JP6083773B1 - 脱臭塗膜と該脱臭塗膜の成膜方法および脱臭面保有設備機器 - Google Patents

脱臭塗膜と該脱臭塗膜の成膜方法および脱臭面保有設備機器 Download PDF

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Abstract

【課題】防臭、抗菌効果を高めることができる脱臭塗膜を提供する。【解決手段】脱臭塗膜は、酸性領域で溶解するpH感受性高分子とそのpH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Aと、塩基性領域で溶解するpH感受性高分子とそのpH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Bと、を含み、粒子Aと粒子Bとを、セルロース誘導体および高度分岐環状デキストリンを含む水分散溶液中に分散させた水系コーティング剤が、固化して被塗布面に被着される。【選択図】 なし

Description

本発明は、防臭、抗菌効果を有する脱臭塗膜と該脱臭塗膜の成膜方法および脱臭面保有設備機器に関する。
例えば、医薬品、食品等の工場建物におけるトイレ設備においては、製造された製品が口等から服用、または飲食することから、特に、衛生面での配慮が必要となる。このため、人やトイレ内部からの細菌、ウイルス等の微生物による製品への汚染を防ぐことが重要となる。また、トイレ設備内で排尿、排便等によって発生する臭気も快適な環境をつくるためにも防臭対策が不可欠となる。
従来、防臭塗装に関しては、特許文献1に、繊維質を含む液成分に無機質顔料とセラミックス粉を含む塗料、例えばミルクに石灰、珪藻土並びに無機の色素顔料を混練拡散させた塗料を、臭気の強い有機系塗装膜の上に塗布することによって、建築用材料からの臭気および有機系塗料より発散される臭気を吸収遮断する防臭用塗料が開示されている。また、特許文献2には、水洗式小便器設備の尿石付着防止方法として、小便器の給水管に薬剤溶液注入装置を取り付け、所定の濃度の薬液を、1回の洗浄水量に対して所定の割合で、定量注入することによって、尿石の付着防止、消毒、脱臭などを図るものが開示されている。
特開2001−219118号公報 特開2003−155768号公報
しかしながら、上記の防臭用塗料は、臭気の強い有機系塗装膜の上に塗布することによって、建築用材料からの臭気および有機系塗料より発散される臭気を吸収遮断するものである。すなわち、被塗装物と塗料自身からの臭気を吸収遮断することを目的としたものである。このため、建物内部の天井、壁面、床および建物内の設備にいたるまでの広領域に脱臭効果が及ぶものではない。また、上記の水洗式小便器設備の尿石付着防止方法は、尿石の付着防止に適したpHを正確に維持することによって、小便器設備への尿石の付着を確実に防止し、小便器設備およびその排水管の腐食を抑制する。すなわち、尿石の付着防止のみを目的としたものである。このため、直接的な消臭効果や抗菌効果はない。
トイレ設備の天井、床、ブース内壁および便器、ゴミ処理場の設備機器、排水溝、排水口、ゴミ収集車等は、臭気、細菌、ウイルス等により汚染されやすい環境にある。
従来、このような設備機器では、臭気に関しては、市販されている防臭剤等で、対応していた。また、微生物の汚染に関しては、定期的な清掃などにより対応していた。
従って、特に上述した用途の設備機器は、細菌、ウイルス等の微生物による汚染を防ぐことや、防臭対策は元より、防臭剤撒布や定期清掃の労力低減の観点からも、防臭、抗菌効果を高めたい要請がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、防臭、抗菌効果を高めることができる脱臭塗膜を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応して説明する。
本発明の請求項1記載の脱臭塗膜は、酸性領域で溶解するpH感受性高分子と該pH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Aと、
塩基性領域で溶解するpH感受性高分子と該pH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Bと、を含み、
前記粒子Aと前記粒子Bとを、セルロース誘導体および高度分岐環状デキストリンを含む水分散溶液中に分散させた水系コーティング剤が、固化して被塗布面に被着される、
脱臭塗膜。
この脱臭塗膜では、酸性臭は、酸性で溶解するコーティング剤であるpH感受性高分子を介してトラップされる。また、アルカリ臭は、塩基性で溶解するコーティング剤であるpH感受性高分子を介してトラップされる。すなわち、脱臭塗膜は、アルカリ性臭気や酸性臭気を別々に対してではなく1つの塗材を用いて形成される。これにより、脱臭塗膜は、容易な成膜作業により、広範囲な臭気の脱臭効果が得られる。さらに、脱臭塗膜は、粒子Aおよび粒子Bが例えば銀ゼオライト等の無機系抗菌剤を含むので、脱臭効果に加え、これによる抗菌効果もさらに発現させることが可能となる。
本発明の請求項2記載の脱臭塗膜は、前記高度分岐環状デキストリンが、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンであり、
前記酸性領域で溶解するpH感受性高分子が、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであり、
前記塩基性領域で溶解するpH感受性高分子が、メタクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである、
請求項1記載の脱臭塗膜。
この脱臭塗膜では、しっかりとした被膜の形成が可能となる。また、綺麗な被膜になる。さらに、脱臭塗膜は、細かな多孔質のコーティング構造となるので、経時的に、徐々に脱臭効果、抗菌効果が発現する。
本発明の請求項3記載の脱臭塗膜の成膜方法は、酸性領域で溶解するpH感受性高分子に界面活性剤を加えた懸濁液に無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させて粒子Aを得、
塩基性領域で溶解するpH感受性高分子の懸濁液に有機酸で表面処理した無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させて粒子Bを得、
前記粒子Aと前記粒子Bを、エチルセルロースの水懸濁液、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンの成分を含有する水分散溶液中に均一に分散させ水系コーティング剤を得、
前記水系コーティング剤を塗布した後、加熱処理により被塗布面に固化させて成膜する、
脱臭塗膜の成膜方法。
この脱臭塗膜の成膜方法では、脱臭塗膜をしっかりとした被膜で形成できる。また、脱臭塗膜を綺麗な被膜で成膜できる。さらに、HPMCを使うことで、脱臭塗膜が多孔質のコーティング構造となるので、脱臭効果、抗菌効果が長期に渡り持続する脱臭塗膜を形成できる。
本発明の請求項4記載の脱臭面保有設備機器は、臭気が接する表面を有する臭気接触部材と、
前記表面の少なくとも一部分を被覆する脱臭塗膜と、を有し、
前記脱臭塗膜は、
酸性領域で溶解するpH感受性高分子に界面活性剤を加えた懸濁液に無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させた粒子Aと、
塩基性領域で溶解するpH感受性高分子の懸濁液に有機酸で表面処理した無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させた粒子Bと、を含み、
前記粒子Aと前記粒子Bとを、セルロース誘導体および高度分岐環状デキストリンを含む水分散溶液中に分散させた水系コーティング剤が、固化して被塗布面に被着される、
脱臭面保有設備機器。
この脱臭面保有設備機器では、例えばトイレの設備において、便器(大も小も)、壁面や天井、床など、大便器ブースの内壁などの全てに、防臭と抗菌効果を有する塗材がコーティングされる。これにより、臭気の接する面積の殆どで脱臭効果、抗菌効果を発現させることが可能となる。その結果、脱臭面保有設備機器において、高い脱臭効果、抗菌効果が得られるようになる。
本発明に係る請求項1記載の脱臭塗膜によれば、酸性臭は、酸性で溶解するコーティング剤であるpH感受性高分子を介してトラップされる。また、アルカリ臭は、塩基性で溶解するコーティング剤であるpH感受性高分子を介してトラップされる。すなわち、脱臭塗膜は、アルカリ性臭気も酸性臭気もいずれも脱臭可能な1つの塗材で形成することができる。これにより、脱臭塗膜は、容易な成膜作業により、広範囲な臭気の脱臭効果が得られる。また、脱臭塗膜は、粒子Aおよび粒子Bが無機系抗菌剤を含むので、脱臭効果に加え、これによる抗菌効果もさらに発現させることが可能となる。そして、トイレ設備の天井や床、ブース壁面や便器等や、ゴミ処理場における設備機器や排水溝、排水口、さらにはゴミ収集車等に対し、防臭塗膜を形成することで、これらの臭気をトラップし、防臭、抗菌効果を高めることができる。
本発明に係る請求項2記載の脱臭塗膜によれば、塩基性臭、酸性臭、それぞれで反応して容易に溶解する塗材を用いて成膜することができる。これにより、塩基性臭、酸性臭をそれぞれでトラップし、防臭することができる。
本発明に係る請求項3記載の脱臭塗膜の成膜方法によれば、長期に渡り脱臭効果、抗菌効果を持続させる脱臭塗膜を容易に形成することができる。
本発明に係る請求項4記載の脱臭面保有設備機器によれば、臭気をトラップし、環境のよい設備空間、設備機器を得ることができる。また、抗菌作用によって、人および設備機器、例えばトイレの内部からの細菌、ウイルス等の微生物による人、または設備機器内部への汚染を抑制することができる。すなわち、トイレ設備の天井、床、ブース内壁および便器や、ゴミ処理場の設備機器、排水溝、排水口、さらにはゴミ収集車等、臭気、細菌、ウイルス等により汚染されやすい環境において、その汚染を抑制することが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態を説明する。
[脱臭塗膜]
本構成例の脱臭塗膜は、脱臭面保有設備機器における臭気接触部材の表面に形成、成膜される。脱臭面保有設備機器は、設備と機器とを含む。設備としては、例えばトイレ、ゴミ収集場、調理場、医療施設等を挙げることができる。機器としては、例えば便器、ゴミ処理機械、ゴミ収集車、調理機械、水栓、排水溝、排水口、医療器具等を挙げることができる。
臭気接触部材は、上記設備および機器に用いられる部材、例えばトイレ設備の天井、床、ブース内壁も含む。より具体的に、臭気接触部材は、コンクリート、セメント、石膏、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、その他の窯業系基材やガラスなどの無機系基材、または鉄、アルミニウム、ステンレス、その他の金属材、あるいは木材、合成樹脂材、紙、繊維などの有機系基材を含む。
脱臭面保有設備機器は、臭気接触部材の表面に臭気が接する。脱臭塗膜は、この臭気接触部材の表面の少なくとも一部分に被覆されている。
脱臭塗膜は、酸性領域で溶解するpH感受性高分子とそのpH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Aと、塩基性領域で溶解するpH感受性高分子とそのpH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Bと、を含んでいる。脱臭塗膜は、これら粒子Aと粒子Bとを、セルロース誘導体および高度分岐環状デキストリンを含む水分散溶液中に分散させた水系コーティング剤が、固化して被塗布面に被着したものである。
脱臭塗膜を構成する酸性領域で溶解するpH感受性高分子は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(商品名:オイドラギット EPO)や、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであることが好ましい。
無機系抗菌剤は、脱臭と抗菌作用を有する銀ゼオライトであることが好ましい。銀ゼオライトは、殺菌と防臭を行うことが既知であり、例えばゼオミック(登録商標:シナネン株式会社)を用いる。
また、脱臭塗膜を構成する塩基性領域で溶解するpH感受性高分子は、メタクリル酸コポリマーLD(商品名:オイドラギット L30D−55)や、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートであることが好ましい。なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)は、フタリル基の置換度によりpH5からpH5.5の範囲で容易に溶解する。
脱臭塗膜は、酸性で溶け、アルカリ性(塩基性)でも溶ける。防臭に関してアンモニア、アミン類のアルカリ臭は、上記粒子Bの塩基性で溶解するpH感受性高分子に、硫化水素、酪酸の酸性臭は、上記粒子Aの酸性で溶解するpH感受性高分子に、それぞれ臭いがトラップされる。これら粒子は、アルカリ性、酸性、それぞれで反応する形で、銀ゼオライトにフィルム状にコーティングする構成である。これは、既知のシクロデキストリンや銀ゼオライトを芯にしてコーティング材のようにpH感受性高分子が巻き付けられる構造とされる。これにより、酸性の臭い、アルカリ性の臭いでコーティング材であるpH感受性高分子が溶けて反応し、これら臭いをトラップ、すなわち捕捉する。
<高度分岐環状デキストリン>
脱臭塗膜を構成する高度分岐環状デキストリンは、脱臭作用を有するシクロデキストリンまたはクラスターデキストリン(江崎グリコ社:登録商標)であることが好ましい。クラスターデキストリンは、構造が環状であり、その環の中に臭いをトラップすることにより脱臭効果を得ることができる。
ところで、抗菌とは「製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態」と定義される(JIS Z 2801(ISO22196))。抗菌剤は、細菌がついても、ある一定の時間しか生きることができない、あるいはそれ以上増殖できなくすることにより、菌にとっては住みにくい状態にする。このように、抗菌剤は、菌を殺したり減少させたりするのではなく、増殖を抑制する。すなわち、脱臭塗膜は、物体や液体といった対象物や、限られた空間に含まれる微生物の数を減らし、清浄度を高めることができる。
高度分岐環状デキストリンは、例えば、多数のブドウ糖が結合して成るデンプンの一部の結合を加水分解することにより、大きさを小さくしたデキストリンからなるものであって、構造に環状部分を持ち、また多くに枝分かれする部分を持つ。この高度分岐環状デキストリンは、以下の特徴を有する。体内の消化酵素によっても、容易に消化される。すなわち、人体への安全性が高い。他のデキストリンに比べて、分子量分布が狭い。水への溶解性が高く、冷水にもよく溶ける。すなわち、コーティング(塗膜形成)の作業が容易となる。安定性がよく、老化しにくく、粘性が低い。高分子であり、分子量が揃っているため、ほとんど浸透圧を発生しない。雑味や甘みがほとんどなく、デンプンに由来する粉臭がない。この高度分岐環状デキストリンは、例えばコーンスターチに、酵素であるブランチングエンザイムを作用させて製造することができる。
シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースがαグルコシド結合によって結合し環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。シクロデキストリンは、グルコースが5個以上結合したものが知られている。一般的なものはグルコースが6個から8個結合したものであり、それぞれ6個結合しているものがα−シクロデキストリン(シクロヘキサアミロース)、7個結合しているものがβ−シクロデキストリン(シクロヘプタアミロース)、8個結合しているものがγ−シクロデキストリン(シクロオクタアミロース)と呼ばれる。
シクロデキストリンは、デンプンにバシラス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属といった細菌から抽出したシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼを作用させることによって得ることができる。すなわち、でんぷんを活性分解させて得ることができる。シクロデキストリンは、塩基に対しては安定であり、酸に対してもデンプンや他のオリゴ糖に比べるとかなり安定である。またα−アミラーゼによる分解もデンプンに比べるとかなり遅い。β−アミラーゼによっては分解されない。また熱に対してもかなり安定で、200℃程度まで加熱しても安定である。シクロデキストリンの水への溶解度は、25℃でα体が14.5g/100ml、β体が1.8g/100ml、γ体が23.2g/100mlであり、β体はその溶解性が低い。
シクロデキストリンの環状構造の内部は、他の比較的小さな分子を包接できる程度の大きさの空孔となっている。シクロデキストリンのヒドロキシ基は、この空孔の外側にあるため、空孔内部は疎水性となっており、疎水性の分子を包接しやすい。これを利用して疎水性の物質をシクロデキストリンに包接させることで水に溶解させたり、水や酸素と反応しやすい物質を保護したりできる。
[脱臭塗膜の成膜方法]
本構成例の脱臭塗膜の成膜方法は、概略的に、酸性領域で溶解するpH感受性高分子に界面活性剤を加えた懸濁液に無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させて粒子Aを得る。また、塩基性領域で溶解するpH感受性高分子の懸濁液に有機酸で表面処理した無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させて粒子Bを得る。次いで、粒子Aと粒子Bを、エチルセルロースの水懸濁液、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンの成分を含有する水分散溶液中に均一に分散させ塗材である水系コーティング剤を得る。そして、この水系コーティング剤を臭気接触部材の表面に塗布した後、加熱処理により被塗布面に固化させて脱臭塗膜を成膜する。
<粒子A>
より具体的には、脱臭塗膜は、臭気接触部材の表面に防臭効果および抗菌作用を有する塗材をコーティング(塗装)することにより得られる。塗材は、pHが酸性領域で溶解するコーティング剤(例えば、オイドラギット EPO)と銀ゼオライトから成る粒子Aを具備する。具体的には、オイドラギット EPO:100部、ラウリル硫酸ナトリウム:10部、ステアリン酸:15部およびタルク:35部を水:240部で均一な懸濁液とする。ここに銀ゼオライトを分散し、均一な水分散溶液を製する。この水分散溶液を、噴霧乾燥装置を用いて、銀ゼオライトにオイドラギット EPOが包含された構成となる固形粒子Aとする。
<粒子B>
また、塗材は、pHが塩基性領域で溶解するコーティング剤(例えば、オイドラギット L30D−55)と、予め有機酸(例えば、コハク酸)を用いて表面処理した銀ゼオライトとから成る粒子Bを具備する。具体的には、オイドラギット L30D−55:100部、クエン酸トリエチル;20部およびタルク:50部を水:100部で均一な懸濁溶液とする。ここに有機酸で表面処理した銀ゼオライトを分散し、均一な水分散溶液を製する。この水分散溶液を、噴霧乾燥装置を用いて、銀ゼオライトにオイドラギット L30D−55が包含された構成となる固形粒子Bとする。
塗材は、これらの粒子Aと、粒子Bとを、エチルセルロースの水懸濁液(水不溶性高分子としては、例えばエチルセルロース(特にエチルセルロース水分散液(例えば、商品名:アクアコート、FMC社製)))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンの成分を含有する水分散溶液中に均一に分散させた水系コーティング剤である。
脱臭塗膜の成膜方法は、この水系コーティング剤を用いて、臭気接触部材に塗布した後、加熱処理(例えば65℃で10分間)により臭気接触部材の表面に成膜させ固化させることにより、脱臭塗膜を得る。塗布には、刷毛塗り、スプレー、ディッピング、ロールコート、印刷などの塗装手段を用いることができる。塗布は、1回、あるいは数回に分けて、すなわち多層構造とすることができる。塗材となって塗布されるので、その塗膜状態の塗材に熱をかけることで安定した塗膜が形成される。加熱処理は、塗装の後であり、ドライヤーなどの器具を使うことにより行うことができる。
<噴霧乾燥>
上記固形粒子A及び固形粒子Bを得るための噴霧乾燥は、上記した水分散溶液を気体中に噴霧して急速に乾燥させ、乾燥粉体を製造する。本構成では、噴霧乾燥装置の乾燥に用いる気体は、高温(250℃程度)の空気を用いる。噴霧乾燥は、スプレードライまたはスプレードライングとも称し、食品や医薬品等の熱で傷みやすい材料を乾燥させる場合に用いて好ましいものである。また、噴霧乾燥は、安定した粒度分布を得ることができる。噴霧乾燥は、空気を加熱して乾燥媒体として用いることができる。そのため、成膜コストを安価にできる。この他、噴霧乾燥は、エタノールのような可燃性液体を溶媒とする場合や酸素感受性の製品である場合には、窒素ガスなどを乾燥媒体として用いてもよい。噴霧乾燥は、用途に応じ、10〜500μmの液滴サイズを選択することができる。なお、本構成例の脱臭塗膜は、液体流を噴霧により塗布処理した後、特に加熱せずに、溶液または懸濁液を蒸発によって固体化するものであってもよい。この噴霧乾燥によって、銀ゼオライトの表面にpH感受性高分子がコーティングされる粒子、つまり銀ゼオライトがpH感受性高分子に包含される粒子が得られる。
[脱臭面保有設備機器]
脱臭面保有設備機器である例えばトイレの設備では、便器(大も小も)、壁面や天井、床など、さらに大便器ブースの内壁などに、防臭と抗菌効果を有する上記の塗材をコーティング、つまり塗装し塗膜を形成する。つまり、トイレという設備の全部に使用する。トイレ室内壁面や床面の素材として用いられるタイルにも使用する。
次に、上記構成の作用を説明する。
脱臭塗膜は、防臭効果のある成分を含む塗材で臭気接触部材の表面にコーティングされている。塗膜面であるコーティングは、アルカリ性臭気専用や酸性臭気専用など別々ではなく1つの塗材を用いて行われる。すなわち、塗材は、アルカリ性の臭気でも酸性の臭気でもいずれにも防臭効果のあるものである。
塗材には、さらにその中に防臭効果のあるシクロデキストリンまたはクラスターデキストリンが含まれている。糊或いはバインダーとなるHPMCは水に溶ける。これが糊の役目となって作用し、懸濁させたものを沈殿させないで、安定化する。すなわち、粒子Aと粒子Bとを分散させた状態の溶液となる。これにより、塗装により形成された脱臭塗膜は、臭気をトラップする。また、脱臭塗膜は、塗材に、抗菌効果を有する成分が合わせて配合されている。そのため、抗菌作用を発現させることもできる。
脱臭塗膜の成膜方法は、脱臭塗膜が、エチルセルロースなどのセルロース誘導体により、しっかりとした被膜で形成される。また、脱臭塗膜の成膜方法は、熱をかけることで、脱臭塗膜が綺麗な被膜になる。脱臭塗膜は、HPMCを使うことで、水又は水蒸気(湿気)との接触でHPMCが溶解し、微細な穴があく。HPMCでエチルセルロースをサポートして、塗った塗料が崩れることがなくコーティング状態を保つ。さらに、脱臭塗膜は、気体が入るような微細な孔を有する構造となる。つまり、細かな多孔質のコーティング構造となる。すなわち高度分岐環状デキストリンと銀ゼオライトとの臭い分子をトラップする構造を備えるものとなる。これにより、脱臭塗膜は、経時的に、徐々に脱臭効果、抗菌効果が発現するので、長期に渡り効力を持続させることができる。特に、銀ゼオライトにはpH感受性高分子がコーティングされており、このコーティングが、酸性領域で溶解するものと塩基性領域で溶解するものとで構成され、粒子Aにて硫化水素や酪酸,イソ吉草酸などの酸性臭にて溶解してその臭いをトラップし、粒子Bにてアンモニアやアミン類などのアルカリ臭にて溶解してその臭い分子をトラップすることとなり、すなわち、塩基性,酸性の臭いにて溶解して銀ゼオライトの微細な孔が臭い分子を捕捉してそれぞれの脱臭効果が発現する。また、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンよりなる高度分岐環状デキストリンはどちらの臭気に対しても広範囲な臭い分子を微細な孔にて捕捉可能である。
このように、脱臭塗膜は、防臭効果のある成分を含む塗材をコーティングすることにより形成しているので、例えばトイレ設備内で排尿、排便等によって発生する臭気をトラップし、環境のよいトイレ設備とすることができる。
また、人およびトイレ内部からの細菌、ウイルス等の微生物による人、または製造室内への汚染も問題となる。そこで、コーティングする塗材には防臭効果に加え抗菌効果の有る成分も合わせて配合している。具体的には、防臭に関しては、上記したようにアルカリ臭または酸性臭はそれぞれの臭気においてトラップされ防臭効果を発揮し、そして銀ゼオライトは抗菌効果も合わせて有している。すなわち、銀ゼオライトの微細な孔は、細菌やウイルス,カビなども捕捉し抗菌効果を発現させる。
従って、本構成例の脱臭塗膜によれば、防臭、抗菌効果を高めることができる。すなわち、脱臭面保有設備機器、例えばトイレ設備の臭気接触部材である天井や壁面、床、便器等の表面に、防臭効果および抗菌作用を有する塗材でコーティングを施すことにより、排尿、排便等によって発生する臭気、すなわち臭い分子を捕捉することができる。また、抗菌作用によって、人およびトイレ内部からの細菌、ウイルス等の微生物による人、または製造室内への汚染を抑制することができる。すなわち、トイレ設備内での脱臭および抗菌がこの設備内で行われ、外部に漏れ出ることも無く、環境の良いトイレ設備を実現できる。さらに、ゴミ処理場の設備機器、排水溝、排水口、ゴミ収集車等にも、コーティングを施すことで防臭効果および抗菌効果を得ることができ、また、家庭用ゴミ箱、事業用廃棄場、飲食物取扱設備など臭気を取り除きたい設備や機器等にも効果が得られる。
また、本構成例の脱臭塗膜の成膜方法によれば、長期に渡り脱臭効果、抗菌効果を持続させる脱臭塗膜を形成することができる。
また、本構成例の脱臭面保有設備機器によれば、臭気をトラップし、環境のよい設備空間とすることができる。また、抗菌作用によって、人およびトイレ内部等からの細菌、ウイルス等の微生物による人、またはトイレ内部等への汚染を抑制することができる。

Claims (4)

  1. 酸性領域で溶解するpH感受性高分子と該pH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Aと、
    塩基性領域で溶解するpH感受性高分子と該pH感受性高分子に包含される無機系抗菌剤とからなる粒子Bと、を含み、
    前記粒子Aと前記粒子Bとを、セルロース誘導体および高度分岐環状デキストリンを含む水分散溶液中に分散させた水系コーティング剤が、固化して被塗布面に被着される、
    脱臭塗膜。
  2. 前記高度分岐環状デキストリンが、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンであり、
    前記酸性領域で溶解するpH感受性高分子が、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであり、
    前記塩基性領域で溶解するpH感受性高分子が、メタクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである、
    請求項1記載の脱臭塗膜。
  3. 酸性領域で溶解するpH感受性高分子に界面活性剤を加えた懸濁液に無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させて粒子Aを得、
    塩基性領域で溶解するpH感受性高分子の懸濁液に有機酸で表面処理した無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させて粒子Bを得、
    前記粒子Aと前記粒子Bを、エチルセルロースの水懸濁液、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シクロデキストリンまたはクラスターデキストリンの成分を含有する水分散溶液中に均一に分散させ水系コーティング剤を得、
    前記水系コーティング剤を塗布した後、加熱処理により被塗布面に固化させて成膜する、
    脱臭塗膜の成膜方法。
  4. 臭気が接する表面を有する臭気接触部材と、
    前記表面の少なくとも一部分を被覆する脱臭塗膜と、を有し、
    前記脱臭塗膜は、
    酸性領域で溶解するpH感受性高分子に界面活性剤を加えた懸濁液に無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させた粒子Aと、
    塩基性領域で溶解するpH感受性高分子の懸濁液に有機酸で表面処理した無機系抗菌剤を分散させて水分散溶液を得た後、噴霧乾燥させた粒子Bと、を含み、
    前記粒子Aと前記粒子Bとを、セルロース誘導体および高度分岐環状デキストリンを含む水分散溶液中に分散させた水系コーティング剤が、固化して被塗布面に被着される、
    脱臭面保有設備機器。
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