JPH0925340A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH0925340A
JPH0925340A JP17500895A JP17500895A JPH0925340A JP H0925340 A JPH0925340 A JP H0925340A JP 17500895 A JP17500895 A JP 17500895A JP 17500895 A JP17500895 A JP 17500895A JP H0925340 A JPH0925340 A JP H0925340A
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bis
polycarbonate
hydroxyphenyl
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JP17500895A
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Yasuhiro Ishikawa
康弘 石川
Mitsugi Nakae
貢 中江
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なステンレス鋼製などの反応装置を用い
て、エステル交換法により、色調の良好は高分子量のポ
リカーボネートを容易に製造することができる工業的に
有利な方法を提供すること。 【解決手段】 エステル交換反応によりポリカーボネー
トを製造するに当たり、反応装置として、少なくとも接
液部にカルボニル基含有化合物で洗浄処理を施したもの
で、好ましくは接液部がステンレス鋼製のものを用いる
ポリカーボネートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネートの
製造方法に関し、さらに詳しくは、エステル交換反応に
より、ポリカーボネートを製造するに際し、安価なステ
ンレス鋼製等の反応装置を用いて、色調の良好な高分子
量のポリカーボネートを効率よく製造する工業的に有利
な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、透明性,耐熱性あ
るいは耐衝撃性に優れたエンジニアリングプラスチック
であって、現在、電気・電子分野,自動車分野,光学部
品分野,その他工業分野で広く使用されている。一般
に、ポリカーボネートの製造方法としては、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる方法(界
面重縮合法)、あるいは芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応させる方
法(溶融重合法)が知られている。このポリカーボネー
トの製造方法において、界面重縮合法は、有毒なホス
ゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水素
や塩化ナトリウムなどの含塩素化合物によって製造装置
が腐蝕すること、樹脂中に混入する塩化ナトリウムな
どポリマーの物性に悪影響を及ぼす不純物の分離が困難
なことなどの諸問題がある。
【0003】このような界面重縮合法における問題を解
決するために、ホスゲンを使用せずに、ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応を利用した
溶融重合法がある。この溶融重合法において、エステル
交換反応によりポリカーボネートを製造する場合、エス
テル交換反応が高温下、長時間行われるため、得られる
ポリマーが着色しやすいという問題がある。このような
着色を抑制するためには、反応器の材質として不活性な
ものを用いるのが有効であることが知られており、例え
ばニッケル,タンタル,クロム及びこれらの合金を用い
る方法(米国特許第4,383,902号明細書)、鉄
含量が20重量%以下の材料を用いる方法(特開平4−
88017号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、これらの材質の反応装置は高価であり、そのため、
得られるポリカーボネートがコスト高になるのを免れ
ず、安価な材質の反応装置を使用する方法の開発が望ま
れていた。安価な材質の反応装置として、ステンレス鋼
製のものを用い、エステル交換反応によりポリカーボネ
ートを製造する場合、通常得られるポリカーボネートが
着色し、かつ高分子量化しにくいなどの問題が生じる。
この問題を解決するために、例えば表面を平滑化させる
目的でバフ研磨処理する方法(特開平4−7328号公
報)、あるいは表面のスケールの除去や不動態化などの
目的で酸洗浄を行う方法(特開平4−7329号公報)
などが試みられている。しかしながら、これらの方法
は、いずれも充分な効果が得られず、満足しうるもので
はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、エステル交換反応によりポリカーボネートを
製造するに際し、安価なステンレス鋼製などの反応装置
を用い、色調の良好な高分子量のポリカーボネートを効
率よく製造する工業的に有利な方法を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、反応装置とし
て、少なくとも接液部にカルボニル基含有化合物で洗浄
処理を施したものを用いることにより、接液部の材質が
ステンレス鋼であっても、色調の良好な高分子量のポリ
カーボネートが容易に得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、エステル交換反応によりポリカーボネー
トを製造するに当たり、反応装置として、少なくとも接
液部にカルボニル基含有化合物で洗浄処理を施したもの
を用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法
を提供するものである。本発明においては、エステル交
換反応によりポリカーボネートが製造される。このエス
テル交換法において用いられる原料については、特に制
限はなく、通常のエステル交換法による製造に供される
各種のものが用いられる。
【0006】例えば、エステル交換反応において、
(A)成分としてジヒドロキシ化合物及び(B)成分と
して炭酸ジエステル、(A)成分としてジヒドロキシ
化合物のジエステル及び(B)成分として炭酸ジエステ
ル、(A)成分としてジヒドロキシ化合物のジ炭酸エ
ステル及び(B)成分として炭酸ジエステル、ジヒド
ロキシ化合物のジ炭酸エステル(自己縮合)、ジヒド
ロキシ化合物のモノ炭酸エステル(自己エステル交換)
などが挙げられる。これらの中では、の(A)成分と
してジヒドロキシ化合物及び(B)成分として炭酸ジエ
ステルとが好ましく用いられる。ここで、エステル交換
反応に好ましく用いられる(A)成分のジヒドロキシ化
合物は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジ
ヒドロキシ化合物が挙げられ、これらから選択される少
なくとも一種の化合物である。この(A)成分の一つと
して用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、一般式
(II)
【0007】
【化2】
【0008】で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(II)において、R1 及びR2 は、それぞれ
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン原子又は炭素数
1〜8のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,シクロヘキシル基,ヘブチル基,オクチル
基などを示す。R1 及びR2 はたがいに同一であっても
異なっていてもよい。またR1 が複数ある場合は複数の
1 は同一でも異なっていてもよく、R2 が複数ある場
合は複数のR2 は同一でも異なっていてもよい。m及び
nは、それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは単結
合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8のアル
キリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン基,炭
素数5〜15のシクロアルキリデン基,又は−S−,−
SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合若しくは式
(III),(III')
【0009】
【化3】
【0010】で示される結合を示す。炭素数1〜8のア
ルキレン基,炭素数2〜8のアルキリデン基としては、
例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基などが挙げられ、炭素数5〜15のシ
クロアルキレン基,炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基としては、例えばシクロペンチレン基,シクロヘキ
シレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン
基などが挙げられる。
【0011】上記一般式(II)で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;1−フェ
ニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA);
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス
(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニ
ル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブ
チルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−ブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン;2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;
1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタ
ン;1,1−ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)オクタン;1,1−(4−ヒドロキ
シフェニル)エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)
アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス
(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン;1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカ
ン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス
(4,−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルな
どのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(ヒ
ドロキシアリール)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホキシド;ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス
(ヒドロキシアリール)スルホキシド類;ビス(4ヒド
ロキシフェニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビス(ヒドロキ
シアリール)スルホン類、4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニル;4,4’−ジヒドロキシ−2、2’−ジメチル
ビフェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルビフェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジシクロヘキシルビフェニル;3,3’−ジフルオロ−
4,4’−ジヒドロキシビフェニルなどのジヒドロキシ
ビフェニル類などが挙げられる。
【0012】上記一般式(II)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物としては、ジヒドロキシベンゼン類、ハロゲン
及びアルキル置換ジヒドロキシベンゼン類などがある。
例えば、レゾルシン,3−メチルレゾルシン,3−エチ
ルレゾルシン,3−プロピルレゾルシン,3−ブチルレ
ゾルシン,3−t−ブチルレゾルシン,3−フェニルレ
ゾルシン,3−クミルレゾルシン;2,3,4,6−テ
トラフルオロレゾルシン;2,3,4,6−テトラブロ
モレゾルシン;カテコール,ハイドロキノン,3−メチ
ルハイドロキノン,3−エチルハイドロキノン,3−プ
ロピルハイドロキノン,3−ブチルハイドロキノン,3
−t−ブチルハイドロキノン,3−フェニルハイドロキ
ノン,3−クミルハイドロキノン;2,5−ジクロロハ
イドロキノン;2,3,5,6−テトラメチルハイドロ
キノン;2,3,4,6−テトラ−t−ブチルハイドロ
キノン;2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン;2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノンなど
が挙げられる。
【0013】また、(A)成分の一つとして用いられる
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、各種のものがあ
る。例えば、ブタン−1,4−ジオール;2,2−ジメ
チルプロパン−1,3−ジオール;ヘキサン−1,6−
ジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;オクタエチレングリ
コール;ジプロピレングリコ−ル;N,N−メチルジエ
タノールアミン;シクロヘキサン−1,3−ジオール;
シクロヘキサン−1,4−ジオール;1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサン;p−キシリレングリコール;2,
2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパ
ン及び二価アルコール又はフェノールのエトキシ化また
はプロポキシ化生成物、例えばビス−オキシエチル−ビ
スフェノールA;ビス−オキシエチル−テトラクロロビ
スフェノールA又はビス−オキシエチル−テトラクロロ
ヒドロキノンなどが挙げられる。本発明の好ましい製造
方法において、(A)成分のジヒドロキシ化合物として
は、上記の化合物一種又は二種以上適宜選択して用いる
が、これらの中では、芳香族ジヒドロキシ化合物である
ビスフェノールAを用いるのが好ましい。一方、本発明
において、(B)成分として用いられる炭酸ジエステル
は、各種のものがある。例えば、炭酸ジアリール化合
物,炭酸ジアルキル化合物又は炭酸アルキルアリール化
合物から選択される少なくとも一種の化合物である。こ
の(B)成分の一つとして用いられる炭酸ジアリール化
合物は、一般式(IV)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物、又は一般式(V)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよく、D1 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。また、炭酸ジアルキル化合物は、一般式(VI)
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R3 及びR4 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、又は一般式(VII)
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R5 及びR6 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2
個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。そ
して、炭酸アルキルアリール化合物は、一般式(VIII)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、Ar5 はアリール基、R7 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基を示す。)で表される化合物、又は一般式(IX)
【0024】
【化9】
【0025】(式中、Ar6 はアリール基,R8 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキ
ル基、D3 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基
2個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。
ここで、炭酸ジアリール化合物としては、例えば、ジフ
ェニルカーボネート,ジトリルカーボネート,ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート,m−クレジルカーボネー
ト,ジナフチルカーボネート,ビス(ジフェニル)カー
ボネート,ビスフェノールAビスフェニルカーボネート
などが挙げられる。また、炭酸ジアルキル化合物として
は、例えば、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネ
ート,ジブチルカーボネート,ジシクロヘキシルカーボ
ネート,ビスフェノールAビスメチルカーボネートなど
が挙げられる。そして、炭酸アルキルアリール化合物と
しては、例えば、メチルフェニルカーボネート,エチル
フェニルカーボネート,ブチルフェニルカーボネート,
シクロヘキシルフェニルカーボネート,ビスフェノール
Aメチルフェニルカーボネートなどが挙げられる。本発
明において、(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上
記の化合物一種又は二種以上を適宜選択して用いるが、
これらの中では、ジフェニルカーボネートを用いるのが
好ましい。
【0026】次に、本発明に用いられる前記ジヒドロキ
シ化合物及び前記炭酸ジエステル以外の原料としては、
次のものが挙げられる。すなわち、ジヒドロキシ化合物
のジエステル類としては、例えば、ビスフェノールAの
ジ酢酸エステル,ビスフェノールAのジプロピオン酸エ
ステル,ビスフェノールAのジブチル酸エステル,ビス
フェノールAのジ安息香酸エステルなどを挙げることが
できる。また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル類
としては、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭酸
エステル,ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステ
ル,ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステルなど
を挙げることができる。そして、ジヒドロキシ化合物の
モノ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノール
Aモノメチル炭酸エステル,ビスフェノールAモノエチ
ル炭酸エステル,ビスフェノールAモノプロピル炭酸エ
ステル,ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステルな
どを挙げることができる。
【0027】そして、本発明の製造方法においては、必
要に応じて末端停止剤を用いることができる。この末端
停止剤としては、例えばo−n−ブチルフェノール;m
−n−ブチルフェノール;p−n−ブチルフェノール;
o−イソブチルフェノール;m−イソブチルフェノー
ル;p−イソブチルフェノール;o−t−ブチルフェノ
ール;m−t−ブチルフェノール;p−t−ブチルフェ
ノール;o−n−ペンチルフェノール;m−n−ペンチ
ルフェノール;p−n−ペンチルフェノール;o−n−
ヘキシルフェノール;m−n−ヘキシルフェノール;p
−n−ヘキシルフェノール;o−シクロヘキシルフェノ
ール;m−シクロヘキシルフェノール;p−シクロヘキ
シルフェノール;o−フェニルフェノール;m−フェニ
ルフェノール;p−フェニルフェノール;o−n−ノニ
ルフェノール;m−n−ノニルフェノール;p−n−ノ
ニルフェノール;o−クミルフェノール;m−クミルフ
ェノール;p−クミルフェノール;o−ナフチルフェノ
ール;m−ナフチルフェノール;p−ナフチルフェノー
ル;2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ−
t−ブチルフェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノ
ール;3,5−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ
クミルフェノール;3,5−ジクミルフェノール;式
【0028】
【化10】
【0029】で表される化合物や、式
【0030】
【化11】
【0031】で表されるクロマン誘導体などの一価フェ
ノールが挙げられる。このようなフェノール類のうち、
本発明では特に限定されないが、p−t−ブチルフェノ
ール,p−クミルフェノール,p−フェニルフェノール
などが好ましい。また、式
【0032】
【化12】
【0033】で表される化合物なども用いることができ
る。さらに、本発明では、必要に応じて、フロログルシ
ン;トリメリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’
−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−
ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス
(o−クレゾール)などを分岐剤として用いることもで
きる。また、本発明においては、必要に応じエステル交
換反応を促進させるために、無機塩基性化合物や有機塩
基性化合物などの公知の触媒を使用するこができる。こ
こで、無機塩基性化合物としては、例えばアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の単体,酸化物,水酸化物,アミ
ド化合物,アルコラート,フェノラート,あるいはZn
O,PbO,Sb2 3 のような塩基性金属酸化物、有
機チタン化合物、可溶性マンガン化合物、Ca,Mg,
Zn,Pb,Sn,Mn,Cd,Coなどの酢酸塩など
が挙げられる。
【0034】一方、有機塩基性化合物としては、例えば
トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルア
ミン,トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘ
キシルアミン,ジメチルベンジルアミンなどの脂肪族第
3級アミン化合物、トリフェニルアミンなどの芳香族第
3級アミン化合物、N,N−ジメチル−4−アミノピリ
ジン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロリジノピ
リジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリジン,2
−ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジン,2−
メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,イミダゾー
ル,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミダゾー
ル,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メトキシイ
ミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミノキノ
リン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)などの含
窒素複素環化合物、さらには、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド,テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,トリメチ
ルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキル
基,アリール基,アルアリール基などを有するアンモニ
ウムヒドロキシド類、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド,テトラブチルアンモニウムボロハイドライ
ド,テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト,テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
などの塩基性塩、その他7−メチル−1,5,7−トリ
アザビシクロ〔4.4.0〕デセ−5−エン(MTB
D);1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
−7−エン(DBU)などの塩基性化合物などが挙げら
れる。
【0035】これらの化合物の中では、触媒活性が高
く、減圧溶融処理での除去が容易であるなどの理由か
ら、トリヘキシルアミン,テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシド,
ジメチルアミノピリジンが好ましく用いられる。さら
に、上記化合物以外に、エステル交換触媒として、硼
酸,硼酸トリメチル,硼酸トリエチル,硼酸トリブチ
ル,硼酸トリヘプチル,硼酸トリフェニル,硼酸トリナ
フチルなどの硼素化合物を用いることもできる。
【0036】本発明においては、前記触媒はそれぞれ単
独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
たその使用量は、原料であるジヒドロキシ化合物1モル
に対して、通常1×10-2〜1×10-8モルの範囲で選
ばれる。この使用量が1×10-8モル未満では触媒効果
が充分に発揮されないおそれがあり、1×10-2モルを
超えると得られるポリカーボネートの物性、特に耐熱性
や耐加水分解性が低下するおそれがある上、コストアッ
プにつながり好ましくない。触媒効果,得られるポリカ
ーボネートの物性及び経済性などの面から、好ましい触
媒使用量は、ジヒドロキシ化合物1モルに対し、1×1
-3〜1×10-7モルの範囲である。本発明の方法にお
いては、エステル交換反応によりポリカーボネートを製
造するが、その際の反応装置として、カルボニル基含有
化合物で洗浄処理を施したものが用いられる。この洗浄
処理は、反応装置の接液部(反応物との接触部分)に施
されていればよく、必ずしも全体に施される必要はな
い。
【0037】反応装置の材質としては、安価なステンレ
ス鋼が望ましいが、タンタル,クロム,ニッケルなどの
非鉄系、あるいはモネル,インコネル,ハステロイなど
の非ステンレス系の特殊な材質を用いてもよい。また、
これらの材質は、反応装置の接液部に用いられていれば
よく、反応装置全体に用いられる必要はない。上記ステ
ンレス鋼は、クロムを10〜30重量%含有する鋼材で
あって、具体例としては、SUS304,SUS304
L,SUS309,SUS310,SUS316,SU
S316Lなどが挙げられるが、もちろんこれらに限定
されるものではない。さらに、カルボニル基含有化合物
で洗浄処理を施す部分は、洗浄処理前に、バフ研磨など
の機械的研磨や電解研磨などの研磨処理、酸又はアルカ
リ、あるいはそれらの併用による化学的処理を施しても
よい。本発明において、洗浄処理に用いられるカルボニ
ル基含有化合物としては、特に制限はなく、様々な化合
物を使用することができるが、例えば一般式(I)
【0038】
【化13】
【0039】で表される化合物が好ましく用いられる。
この一般式(I)において、R及びR’は、それぞれ水
素原子,ヒドロキシル基,アルコキシ基,アリーロキシ
基,アルキル基,カルボニル基含有アルキル基,アリー
ル基,カルボニル基含有アリール基,アミノ基又は置換
アミノ基を示し、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよいが、R及びR’は同時にヒドロキシル基ではな
く、またたがいに結合して環構造を形成していてもよ
い。ここで、アルキル基としては、直鎖状,分岐状のい
ずれであってもよく、例えばメチル基,エチル基,プロ
ピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基などの炭素
数1〜20のアルキル基が挙げられ、またアリール基と
しては、例えばフェニル基,ナフチル基,トリル基,キ
シリル基,ベンジル基,フェネチル基などが挙げられ
る。アルコキシ基としては、上記アルキル基に対応する
炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられ、また、アリ
ーロキシ基としては、上記アリール基に対応するものが
挙げられる。カルボニル基含有アルキル基としては、カ
ルボニル基を1個以上含有する上記炭素数1〜20のア
ルキル基が挙げられ、また、カルボニル基含有アリール
基としては、カルボニル基を1個以上含有する上記アリ
ール基が挙げられる。さらに置換アミノ基としては、上
記アルキル基やアリール基などが1個又は2個置換した
アミノ基が挙げられる。
【0040】このような一般式(I)で表されるカルボ
ニル基含有化合物としては、例えばベンズアルデヒド;
安息香酸;2,4−ペンタンジオン;ジメチルカーボネ
ート;ジフェニルカーボネート;アセトフェノン;ベン
ゾフェノン;シクロヘキサノン;N,N−ジメチルホル
ムアミド;コハク酸イミド;メチルエチルケトン;メチ
ルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらの中で、
特に、R及びR’のいずれかが水素原子,ヒドロキシル
基,カルボニル基含有アルキル基又はカルボニル基含有
アリール基であって、残りがアルキル基又はアリール基
であるものが、優れた処理効果を有する点から好適であ
る。このようなものの代表例としては、ベンズアルデヒ
ド;安息香酸;2,4−ペンタンジオン(アセチルアセ
トン)などを挙げることができる。本発明においては、
これらのカルボニル基含有化合物は一種用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、洗浄処理
温度については特に制限はないが、使用するカルボニル
基含有化合物の融点以上、沸点未満の範囲の温度におい
て、常温以上、好ましくは100℃以上の温度で処理す
るのが、処理効果の点から有利である。洗浄処理時間に
ついても特に制限はないが、処理効果の点から10分以
上が好ましく、特に1時間以上が好適である。
【0041】本発明の製造方法においては、このように
して、少なくとも接液部にカルボニル基含有化合物で洗
浄処理を施した反応装置、好ましくは少なくとも接液部
がステンレス鋼製の反応装置を用い、通常のエステル交
換法によるポリカーボネートの製造に供される原料を使
用してエステル交換反応を行うが、好ましくは(A)成
分のジヒドロキシ化合物及び(B)成分の炭酸ジエステ
ルと、必要に応じ末端停止剤あるいは分岐剤などを用い
てエステル交換反応を行うことにより、品質の優れたポ
リカーボネートを得ることができる。具体的には、公知
のエステル交換法に準じて反応を進行させればよい。以
下に、本発明の好ましい製造方法の手順及び条件を具体
的に示す。まず、(A)成分のジヒドロキシ化合物と
(B)成分の炭酸ジエステルとを、効率よく反応させる
ために、ジヒドロキシ化合物に対して炭酸ジエステルが
0.9〜1.5倍モル、好ましくは0.95〜1.25倍モル、
より好ましくは1.0〜1.2倍モルになるような比率で用
い、エステル交換反応を行う。
【0042】上記のエステル交換反応に当たって、前記
の一価フェノールなどからなる末端停止剤の存在量が、
(A)成分であるジヒドロキシ化合物に対して、0.05
〜10モル%の範囲にあると、得られるポリカーボネー
トの水酸基末端が封止されるため、耐熱性及び耐水性に
充分優れたポリカーボネートが得られる。このような前
記の一価フェノールなどからなる末端停止剤は、予め反
応系に全量添加しておいてもよい。また、予め反応系に
一部添加しておき、反応の進行に伴って残部を添加して
もよい。さらに、場合によっては、前記(A)成分のジ
ヒドロキシ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとのエ
ステル交換反応が一部進行した後に、反応系に全量添加
してもよい。
【0043】本発明の製造方法に従ってエステル交換反
応を行うに当たっては、反応温度は、特に制限はなく、
通常100〜350℃の範囲の範囲で選ばれる。このエ
ステル交換反応の温度が100℃未満では反応速度が遅
くなり、一方350℃を超えると副反応が生じたり、あ
るいは生成するポリカーボネートが着色するなどの問題
が生じ、好ましくない。反応速度,副反応の抑制及びポ
リカーボネートの品質などの面から、好ましい反応温度
は180〜330℃の範囲であり、特に反応の進行に合
わせて次第に180〜300℃まで温度を上げていく方
法が好適である。また、反応圧力は、使用するモノマー
の蒸気圧や反応温度に応じて設定される。これは、反応
が効率良く行われるように設定されればよく、限定され
るものではない。通常、反応初期においては、1〜50
atm (760〜38,000torr)までの大気圧(常圧)
ないし加圧状態にしておき、反応後期においては、減圧
状態、好ましくは最終的には0.01〜10torrにする場
合が多い。さらに、反応時間は、目標の分子量となるま
で行えばよく、通常、0.2〜9時間程度である。そし
て、上記のエステル交換反応は、通常不活性溶剤の不存
在下で行われるが、必要に応じて、得られるポリカーボ
ネートの1〜150重量%の不活性溶剤の存在下におい
て行ってもよい。ここで、不活性溶剤としては、例え
ば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジフェニルエーテ
ル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエーテル,ジクロロ
ベンゼン,メチルナフタレンなどの芳香族化合物、トリ
シクロ(5,2,10)デカン,シクロオクタン,シク
ロデカンなどのシクロアルカンなどが挙げられる。ま
た、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、
ここで、不活性ガスとしては、例えばアルゴン,二酸化
炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、クロロフルオロ
炭化水素,エタンやプロパンなどのアルカン、エチレン
やプロピレンなどのアルケンなど、各種のものが挙げら
れる。
【0044】また、本発明においては、必要に応じ、酸
化防止剤を反応系に添加してもよい。この酸化防止剤と
しては、リン系酸化防止剤が好ましく、例えばトリメチ
ルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチル
ホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニル
ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデ
シルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホ
スファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイ
ト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイト
などのトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシル
ホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト;
トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイ
ト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホ
スファイトなどのトリアリールホスファイト;2−エチ
ルヘキシルジフェニルホォスファイトなどのモノアルキ
ルジアリールホスファイト;トリメチルホスフェート,
トリエチルホスフェート,トリブチルホスフェート,ト
リオクチルホスフェート,トリデシルホスフェート,ト
リオクタデシルホスフェート,ジステアリルペンタエリ
スリチルジホスフェート,トリス(2−クロロエチル)
ホスフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホ
スフェートなどのトリアルキルホスフェート;トリシク
ロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキルホス
フェート;トリフェニルホスフェート,トリクレジルホ
スフェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェート,
2−エチルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリ
アリールホスフェートなどが挙げられる。
【0045】本発明においては、反応が進行するととも
に、使用した炭酸ジエステルに対応するフェノール類,
アルコール類,又はそれらのエステル類及び不活性溶剤
が反応器より脱離してゆく。これら脱離物は、分離、精
製しリサイクル使用も可能であり、これらを除去する設
備があれば好ましい。そして、本発明は、バッチ式また
は連続式に行うことができる。なお、連続式で製造する
場合には、少なくとも二基以上の反応器を使用し、上記
の反応条件を設定するのが好ましい。本発明で用いられ
る反応装置は、その構造は、特に制限はされないが、通
常の攪拌機能を有していればよい。ただし、反応後段に
おいては粘度が上昇するので高粘度型の攪拌機能を有す
るものが好ましい。さらに、反応装置の形状は槽型のみ
ならず、押出機型のリアクター等でもよい。
【0046】以上のようにして得られたポリカーボネー
トは、そのまま造粒してもよく、また、押出機等を用い
て成形することもできる。また、本発明によって得られ
るポリカーボネートは、可塑剤,顔料,潤滑剤,離型
剤,安定剤,無機充填剤などのような周知の添加剤を配
合して使用することができる。さらに、得られるポリカ
ーボネートは、ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリエ
ステル,ポリスルホネート,ポリアミド,ポリフェニレ
ンエーテル等の重合体とブレンドすることが可能であ
る。特に、OH基,COOH基,NH2 基などを末端に
有するポリフェニレンエーテル,ポリエーテルニトリ
ル,末端変性ポリシロキサン化合物,変性ポリプロピレ
ン,変性ポリスチレン等と併用すると効果的である。
【0047】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、さ
らに詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例によ
り限定されるものではない。 実施例1 反応物との接触部分(接液部)に第1表に示す処理を施
した内容積100ミリリットルの攪拌機付SUS316
製オートクレーブに、ビスフェノールA22.8g(0.1
モル),ジフェニルカーボネート23.5g(0.11モ
ル),高純度テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
〔日本特殊化学(株)製〕2.5×10-4モル及び酢酸カ
ルシウム2.5×10-6モルを仕込み、窒素置換を5回行
った。この混合物を180℃に加熱し、アルゴン雰囲気
で30分間反応させたのち、210℃に昇温して次第に
真空度を100mmHgまで上げて、30分間反応させ
た。さらに240℃に昇温し、徐々に真空度を10mm
Hgまで上げて反応させ、次いで270℃に昇温し、真
空度を2mmHgまで上げ30分間反応させたのち、真
空度0.3mmHgで30分間反応させ、反応を終了させ
た。次に、オートクレーブ内の粘稠で透明な縮合物を取
り出した。
【0048】得られたポリカーボネートを280℃でプ
レス成形し、YI(イエローインデックス)をJIS
K7103−77に従い、スガ試験機社製カラーメータ
ーSM−3により測定した。さらに、このポリマーを塩
化メチレンに溶解し、粘度平均分子量を測定した。な
お、粘度平均分子量(Mv)は、20℃での塩化メチレ
ン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、式 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 により算出した。結果を第1表に示。
【0049】実施例2 反応物との接触部分に第1表に示す処理を施した内容積
100ミリリットルの攪拌機付SUS304製オートク
レーブを用い、実施例1同様にして実施した。結果を第
1表に示す。
【0050】実施例3 反応物との接触部分に第1表に示す処理を施した内容積
100ミリリットルの攪拌機付SUS316製オートク
レーブを用い、実施例1と同様にして実施した。結果を
第1表に示す。
【0051】比較例1〜4 反応物との接触部分に第1表に示す処理を施した内容積
100ミリリットルの攪拌機付SUS316製オートク
レーブを用い、実施例1と同様にして実施した。結果を
第1表に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも接液部にカ
ルボニル基含有化合物で洗浄処理を施した反応装置、特
に少なくとも接液部が安価なステンレス鋼製などの反応
装置を用い、エステル交換反応させることにより、色調
の良好な高分子量のポリカーボネートを、工業的に有利
に製造することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル交換反応によりポリカーボネー
    トを製造するに当たり、反応装置として、少なくとも接
    液部にカルボニル基含有化合物で洗浄処理を施したもの
    を用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 カルボニル基含有化合物が、一般式
    (I) 【化1】 〔式中、R及びR’は、それぞれ水素原子,ヒドロキシ
    ル基,アルコキシ基,アリーロキシ基,アルキル基,カ
    ルボニル基含有アルキル基,アリール基,カルボニル基
    含有アリール基,アミノ基又は置換アミノ基を示し、そ
    れらはたがいに同一でも異なっていてもよいが、R及び
    R’は同時にヒドロキシル基ではなく、また、たがいに
    結合して環構造を形成していてもよい。〕で表されるも
    のである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルボニル基含有化合物が、一般式
    (I)において、R及びR’のいずれかが水素原子,ヒ
    ドロキシル基,カルボニル基含有アルキル基又はカルボ
    ニル基含有アリール基であって、残りがアルキル基又は
    アリール基である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応装置が、少なくとも接液部がステン
    レス鋼製のものである請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 エステル交換反応の原料が、(A)ジヒ
    ドロキシ化合物及び(B)炭酸ジエステルである請求項
    1記載の方法。
  6. 【請求項6】 (A)成分のジヒドロキシ化合物が2,
    2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである請
    求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 (B)成分の炭酸ジエステルがジフェニ
    ルカーボネートである請求項5記載の方法。
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PCT/JP1996/000925 WO1996031553A1 (fr) 1995-04-06 1996-04-04 Procede et appareil pour preparer du polycarbonate et methode de traitement de surface dudit appareil
EP96908343A EP0819717B1 (en) 1995-04-06 1996-04-04 Process and apparatus for preparing polycarbonate and method for surface treatment of said apparatus
ES96908343T ES2268702T3 (es) 1995-04-06 1996-04-04 Procedimiento y aparato para preparar policarbonato y metodo para tratamiento superficial de dicho aparato.

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011137157A (ja) * 2009-12-22 2011-07-14 Bayer Materialscience Ag ポリカーボネートを調製するための方法および装置

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