JPH0320871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電気ピアノ等の鍵盤楽器に関する。

（従来の技術） 従来の例えばアツプライト型ピアノは、支柱、
土台等で構成された支柱組体と該組体に取付けら
れた響板及び弦が張設されたフレームとから成る
バツク機構に左右腕木等を接着した左右親板を結
合し、該左右腕木に棚板を横架結合し、該棚板上
にアクシヨンブラケツトベースを取付け、これに
結合したボルトを介してアクシヨンをフレームに
対向させて支持し、次いで該アクシヨンにダンパ
及びハンマを取付け、前記棚板上に鍵盤枕及び鍵
盤を配設し、しかる後上前板、下前板、屋根等の
楽器ケース部材を取付けるという工程を経て組立
てられていた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の上記したアツプライト型ピアノでは、ア
クシヨンは棚板にアクシヨンブラケツトベースを
介して支持されるため、バツク機構に親板を取付
け、親板に棚板を取付ける毎にそれぞれ組立て誤
差が生じ、それ故、この累積誤差を補償するため
の調整作業をアクシヨンを棚板に取付けた後に行
なわないと弦の打弦位置を正確にハンマで叩くこ
とができない不都合があつた。

本考案は、かかる不都合のない鍵盤楽器を提供
することを目的としたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、アツプライト型の鍵盤楽器におい
て、張弦フレームの両側面には各弦の打弦点を結
ぶ線の延長線上の位置にそれぞれ突起を設け、楽
器ケースの両側の親板の内面には鍵盤及びアクシ
ヨンを搭載する棚板から所定の高さで、口棒から
所定の奥行寸法の位置にそれぞれフレーム取付け
金具を固着し、該フレーム取付け金具に前記張弦
フレームの突起をそれぞれ係合したことを特徴と
する （実施例） 図面は電気ピアノに適用された本考案の一実施
例を示す。

図面において、１は張弦フレームで、この張弦
フレーム１の両側面には弦２の打弦点を結ぶ線の
延長線Ｎ上の位置に突起３を設けた。この突起３
は、第４図ａに示すように張弦フレーム１の孔に
螺合され、ナツト４で固定されるネジ５で形成す
るようにした。この張弦フレーム１は弦２が張架
される弦受部材６とフレーム１との間に介在させ
弦２の振動を電気信号に変換するピツクアツプが
搭載されており、すでに提案されているものと異
なるところがない。７はフレーム取付け金具で、
これは第４図ｂに示すように、板材を板金加工に
より断面Ｕ字状に形成し、両端部を直角に折曲し
たもので、その底辺部には前記突起であるネジ５
が係合する切欠８を設けた。９は第４図ｃに示す
ように板材を板金加工により断面Ｌ字状に形成し
た棚板取付金具で、この金具９は第３図に示すよ
うに、楽器ケースを構成する親板１０、腕木１１
及び脚体１２にネジ止めしてこれ等を一体に結合
する役目もする。

前記フレーム取付金具７は第８図に示すよう
に、親板１０、腕木１１及び脚体１２から成る２
つの組立体を口棒１３及びペダル部１４で連結
し、棚板取付金具９上に棚板１５を係止した後、
口棒１３の内側面から所定の奥行寸法Ｌの位置で
且つ棚板１５の上面から所定の高さＨの位置に切
欠８のネジ５係合部がくるように親板１０に取付
けた。

この寸法Ｌ及びＨは、棚板１５上の所定位置に
鍵盤及びアクシヨン（図示しない）をそれぞれ搭
載し、張弦フレーム１の突起３をフレーム取付金
具７の切欠８に係合させてこのフレーム１を親板
１０に取付けた状態で、鍵を打鍵したとき、ハン
マが弦２の打弦点を正確に打弦することができる
ように設定される。

張弦フレーム１は、鋳込みむらによつて間口方
向の寸法にばらつきがあるので、このフレーム１
を両親板１０，１０にがたが生じないように取付
けるには、フレーム１の孔に螺合されているネジ
５に付けられた左右のワツシヤ１６ａ，１６ｂま
での内寸法を、左右の各フレーム取付金具７，７
までの所定寸法になるようにあらかじめフレーム
１単体の段階で決定してネジ５のフレーム１から
の出を調整し、その後ナツト４によりダブルナツ
ト方式によりネジ５を固定する。次いで第６図に
示すようにネジ５をフレーム取付金具７の切欠８
にワツシヤ１６ａ，１６ｂで挟むように装入し、
その後ナツト１７で締め付け、フレーム１をフレ
ーム取付金具７に固定する。

図面において、１８は張弦フレーム１の下端部
を固定するために親板１０に固着されたフレーム
取付木である。

かくて、弦２の打弦点を結ぶ線の延長線Ｎ上に
位置する張弦フレーム１の突起３を支持するフレ
ーム取付金具７は口棒１３の内側面から所定の奥
行寸法Ｌを有し、且つ棚板１５から所定の高さの
位置Ｈに取付けられているので、口棒１３から所
定の奥行寸法の棚板１５上に取付けたアクシヨン
のハンマは打弦時常に弦２の打弦点を正確に打弦
する。

（考案の効果） 本考案は、張弦フレームの両側面における弦の
打弦点を結ぶ線の延長線上にそれぞれ突起を設
け、楽器ケースの両側の親板の内面にそれぞれフ
レーム取付金具を固定し、該フレーム取付金具に
張弦フレームの突起を係合してなり、該フレーム
取付金具は鍵盤及びアクシヨンを搭載する棚板か
ら所定の高さにあると共に口棒から所定の奥行方
法の位置にあるので、弦の打弦点を打弦するアク
シヨンの位置決めがフレーム、アクシヨン及び鍵
盤等の組立時に一義的に決まり、かくて均一化さ
れ生産能率の高いものを得ることができる効果を
有すると共に、フレームの反りやねじれに影響を
受けずに打弦点とアクシヨンを正しい位置関係に
確保することができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電気ピアノに適用された本考案の一
実施例の斜視図、第２図は背面図、第３図はその
要部の分解図、第４図ａは張弦フレームの突起部
の斜視図、第４図ｂはフレーム取付金具の斜視
図、第４図ｃは棚板取付金具の斜視図、第５図は
第２図において楽器ケースの一部を取外した背面
図、第６図は張弦フレームと親板との係合部の拡
大正面図、第７図は第３図におけるＡ−Ａ線截断
面図、第８図は楽器ケースの要部の斜視図であ
る。 １……張弦フレーム、３……突起、７……フレ
ーム取付金具、９……棚板取付金具、１３……口
棒、１５……棚板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アツプライト型の鍵盤楽器において、張弦フレ
   ームの両側面には各弦の打弦点を結ぶ線の延長線
   上の位置にそれぞれ突起を設け、楽器ケースの両
   側の親板の内面には鍵盤及びアクシヨンを搭載す
   る棚板から所定の高さで、口棒から所定の奥行寸
   法の位置にそれぞれフレーム取付け金具を固着
   し、該フレーム取付け金具に前記張弦フレームの
   突起をそれぞれ係合したことを特徴とする鍵盤楽
   器。