WO1996035206A1

WO1996035206A1 - Procede d'assemblage d'un piano droit

Info

Publication number: WO1996035206A1
Application number: PCT/JP1996/001204
Authority: WO
Inventors: Riichi Kitashima; Makoto Kanemitsu; Shinichiro Miwa; Hidetaka Hanajima
Original assignee: Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho
Priority date: 1995-05-02
Filing date: 1996-05-02
Publication date: 1996-11-07
Also published as: DE19681352T1; KR19980703304A; CN1107304C; US5959223A; KR100417166B1; CN1183157A

Description

明細書アップライトピアノの組立方法技術分野

本発明は、アップライトピアノの組立方法に関する。背景技術

第 2 3図は、従来のアツブライトピアノの組立工程図、第 2 4図は、その組立後の側断面図であり、アツブライトピアノの組立は、従来一般に、次の手順で行われている。

① まず支柱 1、土台 2および桁 3などから支柱組立品 5を組み立てる。

② この支柱組立品 5に打廻し 7 1を取り付けた後、響棒 1 8や駒 1 7を接着した響扳 1 6と、ピン板 8とを取り付ける。

③ 支柱組立品 5にフレーム 2 1を取り付け、ピン板 8にフレーム 2 1を介してチューニングビン 2 5を埋設した後、ヒッチビン 2 2との間に弦 Wを張弦する

④ 支柱組立品 5の両側部に、腕木などを取り付けた親板 3 5を取り付け、腕木間に棚板 2 6を支持させる。この場合、棚板 2 6をフレーム 2 1に対して位置決めするために、図 2 5 ( a ) に示すように、棚板 2 6の背面に形成した基準孔 7 5を、フレーム 2 1の前面に設けた基準ピン 7 6に係合させて、左右方向

(図面の奥行方向）に位置決めしたり、同図（b ) のように、棚板 2 6の後部を左右一対の L金具 7 7を介してフレーム 2 1に取り付けたりするとともに、上下方向（図の矢印方向）にフリーな状態にある棚板 2 6の前部を腕木などのケース部品に固定したものが、従来知られている。

⑤ 棚板 2 6に箴 3 1を介して鍵盤 2 7を載置するとともに、ハンマー 2 9付きのアクション 2 8を取り付ける。この場合、アクション 2 8は、アクションブラケット 7 2に支持され、ァクションブラケット 7 2は、上端部がァクションボルト 7 3を介して支柱組立品 5に、下端部がアクションベース（図示せず）を介して棚板 2 6にそれぞれ固定される。

⑥ 整調（鍵盤 2 7とアクション 2 8の働きを整えて、適正な打弦動作を行わせるための調整） ·調律を行う。

⑦ 屋根 5 4、下前板 5 5や上前板 5 6などのケース部品 7 4を取り付け、整音仕上 ·検査を経て、組立を完了する。し力、し、このような従来の組立方法では、支柱組立品 5をベースとして、これに個々の多数の部品、すなわち打廻し 7 1、響板 1 6、ビン板 8、フレーム 2 1、弦 W、親板 3 5、棚板 2 6、鍵盤 2 7やアクション 2 8などを順次、取り付けなければならないため、通常は、これらの組立がすべて同一場所で行われる。その結果、部品の保管や組立のための広大なスペースと大規模な生産設備が必要になるため、組立場所の選択の自由度が狭められるとともに、生産の機動性に欠け、少中量生産や海外生産にも容易に対応できないという欠点がある。

また、従来の組立方法では、支柱組立品 5をベースとして多数の部品を順次、取り付けるため、部品の製造誤差や取付誤差が累積することによって、部品相互間の位置関係が大きくずれやすい。また、上述したように、棚板 2 6がフレーム 2 1と腕木などのケース部品とにまたがって取り付けられるので、フレーム 2 1 とケース部品の位置関係に問題があると、棚板 2 6はフレーム 2 1に対して適正な位置関係からずれてしまう。この場合、ケース部品は、一般に木質材で構成されていて、その製作誤差や、製作後のねじりおよび反りなどによる変形が生じやすいため、棚板 2 6がフレーム 2 1に対してある程度、ずれてしまうことは避けられない。その結果、棚板 2 6に載置した鍵盤 2 7、フレーム 2 1に張設した弦 W、およびそれらの中間に位置するァクション 2 8の三者の位置関係がずれてしまい、取付け後における弦合わせなどのァクシヨン 2 8の調整作業に多大な時間と労力を費やすことになり、このことが組立コストを上昇させる大きな要因になつている。

したがって、本発明は、より小さなスペースおよび生産設備で、効率良く且つ精度良く組み立てることができるアップライトピアノの組立方法を提供することを目的としている。発明の開示

クレーム 1のアップライトピアノの組立方法は、複数種のュニットをそれぞれ別個に組み立て、これらの組み立てた複数種のュニットを互いに連結することにより、アツブライトピアノを組み立てることを特徴としている。この構成によれば、ピアノが複数種のュニットにュニット化され、これらのュニットをそれぞれ別個に組み立てた後、互いに連結することにより、アップライトピアノが組み立てられる。したがって、各ュニットを別の場所に分散して組み立てることができるので、従来と比較して、より小さなスペースと生産設備での組立が可能となる。また、このように生産の機動性が向上する結果、少中量生産や海外生産への対応も容易になる。

さらに、ュニットごとに調整をあらかじめ適切に行っておけば、それらの連結後に、ュニット間の位置関係を調整するだけでよくなり、組立後の調整作業を容易に行うことができる。

好ましくは、複数種のュニットの 1つが、外支柱、土台および桁を枠組みすることにより組み立てられる支柱組立品を含む支柱ュニットである。この構成によれば、外支柱などが支柱組立品に枠組されることにより、支柱ュニットとして構成されるとともに、支柱組立品をベースにして、他のュニットを連結することにより、アップライトピアノを組み立てることができる。

好ましくは、支柱組立品が、外支柱、土台および桁を、所定の内のり寸法を有する型枠内に入れ、この型枠の内側面に押圧した状態で互いに連結することにより、組み立てられる。この構成によれば、外支柱などを型枠内に入れ、連結するだけで、型枠の内のり寸法に等しい所定の外寸法（間口および高さ）を有する支柱組立品を簡単に精度良く得ることができ、この目的のために従来行われていた支柱組立品の外周削りによる二次加工を完全に廃止できる。

好ましくは、支柱ュニッ卜が、土台および桁をそれぞれ覆うように支柱組立品の背面に取り付けられた土台貼および桁貼を備える。この構成では、支柱組立品の組立によって、外支柱と土台または桁との間に隙間が生じても、この隙間が土台貼または桁貼によって最終的に隠されるので、ピアノの外観に影響を及ぼすことはない。

好ましくは、支柱ュニットが、支柱組立品の前面上部に取り付けられたピン板を備え、このビン板は、支柱組立品の上面を基準として位置決めされている。この構成では、ピン板が支柱ユニットの一部として構成されるとともに、ピン板を、精度良く組み立てられた支柱組立品の上面を基準として、上下方向に精度良く位置決めすることができる。

好ましくは、複数種のュニッ卜の 1つが、響板と、この響板の前面および背面にそれぞれ取り付けられた駒および響棒と、を含む響板ュニットであり、響扳を支柱組立品の前面に固定することにより、響板ュニットを支柱ュニットに連結する。この構成によれば、響板、駒および響棒が、響板ュニットとして構成され、支柱ュニッ卜とは別個に組み立てられる。組み立てた響板ュニットは、響板を支柱組立品の前面に固定することによって、支柱ュニットに連結される。

好ましくは、響板ュニットが、響板の背面の周縁部に取り付けられた打廻しを備え、この打廻しの響板への取付け面に所定の傾斜面があらかじめ形成されており、この打廻しを介して響扳を支柱組立品に固定する。この構成によれば、打廻しが響板ュニットの一部として構成されるとともに、響板を支柱組立品に固定する前に、打廻しの傾斜面によって響板に所定のむくりを与えることができる。好ましくは、響板ュニットを支柱ュニッ卜に連結するときに、響板を、響板位置決め手段によって支柱組立品の所定位置に位置決めする。この構成によれば、響板ュニットを支柱ュニットに連結する際、響板位置決め手段によって、響板を支柱組立品の所定位置に精度良く位置決めすることができる。

好ましくは、複数種のュニットの 1つが、フレームおよびこれに設けられたヒツチピンを含むフレームュニットであり、フレームを支柱組立品の前面側に、響板を介在させた状態で固定することにより、フレームュニットを支柱ュニットに連結する。この構成によれば、フレームおよびヒッチビンが、支柱ユニットおよび響板ュニッ卜とは別個のフレームュニットとして構成され、ュニット化が促進されるとともに、フレームュニットは、響板を間にしてフレームを支柱組立品の前面側に固定することによって、支柱ュニットに連結される。

好ましくは、フレームユニットを支柱ユニットに連結するときに、フレームを、フレーム位置決め手段によって支柱組立品の所定位置に位置決めする。この構成によれば、フレームユニットを支柱ユニットに連結する際、フレーム位置決め手段によって、フレームを支柱組立品の所定位置に精度良く位置決めすることができる。

好ましくは、フレームュニットを支柱ュニットに連結するときに、響板とフレームとの間に配したスぺーサによって、響板およびフレームの互いに対向する面間の間隔を所定の距離に調整する。この構成によれば、響板とフレームとの間の間隔をスぺ一ザで所定の長さに調整でき、それにより、所定の駒圧を容易に得ることができる。

好ましくは、複数種のュニットの 1つが、弦と、この弦の各端部を巻き付けた 2本のチューニングピンとを 1組とする多数組の弦アセンブリから成る弦ュニットである。この構成によれば、弦およびチューニングビンが、支柱ュニット、響板ュニットおよびフレームュニッ卜とは別個の弦ュニットとして構成され、ュニット化がさらに促進される。

好ましくは、弦アセンブリの 2本のチューニングピンを支柱ュニッ卜に設けられたピン板に埋設するとともに、弦をフレームュニットのヒッチビンに係合させた後、弦を張弦する。このように、チューニングピンに弦をあらかじめ巻き付けておき、チューニングピンをピン板に埋設した後に、張弦するので、弦が緩く張られた状態で、チューニングビンに巻き付けたコィル部の線条間に隙間が生じないよう容易に整えながら、弦を張ることができる。このため、同じ目的のために張弦後に行われていた、従来の、コイル上げによる持ち上げとドライバ一による叩き込みとによる「こき上げ」作業は不要となり、張弦作業を容易に行うことができる。

好ましくは、複数種のュニッ卜の 1つが、棚板と、この棚板上に取り付けられた鍵盤、アクション、ハンマーおよびダンパーとを含む内装ュニットであり、棚板をフレームに固定することにより、内装ュニットをフレームュニットに連結する。この構成によれば、棚板上に鍵盤、アクション、ハンマ一およびダンパーを取り付けたものを内装ュニットとして構成することにより、ュニット化がさらに促進される。また、棚扳をフレームに直接、固定するので、棚板を腕木などのケース部品に固定する必要がなくなり、その場合、フレームとケース部品の位置関係は棚板の取付け精度に影響しなくなる。

好ましくは、棚板が、フレームに固定された複数の棚板ステ一を介してフレームに固定され、これら複数の棚扳ステ一の各々は、背面の所定位置に基準ピンおよびまたは基準孔を有し、フレームは、前面の所定位置に複数の棚板ステ一基準孔およびノまたは棚板ステ一基準ピンを有し、複数の棚扳ステ一の各々を、その基準ピンおよび/または基準孔を棚板ステ一基準孔および _/ /または棚扳ステ一基準ピンに係合させた状態で、フレームに固定する。この構成によれば、棚扳ステ一の基準ピンおよび //または基準孔を、フレームの前面の棚板ステ一基準孔ぉよび Zまたは棚板ステ一基準ピンに係合させた状態で、棚扳ステ一をフレームに固定することにより、棚板ステ一およびこれに固定される棚扳を、フレームに対して上下方向および左右方向の所定位置に精度良く位置決めすることができる。好ましくは、棚板を、棚板ガイド手段の案内により棚板ステ一上で前後方向にスライドさせ、前後方向の所定位置で棚扳ステ一に固定する。この構成によれば、棚板を前後方向の所定位置に調整して、固定することができる。したがって、棚板を、棚扳ステ一を介して、フレームに対し上下、左右および前後の 3方向の所定位置に位置決めした状態で、フレームに取り付けることができる。この場合、棚板は、ケース部品をまったく介さずに、ケース部品とは完全に独立してフレームに取り付けられるので、フレームとケース部品の位置関係は、棚板の位置精度にはまったく影響を及ぼさない。その結果、棚板をフレームに対して所定の 3次元位置に精度良く取り付けることができるので、その後の弦合わせなどのァクションの調整作業を極めて容易に行うことができる。

好ましくは、棚板ガイド手段が、棚板ステ一の前部に前後方向に延びるガイド長孔で構成され、棚坂の下面前部にガイド長孔に係合するねじが取り付けられている。この構成によれば、棚板は、その下面前部に取り付けたねじと棚板ステーのガイド長孔とによって前後方向に案内されるとともに、ねじを締め付けることによって、棚板ステ一に固定される。このように、棚板の前部をガイド長孔で左右方向に規制しつつ、ねじで固定することにより、棚板の左右方向の位置ずれを確実に阻止しながら、棚板をしつかりと固定することができる。また、ねじとガィド長孔だけという比較的単純な構成で、上記利点を得ることができる。

好ましくは、ガイド長孔が、棚板ステ一の前面に開口している。この構成では、棚坂の下面にねじをあらかじめ取り付けておき、棚扳を棚扳ステ一に載置した後、後方にスライドさせながら、棚板ステ一の前面に開口するガイド長孔に簡単に係合させることが可能となり、棚板の取付けをより容易に行える。

好ましくは、フレームが、前面の所定位置に棚板基準孔およびまたは棚板基準ピンを有し、棚板が、棚扳基準孔および Zまたは棚板基準ピンに係合する基準ピンおよび zまたは基準孔を背面に有している。この構成によれば、フレームの棚板基準孔および Zまたは棚板基準ピンに棚板の基準ビンおよび/または基準孔を係合することにより、棚扳がフレームに対して上下方向および左右方向の所定位置に直接、位置決めされるので、棚板をより精度良く取り付けることができる。特に、複数の棚板ステ一が左右一対で構成されるような場合には、棚板基準孔ぉよび Zまたは棚板基準ピンをフレームの中間部に設けることによって、棚板の中間部の「垂れ」を確実に阻止することができる。

好ましくは、内装ユニットが、フレムユニットに連結する前に、あら力、じめ整調されている。この構成によれば、フレームュニットへの連結前に、棚板上の鍵盤、アクション、ハンマ一およびダンバ一間の相互の位置関係があらかじめ適正な関係に調整されるので、棚板がフレームに直接、精度良く取り付けられることと相まって、内装ュニットの連結後におけるアクションの調整作業をさらに容易に行うことができる。例えば、棚扳をフレームに取り付けたときに、ァクションと弦の位置関係が若干ずれて、る場合でも、棚板全体をフレームに対して移動させ、微調整するだけで、調整作業を容易に行うことができる。

好ましくは、棚板が、複数の中空の金属製型材を枠組みすることにより形成されている。この構成によれば、棚板が金属で作られていて、製作誤差が小さく寸法安定性も高いので、棚板自体の寸法精度が向上し、ひいてはその取付け精度がより向上する。また、棚板が複数の中空の型材を枠組みすることにより形成されるので、軽量化も図れる。

好ましくは、複数種のュニットの 1つが、少なくとも親板、腕木および妻土台を互いに連結することにより組み立てられるケースュニットである。この構成で一 _g は、親板などのケース部品の一部がケースュニットとして構成され、ュニット化がさらに促進される。

好ましくは、複数種のュニットの 1つが、少なくとも底板およびべダル部品を互いに連結することにより組み立てられるペダルュニットである。この構成では、ペダル部品もまた、底板とともにペダルュニットとして構成され、ュニット化がさらに促進される。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の第 1実施形態によるアップライトピアノの組立方法を示す工程図である。

第 2図は、第 1図の組立方法により組み立てられたアップライトピアノの側断面図である。

第 3図は、ビン板を除く支柱ュニッ卜の正面図および側面図である。

第 4図は、支柱ュニッ卜の支柱組立品の組立方法を示す斜視図である。

第 5図は、支柱組立品の組立方法を示す部分拡大正面図である。

第 6図は、組立を完了した支柱ュニットの正面図および側面図である。

第 7図は、響板ュニットの製造手順を示す図である。

第 8図は、響板ュニットの端部の拡大図である。

第 9図は、フレームの正面図である。

第 1 0図は、弦ュニットの 1つの弦アセンブリを示す斜視図である。

第 1 1図は、内装ュニットの側面図である。

第 1 2図は、支柱ュニッ卜への響板ュニッ卜の連結方法を示す図である。

第 1 3図は、支柱ュニットへのフレームュニットの連結方法を示す図である。第 1 4図は、フレームへの棚扳ステ一の取付け方法を示す斜視図である。

第 1 5図は、棚扳ステ一への棚板の位置決めおよび固定の方法を示す斜視図である。

第 1 6図は、フレームへの内装ュニットの取付け方法を示す図である。

第 1 7図は、ケースュニッ卜の連結方法を示す斜視図である。

第 1 8図は、ケースュニットの位置決め方法を示す平面図である。 _ _g 第 1 9図は、本発明の第 2実施形態によるアップライトピアノの組立方法を示す工程図である。

第 2 0図は、図 1 9の組立方法により組み立てられたアップライトピアノの側断面図である。

第 2 1図は、フレームへのピン板の取付け方法を示す図である。

第 2 2図は、フレームへの響板の連結方法を示す斜視図である。

第 2 3図は、従来のアップライトピアノの組立方法を示す工程図である。

第 2 4図は、従来の組立方法により組み立てられるアツブライトピアノの側断面図である。

第 2 5図は、従来の棚板の取付け方法を模式的に示す側面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら、詳細に説明する。第 1図は、本発明の第 1実施形態によるアツブライトピアノの組立工程を示している。同図に示すように、この組立方法では、アップライトピアノが、 7つのュニット、すなわち支柱ュニット U B、響板ュニット U S、フレームュニット U F、弦ュニット UW、内装ュニット UM、ケースュニット U Cおよびペダルュニット U Pに分けられ、これらのュニットをそれぞれ別個に独立して組み立てた後、互、に連結することにより、第 2図に示す完成ピアノに組み立てるようになっている。以下、各ュニットの組立工程、ュニット間の連結工程の順に説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した第 2 3図〜第 2 5図の構成部品と共通のものについては、共通の参照番号を用いるものとする。

1 . 支柱ュニット組立工程

支柱ュニット U Bは、第 3図に示すように、外支柱 1 a、 1 a、内側の中支柱 1 b、 1 b、ならびに外支柱 1 a、 1 aの間に横に渡された土台 2、箱 3および桁 4から成る支柱組立品 5と、支柱組立品 5 0背面に貼り付けられた土台貼 6および桁貼 7と、箱 3および桁 4の前面に取り付けられたピン板 8 (第 6図参照）とによって構成されている。

支柱組立品 5は、第 4図に示すように、型枠 9を用いて組み立てられる。この _ ^ 型枠 9は、例えば木製や鉄製などの剛性の高い材料で構成され、所定の内のり寸法を有するように形成されている。この型枠 9内に支柱組立品 5の構成部材、すなわち外支柱 1 a、中支柱 1 b、土台 2、箱 3および桁 4を挿入するとともに、外支柱 1 a、土台 2および桁 4をクランプ 1 0などで型枠 9の内面に締め付けた状態で、すなわち型枠 9の内面基準で位置決めした状態で、これらの構成部材同士を連結する。この構成部材の連結は、例えば第 5図に示すように、位置決め用のダボ 1 1を併用し、固定金具 1 2を用いて行われる。その後、組み立てた支柱組立品の背面に、土台 2と箱 3および桁 4をそれぞれ覆うように土台貼 6および桁貼 7を接着する。

このような支柱組立品 5の組立方法によれば、型枠 9内に各構成部材を揷入し、連結するだけで、型枠 9の内のり寸法に等しい所定の外寸法（間口および高さ）を有する支柱組立品 5を簡単に精度良く得ることができ、この目的のために従来行われていた支柱組立品の外周削りによる二次加工を完全に廃止できる。また、支柱組立品の組立に伴って、外支柱 1 aと土台 2または桁 4との間に隙間 Cが生じても（第 5図参照）、この隙間 Cが土台貼 6または桁貼 7によって最終的に隠されるので、ピアノの外観に影響を及ぼすことはない。

支柱組立品 5を組み立てた後、第 6図に示すように、その上面を基準としてピン板 8を位置決めし、ピン板 8を箱 3および桁 4の前面に、接着剤を併用してねじ止めする。これにより、ピン板 8を上下方向に精度良く位置決めすることができる。次いで、支柱組立品 5の上面および低音側の側面を基準としたピン板 8の所定位置に、 2つのバック組立基準孔 1 3、 1 3を加工するとともに、それらにバック組立基準ピン 1 4、 1 4を打ち込む。さらに、バック組立基準ピン 1 4を基準とした土台 2および箱 3の対角線上の所定位置に、 2つの響板ュニット取付基準孔 1 5、 1 5を加工して、本工程を終了する。

2. 響板ュニット組立工程

響板ュニット U Sは、響板 1 6、駒（長駒および短駒） 1 7、響棒 1 8および打廻し 1 9で構成されている。その製造手順は、第 7図に示されており、まず、スプルス材などを横はぎ ·接着することにより響板 1 6を形成し洞図（a ) )、響板 1 6の所定位置に多数の孔を N C加工により孔明けする（同図（b ) ) 。これらの孔は、支柱組立品 5の響板ュニット取付基準孔 1 5、 1 5に対応して上下に配置された 2つの響板ユニット取付基準孔 1 6 a、 1 6 aと、周縁部の多数の響板ュニット取付け孔 1 6 bと、中央側の駒取付け孔 1 6 cなどである。次に、響板 1 6の表面に駒取付け孔 1 6 cを介して駒 1 7を接着する（同図（c ) ) とともに、裏面に響棒 1 8を接着した後、塗装を行う（同図（d ) ) 。

次いで、同図（e ) に示すように、響板 1 6の前面周縁部に打廻し 1 9を接着して、響扳系ュニット U Sを完成する。このときの打廻し 1 9の位置決めは、響板 1 6の響板ュニット取付基準孔 1 6 aおよび響板ュニット取付け孔 1 6 bと、これらに対応して打廻し 1 9に形成した孔 1 9 aとを位置合わせし、両孔間にダボ 2 0を差し込むことによって、精度良く行われる。また、第 8図に示すように、打廻し 1 9の響板 1 6との接合面は、響板 1 6に適正なムクリを与えるために、所定の勾配の傾斜面 1 9 aになるよう、あらかじめ加工されている。

3. フレームュニット組立工程

フレームュニット U Fは、フレーム 2 1およびヒツチピン 2 2で構成されている。この組立工程ではまず、フレーム 2 1を铸造する。フレーム 2 1は、第 9図に示すように、矩形の正面形状を有し、前面の両側部は、後述する棚扳ステ一を取り付けるための平らな棚板ステ一取付け部 2 1 a、 2 l aになっている。次いで、フレーム 2 1の所定位置にヒッチピン孔（図示せず）などの様々な多数のの孔を N C加工により形成した後、前面の所定位置に形成した左右 2つの孔（図示せず）に棚扳基準ビン 2 3、 2 3を埋設する。フレーム 2 1に形成される上記孔の中には、各棚扳ステ一取付け部 2 1 aの所定位置に形成される上下 2つの棚板ステ一基準孔 2 4、 2 4が含まれる。次いで、ヒッチピン孔にヒッチピン 2 2を打ち込んで、本工程を終了する。

4. 弦ュニット組立工程

弦ユニット UWは、第 1 0図に示すように、 2本のチューニングピン 2 5、 2 5と、これらの間にあらかじめ巻き付けられた、ワイヤ一から成る弦 Wとを 1組とする、多数組の弦アセンブリで構成されている。各弦アセンブリの組立は、一方のチューニングピン 2 5の孔 2 5 (図示せず）に弦 Wの一端部を通し、 3周半ほど巻いた後、弦 Wの他端部を他方のチューニングピン 2 5に同様に巻き付ける - - ことによって、行われる。

5. 内装ュニット組立工程

内装ュニット UMは、第 1 1図に示すように、棚板 2 6、鍵盤 2 7、ァクション 2 8、ハンマ一 2 9およびダンパー 3 0で構成され、さらに鍵盤 2 7を棚板 2 6に取り付けるための箴 3 1およびァクションブラケット 3 2を備えている。棚板 2 6は、鉄などの金属製の中空の型材を枠組みすることにより形成されており、これにより、軽量化を図れるとともに、高い製造寸法精度と寸法安定性を得ることができる。棚板 2 6の背面の所定位置には、フレーム 2 1の棚板基準ピン 2 3、 2 3に対応して、 2つのフレーム基準孔 3 3 ( 1個のみ図示）が形成されている _c 内装ュニット UMを組み立てる際にはまず、箴 3 1を棚扳 2 6にねじ止めし、その上に鍵盤 2 7を取り付け、支持させる。箴 3 1の取付けの際には、その下面および棚板 2 6の上面の所定位置にそれぞれ形成された基準孔 3 1 a、 2 6 aと、両基準孔 3 1 a、 2 6 a間に差し込まれるダボ 3 4が用いられ、それにより、鍵盤 2 7は棚扳 2 6の所定位置に精度良く位置決めされる。

次に、ァクションブラケット 3 2に支持されたァクション 2 8にハンマー 2 9 およびダンパー 3 0を取り付けた後、アクションブラケット 3 2を棚板 2 6に取り付ける。このアクションブラケット 3 2の取付けの際にも、同図に示すような基準孔 2 6 aおよび基準ビン 3 2 aが利用され、アクション 2 8などが棚板 2 6 に対して所定位置に精度良く位置決めされる。次いで、アクション 2 8をなじませるために試弾を行った後、内装系ユニット U M全体を整調用仮バック（図示せず）にセットして、整調を実施し、さらにダンパー圧調整を行って、内装系ュニット U Mを完成する。以上のように、内装系ュニット U Mは、棚板 2 6を基準として、鍵盤 2 7、ァクション 2 8、ハンマー 2 9およびダンパー 3 0が適正な位置関係になるように、あらかじめ精度良く調整される。

6. ケースュニット組立工程

ケースュニット U Cは、親板 3 5、腕木 3 6、妻土台 3 7および棚受柱 3 8をあらかじめ一体に組み立てたものであり、左右一対で構成されている（第 1 7図参照）

7. ペダルュニット組立工程ペダルュニット UPは、あらかじめ組み立てられた底板 39およびペダル部品 40すなわちペダル 40 a、天秤 40 bおよび突揚棒 40 cによって構成されている。

次に、上述のようにして組み立てた各ュニット UB、 US、 UF、 UW、 UM、 UCおよび PUを、支柱ュニット UBをべ一スとして、以下の連結工程によって連結する。

8. 響板ュニット連結工程

まず、響板ュニット USを支柱ュニット UBに連結する。この工程では、第 1 2図に示すように、支柱ュニット UBを平置き状態とし、支柱ュニット UBに加ェした響板ュニット取付基準孔 15、 15と、響板ュニット USに加工した響板ュニット取付基準孔 16 a、 16 aとを位置合わせし、両孔間にダボ 41を差し込むことによって、両ュニット UB、 USを精度良く位置決めする。すなわち、本実施形態では、響板ュニット取付基準孔 15、 16 aおよびダボ 41が、響板位置決め手段を構成している。この位置決め後、響板ュニット USの響板ュニット取付け孔 16 bを用い、両ュニット UB、 USをねじで連結して、本工程を終了する。

9. フレームュニット連結工程

次いで、連結した両ユニット UB、 USの響扳 16側の面に、フレームュニット UFを連結する。すなわち、第 13図に示すように、支柱ュニット UBのビン板 8に埋設したバック組立基準ピン 14に、これに対応してフレーム 21に加工されたフレーム取付基準孔 42をはめることによって位置決めする。すなわち、本実施形態では、バック組立基準ピン 14およびフレーム取付基準孔 42力フレーム位置決め手段を構成している。この状態で、ピン板 8の上面にフレーム 2 1の裏面を密着するようにして、ねじを締め付け、フレームュニット UFを連結する。この連結の際、ピン板 8以外の部分には、所定の厚さのスぺ一サ 43を介在させる。これにより、響板 16の前面とフレーム 21の裏面との間の間隔が所定の距離に保たれることによって、所定の駒圧を容易に得ることができる。

10. 弦ュニット連結工程

次に、弦ユニット UWを連結する。この連結に際してはまず、フレーム 21に - ί4 - 形成した孔にチューニングピンブッシュ（図示せず）を打ち込んだ後、これを介してビン板 8に下孔（図示せず）を加工する。そして、この下孔に弦ュニット U Wのチューニングピン 2 5を打ち込むとともに、チューニングビン 2 5に巻き付けておいた弦 Wをヒッチピン 2 2に引っ掛けた後、チューニングピン 2 5に巻かれた弦 Wのコイル部 2 5 aの線条間に隙間が生じないようにきれいに整えながら、チューニングピン 2 5を回して張弦し、さらに下律を実施して、本工程を終了す。

このように、チューニングピン 2 5に弦 Wをあらかじめ巻き付けておき、チュ一二ングピン 2 5を打ち込んだ後に、張弦するので、弦 Wが緩く張られた状態で、そのコイル部 2 5 aの線条間に隙間が生じないよう容易に整えながら、弦 Wを張ることができる。このため、同じ目的のために張弦後に行われていた、従来の、コイル上げによる持ち上げとドライバ一による叩き込みとによる「こき上げ」作業は不要となり、張弦作業を容易に行うことができる。

1 1 . 内装ュニット連結工程

次に、内装ュニット UMを連結する。この連結は、第 1 4図〜第 1 6図に示す棚板ステ一 4 4を用いて行われる。この棚板ステー 4 4は左右一対で構成され、各棚板ステ一 4 4は、金属製、例えば鉄製のものであり、図 1 4に示すように、上下方向に延びる断面コ字状のフレーム取付け部 4 4 aと、フレーム取付け部 4 4 aの上端から前方に延びる平板状の棚扳載置部 4 4 bとから、 L形に形成されている。フレーム取付け部 4 4 aの背面の所定位置には、上下 2本のフレーム基準ピン 4 5、 4 5が突出して設けられている。また、棚板載置部 4 4 bは、棚板 2 6を支持するのに十分な前後方向長さを有するとともに、前面に開口するガイド長孔 4 6を備えている。

この棚扳ステ一4 4は、フレームュニット U Fのフレーム 2 1に、第 1 4図に示すようにして取り付けられる。すなわち、フレーム 2 1に形成した棚板ステ一基準孔 2 4に樹脂製のブッシュ 4 7を差し込むとともに、このブッシュ 4 7に、樹脂製のヮッシャ 4 8をスぺーサとして介在させた状態で、棚板ステ一 4 4のフレーム基準ピン 4 5を挿入し、棚扳ステ一4 4側から通した 3本のねじ 4 9で棚板ステー 4 4をフレーム 2 1に固定する。このような棚板ステ一基準孔 2 4への • 10 - フレーム基準ピン 4 5の係合により、棚扳ステ一 4 4は、フレーム 2 1に対して、左右方向および上下方向の所定位置に精度良く位置決めされる。

次に、上記取り付けた棚板ステ一 4 4を介して、内装ュニット U Mを、第 1 5 図および第 1 6図に示すようにしてフレーム 2 1に連結する。まず、内装ュニット UMの棚扳 2 6の下面前部にタツピンねじ 5 0 (ねじ）を緩く取り付け、棚板 2 6を棚板ステ一 4 4に載せ、フレーム 2 1の棚板基準ピン 2 3に棚板 2 6のフレーム基準孔 3 3を差し込むとともに、棚板 2 6のタツピンねじ 5 0を棚扳ステ —4 4のガイド長孔 4 6に係合させ、棚板 2 6をガイド長孔 4 6に沿ってスライドさせて所定位置に調整した後、タツピンねじ 5 0を締め付けることによって、棚板 2 6を棚扳ステ一4 4に固定し、本工程を終了する。

このように、棚板 2 6は、フレーム 2 1に対して精度良く位置決め ·固定された棚板ステ一 4 4上に載置されるとともに、そのタツピンねじ 5 0カ^ ガイド長孔 4 6によつて左右方向の動きを規制されながら前後方向にスライド案内され、調整されることにより、フレーム 2 1に対して上下、左右および前後の 3方向の所定位置に位置決めされる。この場合、棚板 2 6は、ケース部品をまったく介さずに、フレーム 2 1に取り付けられていて、ケース部品の製作誤差や製作後の変形などの悪影響をまったく受けることがない。また、棚板 2 6の前部をタツビンねじ 5 0で固定することにより、その上下動も確実に防止される。

さらに、棚板 2 6のフレーム基準孔 3 3がフレーム 2 1の棚板基準ピン 2 3と係合されることにより、棚板 2 6の上下および左右方向の位置決めがより正確になるとともに、棚板 2 6の中間部の「垂れ」を確実に防止することができる。したがって、上記の連結方法により、内装ユニット U Mの棚板 2 6をフレーム 2 1に対して、左右、上下および前後の 3方向の所定位置に精度良く位置決めした状態で取り付けることができる。また、内装ュニット U M自身は、その組立ェ程の項で述べたように、棚板 2 6を基準として、鍵盤 2 7、アクション 2 8、ハンマ一 2 9およびダンバ一3 0が適正な位置関係になるように、あらかじめ精度良く調整されている。したがって、内装ユニット U Mの連結後における鍵盤 2 7、アクション 2 8、およびフレーム 2 1に張設した弦 Wの三者の位置関係のずれがほとんど無くなり、その後の弦合わせなどの調整作業を非常に容易に行うことが _ _ できる。

また、これまでの説明から明らかなように、響板ュニット連結工程から内装ュニット連結工程までをすベて、支柱ュニットを平置きにしたままで行えるので、作業性も非常に良好である。

1 3. ケースュニット連結工程

次いで、ケースュニット U Cを連結する。この工程では、第 1 7図に示すように、互いに連結された支柱ュニット U Bやフレームュニット U Fなどを立てた状態とし、ケースュニット U Cをフレーム 2 1にタツピンねじ 5 1で連結する。この場合のケースュニット U Cの位置決めは、例えば、上下および前後方向については、各ケースュニット U Cの腕木 3 6の内側面に設けた基準ピン 3 6 aと棚扳 2 6の両外側面に設けた基準孔 2 6 bとの係合によって行い、左右方向については、第 1 8図に示すように、フレーム 2 1の両側面に取り付けたフレーム左右板 5 2、 5 2を利用して行う。

より具体的には、まず、フレーム 2 1の両外側面に木製のフレーム左右板 5 2、 5 2を接着し（同図（a ) ) 、次いで、フレーム 2 1の図示しない基準孔を基準として取り付けた寸法決め治具に沿い、ハンディモルダーを滑らせて（いずれも図示せず）各フレーム左右板 5 2を切削することにより、フレーム左右板 5 2、 5 2間の外寸法を親板 3 5の所定の間口寸法 Wに容易に調整することができる（同図（b ) ) 。これにより、ケースュニット U Cをフレームュニット U Fなどのュニッ卜に対して、上下、左右および前後の 3方向に精度良く位置決めすることができる。

1 4. ペダルュニット連結工程

次いで、最後のュニットであるペダルュニット U Pを連結する。これにより、全ュニットの連結が終了する。

1 5. 最終工程

最後に、残りのケース部品 5 3、例えば屋根 5 4、下前板 5 5、上前板 5 6や前土台 5 7などを連結した後、弦合わせなどのアクション 2 8の最終調整を行い、第 2図に示すアップライトピアノの組立が完了する。

以上のように、本実施形態によれば、アップライトピアノを基本的に 7つのュ _ ニット U B、 U S、 U F、 UW、 U M、 U Cおよび U Pで構成し、各ュニットをそれぞれ別個に組み立てた後に、これらを連結して、アツブライトピアノを完成する。したがって、各ュニットを別の場所で分散して組み立てることができ、従来と比較して、より小さなスペースと生産設備での組立が可能となる。その結果、組立場所を比較的自由に選択でき、例えば、材料 ·部品の調達、人件費や技術力などを勘案し、これらの最も有利な地域や国を選択して、ュニットを生産するとともに、消費地に近い地域でュニットを連結してピアノを完成するなどの方法を採用することも容易であり、それにより、人件費および輸送費などの削減を図ることも可能となる。また、このように、生産の機動性が向上する結果、少中量生産や海外生産にも容易に対応することができる。

また、各ュニットごとに位置関係などの調整をあらかじめ適切に行った後に、ュニットを相互に連結しているので、組立後はュニット間の軽微な調整だけでよく、調整作業を容易に行うことができる。特に、内装ュニット UMは、棚板 2 6 を基準として、鍵盤 2 7、アクション 2 8、ハンマー 2 9およびダンバ一 3 0が適正な位置関係になるように、あらかじめ精度良く調整されるので、その後、内装ュニット UMをフレームュニット U Fに連結する際、棚板 2 6を棚板ステー 4 4を介してフレーム 2 1に直接、精度良く取り付けることと相まって、弦合わせなどのァクシヨン 2 8の最終調整作業を極めて容易に行うことができる。すなわち、両ュニット U M、 U Fを連結したときに、アクション 2 8と弦 Wの位置関係が若干ずれている場合でも、棚板 2 6を含む内装ュニット U M全体をフレーム 2 1に対して移動させ、微調整するだけで、調整作業を容易に行うことができる。次に、第 1 9図〜第 2 2図を参照しながら、本発明の第 2実施形態によるアツブライトピアノの組立方法を説明する。第 2 0図に示すように、このアップライトピアノは、第 1実施形態の支柱組立品 5を廃止した支柱レスタィプのものであり、フレーム 2 1をベースとして組立を行うようになっている。また、弦 Wとチュ一ニングピン 2 5は、弦ュニットとしては構成されず、別個に取り付けられる _c その結果、本実施形態の組立方法では、第 1 9図に示すように、アップライトピアノ力基本的に 5つのュニット、すなわちフレームュニット U F 2、響板ュニット U S 2、内装ユニット U M、ケースユニット U Cおよびペダルユニット U _{4 #},

Pに区分されて、組立が行われる。なお、本実施形態による各ュニッ卜の構成および組立方法ならびにュニット間の連結方法は、それらのかなりの部分が前述した第 1実施形態によるものと共通しているので、以下の説明では、共通する構成部品に同じ参照番号を用いるとともに、第 1実施形態との相違点を中心として説明を行うものとする。

1. フレームュニット組立工程

フレームュニット U F 2は、第 1実施形態のフレームュニット U Fを構成するフレーム 2 1およびヒツチビン 2 2に加えて、ピン板 8およびチューニングピン 2 5で構成されている。フレーム 2 1には、その铸造の際に、フレーム 2 1の裏面側の上部に開口するピン板取付け枠部 2 1 b、およびその下側に開口する響扳取付け枠部 2 1 cが形成されている（第 2 0図参照）。フレームユニット U F 2 を組み立てるには、まずフレーム 2 1に所定の孔明けを行った後、図 2 1に示すように、フレーム 2 1のピン板取付け枠部 2 1 b内にピン板 8をはめ込み、クランプ 6 0で締め付けながら、ねじ止めする。次に、チューニングピン 2 5をピン板 8に打ち込むとともに、フレーム 2 1にヒッチピン 2 2を埋設して、本工程を終了する。

2. 響板ュニット組立工程

響扳ュニット U S 2は、第 1実施形態の響扳ュニット U Sと同様に、響板 1 6、駒 1 7、響棒 1 8および打廻し 6 1で構成されており、その組立方法も響板ュニット U Sと同様である。ただし、この打廻し 6 1は、第 1実施形態の打廻し 1 9 と異なり、傾斜面をもたない一定厚のフラットなもので、後述するフレーム 2 1 への響板ュニット U S 2の取付けの際のスぺ一ザとして機能する。

3. 内装 ·ケース 'ペダルュニッ卜の組立工程

これらの内装ュニット U M、ケースュニット U Kおよびペダルュニット U Pの構成およびその組立方法は、第 1実施形態とまったく同様である。

4. フレームュニッ卜/響板ュニット連結工程

この工程ではまず、第 2 2図に示すように、フレームュニット U F 2を裏返しにし、そのフレーム 2 1の響板取付け枠部 2 1 cに響板ュニット U S 2をはめ込む。次いで、響板 1 6およびフレーム 2 1の互いに対応する位置にそれぞれ形成されたフレーム基準孔と響板基準孔（いずれも図示せず）を位置合わせし、ダボを利用して、相互の位置決めを行った後、マトァなどから成る 4枚の響板押さえ 6 2を響扳 1 6の周縁部に配置する。響板押さえ 6 2には、響板 1 6のフレーム取付け孔 1 6 eに対応した位置にねじ取付け孔 6 2 aがあらかじめ形成されている。そして、これらの孔を位置合わせした後、タツピンねじ 6 3を締め付けることにより、両ュニット U F 2、 U S 2同士を固定する。

なお、響板取付け枠部 2 1 cの奥側の面、すなわち打廻し 6 1が当接する当接面は、所定の曲線形状を有しており、上記響板ュニット U S 2の取付けによって、響板 8にこの当接面の曲線形状に沿った所定のむくりが付与される。したがって、打廻し 6 1は一定厚のフラッ卜なものでよく、従来行われていた面倒な打廻し削りは不要となり、響板 1 6にむくりを簡単に付与することができる。次いで、連結した両ュニット U F 2、 U S 2の全体を反転し、フレーム 2 1に埋設したチュ一二ングピン 2 5とヒッチピン 2 2の間に弦 Wを張弦し、下律を行つて、本工程を終了する。

5. 内装 ·ケース ·ペダルュニットの連結工程および最終工程

これらの工程は、第 1実施形態とまったく同様に行われ、第 2 0図に示すアツブライトピアノの組立が完了する。

以上のように、本実施形態においても、アップライトピアノがュニッ卜に区分され、各ュニットを組み立てた後に、これらを連結して、アツブライトピアノを完成するので、第 1実施形態に関して得られたュニット化による利点を同様に得ることができる。

なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、ュニッ卜の種類をいくつにするかは任意である。例えば、第 2実施形態では、弦 Wとチューニングピン 2 5を別個に構成している力、これらを第 1実施形態のように弦ユニット UWとして構成してもよい。また、各ュニッ卜の構成も適宜、変更することができる。例えば、第 1実施形態ではピン板 8を支柱ュニット U Bの一部としているが、これを第 2実施形態のようにフレ —ムュニット U Fの一部としてもよい。また、ケースュニット U Cは、両実施形態では、親板 3 5、腕木 3 6、妻土台 3 7および棚受柱 3 8で構成されているが、これらに前土台 5 7などの他のケース部品を適宜、付加してもよいし、逆に減らしてもよい。

さらに、実施形態では、棚扳ステ一 4 4をフレーム 2 1に対して位置決めするために、フレーム基準ピン 4 5を棚板ステ一 4 4に、棚扳ステ一基準孔 2 4をフレーム 2 1に、それぞれ設けているが、これらを雌雄逆の関係に、すなわち基準ピンをフレーム 2 1に、基準孔を棚板ステー 4 4にそれぞれ設けてもよく、あるいは基準ビンと基準孔を混在させてもよい。このことは、棚板 2 6をフレーム 2 1に対して位置決めするための基準ピンと基準孔の関係についても同様である。また、棚扳ステ一4 4を左右一対で構成しているが、これを 3本以上とすることも可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成を適宜、変更することができる。産業上の利用可能性

以上詳述したように、本発明のアツブライトピアノの組立方法は、より小さなスペースおよび生産設備で、効率良く且つ精度良く組み立てるのに適している。

Claims

請求の範囲

1 . 複数種のユニットをそれぞれ別個に組み立て、これらの組み立てた複数種のュニットを互いに連結することにより、アツブライトピアノを組み立てることを特徴とするアップライトピアノの組立方法。

2. 前記複数種のュニットの 1つが、外支柱、土台および桁を枠組みすることにより組み立てられる支柱組立品を含む支柱ュニットであることを特徴とする、クレーム 1に記載のアップライトピアノの組立方法。

3. 前記支柱組立品が、前記外支柱、前記土台および前記桁を、所定の内のり寸法を有する型枠内に入れ、この型枠の内側面に押圧した状態で互 L、に連結することにより、組み立てられることを特徴とする、クレーム 2に記載のアップライトピアノの組立方法。

4. 前記支柱ュニッ卜が、前記土台および前記桁をそれぞれ覆うように前記支柱組立品の背面に取り付けられた土台貼および桁貼を備えることを特徴とする、クレーム 3に記載のアップライトピアノの組立方法。

5. 前記支柱ュニットが、前記支柱組立品の前面上部に取り付けられたピン板を備え、このビン板は、前記支柱組立品の上面を基準として位置決めされていることを特徴とする、クレーム 2ないし 4のいずれかに記載のアツブライトピアノの組立方法。

6. 前記複数種のュニットの 1つが、響板と、この響板の前面および背面にそれぞれ取り付けられた駒および響棒と、を含む響板ュニットであり、前記響板を前記支柱組立品の前面に固定することにより、前記響板ュニットを前記支柱ュニッ卜に連結することを特徴とする、クレーム 2に記載のアップライ 1 ピアノの組立方法。

7. 前記響板ュニットが、前記響板の背面の周縁部に取り付けられた打廻しを備え、この打廻しの前記響板への取付け面に所定の傾斜面があらかじめ形成されており、この打廻しを介して前記響扳を前記支柱組立品に固定することを特徴とする、クレーム 6に記載のアップライトピアノの組立方法。

8. 前記響板ュニットを前記支柱ュニットに連結するときに、前記響板を、響 WO 96/35206 - ZZ - PCT/JP96/01204 板位置決め手段によつて前記支柱組立品の所定位置に位置決めすることを特徴とする、クレーム 6または 7に記載のアップライトピアノの組立方法。

9. 前記複数種のユニットの 1つが、フレームおよびこれに設けられたヒッチピンを含むフレームュニットであり、前記フレームを前記支柱組立品の前面側に、前記響扳を介在させた状態で固定することにより、前記フレームュニットを前記支柱ュニットに連結することを特徴とする、クレーム 6に記載のアップライトビァノの組立方法。

1 0. 前記フレームユニットを前記支柱ユニットに連結するときに、前記フレームを、フレーム位置決め手段によつて前記支柱組立品の所定位置に位置決めすることを特徴とする、クレーム 9に記載のアップライトピアノの組立方法。

1 1. 前記フレームュニットを前記支柱ュニットに連結するときに、前記響板と前記フレーとの間に配したスぺ一ザによって、前記響板および前記フレームの互いに対向する面間の間隔を所定の距離に調整することを特徴とする、クレーム 9に記載のアップライトピアノの組立方法。

1 2. 前記複数種のュニットの 1つが、弦と、この弦の各端部を巻き付けた 2 本のチューニングピンとを 1組とする多数組の弦ァセンプリから成る弦ユニットであることを特徴とする、クレーム 9に記載のアツブライトピアノの組立方法。

1 3. 前記弦アセンブリの前記 2本のチューニングピンを前記支柱ュニットに設けられたピン板に埋設するとともに、前記弦を前記フレームュニッ卜の前記ヒツチビンに係合させた後、前記弦を張弦することを特徴とする、クレーム 1 2に記載のァッブライトピアノの組立方法。

1 4. 前記複数種のュニッ卜の 1つが、棚板と、この棚板上に取り付けられた鍵盤、アクション、ハンマーおよびダンパーとを含む内装ュニットあり、前記棚扳を前記フレームに固定することにより、前記内装ュニットを前記フレームュニットに連結することを特徴とする、クレーム 9に記載のアップライトピアノの組立方法。

1 5. 前記棚板が、前記フレームに固定された複数の棚板ステ一を介して前記フレームに固定され、これら複数の棚板ステ一の各々は、背面の所定位置に基準ピンおよびまたは基準孔を有し、前記フレームは、前面の所定位置に複数の棚扳ステ一基準孔ぉよびノまたは棚板ステ一基準ピンを有し、前記複数の棚板ステ一の各々を、その前記基準ピンおよび/または基準孔を前記棚扳ステ一基準孔ぉよびまたは棚板ステ一基準ピンに係合させた状態で、前記フレームに固定することを特徴とする、クレーム 1 4に記載のアップライトピアノの組立方法。

1 6. 前記棚板を、棚板ガイド手段の案内により前記棚板ステー上で前後方向にスライドさせ、前後方向の所定位置で前記棚板ステ一に固定することを特徴とする、クレーム 1 5に記載のアツブライトピアノの組立方法。

1 7. 前記棚板ガイド手段が、前記棚板ステ一の前部に前後方向に延びるガイド長孔で構成され、前記棚板の下面前部に前記ガイド長孔に係合するねじが取り付けられていることを特徴とする、クレーム 1 6に記載のアップライトピアノの組立方法。

1 8. 前記ガイド長孔が、前記棚扳ステ一の前面に開口していることを特徴とする、クレーム 1 7に記載のアップライトピアノの組立方法。

1 9. 前記フレームが、前面の所定位置に棚板基準孔および Zまたは棚板基準ピンを有し、前記棚板が、前記棚板基準孔およびまたは棚板基準ビンに係合する基準ピンおよびまたは基準孔を背面に有していることを特徴とする、クレーム 1 5ないし 1 8のいずれかに記載のアップライトピアノの組立方法。

2 0. 前記内装ュニッ卜が、前記フレームュニッ卜に連結する前に、あらかじめ整調されていることを特徴とする、クレーム 1 4ないし 1 8のいずれかに記載のアツブライトピアノの組立方法。

2 1 . 前記棚板が、複数の中空の金属製型材を枠組みすることにより形成されていることを特徴とする、クレーム 1 4ないし 1 8のいずれかに記載のアップラィトピアノの組立方法。

2 2. 前記複数種のュニッ卜の 1つが、少なくとも親板、腕木および妻土台を互いに連結することにより組み立てられるケースュニットであることを特徴とする、クレーム 1 4に記載のアップライトピアノの組立方法。

2 3. 前記複数種のュニットの 1つが、少なくとも底板およびペダル部品を互 I、に連結することにより組み立てられるペダルュニットであることを特徴とする、クレーム 2 2に記載のアップライトピアノの組立方法。