JP2559126B2 - 耐候性抗菌ゼオライト組成物 - Google Patents
耐候性抗菌ゼオライト組成物Info
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Description
るものである。
光化学反応にもとづいて着色、変質、褪色等を起す現象
は周知の事実である。同様な傾向が銀を含む抗菌性ゼオ
ライトについても見られるので、これを長期間に亘って
安定に保存するためには、光をさけて暗所に保存する方
法が採用されている。本発明者は銀を含む抗菌性ゼオラ
イトの取扱いを簡便化して実用上の不便を除くため鋭意
研究中のところ、銀を含有する抗菌性ゼオライトならび
に銀と他の抗菌金属を複合させた抗菌性ゼオライトに紫
外線吸収剤を含有させてなる抗菌性ゼオライト組成物は
耐候(光)性に富み、抗菌性ゼオライトの着色、変質、
褪色等を最少限に防止するとともに、本来のそれの抗菌
性能に紫外線吸収剤は殆んど影響を与えぬことを見出し
た。さらに活性化された抗菌性ゼオライト微粉末に対す
る分散剤の添加は、それの凝集を防止することを見出し
本発明に達した。以下に本発明の細部を説明する。
下が銀のみ、または銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマ
ス、カドミウム、鉄およびクロムから成る抗菌金属群よ
り選ばれた少くとも一種の金属と銀により部分置換され
てなる抗菌性ゼオライトに紫外線吸収剤を含有させてな
る耐候(光)性抗菌ゼオライト組成物とその製造方法を
提供するものである。また本発明は、前記の抗菌性組成
物に、さらに分散剤を添加せしめて、それの凝集を抑制
した極めて活性な抗菌ゼオライト組成物とその製造方法
を提供するものである。
は合成品のいづれでもよい。ゼオライトは一般式xM2/n
O・Al2O3・ySiO2・zH2Oで表わせるものであり、これ
の、イオン交換可能なMを抗菌金属である銀のみで部分
置換したり、または銀と他の抗菌金属の少くとも一種の
組合せで、イオン交換法により、部分置換されて抗菌性
ゼオライトは調製される。上記のゼオライトの一般式中
のMはイオン交換可能な1価〜多価の金属(例:アルカ
リ金属、アルカリ土類金属等)であって、但し銀、銅、
亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、鉄および
クロムの抗菌金属群を除くものである。またxおよびy
はそれぞれ金属酸化物=酸化珪素の係数を、さらにzは
ゼオライト中の結晶水の分子数を表わしている。
も本発明で必要とする抗菌性金属イオンの少くとも一種
の必要量を保持するのに充分な能力を保持している。よ
り具体的には、本発明に好適な天然ゼオライトとして
は、チャバサイト〔chabazite;E.C.(交換容量)5meq
/g〕、モルデナイト(mordenite;E.C.2.6meq/g)、エ
リオナイト(Erionite;E.C.3.8meq/g)、クリノプチ
ロライト(Clinoptilolite;E.C.2.6meq/g)等が例示
される。一方合成ゼオライトとしては、例えば、A型ゼ
オライト(A type zeolite;E.C.7meq/g)、X型ゼオ
ライト(X type zeolite;E.C.6.4meq/g)、Y型ゼオ
ライト(Y type zeolite;E.C.5.0meq/g)等が好適な
素材として例示される。前述の天然ならびに合成ゼオラ
イトは比表面積も大きく、多孔質であり、且つこれらの
理論交換容量(E.C.)も充分な値を示している。
合、微粉末の状態で水溶性の銀塩溶液(例:硝酸銀水溶
液)または銀塩溶液−他の抗菌金属塩溶液〔例:硝酸銀
溶液−硝酸銅(II)溶液の混合溶液〕で、常温〜高温
で、バッチ法またはカーラム法により、イオン交換され
て所要量の抗菌金属イオン(例:Ag+;Ag+−Cu2+)をゼオ
ライト母体にイオン交換吸着させて抗菌性ゼオライトは
調製される。抗菌金属イオンとしては、例示したよう
に、Ag+のみ、またはAg+と他の抗菌金属イオンの組合せ
(複合例:Ag+−Cu2+;Ag+−Zn2+;Ag+−Cu2+−Zn2+;Ag+−
Cu2+−pb2+)が使用される。この場合使用する抗菌金属
のゼオライト母体への保持量はゼオライトの理論交換容
量値(E.C.)の90%以下に抑えることが重要である。抗
菌性の金属イオン(B)をナトリウム型のゼオライト
(NaZ;Zはゼオライトの母体;Naはイオン交換可能な金
属)でイオン交換してNaBZの抗菌性ゼオライトを調製す
る際に、NaBZ中のBの含量の増大につれて、ゼオライト
固相中のBの一部が加水分解して不溶性の塩基性塩の生
成(例:銅(II)や亜鉛の塩基性塩)や酸化物の形成
(例:AgO;CuO)等が見られる。これらの析出物は調製さ
れた抗菌性ゼオライト(NaBZ)の表面に析出するため
に、NaBZ本来の抗菌力や殺菌力を低下させる傾向にあ
る。従って上記の不溶性の析出物を最少限に抑えること
が抗菌性ゼオライト本来の抗菌機能を最大限に発揮させ
るためにも重量である。イオン交換に際して、使用する
ゼオライト(NaZ)のE.C.の飽和値までにBを置換させ
た場合、即ちBZ型に転換した場合は、上記の不溶性化合
物の生成率はより大になる傾向にある。かかる不溶性化
合物の抗菌性ゼオライト表面への析出を防止するために
は、素材の有するE.C.の90%以下に抗菌性金属の保持量
を抑える必要がある。例えばAg+で置換して抗菌性ゼオ
ライトを調製する場合は、使用するゼオライト(NaZ)
の理論交換容量(E.C.)の90%以下に銀含量を保持する
必要がある。さらに抗菌金属を複合させて、例えばAg+
−Cu2+含有液を用いNaZのNaを部分置換してNaAgCuZ型の
抗菌性ゼオライトを調製する場合は、使用するNaZのE.
C.の90%以下に銀と銅の合量を抑えることが望ましい。
次に、上述のイオン交換法により調製された抗菌性ゼオ
ライトは、水洗されて過剰の抗菌金属イオンが除去され
る。引続き水洗を終了した抗菌性ゼオライトは通常100
゜〜110゜で乾燥され、次いで、必要あれば、粉砕され
て粉末の平均粒子径(Dav)は調製されるが、通常の場
合、それは10μm以下になるように調整される。
のように10μm以下が望ましいが、粉末のDavは抗菌性
ゼオライトの使用目的により支配される。例えば抗菌性
ゼオライトを抗菌または殺菌、ならびに防臭目的でナイ
ロン、ポリエステル繊維等へ錬り込んで使用する場合
は、それのDavは1.5μm以下が好ましく、0.1〜1μm
の粒子径は最も好ましい範囲である。またポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の高分子体へ抗
菌性ゼオライトを含有させて抗菌化する場合は、それの
粒子径は最大5μmで、0.1〜3μmの粒子径を有する
活性化粉末は最も好ましいものである。一方、顔料やペ
イント等の分野へ抗菌フィラーとして使用する場合は抗
菌性ゼオライト粉末のDavは10μm以下が望ましい。
れた抗菌性ゼオライトの乾燥粉末は、さらに130゜〜300
℃の温度領域に於て加熱されて、その中の水分残留率が
通常6%以下になるよう調整される。上記の加熱操作を
減圧下で実施すれば、容易に水分の離脱が比較的低温下
で抗菌性ゼオライト粉末より行われる。例えば抗菌性ゼ
オライトの水分除去を200゜〜230℃付近で減圧下に実施
すれば、水分を0.3%以下に抑えることは容易である。
本発明の耐候性に富む抗菌ゼオライト組成物の調製に際
しては、前述の方法で調製される抗菌性ゼオライトの水
分を、通常の場合は、6%以下に保持すればよい。かゝ
る程度に水分を除去することにより、抗菌性ゼオライト
と紫外線吸収剤、分散剤ならびに其の他の添加剤の混和
が好ましい状態で行われる。
(含水率6%以下)の活性化品を主成分とし、これに副
成分として紫外線吸収剤を含有させて混合し耐候性に富
む抗菌性組成物が調製される。この場合、抗菌性ゼオラ
イト(無水基準)に対して、紫外線吸収剤の添加量は10
%以下が適当である。上記の添加量以下では抗菌性ゼオ
ライトの本来の抗菌〜殺菌能や防臭効果には殆んど影響
を与えないことを本発明者は確認した。紫外線吸収剤の
添加量は、それの種類、構造、物性等により異なるが、
通常の場合、上記の如く10%以下が適当であり、0.1〜
5%の添加でも抗菌性ゼオライト(例:NaAgZ;NaAgCuZ;N
aAgZnCuZ)の光に起因する着色、変色、褪色等を最少限
に防止する効果があることを本発明者は確認している。
本発明の耐候性に富む光菌性ゼオライト微粉末を使用す
る高分子体の種類を考慮し、特に高分子体が光により劣
化する高分子体(例:ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
エポキシ樹脂、ポリエチレン)へ添加する場合は、抗菌
性ゼオライト中の紫外線吸収剤の含有量を予め最大限に
増大させておいても、勿論よい。前述の特定した抗菌性
ゼオライト微粉末(含水率6%以下)の活性化品と紫外
線吸収剤の混合物は、例えば混錬機(Kneader)を用い
て混和し均質化されて耐候性に富む抗菌性ゼオライト組
成物が最終的に得られる。また界面活性剤(ノニオンま
たはカチオン系の界面活性剤)にてエマルジョン化して
実施出来る。上記の別法として、紫外線吸収剤を溶媒
(例:アルコール、エーテル、ベンゾール、クロロホル
ム等の有機溶媒)で処理して可溶化し、これを抗菌性ゼ
オライトの活性化粉末に添加し、次いで湿式混和を実施
する。上記操作を終了後、混和物を加熱処理して過剰の
溶媒を気化せしめて、耐候性に富む抗菌性ゼオライトが
製造される。後者の方法によれば、共存成分のより均質
化が可能であり、また抗菌性ゼオライト粉末の表面を紫
外線吸収剤の皮膜でコーティング(coating)すること
も可能であるので、より少量の紫外線吸収剤の使用で顕
著な耐候性を抗菌ゼオライトに付与する効果があること
も判明した。
る。例えばベンゾフェノン系〔例:2−ヒドロオキシブン
ゾフェノン:2,4−ジヒドロオキシベンゾフェノン;2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2,2′,4−トリ
ヒドロオキシベンゾフェノン〕、サルチレート系〔例:
フェニルサルチレート;2,4第3ブチルフェニル、3,5第
3ブチル4ヒドロキシベンゾエート〕、ベンゾトルアゾ
ール系〔例:(2′−ヒドロオキシフェニル)ベンゾト
リアゾール;(2′−ヒドロオキシ5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール〕、アクリルニトリル系〔例:
エチル2−シアノ3,3ジフェニルアクリレート〕等が好
適なものとして挙げられる。市販されている紫外線吸収
剤としては日本チバガイギー(株)の商品名TINUVIN−
P.320,263,327,328,およびPS(ベンゾトリアゾール系)
や同社のSANOL LS−770および765(ヒンダードアミン系
の紫外線安定剤)が望ましいものとして例示される。本
発明で使用される紫外線吸収剤としては安全性の面より
考慮して、急性毒性(LD50値)が少く、且つ亜急性また
は慢性毒性のより少いものが好ましい。また本発明の耐
候性を有する抗菌ゼオライト組成物を高分子体へ混入し
て成型する場合は、対象とする高分子体の成型温度を考
慮して、好ましい融点(mp)を有する紫外線吸収剤の使
用が望まれる。
散剤の添加は、一次粒子の二次粒子への凝集を防止する
効果がある。分散剤の使用は、通常15%以下で充分であ
り、1〜3%の添加でも微粉末の分散性を大ならしめる
効果があることが確認された。好適な分散剤としては、
金属石けん類〔例:ラウリン酸(C12)、ステアリン酸
(C18)等の金属塩(金属:Li,Ca,Sr,Mg,Ba,Al)〕が例
示される。これらの分散剤は、本発明の耐候性を有する
抗菌性ゼオライト組成物を高分子体に混和して使用する
際に、高分子体の安定剤や滑剤としても寄与する効果も
ある。さらに脂肪酸アミド系〔例:メチレンビスステア
ロアミド(mp=138゜〜140℃);エチレンビスステアロ
アミド(mp144℃)〕やアルコール系も耐候性抗菌組
成物の分散効果を高める利点がある。
オン交換容量の理論値の90%以下が銀のみ、または銅、
亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、鉄および
クロムから成る抗菌金属群より選ばれた少くとも一種の
金属と銀により部分置換されて成る、含水率が6%以下
の抗菌性ゼオライトを主成分とし、これに副成分として
主に紫外線吸収剤または紫外線吸収剤と分散剤を添加し
て得られた混合物の混和(kneading)工程を経て耐候性
抗菌ゼオライト組成物を製造する方法を本発明は提供し
ている。また本発明は前記混合物の混和を界面活性剤に
てエマルジョン化して実施する方法を併せて提供してい
る。さらに本発明は前述の特定した抗菌性ゼオライトを
紫外線吸収剤を含む溶媒で処理し、次いで加熱して溶剤
を除去する工程を経て耐候性抗菌ゼオライト組成物を製
造する新規な方法を提供するものである。
をプラスチックスに添加して抗菌化する際に、対象とす
るプラスチックの物性や化学性を考慮して、予め抗菌性
ゼオライト組成物中に酸化防止剤〔例:フェノール系の
BHT(2,6−ジ−ターシャルブチル−パラクレゾー
ル)〕、可塑剤〔例:フタル酸エステル系のDOP(2−
エチルヘキシル・フタレート)〕、安定剤、充填剤、難
燃剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、改質剤等が添加され
ていても勿論、支障はないことを付記しておく。
み、日光や紫外線、ならびに光存在下の空気中の酸素の
影響を最少限に抑えることが可能である。即ち抗菌金属
として銀のみを含む抗菌性ゼオライトや銀と他の抗菌金
属を複合してなる抗菌性ゼオライトの光化学反応にもと
づく、着色、変質等を防止する利点がある。
を有しているので、長期に亘って、安定保存や貯蔵が可
能である。
容易であるので実用上便利である。
方法により、均質化された耐候性を有する極めて微細粒
子よりなる抗菌ゼオライト組成物が得られる。
イトの微粒子を紫外線吸収剤でコーティングして薄膜化
することも可能である。
の一つである抗菌性ゼオライトの抗菌〜殺菌能は紫外線
吸収剤、分散剤等の存在下でも殆んど不変である。
菌〜殺菌目的で使用可能である。
関するものである。A型合成ゼオライトの乾燥微粉末
〔NaZ型;1.02Na2O・Al2O31.98SiO2・xH2O、E.C.(理論
交換容量)=7.18meq/g(無水基準)〕の一定量を採取
し、これにAgNO3溶液(製造例−1)またはAgNO3−Cu
(NO3)2混合溶液(製造例−2)を加えてイオン交換
を撹拌下に3時間(常温下)実施してNaAgZまたはNaAgC
uZ型の抗菌性ゼオライトに転換された。次に固相は過
され、次いで温水にて洗滌されてゼオライト固相の過剰
の金属イオンは除去された。水洗を終了された抗菌性ゼ
オライトは105゜〜110℃で乾燥された。
た。製造例−1で調製されたNaAgZ微粉末のDav=2.1μ
mであり、またAg含量は12.4%であった。上記のAg含有
量は使用したNaZ素材のE.C.の90%以下に相当する。さ
らに製造例−2で調製された複合型NaAgCuZ微粉末のDav
=2.2μmであり、Ag=2.6%、Cu=4.8%であった。
素材のE.C.の90%以下である。
製例に関するものである。
性ゼオライトNaAgZの乾燥粉末(Dav=2.1μm;Ag=12.4
%)約80gが210゜〜220℃の温度下で減圧乾燥されて、
その中の含水率は1.8%に保持された。次に前記処理を
経たNaAgZに対して紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾ
ール系の2′−ヒドロオキシフェニル−ベンゾトリアゾ
ール5%を添加して混和し、均質化された耐候性抗菌ゼ
オライト組成物が調製された。
性ゼオライトNaAgCuZの乾燥粉末(Dav=2.2μm;Ag=2.6
%;Cu=4.8%)約100gが約220℃の温度下で減圧乾燥さ
れて、その中の含水率は1.6%に保持された。前記処理
を経たNaAgCuZに対して、実施例−1と同様に、2′−
ヒドロオキシフェニル−ベンゾトリアゾール2%が添加
され、実施例−1と同様な方法で混和されて耐候性抗菌
ゼオライト組成物が調製された。
製例に関するものである。
イトNaAgCuZの乾燥粉末〔Dav=2.2μm;Ag=2.6%;Cu=
4.8%(無水基準)〕約100gが250℃付近で乾燥されて、
その中の含水率は4.6%に保持された。前記処理を経たN
aAgCuZに対して、紫外線吸収剤2′−ヒドロオキシ5′
−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール2%および分散
剤ステアリン酸−カルシウム2.5%が添加され、得られ
た混合物は混和され均質化された耐候性抗菌組成物が調
製された。
製例に関するものである。この場合紫外線吸収剤として
はフェニルサルチレート(C13H10O3)が使用された。
ライトNaAgCuZの乾燥粉末(Dav=2.2μm;Ag=2.6%;Cu
=4.8%)約70gが約235℃の温度下で減圧乾燥されて、
その中の含水率は1.2%に保持された。前記処理を経たN
aAgCuZに対して紫外線吸収剤を含む溶媒液(2%フェニ
ルサルチレートを含むエチルアルコール液)が添加さ
れ、混合物は混和機により混和され均質化された。均質
化された混和物は約80℃で減圧乾燥され過剰の溶媒は除
去された。上記の方法により得られた耐候性抗菌ゼオラ
イト組成物中のフェニルサルチレートの含有量は1.7%
であり、抗菌性ゼオライトの微粉末は紫外線吸収剤の薄
膜で均一にコーティングされることが確認された。
性を見るために次の試験を行なった。
(厚さ5mm)の容器に入れ、内容物を軽く圧して厚さを
約3mmに保った。これを日光の当る部屋に6ヶ月放置
(カバーなし)して色調の変化を調べた。同様な試験を
製造例−1(NaAgZ)の粉末についても実施した。第2
表に示したように、実施例−1の抗菌組成物では色調の
変化は6ヶ月に亘って見られず、耐候性を有することが
判明した。一方、製造例−1の抗菌性ゼオライトでは放
置期間の増大につれて、着色度は増加する傾向にある。
る。実施例−2,3および4で試作された抗菌性組成物を5
0×50mm(厚さ5mm)の容器に入れ、内容物を軽く圧して
厚さを約3mmに保った。これに紫外線(254nm)を連続5
日間照射して耐候性試験を行ない、その結果を第3表に
記載した。
められず、一方紫外線吸収剤を含まぬ抗菌性ゼオライト
(製造例−2)では色調の変化が認められ、紫外線の照
射期間の増大につれて、色調は青色より次第に褐色の方
向へ移行する。
菌ゼオライト組成物の日光や紫外線に対する効果は明白
である。
評価試験について述べる。抗菌力の評価は下記によっ
た。
みこませた培地は、細菌類についてはMueller Hinton培
地を使用した。被検菌は生理食塩水に108個/ml浮遊さ
せ、培地に0.1mlコンテージ棒で分散させた。被検ディ
スクをその上にはりつけた。
無を観察した。
(Aspergillus niger)の胞子懸濁液(104個/ml)1mlを
被検物質懸濁液(500mg/ml)9mlの中へ注入混釈し、24
時間、30℃で作用させた。その0.1mlをサブロー寒天培
地に分散させ30℃で48時間後生存個数を測定し死滅率を
求めた。死滅率の測定例を第5表に表示した。
および3に見られるように例えばstaphylococcus aureu
s(黄色ブドウ球菌)やEscherichia coli(大腸菌)の
細菌に対して阻止帯が形成される。また紫外線照射済み
の本発明の組成物も第4表に示したように依然阻止帯の
形成が見られる。次に、第5表に示したように、本発明
の組成物はAspergillus nigerの真菌に対しても効果が
大で、死滅率は100%に達している(実施例−2および
3参照)。さらに紫外線照射済みの本発明の組成物も、
実施例−2の照射済みサンプルに見られるように、依然
として好ましい抗菌力を発揮している。
ゼオライト組成物の構成成分の一つである抗菌性ゼオラ
イトの抗菌〜殺菌能は紫外線吸収剤、分散剤等の存在下
でも殆んど不変である。以上要するに、本発明は耐候性
を有する抗菌ゼオライト組成物を提供するものであっ
て、これの高分子体への利用は広汎と思考される。
Claims (4)
- 【請求項1】ゼオライトの有するイオン交換容量の理論
値の90%以下が銀のみ、または銅、亜鉛、水銀、錫、
鉛、ビスマス、カドミウム、鉄およびクロムから成る抗
菌金属群より選ばれた少くとも一種の金属と銀により部
分置換されてなる抗菌性ゼオライトに主として紫外線吸
収剤を含有させて成る耐候性抗菌ゼオライト組成物。 - 【請求項2】第1項記載の抗菌性ゼオライトの平均粒子
径が10μm以下であることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の耐候性抗菌ゼオライト組成物。 - 【請求項3】第1項記載の抗菌性ゼオライト(無水基
準)に対して、紫外線吸収剤を10%以下含有させて成る
特許請求の範囲第1項または第2項のいづれかに記載の
耐候性抗菌ゼオライト組成物。 - 【請求項4】第1項ないし第3項記載の抗菌ゼオライト
組成物に対して、さらに15%以下の分散剤を添加して成
る特許請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の耐
候性抗菌ゼオライト組成物。
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JPH01164722A JPH01164722A (ja) | 1989-06-28 |
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- 1987-12-22 JP JP62324260A patent/JP2559126B2/ja not_active Expired - Lifetime
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