JP3676084B2 - 楽器用鍵盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ピアノあるいはアコースティックピアノ等の鍵盤楽器に好適な鍵盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の鍵盤楽器において、鍵盤は、演奏者の指が触れる唯一の部分である。図7は、電子ピアノの鍵盤装置まわりの例を示している。図において1は白鍵、2は黒鍵であり、これらの鍵盤は、シャーシ3の筬中4に立てられたバランスピン5を介して、シーソー式に支えられている。また、白鍵1および黒鍵2の前端部はそれぞれ、フロントピン6,7によって左右の振れ止めがかかっている。鍵盤1,2を押すと、この電子ピアノの例ではその後端部でキャプスタン8を突き上げる。アコースティックピアノのアクション部分に相当するハンマー9を回動させるようになっている。
【0003】
このような鍵盤楽器に使用する鍵盤は上から強く打たれるため材料には軽くて粘り強く、弾力性に富む「スプルス」等が使われる。この鍵盤板材は、加工(挽き割り)精度をあげるためや、あるいはその後の変形を抑える目的で「板目」の鍵盤板材が使用される。この板目材は、はぎ合わせて鍵盤の総面積をつくり、穴明けなどがされた後、1本1本が鋸で挽き割られる。なお、この鋸目の厚さが鍵盤相互間の隙間となる。
【0004】
従来たとえば、図8に示したようなムク横矧材の鍵盤板材10を用いていた。この場合、図中の両矢印で示すように鍵盤板材10の木理方向を鍵盤の前後方向に合わせるようにし、またムク材を使用することで環境変化に強くなるようにしていた。鍵盤板材10はその後、図9に示すようにバランスピンおよびフロントピン用の穴が明けられ、個々の鍵盤に対応する挽き割りが行われる。
【0005】
図10は、従来の鍵盤板材10を用いて形成された白鍵1および黒鍵2の例を示している。また、図11に示したように所謂フィンガジョイント10aを介して、それぞれの中間部で一体的に結合された白鍵1および黒鍵2が形成される場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鍵盤装置の長年の使用により、その間の吸湿等によって鍵盤に多少の反りが発生する場合がある。このような反りが生じると、バランスピンあるいはフロントピンとそのピン穴との位置合わせ等の調整が必要になり、たとえばこれらのピンの傾きを調整しなければならない。そして、この調整にはかなりの手間と時間を要していた。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑み、環境変化に強く、反り等の発生し難い楽器用鍵盤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の楽器用鍵盤は、鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、前後の第1および第2鍵盤板材がフィンガジョイントを介して結合した鍵盤板材から形成され、前記第2鍵盤板材が複数の板材を積層させてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の楽器用鍵盤において、前記第2鍵盤板材は、奇数または偶数の板材を用い、それらの木理方向を同一あるいは互いに交差して積層させてなることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば白鍵あるいは黒鍵は、奇数または偶数枚の板材を用い、それらの木理方向を同一あるいは互いに交差して積層させてなる鍵盤板材から形成される。このように複数枚の板材を積層することにより、吸湿等によって反ろうとする力を弱めることができ、結果として鍵盤の反りを有効に抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6に基づき、本発明による楽器用鍵盤の好適な実施の形態を説明する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示している。この第1の実施形態に係る鍵盤は、奇数または偶数枚の板材を用い、それらの木理方向を互いに交差して、あるいは同一にして積層させてなる鍵盤板材から形成される。
【0015】
図1は、奇数枚、図示例では3枚の板材21,22,23を用い、それらの木理方向を互いに交差して積層させてなる鍵盤板材20の例を示している。この場合、上下の板材21および23が同一の木理方向となるように積層される。すなわち、上下の板材21,23の木理方向(図1(B)の両矢印で示す)を鍵盤板の前後方向に合わせるとともに、中間の板材22の木理方向(図1(C)の両矢印で示す)を鍵盤板の左右方向に合わせる。なお、板材21,22,23を積層するために通常の適宜の接着剤を使用することができる。
【0016】
板材21,22,23の板厚については、すべて同一であってよい。あるいは異なった厚さとしてもよく、たとえば中間の板材22を厚くするとともに、上下の板材21,23とも薄くなるように設定する。いずれの場合にも各板材21,22,23の厚さはかなり薄くなっている。鍵盤板材20はその後、バランスピンおよびフロントピン用の穴が明けられ、個々の鍵盤に対応する挽き割りが行われる。
【0017】
図2は、本発明に係る鍵盤板材20を用いて形成した白鍵11および黒鍵12の例を示している。この例では、前述したように白鍵11および黒鍵12は、木理方向を互いに交差して積層させた3枚の板材21,22,23からなり、このように複数枚の板材の積層構造とすることにより、吸湿等によって反ろうとする力を弱めることができ、結果として鍵盤の反りを有効に抑えることができる。各板材21,22,23を薄くしたことで、それらの内部応力を小さくし、白鍵11あるいは黒鍵12として見た場合の内部応力の発生を格段に小さくすることができる。
【0018】
ここで図3は、5枚の板材の木理方向を互いに交差して積層させてなる鍵盤板材から形成された白鍵11および黒鍵12の例を示している。この場合、上下と中間の板材が同一の木理方向となるように、各板材を積層してもよい。
【0019】
なお、第1の実施形態に係る鍵盤板材20は、3枚もしくは5枚等の奇数枚の板材を用いる場合だけでなく、偶数枚の板材を積層したものであってもよい。また、いずれの場合も木理方向を互いに交差して積層させる他に、すべて同一方向にあるいは部分的に同一方向となるように積層させてもよい。
【0020】
つぎに図4〜図6は、本発明の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態に係る鍵盤は、前後の第1および第2鍵盤板材が一体結合した鍵盤板材から形成される。第2鍵盤板材は、複数枚の板材を積層させてなる。
【0021】
図4は、第1鍵盤板材31と第2鍵盤板材32が一体結合した鍵盤板材30を示している。第1鍵盤板材31および第2鍵盤板材32は、フィンガジョイント30aを介して、ほぼ中間位置で結合される。第1鍵盤板材31はムク材を用いて形成される。第2鍵盤板材32は、図示例では3枚の板材33,34,35を用い、それらの木理方向を互いに交差して積層させてなる。この場合、上下の板材33および35が同一の木理方向となるように積層される。すなわち、上下の板材33,35の木理方向(図4(B)の両矢印で示す)を鍵盤の前後方向に合わせるとともに、中間の板材34の木理方向(図4(C)の両矢印で示す)を鍵盤の左右方向に合わせる。
【0022】
板材33,34,35の板厚については、すべて同一であってよい。あるいは異なった厚さとしてもよく、たとえば中間の板材34を厚くするとともに、上下の板材33,35とも薄くなるように設定する。いずれの場合にも各板材33,34,35の厚さはかなり薄くなっている。鍵盤板材30はその後、バランスピンおよびフロントピン用の穴が明けられ、個々の鍵盤に対応する挽き割りが行われる。
【0023】
図5は、第2の実施形態に係る鍵盤板材30を用いて形成した白鍵11および黒鍵12の例を示している。白鍵11および黒鍵12のそれぞれ後部は前述したように、木理方向を互いに交差して積層させた3枚の板材33,34,35からなる第2鍵盤板材32から形成される。このように複数枚の板材の積層構造とすることにより、吸湿等によって反ろうとする力を互いに打ち消し合うようにすることができ、結果として鍵盤の反りを有効に抑えることができる。
【0024】
特に第2の実施形態において、白鍵11あるいは黒鍵12の前部はフロントピンおよびバランスピンによって位置規制されるが、このような規制のない鍵盤後部を積層構造とすることにより極めて効果的にその反りを有効に抑えることができる。また、白鍵11または黒鍵12の前部は使用時に外観が見えるが、ムク材を用いて形成されるため従来通りの外観を確保することができる。つまり外観上見えない鍵盤後部のみを積層構造としているため、外観品質的に有利である。
【0025】
ここで図6は、5枚の板材の木理方向を互いに交差して積層させてなる鍵盤板材から形成された白鍵11および黒鍵12の例を示している。この場合、上下と中間の板材が同一の木理方向となるように、各板材を積層してもよい。
【0026】
なお、第2の実施形態においても鍵盤板材30は、偶数枚の板材を積層したものであってもよい。また、いずれの場合も木理方向を互いに交差して積層させる他に、すべて同一方向にあるいは部分的に同一方向となるように積層させてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種の鍵盤楽器における鍵盤を積層構造を有する鍵盤板材から形成することにより、環境変化に強く、反りが発生し難くすることで品質を格段に向上させることができる。また、長期間の使用において鍵盤調整の頻度を大幅に減らすことができ、メンテナンスの手間あるいは維持費等の点で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における鍵盤板材の例を示す平面図、側面図および正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る他の黒鍵および白鍵の他の例を示すそれぞれ側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における鍵盤板材の例を示す平面図、側面図および正面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る他の黒鍵および白鍵の他の例を示すそれぞれ側面図である。
【図7】従来の電子ピアノの鍵盤装置まわりの例を示す側面図である。
【図8】従来の鍵盤板材の例を示す平面図および側面図である。
【図9】従来の鍵盤板材における鍵盤挽き割りの例を示す平面図である。
【図10】従来の黒鍵および白鍵の例を示すそれぞれ側面図である。
【図11】従来の黒鍵および白鍵の他の例を示すそれぞれ側面図である。
【符号の説明】
11 白鍵
12 黒鍵
20 鍵盤板材
21,22,23 板材
30 鍵盤板材
31 第1鍵盤板材
32 第2鍵盤板材
33,34,35 板材

Claims (2)

  1. 鍵盤楽器に使用する木製の鍵盤であって、
    前後の第1および第2鍵盤板材がフィンガジョイントを介して結合した鍵盤板材から形成され、前記第2鍵盤板材が複数の板材を積層させてなることを特徴とする楽器用鍵盤。
  2. 前記第2鍵盤板材は、奇数または偶数の板材を用い、それらの木理方向を同一あるいは互いに交差して積層させてなることを特徴とする請求項1に記載の楽器用鍵盤。
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