JP2000132161A - 鍵盤楽器及び鍵盤楽器の口棒の変形防止方法 - Google Patents

鍵盤楽器及び鍵盤楽器の口棒の変形防止方法

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JP2000132161A
JP2000132161A JP10302657A JP30265798A JP2000132161A JP 2000132161 A JP2000132161 A JP 2000132161A JP 10302657 A JP10302657 A JP 10302657A JP 30265798 A JP30265798 A JP 30265798A JP 2000132161 A JP2000132161 A JP 2000132161A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造であるにも拘わらず口棒の変形を防
止できるようにした鍵盤楽器及び鍵盤楽器の口棒の変形
防止方法を提供する。 【解決手段】鍵盤楽器は、鍵盤が載置される筬30と、
この筬30からの離間距離が可変である木ねじ50と、
筬30からの離間距離が変更されることにより木ねじ5
0が当接可能な距離に配置された口棒70、とを備えて
いる。また、鍵盤楽器の口棒の変形防止方法は、鍵盤4
0が載置される筬30に対して出入自在な木ねじ50を
取り付け、この木ねじ50を筬30に出入させることに
より口棒70に当接するように調整し、以て、口棒70
の変形を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアコーステ
ィックピアノ、チェンバロ、オルガン、電子ピアノ、電
子オルガンといった口棒を有する鍵盤楽器に関し、特に
鍵盤楽器の口棒の変形を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鍵盤楽器の1つであるグランドピ
アノの鍵盤部分は、図3の側面図に部分的に示すよう
に、棚板10、口棒20、筬30及び鍵盤40から構成
されている。棚板10は筬30及び鍵盤40を載せる土
台となる板である。この棚板10の演奏者側となる端部
には、口棒20を取り付けるための数個のダボ穴11が
設けられている。
【0003】この棚板10の上には筬30が取り付けら
れており、鍵盤40を支持するようになっている。この
筬30の一端側の所定部位にはフロントピン31が打ち
込まれている。鍵盤40は、筬30の他の部位に設けら
れた図示しないバランスピンを支点に回動する。この
際、鍵盤40の裏面側に設けられた穴(図示しない)に
上記フロントピン31が挿脱され、鍵盤40の左右の振
れが防止されるようになっている。
【0004】また、口棒20はピアノの外装の一部を形
成するものである。この口棒20には上記ダボ穴に対応
する数のダボ21が埋め込まれており、このダボ21が
棚板10に設けられたダボ穴11に挿入されることによ
り、口棒20が棚板10に固定されるようになってい
る。この状態で、鍵盤40と口棒20との間には2〜3
mm程度のクリアランスが形成されるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記口棒2
0は、ピアノの間口の長さを有する細長い棒のために元
々反りやすい上に、ピアノの外観となる外側面だけに塗
装が施されているので、温度変化により鍵盤40の方向
に反りが発生する。また、梱包時の締め付け等によって
も反りが発生する。この口棒20が鍵盤40の方向に反
ると、鍵盤40の端部と口棒20とが接触するスティッ
クという現象が発生し、鍵盤40を操作できない状態に
なってしまう。この問題を解決するために、従来のピア
ノの口棒20には、図3に示すように、L金具22が取
り付けられている。
【0006】このL金具22を取り付けるためには、口
棒20をL金具22に適合するように加工し、更に、L
金具22を口棒20に固着するという作業が必要であ
る。これがピアノ全体のコストアップに繋がると共に、
ピアノの重量が増加する原因となっている。
【0007】本発明は、このような問題を解消するため
になされたものであり、簡単な構造であるにも拘わらず
口棒の変形を防止できるようにした鍵盤楽器及び鍵盤楽
器の口棒の変形防止方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に係
る鍵盤楽器は、上記目的を達成するために、鍵盤が載置
される筬と、該筬からの離間距離が可変である突起部
と、前記筬からの離間距離が変更されることにより該突
起部が当接可能な距離に配置された口棒、とを有するよ
うに構成されている。
【0009】この場合、上記突起部として木ねじを用い
ることができる。また、上記突起部としては、筬に固着
されたナットに螺合するボルトを用いてもよい。更に、
上記突起部として、上記筬と口棒との間を所定の距離に
保つためにこれらの間に挿入される部材を用いてもよ
い。
【0010】また、本発明の第2の態様に係る鍵盤楽器
の口棒の変形防止方法は、鍵盤が載置される筬に対して
出入自在な木ねじを取り付け、該木ねじを前記筬に出入
させることにより口棒に当接するように調整し、以て、
前記口棒の変形を防止するように構成されている。
【0011】本発明によれば、突起部としての木ねじを
回して、その先端部が口棒に当接するように調節するこ
とにより、筬と口棒との間に常に一定のクリアランスが
存在するように設定できる。これにより、木ねじを設け
るだけといった簡単な構造であるにも拘わらず口棒の変
形(反り)を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら詳細に説明する。なお、従来の技術の
欄で説明したピアノの鍵盤部分と同一又は相当部分には
同一の符号を付して説明を省略する。
【0013】図1は、本発明の実施の形態に係るピアノ
の鍵盤部分の構造を部分的に示す側面図である。この鍵
盤部分は、従来の技術の欄で説明したと同様に、棚板1
0、口棒70、筬30及び鍵盤40から構成されてい
る。
【0014】上記口棒70には、従来の技術の欄で説明
した口棒20と異なり、L金具22が取り付けられてい
ない。この口棒70には、木ねじ50の頭が当接するの
で、堅い材質の木を使用することが望ましい。
【0015】筬30の、口棒70に対向する側の木口に
は、木ねじ50が取り付けられている。木ねじ50とし
ては、例えば図2(A)に示すような丸頭ビス、丸頭タ
ッピングビス等を用いることが好ましい。また、木ねじ
50として、図2(B)に示すような、皿ビスにプラス
チック製のキャップを被せたものを用いることもでき
る。
【0016】筬30の木口と口棒70との間には、通常
3mm程度のクリアランスが確保される。ピアノの組立に
際しては、木ねじ50を筬30の木口にねじ込み、更に
左右に適宜回転させることにより該木ねじ50の頭頂部
が筬30の木口から3mm程度突出するように調整する。
その後、口棒70に形成されたダボ21を棚板10に設
けられたダボ穴11に挿入することにより口棒70を棚
板10に取り付ける。これにより、木ねじ50の頭頂部
が口棒70に接する状態に固定される。
【0017】この木ねじ50は筬30の間口方向の略中
央に1本又は複数本取り付けることが望ましい。口棒7
0の反りは、その中央付近で発生することが多いからで
ある。
【0018】以上の構造により、温度変化や梱包時の締
め付け等に因り、口棒70で発生する鍵盤40側への反
りを防止できる。また、従来、口棒に取り付けられてい
たL金具が不要になるので、コストダウン及び重量軽減
が可能になる。更に、口棒にL金具を取り付けるための
加工が不要になるので、ピアノの製造コストを低減でき
る。
【0019】なお、上述した実施の形態では、木ねじ5
0を筬30に取り付ける構成としたが、この木ねじ50
は口棒70に取り付けてもよい。但し、グランドピアノ
の場合は、ソフトペダルの踏み込みによって筬30が左
右に移動するため、通常堅木で作られる口棒側に木ねじ
の頭頂部が当たるように、筬側に木ねじを取り付けたほ
うが好ましい。この場合、木ねじ50の頭頂部は口棒7
0と接触しながら動くので、木ねじ50としてキャップ
を有する皿ビスを用いて、接触に基づく雑音を防止する
ように構成するのが好ましい。
【0020】また、筬に木ねじを取り付ける代わりに、
筬にナットを埋め込み、これにボルトを螺合させるよう
に構成してもよい。更に、筬に木ねじを取り付ける代わ
りに、筬に3mm程度の厚さを有する金属片、堅木片、樹
脂片等を接着するように構成してもよい。
【0021】また、上記木ねじとしては、例えば四角と
か六角の頭を有するものを用いることができる。この場
合、口棒を棚板に取り付けた状態であっても、この木ね
じを例えばスパナを用いて回転させることにより木ねじ
の突出量を調整できるので、容易に木ねじの頭頂部が口
棒に当接された状態に設定できる。
【0022】更に、上記実施の形態はアコースティック
ピアノについて説明したが、これに限らず、例えばチェ
ンバロ、オルガン、電子ピアノ、電子オルガンといった
口棒を有するあらゆる鍵盤楽器に適用できる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
簡単な構造であるにも拘わらず口棒の変形を防止できる
ようにした鍵盤楽器及び鍵盤楽器の口棒の変形防止方法
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るピアノの鍵盤部分の
構造を部分的に示す側面図である。
【図2】図1における木ねじとして使用されるビスの例
を示す図である。
【図3】従来のピアノの鍵盤部分の構造を部分的に示す
側面図である。
【符号の説明】
10 棚板 11 ダボ穴 21 ダボ 30 筬 31 フロントピン 40 鍵盤 50 木ねじ 70 口棒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍵盤が載置される筬と、 該筬からの離間距離が可変である突起部と、 前記筬からの離間距離が変更されることにより該突起部
    が当接可能な距離に配置された口棒、とを有することを
    特徴とする鍵盤楽器。
  2. 【請求項2】前記突起部は、木ねじで構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。
  3. 【請求項3】鍵盤が載置される筬に対して出入自在な木
    ねじを取り付け、 該木ねじを前記筬に出入させることにより口棒に当接す
    るように調整し、 以て、前記口棒の変形を防止することを特徴とする鍵盤
    楽器の口棒の変形防止方法。
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