JPH07145234A - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造法

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JPH07145234A
JPH07145234A JP5291797A JP29179793A JPH07145234A JP H07145234 A JPH07145234 A JP H07145234A JP 5291797 A JP5291797 A JP 5291797A JP 29179793 A JP29179793 A JP 29179793A JP H07145234 A JPH07145234 A JP H07145234A
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JP
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bis
reaction
hydroxyphenyl
compound
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JP5291797A
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English (en)
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Kenji Tanaka
謙次 田中
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応速度を向上させることができ、品質の優
れたポリカーボネートを効率よく製造する方法を開発す
ること。 【構成】 エステル交換反応によって、ポリカーボネー
トを製造するにあたり、式(I) 【化1】 〔式中の各記号は明細書に定義した通りである。〕で表
される構造を有する分子内塩からなる重合触媒の存在下
でエステル交換反応を行うポリカーボネートの製造法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネートの製造
法に関する。詳しくは、例えば、ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとを原料とし、エステル交換反応によっ
てポリカーボネートを製造するにあたり、重合触媒とし
て、特定の分子内塩を用いることによって、反応速度を
向上させると共に、耐加水分解性を損なうことなく、色
調の優れたポリカーボネートを効率よく製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ーボネートは、透明性,耐熱性あるいは耐衝撃性に優れ
たエンジニアリングプラスチックであって、現在、電気
・電子分野,自動車分野,光学部品分野,その他工業分
野で広く使用されている。しかるに、上記のような特徴
を有するポリカーボネート(以下、PCと記すことがあ
る。)の製造工程においては、有毒なホスゲンガスや塩
化メチレンを使用する問題点があり、従来より、その製
造法の改良が望まれていた。この問題を解消するため
に、最近、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエ
ステル交換反応を利用した、溶融重合法の開発が盛んに
行われている。すなわち、PCの製造法としては、一般
に、ビスフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物
とホスゲンとを直接反応させる方法(界面重縮合法)、
あるいはビスフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化
合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルと
を溶融状態でエステル交換反応させる方法(溶融重合
法)などが知られている。このPCの製造法において、
界面重縮合法は、有毒なホスゲンを用いなければなら
ないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの
含塩素化合物によって製造装置が腐蝕すること、樹脂
中に混入する水酸化ナトリウムなどポリマーの物性に悪
影響を及ぼす不純物の分離が困難なことなどの諸問題が
ある。
【0003】一方、エステル交換法(溶融重合法)は、
界面重縮合法と比較して、安価にPCを製造することが
できる利点を有しているものの、通常、280〜310
℃の高温下で長時間反応させるために、樹脂の着色問題
から逃れられないと言う大きな欠点を有する。このよう
な溶融法においては、この着色を低減させるために、種
々の改良技術が提案されている。例えば、特公昭61−
39972号公報,特開昭63−223036号公報等
には、特定の触媒を使用する方法が開示されている。ま
た、特開昭61−151236号公報,特開昭62−1
58719号公報等には、反応後期に酸化防止剤を添加
する方法が開示されている。そして、特開昭61−62
522号公報には、反応後期に2軸ベント式混練押出機
を、また、特開平2−153925号公報には、横型攪
拌重合槽を使用するなどプロセス的な改良技術が開示さ
れている。さらに、特開平2−175722号公報に
は、モノマー中の加水分解可能な塩素含有量う一定以下
にする方法が開示されている。また、得られるPCの耐
加水分解性を改良するために、従来より、ジメチル硫酸
のような揮発性酸により中和することが知られており、
最近では、p−トルエンスルホン酸のような酸で中和を
行い、過剰の酸をエポキシで中性化処理する技術(特開
平4−175368号公報)が知られている。しかし、
未だ品質の問題は完全には解決されておらず、満足すべ
きポリカーボネートを得るには至っていないのが実情で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記状況に鑑み、従来法の欠点を解消し、エステル交換法
において、反応速度を向上させると共に、品質の優れた
ポリカーボネートを効率よく製造することができる方法
を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、PCをエス
テル交換法によって製造するにあたり、触媒として、第
四級アンモニウムの陽イオンとカルボン酸の陰イオンを
有する特定の分子内塩を用いてエステル交換反応を行う
ことによって、上記の課題を解決し得ることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、エステル交換反応によってポ
リカーボネートを製造するにあたり、式(I)
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれ
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリ
ール基を示し、それらは同じでも異なっていてもよい。
4 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜
20のアリーレン基を示す。〕で表される構造を有する
第四級アンモニウムの陽イオンとカルボン酸の陰イオン
を有する分子内塩からなる重合触媒の存在下でエステル
交換反応を行うことを特徴とするポリカーボネートの製
造法を提供するものである。
【0007】先ず、本発明において、エステル交換反応
によってポリカーボネートを製造するにあたり、原料と
しては、特に制限はなく、通常のエステル交換法による
製造に供される各種のものが用いられる。例えば、エス
テル交換反応において、(A)成分としてジヒドロキ
シ化合物及び(B)成分として炭酸ジエステル、
(A)成分としてジヒドロキシ化合物のジエステル及び
(B)成分として炭酸ジエステル、(A)成分として
ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル及び(B)成分と
して炭酸ジエステル、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エ
ステル(自己縮合)、 ジヒドロキシ化合物のモノ炭
酸エステル(自己エステル交換)などが挙げられる。こ
れらの中では、の(A)成分としてジヒドロキシ化合
物及び(B)成分として炭酸ジエステルとが好ましく用
いられる。ここで、エステル交換反応に好ましく用いら
れる(A)成分のジヒドロキシ化合物は、例えば、芳香
族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジヒドロキシ化合物が挙
げられ、これらから選択される少なくとも一種の化合物
である。この(A)成分の一つとして用いられる芳香族
ジヒドロキシ化合物は、一般式(II)
【0008】
【化3】
【0009】〔式中、R5 は、それぞれハロゲン原子
(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素数1〜
8のアルキル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピ
ル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソア
ミル基,ヘキシル基など)であり、このRが複数の場
合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよ
く、mは、0〜4の整数である。そして、Zは、単結
合,炭素数1〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のア
ルキリデン基(例えば、メチレン基,エチレン基,プロ
ピレン基,ブチレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン
基,エチリデン基,イソプロピリデン基など),炭素数
5〜15のシクロアルキレン基又は炭素数5〜15のシ
クロアルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基,シ
クロヘキシレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキ
シリデン基など),又は−S−,−SO−,−SO
2 −,−O−,−CO−結合もしくは一般式(III) ある
いは(III')
【0010】
【化4】
【0011】で表される結合を示す。〕で表される芳香
族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。このような芳香族
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;
1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(通称ビスフェノールA:BPA);2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(2−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1−ビ
ス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン;1,1−
ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;4,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,1−
ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン;1,1−(4−ヒドロキシフェニル)
エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなど
のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(4,−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルなどのビス
(ヒドロキシアリール)エーテル類;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(ヒドロキシ
アリール)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド;ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類;ビス(4ヒドロキシフェ
ニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)スルホン類、4,4’−ジヒドロキシビフェニル;
4,4’−ジヒドロキシ−2、2’−ジメチルビフェニ
ル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルビフ
ェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジシクロ
ヘキシルビフェニル;3、3’−ジフルオロ−4,4’
−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル
類などが挙げられる。
【0012】上記一般式(I)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物としては、ジヒドロキシベンゼン類、ハロゲン
及びアルキル置換ジヒドロキシベンゼン類などがある。
例えば、レゾルシン,3−メチルレゾルシン,3−エチ
ルレゾルシン,3−プロピルレゾルシン,3−ブチルレ
ゾルシン,3−t−ブチルレゾルシン,3−フェニルレ
ゾルシン,3−クミルレゾルシン;2,3,4,6−テ
トラフルオロレゾルシン;2,3,4,6−テトラブロ
モレゾルシン;カテコール,ハイドロキノン,3−メチ
ルハイドロキノン,3−エチルハイドロキノン,3−プ
ロピルハイドロキノン,3−ブチルハイドロキノン,3
−t−ブチルハイドロキノン,3−フェニルハイドロキ
ノン,3−クミルハイドロキノン;2,5−ジクロロハ
イドロキノン;2,3,5,6−テトラメチルハイドロ
キノン;2,3,4,6−テトラ−t−ブチルハイドロ
キノン;2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン;2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノン等が
挙げられる。
【0013】また、(A)成分の一つとして用いられる
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、各種のものがあ
る。例えば、ブタン−1,4−ジオール;2,2−ジメ
チルプロパン−1,3−ジオール;ヘキサン−1,6−
ジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;オクタエチレングリ
コール;ジプロピレングリコ−ル;N,N−メチルジエ
タノールアミン;シクロヘキサン−1,3−ジオール;
シクロヘキサン−1,4−ジオール;1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサン;p−キシリレングリコール;2,
2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパ
ンおよび二価アルコールまたはフェノールのエトキシ化
またはプロポキシ化生成物、例えばビス−オキシエチル
−ビスフェノールA;ビス−オキシエチル−テトラクロ
ロビスフェノールA又はビス−オキシエチル−テトラク
ロロヒドロキノン等が挙げられる。本発明の好ましい製
造法において、(A)成分のジヒドロキシ化合物として
は、上記の化合物を適宜選択して用いるが、これらの中
では、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノール
Aを用いるのが好ましい。
【0014】一方、本発明において、(B)成分として
用いられる炭酸ジエステルは、各種のものがある。例え
ば、炭酸ジアリール化合物,炭酸ジアルキル化合物又は
炭酸アルキルアリール化合物から選択される少なくとも
一種の化合物である。この(B)成分の一つとして用い
られる炭酸ジアリール化合物は、一般式(IV)
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、Ar2はアリール基を示す。〕で表
される化合物又は一般式(V)
【0017】
【化6】
【0018】〔式中、Ar1 は、上記芳香族ジヒドロキ
シ化合物から水酸基を2個除いた残基を示し、Ar2は前
記と同じである。〕で表される化合物である。また、炭
酸ジアルキル化合物は、一般式(VI)
【0019】
【化7】
【0020】〔式中、R6 は炭素原子1〜6個を有する
シルキル基又は炭素原子4〜7個を有するシクロアルキ
ル基を示す。〕で表される化合物又は一般式(VII)
【0021】
【化8】
【0022】〔式中、R6 及びAr1は前記と同じであ
る。〕で表される化合物である。そして、炭酸アルキル
アリール化合物は、一般式(VIII)
【0023】
【化9】
【0024】〔式中、R6 及びAr2は前記と同じであ
る。〕で表される化合物又は一般式(IX)
【0025】
【化10】
【0026】〔式中、R6 ,Ar1及びAr2は前記と同じ
である。〕で表される化合物である。ここで、炭酸ジア
リール化合物としては、例えば、ジフェニルカーボネー
ト,ジトリルカーボネート,ビス(クロロフェニル)カ
ーボネート,m−クレジルカーボネート,ジナフチルカ
ーボネート,ビス(ジフェニル)カーボネート,ビスフ
ェノールAビスフェニルカーボネート等が挙げられる。
また、炭酸ジアルキル化合物としては、例えば、ジエチ
ルカーボネート,ジメチルカーボネート,ジブチルカー
ボネート,ジシクロヘキシルカーボネート,ビスフェノ
ールAビスメチルカーボネート等が挙げられる。そし
て、炭酸アルキルアリール化合物としては、例えば、メ
チルフェニルカーボネート,エチルフェニルカーボネー
ト,ブチルフェニルカーボネート,シクロヘキシルフェ
ニルカーボネート,ビスフェノールAメチルフェニルカ
ーボネート等が挙げられる。本発明において、(B)成
分の炭酸ジエステルとしては、上記の化合物を適宜選択
して用いるが、これらの中では、ジフェニルカーボネー
トを用いるのが好ましい。
【0027】次に、本発明に用いられる前記ジヒドロキ
シ化合物及び前記炭酸ジエステル以外の原料としては、
次のものが挙げられる。すなわち、ジヒドロキシ化合物
のジエステル類としては、例えば、ビスフェノールAの
ジ酢酸エステル,ビスフェノールAのジプロピオン酸エ
ステル,ビスフェノールAのジブチル酸エステル,ビス
フェノールAのジ安息香酸エステル等を挙げることがで
きる。また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル類と
しては、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭酸エ
ステル,ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステル,
ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステル等を挙げ
ることができる。そして、ジヒドロキシ化合物のモノ炭
酸エステル類としては、例えば、ビスフェノールAモノ
メチル炭酸エステル,ビスフェノールAモノエチル炭酸
エステル,ビスフェノールAモノプロピル炭酸エステ
ル,ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステル等を挙
げることができる。
【0028】そして、本発明の製造法では、必要に応じ
て、下記に示す末端停止剤を用いることができる。この
ような末端停止剤の具体例としては、o−n−ブチルフ
ェノール;m−n−ブチルフェノール;p−n−ブチル
フェノール;o−イソブチルフェノール;m−イソブチ
ルフェノール;p−イソブチルフェノール;o−t−ブ
チルフェノール;m−t−ブチルフェノール;p−t−
ブチルフェノール;o−n−ペンチルフェノール;m−
n−ペンチルフェノール;p−n−ペンチルフェノー
ル;o−n−ヘキシルフェノール;m−n−ヘキシルフ
ェノール;p−n−ヘキシルフェノール;o−シクロヘ
キシルフェノール;m−シクロヘキシルフェノール;p
−シクロヘキシルフェノール;o−フェニルフェノー
ル;m−フェニルフェノール;p−フェニルフェノー
ル;o−n−ノニルフェノール;m−n−ノニルフェノ
ール;p−n−ノニルフェノール;o−クミルフェノー
ル;m−クミルフェノール;p−クミルフェノール;o
−ナフチルフェノール;m−ナフチルフェノール;p−
ナフチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル;2,5−ジ−t−ブチルフェノール;2,4−ジ−
t−ブチルフェノール;3,5−ジ−t−ブチルフェノ
ール;2,5−ジクミルフェノール;3,5−ジクミル
フェノール;式
【0029】
【化11】
【0030】で表される化合物やクロマン誘導体とし
て、例えば、式
【0031】
【化12】
【0032】で表される化合物等の一価フェノールが挙
げられる。このようなフェノール類のうち、本発明では
特に限定されないが、p−tert−ブチルフェノール;p
−クミルフェノール;p−フェニルフェノールなどが好
ましい。また、式
【0033】
【化13】
【0034】で表される化合物等が挙げられる。さら
に、本発明では、必要に応じて、フロログルシン;トリ
メリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス
(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス(o
−クレゾール)等を分岐剤として用いることもできる。
【0035】本発明の製造法では、エステル交換反応の
際に、重合触媒として、式(I)
【0036】
【化14】
【0037】で表される構造を有する分子内塩を用いる
ことが必要である。ここで、上記式(I)において、R
1 ,R2 及びR3 は、それぞれ炭素数1〜20のアルキ
ル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,tert−ブチル基,アミル基,
イソアミル基,tert−アミル基,ヘキシル基,オクチル
基,tert−オクチル基,ノニル基など)、炭素数6〜2
0のアリール基(例えば、フェニル基,ナフチル基な
ど)を示す。これらR1 ,R2及びR3 は、それぞれ同
じでも異なっていてもよい。また、R4 は炭素数1〜2
0のアルキレン基(例えば、メチレン基,エチレン基,
トリメチレン基,テトラメチレン基,フロピレン基,ブ
チレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン基など)又は炭
素数6〜20のアリーレン基(例えば、フェニレン基,
ナフタレン基,フェナントレン基等又はアルキレン基と
アリーレン基がつながったものなど)を示す。
【0038】前記の式(I)で表される構造を有する分
子内塩は、分子内に第四級アンモニウムの陽イオンとカ
ルボン酸の陰イオンの双性イオンを持つことを特徴とす
る化合物である。前記の式(I)で表される構造を有す
る分子内塩としては、各種のものがあり、例えば、グリ
シンベタイン,α−アラニンベタイン,β−アラニンベ
タイン,α−ブチロベタイン,β−ブチロベタイン,γ
−ブチロベタイン等が挙げられる。これらの中では、グ
リシンベタインが好ましく用いられる。そして、上記重
合触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、目的によって
は、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発
明において、重合触媒としては、上記触媒の水和物を用
いてもよい。これらの重合触媒は、エステル交換反応に
あたっては、固体あるいは水溶液として反応系に添加さ
れ、これらの重合触媒の存在下でエステル交換反応を行
う。なお、上記重合触媒は、目的に応じて、通常用いら
れているエステル交換触媒と併用してもよい。ここで、
通常用いられているエステル交換触媒とては、例えば、
アルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチウム,水酸化
ナトリウム,水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属
化合物、アミン類,四級アンモニウム塩類等の含窒素塩
基性化合物あるいは硼素化合物等が挙げられる。併用す
る場合、これらの中では、特に、含窒素塩基性化合物
が、塩基性を示し、反応系中に比較的残留しない特徴を
有するので好ましく用いられる。
【0039】重合触媒を併用する場合、好ましく用いら
れる前記含窒素塩基性化合物としては、例えば、トリメ
チルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,
トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシル
アミン,ジメチルベンジルアミン等の脂肪族第3級アミ
ン化合物、トエフェニルアミン等の芳香族第3級アミン
化合物が挙げられる。また、N,N−ジメチル−4−ア
ミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロ
リジノピリジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリ
ジン,2−ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジ
ン,2−メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,イ
ミダゾール,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミ
ダゾール,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メト
キシイミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミ
ノキノリン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)等
の含窒素複素環化合物が挙げられる。さらに、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド(Me4 NOH),テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4 NOH),
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4 NO
H),トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド
〔C6 5 CH2(Me)3NOH〕等のアルキル基,アリ
ール基,アルアリール基などを有するアンモニウムヒド
ロキシド類が挙げられる。その他、テトラメチルアンモ
ニウムボロハイドライド(Me4 NBH4),テトラブチ
ルアンモニウムボロハイドライド(Bu4 NBH4),テ
トラブチルアンモニウムフェニルボレート(Bu4 NB
Ph4),テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレ
ート(Me4 NBPh4)等の塩基性塩が挙げられる。こ
れらの含窒素塩基性化合物の中では、トリヘキシルアミ
ン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシド,テトラブ
チルアンモニウムヒドロキシド,ジメチルアミノピリジ
ンが好ましく用いられる。また、硼素化合物としては、
例えば、硼酸,硼酸トリメチル,硼酸トリエチル,硼酸
トリブチル,硼酸トリヘプチル,硼酸トリフェニル,硼
酸トリナフチル等が挙げられる。
【0040】前記触媒の添加量としては、原料である
(A)成分のジヒドロキシ化合物に対して、通常、10
-1〜10-8モル/モル、好ましくは10-2〜10-7モル
/モルである。この触媒の添加量が10-8モル/モル未
満では、触媒効果が発現されない恐れがある。また、1
-1モル/モルを超えると、最終製品であるポリカーボ
ネートの物性、特に、耐熱性, 耐加水分解性の低下を招
く恐れがあり、また、コストアップに繋がり、これを超
えてまで添加することはない。
【0041】本発明の製造法では、通常のエステル交換
法によるポリカーボネートの製造に供される原料が用い
られるが、好ましくは、(A)成分のジヒドロキシ化合
物及び(B)成分の炭酸ジエステルと、その他末端停止
剤あるいは分岐剤等を用いてエステル交換反応を行い、
品質の優れたポリカーボネートを得ることができる。具
体的には、公知のエステル交換法に準じて反応を進行さ
せればよい。以下に、本発明の好ましい製造法の手順及
び条件を具体的に示す。先ず、(A)成分のジヒドロキ
シ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとを、ジヒドロ
キシ化合物に対して炭酸ジエステルを1〜1.5倍モルに
なるような比率でエステル交換反応する。なお、状況に
応じて、炭酸ジエステルの量は、ジヒドロキシ化合物に
対して多少過剰とする程度の1.02〜1.20倍モルが好
ましい。上記のエステル交換反応にあたって、前記の一
価フェノール等からなる末端停止剤の存在量が、(A)
成分であるジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05
モル%〜10モル%の範囲にあると、得られるポリカー
ボネートの水酸基末端が封止されるため、耐熱性及び耐
水性に充分優れたポリカーボネートが得られる。このよ
うな前記の一価フェノール等からなる末端停止剤は、予
め反応系に全量添加しておいてもよい。また、予め反応
系に一部添加しておき、反応の進行に伴って残部を添加
してもよい。さらに、場合によっては、前記(A)のジ
ヒドロキシ化合物と(B)の炭酸ジエステルとのエステ
ル交換反応が一部進行した後に、反応系に全量添加して
もよい。
【0042】本発明の製造法に従ってエステル交換反応
を行うにあたっては、反応温度は、特に限定されない
が、通常100℃〜300℃の範囲であり、好ましくは
130℃〜280℃の温度範囲である。このエステル交
換反応の温度が、100℃未満では、反応速度が遅くな
り、一方、300℃を超えると、副反応が生じたり、あ
るいは生成するポリカーボネートが着色するなどの問題
が発生し好ましくない場合がある。また、反応圧力は、
使用するモノマーの蒸気圧や反応温度に応じて設定され
る。これは、反応が効率良く行われるように設定されれ
ばよく、限定されるものではない。通常、反応初期にお
いては、1〜50atm (760〜38,000torr)まで
の大気圧(常圧)ないし加圧状態にしておき、反応後期
においては、減圧状態、好ましくは最終的には0.01〜
100torrにする場合が多い。さらに、反応時間は、目
標の分子量となるまで行えばよく、通常、0.2〜10時
間程度である。
【0043】そして、上記のエステル交換反応は、不活
性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得られ
るPCの1〜150重量%の不活性溶剤の存在下におい
て行ってもよい。ここで、不活性溶剤としては、例え
ば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジフェニルエーテ
ル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエーテル,ジクロロ
ベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族化合物、二酸化
炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、クロロフロロ炭
化水素、エタン,プロパン等のアルカン、シクロヘキサ
ン,トリシクロ(5.2.10)デカン,シクロオクタ
ン,シクロデカン等のシクロアルカン、エテン,プロペ
ンのようなアルケン等各種のものが挙げられる。
【0044】なお、本発明では、必要に応じて、酸化防
止剤を使用することができる。例えば、リン系酸化防止
剤としては、具体的には、トリ(ノニルフェニル)ホス
ファイト,2−エチルヘキシジフェニルホスファイトの
他、トリメチルホスファイト,トリエチルホスファイ
ト,トリブチルホスファイト,トリオクチルホスファイ
ト,トリノニルホスファイト,トリデシルホスファイ
ト,トリオクタデシルホスファイト,ジステアリルペン
タエリスチルジホスファイト,トリス(2−クロロエチ
ル)ホスファイト,トリス(2,3−ジクロロプロピ
ル)ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト;ト
リシクロヘキシルホスファイトなどのトリシクロアルキ
ルホスファイト;トリフェニルホスファイト,トリクレ
ジルホスファイト,トリス(エチルフェニル)ホスファ
イト,トリス(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシ
フェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイ
ト;トリメチルホスフェート,トリエチルホスフェー
ト,トリブチルホスフェート,トリオクチルホスフェー
ト,トリデシルホスフェート,トリオクタデシルホスフ
ェート,ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェー
ト,トリス(2−クロロエチル)ホスフェート,トリス
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリ
アルキルホスフェート;トリシクロヘキシルホスフェー
トなどのトリシクロアルキルホスフェート;トリフェニ
ルホスフェート,トリクレジルホスフェート,トリス
(ノニルフェニル)ホスフェート,2−エチルフェニル
ジフェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェー
トなどが挙げられる。
【0045】本発明においては、反応が進行するととも
に、使用した炭酸ジエステルに対応するフェノール類,
アルコール類,又はそれらのエステル類及び不活性溶剤
が反応器より脱離してゆく。これら脱離物は、分離、精
製しリサイクル使用も可能であり、これらを除去する設
備があれば好ましい。そして、本発明は、バッチ式また
は連続的に行うことができ、かつ任意の装置を使用する
ことができる。なお、連続式で製造する場合には、少な
くとも二基以上の反応器を使用し、上記の反応条件を設
定するのが好ましい。本発明で用いられる反応器は、そ
の材質や構造は、特に制限はされないが、通常の攪拌機
能を有していればよい。ただし、反応後段においては粘
度が上昇するので高粘度型の攪拌機能を有するものが好
ましい。さらに、反応器の形状は槽型のみならず、押出
機型のリアクター等でもよい。
【0046】以上のようにして得られたPCは、そのま
ま造粒しても良く、また、押出機等を用いて成形するこ
ともできる。また、本発明によって得られるPCは、可
塑剤,顔料,潤滑剤,離型剤,安定剤,無機充填剤など
のような周知の添加剤を配合して使用することができ
る。さらに、得られるPCは、ポリオレフィン,ポリス
チレン,ポリエステル,ポリスルホネート,ポリアミ
ド,ポリフェニレンオキシド等の重合体とブレンドする
ことが可能である。特に、OH基,COOH基,NH2
基などを末端に有するポリフェニレンエーテル,ポリエ
ーテルニトリル,末端変性ポリシロキサン化合物,変性
ポリプロピレン,変性ポリスチレン等と併用すると効果
的である。
【0047】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、詳
しく説明する。なお、本発明は下記の実施例により限定
されるものではない。 実施例1 内容積1.4リットルの鋼製のオートクレーブ(攪拌機付
き)に、ビスフェノールA(BPA)228g(1.00
モル)とジフェニルカーボネート225g(1.05モ
ル)を投入した。ここに、触媒として、グリシンベタイ
ン11.7mg(1×10-4モル)を添加した。その後、
窒素置換を5回行い、180℃まで加熱しBPAとジフ
ェニルカーボネートを溶融させた。次いで、温度を22
0℃とし、同時に攪拌を開始し、窒素を微量に流通させ
ると、生成したフェノールが留去し始めた。反応温度を
220℃のまま1時間保った。その後、温度を240℃
にし、次第に真空度を10mmHgまで上げて1時間反
応させた。更に、温度を270℃、真空度を1mmHg
にし1時間反応させた。最後に、オートクレーブ内に、
粘稠で無色透明な反応生成物(縮合物)が残った。
【0048】実施例2 実施例1において、グリシンベタインに代えてγ−ブチ
ロベタイン14.5mg(1×10-4モル)を用いたこと
以外は、実施例1と同様に実施した。 実施例3 実施例1において、グリシンベタインと併用してテトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド0.912mg(1×1
-5モル)を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施
した。
【0049】比較例1 実施例1において、グリシンベタインを用いなかったこ
と以外は、実施例1と同様に実施した。 比較例2 実施例1において、グリシンベタインに代えて水酸化リ
チウム2.40mg(1×10-4モル)を用いたこと以外
は、実施例1と同様に実施した。
【0050】実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた
各縮合物については、熱分析測定〔DSC:昇温速度2
0℃/分〕によりガラス転移点(Tg,℃)を測定し
た。また、塩化メチレンを溶媒とする0.2g/dlの溶
液の20℃における還元粘度を測定し、これより算出さ
れる粘度平均分子量を求めた。さらに、縮合物を粉砕
し、プレス成形機によりプレート(厚さ3mm)を成形
し、121℃のスチームに48時間曝露させ、耐加水分
解性を目視により測定した。その結果を第1表に示す。
なお、上記の粘度平均分子量は、下記の式を用いて算出
した。 〔η〕=1.23×10-4Mv0.83
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上、本発明によれば、エステル交換反
応を行うにあたり、重合触媒として、第四級アンモニウ
ムの陽イオンとカルボン酸の陰イオンの双性イオンを持
った分子内塩を用いることによって、品質の優れたポリ
カーボネートを効率よく製造することができる。したが
って、本発明は、エステル交換法でポリカーボネートを
工業的に有利に製造する方法として有効かつ幅広く利用
することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】で表される構造を有する分子内塩を用いる
ことが必要である。ここで、上記式(I)において、R
1 ,R2 及びR3 は、それぞれ炭素数1〜20のアルキ
ル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,tert−ブチル基,アミル基,
イソアミル基,tert−アミル基,ヘキシル基,オクチル
基,tert−オクチル基,ノニル基など)、炭素数6〜2
0のアリール基(例えば、フェニル基,ナフチル基な
ど)を示す。これらR1 ,R2及びR3 は、それぞれ同
じでも異なっていてもよい。また、R4 は炭素数1〜2
0のアルキレン基(例えば、メチレン基,エチレン基,
トリメチレン基,テトラメチレン基,ロピレン基,ブ
チレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン基など)又は炭
素数6〜20のアリーレン基(例えば、フェニレン基,
ナフタレン基,フェナントレン基等又はアルキレン基と
アリーレン基がつながったものなど)を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル交換反応によってポリカーボネ
    ートを製造するにあたり、式(I) 【化1】 〔式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれ炭素数1〜2
    0のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示
    し、それらは同じでも異なっていてもよい。R4 は、炭
    素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜20のアリ
    ーレン基を示す。〕で表される構造を有する第四級アン
    モニウムの陽イオンとカルボン酸の陰イオンを有する分
    子内塩からなる重合触媒の存在下でエステル交換反応を
    行うことを特徴とするポリカーボネートの製造法。
  2. 【請求項2】 エステル交換反応の原料が、(A)ジヒ
    ドロキシ化合物及び(B)炭酸ジエステルであることを
    特徴とする請求項1記載のポリカーボネートの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008248262A (ja) * 1995-10-23 2008-10-16 Bayer Ag ポリ(ジオルガノシロキサン)/ポリカーボネートブロツクコポリマーの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008248262A (ja) * 1995-10-23 2008-10-16 Bayer Ag ポリ(ジオルガノシロキサン)/ポリカーボネートブロツクコポリマーの製造方法

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