JPH09169838A - 光学材料用ポリカーボネート - Google Patents

光学材料用ポリカーボネート

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JPH09169838A
JPH09169838A JP33306095A JP33306095A JPH09169838A JP H09169838 A JPH09169838 A JP H09169838A JP 33306095 A JP33306095 A JP 33306095A JP 33306095 A JP33306095 A JP 33306095A JP H09169838 A JPH09169838 A JP H09169838A
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JP
Japan
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bis
group
hydroxyphenyl
carbonate
polycarbonate
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Application number
JP33306095A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kuze
茂樹 久世
Kenji Tanaka
謙次 田中
Koichi Suga
浩一 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性に優れ、高温高湿の環境においても
品質が低下することなく、色調も良好であり、光学材料
として極めて有用な高品質のポリカーボネートの提供す
ることである。 【解決手段】 (a)含窒素有機塩基性化合物及び
(b)4級ホスホニウム塩を用いた触媒存在下、2価フ
ェノールと炭酸ジエステルとからエステル交換反応によ
って得られる光学材料用ポリカーボネート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料用ポリカ
ーボネートに関し、さらに詳しくは、熱安定性に優れ、
高温高湿の環境においても品質が低下することなく、色
調も良好であり、光学材料として極めて有用な高品質の
ポリカーボネートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートの製造法として、ビス
フェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲ
ンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビスフ
ェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニ
ルカーボネートなどの炭酸ジエステルと溶融状態あるい
は固相状態でエステル交換反応(溶融法・固相法)させ
る方法が知られている。
【0003】界面法は有毒なホスゲンをもちいなければ
ならないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなど
の含塩素化合物により装置が腐食すること、樹脂中に混
入する塩化メチレンの除去が非常に難しく得られるPC
中に塩素が含有されやすく、光学用ポリカーボネートと
しては好ましくない。一方、溶融法は、界面法と比較し
て安価にポリカーボネートを製造できると言う利点を有
しているものの、通常280℃〜310℃と言う高温下
で長時間反応させるために、得られるポリカーボネート
の着色を免れないという大きな問題があった。また、塩
基性触媒を用いることが多く得られたポリマーの耐加水
分解性が悪いという問題がある。これらの問題を解決す
るため、特定の触媒を使用する方法(特公昭61−39
972,特開昭63−223036等)、反応後期に酸
化防止剤を転化する方法(特開昭61−151236,
62−158719等)、p−トルエンスルホン酸のよ
うな酸で中和を行い、過剰の酸をエボキシで中和する技
術(特開平4−175368等)、特定の組成物とする
方法(特開平5−179121,239334等)など
が開示されているが、熱による劣化あるいは高温高湿の
環境においての品質低下、さらには着色の問題は未だ解
決されておらず、特に光学材料としてポリカーボネート
を用いる場合には、未だ充分な性能を有していなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のエステル交換反応により製造されるポリカーボネ
ートが有する問題を解消し、熱安定性に優れ、高温高湿
の環境においても品質が低下することなく、色調も良好
であり、光学材料として極めて有用な高品質のポリカー
ボネートの提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルとを用いてエステル交換反応を
行う際に、触媒として、含窒素有機塩基性化合物及び4
級ホスホニウム塩を用いることにより、得られるポリマ
ーの品質低下をもたらすことがなく、光学材料として極
めて有用な高品質のポリカーボネートが得られることを
見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したもの
である。即ち、本発明は、(a)含窒素有機塩基性化合
物及び(b)4級ホスホニウム塩を用いた触媒存在下、
2価フェノールと炭酸ジエステルとからエステル交換反
応によって得られる光学材料用ポリカーボネートを提供
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、エステル交換
反応によりポリカーボネートが製造される。このエステ
ル交換法において用いられる原料については、特に制限
はなく、通常のエステル交換法による製造に供される各
種のものが用いられる。例えば、エステル交換反応にお
いて、(A)成分としてジヒドロキシ化合物及び
(B)成分として炭酸ジエステル、(A)成分として
ジヒドロキシ化合物のジエステル及び(B)成分として
炭酸ジエステル、(A)成分としてジヒドロキシ化合
物のジ炭酸エステル及び(B)成分として炭酸ジエステ
ル、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル(自己縮
合)、ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸エステル(自己
エステル交換)などが挙げられる。これらの中では、
の(A)成分としてジヒドロキシ化合物及び(B)成分
として炭酸ジエステルとが好ましく用いられる。
【0007】ここで、エステル交換反応に好ましく用い
られる(A)成分のジヒドロキシ化合物は、例えば、芳
香族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジヒドロキシ化合物が
挙げられ、これらから選択される少なくとも一種の化合
物である。この(A)成分の一つとして用いられる芳香
族ジヒドロキシ化合物は、一般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(I)において、R1 及びR2 は、それぞれ
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン原子又は炭素数
1〜8のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,シクロヘキシル基,ヘブチル基,オクチル
基などを示す。R1 及びR2 はたがいに同一であっても
異なっていてもよい。またR1 が複数ある場合は複数の
1 は同一でも異なっていてもよく、R2 が複数ある場
合は複数のR2 は同一でも異なっていてもよい。m及び
nは、それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは単結
合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8のアル
キリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン基,炭
素数5〜15のシクロアルキリデン基,又は−S−,−
SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合若しくは式
(II) ,(II')
【0010】
【化2】
【0011】で示される結合を示す。炭素数1〜8のア
ルキレン基,炭素数2〜8のアルキリデン基としては、
例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基などが挙げられ、炭素数5〜15のシ
クロアルキレン基,炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基としては、例えばシクロペンチレン基,シクロヘキ
シレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン
基などが挙げられる。
【0012】上記一般式(I)で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;1,1−
ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(3−フ
ルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(通称ビスフェノールA);2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジ
フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2
−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)オクタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン;2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−1−メチルフェニル)プロパン;1,1−ビス(4
−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン;2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン;2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロ
キシ−5−クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,
2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン;1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;
1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)イソブタン;1,1−ビス(2−t−
アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタ
ン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン;4,4−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,1−ビス(2−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプ
タン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン;1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどの
ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,
1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン;1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサンなどのビス(ヒドロ
キシアリール)シクロアルカン類;ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル;ビス(4,−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)エーテルなどのビス(ヒドロキシアリ
ール)エーテル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのビス(ヒドロキシアリール)スル
フィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホキシド;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシドなどのビス(ヒドロキシアリール)ス
ルホキシド類;ビス(4ヒドロキシフェニル)スルホ
ン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホンなどのビス(ヒドロキシアリール)スルホン
類、4,4’−ジヒドロキシビフェニル;4,4’−ジ
ヒドロキシ−2、2’−ジメチルビフェニル;4,4’
−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルビフェニル;4,
4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジシクロヘキシルビフ
ェニル;3、3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキ
シビフェニルなどのジヒドロキシビフェニル類などが挙
げられる。
【0013】上記一般式(I)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物としては、ジヒドロキシベンゼン類、ハロゲン
及びアルキル置換ジヒドロキシベンゼン類などがある。
例えば、レゾルシン,3−メチルレゾルシン,3−エチ
ルレゾルシン,3−プロピルレゾルシン,3−ブチルレ
ゾルシン,3−t−ブチルレゾルシン,3−フェニルレ
ゾルシン,3−クミルレゾルシン;2,3,4,6−テ
トラフルオロレゾルシン;2,3,4,6−テトラブロ
モレゾルシン;カテコール,ハイドロキノン,3−メチ
ルハイドロキノン,3−エチルハイドロキノン,3−プ
ロピルハイドロキノン,3−ブチルハイドロキノン,3
−t−ブチルハイドロキノン,3−フェニルハイドロキ
ノン,3−クミルハイドロキノン;2,5−ジクロロハ
イドロキノン;2,3,5,6−テトラメチルハイドロ
キノン;2,3,4,6−テトラ−t−ブチルハイドロ
キノン;2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン;2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノンなど
が挙げられる。
【0014】また、(A)成分の一つとして用いられる
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、各種のものがあ
る。例えば、ブタン−1,4−ジオール;2,2−ジメ
チルプロパン−1,3−ジオール;ヘキサン−1,6−
ジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;オクタエチレングリ
コール;ジプロピレングリコ−ル;N,N−メチルジエ
タノールアミン;シクロヘキサン−1,3−ジオール;
シクロヘキサン−1,4−ジオール;1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサン;p−キシリレングリコール;2,
2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパ
ン及び2価アルコール又はフェノールのエトキシ化また
はプロポキシ化生成物、例えばビス−オキシエチル−ビ
スフェノールA;ビス−オキシエチル−テトラクロロビ
スフェノールA又はビス−オキシエチル−テトラクロロ
ヒドロキノンなどが挙げられる。
【0015】本発明のポリカーボネートを得るには、
(A)成分のジヒドロキシ化合物として、上記の化合物
一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる
が、これらの中では、芳香族ジヒドロキシ化合物である
ビスフェノールAを用いるのが好ましい。一方、本発明
において、(B)成分として用いられる炭酸ジエステル
は、各種のものがある。例えば、炭酸ジアリール化合
物,炭酸ジアルキル化合物又は炭酸アルキルアリール化
合物から選択される少なくとも一種の化合物である。こ
の(B)成分の一つとして用いられる炭酸ジアリール化
合物は、一般式(III)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物、又は一般式(IV)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよく、D1 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。また、炭酸ジアルキル化合物は、一般式(V)
【0020】
【化5】
【0021】(式中、R3 及びR4 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、又は一般式(VI)
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R5 及びR6 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2
個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。そ
して、炭酸アルキルアリール化合物は、一般式(VII)
【0024】
【化7】
【0025】(式中、Ar5 はアリール基、R7 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基を示す。)で表される化合物、又は一般式(VIII)
【0026】
【化8】
【0027】(式中、Ar6 はアリール基,R8 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基、D3 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基
2個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。
ここで、炭酸ジアリール化合物としては、例えば、ジフ
ェニルカーボネート,ジトリルカーボネート,ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート,m−クレジルカーボネー
ト,ジナフチルカーボネート,ビス(ジフェニル)カー
ボネート,ビスフェノールAビスフェニルカーボネート
などが挙げられる。また、炭酸ジアルキル化合物として
は、例えば、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネ
ート,ジブチルカーボネート,ジシクロヘキシルカーボ
ネート,ビスフェノールAビスメチルカーボネートなど
が挙げられる。
【0028】そして、炭酸アルキルアリール化合物とし
ては、例えば、メチルフェニルカーボネート,エチルフ
ェニルカーボネート,ブチルフェニルカーボネート,シ
クロヘキシルフェニルカーボネート,ビスフェノールA
メチルフェニルカーボネートなどが挙げられる。本発明
において、(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上記
の化合物一種又は二種以上を適宜選択して用いるが、こ
れらの中では、ジフェニルカーボネートを用いるのが好
ましい。
【0029】次に、本発明に用いられる前記ジヒドロキ
シ化合物及び前記炭酸ジエステル以外の原料としては、
次のものが挙げられる。すなわち、ジヒドロキシ化合物
のジエステル類としては、例えば、ビスフェノールAの
ジ酢酸エステル,ビスフェノールAのジプロピオン酸エ
ステル,ビスフェノールAのジブチル酸エステル,ビス
フェノールAのジ安息香酸エステルなどを挙げることが
できる。また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル類
としては、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭酸
エステル,ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステ
ル,ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステルなど
を挙げることができる。そして、ジヒドロキシ化合物の
モノ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノール
Aモノメチル炭酸エステル,ビスフェノールAモノエチ
ル炭酸エステル,ビスフェノールAモノプロピル炭酸エ
ステル,ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステルな
どを挙げることができる。
【0030】そして、本発明においては、必要に応じて
末端停止剤を用いることができる。この末端停止剤とし
ては、例えばo−n−ブチルフェノール;m−n−ブチ
ルフェノール;p−n−ブチルフェノール;o−イソブ
チルフェノール;m−イソブチルフェノール;p−イソ
ブチルフェノール;o−t−ブチルフェノール;m−t
−ブチルフェノール;p−t−ブチルフェノール;o−
n−ペンチルフェノール;m−n−ペンチルフェノー
ル;p−n−ペンチルフェノール;o−n−ヘキシルフ
ェノール;m−n−ヘキシルフェノール;p−n−ヘキ
シルフェノール;o−シクロヘキシルフェノール;m−
シクロヘキシルフェノール;p−シクロヘキシルフェノ
ール;o−フェニルフェノール;m−フェニルフェノー
ル;p−フェニルフェノール;o−n−ノニルフェノー
ル;m−n−ノニルフェノール;p−n−ノニルフェノ
ール;o−クミルフェノール;m−クミルフェノール;
p−クミルフェノール;o−ナフチルフェノール;m−
ナフチルフェノール;p−ナフチルフェノール;2,6
−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ−t−ブチル
フェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノール;3,
5−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジクミルフェ
ノール;3,5−ジクミルフェノール;式
【0031】
【化9】 で表される化合物や、式
【0032】
【化10】
【0033】で表されるクロマン誘導体などの一価フェ
ノールが挙げられる。このようなフェノール類のうち、
本発明では特に限定されないが、p−t−ブチルフェノ
ール,p−クミルフェノール,p−フェニルフェノール
などが好ましい。また、式
【0034】
【化11】
【0035】で表される化合物なども用いることができ
る。さらに、本発明では、必要に応じて、フロログルシ
ン;トリメリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’
−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−
ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス
(o−クレゾール)などを分岐剤として用いることもで
きる。
【0036】本発明においては、エステル交換反応の際
に、重合触媒として、(a)含窒素有機塩基性化合物及
び(b)4級ホスホニウム塩を用いることが必要であ
る。上記(a)成分の含窒素有機塩基性化合物として
は、特に制限はなく、各種のものがある。例えば、トリ
メチルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルアミ
ン,トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキ
シルアミン,ジメチルベンジルアミンなどの脂肪族第三
級アミン化合物、トリフェニルアミンなどの芳香族第三
級アミン化合物、N,N−ジメチル−4−アミノピリジ
ン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロリジノピリ
ジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリジン,2−
ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジン,2−メ
トキシピリジン,4−メトキシピリジン,イミダゾー
ル,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミダゾー
ル,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メトキシイ
ミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミノキノ
リン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)などの含
窒素複素環化合物が挙げられる。
【0037】さらに、一般式(IX) (NR10 4+ ( X1 - ・・・(IX) で表される4級アンモニウム塩を挙げることができる。
上記一般式(IX)において、R10は有機基、例えばメチ
ル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基、オクチル基,シクロヘキシル基などのアル
キル基やシクロアルキル基、フェニル基,トリル基,ナ
フチル基,ビフェニル基などのアリール基、ベンジル基
などのアリールアルキル基などを示す。4つのR10はた
がいに同一でも異なっていてもよく、また2つのR10
結合して環構造を形成していてもよい。X1 はハロゲン
原子,水酸基又はBR4 を示す。ここで、Rは水素原子
又はアルキル基やアリール基などの炭化水素基を示し、
4つのRはたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0038】このような4級アンモニウム塩としては、
例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド,テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド,テトラブチルアンモ
ニウムヒドロキシド,トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキシドなどのアルキル基,アリール基,アルアリ
ール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、テト
ラメチルアンモニウムボロハイドライド,テトラブチル
アンモニウムボロハイドライド,テトラブチルアンモニ
ウムテトラフェニルボレート,テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレートなどの塩基性塩が挙げられ
る。これらの含窒素有機塩基性化合物の中で、触媒活性
が高く、かつ熱分解が容易でポリマー中に残留しにくい
などの点から、上記一般式(I)で表される4級アンモ
ニウム塩、具体的にはテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,テト
ラメチルアンモニウムボロハイドライド,テトラブチル
アンモニウムボロハイドライドが好ましく、特にテトラ
メチルアンモニウムヒドロキシドが好適である。この
(a)成分の含窒素有機塩基性化合物は一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】一方、(b)成分の4級ホスホニウム塩と
しては、特に制限はなく、各種のものがあり、例えば一
般式(X) (PR11 4) + (X2 - ・・・(X) で表される化合物が好ましく用いられる。上記一般式
(X)において、R11は有機基を示し、この有機基として
は、上記一般式(IX)におけるR10の説明において例示
したものと同じものを挙げることができる。4つのR11
はたがいに同一でも異なっていてもよく、また2つのR
2 が結合して環構造を形成していてもよい。X2 はハロ
ゲン原子,水酸基,アルキルオキシ基,アリールオキシ
基,(R’O)2 P(=O)O又はBR''4 を示す。こ
こで、R’はアルキル基やアリール基などの炭化水素基
を示し、2つのR’Oはたがいに同一でも異なっていて
もよい。またR''は水素原子又はアルキル基やアリール
基などの炭化水素基を示し、4つのR''はたがいに同一
でも異なっていてもよい。
【0040】このような4級ホスホニウム塩としては、
例えばテトラフェニルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラナフチルホスホニウムヒドロキシド,テトラ(クロロ
フェニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラ(ビフェ
ニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラトリルホスホ
ニウムヒドロキシド,テトラメチルホスホニウムヒドロ
キシド,テトラエチルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラブチルホスホニウムヒドロキシドなどのテトラ(アリ
ール又はアルキル)ホスホニウムヒドロキシド類、さら
にはテトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト,テトラフェニルホスホニウムブロミド,テトラフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート,メチルトリ
フェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,ベンジ
ルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,
テトラトリルホスホニウムテトラフェニルボレート,テ
トラフェニルホスホニウムフェノレート,テトラ(p−
t−ブチルフェニル)ホスホニウムジフェニルホスフェ
ート,トリフェニルブチルホスホニウムフェノレート,
トリフェニルブチルホスホニウムテトラフェニルボレー
トなどが挙げられる。
【0041】また、上記一般式(X)で表される化合物以
外に、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンのビス−テトラフェニルホスホニウム塩,エチ
レンビス(トリフェニルホスホニウム)ジブロミド,ト
リメチレンビス(トリフェニルホスホニウム)−ビス
(テトラフェニルボレート)なども挙げることができ
る。これらの4級ホスホニウム塩の中で、触媒活性が高
く、かつ熱分解が容易でポリマー中に残留しにくいなど
の点から、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニル
ボレート,ビフェニルトリフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート及びヘキシルトリフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレートが好適である。
【0042】この(b)成分の4級ホスホニウム塩は一
種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。なお、これらの含窒素有機塩基性化合物及び4級ホ
スホニウム塩は、金属不純物の含有量ができるだけ少な
いものが好ましく、特にアルカリ金属及びアルカリ土類
金属化合物の含有量が50ppm以下のものが好適であ
る。本発明においては、重合触媒として、上記(a)成
分の含窒素有機塩基性化合物を10-1〜10-6モル、好
ましくは10-2〜10-5モル用い、(b)成分の4級ホ
スホニウム塩を10-3〜10-8モル、好ましくは10-4
〜10-7モル用いるのが望ましい。(a)成分の使用量
が10-6モル未満では反応初期での触媒活性が不充分と
なり、また10-1モルを超えるとコストアップに繋がり
好ましくない。一方、(b)成分の使用量が10-8モル
未満では反応後期での触媒活性が不充分となり、また1
-3モルを超えるとコストアップに繋がり好ましくな
い。
【0043】また、この重合触媒は、原料である(A)
成分のジヒドロキシ化合物1モルに対して、(a)成分
と(b)成分との合計量が、通常10-1〜10-8モル、
好ましくは10-2〜10-7モルになるような割合で添加
される。この触媒の添加量が10-8モル未満では、触媒
効果が発現されないおそれがある。また、10-1モルを
超えると、最終製品であるポリカーボネートの物性、特
に、耐熱性, 耐加水分解性の低下を招くおそれがあり、
また、コストアップに繋がり、これを超えてまで添加す
ることはない。
【0044】また、本発明においては、必要に応じ、酸
化防止剤を反応系に添加してもよい。この酸化防止剤と
しては、リン系酸化防止剤が好ましく、例えばトリメチ
ルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチル
ホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニル
ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデ
シルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホ
スファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイ
ト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイト
などのトリアルキルホスファイト、トリシクロヘキシル
ホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト、
トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイ
ト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホ
スファイトなどのトリアリールホスファイト、2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスファイトなどのモノアルキル
ジアリールホスファイト、トリメチルホスフェート,ト
リエチルホスフェート,トリブチルホスフェート,トリ
オクチルホスフェート,トリデシルホスフェート,トリ
オクタデシルホスフェート,ジステアリルペンタエリス
リチルジホスフェート,トリス(2−クロロエチル)ホ
スフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホス
フェートなどのトリアルキルホスフェート、トリシクロ
ヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェート,トリクレジルホス
フェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェート,2
−エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリア
リールホスフェートなどが挙げられる。
【0045】また、本発明の光学材料用ポリカーボネー
トは、可塑剤,顔料,潤滑剤,離型剤,安定剤などのよ
うな周知の添加剤を配合して使用することができる。さ
らに、このポリカーボネートは、光学特性の改良のた
め、スチレン系樹脂を配合することも可能であり、スチ
レン系樹脂としては、フェニルマレインイミド−スチレ
ン共重合体,無水マレイン酸スチレン共重合体,フェニ
ルマレインイミド−ブチルマレインイミド−スチレン共
重合体等を使用することが可能である。
【0046】そして、上記のエステル交換反応は、通常
不活性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得
られるポリカーボネートの1〜150重量%の不活性溶
剤の存在下において行ってもよい。ここで、不活性溶剤
としては、例えば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジ
フェニルエーテル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエー
テル,ジクロロベンゼン,メチルナフタレンなどの芳香
族化合物、トリシクロ(5,2,10)デカン,シクロ
オクタン,シクロデカンなどのシクロアルカンなどが挙
げられる。また、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行
ってもよく、ここで、不活性ガスとしては、例えばアル
ゴン,二酸化炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、ク
ロロフルオロ炭化水素,エタンやプロパンなどのアルカ
ン、エチレンやプロピレンなどのアルケンなど、各種の
ものが挙げられる。
【0047】本発明のポリカーボネートを製造する際に
は、通常のエステル交換法によるポリカーボネートの製
造に供される原料が用いられるが、好ましくは、(A)
成分のジヒドロキシ化合物及び(B)成分の炭酸ジエス
テルと、必要に応じ末端停止剤あるいは分岐剤等を用い
てエステル交換反応を行い、品質の優れたポリカーボネ
ートを得ることができる。具体的には、公知のエステル
交換法に準じて反応を進行させればよい。以下に、本発
明の好ましい製造方法の手順及び条件を具体的に示す。
まず、(A)成分のジヒドロキシ化合物と(B)成分の
炭酸ジエステルとを、ジヒドロキシ化合物に対して炭酸
ジエステルが0.9〜1.5倍モルになるような比率でエス
テル交換反応する。なお、状況に応じて、0.98〜1.2
0倍モルが好ましい。
【0048】上記のエステル交換反応に当たって、前記
の一価フェノールなどからなる末端停止剤の存在量が、
(A)成分であるジヒドロキシ化合物に対して、0.05
〜10モル%の範囲にあると、得られるポリカーボネー
トの水酸基末端が封止されるため、耐熱性及び耐水性に
充分優れたポリカーボネートが得られる。このような前
記の一価フェノールなどからなる末端停止剤は、予め反
応系に全量添加しておいてもよい。また、予め反応系に
一部添加しておき、反応の進行に伴って残部を添加して
もよい。さらに、場合によっては、前記(A)成分のジ
ヒドロキシ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとのエ
ステル交換反応が一部進行した後に、反応系に全量添加
してもよい。
【0049】本発明のポリカーボネートを得るため、エ
ステル交換反応を行うに当たっては、反応温度は、特に
制限はなく、通常100〜330℃の範囲、好ましくは
180〜300℃の範囲で選ばれるが、より好ましく
は、反応の進行に合わせて次第に180〜300℃まで
温度を上げていく方法がよい。このエステル交換反応の
温度が100℃未満では反応速度が遅くなり、一方33
0℃を超えると副反応が生じたり、あるいは生成するポ
リカーボネートが着色するなどの問題が生じ、好ましく
ない。また、反応圧力は、使用するモノマーの蒸気圧や
反応温度に応じて設定される。これは、反応が効率良く
行われるように設定されればよく、限定されるものでは
ない。通常、反応初期においては、1〜50atm (76
0〜38,000torr)までの大気圧(常圧)ないし加圧
状態にしておき、反応後期においては、減圧状態、好ま
しくは最終的には0.01〜100torrにする場合が多
い。さらに、反応時間は、目標の分子量となるまで行え
ばよく、通常、0.2〜10時間程度である。
【0050】
【実施例】
実施例1,比較例1 内容積1リットルのNi鋼製オートクレーブ(攪拌機付
き)に、ビスフェノールA228g(1.0mol)、ジ
フェニルカーボネート225g(1.05mol)、及び
第1表に示す種類と量の触媒を加えAr置換を5回行っ
た後、混合物を180℃に加熱し、Ar雰囲気下で30
分反応させた。次いで温度を除々に235℃に上昇させ
ると同時に真空度を60mmHgまで上げて60分反応
させ、さらに温度を除々に270℃にすると同時に、真
空度を10mmHgまで上げて120分反応させた。次
いで、温度を270℃、真空度を1mmHgにし30分
反応させた後、真空度を0.5mmHgまで上げて更に3
0分反応させた。反応終了後、Arで反応器内を大気圧
にもどし、内容物を取り出し粉砕し、ポリカーボネート
を得た。第1表に、熱安定試験および高温高湿下環境試
験結果を示す。
【0051】実施例2 最終反応の条件を、290℃、0.5mmHgにした以外
は、実施例1と同様に行った。試験結果を第1表に示
す。
【0052】実施例3 実施例1において、235℃での反応時間を120分と
し、270℃,10mmHgの反応温度を260℃,1
0mmHgにした以外は、実施例1と同様に行った。試
験結果を第1表に示す。
【0053】比較例2 比較例1のポリカーボネートに、樹脂に対してp−トル
エンスルホン酸ブチル2ppmを加え、溶融混合しペレ
ット化した。試験結果を第1表に示す。
【0054】比較例3 比較例2のポリカーボネート100重量部にトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.
01重量部および3,4−エボキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エボキシシクロヘキサンカルボキシレート
100重量部をヘンシャルミキサーにて混合した後、溶
融混合ペレット化した。試験結果を第1表に示す。
【0055】
【表1】 注) 1)単位:mol/molBPA 2)〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83より算出(メチレ
ンクロライト,20℃) 3)射出成形した直系12cm、厚み1.2mmの光ディ
スク基板を、80℃,85%RHの条件に間2000時
間曝した後、径が10μm以上の白点の個数を透過型偏
光顕微鏡で読み取った。 4)厚み3mmのプレートプレス成形し、窒素下、34
0℃,90分間履歴を与えた前後のYIを測定(JIS
K7103−77に従い、スガ試験機社製カラーメー
ターSM−3により測定した) 5)TPTB:テトラフェニルホスホニウウムテトラフ
ェニルボレート(Na<1ppm,Mg<1ppm) BTPB:ビフェニルトリフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート(Na<1ppm,Mg<1ppm) HTPB:シクロヘキシルトリフェニルホスホニウムテ
トラフェニルボレート(Na<1ppm,Mg<1pp
m) TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド
(Na<1ppb,Ca<1ppb,K<1ppb)
【0056】
【発明の効果】本発明のポリカーボネートは、特定の製
造工程を経て得られるので、従来のポリカーボネートに
比べて、熱安定性に優れ、高温高湿の環境においても品
質が低下することなく、色調も良好であり、光学材料と
して極めて有用な高品質のポリカーボネートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)含窒素有機塩基性化合物及び
    (b)4級ホスホニウム塩を用いた触媒存在下、2価フ
    ェノールと炭酸ジエステルとからエステル交換反応によ
    って得られる光学材料用ポリカーボネート。
JP33306095A 1995-12-21 1995-12-21 光学材料用ポリカーボネート Pending JPH09169838A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003505546A (ja) * 1999-07-19 2003-02-12 バイエル アクチェンゲゼルシャフト ポリカーボネートの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003505546A (ja) * 1999-07-19 2003-02-12 バイエル アクチェンゲゼルシャフト ポリカーボネートの製造方法
JP4772241B2 (ja) * 1999-07-19 2011-09-14 バイエル アクチェンゲゼルシャフト ポリカーボネートの製造方法

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