JPH0224154Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、フレームと棚板、及び棚板と鍵盤
筬とをアクシヨンに対して精度よく取付けるよう
になされたものである。

第１図、第２図及び第３図に示すように、従来
棚板１はフレームＦのリブ（骨）２にフレームＦ
と一体に突設した２個の突起２ａ上にその後端部
を載置固定し、その両端部は腕木Ａに取着されて
いる。そしてこの棚板１上に鍵盤７を挿通支持す
る筬前３と筬後４が分離されて載置固定されてい
る。これらの筬前３と筬後４の棚板１への取付け
は、棚板１の前端綿に取着された口棒５を基準
（記号Ｐで示す）として位置出しされ、治具でも
つて取付けられる。

従つて、鍵盤７の取付位置は口棒５を基準にし
て決定されている。一方、アクシヨンＴはフレー
ムＦ上に張設された弦Ｓを基準にしてブラケツト
Ｂにより、フレームＦと棚板１に取付けられる。

口棒５の位置は腕木Ａの前端部と口棒５の前端
部とのチリＱによつて定められるので、その誤差
はアクシヨンＴのウイツペンヒール６と鍵盤７の
キヤプスタンスクリユー８との対設誤差となつて
現われ、これが鍵盤タツチに大きく影響し、アク
シヨンＴと鍵盤７の調整に大変な工数を要してい
た。

なお、第１図および第２図中、９はバランスピ
ンが植設される筬中、１０はフロントピンが植設
される筬前埋木、１１は筬後４上に貼着されたク
ロスからなる鍵盤枕、１２は棚板１と突起２ａと
の間に介在したクサビ部材、１３は突起２ａとク
サビ部在１２を通して棚板１へ螺合した木ねじを
示す。

この考案は上述の点に鑑みなされたものであ
り、鍵盤７を挿通支持する筬前３と筬後４とを一
体にした鍵盤筬１４を形成し、アクシヨンＴと鍵
盤７の取付位置をフレームＦに張設された弦Ｓを
基準とするもので、フレームＦに張設した弦Ｓを
棚板１上の鍵盤７を押鍵してアクシヨンＴにより
打弦するようにしてなるピアノにおいて、前記弦
Ｓより所要位置にボルト孔１ａを設けた前記棚板
１と、前記弦Ｓより所要位置に少なくとも２個の
突起２ａをリブ２の前面に設けたフレームＦと、
筬前３と筬後４とを一体に形成し前記弦Ｓより所
要位置に鍵盤筬取付孔１４ａを設けた鍵盤筬１４
と、取付片１５ａと支持片１５ｂとを有するＬ字
形の支持金具１５とからなり、前記フレームＦの
突起２ａに前記支持金具１５の取付片１５ａを上
下に調節可能に取着し、この支持金具１５の支持
片１５ｂに前記棚板１と鍵盤筬１４を載置すると
共に、支持片１５ｂを介して前記棚板１のボルト
孔１ａと鍵盤筬取付孔１４ａにボルト１６を挿通
して固着したことを特徴とする。

第４図はこの考案の一実施例を示すものであ
り、１４は鍵盤筬であつて従来のように筬前３と
筬後４とに分離していない一体のものであり、こ
の鍵盤筬１４には筬中９、筬前埋木１０、鍵盤枕
１１が設けられている。そして１５は支持金具で
あつて第５図に示すように取付片１５ａと支持片
１５ｂとからなり、各片にはそれぞれ貫通孔１５
ｃ、１５ｄが設けられている。なお、貫通孔１５
ｄは真円孔であるが、貫通孔１５ｃは惰円孔であ
る。

さて、フレームＦのリブ２に設けられた突起２
ａの前端部Ｒは、張設された弦（図示省略）の面
から前方に定められた所要位置に設定する。従つ
て、突起２ａに取付けられる支持金具１５の支持
片１５ｂにおける貫通孔１５ｄも張設された弦の
面から定められた所要位置にあることになる。

そして、棚板１の後端部及び筬１４の後端部に
は前記弦Ｓの面から所定位置にそれぞれボルト孔
１ａ、鍵盤筬取付孔１４ａが設けられる。筬１４
においては、筬中９及び筬前埋木１０は鍵盤筬取
付孔１４ａから定められた位置にあらかじめ設置
されている。又棚板１においては、ボルト孔１ａ
から定められた寸法で前端面を設定し、この前端
面に口棒５が取着される。

これより、棚板１及び筬１４の組込みに際して
は、まずハンマーによる打弦点を基準にして支持
金具１５の取付片１５ａを上下調節してフレーム
Ｆの突起２ａにボルト１８で取着し、この支持金
具１５の支持片１５ｂ上に棚板１の後端部を載置
すると共に、貫通孔１５ｄと棚板１のボルト孔１
ａと鍵盤筬１４の鍵盤筬取付孔１４ａとを合致さ
せてボルト１６及びナツト１７で固着するので、
従来のようにウイツペンヒールと鍵盤７のキヤプ
スタンスボタン８との対設誤差はなくなり、また
従来使用していた治具は不要となり、未熟練者で
も正確に棚板及び筬を設置することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の棚板上の筬前・筬後の一部斜視
図、第２図は従来のこの種構造の断面図、第３図
はフレームの斜視図、第４図はこの考案の一実施
例を示す断面図、第５図はこの考案に使用される
アングル部材の斜視図である。 Ｆ……フレーム、１……棚板、１ａ……ボルト
孔、２……リブ、２ａ……突起、３……筬前、４
……筬後、１４……鍵盤筬、１４……鍵盤筬取付
孔、１５……支持金具、１５ａ……取付片、１５
ｂ……支持片、１６……ボルト、１７……ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームＦに張設した弦Ｓを棚板１上の鍵盤７
   を押鍵してアクシヨンＴにより打弦するようにし
   てなるピアノにおいて、前記弦Ｓより所要位置に
   ボルト孔１ａを設けた前記棚板１と、前記弦Ｓよ
   り所要位置に少なくとも２個の突起２ａをリブ２
   の前面に設けたフレームＦと、筬前３と筬後４と
   を一体に形成し前記弦Ｓより所要位置に鍵盤筬取
   付孔１４ａを設けた鍵盤筬１４と、取付片１５ａ
   と支持片１５ｂとを有するＬ字形の支持金具１５
   とからなり、前記フレームＦの突起２ａに前記支
   持金具１５の取付片１５ａを上下に調節可能に取
   着し、該支持金具１５の支持片１５ｂに前記棚板
   １と鍵盤筬１４を載置すると共に、支持片１５ｂ
   を介して前記棚板１のボルト孔１ａと鍵盤筬取付
   孔１４ａにボルト１６を挿通して固着したことを
   特徴とするのピアノの棚板及び鍵盤筬取付構造。