JP3650529B2 - 楽器用鍵盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ピアノあるいはアコースティックピアノ等の鍵盤楽器に好適な鍵盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の鍵盤楽器において、鍵盤は、演奏者の指が触れる唯一の部分である。図7は、電子ピアノの鍵盤装置まわりの例を示している。図において1は白鍵、2は黒鍵であり、これらの鍵盤は、シャーシ3の筬中4に立てられたバランスピン5を介して、シーソー式に支えられている。また、白鍵1および黒鍵2の前端部はそれぞれ、フロントピン6,7によって左右の振れ止めがかかっている。鍵盤1,2を押すと、この電子ピアノの例ではその後端部でキャプスタン8を突き上げる。アコースティックピアノのアクション部分に相当するハンマー9を回動させるようになっている。
【0003】
このような鍵盤楽器に使用する鍵盤は上から強く打たれるため材料には軽くて粘り強く、弾力性に富む「スプルス」等が使われる。この鍵盤板材は、加工(挽き割り)精度をあげるため、あるいはその後の変形を抑える目的で「板目」の鍵盤板材が使用される。この板目材は、はぎ合わせて鍵盤の総面積をつくり、穴明けなどがされた後、1本1本が鋸で挽き割られる。なお、この鋸目の厚さが鍵盤相互間の隙間となる。
【0004】
たとえば、図8に示したようなムク横矧材の鍵盤板材10を用いていた。この場合、図中の両矢印で示すように鍵盤板材10の木理方向を鍵盤の前後方向に合わせるようにし、またムク材を使用することで環境変化に強くなるようにしていた。鍵盤板材10はその後、図9に示すようにバランスピンおよびフロントピン用のピン穴が明けられ、個々の鍵盤に対応する挽き割りが行われる。
【0005】
図10は、従来の鍵盤板材10を用いて形成された白鍵1および黒鍵2の例を示している。白鍵1および黒鍵2にはそれぞれ、バランスピン穴11およびフロントピン穴12が形成されている。ここで、図11に示したようにバランスピン穴11は、楕円形の座ぐり穴とその底部の貫通孔を含み、座ぐり穴の開口部にはブッシングクロス13が貼着されている。このブッシングクロス13を設けることにより、白鍵1あるいは黒鍵2の動きをスムーズにして雑音をなくするようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鍵盤装置の長年の使用により、その間の吸湿等によってバランスピン穴11あるいはフロントピン穴12の穴径が変化する場合がある。このような穴径変化が生じると、調整が必要になる。つまり、たとえば吸湿で鍵のブッシングクロス13周辺も膨張して実質的にバランスピン穴11が小さくなると、工具等を使ってその穴径を強制的に拡げなければならない。そして、この調整にはかなりの手間と時間を要していた。このような問題は、バランスピン穴11のみならずフロントピン穴12についても同様に起こり得る。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑み、環境変化に強く、バランスピン穴およびフロントピン穴の穴径変化が発生し難い楽器用鍵盤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の楽器用鍵盤は、鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、フロントピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の楽器用鍵盤は、鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、バランスピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の楽器用鍵盤は、鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、フロントピン穴およびバランスピン穴の対応位置にそれぞれ合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の楽器用鍵盤において、前記合成樹脂部材にフロントピン穴またはバランスピン穴が形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の楽器用鍵盤において、前記合成樹脂部材は、ABS樹脂またはPS樹脂により形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば白鍵あるいは黒鍵は、フロントピン穴および/またはバランスピン穴の対応位置にそれぞれ合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成される。このようにフロントピン穴あるいはバランスピン穴部分を合成樹脂にすることにより、環境変化による穴径変化を有効に抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6に基づき、従来例と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用いて、本発明による楽器用鍵盤の好適な実施の形態を説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態を示している。この第1の実施形態に係る鍵盤は、バランスピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成される。
【0015】
図1は、バランスピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材20の例を示している。鍵盤板材20自体の基本構成は、実質的に従来のものと同様であり、たとえば木理方向を鍵盤板材20の前後方向に合わせるものとする。合成樹脂部材21は、たとえば断面長方形の棒状部材とし、鍵盤板材20の幅方向(左右方向)に配置される。鍵盤板材20におけるバランスピン穴の対応位置に一定深さの凹溝20aを形成し、この凹溝20aに嵌め込んだ合成樹脂部材21を通常の適宜の接着剤によって固定することができる。
【0016】
合成樹脂部材21の材質としては、ABS樹脂またはPS樹脂が好適である。なお、これらの材質の他に同等のものを用いることができる。鍵盤板材20はその後、バランスピンおよびフロントピン用の穴が明けられ、個々の鍵盤に対応する挽き割りが行われる。
【0017】
図2は、本発明に係る鍵盤板材20を用いて形成した白鍵1および黒鍵2の例を示している。この例では、前述したように鍵盤板材20にてバランスピン穴の対応位置に合成樹脂部材21が嵌着固定されているから、バランスピン穴11部分(特に上部)を合成樹脂にすることにより、従来問題となっていた環境変化による穴径変化を有効に抑えることができる。
【0018】
つぎに図3および図4は、本発明の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態に係る鍵盤は、フロントピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成される。
【0019】
図3は、白鍵1および黒鍵2のフロントピン穴のそれぞれ対応位置に合成樹脂部材22,23が嵌着固定されてなる鍵盤板材20の例を示している。鍵盤板材20自体の基本構成は、第1の実施形態のものと同様である。この例でも合成樹脂部材22,23は、たとえば断面長方形の棒状部材とし、鍵盤板材20の幅方向(左右方向)に配置される。鍵盤板材20におけるフロントピン穴の対応位置に一定深さの凹溝20b,20cを形成し、これらの凹溝20b,20cに嵌め込んだ合成樹脂部材22,23を通常の適宜の接着剤によって固定することができる。
【0020】
図4は、第2の実施形態に係る鍵盤板材20を用いて形成した白鍵1および黒鍵2の例を示している。この例では、前述したように鍵盤板材20にてフロントピン穴の対応位置に合成樹脂部材22,23が嵌着固定されているから、フロントピン穴12部分(特に下部)を合成樹脂にすることにより、従来問題となっていた環境変化による穴径変化を有効に抑えることができる。
【0021】
つぎに図5および図6は、本発明の第3の実施形態を示している。この第3の実施形態に係る鍵盤は、フロントピン穴およびバランスピン穴の対応位置にそれぞれ合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成される。
【0022】
図5のように鍵盤板材20は、白鍵1および黒鍵2のバランスピン穴とフロントピン穴のそれぞれ対応位置に合成樹脂部材21と合成樹脂部材22,23が嵌着固定されてなる。第3の実施形態においては白鍵1および黒鍵2とも、図6に示すようにバランスピン穴11部分およびフロントピン穴12部分を合成樹脂にすることにより、従来問題となっていた環境変化による穴径変化を有効に抑えることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種の鍵盤楽器における鍵盤をフロントピン穴および/またはバランスピン穴の対応位置にそれぞれ合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成することにより、環境変化に強く、ピン穴の穴径変化が発生し難くすることで品質を格段に向上させることができる。また、長期間の使用において鍵盤調整の頻度を大幅に減らすことができ、メンテナンスの手間あるいは維持費等の点で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における鍵盤板材の例を示す平面図および側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における鍵盤板材の例を示す平面図および側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における鍵盤板材の例を示す平面図および側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図7】従来のピアノの鍵盤装置まわりの例を示す側面図である。
【図8】従来の鍵盤板材の例を示す平面図および側面図である。
【図9】従来の鍵盤板材における鍵盤挽き割りの例を示す平面図である。
【図10】従来の黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図11】従来の黒鍵および白鍵に係るバランスピン穴まわりの構造例を示すそれぞれ平面図およびその断面図である。
【符号の説明】
1 白鍵
2 黒鍵
11 バランスピン穴
12 フロントピン穴
20 鍵盤板材
21,22,23 合成樹脂部材
Claims (5)
- 鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、
フロントピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成されることを特徴とする楽器用鍵盤。 - 鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、
バランスピン穴の対応位置に合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成されることを特徴とする楽器用鍵盤。 - 鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、
フロントピン穴およびバランスピン穴の対応位置にそれぞれ合成樹脂部材が嵌着固定されてなる鍵盤板材から形成されることを特徴とする楽器用鍵盤。 - 前記合成樹脂部材にフロントピン穴またはバランスピン穴が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の楽器用鍵盤。
- 前記合成樹脂部材は、ABS樹脂またはPS樹脂により形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の楽器用鍵盤。
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