JPS6241358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はペダル箱を安定に固定し得るように
した鍵盤楽器のペダル箱固定構造に関する。

ピアノ等の鍵盤楽器は容積が大きく、また重量
もかなり重いものである。したがつて、このよう
な鍵盤楽器を運搬する場合には多大な労力と時間
とを費やしている。そのため、少しでも運搬しや
すいように、例えば脚、ペダル機構等を楽器本体
に着脱可能に取り付けた鍵盤楽器が知られてい
る。

しかしながら、バンド演奏等に使用されるコン
ボ用の電気ピアノ等においては、軽量性と運搬性
を重視するあまり、ペダル箱の固定保持が不十分
で、そのため演奏時におけるペダル機構の安定性
が悪く、ともすると踏込操作の際、左右前後方向
に移動して演奏者に不快感を与え、演奏に支障を
きたすという不都合があつた。

この考案は上述したような点に鑑みてなされた
もので、脚およびペダル機構が楽器本体に対して
着脱自在な鍵盤楽器において、床面上に着脱可能
に固定されるペダル受けによりペダル箱を着脱可
能に固定するという極めて簡単な構成により、ペ
ダル箱の移動を防止し、ペダル機構の操作性を向
上させるようにした鍵盤楽器のペダル箱固定構造
を提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第１図はこの考案に係るペダル箱固定構造を小
編成のバンド等に使用されるコンボ用の電気ピア
ノに適用した場合の一実施例を示す外観斜視図、
第２図はペダル受けの斜視図である。これらの図
において、楽器本体１は、前端部上面に各音高の
弦に対応する複数個の鍵３を配列してなる下部筐
体２Ａと、この下部筐体２Ａの後端部上面に分離
可能に載置固定された上部筐体２Ｂとで構成さ
れ、下部筐体２Ａの内部には各鍵３に連動して作
動し、上部筐体２Ｂ内に配設された弦（図示せ
ず）を打弦するアクシヨン機構（図示せず）が収
納されている。また、下部筐体２Ａの底面部には
楽器本体１を支持する４本の脚４ａ〜４ｄと、こ
れらの脚４ａ〜４ｄを補強する４本のステイ５ａ
〜５ｄが配設されている。前記脚４ａ〜４ｄおよ
びステイ５ａ〜５ｄは下部筐体２Ａの底面部に止
めねじ等により着脱可能に取り付けられることに
より、楽器本体１の運搬時に下部筐体２Ａから取
り外されるようになつている。そして、下部筐体
２Ａの中央部下方にはペダル７を有するペダル箱
６が配設されており、このペダル箱６を床面上に
設置されたペダル受け８にて着脱可能に固定して
いる。

前記ペダル箱６は前後方向に長い板状のベース
６Ａと、このベース６Ａの後端部上面に設けられ
た中空台形状の箱体部６Ｂとで構成され、箱体部
６Ｂの前面中央部には前記ペダル７の後端部が挿
入される開口９が形成されている。前記ペダル７
は中間部が箱体部６Ｂ内において上下方向に揺動
自在に枢支され、後端には突上棒１０の下端部が
連結されている。この突上棒１０は箱体部６Ｂの
上面に穿設された透孔から上方に摺動自在に貫通
し、その上端が楽器本体１内に配設された図示し
ない周知のタンパー機構に着脱可能に連結されて
いる。また、前記箱体部６Ｂには下連結棒１１の
下端が連結されており、この下連結棒１１の上端
はターンバツクル１２を介してその上端が前記下
部筐体２Ａの底面に着脱可能に連結された上連結
棒１３の下端に連結されている。

前記ペタル受け８は板状に形成され、その底面
にはすべり止めのゴム等を設け、中央部には開口
１４と、該開口１４の両側縁より上方に上端側の
間隔が狭くなるようにそれぞれ傾いて立ち上り、
先端部が相対向する如く内側にそれぞれ折曲され
た左右一対の保持部１５Ａ，１５Ｂを有し、これ
ら一対の保持部１５Ａ，１５Ｂ間に前記箱体部６
Ｂが嵌挿されるようになつている。前記開口１４
の前方には切起しによつて形成された左右一対の
鉤形係止片１６Ａ，１６Ｂが一体に設けられてお
り、これら一対の鉤形係止片１６Ａ，１６Ｂによ
つて前記ベース６Ａを係止している。前記開口１
４の後端縁には上方に折曲されたストツパ１７が
一体に設けられており、これに箱体部６Ｂの後面
が当接することにより、ペダル箱６の後方への移
動を防止している。そして、前記ペダル受け８は
複数個の木ねじ１８によつて床面上に着脱可能に
固定される。なお、１９は木ねじ１８の取付孔で
ある。

かくして上記構成によるペダル箱固定構造によ
れば、床面に固定されたペダル受け８によりペダ
ル箱６を固定しているので、ペダル箱６の左右お
よび後方への移動を防止し、安定かつ確実なペダ
ル操作を行うことができる。また、ペダル箱６と
楽器本体１は上、下連結棒１１，１３およびター
ンバツクル１２によつて連結されているため、高
さ調整が自由でペダル箱６と楽器本体１を最適位
置に容易にセツトすることができ、ペダル箱６の
固定をより一層確実にする。さらに、ペダル箱６
は箱体部６Ｂが一対の保持部１５Ａ，１５Ｂ間に
前方から挿入され、ベース６Ａが一対の鉤形係止
片１６Ａ，１６Ｂにより係止されるだけでペダル
受け８に固定されるため、その取り付け、取り外
し作業が容易である。

第３図はこの考案の他の実施例を示すペダル受
けの斜視図である。この実施例はペダル受け２０
の各角部下面に爪２１をそれぞれ突設し、この爪
２１でペダル受け２０を木製の床面上に固定する
ようにしたものである。この場合、ペダル受け２
０の固定構造としては、爪２１に限らず吸盤等の
使用も可能である。前記ペダル受け２０には嵌合
孔２２が形成されており、この嵌合孔２２にペダ
ル箱のベースが嵌合固定されるようになつてい
る。この場合、ペダル箱をより確実に固定するた
め、さらに止めねじによりねじ止め固定してもよ
く、要はペダル箱を着脱可能にして強固に固定し
得る構造であれば何でもよい。

以上説明したようにこの考案に係る鍵盤楽器の
ペダル箱固定構造は、脚およびペダル機構が楽器
本体に対して着脱自在な鍵盤楽器において、床面
上に着脱可能に固定されるペダル受けによりペダ
ル箱を着脱可能に固定し、その移動を防止するよ
うに構成したので、演奏時におけるペダル操作が
確実で、演奏性を向上させることができる。ま
た、構造簡易にして、安価に製造でき、ペダル受
けの床面への固定も容易であるなど、その実用的
効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るペダル箱固定構造を小
編成のバンド等に使用されるコンボ用の電気ピア
ノに適用した場合の一実施例を示す外観斜視図、
第２図はペダル受けの斜視図、第３図はこの考案
の他の実施例を示すペダル受けの斜視図である。 １……楽器本体、６……ペダル箱、７……ペダ
ル、８……ペダル受け、１１……下連結棒、１３
……上連結棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 脚およびペダル機構が楽器本体に対して着脱
   自在な鍵盤楽器において、楽器本体の下方床面
   上にペダル受けを着脱可能に固定し、このペダ
   ル受けにペダル箱を着脱可能に固定したことを
   特徴とする鍵盤楽器のペダル箱固定構造。 (2) 前記ペダル箱は楽器本体に高さ調整自在な連
   結棒で連結されていることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の鍵盤楽器のペダ
   ル箱固定構造。