JP3383487B2 - グランドピアノ - Google Patents

グランドピアノ

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JP3383487B2
JP3383487B2 JP24361095A JP24361095A JP3383487B2 JP 3383487 B2 JP3383487 B2 JP 3383487B2 JP 24361095 A JP24361095 A JP 24361095A JP 24361095 A JP24361095 A JP 24361095A JP 3383487 B2 JP3383487 B2 JP 3383487B2
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洋三 小山
豊 中尾
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グランドピアノに
関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来のグランドピアノの側断
面図、図11はその組立工程図であり、グランドの組立
は、従来一般に、次の手順で行われている。 まず、木製の支柱1、積揚2および奥框3などから
支柱組立品4を組み立てる。 この支柱組立品4の上面に、打廻し5を取り付けた
後、響棒6や駒7(長駒7aおよび短駒7b)を接着し
た響板8と、ピン板9とを取り付ける。 次に、支柱組立品4の外周に側板10を固定した
後、下面に棚板11を固定する。 さらに、支柱組立品4に、ピン板9上に載置した状
態で、フレーム12を載せて固定する。 ピン板9にフレーム12を介してチューニングピン
13を埋設した後、ヒッチピン14との間に、駒7の駒
ピン7cを中継点として弦Sを張る。 棚板11に、筬15を介して鍵盤16を載置すると
ともに、アクションブラケット17を介してアクション
18を取り付け、さらにダンパー19を取り付ける。 整調(鍵盤とアクションの働きを整えて、適正な打
弦動作を行わせるための調整)・調律を行う。 脚持20、脚21、大屋根後22や大屋根前23な
どの側板10以外のケース材 24を取り付け、整音仕
上・検査を経て、組立を完了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のグランドピアノでは、支柱組立品4をベースとして、
これに多数の部品、すなわち響板8、ピン板9、フレー
12、弦S、棚板11、鍵盤16やアクション18な
どを順次、取り付けるため、木質材から成る支柱組立品
4に反りやねじれが生じやすいことや、部品の製造誤差
や取付誤差が累積することから、部品相互間の位置関係
がずれやすく、これを調整するのに非常に手間がかかる
という欠点がある。
【0004】特に、ピアノの品質を大きく左右する弦
S、鍵盤16およびアクション18の三者の位置関係に
着目すると、弦Sは、支柱組立品4に取り付けたピン板
9上に載せたフレーム12を介して張弦される一方、鍵
盤16およびアクション18は、支柱組立品4に固定し
た棚板11を介して取り付けられるため、これらの取付
け直後の状態では、三者の位置関係が大きくずれやす
い。この位置関係の調整は、通常、ふところ上下(棚板
11の上面からアクション18のハンマー18aによる
打弦点までの上下距離)と、ふところ前後(棚板11の
前面から上記打弦点までの前後距離)を基準として行わ
れる。
【0005】しかし、従来のグランドピアノでは、張弦
した時点で棚板11が支柱組立品4にすでに固定されて
いるため、ふところ上下およびふところ前後を調整する
には、棚板11を例えば大型の棚板削り機を用いて削り
加工することが必要になり、このことが、組立コスト上
昇の大きな要因になる。また、フレーム12がピン板9
上に載置されるため、ピン板9の厚みが、弦Sの設置高
さ、したがってふところ上下に直接、影響を及ぼすこと
になり、ピン板9を非常に高い厚み精度で製作しなけれ
ばならない。
【0006】また、従来のグランドピアノでは、フレー
ム12を取り付けた後でなければ、チューニングピン1
3を埋設できず、この埋設工程が完了しなければ、それ
以降の張弦工程などの工程に進めないので、手間のかか
るチューニングピン13の埋設工程が生産ラインの停滞
の原因になり、ひいては生産効率の低下を招いてしま
う。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、組立工程の簡素化および効率
化ならびに組立精度の向上を図ることができるグランド
ピアノを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のグランドピアノは、ピン板が直接、取り付
けられ、このピン板を介して弦を張設可能な金属製のフ
レームと、このフレームに直接取り付けられた、鍵盤お
よびアクションを載置するための棚板と、を備えている
ことを特徴としている。
【0009】この構成によれば、フレームに直接、取り
付けたピン板を介してフレームに弦が張設可能であり、
棚板がフレームに直接、取り付けられるとともに、棚板
に鍵盤およびアクションが載置されるので、これらの各
部品の取付け精度が向上する。この場合、フレームが金
属で作られていて、製造寸法精度や寸法安定性が高いの
で、各部品の取付け精度がさらに向上し、弦、鍵盤およ
びアクションの三者の位置関係のずれが非常に少なくな
り、その後のふところ上下やふところ前後の調整作業が
容易になる。また、フレームにピン板が直接、取り付け
られるので、ピン板の厚みがふところ上下にまったく影
響しなくなり、その厚み公差が緩和される。さらに、フ
レームに弦を独立して張設した後に、棚板を取り付ける
ことができるので、棚板の大型削り機などによる削り加
工も不要となる。
【0010】また、フレームに他の部品を取り付ける前
に、フレームに取り付けたピン板へのチューニングピン
の埋設工程を含む張弦までの工程をあらかじめ完了させ
ることができるので、チューニングピンの埋設工程が生
産ラインの停滞の原因になることなく、ピアノの組立を
効率良く行える。
【0011】この場合、フレームに直接取り付けられた
側板をさらに備えていることが好ましい。この構成によ
れば、側板もまたフレームに直接、取り付けられる。そ
の結果、響板、棚板や側板を取り付ける役割を果たして
いた従来の支柱組立品を省略することが可能となり、そ
の分、部品点数の削減および組立工程の簡素化が図れ
る。
【0012】これらの場合、棚板をフレームに対して前
後方向および左右方向の所定位置に位置決めする棚板位
置決め手段を、さらに備えていることが好ましい。この
構成によれば、棚板位置決め手段により、棚板がフレー
ムに対して水平面内の所定位置に精度良く位置決めさ
れ、ふところ前後などのずれがより小さくなる。
【0013】この場合、棚板位置決め手段が、フレーム
および棚板の互いに対応する所定位置にそれぞれ形成さ
れた複数のフレーム第1基準孔および棚板基準孔と、互
いに位置合わせされたフレーム第1基準孔および棚板基
準孔の間に通される棚板位置決めピンと、によって構成
されていることが好ましい。この構成によれば、フレー
ムおよび棚板にそれぞれ形成した基準孔と棚板位置決め
ピンという単純な構成によって、棚板がフレームに対し
て精度良く位置決めされる。
【0014】また、フレームに対する棚板の高さを調整
する棚板高さ調整手段をさらに備えていることが好まし
い。この構成によれば、棚板高さ調整手段により、フレ
ームに対する棚板の高さを調整することによって、ふと
ころ上下を調整することができる。
【0015】これらの場合、フレームに直接取り付けら
れた響板をさらに備えていることが好ましい。この構成
では、響板もまたフレームに直接、取り付けられるの
で、その取付け精度が向上する。
【0016】この場合、フレームの周縁部にスカート部
が垂下して設けられ、響板は、このスカート部内に収容
された状態でフレームに取り付けられ、側板は、スカー
ト部の外側面に沿ってフレームに取り付けられているこ
とが好ましい。この構成によれば、響板および側板を、
スカート部を共通の取付け部として、効率良く取り付け
ることができる。
【0017】これらの場合、響板をフレームに対して前
後方向および左右方向の所定位置に位置決めする響板位
置決め手段を、さらに備えていることが好ましい。この
構成では、響板位置決め手段により、響板がフレームに
対して水平面内の所定位置に精度良く位置決めされる。
【0018】この場合、響板位置決め手段が、フレーム
および響板の互いに対応する所定位置にそれぞれ形成さ
れた複数のフレーム第2基準孔および響板基準孔と、互
いに位置合わせされたフレーム第2基準孔および響板基
準孔の間に通される響板位置決めピンと、によって構成
されていることが好ましい。この構成によれば、フレー
ムおよび響板にそれぞれ形成した基準孔と響板位置決め
ピンという単純な構成によって、響板がフレームに対し
て精度良く位置決めされる。
【0019】また、フレームに対する響板の高さを調整
する響板高さ調整手段をさらに備えていることが好まし
い。この構成によれば、響板高さ調整手段により、フレ
ームに対する響板の高さを調整することによって、駒圧
を容易に調整することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本
発明を適用したグランドピアノの主な組立工程を示して
いる。同図に示すように、このグランドピアノは、従来
用いられていた支柱組立品が省略されていて、フレーム
Fをベースとして、これに弦S、響板8、棚板11およ
び側板10を直接、取り付けることによって、組み立て
られる。なお、以下の説明では、すでに説明した図の構
成部品と共通のものについては、共通の参照番号を用い
るものとする。
【0021】フレームFは、図2に示すように、グラン
ドピアノに合致した平面形状を有し、一体成型された鋳
物で形成されている。フレームFの前部左右には棚板1
1を取り付けるための棚板取付部25、25が設けら
れ、各棚板取付部25は、フレームFの前端から前方に
突出した前取付部25aと、前取付部25aの後方に間
隔を隔てて設けられ、下方に突出した後取付部25bと
によって構成されている。前後の取付部25a、25b
は、それらの下面が互いに面一になっていて、棚板11
の取付面を構成するとともに、各前取付部25aの下面
所定位置には、棚板11をフレームFに対して位置決め
するための第1基準孔(フレーム第1基準孔)26が形
成されている。
【0022】また、フレームFの周縁部には、棚板取付
部25の後方に位置して、スカート部27が垂下するよ
うに形成されている。このスカート部27は、響板8と
側板10の取付部を兼ねており、スカート部27内に響
板8が収容されるとともに、スカート部27の外側面に
沿って側板10が取り付けられるようになっている。さ
らに、フレームFには、スカート部27に沿った複数の
所定位置に、響板11をフレームFに対して位置決めす
るための第2基準孔(フレーム第2基準孔)28が貫通
して形成されている。
【0023】また、フレームFの前部にはピン板収容部
29が設けられていて、このピン板収容部29にピン板
9が収容され、固定されている。ピン板9には多数のチ
ューニングピン13が埋設され、このチューニングピン
13とフレームFの後部に埋設したヒッチピン14との
間に弦Sが張設される。なお、本実施形態では、ピン板
9は、低音域用ピン板9aおよび中高音域用ピン板9b
に分割されている。このようなピン板9の2分割構成に
より、1枚板とした場合に低音域と中高音域との間の境
界付近に必要とされる欠込み形成のための削り合わせ加
工を省略できるとともに、端材が利用可能となることに
よって、歩留まりを向上させることができる。
【0024】響板8は、図3に示すように、フレームF
とほぼ同じ平面形状を有し、上面に駒7(長駒7aおよ
び短駒7b)が、下面に複数の響棒(図示せず)が、そ
れぞれ接着されている。響板8の下面前端部(框部)に
は下面打廻し30が一体に設けられるとともに、上面の
前端部を除く周縁部には上面打廻し31が一体に設けら
れている。上面打廻し31の下面には、響板8にむくり
を円滑に付与するために傾斜が付けられ(同図(c)参
照)、上面には、フレームFの第2基準孔28に対応す
る所定位置に、複数の響板基準孔32が形成されてい
る。
【0025】このように構成された響板8は、フレーム
Fのスカート部27内に収容され、響板基準孔32をフ
レームFの対応する第2基準孔28に位置合わせし、両
基準孔28、32間に響板位置決めピン33(同図
(b)参照)を通した状態で、上面打廻し31を介し
て、固定ねじ34でフレームFに固定される。このよう
な両基準孔28、32および響板位置決めピン33とい
う単純な構成により、響板8をフレームFに対して前後
方向および左右方向の所定位置に精度良く位置決めする
ことができる。
【0026】また、この固定ねじ34の締付け部位に
は、響板高さ調整ねじ(響板高さ調整手段)35が併設
されている。図4に詳細に示すように、響板高さ調整ね
じ35は上面打廻し31に進退自在にねじ込まれてお
り、響板8は、響板高さ調整ねじ35の頭部がフレーム
Fの下面に接した状態で、その両側の固定ねじ34、3
4で固定される。すなわち、響板高さ調整ねじ35はス
ペーサとして機能するものであり、響板高さ調整ねじ3
5を回して進退させ、その突出長さを調整することによ
り、フレームFに対する響板8の高さを調整でき、これ
により所望の打廻し高さおよび響板8のむくりを実現す
るとともに、所望の駒圧を得ることができる。なお、フ
レームFの響板高さ調整ねじ35に対向する位置には、
挿入孔36が上下方向に貫通して形成されており、響板
8をフレームFに取り付けた後でも、この挿入孔36か
らドライバーなどを差し入れ、響板高さ調整ねじ35を
操作して、響板8の高さを調整することが可能である。
【0027】このようにして響板8をフレームFに取り
付けた後、フレームFにすでに張設されている弦Sが、
駒7の駒ピン(図3では省略)に引っ掛けられる。
【0028】棚板11は、木製のものであり、フレーム
Fに響板8を取り付けた後、図5に示すように、フレー
ムFの棚板取付部25の下面に固定ねじ37で取り付け
られる。棚板11の取付けの際にも、響板8の取付けの
場合と同様に、フレームFの第1基準孔26および棚板
基準孔38と棚板位置決めピン39によって、棚板11
がフレームFに対して前後方向および左右方向に精度良
く位置決めされるとともに、響板高さ調整ねじ35と同
様に構成された棚板高さ調整ねじ40によって、フレー
ムFに対する棚板11の高さが調整される。これによ
り、所望のフレーム前後およびフレーム上下を精度良く
得ることができる。なお、同図中の符号41は、ドライ
バー挿入用として棚板11に形成された挿入孔である。
このように、棚板11は、フレームFに響板8および弦
Sを取り付けた後に、フレームFに取り付けられるの
で、棚板11に対する大型削り機などによる削り加工は
不要となり、この時点で、棚板11に鍵盤16やアクシ
ョン18を載置して、その整調をすぐに行うことができ
る。
【0029】また、棚板11は、響板連結用金具42を
有しており、この響板連結用金具42と、響板8の下面
打回し30に一体に設けられた中框相当部材43との間
をねじ止めすることによって、響板8にも連結され、響
板8を下側から支持する(図3(b)参照)。この響板
連結用金具42は、棚板11に対して前後方向(図5
(b)の矢印B方向)にスライド自在に取り付けられて
おり、これをスライド微調整することにより、中框相当
部材43の寸法誤差や取付誤差を吸収して、響板8と棚
板11の連結を円滑に行えるようになっている。なお、
棚板11の取付誤差をより少なくするために、これを製
造寸法精度や寸法安定性に優れた金属板、例えばアルミ
板で構成してもよい。また、棚板11には、ダンパーユ
ニット44があらかじめ取り付けられている。これは、
棚板11の取付け後の組立を容易にするためであり、こ
の観点をさらに進めて、鍵盤16やアクション18も棚
板11に先付けとし、ユニット化を促進して、組立をさ
らに容易に行えるようにしてもよい。
【0030】側板10は、木製または柔軟な樹脂製の薄
板で構成されている。側板10は、平板状のものにあら
かじめ塗装を施した後、図6に示す固定用レール45を
側板10の上下に装着して、曲げ加工を行うことによ
り、グランドピアノの外形状に成形される。そして、側
板10は、図7(a)に示すように、あらかじめ鍵盤蓋
46を回動自在に取り付け、前框47を固定した側板ユ
ニットとして形成された後、図8に示すように、フレー
ムFのスカート部27の外側面に固定ねじ48でねじ止
めされる。この固定ねじ48によるねじ止めを強固に行
うために、同図に示すように、スカート部27と側板1
0の間にくさび49が併用される。
【0031】また、この側板10の取付けは、前後方向
および上下方向ともに棚板11を基準として、例えば、
図7(a)に示すように、前後方向については棚板11
の前面を、上下方向については棚板11の上面をそれぞ
れ基準として、行われる。さらに、同図(b)に示すよ
うに、側板10を棚板11の両外側面を覆うように配置
することが好ましく、これにより、ピアノの外観がすっ
きり整えやすくなるとともに、棚板10に対する側板1
1の上下方向の調整も容易に行うことができる。
【0032】側板10をフレームFに上述したように取
り付けた後、ピアノの重量を支えるために、脚持50が
取り付けられる。脚持50は、図9に示すように、フレ
ームFのスカート部27に延びる固定用ステー51を一
体に有し、この固定用ステー51を介して側板10にね
じ止めされる。以下、他のケース材24を取り付け、グ
ランドの組立を完了する。
【0033】以上のように、本実施形態によれば、鋳物
製のフレームFに弦Sを直接、張設できるとともに、フ
レームFに響板8、棚板11および側板10が直接、取
り付けられるので、これらの各部品の取付け精度が向上
し、その結果、特に、弦Sと、棚板11に載置される鍵
盤16およびアクション18の三者の位置関係のずれが
非常に少なくなり、その後のふところ上下やふところ前
後の調整作業を非常に容易に行うことができる。
【0034】この場合、フレームFの第1基準孔26お
よび棚板基準孔38と、両基準孔26、38間に通され
る棚板位置決めピン39という単純な構成によって、棚
板11をフレームFに対して前後方向および左右方向に
精度良く位置決めできるとともに、棚板高さ調整ねじ3
8によって、フレームFに対する棚板11の高さを調整
でき、これにより、所望のフレーム前後およびフレーム
上下を精度良く容易に得ることができる。同様に、響板
8についても、フレームFの第2基準孔28および響板
基準孔32と、響板位置決めピン33とによって、響板
8をフレームFに対して精度良く位置決めできるととも
に、響板高さ調整ねじ35によって、フレームFに対す
る響板8の高さを調整でき、これにより、所望の打廻し
高さおよび響板8のむくりと駒圧を精度良く容易に得る
ことができる。また、フレームFにピン板9が直接、取
り付けられるので、ピン板9の厚みがふところ上下にま
ったく影響しなくなり、その厚み公差を緩和できるとい
う利点を有している。
【0035】また、フレームFに弦S、響板8、棚板1
1および側板10が直接、取り付けられるので、この役
割を果たしていた従来の支柱組立品4を省略することが
可能となり、その分、部品点数の削減および組立工程の
簡素化が図ることができる。さらに、フレームFに弦S
を独立して張設した後に、棚板11を取り付けることが
できるので、棚板11に対する大型削り機などによる削
り加工も不要となり、組立工程をより一層、簡素化する
ことができる。
【0036】また、フレームFに他の部品を取り付ける
前に、フレームFに取り付けたピン板9へのチューニン
グピン13の埋設工程を含む張弦までの工程をあらかじ
め完了させることができるので、チューニングピン13
の埋設工程が生産ラインの停滞の原因になることなく、
ピアノの組立を効率良く行うことができる。この組立の
効率化をさらに高めるためには、例えば、棚板11にダ
ンパーユニット44だけでなく、鍵盤16やアクション
18などをあらかじめ取り付けておくなど、構成部品の
ユニット化を促進することが好ましい。そのようなユニ
ット化の促進により、各ユニットを別の場所で分散して
組み立てることができ、従来と比較して、より小さなス
ペースと生産設備での組立が可能となる。
【0037】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、棚板および響板をフレームに対して位置決めす
る方法は、説明した例に限らず、他の適当な方法とする
ことができる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のグランド
ピアノは、組立工程の簡素化および効率化ならびに組立
精度の向上を図ることができるなどの効果を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したグランドピアノの組立工程を
概略的に示す工程図である。
【図2】本発明によるグランドピアノのフレームの側面
図および平面図である。
【図3】響板の平面図、側面図およびフレームへの取付
状況を示す側面図である。
【図4】図3の矢印A部分の詳細図である。
【図5】フレームへの棚板の取付状況を示す側面図、お
よび棚板の側面図である。
【図6】側板の成形に用いる固定用レールの斜視図であ
る。
【図7】フレームおよび棚板への側板の取付状況を示す
側面図および平面図である。
【図8】フレームへの側板の固定方法を示す側面図であ
る。
【図9】脚持の固定方法を示す側面図である。
【図10】従来のグランドピアノの側断面図である。
【図11】従来のグランドピアノの組立方法を示す工程
図である。
【符号の説明】
8 響板 9 ピン板 9a 低音域用ピン板 9b 中高音域用ピン板 10 側板 11 棚板 16 鍵盤 18 アクション 26 第1基準孔 27 スカート部 28 第2基準孔 32 響板基準孔 33 響板位置決めピン 35 響板高さ調整ねじ 38 棚板基準孔 39 棚板位置決めピン 40 棚板高さ調整ねじ F フレーム S 弦
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−106182(JP,U) 実開 昭60−44087(JP,U) 実公 平2−24154(JP,Y2) 実公 平2−19836(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10C 1/04 G10C 3/02 G10C 3/04 G10C 3/06 G10C 9/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピン板が直接、取り付けられ、このピン
    板を介して弦を張設可能な金属製のフレームと、 このフレームに直接取り付けられた、鍵盤およびアクシ
    ョンを載置するための棚板と、 を備えていることを特徴とするグランドピアノ。
  2. 【請求項2】 前記フレームに直接取り付けられた側板
    をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載
    のグランドピアノ。
  3. 【請求項3】 前記棚板を前記フレームに対して前後方
    向および左右方向の所定位置に位置決めする棚板位置決
    め手段を、さらに備えていることを特徴とする、請求項
    1または2に記載のグランドピアノ。
  4. 【請求項4】 前記棚板位置決め手段が、前記フレーム
    および前記棚板の互いに対応する所定位置にそれぞれ形
    成された複数のフレーム第1基準孔および棚板基準孔
    と、互いに位置合わせされた前記フレーム第1基準孔お
    よび前記棚板基準孔の間に通される棚板位置決めピン
    と、によって構成されていることを特徴とする、請求項
    3に記載のグランドピアノ。
  5. 【請求項5】 前記フレームに対する前記棚板の高さを
    調整する棚板高さ調整手段をさらに備えていることを特
    徴とする、請求項3または4に記載のグランドピアノ。
  6. 【請求項6】 前記フレームに直接取り付けられた響板
    をさらに備えていることを特徴とする、請求項1ないし
    5のいずれかに記載のグランドピアノ。
  7. 【請求項7】 前記フレームの周縁部にスカート部が垂
    下して設けられ、前記響板は、このスカート部内に収容
    された状態で前記フレームに取り付けられ、前記側板
    は、前記スカート部の外側面に沿って前記フレームに取
    り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の
    グランドピアノ。
  8. 【請求項8】 前記響板を前記フレームに対して前後方
    向および左右方向の所定位置に位置決めする響板位置決
    め手段を、さらに備えていることを特徴とする、請求項
    6または7に記載のグランドピアノ。
  9. 【請求項9】 前記響板位置決め手段が、前記フレーム
    および前記響板の互いに対応する所定位置にそれぞれ形
    成された複数のフレーム第2基準孔および響板基準孔
    と、互いに位置合わせされた前記フレーム第2基準孔お
    よび前記響板基準孔の間に通される響板位置決めピン
    と、によって構成されていることを特徴とする、請求項
    8に記載のグランドピアノ。
  10. 【請求項10】 前記フレームに対する前記響板の高さ
    を調整する響板高さ調整手段をさらに備えていることを
    特徴とする、請求項8または9に記載のグランドピア
    ノ。
  11. 【請求項11】 前記ピン板が、音域方向に分割された
    複数のピン板で構成されていることを特徴とする、請求
    項1ないし10のいずれかに記載のグランドピアノ。
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