JPH08208824A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH08208824A
JPH08208824A JP1413895A JP1413895A JPH08208824A JP H08208824 A JPH08208824 A JP H08208824A JP 1413895 A JP1413895 A JP 1413895A JP 1413895 A JP1413895 A JP 1413895A JP H08208824 A JPH08208824 A JP H08208824A
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JP
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bis
polycarbonate
compound
hydroxyphenyl
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JP1413895A
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English (en)
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Yoshikatsu Kiyono
美勝 清野
Kenji Tanaka
謙次 田中
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エステル交換反応により、残留触媒が実質上
存在せず、良好な色調と耐加水分解性を有するなど、品
質に優れたポリカーボネートを効率よく製造する方法を
提供すること。 【構成】 触媒として、一般式 【化1】 〔式中、R1 ,R2 ,R4 ,R5 及びR7 は水素原子,
ハロゲン原子,C1-30の炭化水素基又はアシル基、
3 ,R6 及びR8 は水素原子又はC1-30の炭化水素基
を示し、R6 とR7 、R7 とR8 及びR6 とR8 は、そ
れぞれ結合して環構造を形成していてもよい。X1 ,X
3 及びX4 は−CO−又は−(CH2 X −COY−
(Yは−O−,−S−又は−NH−,xは0又は1)、
又は−SO−,−SO2 −、X2 はハロゲン原子,ニト
ロ基又はニトリル基〕で表される化合物の中から選ばれ
た少なくとも一種及び場合により塩基性化合物を用い、
エステル交換反応によりポリカーボネートを製造する方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネートの製造
方法に関し、さらに詳しくは、ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルなどとからエステル交換反応により、残留
触媒が実質上存在せず、良好な色調及び耐加水分解性を
有するなど、品質に優れたポリカーボネートを効率よく
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、透明性,耐熱性あ
るいは耐衝撃性に優れたエンジニアリングプラスチック
であって、現在、電気・電子分野,自動車分野,光学部
品分野,その他工業分野で広く使用されている。一般
に、ポリカーボネートの製造方法としては、ビスフェノ
ールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを
直接反応させる方法(界面重縮合法)、あるいはビスフ
ェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニ
ルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態でエ
ステル交換反応させる方法(溶融重合法)が知られてい
る。このポリカーボネートの製造方法において、界面重
縮合法は、有毒なホスゲンを用いなければならないこ
と、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの含塩素
化合物によって製造装置が腐蝕すること、樹脂中に混
入する水酸化ナトリウムなどポリマーの物性に悪影響を
及ぼす不純物の分離が困難なことなどの問題を有してい
る。
【0003】一方、エステル交換反応法(溶融重合法)
は、界面重縮合法に比べて、ポリカーボネートを安価に
製造しうるという利点を有するものの、通常280〜3
10℃という高温下で長時間に反応させるために、得ら
れるポリカーボネートが着色するのを免れないという大
きな欠点がある上、塩基性触媒を用いることが多く、そ
の結果得られるポリカーボネートの耐加水分解性が悪い
という問題もあった。そこで、このエステル交換反応法
(溶融重合法)において、ポリカーボネートの着色問題
を解決するために、例えば特定の触媒を使用する方法
(特公昭61−39972号公報,特開昭63−223
036号公報など)、反応後期に酸化防止剤を添加する
方法(特開昭61−151236号公報,特開昭62−
158719号公報など)、反応後期に二軸ベント式混
練押出機(特開昭61−62522号公報など)や攪拌
重合槽(特開平2−153925号公報など)を使用す
る方法などが提案されている。しかしながら、これらの
方法においても、ポリカーボネートの着色問題について
は、まだ充分には解決されていない。
【0004】一方、ポリカーボネートの耐加水分解性を
改良する方法として、従来よりジメチル硫酸のような酸
により中和することが知られており、また最近ではp−
トルエンスルホン酸のような酸で中和を行い、過剰の酸
をエポキシ化合物で中和する技術が開示されているが
(特開平4−175368号公報など)、これらの技術
では、ポリカーボネートの耐加水分解性を充分に改良す
ることができないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のエステル交換反応によるポリカーボネートの製造
方法がもつ欠点を改良し、残留触媒が実質上存在せず、
良好な色調と耐加水分解性を有するなど、品質に優れた
ポリカーボネートを、エステル交換反応により効率よく
製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルなどを用いてエステル交換反応
を行う際に、触媒として、特定の化合物又はこの特定の
化合物と塩基性化合物との組合せを用いることにより、
その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かか
る知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発
明は、エステル交換反応によりポリカーボネートを製造
するに当たり、触媒として、一般式
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R1 ,R2 ,R4 ,R5 及びR7
は、それぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜30
の炭化水素基又は炭素数1〜30のアシル基を示し、R
1 及びR2 はたがいに同一でも異なっていてもよく、R
4 及びR5 はたがいに同一でも異なっていてもよい。R
3 ,R6 及びR8 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
30の炭化水素基を示し、R6 及びR8 はたがいに同一
でも異なっていてもよく、R6 とR7 、R7 とR8 及び
6 とR8 は、それぞれたがいに結合して環構造を形成
していてもよい。X1 ,X3 及びX4 は、それぞれ−C
O−又は炭素が一般式中の−CH−と結合する−(CH
2 X −COY−(Yは−O−,−S−又は−NH−,
xは0又は1である。)又は−SO−,−SO2 −を示
し、X3 及びX4 はたがいに同一でも異なっていてもよ
く、X2 はハロゲン原子,ニトロ基又はニトリル基を示
す。〕で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一
種を用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方
法を提供するものである。また、本発明は、上記触媒に
代えて、塩基性化合物と、上記一般式(I),(II)及
び(III)で表される化合物の中から選ばれた少なくとも
一種との組合せを触媒として用いることを特徴とするポ
リカーボネートの製造方法をも提供するものである。
【0009】本発明においては、エステル交換反応によ
りポリカーボネートが製造される。このエステル交換法
において用いられる原料については、特に制限はなく、
通常のエステル交換法による製造に供される各種のもの
が用いられる。例えば、エステル交換反応において、
(A)成分としてジヒドロキシ化合物及び(B)成分と
して炭酸ジエステル、(A)成分としてジヒドロキシ
化合物のジエステル及び(B)成分として炭酸ジエステ
ル、(A)成分としてジヒドロキシ化合物のジ炭酸エ
ステル及び(B)成分として炭酸ジエステル、ジヒド
ロキシ化合物のジ炭酸エステル(自己縮合)、 ジヒ
ドロキシ化合物のモノ炭酸エステル(自己エステル交
換)などが挙げられる。これらの中では、の(A)成
分としてジヒドロキシ化合物及び(B)成分として炭酸
ジエステルとが好ましく用いられる。ここで、エステル
交換反応に好ましく用いられる(A)成分のジヒドロキ
シ化合物は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物(二価
フェノール類),脂肪族ジヒドロキシ化合物が挙げら
れ、これらから選択される少なくとも一種の化合物であ
る。この(A)成分の一つとして用いられる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物(二価フェノール類)は、一般式(IV)
【0010】
【化3】
【0011】で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(IV) において、R9 及びR10は、それぞれ
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン原子又は炭素数
1〜8のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,シクロヘキシル基,ヘプチル基,オクチル
基などを示す。R9 及びR10 はたがいに同一であって
も異なっていてもよい。またR9 が複数ある場合は複数
のR9 は同一でも異なっていてもよく、R10が複数ある
場合は複数のR10は同一でも異なっていてもよい。m及
びnは、それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは単
結合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8のア
ルキリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン基,
炭素数5〜15のシクロアルキリデン基,又は−S−,
−SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合若しくは
式(V),(V')
【0012】
【化4】
【0013】で示される結合を示す。炭素数1〜8のア
ルキレン基,炭素数2〜8のアルキリデン基としては、
例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基などが挙げられ、炭素数5〜15のシ
クロアルキレン基,炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基としては、例えばシクロペンチレン基,シクロヘキ
シレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン
基などが挙げられる。
【0014】上記一般式(IV) で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物(二価フェノール類)としては、例えばビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,1−ビス
(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)エタン;1−フェニル−
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称ビスフェノールA);2,2
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(2−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1−ビ
ス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン;1,1−
ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;4,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,1−
ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン;1,1−(4−ヒドロキシフェニル)
エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなど
のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(4,−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルなどのビス
(ヒドロキシアリール)エーテル類;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(ヒドロキシ
アリール)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド;ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類;ビス(4ヒドロキシフェ
ニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)スルホン類、4,4’−ジヒドロキシビフェニル;
4,4’−ジヒドロキシ−2、2’−ジメチルビフェニ
ル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルビフ
ェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジシクロ
ヘキシルビフェニル;3、3’−ジフルオロ−4,4’
−ジヒドロキシビフェニルなどのジヒドロキシビフェニ
ル類などが挙げられる。
【0015】上記一般式(IV)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物(二価フェノール類)としては、ジヒドロキシ
ベンゼン類、ハロゲン及びアルキル置換ジヒドロキシベ
ンゼン類などがある。例えば、レゾルシン,3−メチル
レゾルシン,3−エチルレゾルシン,3−プロピルレゾ
ルシン,3−ブチルレゾルシン,3−t−ブチルレゾル
シン,3−フェニルレゾルシン,3−クミルレゾルシ
ン;2,3,4,6−テトラフルオロレゾルシン;2,
3,4,6−テトラブロモレゾルシン;カテコール,ハ
イドロキノン,3−メチルハイドロキノン,3−エチル
ハイドロキノン,3−プロピルハイドロキノン,3−ブ
チルハイドロキノン,3−t−ブチルハイドロキノン,
3−フェニルハイドロキノン,3−クミルハイドロキノ
ン;2,5−ジクロロハイドロキノン;2,3,5,6
−テトラメチルハイドロキノン;2,3,4,6−テト
ラ−t−ブチルハイドロキノン;2,3,5,6−テト
ラフルオロハイドロキノン;2,3,5,6−テトラブ
ロモハイドロキノンなどが挙げられる。
【0016】また、(A)成分の一つとして用いられる
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、各種のものがあ
る。例えば、ブタン−1,4−ジオール;2,2−ジメ
チルプロパン−1,3−ジオール;ヘキサン−1,6−
ジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;オクタエチレングリ
コール;ジプロピレングリコ−ル;N,N−メチルジエ
タノールアミン;シクロヘキサン−1,3−ジオール;
シクロヘキサン−1,4−ジオール;1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサン;p−キシリレングリコール;2,
2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパ
ン及び二価アルコール又はフェノールのエトキシ化また
はプロポキシ化生成物、例えばビス−オキシエチル−ビ
スフェノールA;ビス−オキシエチル−テトラクロロビ
スフェノールA又はビス−オキシエチル−テトラクロロ
ヒドロキノンなどが挙げられる。本発明の好ましい製造
方法において、(A)成分のジヒドロキシ化合物として
は、上記の化合物を適宜選択して用いるが、これらの中
では、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノール
Aを用いるのが好ましい。
【0017】一方、本発明において、(B)成分として
用いられる炭酸ジエステルは、各種のものがある。例え
ば、炭酸ジアリール化合物,炭酸ジアルキル化合物又は
炭酸アルキルアリール化合物から選択される少なくとも
一種の化合物である。この(B)成分の一つとして用い
られる炭酸ジアリール化合物は、一般式(VI)
【0018】
【化5】
【0019】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物、又は一般式(VII)
【0020】
【化6】
【0021】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよく、D1 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。また、炭酸ジアルキル化合物は、一般式(VIII)
【0022】
【化7】
【0023】(式中、R11及びR12はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、又は一般式(IX)
【0024】
【化8】
【0025】(式中、R13及びR14はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2
個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。そ
して、炭酸アルキルアリール化合物は、一般式(X)
【0026】
【化9】
【0027】(式中、Ar5 はアリール基、R15は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基を示す。)で表される化合物、又は一般式(XI)
【0028】
【化10】
【0029】(式中、Ar6 はアリール基、R16は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基、D3 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基
2個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。
ここで、炭酸ジアリール化合物としては、例えば、ジフ
ェニルカーボネート,ジトリルカーボネート,ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート,m−クレジルカーボネー
ト,ジナフチルカーボネート,ビス(ジフェニル)カー
ボネート,ビスフェノールAビスフェニルカーボネート
などが挙げられる。また、炭酸ジアルキル化合物として
は、例えば、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネ
ート,ジブチルカーボネート,ジシクロヘキシルカーボ
ネート,ビスフェノールAビスメチルカーボネートなど
が挙げられる。そして、炭酸アルキルアリール化合物と
しては、例えば、メチルフェニルカーボネート,エチル
フェニルカーボネート,ブチルフェニルカーボネート,
シクロヘキシルフェニルカーボネート,ビスフェノール
Aメチルフェニルカーボネートなどが挙げられる。本発
明において、(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上
記の化合物を適宜選択して用いるが、これらの中では、
ジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。
【0030】次に、本発明に用いられる前記ジヒドロキ
シ化合物及び前記炭酸ジエステル以外の原料としては、
次のものが挙げられる。すなわち、ジヒドロキシ化合物
のジエステル類としては、例えば、ビスフェノールAの
ジ酢酸エステル,ビスフェノールAのジプロピオン酸エ
ステル,ビスフェノールAのジブチル酸エステル,ビス
フェノールAのジ安息香酸エステルなどを挙げることが
できる。また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル類
としては、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭酸
エステル,ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステ
ル,ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステル等を
挙げることができる。そして、ジヒドロキシ化合物のモ
ノ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノールA
モノメチル炭酸エステル,ビスフェノールAモノエチル
炭酸エステル,ビスフェノールAモノプロピル炭酸エス
テル,ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステルなど
を挙げることができる。
【0031】そして、本発明の製造方法においては、必
要に応じて末端停止剤を用いることができる。この末端
停止剤としては、例えばo−n−ブチルフェノール;m
−n−ブチルフェノール;p−n−ブチルフェノール;
o−イソブチルフェノール;m−イソブチルフェノー
ル;p−イソブチルフェノール;o−t−ブチルフェノ
ール;m−t−ブチルフェノール;p−t−ブチルフェ
ノール;o−n−ペンチルフェノール;m−n−ペンチ
ルフェノール;p−n−ペンチルフェノール;o−n−
ヘキシルフェノール;m−n−ヘキシルフェノール;p
−n−ヘキシルフェノール;o−シクロヘキシルフェノ
ール;m−シクロヘキシルフェノール;p−シクロヘキ
シルフェノール;o−フェニルフェノール;m−フェニ
ルフェノール;p−フェニルフェノール;o−n−ノニ
ルフェノール;m−n−ノニルフェノール;p−n−ノ
ニルフェノール;o−クミルフェノール;m−クミルフ
ェノール;p−クミルフェノール;o−ナフチルフェノ
ール;m−ナフチルフェノール;p−ナフチルフェノー
ル;2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ−
t−ブチルフェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノ
ール;3,5−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ
クミルフェノール;3,5−ジクミルフェノール;式
【0032】
【化11】
【0033】で表される化合物や、式
【0034】
【化12】
【0035】で表されるクロマン誘導体などの一価フェ
ノールが挙げられる。このようなフェノール類のうち、
本発明では特に制限されないが、p−t−ブチルフェノ
ール,p−クミルフェノール,p−フェニルフェノール
などが好ましい。また、式
【0036】
【化13】
【0037】で表される化合物なども用いることができ
る。さらに、本発明では、必要に応じて、フロログルシ
ン;トリメリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’
−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−
ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス
(o−クレゾール)などを分岐剤として用いることもで
きる。本発明の製造方法においては、エステル交換反応
の際に、触媒として、一般式
【0038】
【化14】
【0039】で表される化合物の中から選ばれた少なく
とも一種が用いられる。上記一般式(I),(II) 及び
(III)において、R1 ,R2 ,R4 ,R5 及びR7 は、
それぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜30の炭
化水素基又は炭素数1〜30のアシル基を示す。ここ
で、ハロゲン原子としては、フッ素原子,塩素原子,臭
素原子,ヨウ素原子が挙げられる。また、炭素数1〜3
0の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜30のアル
キル基,炭素数2〜30のアルケニル基,炭素数5〜3
0のシクロアルキル基,炭素数5〜30のシクロアルケ
ニル基,炭素数6〜30のアリール基,炭素数7〜30
のアリールアルキル基が挙げられる。該アルキル基及び
アルケニル基は直鎖状,分岐状のいずれであってもよ
い。炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数2〜30の
アルケニル基の具体例としては、メチル基,エチル基,
n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソ
ブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基,ウンデシル基,ドデシル基,トリデシル基,
テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,オ
クタデシル基,エイコシル基,ベヘニル基,プロペニル
基,アリル基,ブテニル基,ヘキセニル基,オクテニル
基,デセニル基,オレイル基などが挙げられる。炭素数
5〜30のシクロアルキル基及び炭素数5〜30のシク
ロアルケニル基の具体例としては、シクロペンチル基,
シクロペンテニル基,シクロヘキシル基,シクロヘキセ
ニル基,シクロオクチル基,シクロオクテニル基,シク
ロデシル基,シクロデセニル基,シクロドデシル基,シ
クロドデセニル基などが挙げられる。これらのシクロア
ルキル基やシクロアルケニル基は、その環上に適当な置
換基が導入されていてもよい。
【0040】また、炭素数6〜30のアリール基及び炭
素数7〜30のアリールアルキル基は、無置換のもので
もよく、芳香環上に適当な置換基、例えばアルキル基,
アルコキシ基,ハロゲン原子,ヒドロキシル基,ニトロ
基,ニトリル基などが導入されているものであってもよ
い。このようなアリール基及びアリールアルキル基の具
体例としては、フェニル基,ナフチル基,トリル基,ジ
メチルフェニル基,エチルフェニル基,メチルナフチル
基,ヒドロキシフェニル基,ヒドロキシナフチル基,ハ
ロゲノフェニル基,ハロゲノナフチル基,ベンジル基,
フェネチル基,ナフチルメチル基,ヒドロキシベンジル
基,ヒドロキシフェネチル基,ヒドロキシナフチルメチ
ル基,ハロゲノベンジル基,ハロゲノフェネチル基,ハ
ロゲノナフチルメチル基などが挙げられる。さらに、炭
素数1〜30のアシル基は、飽和,不飽和のいずれであ
ってもよく、具体例としてはホルミル基,アセチル基,
プロピオニル基,ブチリル基,バロリル基,オクタノイ
ル基,ラウロイル基,オレオイル基などが挙げられる。
該R1 及びR2 はたがいに同一でも異なっていてもよ
く、R4 及びR5 はたがいに同一でも異なっていてもよ
い。
【0041】一方、R3 ,R6 及びR8 は、それぞれ水
素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。ここ
で、炭素数1〜30の炭化水素基としては、上記R1
2 ,R4 ,R5 及びR7 の説明において、例示したも
のと同じものを挙げることができる。またR6 及びR8
はたがいに同一であっても異なっていてもよく、R6
7 、R7 とR8 及びR6 とR8 は、それぞれたがいに
結合して環構造を形成していてもよい。さらに、X1
3 及びX4 は、それぞれ−CO−又は炭素が一般式中
の−CH−と結合する−(CH2 X −COY−(Yは
−O−,−S−又は−NH−,xは0又は1を示す。)
で表される基を示す。X3 及びX4 はたがいに同一でも
異なっていてもよい。X2 はフッ素,塩素,臭素,ヨウ
素のハロゲン原子、ニトロ基又はニトリル基を示す。
【0042】上記一般式(I)で表される化合物として
は、例えばジベンジルケトン;ベンジルフェニルケト
ン;ジフェニルアセトアルデヒド;1,1−ジフェニル
アセトン;o−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン;ベンジル4−ヒドロキシフェニルケトン;フェニル
アセトアルデヒド;2−フェニルアセトアミド;フェニ
ル酢酸アリル;フェニル酢酸イソアミル;フェニル酢酸
ベンジル;フェニル酢酸イソブチル;フェニル酢酸p−
トリル;フェニル酢酸エチル;フェニル酢酸トランス−
2−ヘキセニル;フェニル酢酸シス−3−ヘキセニル;
フェニル酢酸メチル;フェニル(チオ酢酸)アリル;フ
ェニル(チオ酢酸)イソアミル;フェニル(チオ酢酸)
ベンジル;フェニル(チオ酢酸)イソブチル;フェニル
(チオ酢酸)p−トリル;フェニル(チオ酢酸)エチ
ル;フェニル(チオ酢酸)トランス−2−ヘキセニル;
フェニル(チオ酢酸)シス−3−ヘキセニル;フェニル
(チオ酢酸)メチルなどが挙げられる。
【0043】上記一般式(II)で表される化合物として
は、例えばジフェニルアセトニトリル,フェニルアセト
ニトリル,ベンジルクロリド,ベンジルブロミド,ベン
ジルヨ−ジドなどが挙げられる。さらに、上記一般式
(III)で表される化合物としては、例えばマロン酸ジエ
チル;マロン酸シメチル;マロン酸ジブチル;マロン酸
ジ−t−ブチル;2−アセチルシクロヘキサノン;1,
3−シクロペンタンジオン;2−アセチルシクロペンタ
ノン;2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン;
2−オキソシクロヘキシル酢酸エチル;2−オキソシク
ロヘキシルカルボン酸エチル;1,3−シクロヘキサン
ジオンなどが挙げられる。これらの一般式(I),(I
I),(III)で表される化合物は、それぞれ単独で用い
てもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、エステル交換反応を促進させるために、所望によ
り、これらの化合物一種以上と公知の塩基性化合物一種
以上とを組み合わせて用いてもよい。
【0044】この際用いられる公知の塩基性化合物とし
ては、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の単
体,酸化物,水酸化物,アミド化合物,アルコラート,
フェノラートなど、あるいはZnO,PbO,Sb2
3 などの塩基性金属酸化物、有機チタン化合物、可溶性
マンガン化合物、Ca,Mg,Zn,Pb,Sn,M
n,Cd,Coの酢酸塩、さらには含窒素塩基性化合物
又は含窒素塩基性化合物と硼素化合物、含窒素塩基性化
合物とアルカリ(土類)金属化合物、含窒素塩基性化合
物とアルカリ(土類)金属化合物と硼素化合物などの併
用系触媒などが挙げられる。ここで、含窒素塩基性化合
物としては、特に制限はなく、各種のものがある。例え
ば、トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリプロピ
ルアミン,トリブチルアミン,トリペンチルアミン,ト
リヘキシルアミン,ジメチルベンジルアミンなどの脂肪
族第三級アミン化合物、トリフェニルアミンなどの芳香
族第三級アミン化合物が挙げられる。
【0045】また、N,N−ジメチル−4−アミノピリ
ジン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロリジノピ
リジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリジン,2
−ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジン,2−
メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,イミダゾー
ル,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミダゾー
ル,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メトキシイ
ミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミノキノ
リン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)などの含
窒素複素環化合物が挙げられる。さらに、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド,テトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド,トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドなど
のアルキル基,アリール基,アルアリール基などを有す
るアンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。その他、
テトラメチルアンモニウムボロハイドライド,テトラブ
チルアンモニウムボロハイドライド,テトラブチルアン
モニウムテトラフェニルボレート,テトラメチルアンモ
ニウムテトラフェニルボレートなどの塩基性塩が挙げら
れる。これらの塩基性化合物の中では、トリヘキシルア
ミン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシド,テトラ
ブチルアンモニウムヒドロキシド,ジメチルアミノピリ
ジンが好ましく用いられる。なお、上記塩基性化合物
は、反応系中に比較的残留しない特徴を有する。
【0046】本発明における重合触媒の使用量について
は、前記一般式(I),(II),(III)で表される化合
物及び所望により併用される塩基性化合物のいずれも、
原料である(A)成分のジヒドロキシ化合物に対して、
通常、10-1〜10-8モル/モル、好ましくは10-2
10-7モル/モルの割合で添加される。この触媒の添加
量が10-8モル/モル未満では、触媒効果が充分に発現
されない。また、10 -1モル/モルを超えると、最終製
品であるポリカーボネートの物性、特に、耐熱性, 耐加
水分解性が低下するとともに、コストアップに繋がり、
これを超えてまで添加することはない。
【0047】本発明の製造方法では、通常のエステル交
換法によるポリカーボネートの製造に供される原料が用
いられるが、好ましくは、(A)成分のジヒドロキシ化
合物及び(B)成分の炭酸ジエステルと、その他末端停
止剤あるいは分岐剤などを用いてエステル交換反応を行
い、品質の優れたポリカーボネートを得ることができ
る。具体的には、公知のエステル交換法に準じて反応を
進行させればよい。以下に、本発明の好ましい製造方法
の手順及び条件を具体的に示す。先ず、(A)成分のジ
ヒドロキシ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとを、
ジヒドロキシ化合物に対して炭酸ジエステルが0.90〜
1.5倍モルになるような比率でエステル交換反応する。
なお、状況に応じては、0.95〜1.20倍モルが好まし
い。上記のエステル交換反応に当たって、前記の一価フ
ェノールなどからなる末端停止剤の存在量が、(A)成
分であるジヒドロキシ化合物に対して、0.05〜10モ
ル%の範囲にあると、得られるポリカーボネートの水酸
基末端が封止されるため、耐熱性及び耐水性に充分優れ
たポリカーボネートが得られる。このような前記の一価
フェノールなどからなる末端停止剤は、予め反応系に全
量添加しておいてもよい。また、予め反応系に一部添加
しておき、反応の進行に伴って残部を添加してもよい。
さらに、場合によっては、前記(A)成分のジヒドロキ
シ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとのエステル交
換反応が一部進行した後に、反応系に全量添加してもよ
い。
【0048】本発明の製造方法に従ってエステル交換反
応を行うにあたっては、反応温度は、特に限定されない
が、通常100〜300℃の範囲であり、好ましくは1
30〜280℃の温度範囲である。このエステル交換反
応の温度が、100℃未満では、反応速度が遅くなり、
一方、300℃を超えると、副反応が生じたり、あるい
は生成するポリカーボネートが着色するなどの問題が発
生し好ましくない場合がある。また、反応圧力は、使用
するモノマーの蒸気圧や反応温度に応じて設定される。
これは、反応が効率良く行われるように設定されればよ
く、限定されるものではない。通常、反応初期において
は、1〜50atm (760〜38,000torr)までの大
気圧(常圧)ないし加圧状態にしておき、反応後期にお
いては、減圧状態、好ましくは最終的には0.01〜10
0torrにする場合が多い。さらに、反応時間は、目標の
分子量となるまで行えばよく、通常、0.2〜10時間程
度である。
【0049】そして、上記のエステル交換反応は、通常
不活性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得
られるポリカーボネートの1〜150重量%の不活性溶
剤の存在下において行ってもよい。ここで、不活性溶剤
としては、例えば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジ
フェニルエーテル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエー
テル,ジクロロベンゼン,メチルナフタレンなどの芳香
族化合物、トリシクロ(5,2,10)デカン,シクロ
オクタン,シクロデカンなどのシクロアルカンなどが挙
げられる。また、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行
ってもよく、ここで、不活性ガスとしては、例えばアル
ゴン,二酸化炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス,ク
ロロフルオロ炭化水素、エタンやプロパンなどのアルカ
ン、エチレンやプロピレンなどのアルケンなど、各種の
ものが挙げられる。
【0050】また、本発明においては、必要に応じ、酸
化防止剤を反応系に添加してもよい。この酸化防止剤と
しては、リン系酸化防止剤が好ましく、例えばトリメチ
ルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチル
ホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニル
ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデ
シルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホ
スファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイ
ト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイト
などのトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシル
ホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト;
トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイ
ト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホ
スファイトなどのトリアリールホスファイト;2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスファイトなどのモノアルキル
ジアリールホスファイト;トリメチルホスフェート,ト
リエチルホスフェート,トリブチルホスフェート,トリ
オクチルホスフェート,トリデシルホスフェート,トリ
オクタデシルホスフェート,ジステアリルペンタエリス
リチルジホスフェート,トリス(2−クロロエチル)ホ
スフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホス
フェートなどのトリアルキルホスフェート;トリシクロ
ヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホスフ
ェート;トリフェニルホスフェート,トリクレジルホス
フェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェート,2
−エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリア
リールホスフェートなどが挙げられる。
【0051】本発明においては、反応が進行するととも
に、使用した炭酸ジエステルに対応するフェノール類,
アルコール類,又はそれらのエステル類及び不活性溶剤
が反応器より脱離してゆく。これら脱離物は、分離、精
製しリサイクル使用も可能であり、これらを除去する設
備があれば好ましい。そして、本発明は、バッチ式又は
連続式に行うことができ、かつ任意の装置を使用するこ
とができる。なお、連続式で製造する場合には、少なく
とも二基以上の反応器を使用し、上記の反応条件を設定
するのが好ましい。本発明で用いられる反応器は、その
材質や構造は、特に制限はされないが、通常の攪拌機能
を有していればよい。ただし、反応後段においては粘度
が上昇するので高粘度型の攪拌機能を有するものが好ま
しい。さらに、反応器の形状は槽型のみならず、押出機
型のリアクターなどでもよい。
【0052】以上のようにして得られたポリカーボネー
トは、そのまま造粒してもよく、また、押出機などを用
いて成形することもできる。また、本発明によって得ら
れるポリカーボネートは、可塑剤,顔料,潤滑剤,離型
剤,安定剤,無機充填剤などのような周知の添加剤を配
合して使用することができる。さらに、このポリカーボ
ネートは、ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリエステ
ル,ポリスルホネート,ポリアミド,ポリフェニレンエ
ーテルなどの重合体とブレンドすることが可能である。
特に、OH基,COOH基,NH2 基などを末端に有す
るポリフェニレンエーテル,ポリエーテルニトリル,末
端変性ポリシロキサン化合物,変性ポリプロピレン,変
性ポリスチレンなどと併用すると効果的である。
【0053】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってな
んら限定されるものではない。
【0054】実施例1〜12及び比較例1,2 内容積100ミリリットルの攪拌機付ニッケル鋼製オー
トクレーブに、ビスフェノールA(BPA)22.8g
(0.1モル),ジフェニルカーボネート23.5g(0.1
1モル),第1表に示す種類と量の化合物及び塩基性化
合物を仕込み、窒素置換を5回行った。混合物を180
℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で30分間反応させた。
次いで210℃に昇温して、次第に真空度を100mm
Hgまで上げて30分間反応させ、さらに240℃に昇
温し、徐々に真空度を10mmHgまで上げて30分間
反応させた。次いで270℃に昇温し、真空度を2mm
Hgに上げ30分間反応させたのち、真空度0.3mmH
gで30分間反応させ、反応を終了させた。最後にオー
トクレーブ内に、粘稠で透明な縮合物が残った。この物
質をメチレンクロリドに溶解し、粘度平均分子量を測定
した。また、得られた粘稠で透明な縮合物を粉砕し、プ
レス成形して耐加水分解性を測定した。結果を第1表に
示す。
【0055】
【表1】
【0056】〔注〕 1)a:ジベンジルケトン b:ベンジルフェニルケトン c:フェニルアセトニトリル d:2−アセチルシクロヘキサノン e:ベンジル4−ヒドロキシフェニルケトン 2)単位:モル/モルBPA 3)(CH3 4 NOH:日本特殊化学工業(株)製,
19.99wt%溶液,金属含量;Na<1ppb,K<
1ppb,Ca<1ppb
【0057】
【表2】
【0058】〔注〕 4) 塩化メチレン中、20℃での極限粘度〔η〕を求
め、下記の式を用いて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 5) 厚さ3mmのプレートを121℃のスチームに4
8時間暴露させた後の状態を目視及び粘度平均分子量の
低下(ΔMv)によって判断した。
【0059】
【発明の効果】本発明によると、ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルなどとからエステル交換反応により、残
留触媒が実質上存在せず、良好な色調と耐加水分解性を
有するなど、品質に優れたポリカーボネートが効率よく
得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル交換反応によりポリカーボネー
    トを製造するに当たり、触媒として、一般式 【化1】 〔式中、R1 ,R2 ,R4 ,R5 及びR7 は、それぞれ
    水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜30の炭化水素基
    又は炭素数1〜30のアシル基を示し、R1 及びR2
    たがいに同一でも異なっていてもよく、R4 及びR5
    たがいに同一でも異なっていてもよい。R3 ,R6 及び
    8 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水
    素基を示し、R6 及びR8 はたがいに同一でも異なって
    いてもよく、R6 とR7 、R7 とR8 及びR6 とR
    8 は、それぞれたがいに結合して環構造を形成していて
    もよい。X1 ,X3 及びX4 は、それぞれ−CO−又は
    炭素が一般式中の−CH−と結合する−(CH2 X
    COY−(Yは−O−,−S−又は−NH−,xは0又
    は1である。)又は−SO−,−SO2 −を示し、X3
    及びX4 はたがいに同一でも異なっていてもよく、X2
    はハロゲン原子,ニトロ基又はニトリル基を示す。〕で
    表される化合物の中から選ばれた少なくとも一種を用い
    ることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 エステル交換反応によりポリカーボネー
    トを製造するに当たり、触媒として、塩基性化合物と、
    上記一般式(I),(II)及び(III)で表される化合物
    の中から選ばれた少なくとも一種との組合せを用いるこ
    とを特徴とするポリカーボネート製造方法。
  3. 【請求項3】 エステル交換反応の原料が、(A)ジヒ
    ドロキシ化合物及び(B)炭酸ジエステルである請求項
    1又は2記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】 ジヒドロキシ化合物が二価フェノール類
    である請求項3記載のポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 二価フェノール類が2,2−ビス(4−
    ヒドロキシフェニル)プロパンである請求項4記載のポ
    リカーボネートの製造方法。
  6. 【請求項6】 炭酸ジエステルが炭酸ジアリール化合物
    である請求項3記載のポリカーボネートの製造方法。
  7. 【請求項7】 炭酸ジアリール化合物がジフェニルカー
    ボネートである請求項6記載のポリカーボネートの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9670163B2 (en) 2005-12-28 2017-06-06 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Solid forms of N-[2,4-bis(1,1-dimethylethyl)-5-hydroxyphenyl]-1,4-dihydro-4-oxoquinoline-3-carboxamide
US9701639B2 (en) 2014-10-07 2017-07-11 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Co-crystals of modulators of cystic fibrosis transmembrane conductance regulator

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