B月 糸田 変色作用 の少な い抗菌性ゼォ ラ イ 卜 及 びそ の製造法 技術分野
本発明 は、 抗菌性 ゼォ ラ イ 卜 を 含む有機 ポ リ マ ー を 熱又 は 日 光な どの 影響下に 置 い た 時に該 ポ リ マ ー 組成物を変色 さ せ る 作用が少な い 抗菌性 ゼォ ラ イ ト 及びそ の製造法 に関す る 。 技術背景
銀 イ オ ン 、 銅 イ オ ン、 亜鉛 イ オ ン等が抗菌性を有す る こ と は古 く よ り 知 ら れて お り 、 例え ば銀 イ オ ン は硝酸銀の溶液の形態で消毒剤や抗菌剤 と し て広 く 利用 さ れて き た。 し か し な が ら 溶液状では取扱 い の点で不便 があ り 、 ま た用途の点で も 限定さ れる。 こ う し た欠点を取 り 除 く ために、 金属 イ オ ン を ゼォ ラ イ ト 等の固体 に 保持 さ せ た製品が開発 さ れて き た。 例えば フ ラ ン ス国特許出願第 1 , 0 6 1 , 1 5 8 号に は、 鐧、 亜鉛、 銀 等で飽和 さ れた ゼォ ラ イ 卜 を 2 0 〜 3 0 重量%含む船舶用塗料が記載 さ れて い る 。 ま た、 特公昭 6 3 — 5 4 0 1 3 号、 特開昭 6 3 — 2 6 0 8 1 0 号及び特開昭 6 3 - 2 7 0 7 6 4 号公報 に は、 抗菌性の更 に改善 さ れ たゼオ ラ イ ト 組成物が記載 さ れて い る 。
日 光等の紫外線で経時的 に変色す る こ と の な い抗菌性ゼオ ラ ィ 卜 が提 案 さ れて い る (特開昭 6 3 — 2 6 5 8 0 9 号公報) 。 こ れ は ゼオ ラ イ ト 中の イ オ ン交換可能な イ オ ン の一部又 は全部を ア ン モ ニ ゥ ム イ オ ン 及 び 抗菌性金属 イ オ ンで置換 し た抗菌性ゼォ ラ イ ト 及 び抗菌性 ポ リ マ ー組成 物に 関す る も の であ る 。 し か し 、 こ の抗菌性ゼォ ラ イ ト は、 抗菌性金属 と し て銀 イ オ ン だけ を保持 し た と き は熱安定性に 欠け、 A型ゼォ ラ イ ト
を用 い た場合特に 、 こ れ 自 体が 3 0 0 ての加熱ですでに黄土色に変色 し、 ポ リ プ ロ ピ レ ン樹脂 (練 り 込み 温度 2 4 0 て ) に練 り 込む と 薄茶色に 変 色す る と い う 不具合があ り 、 著 し く 商品価値を損な う と い う 問題点があ つ た。
シ リ コ ー ン系 コ ー テ ィ ン グ剤の 溶液で抗菌性ゼォ ラ イ ト 粒子を処理す る こ と に よ っ て、 シ リ コ ー ン 系 コ 一 テ ィ ン グ被覆を有す る 抗菌性ゼオ ラ イ ト 粒子を作 る こ と が知 ら れて い る (特公平 3 — 8 0 8 1 4 号公報) 。 こ れ は 、 吸湿能を必要 な程度に抑え ら れ、 疎水性又 は撥水性を有 し 、 こ れ と 有機ポ リ マ ー と を配合 し て成形す る 際 に 水分を放 出 し な い の で成形 が有利 に 行え る 利点があ る 。 発明の開示
本発明 は、 有機ポ リ マ ー 等、 特に A B S 樹脂、 ポ リ エ ス テ ル樹脂、 ポ リ ァ ミ ド樹脂等の高融点特性を持つ高機能エ ン ジ ニ ア リ ン グ プ ラ ス チ ッ ク ポ リ マ ー 、 又 は紙 に配合 し た場合、 加工時の熱の影響下で、 あ る い は 日 光等紫外線下で ポ リ マ ー 組成物等を変色 さ せ る 作用 が格段に 少 な い抗 菌性ゼォ ラ イ 卜 及びそ の製造法を提供す る こ と を 目 的 と す る 。
本発明者 は、 下記所定の組成物が、 ゼォ ラ イ 卜 の マ ク ロ ポ ア 中 に良好 に浸透 し 、 完全 に ゼォ ラ イ 卜 表面を被覆 し 得 る こ と 、 更 に は該組成物を 所定量使用 すれば、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 が持つ 本来の抗菌力 を低下 さ せ る こ と な く 、 かつ変色を 効果的に抑制 し 得 る こ と を見出 し 、 本発明 を完成 す る に至 っ た。
即 ち 本発明 は 、 抗菌性金属を担持す る ゼォ ラ イ 卜 の表面を 、 ( A ) ァ リ ー ル基を有す る 加水分解可能な シ ラ ン及 び /又 は そ の オ リ ゴ マ ー を 1 0 - 1 0 0 重量%含有す る 加水分解可能な シ ラ ン及びノ又 は そ の オ リ ゴ マ ー 1 0 0 重 S部、 ( B ) 塩基性窒素 を有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン
1 〜 1 0 0 0 重 S部、 及び ( C ) 前記 ( B ) と 塩を形成す る 水 に可溶な 酸 0 . 2 〜 2 5 0 重量部か ら成 る 組成物 0 . 5 〜 2 0 重量% (上記ゼォ ラ イ 卜 に対 し て) に よ り 処理 し て得 ら れ る 変色作用 の少な い抗菌性ゼォ ラ イ ト で あ る 。
上記特公平 3 - 8 0 8 1 4 号公報記載の よ う に 、 単 に既製の ポ リ シ ロ キ サ ン を溶媒に 溶解 し 、 こ れを抗菌性ゼォ ラ イ 卜 に含浸さ せただけでは、 多孔質ゼォ ラ イ 卜 の比較的外側の 表面に の み ポ リ シ ロ キ サ ン が単 に 沈着 し て コ ー テ ィ ン グ さ れ る と 考え られる。 し か し、 本発明に従 う 上記 ( A ) 、 ( B ) 及 び ( C ) か ら成 る 組成物を用 い 、 水性媒体 に分散 し た抗菌性 ゼォ ラ イ ト (親水性であ る ) を処理す れば、 特に 浸透性 と 密着性が改善 さ れ る た めか、 多孔質ゼォ ラ イ ト のマ ク ロ ポ ア 中 に上記組成物が良好 に 浸透 し 、 ゼォ ラ イ 卜 の 凹凸表面に 沿 っ て、 忠実に上記組成物か ら 成 る 薄 膜を形成 し て、 完全 に 抗菌性ゼォ ラ イ ト 表面を被覆す る と 考え ら れ る 。 従 っ て該被覆 は単な る 沈着に よ る 表面 コ ー 卜 と 異な り 、 有機 ポ リ マ ー と の混練の際に剥離 し な い と 考え ら れ る 。 かか る 処理を施 し た抗菌性ゼォ ラ イ 卜 と 有機ポ リ マ ー を含む ポ リ マ ー 組成物 は、 ポ リ マ ー の融点以上の 高温度下に お い て さ え 変色が少な い。 以下、 本発明を更 に詳 し く 説明す る 。
抗菌性金属を 担持す る ゼォ ラ イ ト 自 体は 公知であ り 、 ゼォ ラ イ 卜 への 抗菌性金属の イ オ ン交換に よ っ て作 る こ と がで き る。 抗菌性金属 と し て は、 銀、 銅、 亜鉛、 水銀、 錫、 ½、 ビ ス マ ス 、 カ ド ミ ウ ム 、 ク ロ ム 、 コ バル ト 、 ニ ッ ケ ル、 又 は こ れ ら の 2 種以上の組合せが挙げ ら れ る 。 好 ま し く は、 銀、 銅、 亜鉛、 又 は こ れ ら の組合せが用 い ら れ、 特に 銀単独、 又は鎖 と 銅又は亜鉛の組合せが抗菌性 に 優れて い る。 銀を担持す る 抗菌 性ゼォ ラ イ 卜 の場合に特に 、 熱、 光の作用下での有機 ポ リ マ ー の変色が
比較的大 き い の で、 本発明の効果が顕著で あ る。 抗菌性ゼォ ラ イ ト を作 る 方法は、 た と え ば特公昭 6 3 — 5 4 0 1 3 号及 び特公平 3 — 8 0 8 1 4 号公報 に 記載 さ れて い る 。
ゼォ ラ イ ト は一般に三次元的 に 発達 し た骨格構造を 有す る ア ル ミ ノ シ リ ゲ ー ト であ っ て、 一般に は A 1 。 0 3 を基準に し て χ Μ。/ π 0 · A 1 0 · y S i 0 0 · ζ Η 2 0 で表わ さ れ る 。 M は イ オ ン 交換可能な 金 属 イ オ ン を表わ し 、 通常は 1 〜 2 価の金属であ り 、 n は こ の原子価 に対 応す る 。 一方、 X 及 び y は そ れ ぞれ金属酸化物、 シ リ カ の係数を 表 し 、 z は結晶水 の数を表わ し て い る。 ゼォ ラ イ ト は、 そ の組成比及び細孔径、 比表面積 な どの異な る 多 く の種類の も のが知 ら れて い る 。
本発明で使用 す る ゼォ ラ イ ト 素材 と し て は天然 ま た は 合成品の何れの ゼォ ラ イ ト も 使用可能であ る 。
例え ば天然の ゼォ ラ イ ト と し て は ア ナ ル シ ン、 チ ヤ バサ イ ト 、 ク リ ノ プチ 口 ラ イ ト 、 エ リ オ ナ イ ト 、 フ ォ ジ ャ サ イ 卜 、 モ ルデナ ィ ト 、 フ ィ リ ッ プサ イ 卜 等が挙げ ら れ る 。 一方、 台成ゼォ ラ イ 卜 の典型的 な も の と し て は A - 型ゼオ ラ イ ト 、 X - 型ゼオ ラ イ ト 、 Y - 型ゼオ ラ イ ト 、 モ ルデ ナ イ ト 等が挙げ ら れ る が、 こ れ ら の合成ゼォ ラ イ ト は 本発明の ゼォ ラ イ 卜 素材 と し て好適であ る 。 特に好 ま し い も の は、 合成の A 型ゼォ ラ イ 卜 であ り 、 こ れ は変色作用が大き いので本発明の効果が顕著に表われる。 ゼォ ラ イ 卜 の形状 は粉末粒子状が好 ま し く 、 粒子径は用途 に応 じ て適 宜選べばよ い。 厚み の あ る 成形体、 例え ば各種容器、 パ イ プ、 粒状体あ る い は太デニ ー ルの繊維等に本発明の殺菌性ゼオ ラ イ ト を混入 し て使用 す る 場合に は粒子径 は数 ミ ク ロ ン 〜数 1 0 ミ ク ロ ン あ る い は数 1 0 0 ミ ク ロ ン以上で よ く 、 一方細デニ ー ルの繊維ゃ フ ィ ルム に成形す る 場合 は 粒子 Sが小 さ い方が好 ま し く 、 例え ば衣料用繊維の場合は 5 ミ ク ロ ン以 下、 特に 2 ミ ク ロ ン以下であ る こ と が望ま し い。 ま た 、 例え ば家庭用塗
料等の合成樹脂塗料や各種合成樹脂接着剤 に 用 い る 場台に も 、 粒子径の 小 さ い も のが好 ま し い。
金属 は ゼォ ラ イ 卜 固体粒子 に イ オ ン交換反応に よ り 担持 さ れて い る こ と が好 ま し い。 イ オ ン交換 に よ ら ず単 に 金属化合物を吸着あ る い は 付着 し た場合 に は、 最終製品の抗菌効果の持続性が不十分 と な る おそ れがあ る 。 ゼォ ラ イ ト 固体粒子の イ オ ン 交換容量未満、 特に そ の約 9 0 %以下 の量の金属 イ オ ンで イ オ ン交換す る の が好 ま し い。 飽和以上 に イ オ ン交 換 し た も のでは 、 抗菌効果及びそ の持続性の劣 る こ と があ る 。
金属 イ オ ン を保持 さ せ る 方法 と し て各種の ゼォ ラ イ ト を A g ゼオ ラ ィ 卜 に転換す る 場合を 例に と り 説明す る 。 通常 A g - ゼォ ラ イ ト 転換 に 際 し て は硝酸銀の よ う な 水溶性銀塩の 溶液が使用 さ れ る が、 こ れの濃度 及び p Bに十分留意す る 必要があ る 。 例えば A - 型又は X - 型ゼォ ラ イ ト (ナ ト リ ゥ ム - 型) を イ オ ン交換反応を利用 し て銀 イ オ ン を担持 さ せ る 際、 銀 イ オ ン濃度が大で あ る と (例えば :! 〜 2 M A g N 0 3 使用時は) イ オ ン交換に よ り 銀 イ オ ン が固相の ナ ト リ ウ ム イ オ ン と 置換す る と 同時 に ゼォ ラ イ ト 固相中 に銀の酸化物等 と し て沈殿析出す る こ と があ る 。 銀 酸化物が析出す る と 抗菌力 は低下す る こ と が知 ら れて い る 。 かか る 沈澱 の生成を防止す る た め に、 銀溶液 の 濃度を希釈伏態例え ば 0 . 3 M以下 に保つ か、 又は イ オ ン 交換時に 酸を添加 し て、 溶液の p Hを酸性側 に調節 す る のが好 ま し い。 かか る 濃度の硝酸銀溶液を使用す る か又 は溶液の p H を酸性側に保つ と 、 抗菌力の効果が最適条件で発揮で き る 。
上述の イ オ ン交換反応を バ ッ チ 法で実施す る 際 に は、 上述の濃度、 又 は酸性側の p Hを有す る 塩類溶液を 用 い てゼオ ラ ィ ト 素材を浸濱処理す れ ばよ い。 ゼォ ラ イ 卜 素材中への 金属含有 Sを高め る た め に は バ ッ チ処理 の回数を増大すれば よ い。 一方、 上述の濃度、 p Hを有す る 塩類溶液を 用 いて カ ラ ム 法に よ り ゼォ ラ イ ト 素材を処理す る 場合に は、 吸着塔 に ゼ ォ
ラ イ ト 素材を充填 し 、 こ れ に塩類溶液を通過 さ せ れば容易 に 目 的 と す る 金属 - ゼォ ラ イ 卜 が得 ら れ る 。
上記の 金属 - ゼォ ラ イ ト (無水ゼォ ラ イ ト 基準) 中 に 占 め る 金属 の量 は、 銀に つ い て は好 ま し く は 2 0 重量%以下であ り 、 特に 0 . 0 0 1 〜 5 重 S %であ る 。 銅及 び亜鉛 に つ い て は、 金属 - ゼォ ラ イ 卜 (無水ゼォ ラ イ 卜 基準) 中 に 占 め る 銅又 は亜鉛の量 は 好 ま し く は 2 5 重量%以下特 に 0 . 0 1 〜 1 5 重量%でぁ る 。 銀、 銅、 亜鉛及 び他の金属 イ オ ン を併 用す る こ と も 出来 る 。 こ の場合、 金属 イ オ ン の台計量 は金属 イ オ ン の構 成比に よ り 左右 さ れ る が、 好 ま し く は 金属 - ゼォ ラ イ ト (無水ゼ ォ ラ イ ト 基準) に対 し 2 5 重量%以下、 特に 0 . 0 0 1 ~ 1 5 重量%程度で あ る o
ま た、 好 ま し く は抗菌性金属以外の金属 イ オ ン 、 例え ばナ ト リ ウ ム 、 カ リ ウ ム 、 マ グ ネ シ ウ ム 、 カ ル シ ウ ム 、 ア ル ミ ニ ウ ム 、 チ タ ン 、 セ リ ウ ム あ る い は他 の 金属 イ オ ン を含め る こ と に よ り 、 殺菌効果を妨げ る こ と な く 、 変色抑制効果を 向上 し 得 る こ と がで き る。 従 っ て、 こ れ ら の ィ ォ ン の残存又 は共存は何 ら 差支え な い。
イ オ ン 交換の後に ゼォ ラ イ 卜 を通常、 液か ら分離 し 、 洗浄す る 。 分離 は 濃過 、 デカ ン テ ー シ ヨ ン 等任意の方法で行 う こ と がで き る 。 洗净処理 法 は 任意であ り 、 例 え ば少量の蒸留水 に よ り 洗浄 し て も 良 い。 洗浄後の ゼォ ラ イ 卜 に 任意的 に乾燥処理を施 し て も 良 い。 乾燥条件 は常圧又 は減 圧下 1 0 0 〜 5 0 0 の温度で行 う の が好 ま し い。 特に好 ま し い乾燥条 件は減圧下 1 0 0 〜 3 5 0 °Cであ る 。 乾燥を行わずに 、 次の工程 に移 し て も よ い。
抗菌性金属を担持 さ せ ら れた ゼォ ラ イ ト (以下では簡単の た め に抗菌 性ゼオ ラ イ ト と 言 う ) は、 次に 本発明 に 従 う ( A ) 、 ( B ) 及 び ( C ) か ら 成 る 組成物 に よ り 処理 さ れ る 。 処理は好 ま し く は、 抗菌性ゼォ ラ イ
ト を水性媒体、 好 ま し く は水 に 分散 し た状態で行われ る 。 成分 ( A ) の 割合が高 い場合 に は 、 水の ほか、 水に可溶な 有機溶媒、 好 ま し く は ア ル コ ー ル例え ば イ ソ プ ロ ピ ル ァ ノレ コ ー ルを併用 す る こ と が好 ま し い。 一般 の合成ゼォ ラ イ ト (及 び従 っ て抗菌性ゼォ ラ イ ト ) の 水性分散物 は強 い ア ル 力 リ 性を示す。 酸を加え て中和 し て も 数時間又は一 日 後 に は ま た 強 い ア ル カ リ 性を 示す。 本発明 に 従 う 組成物に よ る 処理 は pH 7 未満、 好 ま し く は pH 6 . 5 以下で行われ る の が好 ま し い。
本発明 に 従 う 組成物 は、 ア ル 力 リ 又 は酸の い ずれの存在下で も 加水分 解を受け やす く 縮重合反応が進行す る 。 し か し 、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 への 表面処理 に あ っ て は、 pH 7 未満で処理 し た方が、 ア ル カ リ 条件下で処理 し た も の に 比べ、 有機ポ リ マ ー に配合 し た 際、 熱又 は光に よ る 変色作用 がー段 と 少な い こ と が見出 さ れ た。 こ れは、 pH 7 未満で処理 し た 方が、 本発明 に 従 う 組成物の 薄膜が抗菌性ゼォ ラ イ ト 表面に よ り 強 く 密着 し て 生ず る た め、 有機ポ リ マ ー と の混練の際に、 よ り 剥離 し 難 い た め と 考え ら れ る 。 従 っ て、 前記の よ う に 予 め、 酸水溶液中に 浸濱 し て、 合成ゼォ ラ イ 卜 自 体か ら し み 出 し て来 る ア ルカ リ 成分を予 め中和 し て お く こ と 力 < 好ま し い。 従 っ て、 処理前 に 又 は処理中 に 酸を加え て、 pHを 7 未満に維 持す る こ と が好 ま し い。
そ こ で 、 好ま し く は抗菌性金属を担持 さ せ る 前、 後又 は 同時 に 、 ゼォ ラ イ ト を特開平 3 — 1 9 7 3 1 3 号、 同 3 — 1 3 1 5 1 3 号、 同 3 — 1 6 4 4 2 3 号及び同 3 — 2 4 2 3 1 7 号公報な ら びに特願昭 2 - 2 9 7 8 4 1 号明細書に記載 さ れ た方法 に準 じ て酸浸濱す る こ と が好 ま し い。 こ れは、 基本的に は 合成ゼォ ラ イ ト を酸性水性液に浸清 し 、 浸漬液の pH を約 7 以下の所定の値 (好 ま し く は 4 . 5 〜 7 . 0 、 特に 5 . 0 〜 6 . 5 ) に 保つ よ う に酸を追加 し 、 も はや酸を追加 し な く て も ほ ぼ一定の pH を少な く と も 0 . 5 時間持続す る ま で浸漬を持続す る も の であ る 。 つ ぎ
に合成ゼォ ラ イ ト を洗浄 し 、 ま た は洗浄す る こ と な く 、 ま た乾燥 し あ る い は乾燥す る こ と な く 次の 工程 に 用 い る 。
合成ゼォ ラ イ ト を浸漬す る 酸水性液 は、 無機酸及 び /又 は 有機酸の 水 性液であ る 。 例えば、 塩酸、 硫酸、 硝酸、 燐酸な どの無機酸、 及び蟻酸、 酢酸、 シ ユ ウ 酸、 酒石酸な どの有機酸を用 い る こ と がで き る 。 な かで も 弱酸、 例 え ば、 齚酸、 蟻酸、 酒石酸、 ア ジ ピ ン酸、 ホ ウ酸等が好ま し い。 更 に 、 緩衝剤を 酸水溶液に加え る こ と が好 ま し い。 緩衝剤 は酸水性液 に 緩衝作用 を付与す る も の で あ れ ば良 く 、 典型的に は種々 の弱酸 と そ の塩 の組み 合せ、 例 え ば齚酸 と 酢酸ナ ト リ ウ ム 、 舴酸 カ リ ウ ム ま た は詐酸 ァ ン モ ニ ゥ ム 、 シ ユ ウ 酸 と シ ユ ウ 酸ナ ト リ ウ ム 、 シ ユ ウ 酸 カ リ ウ ム ま た は シ ユ ウ 酸 ア ン モ ニ ゥ ム 、 酒石酸 と 酒石酸ナ ト リ ウ ム 、 酒石酸 カ リ ウ ム ま た は酒石酸ア ン モニ ゥ ム、 リ ン酸 と リ ン酸ナ ト リ ウ ム 、 リ ン酸カ リ ウ ム ま た は リ ン酸 ア ン モ ニ ゥ ム 等の組み合わせが挙げ ら れ る が、 こ れ ら に 限 定 さ れな い。 2種類以上の酸及び Zま たは緩衝剤を混合使用 し て も良い。 上記浸清の代 り に 洗浄す る こ と に よ つ て も 一定の効果が得 ら れ る が、 効果の程度 は小 さ い。 な お、 天然ゼォ ラ イ 卜 の場合に は、 こ れが元々 、 ア ル 力 リ 性を呈 さ な い の で 、 上記の浸瀵又は洗浄は特に行 う必要はな い。 本発明 に お い て抗菌性ゼォ ラ イ ト 表面を処理す る 組成物 は 、 ( A ) ァ リ 一 ル基を有す る 加水分解可能な シ ラ ン及び /又 は そ の ォ リ ゴマ ー を 1 0 〜 1 0 0重量%含有す る 加水分解可能な シ ラ ン 及びノ又 は そ の オ リ ゴ マ ー 1 0 0重 S部、 ( B ) 塩基性窒素を有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン 1 〜 1 0 0 0重置部、 ( C ) 前記 ( B ) と塩を形成する水に可溶な酸 0. 2 〜 2 5 0重 S部か ら 成 る 。
上記組成物を構成す る 各成分 ( A ) 、 ( B ) 及 び ( C ) と し て は、 い ずれ も特開平 5 - 1 5 6 1 6 4 号公報記載の も の を使用 す る こ と がで き る 。
成分 ( A ) は、 下記一般式 ( I ) で表 さ れ る 、 好ま し く は分子量が約
6 0 0 ま で ( オ リ ゴ マ ー の 場 合 に は そ の 倍 数 ) の 化合物 で あ る 。
R 1
( I )
s 4 - n
式中、 R 1 は夫 々 独立 し て 〜 (: 1 8の飽和 ア ルキ ル基、 ァ リ ー ル基又 は ァ ラ ル キ ル基 で あ る 。 R 2 は 夫 々 独立 し て C , 〜 C e の 飽和 ア ル キ ル o
基 で あ り 、 特 に 有用 な も の は メ チ ル基 、 ェ チ ル基 、 プ ロ ピ ル基 で あ る 。
R
2
n は 1 又 は 2 で あ る 。
成分 ( A ) の 内 で ァ リ ー ル基を有す る 加水分解可能な シ ラ ン は、 一般 式 ( I ) 中 の R 1 の 少 な く と も 一 つ が ァ リ ー ル基 で あ る も の を 言 う 。 好 ま し く は フ エ ニ ノレ ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 フ ヱ ニ ル 卜 リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 ジ フ エ 二 ル ジ メ 卜 キ シ シ ラ ン 、 ジ フ エ 二 ル ジ ェ ト キ シ シ ラ ン 等が挙 げ ら れ る 。
成分 ( A ) の 内で ァ リ ー ル基を有 し な い加水分解可能な シ ラ ン と し て は 、 好 ま し く は メ チ ノレ 卜 リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 メ チ ノレ ト リ エ ト キ シ シ ラ ン、 メ チ ル ト リ プ ロ ボ キ シ シ ラ ン 、 ェ チ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 ェ チ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 ェ チ ノレ ト リ プ ロ ボ キ シ シ ラ ン 、 プ ロ ピ ノレ ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 プ ロ ピ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 プ ロ ピ ル ト リ プ ロ ボ キ シ シ ラ ン 、 プ チ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 ブ チ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 へ キ シ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 へ キ シ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 ベ ン ジ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 ォ ク チ ル 卜 リ メ 卜 キ シ シ ラ ン 、 ォ ク チ ノレ ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 ォ ク チ ル ト リ プ ロ ボ キ シ シ ラ ン 、 デ シ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 ド デ シ ル 卜 リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 ォ ク タ デ シ ノレ 卜 リ メ 卜 キ シ シ ラ ン 、 テ ト ラ デ シ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 テ ト ラ デ シ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 へ キ サ デ シ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 、 へ キ サ デ シ ル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 ジ メ チ ノレ ジ メ ト キ シ シ ラ ン 、 ジ メ チ ノレ ジ ェ ト キ シ シ ラ ン 、 ジ ブ チ ル ジ メ ト キ シ シ ラ ン 等が挙げ ら れ る 。
ま た 、 上記 シ ラ ン の縮合二 :!体及 び三量体 あ る い は そ れ以上の ォ リ ゴ マ ー を用 い る こ と がで き る 。 該オ リ ゴマ ー は、 そ れが加水分解性を有す る 範囲内 に お い て用 い る こ と がで き 、 好 ま し く は上記 シ ラ ン の 1 8 量体 以下の ォ リ ゴマ ー が用 い ら れ る 。
成分 ( A ) 中、 ァ リ ー ル基を有す る 加水分解可能な シ ラ ン 及び Z又 は そ の オ リ ゴ マ ー の 含有量は、 下限が 1 0重 S%、 好ま し く は 2 5 重 S%、 特に 好 ま し く は 3 5 重量% であ り 、 上限が 1 0 0 重量%、 好 ま し く は 9 0 重量% 、 特に好 ま し く は 8 0 重量% であ る 。 該含有量が上記下限未満 で は 、 本発明の効果が小 さ い の で好 ま し く な い。
成分 ( B ) と し て用 い ら れ る 塩基性窒素 を 有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン は下記一般式(II)で表 さ れ る 単位か ら 成 る 化合物で あ る
( R 3 ) χ · ( R 4 ) γ · ( 0 ) ζ - S i - 0 (4— χ— γ— ζ) /2 (II)
(式中、 R 3 は夫 々 独立 し て水素又 は (: ェ 〜 C 8 の飽和 ア ルキ ル基で あ り 、 R , は夫々 独立 し て N - 置換又 は非置換 ア ミ ノ ア ルキ ル基であ り 、 R 5 は夫 々 独立 し て水素又 は (: ェ - C , の飽和ア ルキ ル基で あ る 。 X 、 Y、 Ζ は平均値であ り 、 X は 0 〜 3 、 好 ま し く は 0 〜 2 、 Υ は 0 . 0 1 〜 1 、 好 ま し く は 0 . 1 ~ 0 . 6 、 Ζ は 0 〜 3 、 好 ま し く は 0 ~ 0 . 8 であ り 、 X 、 Υ 、 Ζ の和が 3 . 4 以下であ る 。 )
こ の塩基性窒素を有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン は、 Η - S i 結合を 有す る ポ リ シ ロ キ サ ン と ア ミ ノ 基 を有す る ア ル コ キ シ シ ラ ン と を混合、 加熱 し て反応 さ せ る こ と に よ り 製造す る こ と がで き る 。
H - S i 桔合を有す る ポ リ シ ロ キ サ ン は、 一般に市販 さ れて い る も の を使用 す る こ と がで き 、 そ の具体例 と し て は、 末端水素 ポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン ( チ ッ ツ 株式会社製、 P S - 5 5 7 ) 、 ト リ メ チ ル シ ロ キ シ 基 に よ り 末端封趙 さ れた ポ リ メ チ ルハ イ ド ロ シ ロ キ サ ン (チ ッ ツ 株式会社 製、 P S - 1 1 8 ) 、 ポ リ メ チ ル水素 - ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン コ ポ リ マ ー
( チ ッ ツ 株式会社製、 P S - 1 2 2 . 5 ) 、 ポ リ メ チ ル水素 - メ チ ル ォ ク チ ル シ ロ キ サ ン コ ポ リ マ ー ( チ ッ ツ 株式会社製、 P S - 1 2 5 ) 、 ポ リ エ チ ル水素 シ ロ キ サ ン ( チ ッ ツ 株式会社製、 P S - 1 2 8 ) 等が挙げ ら れ る 。
ま た、 ア ミ ノ 基を有す る ア ル コ キ シ シ ラ ン と し ては、 下記一般式(III) で表 さ れ る 化合物が好 ま し い。
( R 6 ) p ( R 4 ) S i ( O R 5 ) „_p (III)
(式中、 R 4 及 び R " は夫 々 上記 と 同 じ で あ り 、 R 6 (± C 2 - C 8 の飽 和 ア ルキ ル基、 P は 0 又は 1 であ る 。 )
R 4 の具体例 と し て は、 C H 3 - N H ( C H ) 3 - 、 C H η · Ν Η ( C Η ) Γ - 、 Ν Η 2 · ( C H ^ ^ H C C H ^ g - 、 C 4 H g • N H ( C H n ) 2 · N H · ( C Hり ) - 等 の N - 置換 ア ミ ノ ア ル キ ル基、 あ る い は H 2 N ( C H 2 ) 9 - 、 H 2 N ( C H 2 ) 3 - 等 の非置 換 ァ ミ ノ ア ルキ ル基が挙げ ら れ る 。
ア ミ ノ 基を有す る ア ル コ キ シ シ ラ ン の具体例 と し て は、 N - ( 2 - ァ ミ ノ ェ チ ル ) - 3 - ァ ミ ノ プ ロ ピ ノレ ト リ メ 卜 キ シ シ ラ ン 、 N - ( 2 - ァ ミ ノ エ チ ル ) - 3 - ァ ミ ノ プ ロ ピ ル メ チ ル ジ メ ト キ シ シ ラ ン 等 が一般 に 市販 さ れて お り 、 好適 に用 い ら れ る 。
成分 ( B ) 塩基性窒素を有す る オ ル ガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン は、 後述す る 水溶性の酸 ( C ) と 塩を形成す る こ と に よ り 、 親水性が向上 さ れ、 成分 ( A ) 加水分解可能な シ ラ ン及び /又 は そ の ォ リ ゴマ ー の加水分解を促 進す る 効果があ り 、 ま た こ れ ら を水性媒体中 に分散 さ せ る 働 き も あ る 。 成分 ( B ) の使用量 は、 成分 ( A ) 1 0 0 重 S部に 対 し 、 下限が好 ま し く は 1 重量部、 更 に好ま し く は 1 0 重量部、 特 に好 ま し く は 2 0 重量 部で あ り 、 上限が好 ま し く は 1 0 0 0 重 S部、 更 に好 ま し く は 2 0 0 重 量部、 特に 好 ま し く は 1 0 0 重量部であ る 。 該使用量が上記下限未満で
は 、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 への表面処理の際 に 、 水性媒体、 好 ま し く は 水中 への ( Α ) 〜 ( C ) か ら 成 る 組成物の分散が う ま く 行えず好ま し く な い。 本発明 に 従 う 処理は水系媒体中で行 う のが簡便であ る の で、 組成物の 水 中への分散を良好 と な す量の ( Β ) を用 い る こ と が好 ま し い。 一方、
( Β ) の量が、 上記上限を越え て は、 本発明 に 従 う 効果、 即 ち 変色作用 の抑制が低下す る た め好 ま し く な い。
成分 ( C ) と し て用 い ら れ る 水 に可溶な 酸 と し て は 、 塩酸、 硫酸、 硝 酸、 リ ン酸、 酢酸、 プ ロ ピオ ン酸等公知の も のか ら選 ばれ る 少な く と も 1 種の酸が使用 さ れ る 。 な かで も 酢酸、 プ ロ ピオ ン酸が有利であ る 。 成 分 ( C ) の使用量 は 、 成分 ( Α ) 1 0 0 重 S部に対 し 、 下限が 0 . 2 重 S部、 好 ま し く は 2 重 g部、 特に好 ま し く は 5 重量部であ り 、 上限が 2 5 0 重量部、 好 ま し く は 5 0 重置部、 特に好ま し く は 4 0重量部であ る。 該重量比が、 上記下限未満で は 、 組成物の 水分散性が悪 く な り 、 上記上 限を越え て は、 変色作用 の抑制が低下す る た め好 ま し く な い。 ま た 、 成 分 ( B ) に対す る成分 ( C ) の重量比 は、 下限が好 ま し く は 0 . 0 0 0 2 、 更 に好 ま し く は 0 . 0 0 5 、 特に好 ま し く は 0 . 0 5 であ り 、 上限 が好 ま し く は 2 5 0 、 更 に 好 ま し く は 1 0 0 、 特に好 ま し く は 1 0 であ る 。
本発明 に お い て、 上記 ( A ) 、 ( B ) 及 び ( C ) か ら成 る 組成物の量 は、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 に対 し て、 下限が 0 . 5 重量% 、 好 ま し く は 1 . 0 重 S %、 特に好 ま し く は 2 . 0 重量%、 上限が 2 0 重 S %、 好 ま し く は 1 6 重 S %、 特に 好 ま し く は 1 4 重量% で あ る 。 上記下限未満で は抗 菌性ゼォ ラ イ 卜 の変色作用 が抑制 さ れず、 ま た、 上記上限を超え て は抗 菌性ゼォ ラ イ 卜 の抗菌力を保持 し 得ず好 ま し く な い。
抗菌性ゼォ ラ イ 卜 の表面処理 に 際 し 、 上記 ( A ) 、 ( B ) 及び ( C ) か ら 成 る 組成物 は、 好 ま し く は水性媒体 (好 ま し く は水) に混合 し た状
態で、 ゼォ ラ イ ト の 水性分散物に 加え ら れ る 。 ま た、 水の ほ か、 水に 可 溶な 有機溶媒、 好 ま し く は ア ル コ ー ル例え ば メ チ ル ア ル コ ー ル、 ェ チ ル ァ ノレ コ ー ル 、 イ ッ ブ 口 ピ ル ァ ノレ コ ー ル 等 を併用す る こ と も で き る し 、 あ る い は上記有機溶媒単独で も よ い。 上記 い ずれに お い て も 、 該 シ リ コ ー ン組成物 は 、 好 ま し く は 1 ~ 3 0 重量% 、 特 に好 ま し く は 0 . 5 〜 2 0 重量% に希釈 し た状態で用 い ら れ る 。
本発明 に 従 う ( A ) 、 ( B ) 及 び ( C ) か ら成 る 組成物の 水性媒体へ の分散を助 け る た め に 、 媒体中 に 界面活性剤を添加す る こ と も で き る 。 但 し 、 界面活性剤の 添加に よ り 該組成物の ゼォ ラ イ 卜 表面への接着能が 低下す る た め 、 そ の添加量を必要最小限 と す る こ と が好 ま し い 。 該界面 活性剤 と し て は 、 例え ば、 特開平 5 - 1 5 6 1 6 4 号公報記載の エ ー テ ル型 、 ア ル キ ル フ ヱ ノ ー ル型、 エ ス テ ル型 、 ソ ル ビ 夕 ン エ ス テ ル型 、 'ノ ル ビ タ ン エ ス テ ノレエ ー テ ル型、 ア セ チ レ ン 型 、 シ リ コ ー ン 型 の ノ ニ オ ン 系界面活性剤が好 ま し い。
ま た、 本発明 に従 う 組成物の硬化反応促進剤 と し て触媒を 添加す る こ と がで き る 。 触媒の種類は特に 限定 さ れな いが、 有機 ス ズ化合物、 有機 チ タ ン化合物等が好適であ る。
本発明 に 従 う 組成物に よ る 処理の好 ま し い態様 に お い て、 水性媒体好 ま し く は水中で抗菌性金属を付与 さ れ た抗菌性ゼォ ラ イ ト を 水性媒体か ら分離 し 、 洗浄後かつ乾燥前の湿 っ た 状態に あ る 抗菌性ゼォ ラ イ ト 、 あ る い は乾燥後の抗菌性ゼォ ラ イ ト を再度水性媒体、 好 ま し く は水に分散 さ せ る 。 通常、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 重量 と 好 ま し く は等量以上、 特に好 ま し く は二倍量以上の 水性媒体、 好 ま し く は水 に分散 さ れ る 。 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 の表面処理は、 好 ま し く は該分散物を攪拌 し た状態で、 好 ま し く は室温〜 8 0 °C の温度で、 別途水性媒体、 好 ま し く は水で均一分散 し た 状態に あ る 本発明 に 従 う 組成物を 、 上記抗菌性ゼォ ラ イ 卜 と 水性媒体 と
の分散物に 徐々 に添加す る こ と に よ り 行わ れ る 。 処理時間 は 、 好 ま し く は 0 . 5 時間〜 4 8 時間の範囲で適宜選択で き る が、 低温で長時間処理 す る こ と が好 ま し い。
上記の 表面処理終了後、 通常、 表面処理が施 さ れ た抗菌性 ゼォ ラ イ 卜 を分離 し 、 次 いで洗浄、 乾燥す る 。 分離操作 は、 例え ば濾過、 デ カ ン テ ー シ ヨ ン 等任意の方法で行 う こ と がで き る 。 ま た 、 洗浄 は省略 し て も よ い。 乾燥処理 は常圧又 は滅圧下において、 好ま し く は 1 0 0 〜 5 0 0て、 更 に 好 ま し く は 1 5 0 - 5 0 0 ° (: 、 特に好 ま し く は 2 0 0 〜 5 0 0 °Cの 温度で行われ る 。 特に好ま し く は、 減圧下、 1 0 0 〜 3 5 0 °Cで行われ る 。 好 ま し い乾燥温度 は、 本発明 の抗菌性ゼォ ラ イ ト と 後 に 混練 さ れ る 有機ポ リ マ ー の融点以上、 よ り 好 ま し く は混練す る 際 の温度以上でかつ 5 0 0 °C以下の温度で乾燥す る こ と であ る 。 こ れに よ り 、 変色作用 の非 常に 少な い抗菌性ゼォ ラ イ 卜 を 得 る こ と がで き る 。 例えば、 ポ リ プ ロ ピ レ ン樹脂 は好 ま し く は 2 0 0 〜 2 4 0 °C程度、 A B S 樹脂 は好 ま し く は 2 2 0 ~ 2 6 0 て程度、 ポ リ ア ミ ド榭脂は好 ま し く は 2 4 0 ~ 2 8 0 で 程度、 ま た ポ リ エ ス テ ル樹脂 は好 ま し く は 2 6 0 〜 3 0 0 て程度の温度 で、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 と の混練、 及び成形がな さ れ る た め 、 夫 々 上記温 度以上でかつ上記上限以下の温度が採用 さ れ る 。
本発明の処理に よ り 抗菌性ゼォ ラ イ ト 表面に 、 本発明 に従 う 組成物に よ る 薄膜が形成 さ れ る と 考え ら れ る が、 抗菌性は阻害 さ れな い。 抗菌性 ゼォ ラ イ ト に対 し て 2 0 重 S %以下の量の本発明 に 従 う 組成物で処理 さ れ た抗菌性ゼォ ラ イ ト は、 該処理を施 さ れな か っ た抗菌性ゼォ ラ イ 卜 と 比べて、 同等の 又は実用上問題の な い抗菌性を示す。
ま た、 本発明 に従 う 組成物の量が、 抗菌性ゼォ ラ イ ト に対 し て 0 . 5 重 S %以上で変色作用が抑制 さ れ る 。 即 ち 、 本発明に お い て、 抗菌性ゼ ォ ラ イ ト に対 し て 0 . 5 〜 2 0 重 S %の範囲の量の本発明 に 従 う 組成物
に よ り ゼォ ラ イ ト を表面処理 し た 時、 優れ た抗菌力を保持 し つ つ 、 変色 作用 が少な い と い う 効果を 奏す る 抗菌性ゼォ ラ イ ト が得 ら れ る 。
本発明の抗菌性ゼォ ラ イ 卜 に は 、 そ の 白 度を補 う た め 、 酸化マ グ ネ シ ゥ ム 、 酸化 カ ル シ ウ ム 、 酸化ア ル ミ ニ ウ ム 、 酸化亜鉛、 酸化 チ タ ン 、 二 酸化 ケ ィ 素、 炭酸 カ ル シ ウ ム 、 炭酸マ グ ネ シ ウ ム 、 硫酸バ リ ウ ム 等の 白 色系顔料を本発明に 従 う 組成物に よ る 表面処理前又 は後に 添加す る こ と がで き る 。
更 に、 本発明の抗菌性ゼォ ラ イ 卜 に は、 ケ ィ 酸マ グ ネ シ ウ ム 、 ケ ィ 酸 ア ル ミ ニ ウ ム 、 ゲ イ 酸亜鉛、 シ リ カ ゲ ル亜鉛、 合成ハイ ド 口 タ ルサイ ト 、 ト リ ボ リ リ ン酸 ア ル ミ ニ ウ ム 等の 添加剤を上記組成物に よ る 表面処理前 又は 後に添加す る こ と がで き る 。 該添加は 、 本発明の効果を妨げ る も の では な い。
本発明で得 ら れ る 抗菌性 ゼォ ラ イ ト は、 従来の抗菌性ゼォ ラ イ 卜 と 同 じ 分野で用 い る こ と がで き 、 特に 任意の低分子量又 は高分子 S有機 ポ リ マ ー に配合 さ れて、 抗菌性を発揮す る と 共 に 、 有機 ポ リ マ ー 配合物を変 色 さ せな い。 従来難題 と さ れて い た高融点を持つ A B S 樹脂や ポ リ エ ス テ ル樹脂等の エ ン ジ ニ ア リ ン グプ ラ ス チ ッ ク に対 し て も 、 配合物を著 し く 変色 さ せ な い。 有機ポ リ マ ー と し て は、 例 え ばポ リ エ チ レ ン、 ボ リ プ ロ ピ レ ン 、 ポ リ ス チ レ ン 、 ポ リ 塩化 ビ ニ ル 、 ポ リ 塩化 ビ ニ リ デ ン 、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ エ ス テ ノレ 、 ポ リ エ ス テ ノレ 二 ラ ス ト マ ー 、 ポ リ ビ ニ ル ア ル コ ー ル、 ポ リ カ ー ボネ ー ト 、 ポ リ ア セ タ ール、 A B S 樹脂、 ア ク リ ル樹脂、 酢酸 ビ ニ ル樹脂、 ふ つ 素樹脂、 ポ リ ウ レ タ ン 等の 熱可塑性合成高分子、 フ エ ノ ー ル樹脂、 ユ リ ア榭脂、 メ ラ ミ ン樹脂、 不飽和ポ リ エ ス テ ル樹脂、 エ ポ キ シ 樹脂、 ウ レ タ ン樹脂等の熱硬化性合成高分子、 レ ー ヨ ン 、 キ ュ ブラ 、 ア セ テ ー ト 、 ト リ ア セ テ ー ト 等の再生又 は半合成高分子等が示 さ れ る 。 ま た、 製紙等に お い て紙原料に 配合す る こ と がで き る 。 特に、 残
留触媒、 反応性末端基を有す る ポ リ エ チ レ ン 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン 等の ポ リ ォ レ フ ィ ン 、 又 は特 に 融点が高 い の で高温で加工 さ れ る A B S 樹脂、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ エ ス テ ノレ 等 の エ ン ジ ニ ア リ ン グ プ ラ ス チ ッ ク に 、 従 来 の 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 、 特 に 銀担持台成ゼォ ラ イ ト を配合す る と 、 成形加工 時の熱又 は使用 時の 日 光等の紫外線 に よ っ て変色 し やすか つ たが、 本発 明の抗菌性ゼォ ラ イ ト を 用 い る と 、 変色が顕著 に抑制 さ れ る 。
ま た、 本発明で得 ら れ る 抗菌性 ゼォ ラ イ 卜 自 体 も 白色度が高 く 、 そ の 商品価値が大 き い。 かつ 台成高分子樹脂 に は良好 に分散 し 、 練 り 込み可 能な の で 、 食品、 医薬品及 び衛生環境分野で、 例え ば繊維、 フ ィ ル ム 、 そ の他の成形物品の形で用 い る の に適 し て い る 。 ま た 、 該抗菌性ゼオ ラ ィ ト 自体、 安全性が高 く 、 安定であ る の で 、 塗料、 接着剤、 粘着材等を 包含す る 幅広い分野の ポ リ マ ー に適用 で き 、 清潔 さ と 、 快適 さ を一段 と 高 め得 る こ と がで き る よ う に な っ た。 な お 、 他の抗菌剤及 び抗 カ ビ剤、 特に有機系抗菌剤及 び抗カ ビ剤 と 併用 す る こ と も で き る 。 ま た、 他の有 機系防虫剤 と 併用す る こ と も可能であ る。
以下、 本発明を実施例に よ り 更 に詳細 に 説明す る が、 本発明 は こ れ ら 実施例 に よ り 限定 さ れ る も ので は な い。 実施例
実施例 1 〜 6 及び比校例 1 ~ 4
実施例 に お い て、 白色度 は、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 を下記に 示す よ う に 各 有機ポ リ マ ー に配合 し て プ レ ー ト を作 り 、 各 プ レ ー 卜 のハ ン タ ー 白度 を T C - 1 型測色計 (東京電色工業株式会社製) で測定 し て評 ffi し た。
ί几菌性 は、 大腸菌 ( Escherichia co 1 i 、 . M (Pseudomonas aerug inosa)、 又 は ク ロ カ ビ(Aspergillus niger) に対す る 各抗菌性ゼォ ラ イ 卜 の最小阻止濃度 ( M I C ) を 測定 し て評価 し た。
ド ロ ッ プ法抗菌力評価試験 は下記の通 り に実施 し た。
(1) 試験菌株 と し て、 大腸菌 (Escherichia coli、 I F 0 - 1 2 7 3 4 ] を使用 し た。
(2) 菌液の調整 寒天培地で 3 7 て に て 1 8 時間培養 し た 試験菌株を 、 リ ン酸塩緩衝液 ( !17.2)に 浮遊 さ せ 1 0 " C e 1 1 s / m 1 の 懸濁液を 作 っ た。 -
(3) 測定 上記菌液を希釈 し て、 初期菌数 2 . 9 X 1 0 5 C e 1 1 s / m l の 菌液を調整 し た。 次に 、 下記 に 示す ポ リ エ ス テ ル樹脂 プ レ ー ト 表 面に該菌液を滴下 し 、 2 5 °C ± 5 °Cで 6 時間保持 し て、 該 プ レ ー ト 上の 菌液につ い て菌数を 測定 し た。 同様 に し て A B S 樹脂 プ レ ー 卜 に つ い て 測定を行 い、 但 し 、 こ の場合に は 初期菌数 1 . 8 x 1 0 5 C e 1 1 s / m 1 の菌液を滴下 し た。
抗菌性金属の担持 ( イ オ ン交換 )
市販 A型ゼオ ラ イ ト (ェ チ ル社製、 平均粒径 2 . 0 ^ m ) 2 0 0 0 g を イ オ ン交換水 1 0 リ ッ ト ル中 に分散 さ せ、 1 時間煮沸処理 し た後、 充 分 に遽過及 び洗浄を行 っ た。 こ の A型ゼォ ラ イ ト を 出発原料 と し た。 内容量 2 0 リ ッ ト ルの撹拌装置付反応槽 に上記煮沸洗浄後の A型ゼォ ラ イ ト を入れ、 室温の イ オ ン交換水に分散 さ せ て 1 0 リ ッ ト ルの ス ラ リ 一 と し 、 撹拌速度 5 0 0 rpm で撹拌を継続 し た (当初 pHl 1 ) 。 次いで、 1 0 %硝酸水溶液を徐 々 に 添加 し て、 ゼォ ラ イ ト ス ラ リ ー の pHを 5 . 5 に調整 し た。 3 0 分間撹拌後、 硝酸銀 ( A g N 03 ) 1 2 0 g ( ゼオ ラ イ ト に対 し 、 A g 量で 3 . 8 重量% ) 、 硝酸亜鉛 ( Z n ( N 03 ) 2 · 6 H 2 0 ) 7 0 0 g (ゼオ ラ イ ト に 対 し 、 Z n 量で 7 . 7 重量% ) を ィ オ ン交換水 5 リ ッ ト ル に溶解 さ せ た液 ( イ オ ン交換反応液) を 3 0 分間 か け て徐 々 に 添加 し 、 次に温度を 6 5 て に昇温 し て更 に 5 時間撹拌を行 つ て抗菌性 イ オ ン の イ オ ン交換反応を終え た。 続 い て、 ブ フ ナ ー 瀘過装
置を 用 い て固液分離 し 、 固相を イ オ ン交換水で洗浄 し た後、 1 3 0 °Cで 4 時間乾燥 し 、 塊を 砕 い た。 白色度の高 い抗菌性ゼォ ラ イ ト を得 た。
表面処理剤の 製造
< 成分 ( B ) 塩基性窒素を 有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン の製造 > ポ リ メ チ ル ハ イ ド ロ ジ ェ ン シ ロ キ サ ン ( P S - 1 1 8 、 商標、 チ ッ ツ 株式会社製、 分子量 3 6 0 〜 4 2 0 ) 3 9 9 0 グ ラ ム と N - ( 2 ア ミ ノ エ チ ル ) - 3 - ア ミ ノ プ ロ ビ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン ( S 3 2 0 、 商標、 チ ッ ツ 株式会社製) 1 6 5 0 グ ラ ム を混合 し 、 1 4 0 て で 6 時間加熱 し て、 ア ミ ノ 基を 有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン (窒素含有 S 3 . 7 重量 % ) を得た。
< 成分 ( A ) 、 ( B ) 及び ( C ) か ら 成 る 組成物の製造 〉
製造例 1 : 成分 ( A ) フ ニ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 7 0 0 重量部及 び デ シ ル ト リ メ 卜 キ シ シ ラ ン 3 0 0 重 S部、 成分 ( B ) 上記で製造 し た ァ ミ ノ 基を有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン 2 0 0 重量部、 及 び成分 ( C ) 酢酸 5 0 重量部を混合 し 、 9 0 て で 3 時間 *拌 し て透明の 溶液を得た (表面処理剤 ィ ) 。
製造例 2 : 成分 ( A ) フ ヱ ニ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 7 0 0 重量部及 び デ シ ル 卜 リ メ ト キ シ シ ラ ン 3 0 0 重 S部、 成分 ( B ) 上記で製造 し た ァ ミ ノ 基を有す る オ ル ガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン 5 0 0 重量部、 及 び成分 ( C ) 胙酸 8 0 重量部を混合 し 、 9 0 で 3 時 間攪拌 し て透 明 の 溶 液 を 得 た (表面処理剤 口 ) 。
該表面処理剤 口 の物性は下記の通 り であ つ た。
( 1 ) 比重 ( 2 5 て、 浮 き 秤法) : 1 . 0 1 8
(2) 粘度 ( 2 5 て、 B 型粘度計) : 1 0 セ ン チ ボ イ ズ
(3) 水分散性 ( 1 5 倍希釈) : 白色エ マ ル ジ ョ ン と し て、 2 時間安定 し て存在 し た。
< 比較用表面処理剤の製造 >
製造例 3 : デ シ ル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン 5 0 0 重量部、 上記で製造 し た 成分 ( B ) ア ミ ノ 基を 有す る オ ルガ ノ ポ リ シ ロ キ サ ン 5 0 0 重 S部、 及 び成分 ( C ) 醉酸 8 0 重 S部を 混合 し 、 9 0 てで 3 時間攪拌 し て透明の 溶液を得 た (表面処理剤ハ) 。 該表面処理剤は、 ァ リ ー ル基を有す る 加 水分解可能な シ ラ ン 及 び /又は そ の加水分解可能な ォ リ ゴマ ー を 含 ま な い o
表面処理剤に よ る 抗菌性 ゼォ ラ イ 卜 処理
各実施例及び比較例 に お いて、 上記抗菌性ゼォ ラ イ 卜 1 0 0 0 重量部 を イ オ ン 交換水 3 0 0 0 重量部中 に分散 し て ス ラ リ ー と し 、 温度を 3 0 に 保持 し て、 撹拌速度 5 0 0 r p mで攪拌を継続 し た (当初 pH l 0 ) 。 次い で、 1 0 % 硝酸水溶液を徐 々 に添加 し て、 該 ス ラ リ ー の pHを 5 . 5 に調整 し た。 該 pBが、 硝酸水溶液を添加す る こ と な し に 、 1 時間以上変 化 し な い こ と を確認 し た後、 表 1 に 示す量 (重量部、 水を加え る 前の重 量) の各表面処理剤を 1 4 倍重量の イ オ ン 交換水 と 混合 し 乳化状態に し た も のを 、 上記の ス ラ リ ー 中に 1 時間かけ て徐々 に添加 し た。 更 に 、 該 温度で 4 8 時間攪拌 し て表面処理を終え た。 続い て、 ブ フ ナ ー ffi過装置 を用 いて固液分離 し 、 固相を イ オ ン交換水で洗浄 し た後、 2 1 0 てで 1 2 時間乾燥 し 、 塊を砕 い た。 夫 々 白色度の高 い表面処理抗菌性ゼォ ラ イ 卜 を得た。
有機ポ リ マ一^の配合
有機ポ リ マ ー と し て、 A B S 樹脂 ( タ フ レ ッ ク ス 4 1 0 、 商標、 モ ン サ ン ト 化成株式会社製) 、 ポ リ ア ミ ド樹脂 ( 6 N - S D 、 商標、 鏟紡株 式会社製) 及び ポ リ エ ス テ ル樹脂 ( P E T - S D 、 商標、 鏟紡株式会社 製) の三種の樹脂を使用 し た。 上記の表面処理又 は未処理抗菌性ゼオ ラ ィ 卜 及び各樹脂 は、 い ずれ も 1 0 5 ΐ で 2 時間予備乾燥を行 っ た上で使
用 し た。 ま た、 該抗菌性ゼォ ラ イ 卜 の樹脂への配合量 は 2 . 0 重量% と し た。
該 Si菌性ゼォ ラ イ 卜 と 各樹脂を射 出成形機 ( M O D E L I S - E P N型 、 東芝機械株式会社製) に 供給 し 、 5 0 m m x 9 0 m m x 5 m m の プ レ ー ト を成形 し た。 こ こ で、 各樹脂の射出温度は、 A B S 樹脂 : 2 6 0 て 、 ポ リ ア ミ ド樹脂 : 2 7 0 て 、 ポ リ エ ス テ ル樹脂 : 2 8 5 て に 夫 々 設定 し た
対照 1 で は、 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 を配合せ ず、 上記 と 同一に し て各樹脂 の プ レ ー 卜 を成形 し た。
上記表面処理後の抗菌性ゼォ ラ イ 卜 の抗菌性、 各プ レ ー 卜 の ド ロ ッ プ 法抗菌力評価試験結果及 びハ ン タ ー 白 度を表 1 に 示す。
表 1
実施例 比較例
1_ _ 3_ 4_ 5. 6. 2 3 4
抗菌性ゼォライ ト (重量部) 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000
¾而処刑剤 ($: 部) 5 20 40 80 160 40 - 240 40 40
ィ ィ ィ ィ 口 ィ ハ B *3
MI C (p pm)
大腸 IS 125 125 125 125 125 125 125 250 125 125
緑膿菌 125 125 125 125 125 125 125 500 125 125
クロカビ 250 250 250 250 500 250 250 2000 250 250
ドロップ法抗菌力評価試験 (Cells/ml)
ABS樹脂 0 0 0 0 0 0 0 30 0 0 2.7x10 ポリエステル樹脂 0 0 0 0 0 0 0 10 0 0 3.1x10 ハンター白度
ABS榭脂 17.6 36.1 41.2 41.1 41.5 41.8 11.3 41.8 23.6 28.1 42.0 ポリアミ ド榭脂 49.7 68.3 74.0 76.0 76.2 75.9 43.6 76.0 62.7 64.3 76.4 ポリエステルお jfl 24.7 53.3 58.4 61.0 61.6 61.7 18.2 61.9 40.3 46.5 65.6
* 1 表面処理をしなかった抗菌性ゼォライ トを使用したもの
* 2 抗菌性ゼォライ トを含まないもの
* 3 成分 (B) のみを表面処理剤として使用したもの
対 1 照;?
実施例 1〜 5 は、 表面処理剤 ィ の量 を本発明の 範囲内で増加 さ せ た も の で あ る 。 実施例 5 に お い て は 、 ク ロ カ ビに対す る 抗菌性が多少低い値 を示 し た も の の、 十分な も のであ っ た。 ま た、 各樹脂のハ ン タ ー 白度は、 比較例 1 に比べて改善 さ れて い る 。 実施例 6 は、 組成物中の成分 ( B ) 及び ( C ) の置を本発明の範囲で変え た も の (表面処理剤 口 ) であ る 。 実施例 3 と ほぼ変 ら な い良好な 抗菌性及びハ ン タ ー 白 度を示 し た。 尚、 対照 1 は、 抗菌性ゼォ ラ イ ト を 含 ま な い各樹脂に つ い て の 抗菌性及 びハ ン 夕 一 白 度を測定 し た も のであ る 。
一方、 比較例 1 は、 夫 々 表面処理を し な か っ た抗菌性ゼォ ラ イ ト を使 用 し た も ので あ る 。 実施例 1 ~ 5 と 比べてハ ン タ ー 白度が著 し く 低か つ た。 比較例 2 は 、 表面処理剤 ィ の量が本発明の範囲を超え た ものであ る。 ハ ン タ ー 白度 は良好であ つ たが、 抗菌性は低下 し て い る 。 比較例 3 は 、 ァ リ一ル基を有す る シ ラ ン を含 ま な い表面処理剤ハを 4 重量%使用 し た も の であ る 。 抗菌性 は良好であ る が、 ハ ン タ ー 白度は 実施例 3 と 比べて 低か っ た。 比較例 4 は、 表面処理剤 と し て成分 ( B ) を使用 し た も の で あ る 。 実施例 3 と 比べて、 ハ ン タ ー 白 度は低か っ た。
こ れ ら の各プ レ ー ト を 直射 日 光が当 る 室内窓際 に 3 か月 間置 き 、 観察 を統け た。 本発明の プ レ ー ト の 白 度は殆ど変 ら ず、 成形初期の 白度を維 持 し て い た。 実施例 ? 〜 9
抗菌性金属の担持 ( イ オ ン交換)
下記の Sの 化合物を用 い て ィ ォ ン交換 し た。
実施例 7 : 硝酸銀 ( A g N 03 ) 1 2 0 g (ゼオ ラ イ ト に対 し 、 A g 量で 3. 8重 S 9。) 及 び硝酸亜鉛 ( Ζ η ( Ν 03 ) 。 · 6 Η 2 0 ) 7 0 0 g (ゼォ ラ イ 卜 に対 し 、 Z n量で 7. 7重 S % ) 並 びに 硝酸マ グネ シ
ゥ ム ( M g ( N 03 ) 6 H 0 ) 4 2 0 g (ゼオ ラ イ ト に対 し M g量で 2 . 0 重量% ) であ る 。
実施例 8 : 硝酸銀 ( A g N 03 ) 2 0 g (ゼオ ラ イ ト に 対 し 、 A g 量で 3 . 8 重量% ) 及 び硝酸亜鉛 ( Z n ( N 0 0 ) 6 H 2 0 ) 7 0
3 ' 2
0 g (ゼオ ラ イ ト に 対 し 、 Z n 量で 7 . 7 重 S % ) 並 びに 硝酸 カ ル シ ゥ ム ( C a ( N 03 ) 4 H 0 ) 2 4 0 g (ゼオ ラ イ ト に対 し 、 C a
Sで 2 . 0 重量% ) で あ る 。
実施例 9 : 硝酸銀 ( A g N 03 ) 2 0 g (ゼオ ラ イ ト に対 し 、 A g 量で 3 . 8 重量% ) 及 び硝酸亜鉛 ( Z n ( N 03 ) 6 H 0 0 ) 7 0
0 g (ゼオ ラ イ ト に対 し 、 Z n 量で 7 . 7 重量% ) 並 びに 硝酸ア ル ミ 二 ゥ ム ( A 1 ( N 03 ) 2 9 H „ 0 ) 1 4 0 g (ゼオ ラ イ ト に対 し A
1 量で 0 . 5 重量% ) であ る 。
表面処理剤に よ る 抗菌性ゼォ ラ イ 卜 処理
上記の実施例 1 〜 6 と 同一の方法で処理 し た。 表面処理剤 と し て、 表 2 に示す量 (重量部) の表面処理剤 ィ を使用 し た。
有機ポ リ マ ー への 配合
有機ポ リ マ ー と し て 、 上記実施例 1 〜 6 で使用 し た と 同一の ポ リ エ ス テ ル樹脂を使用 し て、 同一の方法でプ レ ー 卜 を作 っ た。
上記表面処理後の抗菌性ゼォ ラ イ 卜 の ドロ ッ プ法抗菌力評価試験結果、 及び ブ レ ー 卜 の ハ ン タ ー 白度を表 2 に示す。
実施例
7 8 9
抗菌性ゼォ ラ イ 卜 (重 S部) 1000 1000 1000
表面処理剤 (重量部) 40 40 40
*
¾類 Λ Λ
ド ロ ッ プ法抗菌力評価試験 ( Ce 11 s 1)
ポ リ エ ス テ ル樹脂 0 0 0 ハ ン タ ー 白 度
ポ リ エ ス テ ル樹脂 64.7 62.0 63. 1 実施例 7 9 は、 抗菌性以外の金属 (夫々 マ グネ シ ウ ム 、 カ ル シ ウ ム、 ア ル ミ ニ ウ ム) を併用 し た抗菌性ゼォ ラ イ ト を使用 し た も の であ る 。 銀 及び亜鉛の量並びに 表面処理剤の置が等 し い実施例 3 と 比べて、 同等の 抗菌力を維持 し なが ら 、 ハ ン タ ー 白度を 向上 し 得 る こ と が分か っ た。
こ れ ら の各プ レ ー ト を直射 日 光が当 る 室内窓際 に 3 か月 間置 き 、 観察 を統け た。 各プ レ ー 卜 の 白 度 は殆 ど変 ら ず、 成形初期の 白度を維持 し て い た。
本発明の抗菌性ゼォ ラ イ 卜 は、 有機 ポ リ マ ー に配合 し た場合、 加工時 の熱の影響下で、 あ る い は 日 光等紫外線下で ポ リ マ ー を変色 さ せ る 作用 が極めて少な く 、 かつ良好 な抗菌性を持つ。