JPH0926782A - アコースティックピアノのフレームユニット - Google Patents
アコースティックピアノのフレームユニットInfo
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- JPH0926782A JPH0926782A JP7196991A JP19699195A JPH0926782A JP H0926782 A JPH0926782 A JP H0926782A JP 7196991 A JP7196991 A JP 7196991A JP 19699195 A JP19699195 A JP 19699195A JP H0926782 A JPH0926782 A JP H0926782A
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- Japan
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- frame
- pin
- frame unit
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 支柱組立等の他の工程の完了を待たずに、張
弦までの工程を独立して進めることができるアコーステ
ィックピアノのフレームユニットを提供することを目的
とする。 【構成】 上記目的を達成するため、本発明のアコース
ティックピアノのフレームユニット1は、チューニング
ピン3を埋設することにより、ヒッチピン4との間に弦
Sを張設可能なフレーム10と、弦Sの振動を伝達する
ための、両端部がフレーム10の裏面に固定された駒2
とを備えていることを特徴とする。
弦までの工程を独立して進めることができるアコーステ
ィックピアノのフレームユニットを提供することを目的
とする。 【構成】 上記目的を達成するため、本発明のアコース
ティックピアノのフレームユニット1は、チューニング
ピン3を埋設することにより、ヒッチピン4との間に弦
Sを張設可能なフレーム10と、弦Sの振動を伝達する
ための、両端部がフレーム10の裏面に固定された駒2
とを備えていることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アコースティックピア
ノのフレームユニットに関する。
ノのフレームユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来のアコースティックピアノ
の組立工程図であり、図中の「GPのみ」はグランドピ
アノのみの工程、「UPのみ」はアップライトピアノの
みの工程を示す。その一例として、アップライトピアノ
の組立は、従来一般に、次の手順で行われている(図1
(a)参照)。なお、グランドピアノの場合にも、基本
的には同様の手順で組み立てられる。 まず、支柱11、土台12および桁13などから支
柱組立品14を組み立てる。 この支柱組立品14に打廻し15を取り付けた後、
響棒16や駒2を接着した響板17と、ピン板6とを取
り付ける。 支柱組立品14にフレーム10(図9参照)を取り
付け、支柱組立品14にフレーム10を介してチューニ
ングピン3を埋設した後、ヒッチピン4との間に弦Sを
張り、次に、親付(親板の取付け)を行う。 棚板を取り付け、次に、鍵盤を載置すると共にアク
ションを取り付ける。 整調(鍵盤とアクションの働きを整えて、適正な打
弦動作を行わせるための調整)・調律を行う。 屋根、上前板や下前板などのケース材を取り付け、
整音仕上・検査を経て、組立を完了する。
の組立工程図であり、図中の「GPのみ」はグランドピ
アノのみの工程、「UPのみ」はアップライトピアノの
みの工程を示す。その一例として、アップライトピアノ
の組立は、従来一般に、次の手順で行われている(図1
(a)参照)。なお、グランドピアノの場合にも、基本
的には同様の手順で組み立てられる。 まず、支柱11、土台12および桁13などから支
柱組立品14を組み立てる。 この支柱組立品14に打廻し15を取り付けた後、
響棒16や駒2を接着した響板17と、ピン板6とを取
り付ける。 支柱組立品14にフレーム10(図9参照)を取り
付け、支柱組立品14にフレーム10を介してチューニ
ングピン3を埋設した後、ヒッチピン4との間に弦Sを
張り、次に、親付(親板の取付け)を行う。 棚板を取り付け、次に、鍵盤を載置すると共にアク
ションを取り付ける。 整調(鍵盤とアクションの働きを整えて、適正な打
弦動作を行わせるための調整)・調律を行う。 屋根、上前板や下前板などのケース材を取り付け、
整音仕上・検査を経て、組立を完了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の組立方法では、支柱組立品14をベースとして、こ
れに個々の部品、すなわち響板17、ピン板6、フレー
ム10、弦S、親板、棚板、鍵盤やアクションなどを順
次、取り付けなければならないため、通常は、これらの
組立がすべて同一場所で行われる。その結果、部品の保
管や組立のための広大なスペースと大規模な生産設備が
必要になるため、組立場所の選択の自由度が狭められる
とともに、生産の機動性に欠け、少中量生産や海外生産
にも容易に対応できないという欠点がある。また、全て
の工程のうちの殆どが前工程の終了後に行われるため、
支柱組立開始から検査までの全工程に要する期間が長く
なってしまうという欠点がある。
来の組立方法では、支柱組立品14をベースとして、こ
れに個々の部品、すなわち響板17、ピン板6、フレー
ム10、弦S、親板、棚板、鍵盤やアクションなどを順
次、取り付けなければならないため、通常は、これらの
組立がすべて同一場所で行われる。その結果、部品の保
管や組立のための広大なスペースと大規模な生産設備が
必要になるため、組立場所の選択の自由度が狭められる
とともに、生産の機動性に欠け、少中量生産や海外生産
にも容易に対応できないという欠点がある。また、全て
の工程のうちの殆どが前工程の終了後に行われるため、
支柱組立開始から検査までの全工程に要する期間が長く
なってしまうという欠点がある。
【0004】ところで、前述の組立方法の場合、フレー
ム10はフレーム鋳造からフレーム塗装までは、他の工
程とは独立して行われるため、需要予測による先行生
産、生産設備の規模の拡大、あるいは生産拠点の分散、
例えば、海外への生産委託等によって、納期短縮が可能
である。しかし、フレーム単体完成後は、前述のように
他の部品と共に同一の組立場所に集められ、支柱組立か
らピン板6の取付まで(前記組立工程の、)の完了
を待つことになり、以降の工程を進められない。したが
って、フレーム単体が先に完成しても全工程に要する期
間を短縮することができず、また、最終組立場所と別の
場所で一部の工程を進める訳にも行かないため、上述の
問題、すなわち場所の選択の自由度及び生産の機動性を
得られないという問題を解決することができない。
ム10はフレーム鋳造からフレーム塗装までは、他の工
程とは独立して行われるため、需要予測による先行生
産、生産設備の規模の拡大、あるいは生産拠点の分散、
例えば、海外への生産委託等によって、納期短縮が可能
である。しかし、フレーム単体完成後は、前述のように
他の部品と共に同一の組立場所に集められ、支柱組立か
らピン板6の取付まで(前記組立工程の、)の完了
を待つことになり、以降の工程を進められない。したが
って、フレーム単体が先に完成しても全工程に要する期
間を短縮することができず、また、最終組立場所と別の
場所で一部の工程を進める訳にも行かないため、上述の
問題、すなわち場所の選択の自由度及び生産の機動性を
得られないという問題を解決することができない。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、支柱組立等の他の工程の完了
を待たずに、張弦までの工程を独立して進めることがで
きるアコースティックピアノのフレームユニットを提供
することを目的とする。
めになされたものであり、支柱組立等の他の工程の完了
を待たずに、張弦までの工程を独立して進めることがで
きるアコースティックピアノのフレームユニットを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のアコースティックピアノのフレームユニッ
トは、チューニングピンを埋設することにより、ヒッチ
ピンとの間に弦を張設可能なフレームと、弦の振動を伝
達するための、両端部がフレームの裏面に固定された駒
とを備えていることを特徴とする。
め、本発明のアコースティックピアノのフレームユニッ
トは、チューニングピンを埋設することにより、ヒッチ
ピンとの間に弦を張設可能なフレームと、弦の振動を伝
達するための、両端部がフレームの裏面に固定された駒
とを備えていることを特徴とする。
【0007】この場合、チューニングピンを埋設して保
持するためのピン板が、フレームの裏面に設けられてい
ることが好ましい。
持するためのピン板が、フレームの裏面に設けられてい
ることが好ましい。
【0008】さらにこれらの場合、フレームの表面から
埋設されたチューニングピンと、このチューニングピン
とヒッチピンとの間に張設された弦とをさらに備えてい
ることが好ましい。
埋設されたチューニングピンと、このチューニングピン
とヒッチピンとの間に張設された弦とをさらに備えてい
ることが好ましい。
【0009】
【作用】請求項1のアコースティックピアノのフレーム
ユニットは、弦の振動を伝達するための駒が、フレーム
の裏面に両端部を固定するように取り付けられているこ
とによって、アコースティックピアノの弦を固定するた
めの構成要素のうち、チューニングピンを除く全てを備
えることになる。すなわち、チューニングピンを埋設す
ることにより、ヒッチピンとの間に弦を張設し、駒上の
駒ピンに固定することができ、これにより、従来はフレ
ーム取付の後工程であった張弦の工程を先行して行うこ
とが可能になる。
ユニットは、弦の振動を伝達するための駒が、フレーム
の裏面に両端部を固定するように取り付けられているこ
とによって、アコースティックピアノの弦を固定するた
めの構成要素のうち、チューニングピンを除く全てを備
えることになる。すなわち、チューニングピンを埋設す
ることにより、ヒッチピンとの間に弦を張設し、駒上の
駒ピンに固定することができ、これにより、従来はフレ
ーム取付の後工程であった張弦の工程を先行して行うこ
とが可能になる。
【0010】また、請求項2のアコースティックピアノ
のフレームユニットは、チューニングピンを埋設して保
持するためのピン板が、フレームの裏面に設けられてい
ることによって、埋設後のチューニングピンの緩みを抑
え易くなり、チューニングピンを埋設した状態でのフレ
ームの移動後、例えば、フレームの組立場所から最終組
立場所への輸送後等の、調整作業を容易にすることが可
能になる。また、フレーム取付けの前工程の一部、すな
わちピン板取付けを、フレームの組立場所において他の
工程とは独立して行うため、最終組立場所での工程を削
減できる。
のフレームユニットは、チューニングピンを埋設して保
持するためのピン板が、フレームの裏面に設けられてい
ることによって、埋設後のチューニングピンの緩みを抑
え易くなり、チューニングピンを埋設した状態でのフレ
ームの移動後、例えば、フレームの組立場所から最終組
立場所への輸送後等の、調整作業を容易にすることが可
能になる。また、フレーム取付けの前工程の一部、すな
わちピン板取付けを、フレームの組立場所において他の
工程とは独立して行うため、最終組立場所での工程を削
減できる。
【0011】さらに、請求項3のアコースティックピア
ノのフレームユニットは、フレームの表面側から埋設さ
れたチューニングピンと、このチューニングピンとヒッ
チピンとの間に張設された弦とをさらに備えることによ
って、最終組立場所における張弦の工程を削減できるた
め、最終組立場所の選択の自由度を広め、かつ、生産の
機動性を確保することができ、少中量生産や海外生産に
も対応し易くなる。また、張弦の工程を他の工程とは独
立して行うことができるため、支柱組立開始から検査ま
での全工程に要する期間を短縮することができる。
ノのフレームユニットは、フレームの表面側から埋設さ
れたチューニングピンと、このチューニングピンとヒッ
チピンとの間に張設された弦とをさらに備えることによ
って、最終組立場所における張弦の工程を削減できるた
め、最終組立場所の選択の自由度を広め、かつ、生産の
機動性を確保することができ、少中量生産や海外生産に
も対応し易くなる。また、張弦の工程を他の工程とは独
立して行うことができるため、支柱組立開始から検査ま
での全工程に要する期間を短縮することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参
照しながら、詳細に説明する。尚、以下の説明におい
て、同一の参照番号を付した要素又は部位は、特に断わ
らない限り、同等の構成及び機能を有するものとし、重
複する説明は省略する。
照しながら、詳細に説明する。尚、以下の説明におい
て、同一の参照番号を付した要素又は部位は、特に断わ
らない限り、同等の構成及び機能を有するものとし、重
複する説明は省略する。
【0013】図1(a)は、アコースティックピアノの
一例として、アップライトピアノの場合の組立後の側断
面図、図1(b)は本発明のフレームユニットの部分を
抜粋した図、図2は本発明の実施例のフレームユニット
の正面図、図3は張弦工程前のフレームユニットの正面
図、図4(a)はフレーム取付工程後のフレーム廻りを
簡略化して示した側断面図、図4(b)はその時のフレ
ームユニットの部分を抜粋した図、図4(c)はチュー
ニングピンを埋設した様子を示す側断面図、および、図
5はフレーム取付工程後の組立品の正面図である。
一例として、アップライトピアノの場合の組立後の側断
面図、図1(b)は本発明のフレームユニットの部分を
抜粋した図、図2は本発明の実施例のフレームユニット
の正面図、図3は張弦工程前のフレームユニットの正面
図、図4(a)はフレーム取付工程後のフレーム廻りを
簡略化して示した側断面図、図4(b)はその時のフレ
ームユニットの部分を抜粋した図、図4(c)はチュー
ニングピンを埋設した様子を示す側断面図、および、図
5はフレーム取付工程後の組立品の正面図である。
【0014】これらの図において、フレームユニット1
は、大きな構成要素としてはフレーム10、駒2、ピン
板6、および弦Sから成る(図2参照)。フレーム10
は、希少金属や炭素などを成分として配合された良質な
音響部材であり、肉厚8mm〜15mm程度の平板部10h
と、肉厚20mm程度の4〜7本の骨格部10kとから成
り、ピンが植え込まれる部分と弦が掛けられる部分があ
る。駒2は、硬い「ブナ」、「カエデ」などのムクの材
料あるいはその合板等の、弦振動を効率よく響板17に
伝え、かつ駒ピン5をしっかりと支えるのに適した木質
部材であり、長駒2aおよび短駒2bから成る。長駒2
aおよび短駒2bは、その両端部をそれぞれ固定ボルト
7aおよび7bによって、フレーム10の裏面に固定さ
れている(図3参照)。
は、大きな構成要素としてはフレーム10、駒2、ピン
板6、および弦Sから成る(図2参照)。フレーム10
は、希少金属や炭素などを成分として配合された良質な
音響部材であり、肉厚8mm〜15mm程度の平板部10h
と、肉厚20mm程度の4〜7本の骨格部10kとから成
り、ピンが植え込まれる部分と弦が掛けられる部分があ
る。駒2は、硬い「ブナ」、「カエデ」などのムクの材
料あるいはその合板等の、弦振動を効率よく響板17に
伝え、かつ駒ピン5をしっかりと支えるのに適した木質
部材であり、長駒2aおよび短駒2bから成る。長駒2
aおよび短駒2bは、その両端部をそれぞれ固定ボルト
7aおよび7bによって、フレーム10の裏面に固定さ
れている(図3参照)。
【0015】ピン板6は、駒2と同様に、カエデ材やブ
ナ材あるいはそれらの合板等の硬い木質部材であり、フ
レーム10の裏面に接着され、フレーム10を介してフ
レーム10の表面側からチューニングピン3が埋設され
ている。チューニングピン3は、高級炭素鋼等の材質の
ピンに、回転摩擦力を大きくし保持力を強化するための
細かい螺旋溝が切られて形成されており、上部はチュー
ニングハンマーが入るように四角形に加工され、弦の入
る孔が開けられている。このチューニングピン3は、フ
レーム10の孔にピン板6と同等の材質のピンブッシュ
8を打込み、このピンブッシュ8をガイドにしてチュー
ニングピン3の孔を開けて、その孔に打ち込まれること
によって、フレーム10を貫通してピン板6に埋設され
る(図4参照)。
ナ材あるいはそれらの合板等の硬い木質部材であり、フ
レーム10の裏面に接着され、フレーム10を介してフ
レーム10の表面側からチューニングピン3が埋設され
ている。チューニングピン3は、高級炭素鋼等の材質の
ピンに、回転摩擦力を大きくし保持力を強化するための
細かい螺旋溝が切られて形成されており、上部はチュー
ニングハンマーが入るように四角形に加工され、弦の入
る孔が開けられている。このチューニングピン3は、フ
レーム10の孔にピン板6と同等の材質のピンブッシュ
8を打込み、このピンブッシュ8をガイドにしてチュー
ニングピン3の孔を開けて、その孔に打ち込まれること
によって、フレーム10を貫通してピン板6に埋設され
る(図4参照)。
【0016】弦Sは、高炭素鋼で粒状組織が極めて微細
で純度の高いミュージックワイヤの、細く短いものを高
音部用の弦Saに、太くて長いミュージックワイヤにさ
らに銅線を1〜2重巻き付けた巻線を低音部用の弦Sb
に使用し、フレーム10に設けられたヒッチピン4とチ
ューニングピン3との間に、駒ピン5を介して張られて
いる。駒ピン5は、真鍮や鉄等の適度に硬い金属のピン
2本を一組として、1本の弦に対して、横こじ(サイド
ベアリング)を与えるように横方向に少しずらした位置
に、予め開けられた先孔の底までしっかり打ち込まれる
ことによって保持力を与えられて、駒2に取り付けられ
ている(図2参照)。なお、図中の弦枕フェルト23、
24およびワイヤ押え22は、弦の間隔、水平度を正し
く採り易くするため、また、フレームマーク20および
21は、フレームを個別に識別するためのものである。
で純度の高いミュージックワイヤの、細く短いものを高
音部用の弦Saに、太くて長いミュージックワイヤにさ
らに銅線を1〜2重巻き付けた巻線を低音部用の弦Sb
に使用し、フレーム10に設けられたヒッチピン4とチ
ューニングピン3との間に、駒ピン5を介して張られて
いる。駒ピン5は、真鍮や鉄等の適度に硬い金属のピン
2本を一組として、1本の弦に対して、横こじ(サイド
ベアリング)を与えるように横方向に少しずらした位置
に、予め開けられた先孔の底までしっかり打ち込まれる
ことによって保持力を与えられて、駒2に取り付けられ
ている(図2参照)。なお、図中の弦枕フェルト23、
24およびワイヤ押え22は、弦の間隔、水平度を正し
く採り易くするため、また、フレームマーク20および
21は、フレームを個別に識別するためのものである。
【0017】一方、支柱組立品14には、響板17を取
り付ける外周にそのムクリを決定する打廻し15が取り
付けられ、その上に、背面に響棒16が取り付けてある
響板17が取り付けられて、その後、フレーム取付工程
が行われる。このフレーム取付工程では、フレーム10
は鉄骨枕19等を介してボルトにより支柱11に取り付
けられ、ピン板6も接着剤、ボルトあるいはその両方に
より支柱11に取り付けられ、駒2は上述のムクリによ
り響板17の表面に密着した状態(図4参照)で、接着
剤、ビスあるいはその両方により響板17に取り付けら
れる。この場合、弦の振動を伝える駆動点を響板17上
の有利な位置に配置するため、特に短駒2bは短駒座板
18を介して(図5参照)、サスペンションブリッジ方
式を採用して取り付けるのが好ましい。
り付ける外周にそのムクリを決定する打廻し15が取り
付けられ、その上に、背面に響棒16が取り付けてある
響板17が取り付けられて、その後、フレーム取付工程
が行われる。このフレーム取付工程では、フレーム10
は鉄骨枕19等を介してボルトにより支柱11に取り付
けられ、ピン板6も接着剤、ボルトあるいはその両方に
より支柱11に取り付けられ、駒2は上述のムクリによ
り響板17の表面に密着した状態(図4参照)で、接着
剤、ビスあるいはその両方により響板17に取り付けら
れる。この場合、弦の振動を伝える駆動点を響板17上
の有利な位置に配置するため、特に短駒2bは短駒座板
18を介して(図5参照)、サスペンションブリッジ方
式を採用して取り付けるのが好ましい。
【0018】図6は、本発明のフレームユニットを使用
した場合の組立工程図であり、図中の「GPのみ」はグ
ランドピアノのみの工程、「UPのみ」はアップライト
ピアノのみの工程を示す。その一例として、アップライ
トピアノ(UP)の組立は、次の手順で行うことができ
る(図1(a)参照)。なお、グランドピアノの場合に
も、基本的には同様の手順で組み立てられる。
した場合の組立工程図であり、図中の「GPのみ」はグ
ランドピアノのみの工程、「UPのみ」はアップライト
ピアノのみの工程を示す。その一例として、アップライ
トピアノ(UP)の組立は、次の手順で行うことができ
る(図1(a)参照)。なお、グランドピアノの場合に
も、基本的には同様の手順で組み立てられる。
【0019】この図に示すように、本発明のフレームユ
ニット1を使用した組立工程では、 支柱11、土台12および桁13などから支柱組立
品14を組み立てる。 この支柱組立品14に打廻し15を取り付けた後、
響棒16を接着した響板17を取り付ける。 以上の工程およびと、以下の工程(イ)〜(ホ)を
独立かつ並行して行う。 (イ)フレームユニット1の本体であるフレーム10の
鋳造および塗装を行う。 (ロ)駒2を取り付ける。 (ハ)ピン板6を取り付ける。 (ニ)チューニングピン3を埋設する。 (ホ)弦Sを張る。 その後、以下の工程を行う。 支柱組立品14にフレームユニット1を取り付けた
後、下律を行い、次に、親付(親板の取付け)を行う。 棚板を取り付け、次に、鍵盤を載置すると共にアク
ションを取り付ける。 整調(鍵盤とアクションの働きを整えて、適正な打
弦動作を行わせるための調整)・調律を行う。 屋根、上前板や下前板などのケース材を取り付け、
整音仕上・検査を経て、組立を完了する。
ニット1を使用した組立工程では、 支柱11、土台12および桁13などから支柱組立
品14を組み立てる。 この支柱組立品14に打廻し15を取り付けた後、
響棒16を接着した響板17を取り付ける。 以上の工程およびと、以下の工程(イ)〜(ホ)を
独立かつ並行して行う。 (イ)フレームユニット1の本体であるフレーム10の
鋳造および塗装を行う。 (ロ)駒2を取り付ける。 (ハ)ピン板6を取り付ける。 (ニ)チューニングピン3を埋設する。 (ホ)弦Sを張る。 その後、以下の工程を行う。 支柱組立品14にフレームユニット1を取り付けた
後、下律を行い、次に、親付(親板の取付け)を行う。 棚板を取り付け、次に、鍵盤を載置すると共にアク
ションを取り付ける。 整調(鍵盤とアクションの働きを整えて、適正な打
弦動作を行わせるための調整)・調律を行う。 屋根、上前板や下前板などのケース材を取り付け、
整音仕上・検査を経て、組立を完了する。
【0020】以上のように、本発明のフレームユニット
1を使用すれば、支柱組立開始から響板17取付けまで
の工程の完了を待つことなく、フレーム10の鋳造から
張弦までの工程を、独立かつ並行して行うことができる
ため、支柱組立開始から検査までの全工程に要する期間
を短縮することができる。また、それぞれに別の場所で
組み立てることができ、必要な部材等をそれぞれの組立
場所に分散することができるため、組立に必要なスペー
ス、生産設備、および部材の保管場所等の確保が容易に
なる。
1を使用すれば、支柱組立開始から響板17取付けまで
の工程の完了を待つことなく、フレーム10の鋳造から
張弦までの工程を、独立かつ並行して行うことができる
ため、支柱組立開始から検査までの全工程に要する期間
を短縮することができる。また、それぞれに別の場所で
組み立てることができ、必要な部材等をそれぞれの組立
場所に分散することができるため、組立に必要なスペー
ス、生産設備、および部材の保管場所等の確保が容易に
なる。
【0021】また、上述の実施例のフレームユニット1
およびその組立工程では、フレーム10の鋳造から張弦
までの工程、すなわち上述の工程(イ)〜(ホ)を支柱
組立の方の工程と分散して行ったが、全体の生産計画や
各工程の進捗に合わせて、例えば、(イ)〜(二)、
(イ)〜(ハ)、(イ)〜(ロ)、あるいは従来と同様
に(イ)のみ等のように(図6参照)、独立かつ並行し
て行う工程を選択することができる。その結果、例え
ば、全体の生産台数、納期、各生産拠点の設備・技術
力、作業者の工数・スキル・人件費、または材料・部品
の調達の利便性などを勘案して、前記支柱組立品14や
フレームユニット1の組立工程のうちの、どこまでの工
程をどの場所で行うか等、その組立場所を比較的自由に
選択できるため、これらの最も有利な地域や国を選択し
て生産するとともに、消費地に近い地域で最終組立を行
うなどの方法を採用することも容易であり、それによ
り、人件費および輸送費などの削減を図ることも可能と
なる。また、このように、生産の機動性が向上する結
果、少中量生産や海外生産にも容易に対応することがで
きる。
およびその組立工程では、フレーム10の鋳造から張弦
までの工程、すなわち上述の工程(イ)〜(ホ)を支柱
組立の方の工程と分散して行ったが、全体の生産計画や
各工程の進捗に合わせて、例えば、(イ)〜(二)、
(イ)〜(ハ)、(イ)〜(ロ)、あるいは従来と同様
に(イ)のみ等のように(図6参照)、独立かつ並行し
て行う工程を選択することができる。その結果、例え
ば、全体の生産台数、納期、各生産拠点の設備・技術
力、作業者の工数・スキル・人件費、または材料・部品
の調達の利便性などを勘案して、前記支柱組立品14や
フレームユニット1の組立工程のうちの、どこまでの工
程をどの場所で行うか等、その組立場所を比較的自由に
選択できるため、これらの最も有利な地域や国を選択し
て生産するとともに、消費地に近い地域で最終組立を行
うなどの方法を採用することも容易であり、それによ
り、人件費および輸送費などの削減を図ることも可能と
なる。また、このように、生産の機動性が向上する結
果、少中量生産や海外生産にも容易に対応することがで
きる。
【0022】なお、本発明は、説明した実施例に限定さ
れることなく、種々の態様で実施することができる。例
えば、対象となるアコースティックピアノは、アップラ
イトピアノに限らず、グランドピアノにおいても、図7
に示すように、駒2(長駒2aおよび短駒2b)の両端
部を、フレーム10に固定ボルト7(長駒2a用の固定
ボルト7aおよび短駒2b用の固定ボルト7b)で取り
付けることによって、本発明のフレームユニット1とす
ることができる。また、この駒2の取付方法も、実施例
で示した固定ボルトによるものだけではなく、接着剤を
用いる方法でもよく、あるいは連結部においてフレーム
10と駒2との間を振動的に絶縁するために、ゴムのベ
ルト等を駒2の両端部に設けて、そのベルト等を介して
取り付けてもよい。さらに、フレーム10が、例えば、
ピン板6の機能を併せ持つことによって、チューニング
ピン3を埋設した状態で、単独でもチューニングピン3
に十分な回転摩擦力を与え、かつチューニングピン3を
保持するのに十分な力を確保できるのであれば、ピン板
6および前述の(ハ)の工程は不要となる。その他、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成や取付方法
等を適宜、変更することが可能である。
れることなく、種々の態様で実施することができる。例
えば、対象となるアコースティックピアノは、アップラ
イトピアノに限らず、グランドピアノにおいても、図7
に示すように、駒2(長駒2aおよび短駒2b)の両端
部を、フレーム10に固定ボルト7(長駒2a用の固定
ボルト7aおよび短駒2b用の固定ボルト7b)で取り
付けることによって、本発明のフレームユニット1とす
ることができる。また、この駒2の取付方法も、実施例
で示した固定ボルトによるものだけではなく、接着剤を
用いる方法でもよく、あるいは連結部においてフレーム
10と駒2との間を振動的に絶縁するために、ゴムのベ
ルト等を駒2の両端部に設けて、そのベルト等を介して
取り付けてもよい。さらに、フレーム10が、例えば、
ピン板6の機能を併せ持つことによって、チューニング
ピン3を埋設した状態で、単独でもチューニングピン3
に十分な回転摩擦力を与え、かつチューニングピン3を
保持するのに十分な力を確保できるのであれば、ピン板
6および前述の(ハ)の工程は不要となる。その他、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成や取付方法
等を適宜、変更することが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアコース
ティックピアノのフレームユニットを使用すれば、支柱
組立開始から響板取付までの工程の完了を待つことな
く、フレームの鋳造から張弦までの工程を、独立かつ並
行して行うことができるため、支柱組立開始から検査ま
での全工程に要する期間を短縮することができ、また、
組立場所を分散することができるため、組立に必要なス
ペース、生産設備、および部材の保管場所等の確保が容
易になるなどの効果を有している。
ティックピアノのフレームユニットを使用すれば、支柱
組立開始から響板取付までの工程の完了を待つことな
く、フレームの鋳造から張弦までの工程を、独立かつ並
行して行うことができるため、支柱組立開始から検査ま
での全工程に要する期間を短縮することができ、また、
組立場所を分散することができるため、組立に必要なス
ペース、生産設備、および部材の保管場所等の確保が容
易になるなどの効果を有している。
【図1】(a)はアップライトピアノの組立後の側断面
図、(b)は本発明のフレームユニットの部分を抜粋し
た図である。
図、(b)は本発明のフレームユニットの部分を抜粋し
た図である。
【図2】本発明の実施例のフレームユニットの正面図で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施例の張弦工程前のフレームユニッ
トの正面図である。
トの正面図である。
【図4】(a)はフレーム取付工程後のフレーム廻りを
簡略化して示した側断面図、(b)はその時のフレーム
ユニットの部分を抜粋した図、(c)はチューニングピ
ンを埋設した様子を示す側断面図である。
簡略化して示した側断面図、(b)はその時のフレーム
ユニットの部分を抜粋した図、(c)はチューニングピ
ンを埋設した様子を示す側断面図である。
【図5】本発明の実施例のフレーム取付工程後の組立品
の正面図である。
の正面図である。
【図6】本発明のフレームユニットを使用したアコース
ティックピアノの組立工程図である。
ティックピアノの組立工程図である。
【図7】グランドピアノの例の張弦工程前のフレームユ
ニットの正面図である。
ニットの正面図である。
【図8】従来のアコースティックピアノの組立工程図で
ある。
ある。
【図9】従来のアップライトピアノのフレームの正面図
である。
である。
【符号の説明】 1 フレームユニット 2 駒 3 チューニングピン 4 ヒッチピン 6 ピン板 S 弦 10 フレーム
Claims (3)
- 【請求項1】 チューニングピンを埋設することによ
り、ヒッチピンとの間に弦を張設可能なフレームと、前
記弦の振動を伝達するための、両端部が前記フレームの
裏面に固定された駒とを備えていることを特徴とするア
コースティックピアノのフレームユニット。 - 【請求項2】 前記チューニングピンを埋設して保持す
るためのピン板が、前記フレームの裏面に設けられてい
ることを特徴とする、請求項1に記載のアコースティッ
クピアノのフレームユニット。 - 【請求項3】 前記フレームの表面側から埋設されたチ
ューニングピンと、このチューニングピンと前記ヒッチ
ピンとの間に張設された弦とをさらに備えて構成されて
いることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアコー
スティックピアノのフレームユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7196991A JPH0926782A (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | アコースティックピアノのフレームユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7196991A JPH0926782A (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | アコースティックピアノのフレームユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0926782A true JPH0926782A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=16367017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7196991A Withdrawn JPH0926782A (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | アコースティックピアノのフレームユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0926782A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013504094A (ja) * | 2009-09-09 | 2013-02-04 | アーネスト オーバーズ ロナルド | ピアノ構成の改善 |
CN112669794A (zh) * | 2020-12-07 | 2021-04-16 | 福建艾维尔科技有限公司 | 一种钢琴生产方法及采用所述钢琴生产方法生产的钢琴 |
-
1995
- 1995-07-10 JP JP7196991A patent/JPH0926782A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013504094A (ja) * | 2009-09-09 | 2013-02-04 | アーネスト オーバーズ ロナルド | ピアノ構成の改善 |
CN112669794A (zh) * | 2020-12-07 | 2021-04-16 | 福建艾维尔科技有限公司 | 一种钢琴生产方法及采用所述钢琴生产方法生产的钢琴 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |