JPH0337026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はピアノ、特にアツプライトピアノの
外装組立構造に関するものである。

従来、アツプライトピアノの外装組立構造は第
１図に示すように、フレーム２、ピン板３、支柱
４等にて構成するピアノのバツク機構１に左右腕
木６，６を接着した左右親板５，５を結合し、さ
らに棚板７を左右腕木６，６に横架結合し、棚板
７の下部に左右棚受柱８，８及び左右妻土台９，
９を結合して組立てていた。従つて、アツプライ
トピアノの組立作業工程において、バツク機構が
完成した後に直ちに親板５，５、腕木６，６、棚
板７、棚受柱８，８、妻土台９，９等の塗装した
外装部品を取付けてバツク機構を直立せしめて内
装の組込み、種々の調整を行なうものであるか
ら、内装組込み作業、調整作業中において取付け
た外装部材の塗装表面に損傷を与える事故が多く
発生している。

この考案は上記の欠点に鑑みてなされたもので
あつて、支柱にピン板、打廻し、響板を固着し、
該響板と前記ピン板前面にフレームを固着し、該
フレームに弦を張設してなるピアノのバツク機構
において、両側面の上部と下部とに各々基準ピン
を設けた支柱と、断面Ｌ字形を成す長尺（側面）
に前記基準ピンが挿通する第１、第２の基準孔と
複数の取付孔を設けた左右一対のサポート本体
と、腕木と棚板とを固着する棚板取付サポート
と、棚受柱と妻土台とを固着する妻土台サポート
と、前記支柱の基準ピンに嵌合する孔を設けた左
右一対の親板とからなり、前記妻土台サポートと
前記棚板取付サポートとを前記サポート本体の他
面（前面）に各々連結または熔着してなり、該サ
ポート本体の前記第１、第２の基準孔を前記支柱
の基準ピンに挿通し、支柱に複数の取付孔を介し
てサポート本体を取着する。これによつて支柱に
サポート本体を取着した状態のみで前記バツク機
構を立設維持でき、この状態で製造ラインに乗せ
ることが可能であり、棚板取付サポートに棚板を
取着することにより各種内装（アクシヨン、鍵盤
等）の組込み作業及び各種内装調整を容易かつ正
確に行なうことができる。

これより、前記サポート本体の前記第１、第２
の基準孔を介して突出する支柱の基準ピンに左右
の親板に設けた孔を介して前記支柱に固着し、妻
土台サポートに棚受柱と妻土台を取着するように
して親板、腕木、妻土台、棚受柱等の塗装した外
装部品は製造ラインの最終工程で組込みすること
ができるので塗装面の損傷が少ないピアノの外装
組立構造を提供するものである。

以下、この考案によるピアノの外装組他構造の
詳細を実施例図面と共に説明する。

第２図Ａは、この考案によるピアノの外装組立
構造に用いるサポートの実施例を記す概略分解斜
視図であつて、図においてサポートはサポート本
体１０、棚板取付サポート１１、妻土台サポート
１２により構成し、サポート本体１０は断面Ｌ字
形を成しこの長尺面に第１の基準孔１０ａ、第２
の基準孔１０ｂ、サポート本体取付孔１０ｃ，１
０ｄを設け、他面の上方と下方とに棚板取付サポ
ート取付孔１０ｅ、妻土台サポート取付孔１０ｆ
を設ける。棚板取付サポート１１は取付孔１１ａ
によりサポート本体１０に連結または熔着するよ
うにし、また棚板（図示せず）を取付けるための
棚板取付孔１１ｂ及び腕木との連結のための孔１
１ｃを設ける。妻土台サポート１２は取付孔１２
ａによりサポート本体１０に結合する底部にキヤ
スター（図示せず）取付用の孔１２ｂ，１２ｃ、
妻土台（図示せず）を取付けるための妻土台取付
孔１２ｄを設ける。

第２図Ｂは、この考案によるピアノの外装組立
構造に用いるサポートの組立斜視図であつて、左
右一対のものを用いる。

第２図Ａ，Ｂの実施例においてはサポート本体
に棚板取付サポート、妻土台サポートをねじで連
結するものであるが、一体的にプレス時にプレス
成形する構造のものでもよいし、また熔接によつ
て一体的に結合する構造でもよい。

第３図は、第２図Ａ，Ｂに示したサポート本体
を用いて、この考案によるピアノ外装組立構造を
説明するための概略斜視図であるが、図におい
て、フレーム２、響板、ピン板３、支柱４等で構
成するピアノのバツク機構１の両側面にはサポー
ト本体１０の板厚に相当する深さの切欠き１ａを
設けると共に、支柱４の両側面にはサポート本体
１０に設けた第１の基準孔１０ａ、第２の基準孔
１０ｂが挿通する基準ピンを前以て配設してお
き、この基準ピンにサポート本体１０に設けた基
準孔１０ａ，１０ｂを挿通させ、複数個のサポー
ト本体取付孔１０ｃ，１０ｄによつてサポート本
体１０をバツク機構の両側面に取着するのでその
面全体が平らになる。また妻土台サポート１２に
は取付孔１２ｂ，１２ｃには図示はしないが前後
キヤスターを前以て取付けておけば、このバツク
機構１にサポート本体１０を結合すると直ちにこ
のバツク機構１は直立させ移動が可能となり、以
後内装の組込み及び各種の調整が可能となる。親
板５は前記支柱４の基準ピンに嵌合する孔を設け
てなり、この孔を前記サポート本体１０第１、第
２の基準孔を介して突出する支柱４の基準ピンに
嵌合し、バツク機構１の両側面に接着し、妻土台
サポート１２には棚受柱８と妻土台９とを取着す
る。なお、上述の実施例では支柱４に基準ピンを
設け、親板５には孔を設けた構造としたが、支柱
４に基準孔を設け、親板５にピンを設けた構造構
造としてもよい。

以上述べたように、この考案によるピアノの外
装組立構造によれば、サポート本体をピアノのバ
ツク機構の両側面に設けた基準孔または基準ピン
に合致させて取着し、このサポート本体に棚板や
妻土台等の外装塗装部品を取付けるようにしたの
でサポート本体をバツク機構の側面に取付けるの
みでピアノの本体を直立させ移動させることがで
き、各種の内装組込み作業及び各種調整を行なう
ことができ、外装塗装部品は最終の作業工程に
て、組込みが手際よく行なうことが可能であり、
塗装面の損傷も非常に少なく出来る等の多くの利
点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピアノの外装部品の組立構造を
説明するための要部概略斜視図、第２図Ａ，Ｂは
この考案によるピアノの外装組立構造に用いるサ
ポート本体の実施例を示す概略分解図及びその組
立図、第３図はこの考案によるピアノの外装組立
構造の一実施例を示す概略斜視図である。 １……ピアノ・バツク機構、２……フレーム、
３……ピン板、４……支柱、５……親板、６……
腕木、７……棚板、８……棚受柱、９……妻土
台、１０……サポート本体、１１……棚板取付サ
ポート、１２……妻土台サポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支柱にピン板、打廻し、響板を固着し、該響板
   と前記ピン板前面にフレームを固着し、該フレー
   ムに弦を張設してなるピアノのバツク機構におい
   て、両側面の上部と下部に各々基準ピンを突設し
   た支柱と、該基準ピンがそれぞれ挿通する第１、
   第２の基準孔と複数の取付孔を断面Ｌ字形を成す
   る長尺面（側面）に設けた左右一対のサポート本
   体と、腕木と棚板とを固着する棚板取付サポート
   と、棚受柱と妻土台とを固着する妻土台サポート
   と、前記支柱の基準ピンに嵌合する孔を設けた左
   右一対の親板とからなり、前記棚板取付サポート
   と妻土台サポートとを前記サポート本体の他面
   （前面）に各々連結または溶着してなり、該サポ
   ート本体の前記第１、第２の基準孔を前記支柱の
   基準ピンに挿通し、支柱に複数の取付孔を介して
   サポート本体を取着し、前記棚板取付サポートに
   棚板を取着し、前記親板の孔をサポート本体の第
   １、第２の基準孔を介して突出する前記支柱の基
   準ピンに嵌合してサポート本体および支柱に接着
   し、前記妻土台サポートに棚受柱と妻土台とを取
   着したことを特徴とするピアノの外装組立構造。