JP3401732B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JP3401732B2
JP3401732B2 JP03569194A JP3569194A JP3401732B2 JP 3401732 B2 JP3401732 B2 JP 3401732B2 JP 03569194 A JP03569194 A JP 03569194A JP 3569194 A JP3569194 A JP 3569194A JP 3401732 B2 JP3401732 B2 JP 3401732B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネートの製造
方法に関し、詳しくは、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
ステルからエステル交換反応によりポリカーボネートを
製造する方法において、モノマーの高温劣化に起因する
ポリマーの着色を低減することのできるポリカーボネー
トの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリカーボネート(以下、PC
と記すことがある。)の製造方法としては、ビスフェノ
ールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを
直接反応させる方法(界面重縮合法)、あるいはビスフ
ェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニ
ルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態でエ
ステル交換反応させる溶融エステル交換法が知られてい
る。これらの方法のうち、界面重縮合法は、有毒なホ
スゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水
素や塩化ナトリウムなどの含塩素化合物によって製造装
置が腐蝕すること、樹脂中に混入する水酸化ナトリウ
ムなどポリマーの物性に悪影響を及ぼす不純物の分離が
困難なこと、などの諸問題を有している。一方、溶融エ
ステル交換法は、界面重縮合法と比較して、安価にPC
を製造することができる利点を有しているものの、通
常、270〜300℃の高温下で長時間反応させるた
め、樹脂の着色という問題が避けられない。特にエステ
ル交換反応の初期段階においては熱劣化を受けやすいモ
ノマーが多量に存在するため、着色の大きな要因となっ
ている。このような溶融エステル交換法において、着色
を低減させるために、種々の改良技術が提案されてい
る。例えば、特公昭61−39972号公報,特開昭6
3−223036号公報等には、特定の触媒を使用する
方法が開示されている。また、特開昭61−15123
6号公報,特開昭62−158719号公報等には、反
応後期に酸化防止剤を添加する方法が開示されている。
そして、特開昭61−62522号公報及び特開平2−
153925号公報には、それぞれ反応後期に2軸ベン
ト式混練押出機、横型攪拌重合槽を使用するなどプロセ
ス的な改良技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、未だ前記樹脂
の着色の問題は完全には解決されておらず、また着色を
改善するために、各種の添加剤が使用されているが、こ
れにより耐加水分解性を悪化させてしまう等、満足すべ
き品質のPCを得るには至っていないのが実状である。
従って、本発明の目的は、溶融エステル交換法による、
品質の優れたポリカーボネートを製造する方法を提供す
ることであって、特にエステル交換反応の初期段階での
モノマーの熱劣化による着色を防止し、最終製品の色相
向上を可能とするポリカーボネートの製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記状況
に鑑み、着色が少なく品質の優れたPCを効率よく製造
することができるポリカーボネートの製造方法を開発す
べく鋭意検討を重ねた結果、エステル交換反応の初期段
階に、特定の加熱伝面を有する反応器を用いて迅速に反
応処理を行うことにより、上記本発明の目的を達成する
ことができることを見出した。即ち、本発明は、(1)
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルから、エステル交
換法によりポリカーボネートを製造する方法であって、
有効加熱伝面A(m2)/有効反応器容積V(m3)の値が
10(m2 /m3)以上である反応器を用いて、反応率が
50〜99%となるまで反応させて低分子量のポリカー
ボネートを製造する第一工程、及び上記低分子量のポリ
カーボネートを粘度平均分子量が15000〜4500
0となるまで反応させる第二工程からなることを特徴と
するポリカーボネートの製造方法、(2)第一工程で用
いられる反応器が横型反応器であることを特徴とする上
記(1)記載のポリカーボネートの製造方法、(3)第
一工程で製造される低分子量のポリカーボネートが20
00〜20000の粘度平均分子量を有することを特徴
とする上記(1)記載のポリカーボネートの製造方法、
(4)第一工程が複数の工程からなることを特徴とする
上記(1)記載のポリカーボネートの製造方法、(5)
第一工程の反応時間が60分以下であることを特徴とす
る上記(1)記載のポリカーボネートの製造方法、
(6)第二工程で用いられる反応器が横型反応器である
ことを特徴とする上記(1)記載のポリカーボネートの
製造方法、及び(7)横型反応器が横型の攪拌機付き反
応器であることを特徴とする上記(2)又は上記(6)
記載のポリカーボネートの製造方法、を提供するもので
ある。
【0005】以下に、本発明を更に詳細に説明する。本
発明のポリカーボネートの製造方法においては、ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルからエステル交換法によ
りポリカーボネートを製造する際に、反応を効率よく行
うために第一工程及び第二工程、またはそれ以上の工程
に分けて反応を進行させる。添付図1は本発明のポリカ
ーボネートの製造方法の好ましい一実施態様を示す概略
工程図である。図1によれば、本発明の製造方法は、主
として、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステ
ル交換反応させ、反応率が50〜80%となるまで反応
させて低分子量のポリカーボネートを製造する反応器1
Aからなる第一工程、上記低分子量のポリカーボネート
を粘度平均分子量が15000〜45000となるまで
反応させる反応器1B及び1Cからなる第二工程、及び
必要に応じて、ペレタイズ前に各種添加剤等の添加や、
他のポリマーとのブレンドを行う混練機1Dからなる最
終工程からなるものである。
【0006】本発明の製造方法における第一工程は、有
効加熱伝面A(m2)/有効反応器容積V(m3)の値が1
0(m2 /m3)以上、好ましくは10〜200(m2
3)である反応器を用いて、反応率が50〜99%とな
るまで反応させて低分子量のポリカーボネートを製造す
る工程である。すなわち、上記反応器のA/Vが10未
満の場合は初期反応で留出するフェノールを反応温度の
低下なしに迅速に留去することができない。従って、必
要以上にモノマーが高温下に曝される時間が長くなり、
得られるポリマーの色相が悪化する。上記第一工程に使
用しうる反応器としては有効加熱伝面を効率よくとるこ
とができ、容積効率の点から、好ましくは横型反応器で
あり、特に横型の攪拌機付きのものが好ましい。本発明
で使用しうる反応器の具体例を図2に示す。すなわち、
図2(A)は本発明において好ましく用いられる横型多
板式反応器を示し、図2(B)は縦型槽に加熱コイル4
を設けて、実質的にA/V値を上げた反応器の例を示
し、また図2(C)は外部熱交換器5を設けて反応混合
物を循環ポンプ6で循環させることにより、A/Vを上
げた反応器の例を示す。このような反応器の好適なもの
としては、例えば、パドルドライヤー((株)奈良機械
製)、トーラスディスク,ミクロンサーモプロセッサー
(以上、ホソカワミクロン(株)製)、コントロ,メガ
ネ翼・格子翼式横型二軸重合器(以上、(株)日立製作
所製)等が挙げられる。
【0007】第一反応工程においては、100〜280
℃、好ましくは160〜240℃で原料を融解し、初期
のエステル交換反応を行うことができる。第一反応工程
における反応条件は、使用する触媒や加熱温度によって
適宜最適な条件が選択されるが、反応温度としては10
0〜280℃、反応圧力としては5kg/cm2-G〜5
0torrとすることができる。また、ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルは、モル比で1.0〜1.5(モル/
モル)、好ましくは1.01〜1.2(モル/モル)の範囲
の量で用いることができる。上記モル比が1.0未満であ
れば、未反応のジヒドロキシ化合物が残留し易く、劣化
による色相悪化の要因となりやすい。第一工程の全反応
時間は、上記反応温度,反応圧力等によっても異なるが
60分以下、更には50分以下が好ましい。反応時間が
60分を越える場合は、反応の進行度にもよるが本発明
のモノマー劣化抑制の効果が低下する。上記反応は、必
要に応じてシールを目的として、また副生するフェノー
ル類を留去する目的で窒素等の不活性ガスの存在下で行
ってもよい。副生するフェノール類は、反応の進行度及
び温度によっても異なるが、減圧下または常圧下で除去
することができる。
【0008】本発明における第一工程では、反応率で5
0〜99%となるまで反応せしめる。反応率が50%未
満では後工程の反応器等に熱負荷がかかり、特別な装置
を使用しなければならなくなる。更には、未反応モノマ
ーを後工程の高温下に曝すこととなり、本発明の効果が
低減する。また、99%を越える場合は、第一工程で反
応が進行し分子量が増大することにより粘度が高くなる
ため、別の形式の反応器を必要とすることとなり好まし
くない。また、特に連続的処理を行う場合は、第一工程
で反応がほとんど終了することとなり、効率的でない。
上記の点からも、第一工程で調製されるポリマーは反応
率で90〜99%、粘度平均分子量で2000〜200
00程度であることが好ましい。
【0009】上記第一工程は必要に応じて更に二以上の
複数の工程に分割することもできる。実際に反応を進行
させるには、段階的に真空度を上げることが有効であり
好ましい。また、本発明の第一工程においては、バッチ
式及び連続式のいずれも使用することができ、その組み
合わせも自由である。
【0010】本発明の製造方法における第二工程は、上
記第一工程で調製された低分子量のポリカーボネートを
粘度平均分子量が15000〜45000となるまで反
応させる工程である。第二工程では、ポリマーの分子量
が上がり、粘度が高くなっているため、一般に高粘度型
反応器が好ましく用いられ、更にはデッド部(死容積)
を減少させ、最終の副生成物を効率的に除去するため、
薄膜を形成し易い二軸の横型反応器、特に横型の攪拌機
付きのものが好ましく用いられる。また、セルフクリー
ニング性を有するものは、品質向上のため、効果的であ
る。
【0011】上記第二工程に使用しうる好適な反応器と
しては、例えばSCR型またはNSCR型リアクター
(三菱重工業(株)製)、メガネ翼・格子翼型リアクタ
ー((株)日立製作所製)、KRCニーダー,SCプロ
セッサー(以上、(株)栗本鉄工所製)、BIVOLA
K(住友重機械工業(株)製)、TEX((株)日本製
鋼所製)等が挙げられる。第二工程においては、留去す
る副生成物が多くないので、前記第一工程におけるよう
なA/V値を有する装置を用いる必要がなく、高粘度の
溶融物を十分に攪拌できるものものであれば使用可能で
ある。また、第二工程においては、第一工程で調製され
た低分子量のポリカーボネートを粘度平均分子量が15
000〜45000となるまで反応させる。反応温度は
200〜350℃とし、反応圧力は0.1〜500tor
rとすることが好ましい。反応圧力が500torrを
越える場合は反応が十分に進行せず、0.1torr未満
の場合ではその真空度を達成するために多大な設備を必
要としコストがかかり好ましくない。本工程において
は、反応系の粘度を下げたり、効率的に反応を進行させ
るため、少量の不活性溶媒を添加することも可能であ
る。また、第二工程の効率化のために二段以上の反応器
を用いることもできる。
【0012】上記第一工程及び第二工程を経て得られた
ポリマーはそのままペレタイズして製品とすることもで
きるが、必要に応じ酸化防止剤,着色剤,可塑剤,潤滑
剤,無機充填剤,耐侯剤,離型剤等を最終工程において
添加してもよい。得られたPCは、ポリオレフィン,ポ
リスチレン等とブレンドすることが可能であり、特にO
H基,COOH基,NH2 基等を末端に有するポリフェ
ニレンエーテル,ポリエーテルニトリル,末端変性ポリ
シロキサン化合物,変性ポリプロピレン,変性ポリスチ
レン等を併用しブレンドすると物性の改良に効果的であ
る。
【0013】本発明において、エステル交換反応によっ
てポリカーボネートを製造するにあたり、原料として
は、特に制限はなく、通常のエステル交換法による製造
に供される各種のものが用いられる。例えば、エステル
交換反応において、ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエ
ステル、ジヒドロキシ化合物のジエステル及び炭酸ジ
エステル、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル及び
炭酸ジエステル、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステ
ル(自己縮合)、 ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸エ
ステル(自己エステル交換)などが挙げられる。これら
の中では、のジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステル
とが好ましく用いられる。本発明において、エステル交
換反応に用いられるジヒドロキシ化合物は、例えば、芳
香族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジヒドロキシ化合物が
挙げられ、これらから選択される少なくとも一種の化合
物である。この芳香族ジヒドロキシ化合物は、一般式
(I)
【0014】
【化1】
【0015】〔式中、R1 は、それぞれハロゲン原子
(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素数1〜
8のアルキル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピ
ル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソア
ミル基,ヘキシル基など)であり、このR1 が複数の場
合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよ
く、mは0〜4の整数である。そして、Zは、単結合,
炭素数1〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のアルキ
リデン基(例えば、メチレン基,エチレン基,プロピレ
ン基,ブチレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン基,エ
チリデン基,イソプロピリデン基など),炭素数5〜1
5のシクロアルキレン基又は炭素数5〜15のシクロア
ルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基,シクロヘ
キシレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデ
ン基など),又は−S−,−SO−,−SO2 −,−O
−,−CO−結合もしくは一般式(II) あるいは(III)
【0016】
【化2】
【0017】で表される結合を示す。〕で表される芳香
族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。このような芳香族
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン;1,1−ビス(2−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;
1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(通称ビスフェノールA:BPA);2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(2−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;1,1−ビス(2−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1−ビ
ス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン;1,1−
ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;4,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,1−
ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン;1,1−(4−ヒドロキシフェニル)
エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなど
のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(4,−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルなどのビス
(ヒドロキシアリール)エーテル類;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(ヒドロキシ
アリール)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド;ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス(ヒドロキ
シアリール)スルホキシド類;ビス(4ヒドロキシフェ
ニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)スルホン類、4,4’−ジヒドロキシビフェニル;
4,4’−ジヒドロキシ−2、2’−ジメチルビフェニ
ル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルビフ
ェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジシクロ
ヘキシルビフェニル;3、3’−ジフルオロ−4,4’
−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル
類などが挙げられる。
【0018】上記一般式(I)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物としては、ジヒドロキシベンゼン類、ハロゲン
及びアルキル置換ジヒドロキシベンゼン類などがある。
例えば、レゾルシン,3−メチルレゾルシン,3−エチ
ルレゾルシン,3−プロピルレゾルシン,3−ブチルレ
ゾルシン,3−t−ブチルレゾルシン,3−フェニルレ
ゾルシン,3−クミルレゾルシン;2,3,4,6−テ
トラフルオロレゾルシン;2,3,4,6−テトラブロ
モレゾルシン;カテコール,ハイドロキノン,3−メチ
ルハイドロキノン,3−エチルハイドロキノン,3−プ
ロピルハイドロキノン,3−ブチルハイドロキノン,3
−t−ブチルハイドロキノン,3−フェニルハイドロキ
ノン,3−クミルハイドロキノン;2,5−ジクロロハ
イドロキノン;2,3,5,6−テトラメチルハイドロ
キノン;2,3,4,6−テトラ−t−ブチルハイドロ
キノン;2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン;2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノン等が
挙げられる。
【0019】また、用いられる脂肪族ジヒドロキシ化合
物としては、各種のものがある。例えば、ブタン−1,
4−ジオール;2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジ
オール;ヘキサン−1,6−ジオール;ジエチレングリ
コール;トリエチレングリコール;テトラエチレングリ
コール;オクタエチレングリコール;ジプロピレングリ
コ−ル;N,N−メチルジエタノールアミン;シクロヘ
キサン−1,3−ジオール;シクロヘキサン−1,4−
ジオール;1,4−ジメチロールシクロヘキサン;p−
キシリレングリコール;2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シシクロヘキシル)−プロパンおよび二価アルコールま
たはフェノールのエトキシ化またはプロポキシ化生成
物、例えばビス−オキシエチル−ビスフェノールA;ビ
ス−オキシエチル−テトラクロロビスフェノールA又は
ビス−オキシエチル−テトラクロロヒドロキノン等が挙
げられる。本発明においては、ジヒドロキシ化合物とし
て、上記の化合物を適宜選択して用いるが、これらの中
では、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノール
Aを用いるのが好ましい。
【0020】また、本発明において用いられる炭酸ジエ
ステルとしては、各種のものがある。例えば、炭酸ジア
リール化合物,炭酸ジアルキル化合物又は炭酸アルキル
アリール化合物から選択される少なくとも一種の化合物
である。この炭酸ジアリール化合物は、一般式(IV)
【0021】
【化3】
【0022】〔式中、Ar2はアリール基を示す。〕で表
される化合物又は一般式(V)
【0023】
【化4】
【0024】〔式中、Ar1 は、上記芳香族ジヒドロキ
シ化合物から水酸基を2個除いた残基を示し、Ar2は前
記と同じである。〕で表される化合物である。また、炭
酸ジアルキル化合物は、一般式(VI)
【0025】
【化5】
【0026】〔式中、R2 は炭素原子1〜6個を有する
アルキル基又は炭素原子4〜7個を有するシクロアルキ
ル基を示す。〕で表される化合物又は一般式(VII)
【0027】
【化6】
【0028】〔式中、R2 及びAr1は前記と同じであ
る。〕で表される化合物である。そして、炭酸アルキル
アリール化合物は、一般式(VIII)
【0029】
【化7】
【0030】〔式中、R2 及びAr2は前記と同じであ
る。〕で表される化合物又は一般式(IX)
【0031】
【化8】
【0032】〔式中、R2 ,Ar1及びAr2は前記と同じ
である。〕で表される化合物である。ここで、炭酸ジア
リール化合物としては、例えば、ジフェニルカーボネー
ト,ジトリルカーボネート,ビス(クロロフェニル)カ
ーボネート,m−クレジルカーボネート,ジナフチルカ
ーボネート,ビス(ジフェニル)カーボネート,ビスフ
ェノールAビスフェニルカーボネート等が挙げられる。
また、炭酸ジアルキル化合物としては、例えば、ジエチ
ルカーボネート,ジメチルカーボネート,ジブチルカー
ボネート,ジシクロヘキシルカーボネート,ビスフェノ
ールAビスメチルカーボネート等が挙げられる。そし
て、炭酸アルキルアリール化合物としては、例えば、メ
チルフェニルカーボネート,エチルフェニルカーボネー
ト,ブチルフェニルカーボネート,シクロヘキシルフェ
ニルカーボネート,ビスフェノールAメチルフェニルカ
ーボネート等が挙げられる。本発明において、炭酸ジエ
ステルとしては、上記の化合物を適宜選択して用いる
が、これらの中では、ジフェニルカーボネートを用いる
のが好ましい。
【0033】次に、本発明に用いられる、前記ジヒドロ
キシ化合物及び前記炭酸ジエステル以外の原料として
は、次のものが挙げられる。すなわち、ジヒドロキシ化
合物のジエステル類としては、例えば、ビスフェノール
Aのジ酢酸エステル,ビスフェノールAのジプロピオン
酸エステル,ビスフェノールAのジブチル酸エステル,
ビスフェノールAのジ安息香酸エステル等を挙げること
ができる。また、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル
類としては、例えば、ビスフェノールAのビスメチル炭
酸エステル,ビスフェノールAのビスエチル炭酸エステ
ル,ビスフェノールAのビスフェニル炭酸エステル等を
挙げることができる。そして、ジヒドロキシ化合物のモ
ノ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノールA
モノメチル炭酸エステル,ビスフェノールAモノエチル
炭酸エステル,ビスフェノールAモノプロピル炭酸エス
テル,ビスフェノールAモノフェニル炭酸エステル等を
挙げることができる。
【0034】本発明の製造方法では、必要に応じて、下
記に示す末端停止剤を用いることができる。このような
末端停止剤の具体例としては、o−n−ブチルフェノー
ル;m−n−ブチルフェノール;p−n−ブチルフェノ
ール;o−イソブチルフェノール;m−イソブチルフェ
ノール;p−イソブチルフェノール;o−t−ブチルフ
ェノール;m−t−ブチルフェノール;p−t−ブチル
フェノール;o−n−ペンチルフェノール;m−n−ペ
ンチルフェノール;p−n−ペンチルフェノール;o−
n−ヘキシルフェノール;m−n−ヘキシルフェノー
ル;p−n−ヘキシルフェノール;o−シクロヘキシル
フェノール;m−シクロヘキシルフェノール;p−シク
ロヘキシルフェノール;o−フェニルフェノール;m−
フェニルフェノール;p−フェニルフェノール;o−n
−ノニルフェノール;m−n−ノニルフェノール;p−
n−ノニルフェノール;o−クミルフェノール;m−ク
ミルフェノール;p−クミルフェノール;o−ナフチル
フェノール;m−ナフチルフェノール;p−ナフチルフ
ェノール;2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,5
−ジ−t−ブチルフェノール;2,4−ジ−t−ブチル
フェノール;3,5−ジ−t−ブチルフェノール;2,
5−ジクミルフェノール;3,5−ジクミルフェノー
ル;式
【0035】
【化9】
【0036】で表される化合物やクロマン誘導体とし
て、例えば、式
【0037】
【化10】
【0038】で表される化合物等の一価フェノールが挙
げられる。このようなフェノール類のうち、p−tert−
ブチルフェノール;p−クミルフェノール;p−フェニ
ルフェノールが好ましい。また、式
【0039】
【化11】
【0040】で表される化合物等が挙げられる。さら
に、本発明では、必要に応じて、フロログルシン;トリ
メリット酸;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス
(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン;イサチンビス(o
−クレゾール)等を分岐剤として用いることもできる。
本発明の製造方法においては、必要に応じ重合触媒の存
在下でエステル交換反応を行う。ここで用いられるエス
テル交換触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物
(例えば、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化
カリウムなど)、アルカリ土類金属化合物、アミン類,
四級アンモニウム塩類等の含窒素塩基性化合物あるいは
硼素化合物等が挙げられる。これらの中では、特に、含
窒素塩基性化合物が、塩基性を示し、反応系中に比較的
残留しない特徴を有するので好ましく用いられる。
【0041】重合触媒として好ましく用いられる前記含
窒素塩基性化合物としては、例えば、トリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,トリブチ
ルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシルアミン,
ジメチルベンジルアミン等の脂肪族第3級アミン化合
物、トエフェニルアミン等の芳香族第3級アミン化合物
が挙げられる。また、N,N−ジメチル−4−アミノピ
リジン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロリジノ
ピリジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリジン,
2−ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジン,2
−メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,イミダゾ
ール,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミダゾー
ル,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メトキシイ
ミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミノキノ
リン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)等の含窒
素複素環化合物が挙げられる。さらに、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド(Me4 NOH),テトラエチ
ルアンモニウムヒドロキシド(Et4 NOH),テトラ
ブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4 NOH),ト
リメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド〔C6 5
CH2(Me)3NOH〕等のアルキル基,アリール基,ア
ルアリール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類
が挙げられる。
【0042】その他、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド(Me4 NBH4),テトラブチルアンモニウ
ムボロハイドライド(Bu4 NBH4),テトラブチルア
ンモニウムフェニルボレート(Bu4 NBPh4),テト
ラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4
NBPh4)等の塩基性塩が挙げられる。これらの含窒素
塩基性化合物の中では、トリヘキシルアミン,テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド,テトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシド,ジメチルアミノピリジンが好ましく
用いられる。また、硼素化合物としては、例えば、硼
酸,硼酸トリメチル,硼酸トリエチル,硼酸トリブチ
ル,硼酸トリヘプチル,硼酸トリフェニル,硼酸トリナ
フチル等が挙げられる。
【0043】前記触媒の添加量としては、原料であるジ
ヒドロキシ化合物に対して、通常、10-1〜10-8モル
/モル、好ましくは10-2〜10-7モル/モルである。
この触媒の添加量が10-8モル/モル未満では、触媒効
果が発現されない恐れがある。また、10-1モル/モル
を超えると、最終製品であるポリカーボネートの物性、
特に、耐熱性, 耐加水分解性の低下を招く恐れがあり、
また、コストアップに繋がり、これを超えてまで添加す
ることはない。そして、上記のエステル交換反応は、不
活性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得ら
れるPCの1〜150重量%の不活性溶剤の存在下にお
いて行ってもよい。ここで、不活性溶剤としては、例え
ば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジフェニルエーテ
ル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエーテル,ジクロロ
ベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族化合物、二酸化
炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、クロロフロロ炭
化水素、エタン,プロパン等のアルカン、シクロヘキサ
ン,トリシクロ(5.2.10)デカン,シクロオクタ
ン,シクロデカン等のシクロアルカン、エテン,プロペ
ンのようなアルケン等各種のものが挙げられる。
【0044】なお、本発明では、必要に応じて、酸化防
止剤を使用することができる。例えば、リン系酸化防止
剤としては、具体的には、トリ(ノニルフェニル)ホス
ファイト,2−エチルヘキシジフェニルホスファイト,
ジフェニルモノ(2−ブチルフェニル)ホスファイトの
他、トリメチルホスファイト,トリエチルホスファイ
ト,トリブチルホスファイト,トリオクチルホスファイ
ト,トリノニルホスファイト,トリデシルホスファイ
ト,トリオクタデシルホスファイト,ジステアリルペン
タエリスチルジホスファイト,トリス(2−クロロエチ
ル)ホスファイト,トリス(2,3−ジクロロプロピ
ル)ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト;ト
リシクロヘキシルホスファイトなどのトリシクロアルキ
ルホスファイト;トリフェニルホスファイト,トリクレ
ジルホスファイト,トリス(エチルフェニル)ホスファ
イト,トリス(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシ
フェニル)ホスファイト,トリス(2,2'−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファ
イト;トリメチルホスフェート,トリエチルホスフェー
ト,トリブチルホスフェート,トリオクチルホスフェー
ト,トリデシルホスフェート,トリオクタデシルホスフ
ェート,ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェー
ト,トリス(2−クロロエチル)ホスフェート,トリス
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリ
アルキルホスフェート;トリシクロヘキシルホスフェー
トなどのトリシクロアルキルホスフェート;トリフェニ
ルホスフェート,トリクレジルホスフェート,トリス
(ノニルフェニル)ホスフェート,2−エチルフェニル
ジフェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェー
トなどが挙げられる。
【0045】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 溶融エステル交換反応を行う反応器として、内容積15
0ミリリットルのSUS−316製のオートクレーブを
用意した。この反応器は図3に示す如く、パドル型攪拌
翼9を有し、有効伝熱面積Aが0.00015m2 であっ
てA/Vが98(m2 /m3)のものであった。この反応
器に窒素ガスを吹き込み、十分に窒素で置換した後、ビ
スフェノールA(以下、BPAと記す)を22.8g(0.
1モル)、炭酸ジフェニル(以下、DPCと記す)を2
2.5g(0.105モル)、更に触媒としてテトラメチル
アンモニウムヒドロキサイド〔TMAH,(CH3)4
OH〕をBPAに対して1×10-4(モル/モル)仕込
んだ。これらの混合物を180℃まで加熱し、融解した
後、十分攪拌混合した。更に、これらを220℃まで加
熱すると同時に真空度を上げていった。反応を開始して
間もなくフェノールが留出してきた。反応を更に進行さ
せ、最終的に真空度を50torrとし、フェノールの
留出が始まってから20分で初期反応を終了した。この
時のプレポリマーの粘度平均分子量及び反応率を下記の
方法にて測定したところ、それぞれ8500及び97.1
%であり、溶融物は透明性が良好で無色のものであっ
た。更に、このプレポリマーを反応温度270℃まで上
げ、真空度を0.1torrまで上げて1時間反応させ、
目的とするポリカーボネートを得た。このポリカーボネ
ートについて、粘度平均分子量を測定したところ234
00であった。更に、この縮合物を粉砕して粉体とした
後にプレス成形機でプレート化しYIを測定したところ
3.0であった。また、このプレートは非常に透明性に優
れるものであった。粘度平均分子量(Nv) ウベローデ型粘度管を用いて、20℃における塩化メチ
レン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求
めた後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 反応率 原料ジヒドロキシ化合物に由来する水酸基の残率で表
し、下記のように規定する。 反応率(%)=〔1−(プレポリマー中の全水酸基濃度
/仕込み原料中の全水酸基濃度)〕×100 尚、それぞれの全水酸基濃度は核磁気共鳴装置(NM
R)を用いて、プロトン吸収量より求めた。
【0046】実施例2 溶融エステル交換反応を行う反応器として、接液部材質
がSUS−316である内容積10リットルのオートク
レーブを用意した。この反応器は図4に示す如く、横型
で一軸の攪拌機能を有し、加熱がジャケット部10及び
攪拌ロータ11の両方でできる構造となっていることか
ら有効伝熱面積Aが0.56m2 であってA/Vが56
(m2 /m3)のものであった。この反応器に窒素ガスを
吹き込み、十分に窒素で置換した後、BPA1140g
(5.0モル)とDPC1125g(5.25モル)を仕込
んだ。これらの混合物を180℃まで加熱し融解した
後、触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキサイ
ド〔TMAH,(CH3)4 NOH〕をBPAに対して1
×10-4(モル/モル)仕込んだ。更に、これらの混合
物を攪拌混合し、220℃まで加熱すると同時に真空度
を上げていった。反応を開始して間もなくフェノールが
留出してきた。反応を更に進行させ、最終的に反応温度
を220℃、真空度を30torrとし、フェノールの
留出が始まってから30分で初期反応を終了した。この
時のプレポリマーの粘度平均分子量及び反応率を測定し
たところ、それぞれ9800及び98.0%であり、溶融
物は透明性がよく無色であった。更に、この反応器を用
いて、反応温度を280℃とし、真空度を0.4torr
まで上げて50分間反応させ目的とするポリカーボネー
トを得た。このポリカーボネートについて、粘度平均分
子量を測定したところ24200であった。更に、この
縮合物を粉砕して粉体とした後にプレス成形機で厚さ3
mmのプレートを成形した。調製した試料のYIを測定
したところ3.5であった。
【0047】比較例1 溶融エステル交換反応を行う反応器として、接液部の材
質がSUS−316である内容積1m3 の縦型攪拌槽を
用意した。この反応器は多段インペラーの攪拌翼を有
し、周囲にジャケットを有しているため内容物を加熱で
きる構造となっており、ジャケット加熱面の有効伝熱面
積Aが5.2m2 であって、A/Vが5.2(m2 /m3)の
ものであった。この反応器に窒素ガスを吹き込み、十分
に窒素で置換した後、BPA152kg(0.667kg
−モル)、DPC157.5kg(0.7kg−モル)、更
に触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド
〔TMAH,(CH3)4 NOH〕をBPAに対して1×
10-4(モル/モル)仕込んだ。これらの混合物を実施
例1と同様に反応させたところ、真空度を上げていくに
従い副生成物のフェノールの蒸発により、反応混合物の
温度が低下して、反応を維持できなくなった。そこで、
真空度を増加する時間を長くとることにより、内温低下
を起こさない範囲で反応を進めた。これにより、全反応
を3時間で行い、最終的に真空度を50torrとし
た。この時の粘度平均分子量及び反応率を測定したとこ
ろそれぞれ7100及び96.1%であった。この後、実
施例1と同様の条件で反応を進行させてポリカーボネー
トを得た。このポリカーボネートについて粘度平均分子
量を測定したところ、19800であった。また、実施
例1と同様にしてプレートを成形してYIを測定したと
ころ10.5であった。
【0048】実施例3 比較例1で用いたものと同様の反応器を使用した。但
し、この容器のボトム部にはポンプを設け、内容物を5
00リットル/Hrで10m2 の伝熱面積A’を有する
外部の熱交換器に循環できる構造とした。この装置で
は、本体の加熱面と外部の熱交換器の加熱面を合わせて
A/Vが15.23(m2 /m3)であった。この反応器に
比較例1と同様に原料を仕込み、融解した。その後にポ
ンプにより、反応混合物を循環させつつ加熱した。最終
的に反応混合物の温度を220℃まで加熱し、真空度を
50torrとした。また、これらの全反応は、40分
で実施したが、特に反応混合物の温度低下もなく実施す
ることができた。この時のプレポリマーの分子量は、粘
度平均分子量で8900であり、その反応率は97.5%
で溶融物の色は透明性に優れるものであった。この後、
反応物について実施例1と同様な条件で本反応器を用い
るとともに、循環ポンプを停止して、反応を進行させ
た。最終的に得られたポリマーは、粘度平均分子量23
800であり、実施例1と同様にして測定したYIは3.
8であった。
【0049】実施例4 溶融エステル交換反応を行う反応器として、図5に示す
ように内容積50リットルの縦型攪拌槽14及び15を
二基直列配列したものを使用した。それぞれの反応器は
ジャケットで加熱できる構造となっており、反応器間は
ポンプ18で移送できる構造となっている。これらの反
応器について、それぞれ有効加熱面積Aは0.714m2
であり、A/Vは14.3(m2 /m3)であった。この反
応器に、外部の融解槽12及び13で融解したBPAを
11.4kg/Hr(0.1kg−モル)で、DPCを22.
5kg/Hr(0.195kg−モル)で、更に触媒とし
てテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド〔TMA
H,(CH 3)4 NOH〕をBPAに対して1×10
-4(モル/モル)で供給した。第一の反応器の温度は1
80℃、真空度は500torrであり、第二の反応器
では温度220℃、真空度70torrであった。供給
開始後、十分反応内容物が置換したと思われる3時間後
に第二の反応器から排出されるプレポリマーの分子量を
測定したところ、7200で、その反応率は96.2%で
あり、溶融物は無色透明であった。更にこのプレポリマ
ーを用いて、内容積3リットルの横型攪拌機により、温
度300℃、真空度0.7torrで1.2時間反応させ
た。こうして得られたポリカーボネートは粘度平均分子
量が24800であり、実施例1と同様にして測定され
たYIは4.2であり、更に耐加水分解性の優れるもので
あった。尚、耐加水分解性は、得られたポリカーボネー
トを成形して得られた厚さ3mmのシートを120℃の
スチームに48時間暴露させた後の状態を目視観察する
ことにより評価した。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の製
造方法のごとく、ポリカーボネートの初期反応時に特定
の加熱伝面を有する反応器を用い、迅速に反応処理を行
うことにより、モノマーの高温劣化に起因するポリマー
の着色を低減し、品質に優れたポリカーボネートを製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリカーボネートの製造方法の一実
施態様を示す概略工程図である。
【図2】 本発明のポリカーボネートの製造方法の第一
工程に用いる反応器の一例を示す概略断面図であり、図
(A)は横型多板式反応器の一例を示し、図(B)は加
熱コイルを設けた縦型反応槽の一例を示し、また図
(C)は外部熱交換機を設けた反応器の一例を示す。
【図3】 実施例1の第一工程に用いる反応器を示す概
略断面図である。
【図4】 実施例2の第一工程に用いる反応器を示す概
略断面図である。
【図5】 実施例4の第一工程を示す概略工程図であ
る。
【符号の説明】
1A,1B,1C:反応器 1D:混練機 2:ジフェノール化合物融解槽 3:炭酸ジエステル融解槽 4:加熱コイル 5:外部熱交換器 6:循環ポンプ 7:ヒーター 8:オートクレーブ 9:攪拌翼 10:ジャケット 11:ローター 12:BPA融解槽 13:DPC融解槽 14:第一反応器 15:第二反応器 16:原料供給ポンプ 17:トラップ 18:ポンプ A:真空系 B:ペレタイズ系 C:熱媒 D:副生成物 E:反応物 F:フェノール G:窒素 H:第二工程 I:添加物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−153927(JP,A) 特開 平2−153924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルか
    ら、エステル交換法によりポリカーボネートを製造する
    方法であって、有効加熱伝面A(m2 )/有効反応器容
    積V(m3)の値が10(m2 /m3)以上である反応器を
    用いて、反応率が50〜99%となるまで反応させて低
    分子量のポリカーボネートを製造する第一工程、及び上
    記低分子量のポリカーボネートを粘度平均分子量が15
    000〜45000となるまで反応させる第二工程から
    なることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 第一工程で用いられる反応器が横型反応
    器であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネ
    ートの製造方法。
  3. 【請求項3】 第一工程で製造される低分子量のポリカ
    ーボネートが2000〜20000の粘度平均分子量を
    有することを特徴とする請求項1記載のポリカーボネー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 第一工程が複数の工程からなることを特
    徴とする請求項1記載のポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 第一工程の反応時間が60分以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 第二工程で用いられる反応器が横型反応
    器であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネ
    ートの製造方法。
  7. 【請求項7】 横型反応器が横型の攪拌機付き反応器で
    あることを特徴とする請求項2又は請求項6記載のポリ
    カーボネートの製造方法。
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