、 また、 押出機などを用いて成形する こ と もできる。
また、 本発明によって得られるポ リ カーボネー 卜は、 可塑剤, 顔料
, 潤滑剤, 離型剤, 安定剤, 無機充塡剤などのような周知の添加剤を 配合して使用するこ とができる。
さ らに、 このポ リ カーボネー トは、 ポ リオ レフ イ ン, ポ リ スチレン
, ポリ エステル, ポ リ スルホネー ト, ポ リア ミ ド, ポリ フ ヱニレンェ
—テルなどの重合体とブレン ドするこ とが可能である。 特に、 0 H基 , C O O H基, N H2 基などを末端に有するポ リ フ ヱニレ ンエーテル , ポリ エーテル二 ト リル, 末端変性ポ リ シロキサン化合物, 変性ポ リ プロ ピレン, 変性ポ リ スチレンなどと併用すると効果的である。
実施例
次に、 本発明を実施例及び比較例によりさ らに詳し く 説明するが、 本発明はこれらの例によってなんら限定されるのではない。
実施例 1
内容積 1. 4 リ ッ トルの攪拌機付ニッ ケル鋼製ォ一 ト ク レーブに、 ビ スフ エ ノ 一ル A ( B P A) 2 2 8 g (l. 0 0 モル) , ジフ エ二ルカ一 ボネー ト 2 26. 8 g (1. 0 6 モル) 及び p— ク ミ ノレフ エ ノ ール 6. l g (0. 0 2 9 モル) を仕込み、 さ らに触媒と してテ トラメ チルア ンモニ ゥ ム ヒ ドロキシ ド (TMA H) 2 0重量%水溶液 (N a く 1 p p b , C a < 1 p b , K < 1 p p b ) 及びテ トラブチルホスホニゥムヒ ド 口キシ ド (T B P H) 4 0重量%水溶液 (N a く 4 0 p p m, K < 5 p p m) を、 それぞれ TMA Hが 2. 5 X 1 0 — 4モル Zモル B P A, T B P H力く 1 X 1 0— 5モル/モル B P Aになるよう に仕込んだのち、 窒 素置換を 5回行つた。
混合物を 1 8 0 °Cまで加熱し、 ビスフ ヱ ノ ール Aと ジフ ヱ二ルカ一 ボネー トを溶融させ 3 0分間攪拌したのち、 2 1 0 °Cに昇温し、 真空
度を 1 0 O mm H g と し、 生成するフ ヱ ノ ールを留去した。 フ ヱ ノ ー ルの留出速度が低下したと ころで 2 4 0 °Cと し、 さ らにフ ヱ ノ ールを 留出させた。 次いで、 次第に真空度を 1 0 mm H gまで上げて 1 時間 反応させたのち、 2 7 0 °Cに昇温し、 真空度を徐々 に上げて 0. 4 mm H gにして 6 0分間反応させた。
次に、 オー ト ク レープ内の粘稠で透明な縮合物を取り出 し、 このポ リ カーボネー トについて、 次の方法に従って性状を求めた。 p —ク ミ ルフ ノ ール量及び触媒の種類, 量を第 1 表に、 結果を第 2表に示す o
( 1 ) サ リ チル酸フ Xニル構造単位の含有量
明細書本文に記載の方法に従って、 主鎖中のサ リ チル酸フ ニル構 造単位の含有量を求めた。
( 2 ) 末端モル分率
1 H— NMRを用いて、 末端位の p — ク ミ ルフ ヱ ノ キシ基, フ エノ キシ基及び水酸基のモル分率を求めた。
( 3 ) 粘度平均分子量
明細書本文に記載の方法に従って、 粘度平均分子量 (M v ) を求め た。
( 4 ) ク ラ ッ ク発生数
ポ リ カーボネー トを 2 8 0 °Cで、 5 X 5 c m、 厚さ 3 mmにプレス 成形し、 次いで 1 2 1 °Cで 4 8 時間滅菌器内でスチームに暴露した後 、 水中に保存し、 2 4 時間後のク ラ ッ ク発生量を、 5 X 5 c mのプレ ー ト当たりのク ラ ッ ク数と して次のよう に して測定した。 万能投影機
(O L Y P U S U P — 3 5 0 ) を用い、 単色フ ィ ルタ ーを使用し て拡大投影写真 ( 1 0倍) を撮影し、 続いて、 画像解析装置 (ス タ ン レー電器 (株) 画像解析システム V2. 0 ) によ り、 2 5 c m X 2 0 c
mに設定したスキャ ナーで読み取り、 その画像を判別分析法により二 値化した。 1 0画素 ( 1画素 =0. 3 mm) 以上の粒子数をカウ ン ト し 、 この計測値を 5倍したものをク ラ ッ ク発生数と した。
( 5 ) 流れ値
2 8 0。C, 1 6 0 k gノ c m2 の圧力下で、 径 l mm, 長さ 1 0 m mのノ ズルから流出する樹脂量 (ミ リ リ ッ トル /秒) を測定し流れ値 と した。
( 6 ) サリ チル酸フ エニル構造の定性分析
ポ リ マ一 5 0 O m gを塩化メ チ レ ンに溶解後、 2規定 K OH—メ タ ノ ール溶液を用いて加水分解処理した。 加水分解処理後、 塩化メ チ レ ンを揮発させ、 塩酸にて中和したのち、 高速液体ク ロマ ト グラ フ ィ ー にて分離した。 3 1 0 n m付近 (サ リ チル酸フ ェニル構造はメ チルェ ステルになっているため、 通常 3 2 0 n mから 3 0 8 n mに吸収極大 がシフ 卜する) に吸収極大をもつ成分を分取し、 質量分析計にてマス スぺク トルを測定した。 図 1 にマススぺク トルチ ャ ー トを示す。
なお、 上記加水分解処理における反応式を下記に示す。
実施例 2
実施例 1 において、 T B P Hの代わり にメ チル ト リ フ ヱニルホスホ 二ゥムテ 卜 ラフヱニルボレー ト (MT P T B, N a < 7 p p m, M g < 5 p p m) を 1 x 1 0— 5モル Zモル B P Aの割合で用いた以外は、 実施例 1 と同様にして実施した。 P— ク ミ ルフ エ ノール量及び触媒の 種類, 量を第 1表に、 結果を第 2表に示す。 実施例 3
実施例 1 において、 p— ク ミ ルフ エ ノ ール量を 4. 1 g (0. 0 2モル ) 用い、 かつ触媒と して、 テ トラプチルア ンモニゥムヒ ドロキシ ド ( Τ Β ΑΗ, N a < 5 p p m, Kく l O p p m) を 2. 5 x 1 0— 4モル Z モル B P A及びテ トラフ ェニルホスホニゥムテ トラフ 工ニルボレー ト (T P T B, N a < 1 p m, M gく l p pm) を l x l O 5モル/ モル B P Aの割合で用いた以外は、 実施例 1 と同様にして実施した。 p— ク ミルフ ノ ール量及び触媒の種類, 量を第 1表に、 結果を第 2
表に示す。 実施例 4
実施例 1 において、 P—ク ミ ルフ ヱ ノ ールの添加時期を 2 4 0 °Cに 昇温後に行った以外は、 実施例 1 と同様に して実施した。 P—ク ミ ル フ ノ ール量及び触媒の種類, 量を第 1 表に、 結果を第 2表に示す。 実施例 5
実施例 1 において、 p— ク ミ ルフ ヱ ノ ールを用いず、 また触媒成分 と しての T B P H水溶液に代えて、 テ トラフ ェニルホスホニゥムテ ト ラフ ヱニルボレー ト (T P T B, N a < 1 p m, M g < 1 p p m) を 1 x 1 0— 5モル モル B P Aの割合で用いた以外は、 実施例 1 と同 様に して実施した。 比較例 1
実施例 1 において、 触媒と して第 1表に示したものを用い、 かつ重 合終了後に P — トルエンスルホ ン酸ブチルをポリマー当たり 1. 8重量 p p mとなるよに添加し、 3 0分間混合攪拌したのち、 溶融物を取り 出 した。 結果を第 2表に示す。 比較例 2
実施例 1 において、 触媒と して第 1 表に示 したものを用い、 かつ重 合終了後に P — トルエンスルホ ン酸ブチルをポ リ マー当たり 1 0重量 p p mとなるよに添加し、 3 0分間混合攪拌したのち、 溶融物を取り 出 した。 結果を第 2表に示す。
比較例 3
実施例 3 において、 触媒と して第 1表に示したものを用いた以外は 、 実施例 3 と同様にして実施した。 結果を第 2表に示す。 比較例 4
実施例 3 において、 触媒と して第 1表に示したものを用いた以外は 、 実施例 3 と同様にして実施した。 結果を第 2表に示す。
〔注〕
T MA H テ ト ラ メ チルア ンモニゥ ム ヒ ドロキ シ ド 2 0重量%水溶液
( a < 1 p p b , C a < 1 p p b , K < 1 p b )
T B A H テ ト ラ プチルア ンモニゥ ムヒ ドロ キシ ド
( N a < 5 p p m , K < 1 0 p p m )
T B P H : テ トラブチルホスホニゥムヒ ドロキシ ド 4 0重量%水溶液
(N a < 4 0 p p m, K < 5 p p m )
MT P T B : メ チル ト リ フ ヱニルホスホニゥムテ トラフ ヱニルボレー ト (N a く 7 p p m, M g < 5 p p m )
T P T B : テ トラフ ヱニルホスホニゥムテ トラフ ヱニルボレー ト
( N a < 1 m, M g < 1 p m )
第 2 表一 1
粘度平均 サリチル酸フ ル 流れ値 クラ 7ク 分子量 構造単位含量 発生数
CM V〕 (重直 ppm) ( X 10 2 ml/ 秒)
1 15, 500 3 0 3 5 0
2 15, 300 2 0 2 6 0 施 3 17, 000 2 0 2 4 0 例 4 16, 100 2 0 2 9 0
5 15, 700 2 0 2 6 1 3 0
1 15, 800 1 5 0 3 4 4 0 0 比
2 15, 100 1 7 0 3 7 6 0 0 ギ乂
3 16, 800 1 4 0 3 4 白化 例
4 5, 600 2 0 高分子量化せず
第 2 表一 2
本発明のポ リ カ一ボネー トは、 主鎖中のサ リ チル酸フ ヱニル構造単 位の含有量が少なく 、 流動性及び耐湿性に優れ、 高温, 高湿下でのク ラ ッ クの発生が抑制され、 光学分野, 自動車分野, 機械分野などに好 適に用いられる。
また、 このポ リ カーボネー トは、 特定の触媒を用いるエステル交換 反応により、 効率よ く 製造するこ とができる。 図面の簡単な説明
図 1 実施例 1 におけるポ リ マー中のサ リ チル酸フ ヱニル構造 の定性分析において用いたマススぺク トルチヤ一 トである。