JPH0629133B2 - 変色のない抗菌性銀ゼオライト及び抗菌性ポリマー組成物 - Google Patents

変色のない抗菌性銀ゼオライト及び抗菌性ポリマー組成物

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JPH0629133B2
JPH0629133B2 JP1285520A JP28552089A JPH0629133B2 JP H0629133 B2 JPH0629133 B2 JP H0629133B2 JP 1285520 A JP1285520 A JP 1285520A JP 28552089 A JP28552089 A JP 28552089A JP H0629133 B2 JPH0629133 B2 JP H0629133B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、抗菌性銀ゼオライト及び、抗菌性銀ゼオライ
ト並びに有機ポリマーを含む抗菌性・抗かび性を備えた
合成及び天然の樹脂、ゴム、皮革、繊維などを製造する
ために有用な抗菌性ポリマー組成物、さらに詳しくは加
工時に熱変色せず、日光等紫外線で経時的に変色しない
抗菌性ポリマー組成物及びその製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 日光等紫外線で経時的に変色することのない抗菌性ゼオ
ライト及び抗菌性ポリマー組成物が提案されている(特
開昭63−265809)。これはゼオライト中のイオ
ン交換可能なイオンの一部又は全部をアンモニウムイオ
ン及び抗菌性金属イオンで置換した抗菌性ゼオライト及
び抗菌性ポリマー組成物に関するものである。しかし、
この抗菌性ゼオライトは、抗菌性金属として銀イオンだ
けを保持したときは熱安定性に欠け、A型ゼオライトを
用いた場合とくに顕著であるが、それ自体が300℃の加
熱ですでに黄土色に変色し、ポリプロピレン樹脂(練り
込み温度240℃)に練り込むと薄く茶色に変色するとい
う不具合があり、著しく商品価値を損なうという問題点
があった。そこで銀イオンの他に銅、亜鉛、水銀、錫、
鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、タリウムなどの抗
菌性金属イオンを共存させると抗菌性ゼオライトの熱安
定性が高まるので、好んで特に銅、亜鉛イオンを大量に
保持させた抗菌性ゼオライトが実用に供されている。し
かし、例え人体に必須の微量金属であっても、これら金
属イオンの毒性は無視できないものがあり、大きな問題
があった。銀イオンは、ppbオーダーの極低濃度で顕著
な抗菌性を示し、例え誤飲しても胃酸と反応して不溶化
され、吸収されずにそのまま排出され、飲用水の殺菌に
も使用されているほどに安全性が極めて高いことはよく
知られている。そこで、極めて安全性の高い銀イオンだ
けを保持した抗菌性銀ゼオライトが望まれていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来の抗菌性ゼオライトがもつ欠点を克服
し、有機ポリマーに抗菌性銀ゼオライトを配合したとき
に熱変色せず、日光等紫外線で経時的に変色しない抗菌
性ゼオライト及び、抗菌性銀ゼオライト並びに有機ポリ
マーから主としてなる抗菌性ポリマー組成物及びその製
造方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
(発明に至る経過) 本発明者らは、化学構造的に地球上に到達する太陽光の
波長域の光を吸収する官能基を持たないポリプロピレン
が、有機ポリマーと抗菌性ゼオライトとの相互作用によ
る変色について研究するのに最適であると考えた。そこ
で、押出機を用いて添加剤の全く入っていないポリプロ
ピレン樹脂に硝酸銀及びゼオライトを練り込む実験を行
った。ヒータ設定温度は250℃とし、樹脂重量の0.5%の
硝酸銀を添加したもの、ゼオライト粉末だけを樹脂重量
の2%添加したもの、及び樹脂重量の0.5%の硝酸銀と
樹脂重量の2%のゼオライト粉末をメノウ乳鉢で十分に
混合して添加したものについて実験した。硝酸銀だけを
練り込んだ場合及びナトリウムタイプのゼオライトだけ
を練り込んだ場合はほとんど変色しなかった。しかし、
硝酸銀とゼオライトを混合して練り込んだ場合には茶褐
色に著しく変色した。そこで各種ゼオライトと硝酸銀を
混合して樹脂に練り込み、樹脂の変色についての実験を
行った。数多くの実験のうち、A型ゼオライトをアンモ
ニアアルカリ性のアンモニウムイオン溶液に浸漬したの
ち、乾燥したものを樹脂に練り込んだものは、変色がな
いことを見出した。変色しない理由は、ゼオライト表面
に吸着されているアンモニウムイオンが、銀イオンがゼ
オライトに結合して活性化するのを、妨げることによる
ものと考えられる。なお、X型、Y型、モルデナイト型
ゼオライトは、同じように調製しても変色の問題が解決
されないので適当でないことが分かった。この理由は、
A型ゼオライトの細孔径は約0.4nmであり、メタン・エ
タンといった小さな分子しか細孔内に入り得ないのに対
して、X型、Y型、モルデナイト型ゼオライトの細孔径
は、ポリマーの末端あるいは添加剤分子そのものが入り
得る大きさであることから、触媒活性の高い細孔内での
反応による変色と考えられる。これら知見に基づいて本
発明をなすに至った。
(問題を解決する手段) 本発明はアンモニウムイオン溶液に浸漬したのち乾燥し
たゼオライトに、アンミン銀錯イオン及びアミン銀錯イ
オンの少なくとも1種を保持した抗菌性銀ゼオライト及
び、この抗菌性銀ゼオライト並びに有機ポリマーから主
としてなる変色のない抗菌性ポリマー組成物、及びその
製造方法を提供するものである。
以下本発明について説明する。
本発明において担体として用いるゼオライトは、A型ゼ
オライト及び、A型ゼオライトの細孔径より小さい細孔
径を有する例えばシャバサイト等のゼオライトであっ
て、それに含まれるカチオンとしては、NH4 と置換さ
れやすい1価のNa,Kが好ましい。これらカチオン
は1種類だけでも、任意の比率で含まれていても差し支
えない。その他のイオンでも毒性・変色等の問題がない
範囲ならば含まれていて差し支えない。又ゼオライトの
粒度は0.1〜1000μm程度の粉末粒子が好ましい。
本発明に用いるアンモニウムイオン溶液は、例えば硝酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、
酢酸アンモニウムなどのアンモニウム塩を少なくとも1
種類含んだ溶液であり、普通溶媒としてはイオン交換水
を用いる。
本発明の抗菌性銀ゼオライトの活性成分として用いる銀
のアンミン錯イオン及びアミン錯イオンとは、プラスの
電荷を持つ銀錯イオンであって、配位子としてアンモニ
ア又はアミンを含むものである。配位子としては、アン
モニアが最も普通であるが、その他にエチルアミン、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノー
ルアミンなどの有機アミンを挙げることができる。これ
らは単独で用いられてもよいし、2種以上組合わせて用
いられてもよい。又抗菌性銀ゼオライトの銀イオン含有
量は0.1〜15重量%、好ましくは1〜5重量%が適当で
ある。
以下本発明の抗菌性銀ゼオライトの製造方法について説
明する。
本発明の、ゼオライトを浸漬するアンモニウムイオンの
濃度は、0.1〜10規定、好ましくは0.5〜3規定に調製す
る。そのときの溶液のpHは、アンモニアを添加し7〜1
2、好ましくは8.5〜10.5に調整する。ここで添加するア
ンモニアはアンモニア水が好ましいが、アンモニアガス
でも良い。pHが7以下の溶液にゼオライトを浸漬した場
合は変色の問題が解決されない。その理由はゼオライト
表面においてNH4 の他にHが交換され、銀イオンに
対してのNH4 による隠蔽効果が不十分となるためと考
えられる。このように調製したアンモニウムイオン溶液
にゼオライト粒子粉末を浸漬する。浸漬する時間は1時
間以上が望ましい。浸漬後溶媒を過などの方法で除去
し、乾燥する。乾燥温度は60℃以上、好ましくは100〜1
50℃とするのが適当である。乾燥が必要なのは、そのま
まではゼオライト細孔内がアンモニアで満たされてお
り、これを除去しないと、銀錯イオンがゼオライトに保
持されないためである。このようにして得られたゼオラ
イトを、予め調製したアンミン銀錯イオン及びアミン銀
錯イオンの少なくとも1種を含む溶液に加え、室温で30
分以上、好ましくは1時間程度撹拌する。ここでアンミ
ン銀錯イオン又はアミン銀錯イオンを用いる理由は、A
型ゼオライトにおいてAgは特にイオン交換の選択順位
が高く、ゼオライト表面のNH4 がAgに容易に置換さ
れるので変色の問題が生じると考えられるが、銀錯イオ
ンの場合はイオンも大きく選択順位がNH4 より低いの
で置換されないためと考えられる。ここで用いる銀錯イ
オン溶液の濃度については、特に制限は無いが、好まし
くは0.001〜1規定が適当である。銀錯イオン溶液の調
製は、アンミン又はアミンの配位子を適当量加えた水溶
液に、撹拌しながら当量の銀塩を徐々に加えることによ
って行われる。このとき加える銀塩の量は、配位子の当
量の90〜80%とすることが透明な銀錯イオン溶液を得や
すいので好ましい。なお、水に溶けやすい銀塩の場合
は、先に銀イオン溶液を作ったのち配位子を加えて銀錯
イオン溶液を作ることもできる。銀塩としては、硝酸
銀、硫酸銀、酸化銀、塩化銀などアンミン又はアミンの
配位子と銀錯イオンを形成するものが利用できる。次に
溶媒を過等の方法により除去し、pHを8〜12,好まし
くは10〜11に調製したアンモニア水を用い、液中に銀
イオンが検出されなくなるまで洗浄したのち、100〜150
℃で乾燥することにより抗菌性銀ゼオライトを得る。こ
こで抗菌性銀ゼオライトの洗浄に一般的なイオン交換水
を使用すると変色の問題が解決されない。その理由は、
イオン交換水は弱酸性であり弱酸性溶液中で銀錯イオン
はAgと配位子に分離しており、そのようにして生じた
Agがゼオライト表面のNH4 と部分的に置換し、活性
化されたAgが生じるためと考えられる。
本発明に用いる有機ポリマーは、変色のない抗菌性銀ゼ
オライトを用いているので広く熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂及び架橋ゴム類を単独又は複合して用いることがで
きる。又これら有機ポリマーに含まれる安定剤、紫外線
防止剤、可塑剤、帯電防止剤など各種添加物について
は、ほとんどのものが練り込み加工時程度の温度でAg
と反応して変色する。そのため特別な配慮なしに調製し
た銀ゼオライトの場合、練り込み加工時に著しく変色す
るが、本発明による抗菌性銀ゼオライトでは、直接反応
に係わるゼオライト表面のAgが極微量であるので変色
しないものと考えられる。さらに、本発明による抗菌性
銀ゼオライトは、表面に存在するAgが極微量であるの
で日光等紫外線による経時変色もほとんどない。又ゼオ
ライト表面に存在するAgは、練り込み加工時に酸化等
の変質を受け易く抗菌性を失い易いので、従来の銀ゼオ
ライトが、例えその表面に多量のAgを保持していたと
しても抗菌効力にはほとんど寄与しないものと考えら
れ、本発明による抗菌性銀ゼオライトは、良好な抗菌性
を示す。
本発明の抗菌性有機ポリマーは、形状別に分類すると成
型品(フィルム、シート、パイプ、型物)、発泡体、塗
料、接着剤、樹脂加工、繊維、複合材などに応用できる
が、その大きさ及び形状は特に限定されるものではな
い。繊維の場合には、抗菌性有機ポリマーでない異種の
繊維と組合わせて織物、不織布などとして用いることも
可能であり、本発明による抗菌性の繊維を紙などに漉き
込んで抗菌性の紙を作ることもできる。又抗菌性銀ゼオ
ライト粉末粒子の組成物全重量に対する割合は、0.1重
量%未満では抗菌効果がほとんど期待できず、40重量%
を越えるとポリマーの特性を著しく損なうので用いるこ
とができない。
(発明の効果) 本発明の抗菌性銀ゼオライトは、有機ポリマーに配合し
たとき加工時及び経時的に変色がないこと、及び毒性の
ある銅・亜鉛などの抗菌性金属イオンを含まないので安
全性が高いことなどにより、有機ポリマーに配合した組
成物は、抗菌抗カビ機能のある日用雑貨樹脂製品、食品
包装材、衣料、自動車内装用レザーなど幅広い用途に応
用することができる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1(抗菌性銀A型ゼオライトの調製法) イオン交換水900mlに硝酸アンモニウム120gを溶かし,
28%アンモニア水6.6mlを加えた溶液をかきまぜながら
ナトリウムタイプのA型ゼオライト(平均粒子径3.5μ
m、比表面積750m/g)の乾燥物300gを加え、室温
で1時間浸漬させた。このときの溶液のpHは9.0であっ
た。そののち過し,110℃で6時間乾燥した。このよ
うにして得られたゼオライトを250g取り、予め調製し
たアンミン銀錯イオン溶液にかきまぜながら加え、室温
で1時間反応させた。なお、アンミン銀錯イオン溶液の
調製は次のように行った。硝酸銀8.5gをイオン交換水5
00mlに溶かし、かきまぜながら28%アンモニア水8.1ml
を加える。すると最初生じていた茶褐色の濁りが透明に
なりアンミン銀錯イオン溶液ができる。このときのpHは
10.7であった。反応後過し、イオン交換水にアンモニ
ア水を加えpHを10.5に調製した液を用い、液中に銀イ
オンが検出されなくなるまで洗浄したのち,110℃で6
時間乾燥して白色の抗菌性銀A型ゼオライトを得た。こ
の抗菌性銀A型ゼオライトに保持されたアンミン銀イオ
ンの量は、銀イオン換算で2.0重量%であった。又この
抗菌性銀A型ゼオライトを坩壺に入れ、電気炉で300
℃,2時間加温乾燥したが、ゼオライトに変色は認めら
れなかった。
比較例1 ナトリウムタイプA型ゼオライトの代わりにナトリウム
タイプX型及びY型ゼオライトを用いて、実施例1と同
様にして白色の抗菌性銀X型ゼオライト及び抗菌性銀Y
型ゼオライトを得た。この抗菌性銀X型並びにY型ゼオ
ライトに保持されたアンミン銀イオンの量は、銀イオン
換算でそれぞれ2.0重量%であった。又この抗菌性銀X
型並びにY型ゼオライトをそれぞれ坩壺に入れ、電気炉
で300℃,2時間加温乾燥したが、ゼオライトに変色は
認められなかった。
比較例2 乾燥した実施例1で用いたと同じA型ゼオライト100g
に水を加えて、130mlのスラリーとし、その後撹拌して
脱気し、さらに適量の0.5N硝酸と水を加えてpHを5〜
7に調製し、全容を180mlのスラリーとした。次に0.015
M硝酸銀及び1.5M硝酸アンモニウムを含む混合水溶液3
00mlを加え、40℃で10時間撹拌した。これを過し、
液中に銀イオンが検出されなくなるまでイオン交換水で
洗浄したのち,110℃で6時間乾燥した。この抗菌性ゼ
オライトに保持された銀イオンの含有量は0.55重量%で
あった。又この抗菌性銀ゼオライトを坩壺に入れ、電気
炉で300℃,2時間加温乾燥したところゼオライトは黄
土色に変色した。
実施例2(抗菌性ポリマー組成物と熱変色) 予め300℃,2時間乾燥しておいた実施例1で調製した
抗菌性A型銀ゼオライトを添加剤の入っていないポリプ
ロピレン樹脂(三井石油化学製J-700P)に2重量%配合
しニーダーで加熱温度250℃で押出し、成型機にかけ30
×40×2mmの抗菌性ポリマー組成物のテストピースを得
た。このテストピースは全く変色が見られなかった。
比較例3 比較例1による抗菌性銀X型並びにY型ゼオライトを使
用して、実施例2と同じく抗菌性ポリマー組成物のテス
トピースを得た。このテストピースは茶褐色の変色が見
られた。
比較例4 比較例2による抗菌性銀ゼオライトを使用して、実施例
2と同じく抗菌性ポリマー組成物のテストピースを得
た。このテストピースは薄茶色の変色が見られた。
実施例3(抗菌性ポリマー組成物の耐光試験) 実施例2で得られたテストピースを用いてフェードオメ
ーターによる耐光試験を行った。試験は63℃で20時間行
ったが、全く変色が見られなかった。
比較例5 比較例4で得られたテストピースを用いてフェードオメ
ーターによる耐光試験を行った。試験は63℃で20時間行
ったところ、もともと薄茶色であったのが、より濃い茶
色に変色した。
実施例4(抗菌性試験) 培養した大腸菌(IFO 3301)を2白金耳取り、生理食塩水
10mlに均一に分散させる。これをシャーレに入れ、予め
滅菌しておいた標準寒天培地を注ぐ。菌液と寒天がよく
混合するようにシャーレを揺り動かしてから、室温で放
置して寒天を固化させる。このようにして準備した培地
の上に実施例2で得た30×40×2mmのテストピースを置
き,36℃、16時間ふ卵器で培養した。テストピースの周
囲に0.5mm幅の阻止帯が生じ、抗菌性があることが確認
された。抗菌性銀A型ゼオライトを配合していないブラ
ンクのテストピースでも同様な試験を行ったが、阻止帯
は生じなかった。
実施例5(抗菌効力試験) 予め200℃,2時間乾燥しておいた実施例1で調製した
抗菌性A型銀ゼオライトを2重量%ポリエチレン樹脂
(三菱油化製LS-30)に配合し、ニーダーにより加熱温
度170℃で押出し,厚さ30μmのフィルムを作った。こ
のフィルムをヒートシールにより80×120mmの袋とし、
その中に予めブイヨン培地で培養しておいた菌液を0.3m
l入れたのち、袋内の空気を排出し密閉した。これに重
しを乗せ、加圧状態で37℃、24時間保存したのち、燐酸
緩衝液10mlで袋中の生残菌を洗い出し、この洗い出し液
中の生残菌数をSCDLP寒天培地を用い混釈平板培養法に
より測定した。試験菌には黄色ブドウ球菌(IFO 3060)及
び大腸菌(IFO 3301)を用いた。測定結果は、黄色ブドウ
球菌については、袋に添加した最初の菌数が1ml当り1.
0×104個であったのが、1ml当り20個に、そして大腸菌
については、袋に添加した最初の菌数が1ml当り1.4×1
05個であったのが、1ml当り80個になり、非常に顕著な
抗菌効力があることが分かった。なお、抗菌性銀ゼオラ
イトを入れてないブランクのポリエチレンについても同
様な試験を行ったが、同じく24時間後で、黄色ブドウ球
菌は1ml当り1.3×104個に、大腸菌は1ml当り1.5×106
個に増加していた。
実施例6(抗カビ性試験) 予め滅菌しておいたポテトデキストロース寒天培地をシ
ャーレに入れ固化させた。その寒天培地の上に実施例2
で得た30×40×2mmのテストピースを置いた。0.005%
スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液10mlに別途
培養したアスペルギルス・ニガー(IFO 4414)を5白金耳
取り、遠心分離により胞子を分離する。その胞子をGPLP
培地10mlに入れた菌液をシャーレのテストピースの上に
噴霧し,25℃,7日間ふ卵器で培養した。テストピース
の上にカビは全く発生せず、抗カビ性があることが確認
された。ブランクで同様な試験を行ったが、テストピー
スの上には周囲の培地と同様に甚だしくカビが生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 KAC 7242−4J (72)発明者 太田 光一 愛知県豊川市諏訪3丁目123 (72)発明者 竹内 聡 愛知県豊川市諏訪3丁目123 (72)発明者 戸井 祥夫 愛知県名古屋市千種区高見2―5―4 メ ゾン池下4D (72)発明者 蓑輪 晋 愛知県名古屋市緑区鳴海町字薬師山151 審査官 山岸 勝喜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニウムイオン溶液に浸漬したのち乾
    燥したゼオライトに、アンミン銀錯イオン及びアミン銀
    錯イオンの少なくとも1種を保持した抗菌性銀ゼオライ
    ト。
  2. 【請求項2】アンモニアアルカリ性のアンモニウムイオ
    ン溶液に浸漬したのち乾燥したゼオライトを、アンミン
    銀錯イオン及びアミン銀錯イオンの少なくとも1種を含
    む溶液中に加えたのち乾燥することを特徴とする抗菌性
    銀ゼオライトの製造方法。
  3. 【請求項3】アンモニウムイオン溶液に浸漬したのち乾
    燥したゼオライトに、アンミン銀錯イオン及びアミン銀
    錯イオンの少なくとも1種を保持した抗菌性銀ゼオライ
    ト粉末粒子及び有機ポリマーから主としてなる組成物で
    あって、このゼオライト粉末粒子の組成物全重量に対す
    る割合は0.1〜40重量%であるところの抗菌性ポリマー
    組成物。
  4. 【請求項4】アンモニウムイオン溶液に浸漬したのち乾
    燥したゼオライトに、アンミン銀錯イオン及びアミン銀
    錯イオンの少なくとも1種を保持した抗菌性銀ゼオライ
    ト粉末粒子0.1〜40重量部対有機ポリマー99.9〜60重量
    部の割合で混合することを特徴とする抗菌性ポリマー組
    成物の製造方法。
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