JP2002236482A - ピアノの鍵盤 - Google Patents

ピアノの鍵盤

Info

Publication number
JP2002236482A
JP2002236482A JP2001033504A JP2001033504A JP2002236482A JP 2002236482 A JP2002236482 A JP 2002236482A JP 2001033504 A JP2001033504 A JP 2001033504A JP 2001033504 A JP2001033504 A JP 2001033504A JP 2002236482 A JP2002236482 A JP 2002236482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
keyboard
screws
piano
rear direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001033504A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromu Ota
▲煕▼ 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001033504A priority Critical patent/JP2002236482A/ja
Publication of JP2002236482A publication Critical patent/JP2002236482A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重りの材料として鉛に代わる代替材料を用い
ながら、少ない部品点数でタッチ重さを容易に調整する
ことができるピアノの鍵盤を提供する。 【解決手段】 本発明のピアノの鍵盤は、矩形の断面を
有し、中央部において鍵盤支点4に揺動自在に支持さ
れ、前後方向に延びる鍵盤本体2と、鉛以外の材料で構
成され、鍵盤本体2の上面の鍵盤支点4よりも後ろ側に
前後方向に沿って載置され、前後方向に沿って延び且つ
上下方向に貫通する長孔16を有する重り13と、この
重り13の長孔16に上方から係合し、鍵盤本体2に対
して締め付けられることにより重り13を鍵盤本体2の
前後方向の任意の位置に固定するねじ17と、を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アップライトピア
ノなどのピアノの鍵盤に関し、特にタッチ重さ(静荷
重)を調整するための重りを備えた鍵盤に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の一般的なアップライトピ
アノの鍵盤(白鍵および黒鍵)を示している。この鍵盤
51は、断面矩形の細長い木製の鍵盤本体2と、その前
部に取り付けられた白鍵カバー3aまたは黒鍵カバー3
bを備えている。鍵盤本体2は、その中央部において、
バランスピン4に揺動自在に支持されている。このバラ
ンスピン4は、棚板5上に載置された筬6の筬中7に立
設されている。また、鍵盤本体2の上面の後端部(演奏
者から見て奥側の端部)には、先座板8を介してポスト
ワイヤー9が立設され、その上端部にキャプスタン10
が取り付けられていて、このキャプスタン10にアクシ
ョン(図示せず)が載置される。
【0003】また、鍵盤本体2には、鍵盤51のタッチ
重さを調整するための重り58が取り付けられている。
この重り58によるタッチ重さの調整は、鍵盤51やア
クションの重さがある程度ばらつくことや、アクション
が多くの回動部品やばねを有し、それらの摩擦抵抗やば
ね力のばらつきが累積してタッチ重さに影響を及ぼすこ
とで、鍵盤間でタッチ重さがある程度ばらつくのが避け
られないことから、これを解消するために、ピアノの組
立時に行われる。また、アップライトピアノの場合に
は、アクションの重さが比較的軽いためにタッチ重さが
不足がちになるため、重り58は通常、バランスピン4
の後ろ側に取り付けられる。重り58は一般に円柱状の
鉛で構成されており、鍵盤本体2の側面に形成した埋設
孔(図示せず)に「かしめ」によって取り付けられる。
このように重り58に鉛が採用されているのは、金属の
中でも比重が高い(約11.3)こと、安価であること
や、柔軟性および延性に富み、上記のような成形や加工
を行いやすいことなどによる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の鍵盤51で
は、上述した理由から、重り58の材料として鉛が用い
られている。しかし、鉛は、有害物質であるため、鍵盤
の重りにもできるだけ使用せず、他の代替材料を使用す
ることが望ましい。また、従来の鍵盤51では、鍵盤本
体52に形成した埋設孔への鉛のかしめによって、重り
58を取り付けるので、埋設孔の加工や鉛のかしめ作業
を鍵盤51ごとに行わなければならず、重り58の取付
作業が非常に煩雑である。また、同じ理由から、タッチ
重さを調整するには、例えば、重り58および埋設孔の
大きさ、あるいは重り58の取付位置を変えることが必
要であるため、調整作業が非常に煩雑で手間がかかり、
ピアノの製造コストを上昇させる一因となる。さらに、
このような煩雑な調整作業を行ったとしても、その後、
環境変化や使用年数の経過に伴い、アクションの回動部
品の摩擦抵抗やばねのばね力の変化によりタッチ重さが
変化するのに応じて、あるいは演奏者の好みの変化に応
じて、タッチ重さを再調整したい場合が生じるが、重り
58がかしめで取り付けられるため、この再調整も容易
には行えない。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、重りの材料として鉛に代わる代
替材料を用いながら、少ない部品点数でタッチ重さを容
易に調整することができるピアノの鍵盤を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のピアノの鍵盤は、矩形の断面を有し、中央
部において鍵盤支点に揺動自在に支持され、前後方向に
延びる鍵盤本体と、鉛以外の材料で構成され、鍵盤本体
の上面の鍵盤支点よりも後ろ側に前後方向に沿って載置
され、前後方向に沿って延び且つ上下方向に貫通する長
孔を有する重りと、この重りの長孔に上方から係合し、
鍵盤本体に対して締め付けられることにより重りを鍵盤
本体の前後方向の任意の位置に固定するねじと、を備え
ることを特徴とする。
【0007】この鍵盤では、その重りが、鉛以外の材料
で構成されるとともに、重りには、前後方向に延び且つ
上下方向に貫通する長孔が形成されている。そして、こ
の重りを鍵盤本体の上面の鍵盤支点よりも後ろ側に前後
方向に沿って載置し、その長孔にねじを上方から係合
し、鍵盤本体に対して締め付けることによって、重りが
鍵盤本体の前後方向の任意の位置に固定される。鍵盤本
体に対する重りの前後方向の位置が変われば、鍵盤支点
から重りの重心までの腕の長さ、したがって重りによる
鍵盤支点回りのモーメントが変化することによって、タ
ッチ重さが変化する。例えば、本発明の鍵盤では、重り
が鍵盤支点よりも後ろ側に配置されているので、重りを
より後ろ側、すなわち鍵盤支点からより遠い側に固定・
設置すると、重りによるモーメントが大きくなることで
タッチ重さは大きくなり、逆に重りをより前側、すなわ
ち鍵盤支点に近い側に設置すると、それによるモーメン
トが小さくなることでタッチ重さは小さくなる。
【0008】したがって、重りを前後方向に位置決め
し、ねじを締め付けるだけで、タッチ重さを所望の値に
無段階で調整することができる。その結果、ピアノの組
立時におけるタッチ重さの調整を、従来のような鍵盤本
体への埋設孔の加工や鉛のかしめ作業を必要とすること
なく、容易に行うことができる。また、ピアノの使用後
におけるタッチ重さの再調整も、ねじを一旦緩めた状態
で、重りを位置決めし直し、ねじを再度締め付けるだけ
で、容易に行うことができる。さらに、このようなタッ
チ重さの調整および再調整を、重りとねじだけという少
ない部品点数で実現することができる。
【0009】また、鍵盤支点よりも後ろ側の鍵盤の部分
は、通常、ケース部品に覆われていて、外部からはまっ
たく見えないので、この部分に重りを取り付けても、ピ
アノの外観にはまったく影響を及ぼさない。さらに、鍵
盤支点よりも後ろ側の鍵盤の部分は、ピアノの構造上、
その上側には他の部品が近接して設けられておらず、ス
ペースに比較的余裕があるのが通常であるので、重りを
鍵盤本体の上面に配置することにより、重りが他の部品
と干渉するおそれがないとともに、上方からのアクセス
によって、重りを容易に取り付けることができる。ま
た、鍵盤本体は通常、板目材で構成されていて、上面へ
のねじ止めにより鍵盤本体の木目を横断する方向にねじ
が締め付けられるので、高いねじ締結力を確保すること
ができる。
【0010】この場合、ねじは、鍵盤本体に前後方向に
間隔を隔ててねじ込まれた複数のねじで構成されてお
り、複数のねじのうちの最前位置および最後位置に位置
する2つのねじ間の間隔は、複数のねじを緩めた状態で
重りを前後方向にスライドできるように重りの長孔の長
さよりも短く設定されていることが好ましい。
【0011】この構成によれば、前後方向に間隔を隔て
て配置した複数のねじで重りを鍵盤本体に固定するの
で、重りをがたつきのない安定した状態で取り付けるこ
とができる。また、複数のねじを緩め、鍵盤本体に取り
付けたまま、重りを前後方向にスライドさせることによ
って、その位置を調整できるので、タッチ重さの調整作
業を円滑に行うことができる。
【0012】さらにこの場合、複数のねじのうちの最前
位置および最後位置のねじの一方を緩め、他のねじを取
り外し、且つ重りを180度回転させた状態で、重りの
長孔に上方から係合し、鍵盤本体に対して締め付けられ
ることにより重りを鍵盤本体に固定する第2のねじをさ
らに備えていることが好ましい。
【0013】この構成では、最前位置または最後位置の
ねじを緩め、他のねじを取り外し、且つ重りを180度
回転させた状態で、第2のねじで重りを鍵盤本体に固定
するので、上述のスライドの場合と比較して、重りの位
置を前後方向に大きく変化させることができ、したがっ
て、タッチ重さの調整範囲を拡大することができる。
【0014】これらの場合、重りの下面に、鍵盤本体と
の間の摩擦抵抗を高めるための凹凸が形成されているこ
とが好ましい。
【0015】この構成では、鍵盤本体に対してねじを締
め付けた際に、重りの下面に形成した凹凸が鍵盤本体に
食い込むことで、鍵盤本体との間の摩擦抵抗が増大する
ので、長期間使用した場合の重りの緩みやがたつきを確
実に抑制することができる。
【0016】これらの場合、重りが、互いに異なる重さ
を有する複数種類の重りで構成されていることが好まし
い。
【0017】この構成では、異なる重さを有する複数種
類の重りの中から、必要な重さを有する重りを選択し、
鍵盤本体に取り付けることにより、上述した重りの設置
位置による調整とあいまって、タッチ重さをより広い範
囲で且つきめ細かく調整することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態
によるアップライトピアノの鍵盤(白鍵および黒鍵)を
示している。なお、この鍵盤1の基本的な構成は、すで
に説明した図6の従来の鍵盤51と同じであるので、図
1以降の図面では、従来と同様の構成要素について同一
の参照番号を付している。同図に示すように、この鍵盤
1は、中央部においてバランスピン4(鍵盤支点)に揺
動自在に支持された鍵盤本体2と、その前部に取り付け
られた白鍵カバー3aまたは黒鍵カバー3bと、鍵盤本
体2の上面後端部に取り付けられたキャプスタン10
と、鍵盤本体2に取り付けられた重り13などを備えて
いる。
【0019】鍵盤本体2は、スプルスなどの比較的軽量
で軟らかく、弾力性に富む木質材(板目材)から成り、
矩形の断面を有し、前後方向に延びている。鍵盤本体2
の上面中央部には中座板14が接着され、これらを上下
方向に貫通するようにバランスピン孔15が形成されて
いる。一方、棚板5には、鍵盤1の中央部から前部に相
当する位置に筬6が、鍵盤1の後部に相当する位置に筬
後11が、それぞれ設けられている。筬6の筬中7に上
記バランスピン4が立設されており、鍵盤1は、そのバ
ランスピン孔15がバランスピン4に係合することによ
って、バランスピン4に揺動自在に支持されている。ま
た、筬後11の上面にはフェルトから成る鍵盤枕12が
貼り付けられていて、離鍵時に、鍵盤1の後部が鍵盤枕
12に着座するようになっている。
【0020】キャプスタン10は、従来と同様、鍵盤本
体2の上面後端部に、先座板8およびポストワイヤー9
を介して取り付けられており、このキャプスタン10上
にアクション(図示せず)が載置される。先座板8は鍵
盤本体2よりも堅い堅木から矩形に形成され、鍵盤本体
2の上面の後端部に接着されている。ポストワイヤー9
は鉄製で、その下端部が先座板8に差し込まれている。
また、キャプスタン10は、プラスチックなどから円柱
状に形成され、ポストワイヤー9の上端部に進退自在に
ねじ込まれている。したがって、キャプスタン10をポ
ストワイヤー9に対して回すことによって、キャプスタ
ン10の高さを調整することが可能である。
【0021】以上の構成により、鍵盤1の前部を押鍵す
ると、鍵盤1がバランスピン4を中心として揺動すると
ともに、これに伴い、アクションがキャプスタン10で
突き上げられ、作動することで、ハンマーが回動して弦
(いずれも図示せず)を叩くことによって、ピアノ音が
発生する。また、鍵盤1のタッチ重さ(静荷重)は、ア
クションと鍵盤1の重さによるバランスピン4回りのモ
ーメントのバランスによって定められることになる。
【0022】一方、重り13は、鍵盤1ごとに取り付け
られ、そのタッチ重さを調整するためのものであり(図
1には白鍵のもののみ図示)、金属、例えば鉄で構成さ
れている。このように、重り13の材料として鉄が好ま
しいのは、無害であるとともに、金属材料の中では、比
重が比較的大きく(約7.9)、安価で加工性も良いた
めである。図2などに示すように、重り13は、鍵盤本
体2とほぼ同じ幅を有する細長いブロック状のものであ
り、重り13には、長孔16が、その長さ方向に沿って
延びるとともに上下方向に貫通するように形成されてい
る。そして、重り13は、鍵盤本体2の上面のバランス
ピン4とキャプスタン10との間に前後方向に沿って載
置された状態で、その長孔16に上方から係合し、鍵盤
本体2の所定位置にねじ込まれた2本のねじ17、17
を締め付けることによって、鍵盤本体2の上面に固定さ
れている。図2に示すように、ねじ17、17のねじ込
み位置の間の間隔L17-17 は、長孔16の長さL16より
も所定長さだけ短くなるように設定されている。
【0023】また、図3(a)に示すように、重り13
の下面には、スカッチ状(多数の連続するノッチ状)の
凹凸13aが形成されている。この構成によれば、鍵盤
本体2に対してねじ17を締め付けた際に、凹凸13a
が比較的軟らかい鍵盤本体2に食い込み、重り13と鍵
盤本体2との間の摩擦抵抗が増大するので、長期間使用
した場合の重り13の緩みやがたつきを確実に抑制する
ことができる。なお、この凹凸の形態はこれに限られる
ものではなく、例えば同図(b)に示すように、重り1
3の下面の両端部に2つの突起13b、13bを形成す
ることによって、同様の効果を得るようにしてもよい。
【0024】次に、上記構成の鍵盤1の重り13による
タッチ重さの調整方法を、図2および図4を参照して、
説明する。まず、工場におけるピアノの組立時には、重
り13を鍵盤本体2の上面の標準位置(例えば同図に実
線で示す、重り13の中心がねじ17、17間の中心と
前後方向に一致する位置)に載せ、ねじ17、17を仮
締めした状態で、タッチ重さを測定する。測定されたタ
ッチ重さが所望の値から若干ずれている場合には、両ね
じ17、17を少し緩めた状態で、重り13を鍵盤本体
2に対して所望のタッチ重さが得られる位置まで、前後
方向にスライドさせる。このときの重り13の調整可能
な範囲は、前方および後方へそれぞれ、長孔16の長さ
16とねじ17、17間の間隔L17-17 との差の1/2
(=(L 16−L17-17 )/2)である。所望のタッチ重
さが得られたならば、両ねじ17、17を締め付け、タ
ッチ重さの調整を終了する。以上のように、タッチ重さ
の調整量が小さい場合には、ねじ17、17を緩めた状
態で、重り13をスライドさせることによって、タッチ
重さを微調整することができる(以下、このようなタッ
チ重さの調整を「スライド微調整」という)。
【0025】一方、重り13を鍵盤本体2の標準位置に
載せたときのタッチ重さが、所望の値から大きくずれて
いる場合には、図4(a)に示すように、重り13をず
らしたい側と同じ側のねじ17を緩めるとともに、反対
側のねじ17を取り外した後、緩めたねじ17を中心と
して重り13を180度回転させる(同図(b)
(c))。次いで、ねじ17(第2のねじ)を長孔16
に係合し、ある程度、締め付けた状態で、必要に応じ、
重り13をスライドさせてその位置を微調整した後、両
ねじ17、17を締め付けることによって、タッチ重さ
の調整を終了する(同図(d))。
【0026】重り13を上記のように回転させたときの
変位量は、同図(c)に示すように、重り13の長さL
13と重り13の端から同じ側のねじ17までの距離L
13-17の2倍との差(=L13−2L13-17 )であり、こ
れにスライド微調整による調整量を加えると、調整可能
な最大範囲は、L13−2L13-17 +(L16−L17-17
/2となり、スライド微調整だけの場合よりも大きな調
整量が得られる。以上のように、タッチ重さの調整量が
大きい場合には、ねじ17、17の一方を緩め、他方を
取り外した状態で、重り13を180度回転させる(以
下、このようなタッチ重さの調整を「回転大調整」とい
う)とともに、スライド微調整を適宜、行うことによっ
て、タッチ重さを大きな調整量で調整することができ
る。
【0027】また、ピアノの使用後におけるタッチ重さ
の再調整も、上述した重り13のスライド微調整および
/または回転大調整によって、同様に容易に行うことが
できる。
【0028】以上のように、本実施形態の鍵盤1によれ
ば、重り13として、鉛以外の例えば鉄を採用するとと
もに、長孔16を形成した重り13を、鍵盤本体2の上
面に載置し、前後方向に位置決めしながら、ねじ17を
締め付けるだけで、タッチ重さを所望の値に無段階で調
整することができる。その結果、ピアノの組立時におけ
るタッチ重さの調整を、従来のような鍵盤本体への埋設
孔の加工や鉛のかしめ作業を必要とすることなく、容易
に行うことができる。また、ピアノの使用後におけるタ
ッチ重さの再調整も、ねじを一旦緩めた状態で、同様に
して容易に行うことができる。さらに、このようなタッ
チ重さの調整および再調整を、重りとねじだけという少
ない部品点数で実現することができる。
【0029】また、バランスピン4よりも後ろ側の鍵盤
1の部分は、通常、ケース部品に覆われていて、外部か
らはまったく見えないので、この部分に重り13を取り
付けても、ピアノの外観にはまったく影響を及ぼさな
い。さらに、バランスピン4よりも後ろ側の鍵盤の部分
は、ピアノの構造上、その上側には他の部品が近接して
設けられておらず、スペースに比較的余裕があるのが通
常であるので、重り13を鍵盤本体2の上面に配置する
ことにより、重り13が他の部品と干渉するおそれがな
いとともに、上方からのアクセスによって、重り13を
容易に取り付けることができる。また、鍵盤本体2は板
目材で構成されていて、上面へのねじ止めにより鍵盤本
体2の木目を横断する方向にねじ17が締め付けられる
ので、高いねじ締結力を確保することができる。
【0030】また、スライド微調整および/または回転
大調整を使い分けることによって、タッチ重さの調整
を、その調整量に応じて適切に行うことができる。さら
に、スライド微調整および回転大調整のいずれの場合に
も、2本または1本のねじ17を緩めた状態で取り付け
たまま、重り13をスライドまたは回転させるので、調
整作業を円滑に行うことができる。また、間隔を隔てて
配置した2つのねじ17、17で重り13を鍵盤本体2
に固定するので、重り13をがたつきのない安定した状
態で取り付けることができる。
【0031】図5は、本実施形態の変形例による重りを
示している。この変形例は、重り13を、3種類の重り
13A〜13Cで構成したものである。これらの重り1
3A〜13Cは、いずれも鉄製のもので、互いに同じ長
さを有し、同じ長さの長孔16が形成されている一方、
異なる厚さを有していて、厚さに応じた異なる所定の重
さをそれぞれ有している。
【0032】したがって、この変形例によれば、重り1
3A〜13Cの中から、必要な重さを有する1つを選択
し、鍵盤本体2に取り付けることにより、上述した重り
13の設置位置による調整とあいまって、タッチ重さを
より広い範囲で且つきめ細かく調整することができる。
【0033】なお、本発明は、説明した実施形態や変形
例に限定されることなく、種々の態様で実施することが
できる。例えば、上記の変形例では、重り13A〜13
Cの重さを、それらの厚さを変えることで異ならせてい
るが、これに代えて、あるいはこれとともに、重り13
の長さまたは材質を変えてもよい。材質を変える場合に
は、所要のタッチ重さを得ることが可能な、ある程度以
上の比重を有する、鉛以外の他の金属、プラスチック、
さらには金属とプラスチックとをブレンドした複合材料
などを適宜、採用することが可能である。また、重り1
3A〜13Cに加えて重り13の種類をさらに増やすこ
とによって、タッチ重さをより多段階にきめ細かく調整
するようにしてもよい。
【0034】また、実施形態では、2本のねじ17、1
7で重り13を固定しているが、その本数を増やしても
よいことはもちろんである。さらに、実施形態は、アコ
ースティックなアップライトピアノの鍵盤の例である
が、本発明は、アップライト型の電子ピアノあるいはグ
ランドピアノなどの他のタイプのピアノ鍵盤にも適用す
ることが可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内
で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のピアノの
鍵盤は、重りの材料として鉛に代わる代替材料を用いな
がら、少ない部品点数でタッチ重さを容易に調整するこ
とができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるアップライトピアノの
鍵盤を含む鍵盤装置を示す斜視図である。
【図2】図1の鍵盤の重りを取り付けた部分の構成、お
よび重りのスライドによるタッチ重さの調整方法を示す
斜視図である。
【図3】重りを下方から見た斜視図である。
【図4】重りの回転によるタッチ重さの調整方法を示す
斜視図である。
【図5】複数種類の重りを示す図である。
【図6】従来のアップライトピアノの鍵盤を含む鍵盤装
置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 鍵盤 2 鍵盤本体 4 バランスピン(鍵盤支点) 13 重り(13A〜13C) 13a 凹凸 13b 突起(凹凸) 16 長孔 17 ねじ L16 長孔の長さ L17-17 ねじ間の間隔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形の断面を有し、中央部において鍵盤
    支点に揺動自在に支持され、前後方向に延びる鍵盤本体
    と、 鉛以外の材料で構成され、前記鍵盤本体の上面の前記鍵
    盤支点よりも後ろ側に前後方向に沿って載置され、前後
    方向に沿って延び且つ上下方向に貫通する長孔を有する
    重りと、 この重りの前記長孔に上方から係合し、前記鍵盤本体に
    対して締め付けられることにより前記重りを前記鍵盤本
    体の前後方向の任意の位置に固定するねじと、 を備えることを特徴とするピアノの鍵盤。
  2. 【請求項2】 前記ねじは、前記鍵盤本体に前後方向に
    間隔を隔ててねじ込まれた複数のねじで構成されてお
    り、前記複数のねじのうちの最前位置および最後位置に
    位置する2つの前記ねじ間の間隔は、前記複数のねじを
    緩めた状態で前記重りを前後方向にスライドできるよう
    に前記重りの前記長孔の長さよりも短く設定されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のピアノの鍵盤。
  3. 【請求項3】 前記複数のねじのうちの前記最前位置お
    よび前記最後位置のねじの一方を緩め、他の前記ねじを
    取り外し、且つ前記重りを180度回転させた状態で、
    前記重りの前記長孔に上方から係合し、前記鍵盤本体に
    対して締め付けられることにより前記重りを前記鍵盤本
    体に固定する第2のねじをさらに備えていることを特徴
    とする、請求項2に記載のピアノの鍵盤。
  4. 【請求項4】 前記重りの下面に、前記鍵盤本体との間
    の摩擦抵抗を高めるための凹凸が形成されていることを
    特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のピア
    ノの鍵盤。
  5. 【請求項5】 前記重りが、互いに異なる重さを有する
    複数種類の重りで構成されていることを特徴とする、請
    求項1ないし4のいずれかに記載のピアノの鍵盤。
JP2001033504A 2001-02-09 2001-02-09 ピアノの鍵盤 Withdrawn JP2002236482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001033504A JP2002236482A (ja) 2001-02-09 2001-02-09 ピアノの鍵盤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001033504A JP2002236482A (ja) 2001-02-09 2001-02-09 ピアノの鍵盤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002236482A true JP2002236482A (ja) 2002-08-23

Family

ID=18897248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001033504A Withdrawn JP2002236482A (ja) 2001-02-09 2001-02-09 ピアノの鍵盤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002236482A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005031464A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd ピアノの打弦装置
JP2005049697A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd ピアノの打弦装置
CN102568444A (zh) * 2012-01-17 2012-07-11 上海艾克斯尔乐器音响有限公司 钢琴琴键克重调节系统

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005031464A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd ピアノの打弦装置
JP4648616B2 (ja) * 2003-07-07 2011-03-09 株式会社河合楽器製作所 ピアノの打弦装置
JP2005049697A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd ピアノの打弦装置
JP4518760B2 (ja) * 2003-07-30 2010-08-04 株式会社河合楽器製作所 ピアノの打弦装置
CN102568444A (zh) * 2012-01-17 2012-07-11 上海艾克斯尔乐器音响有限公司 钢琴琴键克重调节系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6124536A (en) Bridge mechanism for the acoustic guitar
US6774294B2 (en) Key for musical instrument
JP5488985B2 (ja) アップライトピアノ型アクション
US10249272B2 (en) Percussion instrument with adjustable auxiliary device
JP2002236482A (ja) ピアノの鍵盤
JP2004177434A (ja) 鍵盤楽器
US3738216A (en) Keyboard for musical instruments
JPH0990938A (ja) ピアノ用ハンマーおよびその成形方法
JP2008090167A (ja) 鍵盤楽器の鍵
JP2008090168A (ja) アップライトピアノのダンパー装置
GB2306244A (en) A tremolo effect unit
JP2002244649A (ja) ピアノの鍵盤
JP3823999B2 (ja) 鍵盤楽器の消音装置および鍵盤楽器
JP4783177B2 (ja) 鍵盤楽器の黒鍵
JP2000132168A (ja) 電子ピアノ
JP7443123B2 (ja) 電子鍵盤楽器の鍵盤装置
JP6551862B2 (ja) シンバル型打楽器、シンバルの回転規制装置
JP2001166769A (ja) 鍵 盤
JP3832131B2 (ja) 鍵盤楽器
JP2002175070A (ja) ハンマセンサ装置及び鍵盤楽器
US3554071A (en) Plastic piano action
JPS6213104Y2 (ja)
JPH058639Y2 (ja)
JP2001242853A (ja) 鍵盤楽器の鍵盤装置
JP2000132161A (ja) 鍵盤楽器及び鍵盤楽器の口棒の変形防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080513