JPH09237082A - 鍵盤楽器の自動演奏装置 - Google Patents

鍵盤楽器の自動演奏装置

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JPH09237082A
JPH09237082A JP8340085A JP34008596A JPH09237082A JP H09237082 A JPH09237082 A JP H09237082A JP 8340085 A JP8340085 A JP 8340085A JP 34008596 A JP34008596 A JP 34008596A JP H09237082 A JPH09237082 A JP H09237082A
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JP
Japan
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solenoid
key
yoke
support
solenoid unit
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JP8340085A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Kaneko
保敏 兼子
Kiyoshi Kawamura
潔 河村
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した押鍵動作が得られるとともに、棚板
の下方のスペースをとらず後付けタイプとしても好適で
あり、ソレノイドユニットの修理または交換が容易な鍵
盤楽器の自動演奏装置を提供する。 【解決手段】 棚板2の鍵盤の後端部に対向する位置
に、鍵1を横断する左右方向に沿った長い収納孔60を
形成し、この収納孔60に自動演奏装置を組み込んだ。
自動演奏装置は、棚板2に対してねじ92により上下方
向に位置調整が可能に取り付けられた支持体62と、支
持体62の中央プレート80に装着されたソレノイドユ
ニット63を有する。ソレノイドユニット63は、中央
プレート80の長孔84に通されるねじ111A、11
1Bにより、中央プレート80の前後に交互に(千鳥状
に)取り付けられている。ソレノイドユニット63は、
千鳥配列なので相互の距離を必要なだけ確保でき、安定
した推力が得られる大きさのものを用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピアノなどの鍵盤
楽器に取り付けて自動的に演奏させる自動演奏装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鍵盤楽器の自動演奏装置は、鍵
に対向配置したソレノイドユニットのプランジャを、鍵
の回動端部に突出させて押鍵動作を行うよう構成されて
いる。この種の自動演奏装置として、実公昭62−37
269号公報には、2つの形式が開示されている。一つ
は、鍵を横断する方向に沿って延在する固定板が棚板の
下方に設けられ、この固定板の後面に、ソレノイドユニ
ットのソレノイドが上下2段かつ千鳥状に配列され、各
ソレノイドユニットのプランジャが鍵の後端部を下から
押し上げる構成となっている。もう1つは、ソレノイド
ユニットを構成する1つの長いヨーク構成体が鍵を横断
する方向に沿って設けられ、このヨーク構成体に、ソレ
ノイドが同一の高さに1列に配列されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の場合、左右に隣
接するソレノイド同士の干渉が避けられるので、鍵に対
して押鍵動作を与えるのに十分な推力を有する大きさの
ソレノイドを用いることができる利点がある。しかしな
がら、下列のソレノイドと鍵との間が大きく離れてしま
うので、どうしてもプランジャを長くせざるを得ない。
プランジャが長いと、プランジャに振動や曲がりなどの
不具合が発生しやすく、それによって押鍵動作が不安定
になることが想定される。また、ソレノイドを上下2段
に配列したことにより、棚板の下方への支持体の突出長
さが大きくなってしまい、棚板の下方に配置される部品
(たとえばペダル連動機構など)と干渉する可能性が大
きい。このため、設置が煩雑となり、さらには、既製の
ピアノへの後付けには適さないものであった。
【0004】一方、後者の場合、ソレノイドは横1列に
配列されているので前記の問題は生じないが、その代わ
りに、ソレノイドの大きさ、すなわちコイルの巻線数な
どを鍵のピッチに応じたものとしなければならない。鍵
のピッチは、一般に13〜15mm程度であり、この範囲
内に収まるソレノイドでは、人間が強く押鍵したときと
同様の推力を得るのは困難だった。
【0005】前記のいずれの問題も解決する技術として
は、実開昭58−38195号公報または実開平2−9
5394号公報に開示されたものがある。これらの技術
では、複数のソレノイドを同一高さに設けながらも、こ
れらを千鳥状に配置することにより、ソレノイドの横方
向のサイズを大きくすることができる。しかしながら、
これらに開示された技術では、ソレノイドを箱状のフレ
ームの内部に取り付けるようにしている。このために、
ソレノイドはフレームを解体しない限り、外部に取り出
すことは不可能である。従って、一つのソレノイドユニ
ットまたはその中のいずれかの部品を修理・交換する場
合でさえも、鍵盤楽器の棚板から一旦取り外したフレー
ムを解体しなければならなかった。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、安定した押鍵動作が得られるとともに、棚板の下
方のスペースをとらず後付けタイプとしても好適であ
り、ソレノイドユニットの修理または交換が容易な鍵盤
楽器の自動演奏装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鍵盤楽器の
自動演奏装置は、プランジャと、このプランジャをほぼ
垂直方向に移動させるソレノイドとを有し、前記プラン
ジャにより複数の鍵に対してそれぞれ打鍵を行う複数の
ソレノイドユニットと、前記ソレノイドユニットを支持
する支持体とを備え、前記複数のソレノイドが 前記支
持体の前方と後方に装着され、平面視して千鳥状に配置
されていることを特徴とする。この構成によれば、支持
体の前後に平面視して千鳥状にソレノイドを配置したこ
とにより、隣接するソレノイドの間の距離を大きくとる
ことができる。このため、ほぼ同じ高さにソレノイドを
配置できるから、プランジャの長さを大きくする必要が
なく、押鍵動作を安定化させることができる。しかも自
動演奏装置の上下の長さを小さくすることができ、下方
に配置される部品と干渉するのを避けることができる。
これに加えて、ソレノイドの大きさを大きくでき、この
ため、押鍵動作のための推力を高めることも可能であ
る。さらに、支持体の前方と後方にソレノイドユニット
を装着することにより、支持体を分解することなく、支
持体からソレノイドユニットを取り外すことができる。
従って、ソレノイドユニットの修理または交換がきわめ
て容易に行える。
【0008】前記ソレノイドユニットは、前記ソレノイ
ドの磁路の一部をなすヨークを備え、前記ヨークは前記
ソレノイドの三方を囲み、前記ソレノイドとともに前記
支持体に装着されており、前記支持体は、前記ソレノイ
ドの磁路の他の一部をなすように、少なくとも磁性材料
により形成された部分を有すると好ましい。この場合に
は、ヨークがソレノイドの磁路の主部をなすのに加え
て、ヨークが装着される支持体が磁路の他の一部をなす
ことにより、ソレノイドの推力を高めることが可能であ
る。しかも、支持体を磁路の一部として利用することに
より、磁路の一部を設ける特別な部品を使用する必要が
なく、部品点数の削減および製造コストの低減を図るこ
とが可能である。また、かかる高い推力を実現する磁路
は、ヨークを支持体に装着するだけで形成でき、特殊な
作業を伴わないので、組立ての容易化が図られる。前記
ヨークのうち前記ソレノイドよりも前記支持体から離れ
た部分は、正面視して、上端または下端に向かうにつれ
て幅が狭くなるように形成されていると好ましい。これ
によれば、隣接するソレノイドユニットの間にドライバ
等の締め付け用工具を差し入れて、ソレノイドユニット
を支持体に対して着脱するのが容易に行える。また、幅
が一様な場合に比べて、ソレノイドユニットを軽量化す
ることができる。
【0009】前記ソレノイドユニットは、移動手段を介
して横方向に移動可能に前記支持体に装着されていると
好ましい。これによれば、移動手段により、ソレノイド
ユニットを鍵に対応させるための位置調整あるいはピッ
チ調整が容易であり、組み込みの自由度が図られるとと
もに、既製のピアノへの後付けタイプとして好適であ
る。前記移動手段は、前記支持体に形成された横方向に
長い長孔と、少なくとも一部が前記長孔に進入して前記
ソレノイドユニットと前記支持体とを締結する締結手段
とを備えると好ましい。この場合、移動手段を簡易な構
成にすることができる。
【0010】前記長孔は、少なくとも上下二列に配列さ
れており、各列に複数の前記長孔が配置されており、上
列と下列の長孔が横方向にずれていると好ましい。これ
に対して、横方向にきわめて長い一つの長孔を支持体に
形成したとしても、一応、ソレノイドユニットを横方向
に移動可能なように支持体に装着することは可能であ
る。しかし、一つの長孔の場合には、多数の鍵を打撃可
能なように、ソレノイドユニットを多数装着するには、
長孔の長さがきわめて大きくなり、その分、支持体の剛
性が極端に低下することになる。一方、複数の長孔を横
方向に一列に配列することも考えられる。しかし、この
場合には、隣接する長孔同士の間には、ソレノイドユニ
ットを装着することが不可能である。そこで、上記のよ
うに、少なくとも二列に長孔を配列し、各列に複数の長
孔を配置することにより、長孔同士の間には、支持体の
剛的な連った部分が残存し、支持体の剛性を大きく低下
させることはない。しかも、上下の列の長孔を横方向に
ずらして、千鳥状にすることにより、上の列の長孔では
ソレノイドユニットを装着できない位置でも、下の列の
長孔を使えばソレノイドユニットを装着することが可能
である。従って、打撃すべき鍵の位置に応じた任意の位
置にソレノイドユニットを装着することが可能である。
【0011】前記支持体には、前記ソレノイドと前記鍵
との間の距離を調整する位置調整手段が設けられている
と好ましい。この場合、ピアノへ組み込んだ際、位置調
整手段により、ソレノイドと鍵との間の距離を適宜に設
定し直すことが容易に行えるため、プランジャの先端部
と鍵との間隔を最適化することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本実施形態の自動演奏装
置が組み込まれたグランドピアノの主要部を示してお
り、まずこのピアノの構成を説明する。
【0013】A.ピアノの構成 A−1.全体構成 図1の符号1は鍵であり、演奏者は、鍵1の、図におけ
る左側の前端部を押鍵して演奏する。鍵1は、棚板2の
上にキーベッド3を介して布設された筬中4に、バラン
スピン5を介して回動自在に支持されている。このよう
にして、複数の鍵1が図面の表裏方向である左右方向に
並設され、鍵盤が構成されている。棚板2は、脚6の上
端に脚桁7を介して水平に固定されている。また、符号
8、9は、棚板2の下面に設けられたペダル持竿および
ペダル笠木であり、ペダル笠木9には、下方に延びるペ
ダル吊り10が支持されている。ペダル吊り10の下端
には、図示せぬソフトペダル、ラウドペダルおよびソス
テヌートペダルが設けられている。これらペダルは、そ
れぞれ、音を弱める、音を強める、音を延ばす、ための
ペダルである。これらペダルの操作は、図2(鍵盤を省
略した棚板2の上面図)に示すように、ソフトペダルレ
バー11、ラウドペダルレバー12およびソステヌート
ペダルレバー13を介して図示せぬ所定の機構に伝えら
れるようになっている。なお、このペダル関連の機構
は、周知のピアノと同様であるため、詳細な説明は省略
する。
【0014】A−2.ハンマアクション部 鍵1の後端部の上方には、前後方向に水平に延びる前記
弦が鍵1に対応して張られている。この弦と鍵1との間
に、鍵1の動作によって弦を打撃するハンマアクション
部20が設けられている。図3により、そのハンマアク
ション部20を説明する。
【0015】図3の符号21、22は、ピアノの左右方
向に延在して水平に設けられた固定部材であるサポート
レールおよびシャンクレールである。サポートレール2
1の後端部には、鍵1に沿って配設されたウイペン23
の後端部が、ピン24により回動自在に結合されてい
る。ウイペン23の自由端部である前端部には、ジャッ
ク大25aとジャック小25bとからなる略L字状(図
3では逆L字状)のジャック25が、その屈曲部近傍部
分において回動自在にピン結合されている。ウイペン2
3は、長手方向の中央やや前方よりの部分が、キャプス
タン26を介して鍵1に支持され、鍵1が押下されると
上方に突き上げられるようになっている。
【0016】ウイペン23の中央部には上方に延びる支
柱27が固定されており、この支柱27の上端部には、
レペティションレバー28の中間部が回動自在にピン結
合されている。レペティションレバー28の前端部に
は、上下方向に貫通する長孔28aがレペティションレ
バー28の長手方向に沿って形成されており、この長孔
28aに、前記ジャック大25aの上端部が挿通されて
いる。
【0017】前記シャンクレール22の上面にはシャン
クフレンジ30が固定されており、このシャンクフレン
ジ30には、ハンマ31が回動自在にピン結合されてい
る。ハンマ31は、ハンマシャンク32の先端にハンマ
ヘッド33が固定されてなるもので、ハンマシャンク3
2の基端部が、シャンクフレンジ30に回動自在にピン
結合されている。ハンマシャンク32の、シャンクフレ
ンジ30へのピン結合部のやや後方部分に当たる下面に
は、水平方向を軸とするローラ34が装着されている。
このローラ34の下面は、ジャック大25aの上端面と
の間に僅かな隙間があいた状態で、レペティションレバ
ー28の上面に当接している。また、シャンクレール2
2には、シャンクレール22に沿ってレギュレーティン
グレール35が固定されている。このレギュレーティン
グレール35には、上下方向に位置調整可能とされたレ
ギュレーティングボタン36が設けられている。このレ
ギュレーティングボタン36の下端面には、ジャック小
25bの先端部が当接するクロスなどのクッション36
aが取り付けられている。また、鍵1の最後端部には、
ハンマヘッド33へ向かって延びるバックチェック37
が取り付けられている。
【0018】以上がハンマアクション部20であり、こ
のハンマアクション部20の奥側には、弦を押さえるダ
ンパ機構40が設けられている。符号41は、鍵盤の全
長にわたって設けられたダンパレールである。このダン
パレール41には、ダンパレバーフレンジ42を介し
て、前後方向に延びるダンパレバー43の一端が回動自
在にピン結合されている。ダンパレバー43は、各鍵1
に対応して設けられている。ダンパレバー43の自由端
部である前端部には、ダンパブロック44が回動自在に
取り付けられ、このダンパブロック44には、上方に延
びるダンパワイヤ45が取り付けられている。このダン
パワイヤ45の上端に、弦を上から押さえる図示せぬダ
ンパが取り付けられている。このダンパ機構40によれ
ば、押鍵された鍵1の後端部によりダンパレバー43が
突き上げられ、前記ハンマ33が弦を打撃する直前に、
ダンパが弦から上に離れるようになっている。したがっ
て、押鍵されていない鍵1に対応する弦の共振が防がれ
る。
【0019】前記ハンマアクション部20の作用は以下
の通りである。鍵1が押下されると、ウイペン23はキ
ャプスタン26により突き上げられ、図3においてピン
24を中心として時計回りに回動する。すると、ジャッ
ク大25aがローラ34を突き上げてハンマシャンク3
2を反時計回りの方向に回動させ、ハンマヘッド33
が、押鍵された鍵1に対応する弦を打撃する。これによ
ってその鍵1に応じた楽音が発せられる。この打弦動作
の際、ハンマヘッド33が弦を打撃する手前でジャック
小25bが反時計回りに回動することにより、ジャック
大25aの上端部が前方に移動してローラ34と離れ、
また、ジャック小25bの先端がレギュレーティングボ
タン36のクッション36aに当接する。ハンマヘッド
33は、弦を打撃した後、弦の反発力と自重により下方
に回動し、バックチェック37で受けられ静止する。
【0020】次に、鍵1が離されると、ウイペン23が
反時計回りに、ハンマシャンク32が時計回りに、それ
ぞれ回動する。これに伴って、ジャック小25bがレギ
ュレーティングボタン36から徐々に離れ、ジャック大
25aが時計方向に回転してローラ34の真下へ移動し
て再び当接し、押鍵前の初期状態に戻る。
【0021】A−3.キーセンサおよびハンマセンサ 図1に示すように、前記キーベッド3の、鍵1の前端部
に対向する位置には、押鍵動作(打弦タイミングおよび
打弦速度)を検出するキーセンサ50が設けられてい
る。このキーセンサ50は、検出素子としてたとえば光
センサが採用されており、鍵1の下面に取り付けられた
シャッタ51によって変化させられる光量に基づいて信
号を出力し、その信号は、再生演奏時に鍵1を駆動する
ための演奏データとしてフロッピディスクなどの記録手
段に記録される。
【0022】また、このピアノには、ハンマシャンク3
2の動作に基づいて押鍵動作を検出する図示せぬハンマ
センサが設けられている。このハンマセンサは、前記キ
ーセンサ50と同様の構成であり、ハンマシャンク32
におけるローラ34のやや後側に取り付けられたシャッ
タ52(図1および図3に示す)により、ハンマシャン
ク32の動作を検出する。ハンマセンサの検出信号は、
前記記録手段に記録される。
【0023】この記録手段は、たとえば棚板2の前面に
設けられた図示せぬ読み取り装置に挿脱されるようにな
っており、この読み取り装置で読み取られた演奏データ
が、後述するコントローラに入力されるようになってい
る。
【0024】B.自動演奏装置の構成 続いて、本実施形態の自動演奏装置について説明する。
図1ないし図3に示すように、前記棚板2における鍵1
の後端部に対向する部分には、鍵盤の全長にわたって延
びる長い長方形状の収納孔60が形成されており、この
収納孔60に、本実施形態の自動演奏装置61が組み込
まれている。この自動演奏装置61は、鍵1の後端部を
押し上げることにより鍵1に押鍵動作を与えるもので、
図4に示すように、棚板2に着脱自在に取り付けられた
支持体62と、この支持体62に鍵1に対応して装着さ
れた複数のソレノイドユニット63とから構成されてい
る。
【0025】B−1.支持体 支持体62は、ベースプレート70と、このベースプレ
ート70に取り付けられた中央プレート80との組み合
わせで構成されている。これらプレート70、80のう
ち、少なくとも中央プレート80は、軟鉄などの磁性材
料でできている。図4および図5に示すように、ベース
プレート70は、断面略コ字状で、棚板2の収納孔60
に応じた長さを有し、幅方向端部に鍔71が形成されて
いる。両方の鍔71には、ベースプレート70の長手方
向に延びる長孔72が等ピッチに形成されている。ベー
スプレート70は、開放された側面を下に向けて配置さ
れるもので、上部に当たる水平板部73には、幅方向中
央部の取付孔74と、両端部のリード通し孔75とが、
長手方向に沿って交互に、かつ等ピッチに形成されてい
る。これらはいずれも角孔で、取付孔74は中央プレー
ト80を取り付けるための孔であり、リード通し孔75
は、後述する基板120のリード121を通すための孔
である。水平板部73の取付孔74の片側には、幅方向
に並ぶ一対の透孔76が形成されている。
【0026】中央プレート80は、図6に示すように、
ベースプレート70と同等の長さを有する平らなプレー
ト本体81の幅方向一端から複数の取付片82が屈曲形
成されてなるものである。取付片82は、ベースプレー
ト70の取付孔74に嵌合可能な幅を有する長方形であ
り、取付孔74と同ピッチにプレート本体81の長手方
向に沿って形成されている。取付片82には、一対のね
じ孔83が形成されている。また、プレート本体81の
幅方向両端部には、長手方向に延びる複数の長孔84
が、2列ずつ等ピッチで形成されている。ここで、プレ
ート本体81の外側に並ぶ長孔84、84…からなる列
を長孔列84A、内側に並ぶ長孔84、84…からなる
列を長孔列84Bとする。上段と下段のそれぞれにおい
て、長孔列84Aに属する長孔84と、長孔列84Bに
属する長孔84は、横方向にずれており、正面視して千
鳥状を呈している。また、上段と下段の外側の長孔84
同士、内側の長孔84同士が、幅方向に揃った状態で形
成されている。長孔84のピッチは、鍵1のピッチとほ
ぼ等しく設定されている。
【0027】中央プレート80は、次のようにベースプ
レート70に取り付けられている。各取付片82を、ベ
ースプレート70の閉塞側の側面から各取付孔74に挿
入するとともに、水平板73の内面に合わせる。する
と、取付片82の一対のねじ孔83が、ベースプレート
70の取付孔の片側の一対の透孔76にそれぞれ合致す
る。そして、図4に示すように、透孔76に通したねじ
85をねじ孔83にねじ込む。これにより、中央プレー
ト80はベースプレート70に取り付けられ、支持体6
2が構成される。
【0028】図4に示すように、前記支持体62は、棚
板2の下面における収納孔60の前後の縁部にねじ止め
されたブラケット90を介して棚板2に取り付けられて
いる。ブラケット90には、ベースプレート70の鍔7
1に形成された透孔72と同ピッチでねじ孔91が形成
されている。支持体62は、ベースプレート70の水平
板部73を上にし、かつ中央プレート80を立てた状態
で、鍔71の透孔72をブラケット90のねじ孔91に
合致させ、透孔72に通したねじ92をねじ孔91にね
じ込むことにより、ブラケット90に取り付けられてい
る。支持体62は、透孔72による長手方向への位置調
整と、ブラケット90へのねじ92のねじ込み量による
上下方向への位置調整とができるようになっている。す
なわち、ねじ92が、ソレノイドユニット63と鍵1と
の間の距離を調整する位置調整手段として構成されてい
る。
【0029】このような棚板2に対する支持体62の取
付状態において、ベースプレート70は収納孔60の下
方に配置されるとともに、その上端部が収納孔60に嵌
入可能とされている。また、中央プレート80のプレー
ト本体81は、収納孔60の長手方向に沿って配置さ
れ、ほぼ鉛直に立ち、かつ収納孔60の幅方向の中央寄
りに配されるようになっている。
【0030】なお、図4に示すように、支持体62の下
方には、前記ねじ92が抜け落ちても支持体62つまり
は自動演奏装置61が床まで落下するのを防止するブロ
ック帯93が、棚板2に固定されている。このブロック
帯93は断面コ字状で、両端部が棚板2の下面にねじ止
めされており、たとえば、支持体62の長手方向に、適
宜に2〜3個設けられている。
【0031】B−2.ソレノイドユニット 前記中央プレート80のプレート本体81の両面すなわ
ち前後の面は、前記ソレノイドユニット63の取付面8
1a、81bとされている。次に、そのソレノイドユニ
ット63について説明する。ソレノイドユニット63
は、図4、図7および図8に示すように、磁性材料から
なり磁路の主部を形成するヨーク100と、このヨーク
100に組み込まれたソレノイド101と、このソレノ
イド101に嵌挿されたプランジャ102とから構成さ
れている。
【0032】ヨーク100は、図7に示すように、断面
クランク形状の第1のヨーク100aと断面コ字状の第
2のヨーク100bとがねじ103、104で互いに結
合されてなるもので、全体としてコ字状の両端に鍔10
5が形成された断面形状を有している。ヨーク100
は、開放側の側面が中央プレート80のプレート本体8
1に向けられ、鍔105が上下に配されて取り付けられ
るようになっている。この取付状態において、互いに対
向する上下の水平片部106には、それぞれ挿通孔10
7が形成されている。また、上下の鍔105には、上下
一対のねじ孔108A、108Bがそれぞれ形成されて
いる。
【0033】ソレノイド101は、軸心に貫通孔110
aを有する円筒状のボビン110と、このボビン110
に巻かれた図示せぬコイルとから構成されている。この
ソレノイド101は、前記ヨーク100の内側の凹部
に、ボビン110の両端のフランジが上下の水平片部1
06に当接する状態で組み込まれている。ソレノイド1
01はこれら水平片部106に挟まれ、水平片部106
にわたって装着される前記ねじ104により脱落不能に
ヨーク100に固定される。
【0034】ボビン110の貫通孔110aとヨーク1
00の上下の挿通孔107とは連続し、この連続孔に、
前記プランジャ102が摺動自在に嵌挿されている。プ
ランジャ102は磁性材料でできており、上下の端部
が、水平片部106からそれぞれ上下に突出している。
プランジャ102の上端部には、下動を規制する環状の
ストッパ102aが一体に形成されている。
【0035】さて、このソレノイドユニット63は、図
8に示すように、前記中央プレート80の前後の取付面
81a、81bに、平面視して千鳥状になるように取り
付けられている。その取り付けには、上下段それぞれの
長孔列84A、84Bが利用され、この場合、外側の長
孔列84Aに属する長孔84が前側に取り付けるための
もの、内側の長孔列84Bに属する長孔84が後側に取
り付けるものとされている。
【0036】前側の取付面81aにソレノイドユニット
63を取り付けるには、図4および図8に示すように、
ヨーク100の上下の鍔105を取付面81aに合わせ
るとともに、上下一対のねじ孔108A、108Bのう
ちの外側の各ねじ孔108Aを上下段の外側の長孔列8
4Aに合わせ、これら長孔列84Aに属する長孔に後側
から通したねじ111Aをねじ孔108Aにねじ込む。
また、後側の取付面81bにソレノイドユニット63を
取り付けるには、ヨーク100の上下の鍔105を取付
面81bに合わせるとともに、上下一対のねじ孔108
A、108Bのうちの内側のねじ孔108Bを、上下段
の内側の長孔列84Bに合わせ、これら長孔列84Bに
属する長孔前側から通したねじ111Bをねじ孔108
Bにねじ込む。ソレノイドユニット63は、長孔84の
長さ分だけ左右方向に移動可能となっている。すなわ
ち、長孔84およびねじ111A、111Bが、ソレノ
イドユニット63を左右方向に移動可能とする移動手段
として構成されている。
【0037】このような取付け方により、ソレノイドユ
ニット63は、図8に示すように、プランジャ102
が、鍵1の後端部の直下に配置されるように、かつ隣接
する鍵1と前後の配置を交互にされながら平面視して千
鳥状に配列されている。すなわち、前後の各ソレノイド
ユニット列63A、63Bのピッチは、鍵1の2ピッチ
分に対応している。なお、ねじ111A、111Bを緩
め、長孔84に沿って中央プレート80に対するヨーク
100の取付位置を調整することにより、プランジャ1
02を鍵1の後端部の直下に配置することが容易に行え
る。しかも、簡単な構成でソレノイドユニット63を横
方向に移動させることができる。このように、中央プレ
ート80は、各ソレノイドユニット63を支持する。ま
た、前述の如く磁性材料でできていることから、中央プ
レート80は、ヨーク100とともに各ソレノイド10
1の磁路を形成する磁路形成部として成り立っている。
【0038】さて、図6に示すように、支持体62の中
央プレート80の上段に上下二列の長孔84を形成し、
下段にも上下二列の長孔84を形成している。ここで、
上段と下段に長孔84を形成しているのは、上記のよう
に、ヨーク100の二カ所をねじで中央プレート80に
締結し、ソレノイドユニット63の振動や揺動を防止す
るためである。
【0039】また、各段に上下二列の長孔84を配列
し、各列に複数の長孔84を設け、しかも上列と下列の
長孔84が互いにずれて千鳥状になっているのは、次の
理由による。まず、ソレノイドユニット63を横方向に
移動可能に締結するには、単に一列または上段と下段に
一列ずつの長孔を中央プレート80に形成することも一
応は考えられる。しかし、多数の鍵を打撃可能なよう
に、多数のソレノイドユニット63を中央プレート80
に装着するには、一つの長孔では、その長孔の長さをき
わめて大きくせざるをえない。そのような長孔では、中
央プレート80の剛性が極端に低下する。
【0040】一方、複数の長孔を横方向に一列だけ配列
したり、上段と下段に各一列だけずつ配列することも考
えられる。この場合、隣接する長孔同士の間には、中央
プレート80の剛的な連なった部分が残存するから、剛
性の低下は大きくない。しかし、隣接する長孔同士の間
には、ソレノイドユニットを装着することは不可能であ
る。
【0041】そこで、上段と下段のそれぞれにおいて、
二列に長孔84を配列し、各列に複数の長孔84を配置
し、しかも、各段において、上下の列の長孔84を横方
向にずらして千鳥状にすることにより、打撃べき鍵の位
置に応じて任意の位置にソレノイドユニット63を装着
することが可能である。すなわち、打撃すべき鍵の直下
に、長孔列84Aに属する長孔84がなければ、長孔列
84Bに属する長孔84とヨーク100のねじ孔108
Bを利用すればよく、長孔列84Bに属する長孔84が
なければ、長孔列84Aに属する長孔84とネジ孔10
8Aを利用すればよい。
【0042】上記の説明では、中央プレート80の前側
に装着するソレノイドユニット63のヨーク100は、
上下段の外側の長孔列84Aに属する長孔84とねじ孔
108Aを利用して装着し、中央プレート80の後側に
装着するソレノイドユニット63のヨーク100は、上
下段の内側の長孔列84Bに属する長孔84とねじ孔1
08Bを利用して装着するものとしたが、ソレノイドユ
ニット63が中央プレート80の前後のいずれに装着さ
れるかにより、長孔列84A、84Bのいずれを利用す
るかを決める必要はない。むしろ、鍵の直下にプランジ
ャ102が位置するように、最適な長孔84を選択し
て、ヨーク100を装着すればよい。これにより、例え
ば、鍵1のピッチと長孔84のピッチとが、完全に対応
していない場合などにも、ソレノイドユニット63の最
適な位置への装着が容易に行えることになる。
【0043】図4に示すように、支持体62のベースプ
レート70の下面には、ソレノイド101を駆動する駆
動回路が設けられた基板120が固定されており、この
駆動回路からの駆動電流がソレノイド101のコイルに
供給され、ソレノイドユニット63が作動するようにな
っている。コイルと駆動回路とは、ベースプレート70
に形成されたリード挿通孔75に通されたリード121
により接続されている。基板120の駆動回路には、図
示せぬ別の基板に設けられた制御回路から制御電流が供
給される。その基板には、演奏データに基づいて駆動回
路に制御電流を出力する前述のコントローラが組み込ま
れている。なお、制御回路およびコントローラは、前記
基板120に一括して設けられていてもよい。
【0044】C.自動演奏装置の作用ならびにそれに伴
う効果 次いで、前記支持体62に、鍵1に対応してソレノイド
ユニット63が取り付けられた本実施形態の自動演奏装
置61の作用を説明する。前記記録手段に記録された演
奏データが、時間経過にしたがって順次読み出される。
この演奏データに基づき、基板120の駆動回路から駆
動電流がソレノイド101のコイルに供給されると、ソ
レノイド101の断面を巡回する磁場が発生する。その
際、ヨーク100と中央プレート80とが、磁路として
機能する。発生した磁場により、プランジャ102に上
方へ向かう力が作用し、プランジャ102は上動して鍵
1の後端部を突き上げる。なお、的確に押鍵動作がなさ
れるように、ベースプレート70の高さを調整すること
により、プランジャ102の上端と鍵1との間を適宜な
間隔(たとえば0.5〜1mm程度)に設定しておく。こ
れによって、押鍵動作した際と全く同様にハンマアクシ
ョン部20が作動して楽音が奏される。この押鍵動作が
終了すると、ソレノイド101への駆動電流の供給が停
止され、プランジャ102は下動して元の位置に戻る。
このようなソレノイドユニット63のプランジャ102
の動きにより、演奏データに基づいた押鍵動作がなさ
れ、自動演奏される。
【0045】さて、この自動演奏装置61にあっては、
ソレノイドユニット63は、支持体62の中央プレート
80の前後の取付面81a、81bに交互に取り付けら
れているので、左右に隣接するソレノイド101の間の
距離を十分にとることができる。このため、ソレノイド
101を、押鍵動作を与えるのに十分な推力を有する大
きさのものにすることが可能である。例えばコイルの巻
き線数を多くすることができ。また、ソレノイド101
は、鍵1のピッチが比較的小さいタイプのピアノにも、
十分に設置可能である。また、中央プレート80の前後
にソレノイドユニット63を千鳥状に設けることによ
り、ソレノイド101を同じ高さに配置することができ
るので、プランジャ102は、振動や曲がりなどの不具
合が発生しにくい必要最低限の長さのものでよい。これ
らのことから、押鍵動作の安定化が図られる。
【0046】また、ソレノイド101を同一の高さにす
ることができるから、自動演奏装置の上下の長さを小さ
くすることができる。これにより、自動演奏装置の大部
分が、棚板2に形成された収納孔60の中に収まり、棚
板2の下方への突出長さが抑えられるので、棚板2の下
方に配置される部品(たとえば前記ソフトペダルレバー
11、ラウドペダルレバー12、ソステヌートペダルレ
バー13など)と干渉する可能性がほとんどない。これ
に加え、各ソレノイドユニット63は、左右方向へ個別
に移動可能で位置調整あるいはピッチ調整が容易である
ことに加え、自動演奏装置自体の高さ調整もできる。し
たがって、組み込みが容易であり、既製のピアノへの後
付けタイプとしてもきわめて好適である。
【0047】さらにまた、支持体62の中央プレート8
0の前方と後方にソレノイドユニット63を装着するこ
とにより、支持体62を分解することなく、支持体62
からソレノイドユニット63を取り外すことができる。
支持体62からソレノイドユニット63を取り外すに
は、支持体62を棚板2から取り外せば足りる。従っ
て、ソレノイドユニット63の修理または交換がきわめ
て容易に行える。
【0048】ここで、支持体62は、棚板2に直接固定
されるのではなく、前後のブラケット90を介して棚板
2に固定されるようになっている。支持体62を、ソレ
ノイドユニット63の修理や交換のため、棚板2から取
り外す場合に、支持体62を棚板2に直接固定してある
と、木製の棚板2に損傷を与えるおそれがある。たとえ
ば、ねじで固定してあると、支持体62の着脱の繰り返
しにより、棚板に形成されたねじ孔のねじ山を破壊する
ことがありうる。しかし、上記のように、ブラケット9
0を介して支持体62を棚板2に固定することにより、
ねじ92を緩めて支持体62をブラケット90から取り
外せば、ソレノイドユニット63の修理や交換を行うこ
とができ、棚板2には何の悪影響も与えることがない。
【0049】さらに、各ソレノイド101は、その側方
と、その軸線方向の両側である上方および下方の三方を
全体としてコ字状のヨーク100で囲まれており、この
ヨーク100によりソレノイド101の磁路の主部が設
けられている。そして、ソレノイド101とヨーク10
0からなるユニット63が、支持体62の中央プレート
80に取り付けられている。中央プレート80は、磁性
材料からなり、ソレノイド101の磁路の他の一部をな
す。ソレノイド101のコイルに駆動電流が供給される
と、ソレノイド101には垂直方向に磁場が発生する。
この磁場は、ソレノイド101よりも前方においては、
ほぼ断面コ字状の磁路であるヨーク100を巡回し、ソ
レノイド101よりも後方においては、ヨーク100の
上下の水平片部106と中央プレート80とで構成され
るほぼ断面コ字状の磁路を巡回する。
【0050】このように、ソレノイド101には前方と
後方に磁路が設けられるため、これらの磁路がない場合
やヨーク100だけで片方の磁路を設けた場合に比べ
て、プランジャ102に強い上昇力を与えることが可能
である。しかも、支持体62の中央プレート80を磁路
の一部として利用することにより、磁路の一部を設ける
特別な部品を使用する必要がなく、部品点数の削減およ
び製造コストの低減を図ることが可能である。また、か
かる高い推力を実現する磁路は、ヨーク100を中央プ
レート80に装着するだけで形成でき、特殊な作業を伴
わないので、組立ての容易化が図られる。
【0051】D.ソレノイドユニットの変形例 図9は、ヨーク100の変形例を示している。この場合
のヨーク100は、第1のヨーク100aの下部が、図
9(c)に示すように、下方に向かって漸次幅が小さく
なるテーパ状に形成されている。この下部は、上下に延
びる中心線に対してほぼ線対称になっている。この下部
に合わせられ、第1のヨーク100aにねじ103で結
合される第2のヨーク100bの結合片120も、同様
にテーパ状に形成されている。第1のヨーク100aの
下部先端には透孔121が形成され、この透孔121に
通されたねじ103が、結合片120に形成されている
ねじ孔122にねじ込まれている。また、上側の水平片
部106の一方の対角線上の角部には、前記ねじ104
が通される一対の透孔123が形成され、これら透孔1
23に通されたねじ104が、下側の水平片部106に
形成されているねじ孔124にねじ込まれている。
【0052】このように、ねじ103、104により、
第1のヨーク100aと第2のヨーク100bは互いに
結合されてヨーク100が組み立てられている。また、
図9(d)に示すように、下側の水平片部106の結合
片120側であって、ねじ孔124が形成されていない
側の角部は、カットされ切欠き125が形成されてい
る。
【0053】ソレノイド101は上下の水平片部106
に挟まれ、ねじ104の締め付け力により、ヨーク10
0に固定されている。ねじ104は、図9(a)に示す
ように、上から見てヨーク100の一方の対角線上に配
されているので、ねじ104が2つであるにもかかわら
ず、締め付け力の配分が均等化される。したがって、そ
の締め付け力も比較的軽くて済む。
【0054】また、ソレノイドユニット63を中央プレ
ート80の前後の取付面81a、81bにねじ111
A、111Bで取り付ける際、ヨーク100における第
1のヨーク100aの下部と第2のヨーク100bの結
合片120がテーパ状に形成されているので、ドライバ
などの締め付け用工具を、隣接するソレノイドユニット
63が邪魔にならず挿入しやすくなっている。したがっ
て、図9のソレノイドユニット63を用いることによ
り、そのソレノイドユニット63の着脱作業をより容易
に行える。また、結合片120の幅が一様な場合に比べ
て、ソレノイドユニット63を軽量化することができ
る。
【0055】なお、図示では、第1のヨーク100aと
第2のヨーク100bの結合部分である第1のヨーク1
00aの下部と第2のヨーク100bの結合片120が
下方の水平片部106よりも下方にあり、これらが正面
視して下方に向かうにつれて幅が狭くなるようにされて
いるが、第1のヨークと第2のヨークの結合部分が上方
の水平片部106にある場合には、これらを正面視して
上方に向かうにつれて幅が狭くなるようにするとよい。
【0056】また、図10は、図9に示すこの変形例の
ヨーク100を用いたソレノイドユニット63をより詳
細に示す。図10(a)において、符号110b、11
0cは、ソレノイド101のボビン110の両端のフラ
ンジを示す。コイルは、これらのフランジ110b、1
10cの間の周面に巻回されている。このうち、下方の
フランジ110cには、下方に向けて突出したリードホ
ルダー126が一体成形されている。リードホルダー1
26は、下方のフランジ110cに接合されていてもよ
い。このリードホルダー126には、コイルのリード1
21が保持されており、リード121は下方に向けて延
在させられている。なお、リード121の端部には、基
板120(図4参照)への接続用のコネクタが設けられ
ている。
【0057】下方の水平片部106には、結合片120
側でねじ104から離間した位置の角部に切欠き125
を設け、この切欠き125にリードホルダー126を位
置させている。ボビン110は、ヨーク100の上下の
水平片部106に挟持されているため、下方のフランジ
110cから下方に突出するリードホルダー126は、
切欠き125がないと、下方の水平片部106で押しつ
ぶされてしまうからである。これにより、リード121
を下方に延在させることができ、横方向にリード121
をのばす場合と比較して、他のソレノイドユニット63
を配置するのにリード121が邪魔にならないようにす
ることが可能である。なお、リードホルダー126を下
方に突出させるのを可能とするのであれば、切欠き12
5は、図示の位置でなくてもよく、その形状は限定され
ない。
【0058】E.本発明の変更例および他の適用例 本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではな
く、たとえば次のような変更あるいは適用が可能であ
る。 ソレノイドユニット63を鍵1を横断する方向に沿っ
て移動可能とする移動手段を、前記実施形態では長孔8
4およびねじ111A、110Bで構成しているが、そ
の移動手段を他の形態とする。たとえば、中央プレート
80のプレート本体81にレールを設け、このレールに
沿ってソレノイドユニット63のヨーク100をスライ
ド可能に装着する。あるいは、ソレノイドユニット63
を鉛直方向を軸として左右方向に回動可能とする。 ソレノイドユニット63のプランジャ102の上端と
鍵1の下面との間の距離を調整する位置調整手段を、前
記実施形態では支持体62のベースプレート70を上下
動させるねじ92で構成しているが、その位置調整手段
を他の形態とする。たとえば、ソレノイドユニット63
を中央プレート80に上下動可能に装着し、ソレノイド
ユニット63ごとに上下方向の細かい位置調整が行える
ようにする。 前記実施形態は、自動演奏装置61をピアノ本体内部
に組み込むようにしたが、鍵1の上に配設するいわゆる
ボルセッサタイプにも適用できる。 前記実施形態は、本発明をグランドピアノに適用した
ものであるが、本発明はこの実施形態に限られず、チェ
ンバロ、チェレスタ、オルガンなど、あらゆる鍵盤楽器
に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、ソレノイドユニットの
安定した押鍵動作が得られるとともに、棚板の下方のス
ペースをとらず後付けタイプとしても好適である。ま
た、支持体の前後にソレノイドユニットを配置すること
により、ソレノイドユニットの修理または交換が容易に
行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の自動演奏装置が組み込
まれたグランドピアノの主要部を示す側面断面図であ
る。
【図2】 前記グランドピアノの鍵盤を省略した棚板の
上面図である。
【図3】 前記グランドピアノのアクション部の側面図
である。
【図4】 前記自動演奏装置の詳細を示す側面図であ
る。
【図5】 前記自動演奏装置の支持体のベースプレート
の上面図である。
【図6】 前記支持体の中央プレートを示す図であっ
て、(a)は正面図、(b)は上面図である。
【図7】 前記自動演奏装置のソレノイドユニットを示
す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図であ
る。
【図8】 前記自動演奏装置の上面図である。
【図9】 前記ソレノイドユニットの変形例を示す図で
あって、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正
面図、(d)は下面図である。
【図10】 図9に示す変形例のソレノイドユニットを
より詳細に示した図であって、(a)は斜視図、(b)
は下面図である。
【符号の説明】
1…鍵、61…自動演奏装置、62…支持体、63…ソ
レノイドユニット、84…長孔(移動手段)、80…中
央プレート、92…ねじ(位置調整手段)、100…ヨ
ーク、101…ソレノイド、102…プランジャ、11
1A,111B…ねじ(移動手段、締結手段)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プランジャと、このプランジャをほぼ垂
    直方向に移動させるソレノイドとを有し、前記プランジ
    ャにより複数の鍵に対してそれぞれ打鍵を行う複数のソ
    レノイドユニットと、 前記ソレノイドユニットを支持する支持体とを備え、 前記複数のソレノイドが 前記支持体の前方と後方に装
    着され、平面視して千鳥状に配置されていることを特徴
    とする鍵盤楽器の自動演奏装置。
  2. 【請求項2】 前記ソレノイドユニットは、前記ソレノ
    イドの磁路の一部をなすヨークを備え、前記ヨークは前
    記ソレノイドの三方を囲み、前記ソレノイドとともに前
    記支持体に装着されており、 前記支持体は、前記ソレノイドの磁路の他の一部をなす
    ように、少なくとも磁性材料により形成された部分を有
    することを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の自動
    演奏装置。
  3. 【請求項3】 前記ヨークのうち前記ソレノイドよりも
    前記支持体から離れた部分は、正面視して、上端または
    下端に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の鍵盤楽器の自動演
    奏装置。
  4. 【請求項4】 前記ソレノイドユニットは、移動手段を
    介して横方向に移動可能に前記支持体に装着されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    鍵盤楽器の自動演奏装置。
  5. 【請求項5】 前記移動手段は、前記支持体に形成され
    た横方向に長い長孔と、少なくとも一部が前記長孔に進
    入して前記ソレノイドユニットと前記支持体とを締結す
    る締結手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載
    の鍵盤楽器の自動演奏装置。
  6. 【請求項6】 前記長孔は、少なくとも上下二列に配列
    されており、各列に複数の前記長孔が配置されており、
    上列と下列の長孔が横方向にずれていることを特徴とす
    る請求項5に記載の鍵盤楽器の自動演奏装置。
  7. 【請求項7】 前記支持体に、前記ソレノイドと前記鍵
    との間の距離を調整する位置調整手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    鍵盤楽器の自動演奏装置。
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